説明

車載用表示装置、表示制御プログラム

【課題】助手席側に表示される映像をナビゲーション映像に自動的に切替えて、道を間違えないようにする表示装置及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】分配回路は、制御信号に基づいて、例えば、TV受信部からのTV用の映像信号を画像調整回路に出力することを止め、ナビゲーション部からの映像出力を画像調整回路に出力する。この画像調整回路からは画像調整されたナビゲーション用の映像が出力され、画像出力部を介して表示部に出力される。表示部では、助手席側に表示される映像が例えばTV映像からナビゲーション映像に切替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用表示装置及び表示制御プログラムに関する。詳しくは、単一の画面で複数の利用者各々に対して夫々異なる情報を略同時に表示することのできる車載用表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、1台の液晶ディスプレイ(LCD)で2画面を略同時に表示できる、例えば、運転席側と助手席側とから夫々異なる画面を見ることのできる表示装置が開示されている(例えば、以下の特許文献1及び2)。
【0003】
また、このような表示装置で、助手席側に表示される映像や音声を操作するコントローラを運転手が操作できる位置に配置したものも開示されている(例えば、以下の特許文献3)。
【特許文献1】特開平6−186526号公報
【特許文献2】特開2000−137443号公報
【特許文献3】特開2003−137005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる表示装置において、例えば運転席側にナビゲーション用の映像が表示されていると、助手席側の乗員は運転者と異なる映像を見ることができるため、運転者のみがナビゲーションの映像や音声に従って車両を走行させる場合がある。従って、運転者のみがナビゲーション用の映像等を視聴するため、運転者は道を間違えてしまうこともあった。
【0005】
かかる事態を防止するため、助手席側の乗員にもカーナビゲーション用の映像等を視聴させるようにすることが望ましいが、従来では、例えば特許文献3のように、コントローラによりマニュアルで表示や音声を切替えるしかなかった。
【0006】
一方で、車両や車両周囲の状況に応じて、助手席側に表示される映像が自動的にナビゲーション用の映像に切替われば、助手席側の乗員もナビゲーション用の映像を確認することができるため、道を間違えることもない。
【0007】
このため、助手席側の乗員にも自動的にナビゲーション用の映像に切替えることのできる表示装置が提案されることが望まれていた。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、車両や車両周囲の状況に応じて助手席側に表示される映像をナビゲーション用の映像に自動的に切替えて、運転者が道を間違えないようにする車載用表示装置及び表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、1画面内に複数の映像を表示して、異なる視点位置で異なる映像が視認できる車載用表示装置において、少なくとも助手席側で視認できる映像をナビゲーション用の映像に車両周囲の状況に応じて自動的に切替える制御手段、 を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、所定種別の案内地点に接近したときに前記切替えを行うことを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記ナビゲーション用の映像に右折や左折を示す方向指示が示されたとき前記切替えを行うことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、音声により右折や左折を示す方向指示が案内されたときに前記切替えを行うことを特徴とする。
【0013】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両が交差点を通過する前に前記切替えを行うことを特徴とする。
【0014】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両が高速道路の出入り口に近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする。
【0015】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両がサービスエリアに近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする。
【0016】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両が予め設定された目的地に近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする。
【0017】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両周囲の状況とは異なる状況のとき、少なくとも助手席側で視認できる映像を前記ナビゲーション用の映像に切替えない禁止設定を行い得ることを特徴とする。
【0018】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、運転席側で視認できる映像がナビゲーション用の映像ではないとき、前記切替えを行わない禁止設定を行い得ることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、運転席側で視認できる映像がナビゲーション映像のときであって、かつ経路案内を行っていないとき、前記切替えを行わない禁止設定を行い得ることを特徴とする。
【0020】
更に、本発明は前記車載用表示装置において、前記制御手段は、前記車両の現在位置を示す位置情報と、前記車両周囲の状況を示す情報とを比較して、前記位置情報から前記車両が、前記車両周囲の状況を示す情報に基づいて特定の前記車両周囲の状況となったときに、前記切替えを行うことを特徴とする。
【0021】
また、上記目的を達成するために本発明は、1画面内に複数の映像を表示して、異なる視点位置で異なる映像が視認できるように前記各映像を略同時に表示する車載用表示装置における表示制御プログラムにおいて、車両周囲の状況に応じて、少なくとも助手席側に表示される映像をナビゲーション用の映像に自動的に切替える処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、運転者が道を間違えないようする車載用表示装置及び表示制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態について、以下図面を参照しながら説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ物である。
【0024】
[表示装置の全体構成と各構成の説明]
まず、本発明に係る車載用表示装置(以下、「表示装置」)の全体構成等を説明する。図1は、本発明に係る表示装置の概念図である。
【0025】
図1の概念図は、表示部7に対する観察者(利用者)10、11の相対的位置に応じて、換言すれば表示部7に対する視野角に応じて、観察者10は第1の表示画像8を、観察者11は第2の表示画像9を実質的に同時に見ることができ、しかも各々の表示画像8、9は表示部7の表示面全体に渡ってみることができることを概念的に示している。図1において、第1の画像ソース1は例えばDVDプレーヤの映画画像やテレビ受信機の受信画像等であり、第2の画像ソース2は例えばカーナビゲーション装置の地図やルート案内画像等である。第1の画像データ3及び第2の画像データ4は表示制御部5に供給され、それらを表示部7で実質的に同時に表示できるように処理される。
【0026】
表示制御部5から表示データ6が供給される表示部7は、後述する視差バリアを備えた液晶パネル等で構成される。表示部7の横方向の総画素の半数が第1の画像ソース1に基づく第1の表示画像8の表示に、残りの半数の画素が第2の画像ソース2に基づく第2の表示画像9の表示に使用される。表示部7に対して左側に位置する観察者10には、第1の表示画像8に対応する画素のみが見え、第2の表示画像9は表示部7の表面に形成された視差バリアによって遮られ実質的に見えない。一方、表示部7に対して右側に位置する観察者11には、第2の表示画像9に対応する画素のみが見え、第1の表示画像8は視差バリアによって遮られ実質的に見えない。尚、視差バリアについては、例えば、以下の特許文献4、特許文献5に開示された構成を応用できる。
【特許文献4】特開平10−123461号公報
【特許文献5】特開平11−84131号公報
【0027】
係る構成により、単一の画面で左右の利用者に異なる情報やコンテンツを提供することができる。もちろん、第1、第2の画像ソース1、2が同じであれば、従来通り
左右の利用者が同じ画像を見ることもできる。
【0028】
図2は、本発明に係るマルチビュー表示装置の車両への搭載例を示す斜視図である。図中、右側に運転席13、左側に助手席12が配置される。また、運転席13、助手席12の前面にウィンドシールド14が設けられている。
【0029】
図1のマルチビュー表示装置の表示部7は、例えば図2に示すように、運転席13と助手席12とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。マルチビュー表示装置に対する各種操作は、表示部7の表面に一体的に形成されたタッチパネル(図示せず)や操作部15又は、赤外線若しくは無線リモートコントローラ(図示せず)の操作によって行われる。車両の各ドアにはスピーカ16が配置され、表示画像に連動した音声や警告等が出力される。
【0030】
運転席13に図1の観察者11が、助手席12には観察者10が座る。表示部7に対する第1視方向(運転席側)から見ることができる画像は例えばカーナビゲーション装置の地図等の画像であり、実質的に同時に第2視方向(助手席側)から見ることができる画像は例えばテレビ受信画像やDVD映画画像である。従って、運転席13の運転者がカーナビゲーションによる運転支援を受けるのと同時に助手席12の同乗者はテレビやDVDを楽しむことができる。しかも、それぞれの画像は例えば7インチの画面全体を使用して表示されるため、従来のマルチウィンドウ表示のように画面サイズが小さくなることもない。つまり、運転者、同乗者にとってはあたかも各々独立した専用のディスプレイがあるかの如く、それぞれに最適な情報やコンテンツが提供される。
【0031】
図3は、表示部7の断面構造の概略図である。図3に示すように、表示部7はバックライト101と液晶パネル100とを備える。液晶パネル100は、バックライト101側に設置された偏光板102と、液晶パネル100の発光方向側の前面に配置された偏光板103と、TFT(Thin Film Transistor)基板104と、液晶層105と、カラーフィルター基板106と、ガラス基板107、及び視差バリア108とから構成される。液晶パネル100は、TFT基板104とそれに対向して配置されるカラーフィルター基板106の間に液晶層105を挟持した一対の基板と、その発光方向側の前面に配置された視差バリア108とガラス基板107とを、2枚の偏光板102、103の間に挟んだ構成となっており、バックライト101からやや隔離して配設される。また、液晶パネル100は、RGB色(三原色)で構成される画素を有する。
【0032】
液晶パネル100の各画素は、左側(助手席側)表示用と、右側(運転席側)表示用とに分けられて表示制御される。そして、左側(助手席側)表示用画素は、視差バリア108により右側(運転席側)への表示は遮断され、左側(助手席側)からは見えるようになっている。また、右側(運転席側)表示用画素は、視差バリア108により左側(助手席側)への表示が遮断され、右側(運転席側)からは見えるようになっている。これにより、運転者と同乗者に異なった表示を提供することが可能となる。つまり、運転者にはナビゲーションの地図情報を与え、同時に同乗者にはDVDの映画等を見せることが可能となる。なお、視差バリア108、液晶パネル100の各画素の構成を変更すれば、3方向等、複数方向に異なった画像を表示する構成も可能である。また、視差バリア108自体を電気的に駆動可能な液晶シャッタ等で構成して視野角を可変にするようにしてもよい。
【0033】
図4は、表示パネルを正面から見た構造の概略図であり、図3は図4中のA−A’断面である。図中、画素109は左側(助手席側)表示用の画素であり、画素110は右側(運転席側)表示用の画素である。図3及び図4は、例えば横方向に800画素、縦方向に480画素並べられた液晶パネル100の一部を表す。左側(助手席側)表示用の画素109と右側(運転席側)表示用の画素110は縦方向にグループ化され、交互に並んでいる。視差バリア108は、横方向にある間隔で配置され、縦方向には一様である。これにより、左側から表示パネルを見ると、視差バリア108が右側用画素110を覆い隠して、左側用画素109が見える。また、同様に右側から見ると、視差バリア108が左側用画素109を覆い隠して、右側用画素110が見える。更に正面付近では、左側用画素109と右側用画素110の両方が見えるため、左側表示画像と右側表示画像とが実質的に重なって見える。ここで、図4中の交互に並んだ左側用画素109及び右側用画素110は、図3のようにRGB色を有しているが、各グループ縦方向内は、R列、G列、B列のように単色で構成されてもよいし、RGBが複数混じった列として構成されていてもよい。
【0034】
図5は、TFT基板104の概略図を示す回路図である。TFT基板104は、表示パネル駆動部111、走査線駆動回路112、データ線駆動回路113、TFT素子114、データ線115〜118、走査線119〜121、及び画素電極122を備える。
【0035】
図5に示すように、サブピクセル123は各データ線115〜118及び各走査線119〜121によって囲まれた領域を一単位として、複数形成される。各サブピクセルには、液晶層105に電圧を印加する画素電極122とそれをスイッチング制御するTFT素子114が形成されている。表示パネル駆動部111は、走査線駆動回路112及びデータ線駆動回路113の駆動タイミングを制御する。走査線駆動回路112はTFT素子114の選択操作を行い、またデータ線駆動回路113は画素電極122の印加電圧を制御する。
【0036】
前記複数のサブピクセルは、第1の画像データと第2の画像データの合成データ、若しくは第1と第2の個々の画像データに基づいて、例えばデータ線115、117に第1の画素データ(左側画像表示用)を、またデータ線116、118に第2の画素データ(右側画像表示用)を送信することにより、第1の画像を表示する第1の画像データ群と第2の画像を表示する第2の画像データ群が形成される。
【0037】
図6は、本発明に係る表示装置の概略を示すブロック図であり、いわゆるAudio Visual Navigation複合機への適用例である。表示装置は、タッチパネル124、制御部200、CD/MD再生部201、ラジオ受信部202、TV受信部203、DVD再生部204、HD(Hard Disk)再生部205、ナビゲーション部206、分配回路207、第1の画像調整回路208、第2の画像調整回路209、音声調整回路210、画像出力部211、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信部212、GPS(Global Positioning System)情報受信部213、セレクタ214、操作部215、リモコン送受信部216、リモコン217、メモリ218、外部音声/映像入力部219、カメラ220、明るさ検知手段221、乗員検知手段222、リア表示部223、ETC(Electronic Toll Collection)車載器224、通信ユニット225を備える。
【0038】
表示部7は、タッチパネル124、液晶パネル100、及びバックライト101から構成される。表示部7の液晶パネル100は、これまで述べてきたように、第1視方向として運転席側から見られる画像と、第2視方向として助手席側から見られる画像とを、実質的に同時に表示することが可能となっている。尚、表示部7には、液晶パネル100以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることもできる。
【0039】
各種ソース(CD/MD再生部201、ラジオ受信部202、TV受信部203、DVD再生部204、HD再生部205、及びナビゲーション部206)からの画像や音声は、制御部200からの指示に基づき左用に指定された画像ソースを第1の画像調整回路208に、右用に指定されたソースを第2の画像調整回路209に分配させる分配回路207を介して、画像であれば第1の画像調整回路208及び第2の画像調整回路209に、音声であれば音声調整回路210にそれぞれ分配される。そして、第1及び第2の画像調整回路208、209では、輝度や色調、コントラストが調整され、調整された各画像を画像出力部211にて、表示部7に表示させる。また、音声調整回路210では各スピーカへの分配や音量、音声が調整され、調整された音声がスピーカ16から出力される。
【0040】
図7は、画像出力部211の概略を示すブロック図である。画像出力部211は、例えば図7に示すように、第1の書込回路226と、第2の書込回路227と、VRAM(Video RAM)228、及び表示パネル駆動部111を備える。例えば、第1の書込回路226は、調整された画像データのうち第1の画像調整回路208から出力される画像の奇数列に対応する画像データ(即ち、図1の第1の表示画像8用の画像データ)を、第2の書込回路227は第2の画像調整回路209から出力される偶数列に対応する画像データ(即ち、図1の第2の表示画像9用の画像データ)をもとにし、それぞれVRAM228における該当する領域に書き込む。また、表示パネル駆動部111は液晶パネル100を駆動する回路であり、VRAM228に保持されている画像データ(第1の画像データと第2の画像データの合成データ)に基づいて、液晶表示パネル100の対応する画素を駆動する。尚、VRAM228には第1の画像データと第2の画像データの合成されたマルチビュー表示用の画像に対応するように画像データの書き込みが行われているので、駆動回路は1つでもよく、その動作も通常の液晶表示装置の駆動回路の動作と同じである。また、別の構成として、第1の画像データと第2の画像データとを合成せずに、それぞれの画像データに基づいて、液晶表示パネル100の対応する画素を駆動する第1の表示パネル駆動回路及び第2の表示パネル駆動回路を用いることも考えられる。
【0041】
ここで、図6で示した各種ソースの一例について説明すると、HD再生部205が選択された場合、ハードディスク(HD)に記憶されたMP3ファイル等の音楽データやJPEGファイル等の画像データ、ナビゲーション用の地図データ等が読み出され、音楽データを選択するためのメニュー表示や画像データを表示部7に表示させることができる。
【0042】
ナビゲーション部206は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記憶した地図情報記憶部を備え、VICS情報受信部212、GPS情報受信部213から情報を入手し、ナビゲーション動作の為の画像を作成し、表示させることができる。また、TV受信部203は、アンテナからセレクタ214を介して、アナログTV放送波又はデジタルTV放送波を受信する。
【0043】
図8は、制御部200の概略を示すブロック図である。
【0044】
制御部200は、分配回路207並びに各種ソースを制御し、選択された2つのソース若しくは1つのソースについて表示を行わせる。また、制御部200はこれら各種ソースをコントロールするための操作メニュー表示を表示部7に表示させることも行う。ここで、図8に示すように、制御部200はマイクロプロセッサなどで構成され、インターフェース229を介して、表示装置内の各部や各回路を統括的に制御するCPU230を備える。このCPU230には、表示装置の動作に必要な各種プログラムを保持するROMからなるプログラム記憶部231と、各種データを保持するRAMからなるデータ記憶部232とが設けられている。尚、ROMやRAM等はCPU230に内蔵されたものでも、外部に設けられたものでも使用可能である。また、ROMはフラッシュメモリの様に電気的に書き換え可能な不揮発性メモリでもよい。
【0045】
ユーザは、上記各種ソースのコントロールを、表示部7の表面に取り付けられているタッチパネル124や表示部7の周囲に設けられたスイッチ、若しくは音声認識等の入力操作や選択操作を操作部215によって行うことができる。また、リモコン送受信部216を介して、リモコン217により入力若しくは選択操作をしてもよい。制御部200は、このタッチパネル124や操作部215の操作に従って、各種ソースを含めた制御を行っている。また、制御部200は、図2のように車両内に複数備え付けられたスピーカ16の各音量等を、音声調整回路210を用いて制御することができるように構成されている。また、制御部200はメモリ218に画質設定情報やプログラム、車両情報等の各種設定情報を記憶させることも行っている。
【0046】
図9は、メモリ218の概略を示すブロック図である。
【0047】
メモリ218は、例えば図9に示すように、使用者が設定した第1の画像及び第2の画像の画質の調整値がそれぞれ書き込み可能な第1の画面RAM233及び第2の画面RAM234を有する。また、第1の画像及び第2の画像の画質を調整する場合に、読み出すことができるプリセット値として各画質調整用に予め複数段階の画質調整値が記憶されている画質設定情報記憶手段235も有する。更に、車外の明るさ変化等の周囲環境変化に応じた画質を調整するために、周囲環境に対する第1の映像及び第2の映像の画質の調整値を保持する対環境調整値保持手段236を有している。ここで、画質設定情報記憶手段235及び対環境調整値保持手段236は、フラッシュメモリなどの電気的書き換え可能な不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成される。
【0048】
外部音声/映像入力部219に接続された、例えば後方監視用のカメラ220からの画像を表示部7に表示するようにしてもよい。尚、後方監視用カメラ220以外に、ビデオカメラ及びゲーム機等を外部音声/映像入力部219に接続してもよい。
【0049】
制御部200は、明るさ検知手段221(例えば、車両のライトスイッチや光センサ)や乗員検知手段222(例えば、運転席や助手席に設けられた感圧センサ)により検知された情報を基に、音声の定位位置等の設定を変更させることが可能である。
【0050】
リア表示部223は、車両の後席様の設けられた表示部であり、画像出力部211を介して、表示部7に表示される画像と同じもの、若しくは運転席用の画像か助手席用の画像の一方が表示可能である。
【0051】
制御部200は、ETC車載器224からの料金表示等を表示させることも行っている。また、制御部200は携帯電話などと無線接続するための通信ユニット225を制御し、これに関する情報が表示されるようにしてもよい。
【0052】
[実施例1]
次に、上述した表示装置において、車両や車両周囲の状況に応じて助手席側に表示される映像(第1の表示画像8)を運転席側と同じナビゲーション用の映像(第2の表示画像9)に自動的に切替えて表示する例について説明する。本実施例1では、ナビゲーション用の映像に右折や左折を示す方向指示が表示されたときに、或いは音声で右折や左折の案内がなされたとき、運転席側及び助手席側の双方を同じナビゲーション用の映像にする例である。
【0053】
図10は、本実施例1の表示例を示す図である。表示部7において、助手席側にはテレビ映像が、運転席側にはナビゲーション用の映像が表示される。
【0054】
そして、ナビゲーション用の映像に右折指示や左折指示が表示されると、助手席側の映像はテレビの映像から、運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替わる。或いは、音声で右折や左折の方向指示の案内があったとき、助手席側の映像はテレビの映像からナビゲーション用の映像に切替わる。
【0055】
このように双方とも同じナビゲーション映像を見ることができるため、例えば、助手席側の乗員が口頭で右折等を運転者に伝えることが可能である。また、乗員はナビゲーションの映像から本来曲がるべき交差点を確認することができる。従って、右折等を行わないで交差点を通過するなど、運転者は道を間違うことはない。
【0056】
図11は、かかる処理の動作を示すフローチャートの例である。本フローチャートは、ナビゲーション機能が実行され(分配回路207がナビゲーション部206からの出力映像を第1又は第2の画像調整回路208、209に出力しているとき)、経路案内が設定された場合に開始される。そして、経路案内が終了するまで繰り返し実行される。
【0057】
処理が開始されると(S10)、制御部200は案内経路の案内地点(右折や左折)があるか否か判断する(S11)。案内地点とは、目的地設定により検索された道路で車両が交差点や分岐点で曲がるべき地点のことである。
【0058】
案内地点がないと(NO)、本フローを終了する(S17)。案内地点があると(YES)、制御部200は、車両が案内地点に接近(又は到達)したか否かを判断する(S12)。
【0059】
この判断は次のようにして行う。即ち、ナビゲーション部206は、車両の現在位置を示す位置情報(緯度経度など)をGPS情報受信部213から取得する。そして、ナビゲーション部206は内部の地図情報記憶部から地図データを読み出す。この地図データと位置情報とから、ナビゲーション部206は現在の車両の位置を含むナビゲーション用の映像を生成する。
【0060】
また、乗員等は操作部215を操作することで、予め目的地の設定を行うことができる。そして、設定された目的地情報は、制御部200の制御によりナビゲーション部206に出力される。ナビゲーション部206では目的地情報から目的地までの経路を探索する。探索後、目的地までの経路を示す経路情報がナビゲーション部206で生成され、例えば、制御部200内のデータ記憶部232に記憶される。本処理の際に、ナビゲーション部206はこの経路情報を読み出して、車両の位置情報とから、地図上で、車両が現在本来曲がるべき交差点や分岐点に近づいたか否か判断する。
【0061】
そして、本来曲がるべき交差点や分岐点の位置に近づくと、ナビゲーション部206は制御部200に対して、案内交差点や案内分岐点に近づいたことを示す信号を出力する。制御部200は、この信号に基づいて、左折や右折などの方向指示表示を地図画面上に表示させるための制御信号をナビゲーション部206に出力する。従って、制御部200は、案内交差点や案内分岐点に近づいたことを示す信号をナビゲーション部206から受けたか否かで本処理(S12)を判断する。
【0062】
或いは、制御部200は、本来右折等を行う交差点や分岐点に近づくことをカメラ220からの映像を元に画像認識したか否かで判断してもよい。
【0063】
案内交差点や案内分岐点に接近していないとき(S12でNO)、制御部200は本フローを終了する(S17)。一方、案内交差点や案内分岐点に接近したとき(S12でYES)、制御部200は第1の表示映像及び第2の表示映像を共に同じナビゲーション用の映像にする(S13)。
【0064】
この処理は、具体的には以下のようにして行う。即ち、制御部200は右折等の方向指示を地図画面上に表示させるための制御信号をナビゲーション部206に出力するときに、分配回路207に対して、ナビゲーション部206から出力されるナビゲーション用の映像信号を第1の画像調整回路208と第2の画像調整回路209の双方に出力されるよう制御する制御信号を出力する。
【0065】
カメラ220からの画像による場合は、制御部200が右折位置等を画像認識したときに、制御部200がかかる制御信号を分配回路207に出力する。
【0066】
分配回路207は、この制御信号により、例えば、TV受信部203から出力された映像信号を第1の画像調整回路208に出力することを止め、ナビゲーション部206からの映像信号を第1の調整回路208に出力する。
【0067】
第1及び第2の画像調整回路208、209で調整されたナビゲーション用の映像信号は画像出力部211を介し、ナビゲーション用の映像として表示部7に表示される。
【0068】
従って、図10に示すように、表示部7では運転席側にナビゲーション用の映像が表示されるとともに、同じナビゲーション用の映像が助手席側にも表示される。
【0069】
音声案内による右折、左折の指示があったときも略同様である。即ち、制御部200はナビゲーション部206から交差点や分岐点に近づいたことを示す情報を受けたとき(S12でYES)、制御部200はナビゲーション部206に対して音声案内のための音声信号を出力するよう制御信号を出力する。このとき、制御部200は分配回路207に対してナビゲーション部206からの出力映像を第1及び第2の画像調整回路208、209に出力させるための制御信号を出力する(S13)ようにすれば上述の例と同様に処理できる。尚、ナビゲーション部206から出力された音声案内のための音声信号は分配回路207、音声調整回路210を介してスピーカ16から音声として出力される。
【0070】
S13で映像を切替えた後、制御部200は案内交差点又は案内分岐点を通過したか否か判断する(S14)。案内交差点等を通過したか否かは、例えば、GPS情報受信部213からの車両の現在位置や車両の進行方向に関する情報等から判断する。
【0071】
案内交差点又は案内分岐点を通過していれば(S14でYES)、制御部200は切替え前の映像を表示させる(S15)。例えば、制御部200は分配回路207に対してナビゲーション部206の出力映像を第1の画像調整回路208に出力させるのではなく、TV受信部203の出力映像を第1の画像調整回路208に出力させるるよう制御する。
【0072】
一方、案内交差点又は案内分岐点を通過していなければ(S14でNO)、制御部200は本フローチャートの処理を終了する(S17)。
【0073】
本実施例1では、地図データがナビゲーション部206の地図情報記憶部に記憶されているものとして説明したが、例えば、HD再生部205に記憶されていても略同様に処理を行うことができる。ナビゲーション部206が制御部200に対して、HD再生部205に記憶された地図データを読み出すよう指示を送り、制御部200はHD再生部205から地図データを読み出してナビゲーション部206に出力する。従って、ナビゲーション部206では読み出された地図データからナビゲーション用の映像を生成し、上述の処理(S11、S12)を行うことができる。
【0074】
また、本実施例1では助手席側の乗員は予めTV受信部203からのTV映像を視聴しているとして説明したが、それ以外にもDVD再生部204で再生されたDVDの映像を視聴している場合でもよい。
【0075】
この場合、案内交差点や案内分岐点に接近したとき、助手席側にも運転席側と同じナビゲーション用の映像が表示されることになるが、助手席側でナビゲーション用の映像が表示されているときはDVDの映像は停止していてもよい。助手席側の乗員が後でDVDの映像の続きを視聴できるようにするためである。制御部200が分配回路207に上述の制御信号を出力するとともにDVD再生部204に対し再生停止を示す制御信号を出力することで実現できる。
【0076】
尚、上述した経路情報は、制御部200内のデータ記憶部232以外にも、メモリ218やナビゲーション部206内のメモリ等に記憶されてもよい。
【0077】
[実施例2]
次に実施例2を説明する。本実施例2では、車両が交差点を通過する直前に、助手席側に表示される映像を運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替えて表示する例である。
【0078】
図12は、本実施例2の表示例である。助手席側にはテレビ映像が表示され、運転席側にはナビゲーション用の映像が表示される。交差点通過前には、助手席側も運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替わる。
【0079】
これにより、交差点通過前にナビゲーション用の映像を助手席側の乗員も確認できるため、道を間違うこともない。或いは、交差点通過前にナビゲーション用の映像を確認できるので、交差点で曲がってはいけない場所で曲がってしまう、という事態も防止できる。
【0080】
図13は、かかる処理の動作を示すフローチャートである。本フローチャートはナビゲーション機能が実行されることで開始する。処理が開始されると(S20)、制御部200は車両が交差点を通過する前か否か判断する(S21)。
【0081】
交差点を通過する前か否かの判断は、例えば、以下のようにして行う。即ち、ナビゲーション部206は、GPS情報受信部213から現在の車両の位置を示す位置情報(緯度経度など)を取得するともに、地図情報記憶部から地図データを読み出して、現在の車両の位置を含むナビゲーション用の映像を生成する。
【0082】
地図情報には、交差点の位置を示す交差点情報(交差点の位置する緯度経度など)が含まれる。この交差点情報とGPS情報受信部213からの位置情報とから、現在車両が交差点を通過する前か否かを判断できる。
【0083】
そして、ナビゲーション部206は、車両が交差点を通過する前であると判断すると、制御部200に交差点を通過する前であることを示す信号を出力する。制御部200はこの信号が入力されたか否かで本処理(S21)を判断する。
【0084】
それ以外にも、例えば、VICS情報受信部212で受信したVICS情報により、現在車両が交差点を通過する前か否かを判断することができる。
【0085】
即ち、VICS情報に「この先に交差点あり」を示す情報が含まれているとき(音声でも文字でもよい)、ナビゲーション部206は交差点がこの先にあることを示す信号を制御部200に出力する。制御部200は、この信号を受信したか否かにより判断することもできる。
【0086】
車両が交差点前でないとき(S21でNO)、本処理(S21)を繰り返す。そして、車両が交差点を通過する前のとき(S21でYES)、制御部200は第1の表示映像及び第2の表示映像を共に同じナビゲーション用の映像にする(S22)。
【0087】
即ち、制御部200はナビゲーション部206から交差点通過前を示す信号を取得したとき、分配回路207に対して、ナビゲーション部206から出力されるナビゲーション用の映像信号が第1及び第2の画像調整回路208、209に出力されるよう制御信号を出力する。
【0088】
分配回路207は、この制御信号により、例えば、TV受信部203からのTV用の映像信号を第1の画像調整回路208に出力することを止め、ナビゲーション部206からの映像を第1の画像調整回路208に出力させる。
【0089】
従って、図12に示すように、車両が交差点を通過する前に助手席側及び運転席側の双方に同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0090】
次いで、制御部200は車両が交差点を通過したか否かを判断する(S23)。処理は、実施例1のS14と略同様である。GPS情報受信部213からの車両の現在位置や進行方向に関する情報等から判断する。
【0091】
車両が交差点を通過すると(S23でYES)、制御部200は切替え前の映像を表示させる(S24)。そして、ナビゲーションの機能が停止されるまで本フローチャートの処理を繰り返す(S25)。
【0092】
一方、車両が交差点を通過していなければ(S23でNO)、本フローチャートの処理をナビゲーション機能が停止されるまで繰り返す(S25)。
【0093】
本実施例2においても、実施例1で説明した他の例が適用可能で全く同様の作用効果を奏する。
【0094】
尚、本実施例2において交差点は十字路のみならず、T字路や、三叉路、四叉路等であってもよい。
【0095】
[実施例3]
次に実施例3について説明する。実施例3は、車両が高速道路の出入り口前に移動したとき、助手席側に表示される映像を運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替えて表示する例である。
【0096】
図14は、本実施例3の表示例である。例えば、助手席側にはTV映像が表示され、運転席側にはナビゲーション用の映像が表示されている。この状態で、車両が高速道路の出入り口前にさしかかると、助手席側の映像がTV映像から運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替わる。
【0097】
これにより、助手席側の乗員も、高速道路の乗り降りを確認することができるため、助手席側の乗員が運転手に口頭で伝える等により、間違えた出入り口から高速道路に入ったり出たりする等、道を間違うことがなくなる。
【0098】
図15は、処理の動作を示すフローチャートの一例である。本フローチャートはナビゲーション機能を実行することで開始される。処理が開始されると(S30)、制御部200は車両が現在高速道路の出入り口前か否かを判断する(S31)。
【0099】
かかる判断は以下のようにして行う。即ち、ナビゲーション部206はGPS情報受信部213から現在の車両の位置を示す位置情報を取得するとともに、地図情報記憶部に記憶された地図データを読み出して、現在の車両位置を含むナビゲーション用の映像を生成する。
【0100】
この地図データ中には、高速道路の出入り口の位置情報(緯度経度など)が含まれる。従って、ナビゲーション部206はこの高速道路の出入り口の位置情報と現在の車両の位置情報とから、地図上で、現在車両が高速道路の出入り口に近づいたか否かを判断できる。近づいたとき、ナビゲーション部206は、その旨を示す信号を制御部200に出力する。
【0101】
制御部200はこの情報が入力されたか否かにより、車両が高速道路の出入り口前か否か(S31)を判断する。勿論、実施例2と同様にVICS情報中に高速の出入り口を示す情報が含まれていればこの情報を元にして判断してもよい。
【0102】
車両が高速の出入り口前でないとき(S31でNO)、制御部200は本処理を繰り返し、車両が出入り口前のとき(S31でYES)、制御部200は助手席側も運転席側も同じナビゲーション用の映像を表示させる(S32)。
【0103】
即ち、制御部200は、ナビゲーション部206から高速の出入り口前を示す信号を受けたとき、分配回路207に対して、ナビゲーション部206からの映像出力を第1及び第2の画像調整回路208、209に出力させるよう制御する制御信号を出力する。
【0104】
分配回路207は、この制御信号により、例えば、TV受信部203からのTV用の映像信号を第1の画像調整回路208に出力することを止め、ナビゲーション部206からの映像を第1の画像調整回路208にも出力させる。
【0105】
従って、図14に示すように、車両が高速道路の出入り口前に移動したときに、助手席側にも運転席側と同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0106】
その後、制御部200は車両が高速道路の出入り口を通過したか否かを判断し(S33)、通過したときは(YES)、切替え前の映像を表示させる(S34)。そして、制御部200は、ナビゲーション機能が停止されるまで本フローチャートを繰り返す(S35)。
【0107】
一方、車両が高速道路の出入り口を通過していなければ(S33でNO)、制御部200は、S34の処理を行うことなく本フローチャートを繰り返す(S35)。
【0108】
本実施例3においても、実施例1等で説明した他の例が適用可能で同様の作用効果を奏する。
【0109】
また、実施例1等において右折左折指示のときや交差点の通過前でナビゲーションの映像を同じにする例について説明したが、右折左折指示で同じナビゲーション映像となったのか高速道路の出入り口前で同じナビゲーション映像となったのか、助手席側の乗員にはわからない場合もある。
【0110】
そこで、ナビゲーション映像が同じになったとき、状況を示す文字情報をナビゲーション映像に重畳して表示させるようにしてもよい。例えば、「高速道路の入り口前です」などである。これにより、乗員は右折左折指示なのか高速道路の出入り口前なのかを明確に把握することができる。
【0111】
例えば、制御部200は分配回路207に上述の制御信号を出力するときに(S32)、高速道路の出入り口前等を示す制御信号をナビゲーション部206に出力する。この制御信号を受けたナビゲーション部206は、地図情報記憶部(又はHD再生部205)に記憶された各文字情報を読み出してナビゲーション用の映像に重畳して出力することで、実現可能である。
【0112】
[実施例4]
次に実施例4について説明する。本実施例4では、車両がサービスエリア近辺に移動したとき、助手席側に表示される映像を運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替える例である。
【0113】
例えば、助手席側にTVの映像が表示され、運転席側にナビゲーション用の映像が表示される。この状態で、車両がサービスエリア近辺に移動すると、助手席側の映像をTVの映像からナビゲーション用の映像に切替える。
【0114】
これにより、サービスエリアでの休憩の有無を助手席側の乗員が確認できる。また、サービスエリアの位置を乗員が確認することで、現在車両の走行する位置が所定の経路に沿って移動しているかも確認でき、道を間違えることがない。
【0115】
図16は、かかる処理の動作を示すフローチャートの一例である。処理が開始されると(S40)、制御部200は車両がサービスエリア近辺か否かを判断する(S41)。
【0116】
車両がサービスエリア近辺か否かは実施例3等と略同様である。即ち、ナビゲーション部206はGPS情報受信部213により車両の現在位置を示す位置情報を取得し、地図情報記憶部から地図データを取得する。これにより、ナビゲーション部206は車両の現在位置を含むナビゲーション用の映像を生成することができる。
【0117】
また、地図データ中にはサービスエリアがどの位置にあるかを示す情報(緯度経度など)が含まれる。従って、ナビゲーション部206は、車両の位置情報とサービスエリアの位置を示す情報とから、地図上で、現在車両がサービスエリア近辺か否かを判断することができる。
【0118】
サービスエリア近辺のとき、ナビゲーション部206は制御部200にその旨を示す信号を出力する。制御部200はかかる信号が入力されたか否かにより本処理(S41)を判断する。
【0119】
車両がサービスエリア近辺でないとき(S41でNO)、制御部200は再び本処理(S41)の判断を繰り返し、車両がサービスエリア近辺のとき(S41でYES)、制御部200は助手席側及び運転席側に同じナビゲーション映像が表示されるようにする(S42)。
【0120】
この処理(S42)も、実施例3等と略同様に、ナビゲーション部206から車両がサービスエリア近辺であることを示す信号を受けたとき、制御部200は分配回路207に対して、ナビゲーション部206からのナビゲーション用の映像信号が第1及び第2の画像調整回路208、209に出力されるように制御する制御信号を出力する。
【0121】
分配回路207は、この制御信号により、例えば、TV受信部203からのTV用の映像信号を第1の画像調整回路208に出力することを止め、ナビゲーション部206からの映像を第1の画像調整回路208に出力させる。
【0122】
従って、車両がサービスエリア近辺に移動したとき、助手席側にも運転席側と同じナビゲーション用の映像を表示することができる。
【0123】
その後、制御部200は車両がサービスエリアを通過したか否かを判断し(S43)、通過したときは(YES)、切替え前の映像を表示させる(S44)。そして、制御部200は、ナビゲーション機能が停止するまで本フローチャートを繰り返す(S45)。
【0124】
一方、車両がサービスエリアを通過していないとき(S43でNO)、制御部200はS44の処理を行うことなく、本フローチャートを繰り返す(S45)。
【0125】
本実施例4においても、実施例3等で説明した他の例が適用可能であり、同様の作用効果を奏する。ナビゲーション用の映像に重畳される文字情報は、例えば、「サービスエリア近辺です」となる。
【0126】
[実施例5]
次に実施例5について説明する。本実施例5は、車両が目的地近辺に移動したときに、助手席側に表示される映像を運転席側と同じナビゲーション用の映像にする例である。
【0127】
例えば、助手席側にTVの映像が表示され、運転席側にナビゲーション用の映像が表示される。この状態で、車両が目的地近辺に移動すると、助手席側の映像をTVの映像からナビゲーション用の映像に切替わる。
【0128】
これにより、車両が現在目的地近辺であることを助手席側の乗員も確認することができ、道を間違えることがない。しかも、目的地近辺は道が複雑である場合が多いため、ナビゲーションの映像を乗員が確認することで、口頭で運転手に道順等をアドバイスすることができるため、道を間違うことなく確実に目的地までたどり着ける。
【0129】
図17は、かかる処理の動作を示すフローチャートの一例である。ナビゲーション機能が実行され、経路案内が設定されると処理が開始される。処理が開始されると(S50)、制御部200は車両が目的地近辺か否か判断する(S51)。
【0130】
目的地近辺か否かの判断は、実施例4等と略同様である。即ち、ナビゲーション部206はGPS情報受信部213により現在の車両の位置を示す位置情報を取得する。また、ナビゲーション部206は地図情報記憶部に記憶された地図データを読み出し、取得した位置情報とから、車両の現在位置を含むナビゲーション用の映像を生成する。
【0131】
目的地の設定は、予め利用者(運転手や乗員など)が操作部215を操作し、目的地の位置を入力することで設定できる。その目的地の位置情報は例えばメモリ218に記憶される。そして、本処理(S51)の際にナビゲーション部206が制御部200に目的地の位置情報をメモリ218から読み出すよう指示を出力し、制御部200によりかかる位置情報が読み出され、ナビゲーション部206に出力される。
【0132】
目的地の位置情報は、ナビゲーション部206内の地図情報記憶部や制御部200内のデータ記憶部232に記憶されてもよい。
【0133】
そして、ナビゲーション部206は設定された(記憶された)目的地の位置情報と、現在の車両の位置情報とから、地図上で現在車両が目的地の近辺か否かを判断することができる。
【0134】
ナビゲーション部206は、車両が現在目的地近辺であると判断したときは、その旨を示す信号を制御部200に出力する。制御部200は、目的地近辺であることを示す信号が入力されたか否かを判断することで、本処理(S51)を判断する。
【0135】
車両が目的地近辺でないとき(S51でNO)、制御部200は再び本処理(S51)の判断を繰り返す。車両が目的地近辺のとき(S51でYES)、制御部200は第1の表示映像及び第2の表示映像を共にナビゲーション用の映像を表示するように各部207等を制御する(S52)。
【0136】
即ち、制御部200はナビゲーション部206から目的地近辺であることを示す信号が入力されると、分配回路207に対して、ナビゲーション部206から出力されるナビゲーション用の映像信号を第1及び第2の画像調整回路208、209に出力させるよう制御する制御信号を出力する。
【0137】
分配回路207は、かかる制御信号に基づいて、例えば、TV受信部203からのTV用の映像信号を第1の画像調整回路208に出力することを止め、ナビゲーション部206からの映像を第1の画像調整回路208に出力させる。
【0138】
従って、車両が目的地近辺に移動したとき、助手席側にも運転席側と同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0139】
その後、制御部200は車両が目的地に到着したか否かを判断し(S53)、目的地に到着したとき(YES)、一連の処理が終了する(S54)。一方、車両が目的地に到着していないと(S53でNO)、本処理(S53)を繰り返す。
【0140】
本実施例5においても、実施例4等で説明した他の例が適用可能であり、同様の作用効果を奏する。ナビゲーション用の映像に文字情報を重畳するときは、例えば、「現在目的地近辺です」等が表示される。
【0141】
[他の実施例]
各実施例では、ナビゲーションを起動中に処理が行われていたが、実施例2乃至4においては、ナビゲーション機能を裏で実行させておき、各地点に接近したときに、ナビゲーションの画面を表示させるようにしてもよい。運転席側で違う表示を見ているときであっても、運転手に再確認させることが可能となるからである。
【0142】
実施例1乃至5において、種々の車両状況や車両周囲の状況に応じて助手席側に運転席側と同じナビゲーション用の映像を表示する例について説明した。更に、以下に示す状況の場合でも本発明は適用可能である。
【0143】
即ち、車両の走行により地域(県、市、町、村)が変更になったとき、助手席側に運転席側と同じナビゲーション映像に切替えて表示する。
【0144】
地域を変更して車両が走行したときに、助手席側の乗員にナビゲーション映像が表示されるため、乗員は今車両がどの地域を走行しているか知ることができる。当初の予定通り、車両が走行しているか乗員も知ることができるため、道を間違えて走行することを防止できる。
【0145】
例えば、ナビゲーション部206の地図情報記憶部(又はHD再生部205)に各地域の位置を示す情報が記憶され、GPS情報受信部213で受信した現在位置とから、地図上で、車両が現在地域を変更して移動しているか否かナビゲーション部206は判断可能である。
【0146】
地域を変更したとき、ナビゲーション部206からかかる信号を制御部200に出力し、実施例1等と同様に制御部200が分配回路207を制御して、第1及び第2の画像調整回路208、209にナビゲーション部206から出力されるナビゲーション用の映像信号を出力するようにすれば実現可能である。
【0147】
また、他の例として、ガソリン等の車両の燃料切れ付近になると、助手席側に運転席側と同じナビゲーションの映像に切替えるようにしてもよい。
【0148】
これにより、助手席側にも燃料切れを知らせることができ、助手席側の乗員がナビゲーションの映像を見ることでガソリンスタンドを探索したり、運転者に燃料切れやガソリンスタンドの位置を知らせることができる。従って、乗員が運転手をサポートすることができる。
【0149】
例えば、制御部200に燃料検知手段が接続され、車両の燃料切れ付近になると、その旨を示す信号が燃料検知手段から出力される。
【0150】
そして、制御部200がかかる信号を受けたときに、前述の例と同様に分配回路207を制御することで実現可能である。
【0151】
或いは、車内ネットワーク、例えば、制御部200に接続されたゲートウェイを介してメータECU(Electric Control Unit)により燃料切れ付近か否かを検知してもよい。
【0152】
更に他の例として、TV受信部203によりTVの映像を助手席側に表示している状態で、TVのCM中に助手席側に運転席側と同じナビゲーションの映像に切替えて表示するようにしてもよい。
【0153】
これにより、必要のない番組情報のときだけ運転席側と同じナビゲーション映像とすることで、助手席側の乗員に現在の車両位置の確認や周囲に何があるかを知らせることができる。また、有効に時間を使用して乗員が運転手をサポートすることができる。
【0154】
処理は以下のようになる。即ち、TV受信部203はTV信号を受信する。受信したTV信号は制御部200に出力される。制御部200は、TV信号中、先頭からあるフレーム期間連続して無音部分があるか否か検出する。CMを示すTV信号では、あるフレーム期間音声信号が含まれていない無音期間が存在するため、これを検知することでTV信号はCMを示すものか否かを検出できる。
【0155】
CMの検出は、種々のものがあり、例えばTV信号中にステレオかモノラルかを示す信号が挿入されているため、ステレオからモノラル、又はモノラルからステレオに変化したときにCMであるとしてCMか否かを検出してもよい。
【0156】
また、CM以外の番組では2ヶ国語で放送されているときに、2ヶ国語からの1ヶ国語への変化を検出してCMを検出するようにしてもよい。更には、上述の組み合わせでCMを検出してもよい。
【0157】
更に、地上波、衛星などデジタルTV放送の場合、CMか否かのコードが受信信号中に含まれていればこのコードの検出によりCMか否かも判断できる。
【0158】
そして、CMであることを制御部200が検出すると、前述と同様に分配回路207を制御してナビゲーション部206からの映像信号を第1及び第2の画像調整回路208、209に出力して、TVのCM期間に助手席側にもナビゲーション映像が表示される。
【0159】
無音期間の検出は、TV受信部203で行われてもよい。この場合、かかる検出が行われるとその旨を示す信号を制御部200に出力し、制御部200はCMが検出されたとして、分配回路207を前述と同様に制御する。
【0160】
更に他の例として、助手席側に表示されるTV信号が受信不可のときに、運転席側と同じナビゲーション用の映像に切替えて表示させるようにしてもよい。
【0161】
これにより、助手席側の乗員は、TVの映像を見ることができるようになるまで、運転席側と同じナビゲーション用の映像を見ることができるため、現在位置の確認や付近に何があるか等、運転手をサポートできる。
【0162】
例えば、TV受信部203で受信したTV信号が制御部200に出力される。制御部200はデータ記憶部232(図8参照)やメモリ218に記憶された閾値を読み出して、TV信号が一定の信号レベルに達しているか否かを判断する。閾値以下のとき、制御部200は、受信したTV信号が一定の信号レベルに達していないためTV信号受信不可と判断し、前述のように分配回路207を制御する。或いは、TV受信部203でかかる判断を行ってもよい。
【0163】
更に他の例として、助手席の乗員がDVD再生部204からのDVDの映像を視聴しているとき、チャプタ(章)の切替わりで助手席側に運転席側と同じナビゲーション映像に切替えるようにしてもよい。
【0164】
DVDの映像はチャプタ単位でタイトル等の映像が始まっており、あるチャプタ終了で助手席側にナビゲーション映像を表示することで、休憩するタイミングや車両の現在位置等を乗員は知ることができる。また、乗員が運転手にかかる情報を知らせることで運転手のサポートにもなる。
【0165】
チャプタの切替わりの検出は、例えば、DVD再生部204から再生されたDVDの信号を制御部200に出力し、制御部200でチャプタの終了を示すコード等をDVDの信号中から検出することにより行う。或いは、DVD再生部204で検出してその旨の信号を制御部200に出力するようにしてもよい。
【0166】
制御部200がチャプタの切替わりを検出すると、分配回路207に対して前述の制御を行うことで、DVDでチャプタの切替わりで助手席にも運転席側と同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0167】
更に他の例として、時間間隔(10分毎、30分毎)で助手席側に運転席側とで同じナビゲーション用の映像に切替えて表示するようにしてもよい。時間間隔で同じナビゲーション映像が表示されるため、助手席側の乗員に対して時計代わりにもなる。また、ナビゲーション用の映像が表示されることで、現在車両がどの辺りを走行しているか等を乗員が確認でき、それを運転手に伝えることで運転手のサポートにもなる。
【0168】
時間は、例えば、制御部200内のタイマ或いは内部クロックにより測定する。そして、予めデータ記憶部232やメモリ218に記憶された時間になると、制御部200が分配回路207を制御することで、双方とも同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0169】
尚、乗員等が操作部215を操作することで時間間隔を入力することができ、その情報がデータ記憶部232等に記憶される。
【0170】
更に他の例として、出発地点(或いは任意の地点)にてナビゲーション映像を助手席側及び運転席側で同じにする場所(ポイント)を決めておき、車両がその場所に移動するとナビゲーション映像に切替える。
【0171】
事前に切替え場所を決めておくことで、道に迷うことがなくなる。例えば、複雑な道路に対してある特定の切替え場所を決めておくことで、その道路に車両が移動すればナビゲーション映像に双方とも切替わるため道に迷うことがない。
【0172】
切替え場所は、例えば、操作部215の操作により切替え場所の情報をメモリ218等に記憶させる。ナビゲーション部206は、切替え場所の情報とGPS情報受信部213で受信した車両の現在位置の情報、そして地図情報記憶部に記憶された地図データから、地図上で現在車両が切替え場所か否かが判断できる。切替え場所であれば制御部200にその信号を出力し、制御部200では前述の分配回路207に対する処理を行う。
【0173】
更に他の例として、出発地点(或いは任意の地点)にて、助手席側、運転席側双方とも同じナビゲーション映像にする時間や区間を決定し、その時間や区間中は双方とも同じナビゲーション映像にすることもできる。例えば、ある場所から10分間だけ同じナビゲーション映像にしたり、ある場所から別の場所までの区間だけ同じナビゲーション映像にする、などである。
【0174】
この場合も、複雑な道路の区間等を決めておくことができるため、道に迷うことがない。
【0175】
時間や区間は、前述の例と同様に操作部215によりメモリ218等に記憶される。そして、前述の例と同様に、現在位置を示す情報やメモリ218等から読み出したこれらの情報に基づいて、ナビゲーション部206は車両が現在当該時間や区間内であるか否かを判断する。当該時間内等であればその旨の信号を制御部200に出力し、制御部200が分配回路207を制御する。
【0176】
更に、他の例として、運転手が方向指示器を使用したときに、助手席側、運転席側双方とも同じナビゲーション用の映像を表示してもよい。
【0177】
運転手が曲がろうとしている交差点を助手席側の乗員がナビゲーション映像により確認することができ、道を間違えることがない。例えば、ナビゲーション映像による方向指示がなく、道に詳しい運転手が経路から外れた道に曲がろうとしているとき、ナビゲーション映像を乗員が確認することで道を間違えることがなくなる。
【0178】
例えば、ウィンカー検出部240により方向指示器を使用したか否かが検知され、制御部200に使用したことを示す信号が入力されたときに、制御部200が上述したように分配回路207を制御することで実現可能である。
【0179】
更に、他の例として、車両が渋滞に突入する前に、助手席側及び運転席側の双方とも同じナビゲーション用の映像にしてもよい。助手席側にナビゲーション用の映像が表示されるため、迂回路などを検索することができる。従って、運転手へのサポートにもなる。
【0180】
車両が渋滞に突入する前か否かは、例えば、VICS情報により検知できる。VICS情報には渋滞に関する情報が含まれているか否かを示すコードが含まれているため、VICS情報受信部212で受信したVICS情報にこのコードが含まれているか否かにより検出できる。かかる判断は、ナビゲーション部206で行われても、制御部200で行われてもよい。
【0181】
そして、渋滞突入前を検出すると、制御部200は上述したように分配回路207を制御することで、双方とも同じナビゲーション用の映像を表示できる。
【0182】
更に、他の例として、車両が危険な状態におかれたとき、助手席側と運転席側の双方に同じナビゲーション用の映像を表示するようにしてもよい。助手席側の乗員は、事故発生など交通状態の変化に気づくことができ、危険を回避したり、迂回路を検索したりすることができる。
【0183】
車両が危険な状態か否かは、例えば、自動ブレーキシステムが作動したか否かにより検出可能である。図18に示すように、ゲートウェイ242を介してブレーキECU241が制御部200と接続されている場合、自動ブレーキシステムが作動すると、この状態を示す信号がブレーキECU241からゲートウェイ242を介して制御部200に入力される。かかる信号が入力されると、制御部200は分配回路207に対して上述の制御を行うことで、双方とも同じナビゲーション用の映像が表示される。
【0184】
本他の実施例で説明した実施例はいずれも、実施例1乃至5で説明した他の例も適用可能で同様の作用効果を奏する。
【0185】
上述した例はすべて、車両の周囲の状況等に応じて、助手席側に表示される映像をナビゲーション用の映像に自動的に切替えて表示する例について説明した。逆に、ある状況下ではナビゲーション用の映像に切替えないようにしてもよい。いわゆる、禁止設定である。画面の煩雑な切替わりを防止できる。
【0186】
例えば、車両が目的地に到着した後出発地点に戻る場合(復路の場合)、運転手は往路で一度通った道なので間違えることは少ない。従って、復路では助手席側は自動的にナビゲーションの映像に切替わらないようにする。例えば、制御部200は、車両の状況を示す上述した各情報等がナビゲーション部206等から入力されても、分配回路207に対する上述した制御を行わないようにすることで実現できる。
【0187】
また別の例として、時間を指定して当該時間内では双方ともナビゲーション映像に切替えないようにしてもよい。どうしても助手席側の乗員が見たいTV番組があったときなどに好都合である。例えば、操作部215により切替えない時間を指定してその情報をメモリ218やデータ記憶部232等に記憶する。そして、制御部200はタイマ等により現在の時間と記憶された時間とを比較してその時間内にあれば、たとえナビゲーション部206等から車両の状況を示す種々の情報等が入力されても分配回路207に対して上述した制御を行わないようにすることで実現できる。
【0188】
次に示す例は、助手席側がナビゲーション用の映像に切替わったとき、どの時点まで助手席側にナビゲーション映像を表示させておくか、という例である。禁止設定以外の全ての実施例で適用可能である。
【0189】
最初の例は、予め切替わっている時間を設定し、設定された時間を助手席側にナビゲーション用の映像を表示し、設定された時間を越えると元の画面に戻す例である。助手席側にナビゲーション用の映像を表示させる時間は、かかる映像に表示された情報を助手席側の乗員が把握できる程度の時間だけ切替えておくため、その時間を越えると元に戻すが可能となる。
【0190】
この場合も、操作部215により切替わり時間を入力して、メモリ218等に記憶し、制御部200がタイマ等により記憶された時間が経過すると、分配回路207を制御して、例えば、TV受信部203の出力が第1の画像調整回路208に出力されるようにする。切替わり直前の画像ソース201等を制御部200はデータ記憶部232に記憶しておくことで実現可能である。
【0191】
次の例は、方向指示器が操作されている間は、双方とも同じナビゲーション映像にし、方向指示器が元に戻されると、助手席側の画面も元の画面に戻す例である。右折や左折の手前から右折等が終了するまで、方向指示器が操作されているため、この間は双方とも同じナビゲーション映像にする。
【0192】
図19は、処理の動作を示すフローチャートである。本フローチャートも実施例1等と同様にナビゲーション機能が実行されると処理が開始される。処理が開始されると(S60)、制御部200はウィンカーが操作されたか否かを判断する(S61)。ウィンカーが運転手により操作されると、ウィンカー検出部240がそれを検出して制御部200の情報を出力するため、かかる情報が入力された否かで判断する。
【0193】
ウィンカーが操作されると(YES)、制御部200は、双方とも同じナビゲーション映像を表示させる(S62)。実施例1等と同様に、制御部200が分配回路207を制御することで実行される。次いで、処理はS63に移行する。
【0194】
一方、ウィンカーが操作されないと(S61でNO)、映像の切替え(S62)が行われることなく処理はS63に移行する。
【0195】
S63において制御部200は、ウィンカーが元に戻されたか否かを判断する(S63)。例えば、ウィンカーが元に戻されると、ウィンカー検出部240はかかる状態を検出して制御部200にその情報を送るため、この情報により判断する。
【0196】
ウィンカーが元に戻されると(S63でYES)、実施例1等と同様に、制御部200は切替え前の映像を表示させる(S64)。制御部200は、例えば、TV受信部203の出力を第1の画像調整回路208に出力させるよう分配回路207を制御することで、助手席側に表示される映像を元の画面の映像に戻す。この例でも、助手席側をナビゲーション映像に切替わる直前のソース(201等)を記憶して元に戻すようにする。
【0197】
そして、制御部200はナビゲーション機能が停止するまで本フローチャートを繰り返す(S65)。一方、ウィンカーが元に戻されないと(S63でNO)、S64の処理を行うことなく、本フローチャートを繰り返す(S65)。
【0198】
更に次の例として、CM中は双方とも同じナビゲーション映像にし、CMが終了すると元の画面に戻す例である。CM期間中は、助手席の乗員は特に見る必要がないときがあり、かかる場合は画面をナビゲーション用の映像が表示される画面に切替える。
【0199】
例えば、制御部200やTV受信部203で、TV信号中のCM最後の部分における無音期間の検出、モノラルからステレオへの変化(又はその逆)、1ヶ国語から2ヶ国語への変化等により、CMの終了を検出する。制御部200等によりかかる状態が検出されると、制御部200は、例えば、ナビゲーション部206の出力を第1の画像調整回路208に出力するのではなく、TV受信部203の出力を第1の画像調整回路208に出力するよう分配回路207を制御する。勿論、この場合でも、制御部200は助手席側でナビゲーション用の映像に切替わる直前のソース(201等)を記憶して元に戻すようにしている。
【0200】
以上が禁止設定の例である。次に示す例は、車両状況等に応じて助手席側に表示される映像をナビゲーション用の映像に自動的に切替える、切替えないを選択する例である。
【0201】
例えば、乗員等が操作部215を操作することで、かかる情報が制御部200に入力され、ナビゲーション部206等から種々の情報が入力されても上述した分配回路207に対する制御を行わないようにすればよい。
【0202】
上述した全ての実施例では、2つの視方向に対して個別の画像(運転席用の画像と助手席用の画素)を同一ディスプレイ上に表示する表示装置に適用して説明した。これ以外にも、1つの画像を表示する表示装置や、2つ以上の視方向に対する個別の画像を同一ディスプレイ上に表示する表示装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明に係る表示装置の概念図である。
【図2】表示装置の搭載例を示す斜視図である。
【図3】表示部の断面構造の概略図である。
【図4】表示パネルを正面から見た構造の概略図である。
【図5】TFT基板の概略を示す回路図である。
【図6】本発明に係る表示装置の概略を示すブロック図である。
【図7】画像出力部211の概略を示すブロック図である。
【図8】制御部200の概略を示すブロック図である。
【図9】メモリ218の概略を示すブロック図である。
【図10】表示部7に表示される映像の例である。
【図11】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【図12】表示部7に表示される映像の例である。
【図13】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【図14】表示部7に表示される映像の例である。
【図15】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【図16】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【図17】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【図18】本発明に係る他の表示装置の概略を示すブロック図である。
【図19】処理の動作を示すフローチャートの一例である。
【符号の説明】
【0204】
1:第1の画像ソース、2:第2の画像ソース、3:第1の画像データ、4:第2の画像データ、5:表示制御部、6:表示データ、7:表示部、8:第1の表示画像、9:第2の表示画像、10:観察者、11:観察者、12:助手席、13:運転席、14:ウィンドシールド、15:操作部、16:スピーカ、100:液晶パネル、101:バックライト、102:偏光板、103:偏光板、104:TFT基板、105:液晶層、106:カラーフィルター基板、107:ガラス基板、108:視差バリア、109:左側(助手席側)表示用の画素、110:右側(運転席側)表示用の画素、111:表示パネル駆動部、112:走査線駆動回路、113:データ線駆動回路、114:TFT素子、115〜118:データ線、119〜121:走査線、122:画素電極、123:サブピクセル、124:タッチパネル、200:制御部、201:CD/MD再生部、202:ラジオ受信部、203:TV受信部、204:DVD再生部、205:HD(Hard Disk)再生部、206:ナビゲーション部、207:分配回路、208:第1の画像調整回路、209:第2の画像調整回路、210:音声調整回路、211:画像出力部、212:VICS情報受信部、213:GPS情報受信部、214:セレクタ、215:操作部、216:リモコン送受信部、217:リモコン、218:メモリ、219:外部音声/映像入力部、220:カメラ、221:明るさ検知手段、222:乗員検知手段、223:リア表示部、224:ETC車載器、225:通信ユニット、226:第1の書込回路、227:第2の書込回路、228:VRAM(Video RAM)、229:インターフェース、230:CPU、231:プログラム記憶部、232:データ記憶部、233:第1の画面RAM、234:第2の画面RAM、235:画質設定情報記憶手段、236:対環境調整値保持手段、240:ウィンカー検出部、241:ブレーキECU、242:ゲートウェイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画面内に複数の映像を表示して、異なる視点位置で異なる映像が視認できる車載用表示装置において、
少なくとも助手席側で視認できる映像をナビゲーション用の映像に車両周囲の状況に応じて自動的に切替える制御手段、
を備えることを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、所定種別の案内地点に接近したときに前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ナビゲーション用の映像に右折や左折を示す方向指示が示されたとき前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、音声により右折や左折を示す方向指示が案内されたときに前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車両が交差点を通過する前に前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記車両が高速道路の出入り口に近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両がサービスエリアに近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記車両が予め設定された目的地に近づいたときに前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記車両周囲の状況とは異なる状況のとき、少なくとも助手席側で視認できる映像を前記ナビゲーション用の映像に切替えない禁止設定を行い得ることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項10】
前記制御手段は、運転席側で視認できる映像がナビゲーション用の映像ではないとき、前記切替えを行わない禁止設定を行い得ることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項11】
前記制御手段は、運転席側で視認できる映像がナビゲーション映像のときであって、かつ経路案内を行っていないとき、前記切替えを行わない禁止設定を行い得ることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記車両の現在位置を示す位置情報と、前記車両周囲の状況を示す情報とを比較して、前記位置情報から前記車両が、前記車両周囲の状況を示す情報に基づいて特定の前記車両周囲の状況となったときに、前記切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項13】
1画面内に複数の映像を表示して、異なる視点位置で異なる映像が視認できるように前記各映像を略同時に表示する車載用表示装置における表示制御プログラムにおいて、
車両周囲の状況に応じて、少なくとも助手席側に表示される映像をナビゲーション用の映像に自動的に切替える処理、
をコンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−85918(P2007−85918A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275685(P2005−275685)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】