説明

車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置

【課題】車内に設置されて開位置と閉位置との間を移動可能な表示手段(モニタ)を、車両のドア開閉および搭乗者の有無に基づいて、移動させるか否かを判定することで、乗り降りの邪魔にならないようにしつつも、表示手段に表示された映像を見逃さないようにすることが可能な車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置を提供する。
【解決手段】車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段15を移動させるか否かを判定する制御手段10と、前記車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段12と、を備えた車載用電子機器1において、前記制御手段10は、前記車両情報に基づいて、前記表示手段15を移動させるか否かを判定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置に関し、特に、車内に設置された表示装置の開閉を制御する車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から車内で映画やテレビ放送などを視聴するために、LCD等の表示装置を備えた車載用電子機器、例えば、テレビチューナやDVDビデオ再生装置を備えたナビゲーション装置などを車両に搭載することで映画などを視聴可能としていた。
【0003】
また、車両の前部座席(運転席、助手席)への搭乗者のみならず、車両の後部座席への搭乗者が映画やテレビ放送を視聴するために、ダッシュボード近辺に設置される表示装置とは別に、例えば、車内の天井の中心付近に表示装置(リアモニタ)を設けることで、後部座席の搭乗者も映画やテレビ放送などの映像情報を視認することを可能としている。
【0004】
しかしながら、車内の天井などに表示装置を設置した場合、搭乗者が車両へ乗り降りをする際に邪魔になってしまう、或いは、車両を後退させる場合、運転手が後方を確認する際に視界の妨げになってしまうという問題があった。
【0005】
このような課題を解決するために、例えば、下記の特許文献1(特開2002−293194号公報)には、車内の天井に取り付けられ、開位置と閉位置との間を変位可能に構成されている表示パネルを備えた車載用表示装置において、車両のエンジンキーが抜かれた場合、または、トランスミッションのギア状態がバックギアのシフトであった場合に、表示パネルを閉位置に回動させると共にバックライトなどの表示用電源を切ることで、後部座席への乗り降りの妨げにならず、閉位置へ手動で収容する手間が省ける車載用表示装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された車載用表示装置では、後部座席への乗り降りの妨げにならないようにするために、キーが抜かれた場合、常に表示パネルを閉位置に移動(回動)させているが、後部座席から人が降りようとしている、或いは、後部座席へ人が乗ろうとしているか否かに係らず、キーが抜かれると表示パネルを閉じてしまうため、表示パネルの不必要な移動が行なわれてしまうという課題が残存している。
【0007】
そして、この不必要な移動により、車両に搭載されたバッテリの無駄な消費、或いは、表示パネルの移動を行なうためのモータや軸部などの部材の磨耗が生じ得る。
【0008】
そこで、上記の課題を解決するため、本願出願人は、先に特願2010−103780号にて「車載用表示システム」を出願している。この「車載用表示システム」では、車内に設置されて開位置と閉位置との間を移動可能な表示手段(モニタ)を、車両に設けられた複数のドアのうち特定のドアの開閉に応じて移動させることで、搭乗者の乗り降りが行われない場合における不必要な表示手段の移動を防ぐことができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−293194号公報(段落[0023]〜[0025])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記出願の「車載用表示システム」においては、特定のドア(例えば、後部ドア)が開けられるたび、表示手段を移動させてしまうため、例えば、最初に1人の人が後部座席に乗り込み、表示手段に表示される映像を視聴している場合に、他の人が空いている他の後部座席に乗り込むために後部ドアを開けた場合も、表示手段を閉位置へと移動させてしまう。すなわち、最初に後部座席に着席して、表示手段に表示される映像を視聴中であった人にとって、表示手段が閉位置に移動させられることにより、映像が一時視聴できなくなってしまうという課題が発生する。特に、表示手段に表示されていた映像がテレビ放送などの場合であれば、肝心な部分を見落としてしまい、見落とした部分を再度視聴することができないという場合が生じ得る。
【0011】
そこで、本願発明は、上記の課題を解消するため、車内に設置されて開位置と閉位置との間を移動可能な表示手段を、車両に設けられた複数のドア毎の開閉および車両に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無に基づき、表示手段を移動させるか否かを判定することで、表示手段が車両への乗り降りの邪魔にならないようにしつつも、表示手段に表示している映像を見逃さないようにすることが可能な車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
すなわち、例えば、後部座席が2席あり、当該2席のうち片方の座席のみに人が座っているときに、当該人が座っている座席でない座席側のドアが開いた場合(他の人が後部座席に乗り込んでくる場合)は、表示手段を移動させないと判定することで、表示手段に表示された映像を見逃さないようにし、後部座席に誰も乗っていないときに、後部ドアが開いた場合は、表示手段を閉位置に移動させると判定することで、乗り降りの邪魔にならないようにすることが可能な車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段を移動させるか否かを判定する制御手段と、前記車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、を備えた車載用電子機器において、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記表示手段を移動させるか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車載用電子機器において、前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、前記複数の座席には、後部座席が含まれ、前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記後部座席に搭乗者がいないと判定した場合、前記表示手段を移動させると判定することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の車載用電子機器において、前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席に複数の搭乗者がいると判定した場合、前記表示手段を移動させないと判定することを特徴とする。
【0016】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の車載用電子機器において、前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席の何れかに搭乗者がいる場合、該開いた後部ドアは搭乗者側のドアか否かを判定し、搭乗者側でないと判定した場合、前記表示手段を移動させないと判定することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1に記載の車載用電子機器において、前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席の何れか1つに搭乗者がいる場合、該開いた後部ドアは搭乗者側のドアか否かを判定し、搭乗者側であると判定した場合、前記表示手段を移動させると判定することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の車載用電子機器において、前記車載用電子機器は、前記表示手段と、前記表示手段を閉位置と開位置との間で移動させる開閉手段を備え、前記制御手段は、前記表示手段が開位置である場合に、前記表示手段を移動させると判定すると、前記開閉手段を介して、前記表示手段を閉位置に移動させることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の車載用電子機器において、前記開位置とは、前記表示手段の表示画面が視認できる位置であり、前記閉位置とは、前記表示手段の表示画面が視認できない位置であることを特徴とする。
【0020】
本願の請求項8にかかる発明は、車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段を備えた車載用表示装置と、前記車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、制御手段と、を備えた車載用電子機器とが、双方が有する通信手段を介して接続された車載用表示システムにおいて、前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記表示手段を移動させるか否かを判定することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項9にかかる発明は、車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、第1制御手段と、を備えた車載用電子機器と通信手段を介して接続された車載用表示装置において、前記車載用表示装置は、前記車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段と、前記表示手段を閉位置と開位置との間で移動させる開閉手段と、第2制御手段とを備え、前記第2制御手段は、前記通信手段を介して、前記第1制御手段が前記車両情報に基づいて前記表示手段を移動させると判定した判定結果を取得し、該判定結果に基づいて、前記表示手段が開位置である場合に、前記開閉手段を介して前記表示手段を閉位置に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、車両のドアの開閉および搭乗者の有無に基づいて、後部座席の搭乗者がいない場合に後部座席に乗り込むとき、および、後部座席の搭乗者が降りることによって、後部座席の搭乗者がいなくなる場合に車両から降りるときには、表示手段を閉位置に移動させるため、表示手段が車両への乗り降りの際の妨げにならない。
【0023】
また、既に後部座席への搭乗者がある場合に、空いている後部座席へ他の搭乗者が乗り込む場合、および、両方の後部座席に搭乗者がある場合に、片方の後部座席の搭乗者が降りる場合は、表示手段を移動させないため、既に後部座席に搭乗していた搭乗者、または、降りない搭乗者は映像情報を途切れなく視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例にかかる車載用表示装置1の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる表示手段15の外観図である。
【図3】本発明の実施例にかかる車載用表示装置1の制御手段10が行なう制御動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例にかかる車載用表示装置1を搭載した車両40の模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる車載用表示システム2の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置を例示するものであって、本発明をこの車載用電子機器、車載用表示システムおよび車載用表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0026】
以下の実施例においては、車載用電子機器を車載用表示装置1として例示する。
【0027】
図1は、本発明の実施例にかかる車載用表示装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0028】
車載用表示装置1は、制御手段10、映像音声取得手段11、車両情報取得手段12、入力手段13、音声出力手段14、表示手段15、開閉手段16を備えて構成される。
【0029】
制御手段10は、図示しないCPUやROM、RAMからなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従って車載用表示装置1の各部の動作を制御するものである。
【0030】
映像音声取得手段11は、車載用表示装置1の外部から映像情報や音声情報を取得するインターフェースであり、例えば、受信手段21やビデオ再生手段22と接続される。
【0031】
ここで、受信手段21は、例えば、アンテナやテレビチューナなどで構成され、放送局から放送されるテレビ放送などの放送波を受信するためのものであり、ビデオ再生手段22は、例えば、DVD再生装置などで構成され、DVDなどの記憶媒体に記憶された映像情報や音声情報などを再生するためのものである。受信手段21、ビデオ再生手段22により受信、再生された映像情報は、映像音声取得手段11などを介して表示手段15に表示される。
【0032】
車両情報取得手段12は、車載用表示装置1が設置される車両に設けられたセンサなどの出力に基づいて得られる車両情報を取得するインターフェースであり、例えば、ドア開閉検出手段31や搭乗者検出手段32から車両情報を取得する。
【0033】
ここで、ドア開閉検出手段31は、車両に設けられたドアの開閉を検出するためのカーテシスイッチなど種々のスイッチ又はセンサなどで構成され、このカーテシスイッチなどのセンサは車両に設けられた複数のドア毎に配置され、各ドアの開閉を検出することができる。なお、ドア開閉検出手段31は、カーテシスイッチなどの出力をそのまま出力してもよいし、カーテシスイッチなどの出力に基づいて、何れかのドアが開いたか(閉まったか)を判定して、判定結果を出力してもよい。
【0034】
また、搭乗者検出手段32は、車両に設けられた座席にかかる荷重を検出するセンサなどで構成され、この荷重を検出するセンサを車両に設けられた複数の座席毎に配置することで、各座席にかかる荷重を検出することができる。そして、搭乗者検出手段32は、座席にかかる荷重に基づいて搭乗者がいるか否かを判定する。例えば、座席にかかる荷重が20kg以上であれば、その座席に搭乗者がいると判定することで可能である。なお、搭乗者検出手段32は各座席にかかる荷重を出力し、搭乗者がいるか否かの判定は、制御手段10が行ってもよい。ドア開閉検出手段31、搭乗者検出手段32により検出された車両情報(各ドアの開閉、各座席の搭乗者の有無)は、車両情報取得手段12を介して制御手段10に入力され、後述する表示手段15を移動させるか否かの判定に用いられる。
【0035】
また、搭乗者検出手段32は、荷重を検出するセンサに限られず、カメラなどで構成されてもよく、カメラで撮影された画像から各座席にかかる搭乗者の有無を判定することも可能である。
【0036】
入力手段13は、車両の搭乗者等によって操作される各種キー、スイッチ等で構成されるものであり、例えば、後述する表示手段15に表示する映像情報などを選択するためのものである。また、入力手段13を介して所定の操作を行うことで、後述する表示手段15を開位置又は閉位置に移動させる指示を入力することができる。
【0037】
音声出力手段14は、スピーカー等で構成され、テレビ放送に含まれる音声情報や操作音、その他車載用表示装置1に関する種々の音声報知を行う。
【0038】
表示手段15は、映像音声取得手段11により取得された映像情報を表示するためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、表示手段15は、車両の後部座席への搭乗者が視認できるように、例えば、車内の中心付近の天井に設置される。
【0039】
図2は、表示手段15が車内に取り付けられた際の外観図の一例を示す。
【0040】
表示手段15は、車両取付部200と連結しており、この車両取付部200は、車内の天井などに取り付けられて固定される。また、車両取付部200は、表示手段15が収まる程度の収納部210を備えている。そして、表示手段15は、後述する開閉手段16により、図示しない軸部を用いて開位置と閉位置との間で移動可能となっている。
【0041】
ここで、開位置と閉位置の説明を行う。開位置とは、図2で示されるように車両取付部200に対して垂直になるような位置であり、すなわち、表示手段15の表示画面15aが視認できる位置である。また、閉位置とは、表示手段15が車両取付部200の収納部210に嵌った位置(表示手段15の表示画面15aが視認できない位置)である。
【0042】
なお、車内の中心付近の天井に設置されるのは、表示手段15のみであっても、車載用表示装置1自体であってもよい。
【0043】
開閉手段16は、例えば、モータなどで構成され、制御手段10の指示に基づき表示手段15を閉位置と開位置との間で移動させる。
【0044】
ここで、移動とは、図2で示すように表示手段15を軸部(不図示)を用いて回動させる場合以外にも、例えば、図2における車両取付部200が表示手段15を囲む筐体のような形態であって、その筐体から表示手段15をガイドレールなどを介してスライドさせて移動させる場合(図示せず)も含む、この場合の閉位置は、表示手段15が筐体内に挿入されている位置であり、開位置は、表示手段15が筐体外である位置である。
【0045】
すなわち、本実施例における移動とは、表示手段15の表示画面15aが視認できる位置(開位置)と、表示手段15の表示画面15aが視認できない位置(閉位置)との間を変位する種々の動作を示す。
【0046】
次に、図3に示すフローチャート及び図4に示す模式図を用いて、本発明の制御手段10が行なう制御動作について説明を行う。
【0047】
始めに、図4に示す模式図の説明を行う。図4は、本実施例における車載用表示装置1を搭載した車両40の模式図を示しており、図4に示す車両40には、ドア41〜44、前部座席(運転席45、助手席46)、後部座席47、48及び表示手段15が配置されている。ここで、表示手段15は、車内の中心付近の天井に配置されている。また、ドア41〜44の付近には、夫々にスイッチ或いはセンサなどが設けられ、搭乗者によるドアの開閉が検出される。
【0048】
なお、図4では、車両のドアを4つあるものとして記載したがこれに限ることはなく、ドアは4つ以下或いは4つ以上であってもよい。
【0049】
また、以下の説明では、車両の中心付近の天井に表示手段15が設置されているものとし、且つ、中心付近の天井に設置された表示手段15が開位置である場合は、後部座席への乗り降りの妨げになるものとして説明を行う。なお、表示手段15が設置される位置は、後部座席への乗り降りの妨げになる位置であれば車両の中心付近の天井に限られない。
【0050】
次に、図3を用いて本発明の制御手段10が行なう制御動作について説明を行う。
【0051】
まず、車両情報取得手段12を介して取得したドア開閉検出手段31の出力に基づき、車両のドア(ドア41〜44)が開いたか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300において、ドアが開いたと判定した場合(ステップS300のYES)、開いたドアは後部ドア(ドア43、又は、44)か否かを判定する(ステップS302)。なお、制御手段10が判定するのではなく、ドア開閉検出手段13が何れのドアが開いたかを検出して制御手段10に出力してもよい。
【0052】
ステップS302において、後部ドアが開いたと判定すると(ステップS302のYES)、ステップS304へ進み、ステップS302において、後部ドアが開いていないと判定すると(ステップS302のNO)、ステップS300へ戻る。
【0053】
次に、ステップS304において、車両情報取得手段12を介して取得した搭乗者検出手段32の出力に基づいて、後部座席(後部座席47又は48)への搭乗者が既にいるか否かを判定する(ステップS304)。
【0054】
ステップS304において、後部座席への搭乗者はいないと判定すると(ステップS304のNO)、表示手段15を閉位置に移動させると判定し、ステップS306に進み、表示手段15が開位置か否かを判定する(ステップS306)。ここで、表示手段15が開位置であるか否かの判定は、例えば、制御手段10が最後に開閉手段16に指示した動作を記憶しておくことで判定可能であり、また、表示手段15又は車両取付部200などにスイッチ或いはセンサなどを設け、それらのスイッチ又はセンサの出力に基づき判定することも可能である。
【0055】
ステップS306において、表示手段15が開位置である場合(ステップS306のYES)、制御手段10は、表示手段15への映像情報の出力を停止し、表示手段15のバックライト等の電源を切ると共に、開閉手段16に閉位置への移動を指示する。そして、指示を受けた開閉手段16は、表示手段15を閉位置まで移動させる(ステップS308)。
【0056】
なお、ステップS306において、表示手段15が開位置でない場合(ステップS306のNO)、表示手段15は、既に閉位置(閉じている状態)であるため、処理を終了する。
【0057】
このように、開いたドアが後部ドアであり、後部座席への搭乗者がいないときは、表示手段15を閉位置まで移動させるため、誰も乗っていない後部座席に乗り込むときに、表示手段15が乗り込みの妨げになることを防止できる。
【0058】
また、ステップS304において、後部座席への搭乗者がいると判定すると(ステップS304のYES)、車両情報取得手段12を介して取得した搭乗者検出手段32の出力に基づいて、片方の後部座席(後部座席47又は48)のみ搭乗者がいるか否かを判定する(ステップS310)。
【0059】
ステップS310において、片方の後部座席のみ搭乗者がいると判定した場合(ステップS310のYES)、搭乗者側のドアが開いたか否かを判定する(ステップS312)。
【0060】
ここで、搭乗者側のドアとは、搭乗者がいる座席に対応したドアであり、図4を参照して説明すると、後部座席48に搭乗者がいる場合、搭乗者側のドアとは、ドア44である。同様に、後部座席47に搭乗者がいる場合、搭乗者側のドアとは、ドア43である。これは、予め制御手段10が有するRAMなどに記憶しておいてもよいし、入力手段13などを介して予めドアと座席とを対応付けていてもよいし、車両情報取得手段12により座席とドアとの関係が取得されてもよい。
【0061】
ステップS312において、搭乗者側のドアが開いたと判定すると(ステップS312のYES)、表示手段15を閉位置に移動させると判定し、ステップS306へ進み、表示手段15が開位置であれば(ステップS306のYES)、表示手段15を閉位置に移動させる(ステップS308)。なお、表示手段15が開位置でない場合(ステップS306のNO)、表示手段15は、既に閉位置(閉じている状態)であるため、処理を終了する。
【0062】
このように、後部座席の搭乗者側のドアが開いた場合とは、後部座席の搭乗者が車両から降りる場合であるため、表示手段15を閉位置に移動させることで、表示手段15が車両から降りる際の妨げになることを防止できる。
【0063】
また、後部座席の搭乗者が車両から降りるため、後部座席への搭乗者がいなくなる。すなわち、表示手段15に表示された映像情報の視聴者(後部座席への搭乗者)がいない状態で、表示手段15が開位置になることがないので、運転手が後方確認する際などに、表示手段15が視界の妨げになることも防ぐことができる。
【0064】
また、ステップS312において、搭乗者側でないドアが開いたと判定すると(ステップS312のNO)、表示手段15を閉位置に移動させないと判定し、表示手段15を移動させることなく処理を終了する。
【0065】
このように、後部座席の搭乗者側でないドアが開いた場合とは、既に後部座席に搭乗者がいる状態(例えば、図4の後部座席48に搭乗者がいる状態)で、空いている後部座席(図4の後部座席47)へ他の搭乗者が乗り込む場合である。
【0066】
このような場合では、既に後部座席に搭乗している搭乗者が、入力手段13などを介して表示手段15を開位置に移動させて、表示手段15に表示されている映像情報を視聴している場合がある。この際に、表示手段15を閉位置に移動させると、既に後部座席に搭乗して映像情報を視聴していた搭乗者が映像情報を視聴できなくなってしまう。特に、視聴していた映像情報がテレビ放送に含まれる映像情報である場合、再度見落とした部分を視聴することは困難である。
【0067】
そのため、既に後部座席の搭乗者が表示手段15に表示されている映像情報を視聴している場合には、表示手段15を閉位置に移動させないことが好ましい。
【0068】
なお、後部座席へ搭乗していた搭乗者が表示手段15を開位置に移動させていない場合は、表示手段15は閉位置であるため、表示手段15が、新たに後部座席へ乗り込む搭乗者にとって妨げになることはない。
【0069】
また、ステップS310において、両方の後部座席(後部座席47及び48)に搭乗者がいると判定した場合(ステップS310のNO)、表示手段15を閉位置に移動させないと判定し、表示手段15を移動させることなく処理を終了する。
【0070】
このように、後部座席の両方に搭乗者がいる状態で後部ドアが開いた場合とは、後部座席のいずれかの搭乗者が車両から降りる場合である。
【0071】
このような場合では、後部座席の搭乗者が、入力手段13などを介して表示手段15を開位置に移動させて、表示手段15に表示されている映像情報を視聴している場合がある。
そのため、両方の後部ドアのうち、片方の後部ドアが開いた場合に、表示手段15を閉位置に移動させると、降りない搭乗者(ドアが開いていない側の搭乗者)が映像情報を視聴できなくなってしまう。
【0072】
そのため、後部座席の搭乗者が表示手段15に表示されている映像情報を視聴している場合には、表示手段15を閉位置に移動させないことが好ましい。
【0073】
なお、上記と同様に、後部座席へ搭乗していた搭乗者が表示手段15を開位置に移動させていない場合は、表示手段15は閉位置であるため、表示手段15が、後部座席から降りる搭乗者にとって妨げになることはない。
【0074】
以上説明した通り、車両のドアの開閉および搭乗者の有無に基づいて、後部座席の搭乗者がいない場合に後部座席に乗り込むとき、および、後部座席の搭乗者が降りることによって、後部座席の搭乗者がいなくなる場合に車両から降りるときには、表示手段15を閉位置に移動させるため、表示手段15が車両への乗り降りの際の妨げにならない。
【0075】
また、既に後部座席への搭乗者がある場合に、空いている後部座席へ他の搭乗者が乗り込む場合、および、両方の後部座席に搭乗者がある場合に、片方の後部座席の搭乗者が降りる場合は、表示手段15を閉位置に移動させないため、既に後部座席に搭乗していた搭乗者、または、降りない搭乗者は映像情報を途切れなく視聴することができる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例の図3のフローチャートのステップS310において、両方の後部座席に搭乗者がある場合に、両方の後部ドアが開いた場合は、表示手段15を閉位置に移動させることが好ましい。
【0077】
また、上記実施例では、図3のフローチャートにおいて、両方の後部座席に搭乗者がある場合(ステップS310)、および、搭乗者側でないドアが開いた場合(ステップS312のNO)は、表示手段15を移動させないとしたが、これに限ることはなく、例えば、搭乗者が入力手段13などを介して表示手段15を開位置に移動させたが、表示手段15に映像情報が表示されていない場合(映像情報を見終わった場合など)は、表示手段15を閉位置に移動させることが好ましい。また、表示手段15に映像情報が表示されている場合であっても、映像情報がテレビ放送などの再度視聴が困難であるもの以外では、表示手段15を閉位置に移動させてもよい。
【0078】
また、映像情報がテレビ放送であっても、コマーシャル中であれば、表示手段15を閉位置に移動させてもよい。
【0079】
さらに、上記実施例では、表示手段15が、車内の中心付近の天井付近に設置され、表示手段15が開位置であるとき、後部座席の乗り降りの妨げになるとしたが、表示手段15が、車両の前方中心付近に設置された場合でも、表示手段15が開位置であるとき、前部座席の乗り降りの妨げになる場合があるため、表示手段15が設置された位置に基づいて、図3のステップS302、S304で判定するドアや搭乗者を変更してもよい。すなわち、表示手段15が、車両の前方中心付近に設置された場合では、前部ドア(図4におけるドア41又は42)が開いたか、又は、前部座席(図4の前部座席45又は46)への搭乗者がいるかを判定してもよい。なお、表示手段15が設置された位置は入力手段13などを介して予め入力することができる。
【0080】
次に、本発明の他の実施形態を図5を用いて説明する。
【0081】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる車載用表示システム2の要部構成を示すブロック図である。なお、図1と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0082】
車載用表示システム2は、車載用表示装置3および車載用電子機器4で構成される。なお、車載用電子機器4とは、具体的には、テレビチューナなどを搭載したナビゲーション装置などが考えられる。
【0083】
車載用表示装置3は、制御手段101、表示手段15、開閉手段16、通信手段19を備えて構成される。
【0084】
制御手段101は、図示しないCPUやROM、RAMからなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従って車載用表示装置3の各部の動作を制御するものである。
【0085】
通信手段19は、車載用表示装置3と車載用電子機器4とを繋ぐインターフェースであり、後述する映像情報や車両情報又は表示手段15の移動指示などを受信する。なお、通信手段19への伝達媒体は、ケーブルなどの有線であっても無線であってもよい。
【0086】
表示手段15は、通信手段19を介して取得した映像情報を表示するためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、車載用表示装置3は、車両の後部座席への搭乗者が視認できるように、例えば、車内の中心付近の天井に設置される。
【0087】
開閉手段16は、例えば、モータなどで構成され、制御手段101の指示に基づき表示手段15を閉位置と開位置との間で移動させる。
【0088】
次に、車載用電子機器4の構成を説明する。
【0089】
車載用電子機器4は、制御手段100、受信手段21、ビデオ再生手段22、入力手段13、車両情報取得手段12、表示手段17、音声出力手段14、通信手段18を備えて構成される。
【0090】
制御手段100は、図示しないCPUやROM、RAMからなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従って車載用電子機器4の各部の動作を制御するものである。
【0091】
受信手段21は、例えば、アンテナやテレビチューナなどで構成され、放送局から放送されるテレビ放送などの放送波を受信するためのものであり、ビデオ再生手段22は、例えば、DVD再生装置などで構成され、DVDなどの記憶媒体に記憶された映像情報や音声情報などを再生するためのものである。受信手段21、ビデオ再生手段22により受信、再生された映像情報は、表示手段17に表示される、或いは、通信手段18、19などを
などを介して車載用表示装置3に送信され、表示手段15に表示される。
【0092】
入力手段13は、車両の搭乗者等によって操作される各種キー、スイッチ等から構成されるものである、
車両情報取得手段12は、車載用表示システム2が設置される車両に設けられたセンサなどによって得られる車両情報を取得するインターフェースであり、例えば、ドア開閉検出手段31や搭乗者検出手段32から車両情報(ドアの開閉、搭乗者の有無)を取得する。
【0093】
表示手段17は、ビデオ再生手段22により再生された映像情報などを表示するためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、表示手段17にタッチセンサを設けて入力手段13として用いることも可能である。
【0094】
音声出力手段14は、スピーカー等で構成され、テレビ放送に含まれる音声情報や操作音、その他種々の音声報知を行う。
【0095】
通信手段18は、車載用表示装置3と車載用電子機器4とを繋ぐインターフェースであり、受信手段21、ビデオ再生手段22により受信、再生された映像情報、車両情報取得手段12が取得した車両情報、この車両情報に基づいて制御手段100が判定した表示手段15の移動の指示などを通信手段19へ送信する。
【0096】
次に、図3を用いて本発明の制御手段100が行なう制御動作について説明を行う。
【0097】
まず、車両情報取得手段12を介して取得したドア開閉検出手段31の出力に基づき、車両のドア(ドア41〜44)が開いたか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300において、ドアが開いたと判定した場合(ステップS300のYES)、開いたドアは後部ドア(ドア43、又は、44)か否かを判定する(ステップS302)。なお、制御手段100が判定するのではなく、ドア開閉検出手段13が何れのドアが開いたかを検出して制御手段100に出力してもよい。
【0098】
ステップS302において、後部ドアが開いたと判定すると(ステップS302のYES)、ステップS304へ進み、ステップS302において、後部ドアが開いていないと判定すると(ステップS302のNO)、ステップS300へ戻る。
【0099】
次に、ステップS304において、車両情報取得手段12を介して取得した搭乗者検出手段32の出力に基づいて、後部座席への搭乗者が既にいるか否かを判定する(ステップS304)。
【0100】
ステップS304において、後部座席への搭乗者はいないと判定すると(ステップS304のNO)、表示手段15を閉位置に移動させると判定し、ステップS306に進み、表示手段15が開位置か否かを判定する(ステップS306)。ここで、表示手段15が開位置であるか否かの判定は、例えば、制御手段100が最後に通信手段18を介して指示した表示手段15の移動を記憶しておくことで判定可能であり、また、表示手段15又は車両取付部200などにスイッチ或いはセンサなどを設け、それらのスイッチ又はセンサの出力を通信手段18、19を介して制御手段100に入力し、このセンサなどの出力に基づき判定することも可能である。
【0101】
ステップS306において、表示手段15が開位置である場合(ステップS306のYES)、制御手段100は、通信手段18を介した映像情報の出力を停止し、表示手段15を閉位置に移動させる指示を通信手段18、19を介して制御手段101に送信する。そして、制御手段101は、表示手段15のバックライト等の電源を切ると共に、開閉手段16に閉位置への移動を指示する。そして、指示を受けた開閉手段16は、表示手段15を閉位置まで移動させる(ステップS308)。
【0102】
なお、ステップS306において、表示手段15が開位置でない場合(ステップS306のNO)、表示手段15は、既に閉位置(閉じている状態)であるため、処理を終了する。
【0103】
次に、ステップS304において、後部座席への搭乗者がいると判定すると(ステップS304のYES)、車両情報取得手段12を介して取得した搭乗者検出手段32の出力に基づいて、片方の後部座席(後部座席47又は48)のみ搭乗者がいるか否かを判定する(ステップS310)。
【0104】
ステップS310において、片方の後部座席のみ搭乗者がいると判定した場合(ステップS310のYES)、搭乗者側のドアが開いたか否かを判定する(ステップS312)。
【0105】
ステップS312において、搭乗者側のドアが開いたと判定すると(ステップS312のYES)、表示手段15を閉位置に移動させると判定し、ステップS306へ進み、表示手段15が開位置であれば(ステップS306のYES)、上記と同様に表示手段15を閉位置に移動させる(ステップS308)。なお、表示手段15が開位置でない場合(ステップS306のNO)、表示手段15は、既に閉位置(閉じている状態)であるため、処理を終了する。
【0106】
次に、ステップS312において、搭乗者側でないドアが開いたと判定すると(ステップS312のNO)、表示手段15を閉位置に移動させないと判定し、表示手段15を移動させることなく処理を終了する。
【0107】
次に、ステップS310において、両方の後部座席(後部座席47及び48)に搭乗者がいると判定した場合(ステップS310のNO)、表示手段15を閉位置に移動させないと判定し、表示手段15を移動させることなく処理を終了する。
【0108】
以上説明した通り、車両のドアの開閉および搭乗者の有無に基づいて、後部座席の搭乗者がいない場合に後部座席に乗り込むとき、および、後部座席の搭乗者が降りることによって、後部座席の搭乗者がいなくなる場合に車両から降りるときには、表示手段15を閉位置に移動させるため、表示手段15が車両への乗り降りの際の妨げにならない。
【0109】
また、既に後部座席への搭乗者がある場合に、空いている後部座席へ他の搭乗者が乗り込む場合、および、両方の後部座席に搭乗者がある場合に、片方の後部座席の搭乗者が降りる場合は、表示手段15を移動させないため、既に後部座席に搭乗していた搭乗者、または、降りない搭乗者は映像情報を途切れなく視聴することができる。
【0110】
なお、図3のフローチャートのステップS304において、制御手段100は、後部座席への搭乗者はいないと判定した場合、(ステップS304のNO)、表示手段15を閉位置に移動させると判定して、通信手段18を介した映像情報の出力を停止し、表示手段15を閉位置に移動させると判定した判定結果を通信手段18、19を介して制御手段101に送信してもよい。
【0111】
すなわち、ステップS306における表示手段15が開位置であるか否かの判定は、制御手段101が判定してもよく、表示手段15が開位置である場合(ステップS306のYES)、制御手段101は、表示手段15のバックライト等の電源を切ると共に、開閉手段16に閉位置への移動を指示する。そして、指示を受けた開閉手段16は、表示手段15を閉位置まで移動させる(ステップS308)。
【0112】
また、制御手段100は、表示手段15を閉位置に移動させると判定した場合、その判定結果を通信手段18、19を介して制御手段101に送信して、制御手段101が、表示手段15への映像情報の出力を停止し、表示手段15のバックライト等の電源を切ると共に、開閉手段16に閉位置への移動を指示してもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 ・・・車載用表示装置
10・・・制御手段
11・・・映像音声取得手段
12・・・車両情報取得手段
13・・・入力手段
14・・・音声出力手段
15・・・表示手段
16・・・開閉手段
21・・・受信手段
22・・・ビデオ再生手段
31・・・ドア開閉検出手段
32・・・搭乗者検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段を移動させるか否かを判定する制御手段と、前記車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、を備えた車載用電子機器において、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記表示手段を移動させるか否かを判定することを特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、
前記複数の座席には、後部座席が含まれ、
前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記後部座席に搭乗者がいないと判定した場合、前記表示手段を移動させると判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、
前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、
前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席に複数の搭乗者がいると判定した場合、前記表示手段を移動させないと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、
前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、
前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席の何れかに搭乗者がいる場合、該開いた後部ドアは搭乗者側のドアか否かを判定し、搭乗者側でないと判定した場合、前記表示手段を移動させないと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項5】
前記複数のドアには、後部ドアが含まれ、
前記複数の座席には、複数の後部座席が含まれ、
前記表示手段が設置された位置が後部座席への乗り降りの妨げになる位置である場合、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記後部ドアが開いて、且つ、前記複数の後部座席の何れか1つに搭乗者がいる場合、該開いた後部ドアは搭乗者側のドアか否かを判定し、搭乗者側であると判定した場合、前記表示手段を移動させると判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項6】
前記車載用電子機器は、前記表示手段と、前記表示手段を閉位置と開位置との間で移動させる開閉手段を備え、
前記制御手段は、前記表示手段が開位置である場合に、前記表示手段を移動させると判定すると、前記開閉手段を介して、前記表示手段を閉位置に移動させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車載用電子機器。
【請求項7】
前記開位置とは、前記表示手段の表示画面が視認できる位置であり、前記閉位置とは、前記表示手段の表示画面が視認できない位置であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車載用電子機器。
【請求項8】
車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段を備えた車載用表示装置と、
前記車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、制御手段と、を備えた車載用電子機器とが、
双方が有する通信手段を介して接続された車載用表示システムにおいて、
前記制御手段は、前記車両情報に基づいて、前記表示手段を移動させるか否かを判定することを特徴とする車載用表示システム。
【請求項9】
車両に設けられた複数のドア毎の開閉および前記車両内に設けられた複数の座席毎の搭乗者の有無を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、第1制御手段と、を備えた車載用電子機器と通信手段を介して接続された車載用表示装置において、
前記車載用表示装置は、
前記車両の車内に設置され開位置と閉位置との間で移動可能な表示手段と、前記表示手段を閉位置と開位置との間で移動させる開閉手段と、第2制御手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記通信手段を介して、前記第1制御手段が前記車両情報に基づいて前記表示手段を移動させると判定した判定結果を取得し、該判定結果に基づいて、前記表示手段が開位置である場合に、前記開閉手段を介して前記表示手段を閉位置に移動させることを特徴とする車載用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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