説明

車載用表示装置

【課題】 車内に入射する光を遮光する遮光手段を備えた車載用表示装置を提供する。
【解決手段】 車載用表示装置において、遮光手段と、表示手段と、該表示手段に入射する外光の照度を検出する外光検出手段と、外光の照度の閾値を記憶した記憶手段と、前記外光検出手段で検出された外光の照度と、前記記憶手段に記憶された外光の照度の閾値とを比較する外光比較手段と、該外光比較手段により、前記外光検出手段で検出された外光の照度が前記記憶手段に記憶された外光の照度の閾値を超えたことが検出されると、前記遮光手段を突出させる制御手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車用ディスプレイ装置において、ディスプレイの上部にひさし状に突出する、突出・収納自在な遮光用フードを設け、ディスプレイ周辺の明るさを検出する光センサにより検出された明るさが所定値より明るくなったとき、遮光用フードを収納位置から遮光位置に自動的に突出させることが記載されている(特許文献1)。
【特許文献1】実開昭58−60542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の発明では、光センサにより検出された明るさが所定値より明るくなったときに遮光用フードを突出させるため、突出した遮光用フードでディスプレイが見づらくなるという問題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明は上記問題に鑑みなされたもので、角度調整可能な表示手段と、該表示手段近傍の照度を検出する外光検出手段と、突出および収納自在に設けられ前記表示手段の上方より入射される外光を遮光する遮光手段と、前記外光検出手段により所定以上の照度が検出されると前記遮光手段を収納位置から突出位置へ突出させる制御手段と、を備えた車載用表示装置において、
前記制御手段は、前記外光検出手段により所定以上の照度が検出されると前記遮光手段を収納位置から突出位置へ突出させると共に前記表示手段の角度調節を行うことを特徴とする。
【0005】
また、前記外光検出手段は前記表示手段の近傍の複数個所の照度を検出し、前記前記制御手段は、複数個所の照度に応じて前記遮光手段の突出幅および前記表示手段の角度調整を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願発明の車載用表示装置は、車載用表示装置に備えた遮光手段をディスプレイの上部に突出させることで入射する太陽光を遮光でき、更に、遮光手段を突出させると同時に自動的にディスプレイの角度をユーザの目線の位置へ角度調節を行うことで、突出した遮光手段によりディスプレイが見づらくなるという問題をも解消される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の車載用表示装置10は、図1に示すように、制御手段1と、表示手段2と、入力手段3と、外光検出手段4と、記憶手段5と、外光比較手段6と、遮光手段7と、RAM8と、ROM9と、で構成されている。
【0008】
制御手段1は、ROM8に記憶された制御プログラムに基づき、車載用表示装置10における各部の動作を制御する。
【0009】
表示手段2は、車載用表示装置10にて視聴するTVチューナ(図示せず)により受信したTV画像、DVD等を再生するプレーヤ(図示せず)により再生されたDVD画像等を表示する液晶ディスプレイからなり、制御手段1により制御されるモータ(図示せず)により図6に示す通り3段階に角度調節が可能である。
【0010】
入力手段3は、本車載用表示装置10に設けられ、ユーザの操作により車載用表示装置10の各種機能の設定を入力するスイッチである。
【0011】
なお、入力手段3は、スイッチの他に、表示手段2上に設けられたパネルに触れることで入力可能なタッチパネルとしてもよいし、リモコン(図示せず)を介して入力できるようにしてもよい。
【0012】
外光検出手段4は、表示手段2の上方より入射される太陽光等の外光の照度を検出する例えば照度センサ等である。
【0013】
記憶手段5は、外光比較手段6が外光検出手段4によって検出された外光の照度と比較するための外光の照度の閾値が記憶されている。
【0014】
外光比較手段6は、外光検出手段4によって検出された外光の照度と、記憶手段5に記
憶された外光の照度の閾値との比較を行う。
【0015】
遮光手段7は、制御手段1により制御モータ(図示せず)により本車載用表示装置10内の収納部11から突出・収納自在に設けられており、外光比較手段6により、外光検出手段4によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値より高いことが検出されると、制御手段1の制御により収納部11から突出する。
【0016】
なお、制御手段1は、外光検出手段4により検出された外光の入射角に基づき遮光手段7の突出幅を調節する。図2に示すように、外光検出手段4は、車載用表示装置10の外枠部の上段、中段、下段(夫々順に外光検出手段41、外光検出手段42、外光検出手段43)の3箇所に設けられており、例えば、図3に示すように、上段に設けられた外光検出手段41によって検出された外光の照度のみが記憶手段5に記憶された閾値より大きいとき、すなわち表示手段2の上方にのみ外光が照射されている場合は、遮光手段7の突出幅が最短(a1)で外光は遮光される。
【0017】
一方、外光検出手段41、42、43の全てにおいて検出された外光の照度が
記憶手段5に記憶された閾値よりも大きいとき、すなわち表示手段2の全てに外光が照射されている場合は、遮光手段7の突出幅を最長(a3)とすることで外光が遮光される。
【0018】
このとき、遮光手段7が最長に突出した状態(a3)ではユーザが表示手段2を見づらくなるという問題が起こるため、車載用表示装置10では、図4に示すように制御手段1が遮光手段7の突出に伴って表示手段2をユーザの目線の位置である斜め上方向に角度調節することで遮光手段7の突出によって表示手段2が見づらくなるという問題を解消する。
【0019】
このとき遮光手段7の突出幅によって表示手段2の角度調節を変化させるものとし、例えば、表示手段2の角度調節を3段階調節可能としたとき、図3に示す外光検出手段41が検出した外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値より高いときで、かつ外光検出手段42と外光検出手段43が外光を検出しなかったときは遮光手段7の突出幅が最短(a1)となっているので1段階角度調節を行い、外光検出手段41と外光検出手段42とが夫々検出した外光の照度が記憶手段に記憶された照度の閾値より高いときで外光検出手段43が外光を検出しなかったときは、遮光手段7の突出幅が中間(a2)となっているので角度調節も2段階角度調節を行い、外光検出手段41、42、43すべてが夫々検出した照度が記憶手段に記憶された外光の照度の閾値より高いときは遮光手段7が最も突出(a3)しているので角度調節も3段階の角度調節を行う。
【0020】
ところで、車載用表示装置10において表示手段2の角度を調節するときは、遮光手段7を突出させた状態で表示手段2の角度調節を行うと表示手段2の上部が遮光手段7に接触し、角度調節を行うことができない。
【0021】
そこで本実施例では、遮光手段7を4枚の遮光板で構成し、遮光板を繋ぐ結合部12a、12b、12cを上方向への屈曲は可能であるが、下方向への屈曲は不可能な構造とし、表示手段2を上方向へ角度調節したとき、突出している遮光手段7を上方向へ屈曲可能な結合部が表示手段2に押し上げられる形で上方向へ屈曲可能となり表示手段2の角度調節を妨げない。
【0022】
次に、本車載用表示装置10における遮光手段7の突出・収納の制御動作を図5のフロー図を用いて説明する。
【0023】
車載用表示装置10において、電源が投入されると、まず、外光検出手段41、42、43が夫々入射する外光の照度を検出する(ステップS1)。次に外光比較手段6により外光検出手段41において検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるかを検出する(ステップS2)。ステップS2において、外光検出手段41によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以下であることが検出されると(ステップS2のN)、ステップ1の処理に戻り再度外光の検出を行う。
【0024】
ステップS2において外光検出手段41によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であることが検出がされると(ステップS2のY)、次に外光比較手段6は外光検出手段42において検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるかを検出する(ステップS3)。ステップS3において外光検出手段42によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以下であることが検出がされると(ステップS3のN)、外光手段41によって検出した外光の照度のみが記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるので、遮光手段7を最短(a1)に突出させ(ステップS4)、これに伴い表示手段2を1段階角度調節する(ステップS5)。
【0025】
ステップS3において外光検出手段42によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であること検出がされると(ステップS3のY)、外光比較手段6は、次に、外光検出手段43において検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるかを検出する(ステップS6)。ステップS6において外光検出手段43によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以下であること検出がされると(ステップS6のN)、外光手段41、42によって検出した外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるので、遮光手段7を中間の位置(a2)に突出させ(ステップS7)、これに伴い表示手段2を2段階角度調節する(ステップS8)。
【0026】
ステップS6において、外光検出手段43によって検出された外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であることが検出がされると(ステップS6のY)、外光検出手段41,42,43すべてで検出した外光の照度が記憶手段5に記憶された外光の照度の閾値以上であるため遮光手段7を最長(a3)に突出させ(ステップS9)、これに伴い表示手段2を3段階角度調節する(ステップS10)。
【0027】
なお、本発明では、車載用表示装置10が起動された状態では常時外光検出手段41,42,43入射する外光の照度を検出するものとする。
【0028】
また、本実施例では、車載用表示装置として記載したがこれに限ることはなく、車載用ナビゲーション装置としても使用可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の車載用表示装置における全体構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の車載用表示装置の正面図である。
【図3】本発明の車載用表示装置を側方から見た場合の遮光手段の動作説明図である。
【図4】本発明の車載用表示装置を側方から見た場合の遮光手段の動作説明図である。
【図5】本発明の車載用表示装置における遮光手段の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の車載表示装置における表示手段の角度調節の動作を示した図である。
【符号の説明】
【0030】
1・・・制御手段
2・・・表示手段
3・・・入力手段
4・・・外光検出手段
5・・・記憶手段
6・・・外光比較手段
7・・・遮光手段
8・・・RAM
9・・・ROM
10・・車載用表示装置
11・・収納部
12・・結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角度調整可能な表示手段と、該表示手段近傍の照度を検出する外光検出手段と、突出および収納自在に設けられ前記表示手段の上方より入射される外光を遮光する遮光手段と、前記外光検出手段により所定以上の照度が検出されると前記遮光手段を収納位置から突出位置へ突出させる制御手段と、を備えた車載用表示装置において、
前記制御手段は、前記外光検出手段により所定以上の照度が検出されると前記遮光手段を収納位置から突出位置へ突出させると共に前記表示手段の角度調節を行うことを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
前記外光検出手段は前記表示手段の近傍の複数個所の照度を検出し、前記前記制御手段は、複数個所の照度に応じて前記遮光手段の突出幅および前記表示手段の角度調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−87520(P2008−87520A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267909(P2006−267909)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】