説明

車載用電子機器及びプログラム

【課題】 画面等を注視する必要がなく、音声が聞き取りにくい状況であっても、危険の接近等をより安全確実に運転者に伝えることのできる車載用電子機器等を提供すること
【解決手段】制御部18が、GPS18から検出した現在位置及びデータベース19に記憶された速度測定装置の位置が所定の接近関係になった際に、スピーカ20からの音声及び、表示部5の画面表示による警報を出力する制御を行う。また制御部18は、速度測定装置への接近警報以外の警報を出力する制御も行い、さらに、速度測定装置と所定の接近関係になった際(レーダーへの接近の際)またはマイクロ波受信器4によってレーダー波を受信した際には、スピーカ10や表示部5とは異なる別の警報手段であるシフトランプ24に対して閃光によって警報を出力する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置され、当該車両の速度測定装置への接近等の所定の危険状態を警報する車載用電子機器等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、その車両の運転者等に各種の警報を報知する車載用電子機器が知られている。たとえば、自動車の速度を測定する速度測定装置に接近した場合に、運転者に対して警告を報知するレーダー探知機等の車載用電子機器が知られている。
【0003】
速度測定装置の一例としては、所定周波数帯域のマイクロ波を車両に向けて発射し、その反射波を受信して車両の走行スピードを測定するものがある。こうした速度測定装置の存在を検出するため、速度測定装置から発射されたマイクロ波を検出して警報を出力するように構成されたマイクロ波検出器を有するレーダー探知機がある。また、予め速度測定装置の設置位置情報を記憶させておき、GPS(Global Positioning System )等によって取得した現在位置が、記憶した設置位置に近づいた場合(所定の接近関係になった場合)に、マイクロ波の検知の有無に関係なく警告を発するようにしたレーダー探知機がある(特許文献1)。たとえば、現在位置が、速度測定装置の設置位置から1000m以内に入った位置になった場合に第一の警報を行い、さらに速度測定装置の設置位置から500m以内に入った位置になった場合に、第二の警報を行うなどしている。
【0004】
こうした車載用電子機器による警告は、たとえば、LED等のランプを点滅させたり、音声やメロディー、電子音等の所定の警告音をスピーカ等から出力させたり、液晶パネル等の所定の警告画面を表示するなどして行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−64588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車両の走行音や、カーステレオの音楽、カーナビ等の音によって、レーダー探知機の警告音がかき消されてしまう場合がある。特に、音楽を聴いている場合には、レーダー探知器の音量を小さく設定していたり、音楽を聞き入っていたりするため、レーダー探知機の警告音に気づかないことが多い。
【0007】
走行中は外部の状況をみることに意識を向けており、ランプの点滅や、レーダー探知機の画面の警告に運転者が気づかない場合もある。そのため、うっかり速度を出しすぎているのに、警告に気づかずに、そのまま走行してしまい危険な状態になってしまう場合があった。
【0008】
また、ランプの点滅や、画面の警告、警報音等による警告が頻繁になされる結果、これらの警告に慣れてしまい本当に危険な状態にある場合に、これらの警告を無視してしまうという問題があった。
【0009】
また、走行中に画面を注視することは禁止されており、画面による警告がなされるものついては、その警告の内容を確認することが困難な場合があった。
【0010】
そこで、本発明は、画面等を注視する必要がなく、音声が聞き取りにくい状況であっても、危険の接近をより安全確実に運転者に伝えることのできる車載用電子機器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車載用電子機器は、(1)速度測定装置と所定の接近関係になった際に、音及び、光源の点滅または画面表示による警報を出力する第一警報出力手段に対して、警報を出力する制御を行う制御手段を備える車載用電子機器であって、前記制御手段は、前記第一警報出力手段に対して前記接近警報以外の警報を出力する制御も行い、さらに、前記速度測定装置と所定の接近関係になった際には、前記第一警報出力手段とは異なる別の警報手段である第二警報出力手段に対しても警報を出力する制御を行う。
【0012】
このような構成によれば、速度測定装置と所定の接近関係になった際には第一警報出力手段とは異なる別の警報手段である第二警報出力手段によって警報の出力がなされる。したがって、画面表示を注視させることなく、第二警報出力手段による接近警報によって、危険の接近をより安全確実に運転者に伝えることができる。
【0013】
なお、第一警報出力手段は、接近警報以外の警報も行うため、その警報が接近警報であるのか、接近警報以外の警報であるのかが分かりにくかったり、警報に慣れてしまっていたりして、速度測定装置と所定の接近関係になったことに気づかない場合があるが、第二警報出力手段からは、接近警報以外の警報は行わないようにするとよい。このようにすれば、接近警報のみを行うため、運転者は第二警報出力手段に注目していれば、接近警報の有無を容易に知ることができる。
【0014】
たとえば、第二警報出力手段からの出力は、前記接近警報のうち、重要度の高いものに限定して行なうようにしてもよい。このようにすれば、運転者は真に重要な警報を見落とすことがなくなる。たとえば、音楽を聞き入っていたとしても危険に気づくことができる。
【0015】
また、第二警報出力手段は、第一警報出力手段に比べ、より運転者が知覚しやすい態様で警告を出力する手段とするとよい。
【0016】
(2)前記第二警報出力手段は、前記第一警報出力手段と同じ物理現象を利用して前記警報の出力を行うものであり、前記第二警報出力手段による警報の強度は、前記第一警報出力手段より強く、かつ、前記第二警報出力手段による警報の出力時間は、前記第一警報出力手段より短いものとするとよい。
【0017】
このような構成によれば、第一警報出力手段からの警報の出力より第二警報出力手段かからの警報の出力の強度が強いため、本当に危険な状態にある場合に、警告を無視してしまうことを防止でき、危険の接近をより確実に運転者に伝えることができる。また、第二警報出力手段による警報の出力時間は、前記第一警報出力手段より短いため、警告に慣れてしまうことを抑制できる。特に、第一警報出力手段からの警報の出力より第二警報出力手段かからの警報の出力は瞬間的で強力なものとするとよい。
【0018】
たとえば、物理現象として光を利用する場合、第一警報出力手段はLEDを点滅させて警報を出力するものとし、第二警報出力手段はストロボのように閃光を発するものとするとよい。またたとえば、物理現象として音を出力する場合には、第一警報出力手段としてスピーカから警告音声を出力し、第二警報出力手段としてサイレンから前記警告音声の出力時間よりも短い時間、警告音を発するようにするとよい。
また、第二警報出力手段は、第一警報出力手段とは異なる警報出力手段としてもよい。
【0019】
(3)前記第二警報出力手段は、閃光を発する閃光発生手段、振動を発する振動発生手段、低周波電流を発する低周波電流発生手段、風を発する風発生手段の少なくともいずれか1とするとよい。
【0020】
このような構成によれば、第二警報出力手段による接近警報を容易に知ることができる。すなわち、第一警報出力手段からは音及び、光源の点滅または画面表示による警報の出力がされるのに対し、第二警報出力手段からは、閃光、振動、低周波電流、風の少なくともいずれか1の方法で接近警報が出力される。したがって、従来よりも、速度測定装置と所定の接近関係になったことに気づきやすくなる。特に、閃光発生手段、振動発生手段、低周波電流発生手段、風発生手段は、運転者に向けて警報を出力することが望ましい。
第二警報出力手段は、前記制御装置と同じ筐体に格納するようにしてもよいが、次の(4)のようにするとよい。
【0021】
(4)前記第二警報出力手段への接続端子を有するとよい。このような構成によれば、当該接続端子に接続する第二警報出力手段を当該車載用電子機器から着脱自在とすることができる。たとえば、車載用電子機器と、第二警報出力手段とを別体として、販売することもできる。また、特に第二警報出力手段には、前記接続端子に接続するケーブルを備え、前記接続端子及び当該ケーブルには、前記第二警報出力手段に対して電源を供給する電源ラインを設ける構成とするとよい。
(5)前記第二警報出力手段は、シフトランプであり、前記接続端子は、シフトランプ接続端子とするとよい。
【0022】
シフトランプとは、エンジン回転数が設定した回転数になった場合に、フラッシュ(閃光)を放つものである。これにより、シフトチェンジのタイミングを知ることができる。マニュアルシフト車でのサーキット走行等に活用されている。
【0023】
このシフトランプを、第二警報出力手段として、速度測定装置と所定の接近関係になった際に発光させることにより、速度測定装置への接近警報を分かりやすく行うことができる。
【0024】
(6)前記制御手段は、前記第二警報出力手段に対して前記接近警報以外の警報のうち重要度の高いものについて警報を出力する制御を行い、前記第二警報出力手段に対して接近警報を行う場合と、前記重要度の高い所定の警報を行なう場合とで、その出力パターンを異なるものとするとよい。
【0025】
このようにすれば、ユーザが警報の重要度を第二警報出力手段の出力パターンで知ることができるとともに、どの警告なのか混同することがなくすことも可能となる。たとえば、第二警報出力手段として、シフトランプを用いる場合、その発光パターンは、警報の重要度に応じて、変えるとよい。例えば、最も重要な速度取り締まりの警告については5回連続で発光させるのに対し、検問が過去に実施されたエリアである検問エリアの警告については3回発光させ、事故多発地帯の警告は1回だけ発光させるなど、重要度に応じて差を設ける。こうした警告のパターンは、例えば、警報の種類ごとに、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0026】
(7)走行履歴を記録する走行履歴記録手段を備え、前記制御手段は、前記走行履歴記録手段に記録された走行履歴に基づき前記第二警報出力手段からの警報の出力を行うか否かを判定するとよい。
【0027】
たとえば、走行履歴に基づいて、よく走行する箇所(たとえば走行履歴が複数回記録されている箇所)では、第二警報出力手段による警報の出力は行なわず、第一警報出力手段による警報のみを出力するようにし、遠出する場合など、あまり走行していない箇所(たとえば走行履歴が複数回記録されていない箇所)では、第二警報出力手段による警報を行なうようにしてもよい。このようにすれば、よく走行する地域で何度も第二警報出力手段による出力がなされ、煩わしく感じてしまうことを防止できるとともに、遠出する場合など、よく知らない道を走行する場合には、危険を事前に確実に知ることができる。
【0028】
(8)なお、(1)〜(7)のいずれかに記載の電子機器における制御手段としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして実現できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、画面等を注視する必要がなく、音声が聞き取りにくい状況であっても、危険の接近等をより安全確実に運転者に伝えることのできる車載用電子機器等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図2】レーダー探知機のブロック図である。
【図3】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図4】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1,図2は、本発明の車載用電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に取り付けられる。本レーダー探知機は、図1に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2並びにスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両前方へ配置される側(フロントガラス側))内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置し、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側))に表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャックを配置する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5は2.2インチの小型液晶ディスプレイであり、表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。
【0032】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込むことができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータは、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0033】
さらに本実施形態のレーダー探知機は、制御部18に接続されたシフトランプ接続端子22を備える。そして、このシフトランプ接続端子22には、シフトランプ24が接続されている。シフトランプ24は、エンジン回転数が設定した回転数になった場合に、フラッシュ(閃光)を放つためのものであり、これにより、シフトチェンジのタイミングを知るためのものである。一方、ケース本体1内に備える警報ランプ6はLEDによるものであり、閃光を発するものではない。シフトランプ24は、シフトランプ24の発する閃光が運転者の視界に入る位置であり、かつ、運転の邪魔にならない位置に設置する。たとえば、Aピラー上に設置するとよい。
【0034】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0035】
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。更に、本実施形態のレーダー探知機は、無線受信器15を備えている。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。
【0036】
リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。
【0037】
また、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器8、マイクロ波受信器4、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ6,スピーカ20等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0038】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0039】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などが挙げられる。
【0040】
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示する機能である。レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17の機能ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替え、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17の機能ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0041】
制御部18は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能の各機能を実現する処理を実行する。
【0042】
GPS警報機能は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能の実行中に、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す音声を出力する処理である。例えば、図3(b)のレーダースコープ機能の実行中に、図中上方にある目標物「L」(ループコイル式レーダーを示す)と自車位置との距離が500mになった場合には、図3(c)のように、目標物であるループコイルの模式図または写真のデータをデータベース19から読み出して表示部5に表示させるとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出してスピーカ20から「500m先、ループコイルです」と音声を出力する接近報知を行なう。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0043】
こうした目標物としては、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキングがあり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
【0044】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器8によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0045】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0046】
制御部18は、GPS警報機能またはレーダー波警報機能を実現する処理において、上述した音声の出力の開始前に、次の処理を行う。すなわち、警報対象が、レーダーへの接近またはレーダー波の受信であるか否かを判定する。警報対象が、レーダーへの接近またはレーダー波の受信である場合には、上述した音声出力の開始前にシフトランプ24を5回点滅させる処理を行ってから、上述した音声出力の処理を行う。一方、警報対象が、レーダーへの接近またはレーダー波の受信でない場合には、シフトランプ24の点滅処理は行わず、上述した音声出力の処理を行う。
【0047】
以上のように、本実施形態の車載用電子機器は、制御部18が、GPS18から検出した現在位置及びデータベース19に記憶された速度測定装置の位置が所定の接近関係になった際に、スピーカ20からの音声及び、表示部5の画面表示による警報を出力する制御を行う。また制御部18は、速度測定装置への接近警報以外の警報を出力する制御も行い、さらに、速度測定装置と所定の接近関係になった際(レーダーへの接近の際)またはマイクロ波受信器4によってレーダー波を受信した際には、スピーカ10や表示部5とは異なる別の警報手段であるシフトランプ24に対して閃光によって警報を出力する制御を行う。
【0048】
このように、レーダーへの接近またはレーダー波の受信の場合に、シフトランプ24から閃光が発せられるため、表示部5を注視することなく、重要な危険の接近をより安全確実に運転者に伝えることができる。シフトランプ24の閃光は、レーダーへの接近またはレーダー波の受信のような接近警報以外の警報時には発せられず、接近警報のみを発せられるため、運転者はシフトランプ24の閃光の有無によって、接近警報の有無を容易に知ることができる。このようにすれば、運転者は真に重要な警報を見落とすことがなくなる。たとえば、音楽を聞き入っていたとしても危険に気づくことができる。
【0049】
また、シフトランプ24の閃光の強度は、表示部5の画面表示による警報や警報ランプ6による警報の強度よりも強く、短時間で行うとよい。特に、シフトランプ24の閃光は、表示部5の画面表示による警報や警報ランプ6による警報に比べ、瞬間的で強力なものとするとよい。このような構成によれば、本当に危険な状態にある場合に、警告を無視してしまうことを防止でき、危険の接近をより確実に運転者に伝えることができる。また、警告に慣れてしまうことを抑制できる。
【0050】
なお、本実施例では、レーダーへの接近またはレーダー波の受信の場合にシフトランプ24に対して信号を出力し、閃光によって警報を出力することとしたが、接近警報のうち、重要度の高いものに限定して行なうようにしてもよい。たとえば、レーダー波受信の場合にのみシフトランプ24対して閃光によって警報を出力するようにしてもよい。またたとえば、速度測定装置の種類を速度測定装置の位置と関連付けて記憶しておき、特定の種類の速度測定装置への接近警報時のみシフトランプ24からの閃光の出力を行うようにしてもよい。
【0051】
また、レーダーへの接近またはレーダー波の受信の場合だけでなく、接近警報以外の警報のうち重要度の高いものについてシフトランプ24に対して閃光を発する信号を出力するようにしてもよい。例えば、検問エリアの接近警告については3回発光させ、事故多発エリアの接近警告は1回だけ発光させるなど、レーダーへの接近またはレーダー波の受信の場合とは、異なる出力パターンで閃光を発する信号を出力するようにする。このようにすることでレーダーへの接近またはレーダー波の受信か、検問エリアまたは事故多発エリアへの接近警告であるかを、閃光の発光パターンで知ることができるとともに、どの警告なのか混同することがなくすことができ、警報の重要度も画面を注視することなく直感的に把握できる。なお、シフトランプ24からの警告のパターンは、例えば、警報の種類ごとに、ユーザが設定できるようにしてもよい。たとえば、各警告の種類毎にユーザが閃光の発光回数を設定する画面を表示し、警告の種類毎に設定内容をデータベース19に記憶しておき、警報時にはこの記憶された発光回数の閃光の発光信号をシフトランプ接続端子22に出力する。
【0052】
また、たとえば、制御部18は、GPS受信器8によって、所定間隔(たとえば1秒間隔)で受信した現在位置と現在日時を含む情報(たとえばNMEA形式の情報など)を、走行履歴としてデータベース19に記録しておき、GPS受信器8で受信した現在位置から所定範囲(たとえば50m範囲)に、異なる日に走行履歴として記録された位置がある場合には、シフトランプ24に対する閃光の発光信号を出力しないように制御するとよい。また、GPS受信器8で受信した現在位置から所定範囲(たとえば50m範囲)に、所定個数以上、異なる日に記録された位置がある場合にシフトランプ24に対する閃光の発光信号を出力しないように制御するようにしてもよい。このようにすれば、よく走行する箇所において、閃光による警報の出力は行なわれず、表示部5による警報のみを出力するようにし、遠出する場合など、あまり走行していない箇所では、閃光の出力も行われることとなる。そのため、シフトランプ24による閃光の出力が常になされ、煩わしく感じてしまうことを防止できるとともに、遠出する場合など、よく知らない道を走行する場合には、閃光の出力により、危険を事前に確実に知ることができる。
【0053】
なお、本実施例では、制御部18にシフトランプ接続端子22を介して、閃光を発するシフトランプ24を接続することとしたが、これに限らず、バイブレータ等の振動を発する振動発生器や、ユーザに対して低周波電流を発する低周波電流発生器、風を発する風発生器(たとえば扇風機)、サイレン等を接続可能としてもよい。また、ケース本体1に、これらのシフトランプ、バイブレータ等の振動を発する振動発生器や、ユーザに対して低周波電流を発する低周波電流発生器、風を発する風発生器(たとえば扇風機)を内蔵するようにしてもよい。
このようにすれば、画面を注視することなく接近警報を容易に知覚できる。なお、これらは運転者に向けて出力する構成とすることが望ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
22 シフトランプ接続端子
24 シフトランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度測定装置と所定の接近関係になった際に、音及び、光源の点滅または画面表示による警報を出力する第一警報出力手段に対して、警報を出力する制御を行う制御手段を備える車載用電子機器であって、
前記制御手段は、前記第一警報出力手段に対して前記接近警報以外の警報を出力する制御も行い、さらに、前記速度測定装置と所定の接近関係になった際には、前記第一警報出力手段とは異なる別の警報手段である第二警報出力手段に対しても警報を出力する制御を行うこと
を特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記第二警報出力手段は、前記第一警報出力手段と同じ物理現象を利用して前記警報の出力を行うものであり、
前記第二警報出力手段による警報の強度は、前記第一警報出力手段より強く、かつ、前記第二警報出力手段による警報の出力時間は、前記第一警報出力手段より短いものとすること
を特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前記第二警報出力手段は、閃光を発する閃光発生手段、振動を発する振動発生手段、低周波電流を発する低周波電流発生手段、風を発する風発生手段、サイレンの少なくともいずれか1であること
を特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記第二警報出力手段への接続端子を有すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項5】
前記第二警報出力手段は、シフトランプであり、
前記接続端子は、シフトランプ接続端子であること
を特徴とする請求項4に記載の車載用電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第二警報出力手段に対して前記接近警報以外の警報のうち重要度の高いものについて警報を出力する制御を行い、
前記第二警報出力手段に対して接近警報を行う場合と、前記重要度の高い所定の警報を行なう場合とで、その出力パターンを異なるものとすること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項7】
走行履歴を記録する走行履歴記録手段を備え、
前記制御手段は、前記走行履歴記録手段に記録された走行履歴に基づき前記第二警報出力手段からの警報の出力を行うか否かを判定すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の車載用電子機器における制御手段としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−241383(P2010−241383A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95200(P2009−95200)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】