説明

車載用表示装置

【課題】 フロントカメラ起動登録地点として登録が必要な地点をピックアップし、ユーザへ提示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】 制御手段は、現在位置に基づき、逐次第1の地点から第2の地点に至る走行軌跡を生成し、生成した該走行軌跡を走行軌跡記憶手段に記憶し、走行軌跡記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、当該走行軌跡上で所定の条件を満たした地点を登録地点候補として表示手段に表示し、表示手段に表示された登録地点候補の中から選択された地点を登録地点として登録地点記憶手段に記憶し、現在位置が前記登録地点に到達したときに前記映像を前記表示手段に表示する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載可能な表示装置であって、車両前方部に設けられたフロントカメラで撮影された映像を表示する表示装置に関するものであり、特に、狭い路地などから出る場合や見通しの悪い交差点などにおいてフロントカメラで撮影された映像を自動的に表示することで安全運転をサポートする表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載されたカメラを用いて車両の前方や後方を撮影してディスプレイに表示させ、ユーザの安全運転を支援するナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置は、通常、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の現在位置を検出し、検出した現在位置を探索した経路とともに地図に重ねてディスプレイに表示させる。そして、車両が狭い路地などを出る場合や見通しの悪い交差点などにおいてある一定速度以下で走行中に、ユーザによってカメラ切替スイッチが操作されると、ディスプレイに表示される情報が車両搭載のフロントカメラによって撮影された映像に切り替わる。
【0003】
この時、ナビゲーション装置は、手動でカメラ切り替えを行った地点と進行方向(進入角度)の情報を装置内の記憶手段に履歴としてメモリしておき、その履歴から候補地点のリストをディスプレイに表示させ、ユーザによって登録させることで、次回からはある速度以下でその地点を走行すると自動でフロントカメラによって撮影された映像にディスプレイ表示を切り替えることができる。
【0004】
また、例えば、下記特許文献1(特開2009−67292号公報)に開示された車載カメラシステムでは、広角カメラを車両に設置し、道路の情報と車両位置の情報とに基づいて広角カメラが撮影した映像のうちの表示する範囲を決定し、決定した範囲の映像を表示モニタに表示するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−67292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなナビゲーション装置は、フロントカメラの映像へ切り替える候補地点を登録するための操作を車両走行中に行う必要があり、走行中に車両の運転手に対してナビゲーション装置の操作を行わせることは危険が伴う場合があり交通安全上好ましくない。また、意識していないと、所望の地点(登録を必要とする地点)を登録し忘れるおそれがある。
【0007】
このため、上記以外の登録方法として、地図から交差点などを選択し、その後車両の進入角度を設定することで登録可能であるが、車両走行中は登録操作が難しく、後で思い出して登録しようとしても地図だけでは分かりにくい場合も多いという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献1に開示された車載カメラシステムは、車両が交差点などに接近すると切り出したカメラ映像を表示するだけであり、必ずしもユーザの所望する地点だけをカメラ映像に切り替えるための地点を事前に登録する方法については言及されておらず、地点登録時の交通事故を未然に防ぐための機能については考慮されていないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、フロントカメラ起動地点として登録が必要な地点をピックアップし、ユーザへ提示することができる表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、各部の動作を制御する制御手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記制御手段の制御に基づき車両に搭載された撮影手段により撮影された映像を表示する表示手段と、走行軌跡記憶手段と、を備えた車載用表示装置において、
前記制御手段は、前記現在位置に基づき、逐次第1の地点から第2の地点に至る走行軌跡を生成し、生成した該走行軌跡を走行軌跡記憶手段に記憶し、
前記走行軌跡記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、当該走行軌跡上で所定の条件を満たした地点を登録地点候補として前記表示手段に表示し、
前記表示手段に表示された登録地点候補の中から選択された地点を登録地点として登録地点記憶手段に記憶し、
前記現在位置が前記登録地点に到達したときに前記映像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記所定の条件を満たした地点とは、車両が急加速あるいは急減速した地点であることを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記所定の条件を満たした地点とは、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点であることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記所定の条件を満たした地点とは、交通事故多発地点であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる発明においては、制御手段は、前記現在位置に基づき、逐次第1の地点から第2の地点に至る走行軌跡を生成し、生成した該走行軌跡を走行軌跡記憶手段に記憶し、前記走行軌跡記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、当該走行軌跡上で所定の条件を満たした地点を登録地点候補として前記表示手段に表示し、前記表示手段に表示された登録地点候補の中から選択された地点を登録地点として登録地点記憶手段に記憶し、前記現在位置が前記登録地点に到達したときに前記映像を前記表示手段に表示する。
【0015】
このような構成によれば、ユーザは走行後、例えば目的地の到着地点において、走行軌跡記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、当該走行軌跡上で所定の条件を満たした地点(例えば、交差点)が登録地点候補として一覧表示されるので、ユーザはその中から撮影手段により撮影された映像を表示手段に表示するカメラ切替ポイントとして設定したい場所を選ぶことでスムーズに登録操作を行うことができるようになる。ここで、走行軌跡には進入角度についての情報も一般的に付加されており、しかも実際に走行したルートからの登録となるので、より実用的な登録となる。さらに、停車状態での登録となるので安全面にも考慮がなされるようになる。
【0016】
請求項2にかかる発明においては、前記所定の条件を満たした地点は、車両が急加速あるいは急減速した地点である。これにより、車両が以前急減速した地点を登録地点候補として一覧表示されるので、ユーザはその中から撮影手段により撮影された映像を表示手段に表示するカメラ切替ポイントとして設定したい場所を選ぶことで道幅が狭い道路から広い道路を通過する地点、もしくは細街路から細街路を通過する地点について登録操作を行うことができるようになる。
【0017】
請求項3にかかる発明においては、前記所定の条件を満たした地点は、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点である。これにより、自宅から所定の範囲内を対象とした地点が登録地点候補として一覧表示されるので、ユーザはその中から撮影手段により撮影された映像を表示手段に表示するカメラ切替ポイントとして設定したい場所を選ぶことで登録地点記憶手段のメモリ容量を抑えながらユーザ所望の登録地点を記憶することができる。
【0018】
請求項4にかかる発明においては、前記所定の条件を満たした地点は、交通事故多発地点である。これにより、交通事故多発地点付近が登録地点候補として一覧表示されるので、ユーザはその中から撮影手段により撮影された映像を表示手段に表示するカメラ切替ポイントとして設定したい場所を選ぶことで交通事故多発地点が近くにある交差点などについて登録操作を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の表示装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置10の要部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、車両の現在位置を地図画像とともにディスプレイに表示するとともに、現在位置または所望の出発地から目的地までの経路を探索してディスプレイに表示することにより、ユーザが目的地まで走行するための支援を行うものである。
【0022】
ナビゲーション装置10は、制御手段11、現在位置検出部15、経路探索部16、地図記憶部17、走行軌跡記憶部18、表示部19、操作部20、および登録地点記憶部21を備えて構成される。
【0023】
制御手段11は、CPU12、ROM13およびRAM14を備えて構成されており、ROM13および/またはRAM14に記憶された制御プログラムをCPU12が実行することにより、下記に説明する各部の動作を制御・統括する。
【0024】
なお、制御手段11は、後述する走行軌跡記憶部18に記憶された地点のうち、登録候補地点として読み出した交差点名称の一覧を表示部19に表示する他、車両の現在位置が後述する登録地点記憶部21に記憶された登録地点に到達した際に車両前方に設置されたフロントカメラにより撮影された車両前方の映像を表示部19に表示する表示制御手段として機能する。
【0025】
現在位置検出部15は、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの電波を所定の時間間隔で受信し、この信号に含まれている時刻情報および衛星位置情報に基づいて車両の現在位置を検出する。なお、現在位置検出部15は、ジャイロセンサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自律航法手段の出力を用いて車両の現在位置を検出するものであってもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求める。また、自律航法手段を用いて現在位置を求める方法は、GPS衛星からの電波を受信し現在位置を求める方法と組み合わせることで、GPS衛星からの電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0026】
経路探索部16は、操作部20を介してユーザにより、出発地、目的地、経由地等の経路探索条件が指定されると、地図記憶部17に記憶されている地図情報を参照し、出発地から目的地に至るまでの最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。この最適経路の探索は、ユーザによって指定された出発地または現在位置に対応する道路のノードから、所望の経由地を経由して(経由地の指定がない場合は、経由地は含まない)、ユーザによって指定された目的地に対応するノードに至る間のノードとリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を案内経路として探索し、当該経路に属するノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0027】
地図記憶部17は、各道路の交差点や分岐地点などの結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、を含む道路データが記憶された記憶媒体(HDDやDVD等)である。道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データおよび案内地点の位置座標が含まれている。
【0028】
また、道路リンクデータには、起点および終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、制限速度等のデータが含まれる。なお、道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0029】
地図記憶部17は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、ガソリンスタンド、駐車場、ショッピングセンタ、美術館、その他のランドマークを含む施設の位置、形状、名称、種別を含む施設データからなる背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0030】
また、地図記憶部17は、後述する走行軌跡データに付加されるノードやリンクに対応した名称として、予め、交差点名称、道路名称、施設名称などの地点情報が記憶されているものとする。
【0031】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置10を使用する際に、ナビゲーション装置10の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶部17から読み出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示部19に表示される。地図画像は車両の走行に伴ってスクロールされ、現在位置検出部15により検出される現在位置が常に表示画面の中心となるように表示される。その際、現在位置検出部15により検出される現在位置には誤差が含まれるため、現在位置が道路からずれている場合には、制御手段11によってマップマッチング処理が施され、表示部19に表示された道路上または経路上に現在位置が修正される。
【0032】
以下、地図記憶部17に記憶されている種々のデータを地図データと総称する。
【0033】
走行軌跡記憶部18は、ユーザにより指定された出発地と目的地に基づき経路探索部16により探索された案内経路に基づいて、経路案内を受けながら実際に走行した経路の走行軌跡データを記憶するためのRAM等からなる記憶媒体である。
【0034】
走行軌跡データは、制御手段11によって、現在位置検出部15により検出された現在位置をマップマッチングして得られた通過ノードのノード番号、通過リンクのリンク番号を連続したデータとして生成される。走行軌跡データに含まれる通過ノードやリンクに対応した交差点名称や道路名称が地図記憶部17に記憶されている場合には、制御手段11が、地図記憶部17に記憶された地点情報を参照して、ノードやリンクに対応した名称を付加して走行軌跡記憶部18に記憶する。このとき、交差点名称や道路名称となる文字列をユーザが操作部20を用いて入力する構成であってもよい。
【0035】
表示部19は、車両前方に設置されたフロントカメラ30により撮影された車両前方の映像が表示される他、現在位置検出部15により検出された車両の現在位置を示す現在位置マーク、地図記憶部17から読み出された地図データ、経路探索部16により探索された案内経路データ等が表示されるものであり、液晶ディスプレイ等の表示パネルが用いられる。また、フロントカメラ30により撮影された映像を表示するためにフロントカメラ切替ポイントとして設定したい場所を登録する際に、制御手段11により、走行軌跡記憶部18に記憶された走行軌跡データから登録候補地点として抽出された交差点名称の一覧が表示される。
【0036】
操作部20は、ナビゲーション装置10本体に設けられた操作キーまたは表示部19に表示された操作アイコンを押下することで操作を行うタッチパネル等で構成され、経路探索を行うための出発地、目的地、経由地等の経路探索条件の入力、フロントカメラ切替ポイントとして設定したい場所の選択などに用いられるものである。
【0037】
登録地点記憶部21は、フロントカメラ切替ポイントの候補となる交差点の情報が記憶された記憶媒体である。なお交差点の情報は、走行軌跡記憶部21に記憶された走行軌跡データから抽出された交差点の位置情報と当該交差点における車両の進行方向(進入角度)とから構成されている。
【0038】
次に、以上のように構成されるナビゲーション装置10を用いた地点登録処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
先ず、走行に先立ち、操作部20を介して、ユーザにより、出発地、目的地、所望の施設等の経由地といった経路探索条件が入力されると、経路探索部16は、通常の経路探索と同様に、地図記憶部17に記憶されている地図データを読み出して、出発地から目的地までの最適経路を探索する。
【0040】
そして、制御手段11は、最適経路に沿って出発地から目的地へ向かって走行を開始したか否かを判定する(ステップS11)。走行を開始したか否かの判定については、例えば、車両に設けられた車速センサからの車速信号を受信する受信部をナビゲーション装置10に設けることで、車速センサからの車速信号を検知したときに走行が開始されたと判定することができる。また、走行開始の判定を行う他の方法としては、ナビゲーション装置10に加速度センサを設けた構成とし、加速度センサからの出力に基づき走行が開始されたか否かを判定するようにしてもよい。
【0041】
制御手段11は、車両が最適経路に沿って走行を開始したと判定した場合(ステップS11、YES)、現在位置検出部15により時々刻々検出される現在位置に対応したノードとリンクを地図記憶部17に記憶された地図データから特定し、特定したノードとリンクを走行経路のデータとしてRAM14に順次、一時記憶していく(ステップS12)。
【0042】
なお、走行経路のデータを一時記憶する際、通過リンクの属性情報として、予めリンクに定められている進行方向の情報を、車両の現在の進行方向(進入角度)として当該リンクのデータに付加して記憶する。
【0043】
次に、制御手段11は、現在位置検出部15により検出された車両の現在位置と、地図記憶部17から読み出した目的地に対応する位置情報に基づき、車両が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS13)。車両が目的地に到着したと判定した場合には(ステップS13のYES)、RAM14に一次記憶した出発地から目的地までの一連の走行経路データを走行軌跡データとして走行軌跡記憶部18に記憶する(ステップS14)。
【0044】
そして、制御手段11は、走行軌跡記憶部18から登録候補地点として、走行軌跡データに含まれる交差点の名称を読み出し表示部19に一覧表示する(ステップS15)。
【0045】
なお、一覧表示するタイミングとしては、例えば、車両が目的地に到着し停止したとき(但し、エンジンはONのまま)、または次回エンジンをONした際に表示するものとする。次回エンジンをONした際に表示する場合は、図2のフローチャートにおけるS14の処理の後にエンジンがOFFされたか否かの判定処理に移り、また、次回エンジンがONされた場合は、図2におけるS11の処理の前に、S15からS17の処理を実行することになる。
【0046】
また、目的地に到着したか否かの判定については、目的地(経路探索の際にユーザにより指定された目的地)と現在位置検出部15により検出された現在位置とが所定範囲内に位置し、且つ車両の車速が検出できなくなったとき目的地に到着したと判定することができる。
【0047】
そして、一覧表示された交差点名称のうち、ユーザがフロントカメラ切替ポイントとして設定したい交差点を、操作部20を介して選択すると(ステップS16)、制御手段11は、フロントカメラ切替ポイントとして選択された交差点の位置情報と当該交差点における車両の進行方向(進入角度)を登録地点記憶部32に記憶(登録)する(ステップS17)。
【0048】
なお、上記実施例では、制御手段11が、登録候補地点として、走行軌跡記憶部26に記憶された走行軌跡データのうち、軌跡データ中に含まれるすべての交差点を抽出する場合を例に説明したが、抽出する地点としては、単に軌跡データ中に含まれる交差点を抽出するのではなく、所定の条件を満たした地点(例えば、車両が急加速あるいは急減速したと判定した地点、交通事故が多発している地点、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点)を登録候補地点として抽出するようにしても構わない。
【0049】
車両が急加速あるいは急減速したか否かを判定する方法としては、ナビゲーション装置10に加速度センサを設けた構成とし、加速度センサからの出力に基づき急加速あるいは急減速を判定することができる。この場合、制御手段11は、加速度センサの出力に基づき、急加速あるいは急減速が起きたと判定した時点で、現在位置検出部15により検出された現在位置に対応したノードあるいはリンクを地図記憶部17に記憶された地図データに基づき特定し、特定した該ノードあるいはリンクを走行経路のデータとしてRAM14に記憶する際、これらノードあるいはリンクの付加情報として急加速あるいは急減速が起きた地点であることを示す情報を付加して記憶するものとする。
【0050】
なお、急加速あるいは急減速については、加速度センサからの出力に基づき、所定時間の間に車両の速度変化度合いが所定の閾値以上となれば急加速と判定でき、また所定の閾値以下となれば急減速と判定することができる。
【0051】
また、事故多発地点の情報については、予め地図記憶部17に記憶された地図データのうち事故多発地点に該当する地点に事故多発地点である情報を付加しておく方法や、ナビゲーション装置10に外部の情報サーバと通信可能な通信部を備えることで、該通信部を介して外部の情報サーバから最新の事故多発地点データを受信し、地図記憶部17に記憶された地図データのうち事故多発地点に該当する地点の付加情報として事故多発地点である情報を付加、または更新することもできる。
【0052】
また、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点を登録候補地点とする処理としては、事前に、ユーザにより自宅の位置が登録地点情報として設定されているような場合であって、現在位置検出部15により検出された車両の現在位置と地図記憶部17に記憶された地図データ、さらには予め設定されている自宅の位置情報に基づき、自宅から所定範囲内に車両が位置しており、且つ車速センサ等の出力に基づき現在の車両の走行速度が所定速度以下(例えば、時速20km以下)であると判定した地点、例えば、自宅付近の細い道路を慎重に走行しているような場合が想定されるので、こういった地点では、フロントカメラの映像を表示部19に表示する必要があると考えられる。このため、上記の条件が揃った時点(自宅から所定範囲内にて、車両の速度が所定速度以下であると判定した時点)における車両の現在位置を特定し、特定した位置に該当するノードあるいはリンクを走行経路のデータとしてRAM14に記憶する際、付加情報として、自宅から所定範囲内にて車両の速度が所定速度以下で走行した地点である情報を付加して記憶する。
【0053】
このように、走行軌跡記憶部26に記憶された走行軌跡データのうち、登録候補地点として表示部19に一覧表示する地点候補としては、上記のような付加情報が付された地点(急加速あるいは急減速が起きた地点、事故多発地点、自宅から所定範囲内にて車両の速度が所定速度以下で走行した地点)が一覧表示されるので、フロントカメラの映像を表示する必要性が高い地点のみをフロントカメラ切替ポイントとして登録することができる。
【0054】
また、上記説明では、制御手段11が、走行軌跡記憶部26に記憶された軌跡データから登録候補地点候補を抽出して表示部19に表示し、ユーザが所望の地点をフロントカメラ切替ポイントとして選択するものとして説明を行ったが、これに限るものではなく、制御手段11が、走行軌跡記憶部26に記憶された走行軌跡データから、フロントカメラ切替ポイントとして登録が必要と判定した地点を自動的に登録する構成であっても構わない。
【0055】
この場合、制御手段11は、所定の条件が揃った地点(車両が急加速あるいは急減速した地点、交通事故多発地点、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点)として特定した位置に該当するノードあるいはリンクについて、上記のようにRAM14に一時記憶することなく、フロントカメラ切替ポイントとして登録地点記憶部21に記憶する構成とすることができる。
【符号の説明】
【0056】
10・・・ナビゲーション装置
11・・・制御手段
12・・・CPU
13・・・ROM
14・・・RAM
15・・・現在位置検出部
16・・・経路探索部
17・・・地図記憶部
18・・・走行軌跡記憶部
19・・・表示部
20・・・操作部
21・・・登録地点記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部の動作を制御する制御手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記制御手段の制御に基づき車両に搭載された撮影手段により撮影された映像を表示する表示手段と、走行軌跡記憶手段と、を備えた車載用表示装置において、
前記制御手段は、前記現在位置に基づき、逐次第1の地点から第2の地点に至る走行軌跡を生成し、生成した該走行軌跡を走行軌跡記憶手段に記憶し、
前記走行軌跡記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、当該走行軌跡上で所定の条件を満たした地点を登録地点候補として前記表示手段に表示し、
前記表示手段に表示された登録地点候補の中から選択された地点を登録地点として登録地点記憶手段に記憶し、
前記現在位置が前記登録地点に到達したときに前記映像を前記表示手段に表示することを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
前記所定の条件を満たした地点とは、車両が急加速あるいは急減速した地点であることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項3】
前記所定の条件を満たした地点とは、自宅から所定の範囲内において車両が一定以下の速度で通過した地点であることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。
【請求項4】
前記所定の条件を満たした地点とは、交通事故多発地点であることを特徴とする請求項1記載の車載用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−173269(P2012−173269A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38667(P2011−38667)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】