説明

車載用電子機器及びプログラム

【課題】従来よりも使い勝手のよいレーダー探知機、ナビゲーション装置等の車載用電子機器を提供する。
【解決手段】検索の開始位置から検索の終了位置にいたる経路を、記憶手段に記憶された経路検索のための道路位置情報と警告箇所に関する情報を含む地図情報に基づいて検索し、検索された経路の少なくとも一部を表示し、現在位置と記憶手段に記憶された警告箇所に関する情報とに基づいて警告を発する機能を持つ。検索された経路を通過する際に必要となる警告箇所を、検索結果としての経路とともに表示し、表示した警告箇所の警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定する機能を備え、警告は、設定された警告態様に基づき行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばレーダー探知機、ナビゲーション装置等として適用可能な車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の速度を測定する速度測定装置が路上周辺等に多数設置されるようになっている。速度測定装置の一例を示すと、所定周波数帯域のマイクロ波を車両に向けて発射し、その反射波を受信して車両の走行スピードを測定するようになっている。
【0003】
一方、係る速度測定装置の存在を検出するため、その速度測定装置から発射されたマイクロ波を検出して警報を出力するように構成されたマイクロ波検出器が従来から知られている。しかし、速度測定装置の設置位置や、道路の状態その他の周囲環境により、従来のマイクロ波検出器は、比較的遠くから検出可能なものと、比較的近づいてからでないと検出しにくいものがある。
【0004】
また、速度測定装置の中には、従来のマイクロ波検出器では検出できないものもある。一例を挙げると、ループ式と称されるように、地中にループ状のコイルを埋め込み、そのコイルの上を車両が通過するのを検知するとともに車速も判定するものがある。また、マイクロ波以外の光を用いて車両の速度を検出するものもある。
【0005】
そこで、最近では、GPS(Global Positioning System )情報を利用し、予め速度測定装置の設置位置情報を記憶させておき、現在位置が記憶した設置位置に近づいた場合(所定の関係になった場合)に、マイクロ波の検知の有無に関係なく警告を発するようにした車載用電子機器がある(特許文献1)。
【0006】
たとえば、現在位置が、速度測定装置の設置位置から1000m以内に入った位置になった場合に第一の警告を行い、さらに速度測定装置の設置位置から500m以内に入った位置になった場合に、第二の警告を行うなどしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−64588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、こうした車載用電子機器では、速度測定装置の設置位置情報は、単にその緯度・経度に関する情報に基づいて警告を発している。そのため、速度測定装置と現在位置との距離が警告対象の距離に接近した場合にしか、警告が発せられず、予め速度測定装置の存在を知ることができない。
【0009】
しかも、速度測定装置の設置位置情報は、単にその緯度・経度に関する情報であるから、たとえ警告が発せられたとしても、その警告対象の速度測定装置が、現在走行中の道路上にあるとは限らず、近傍の走行していない道路上にある場合もある。
【0010】
したがって、走行中の道路上の警告ポイントをあらかじめ予測することが困難であるという問題があった。
【0011】
また、たとえば幹線道路沿いに多数の速度測定装置が設定されている場合には、当該幹線道路を走行している際に、警告が何度もなされ、うるさく感じられる区間があった。このような場合にも、走行する道路上の警告が不要なポイントだけを警告しないようにキャンセルすることはできなかった。
以上のように、警告に関する使い勝手が悪い面があった。
【0012】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、従来よりも使い勝手のよいレーダー探知機等の車載用電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車載用電子機器は、(0)経路検索の開始位置を設定する開始位置設定手段と、経路検索の終了位置を設定する終了位置設定手段と、経路検索のための道路位置情報と警告箇所に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段と、前記開始位置設定手段によって設定された開始位置から、前記終了位置設定手段によって設定された終了位置にいたる経路を、前記記憶手段に記憶された地図情報に基づいて検索する経路検索手段と、前記経路検索手段によって検索された経路の少なくとも一部を表示する経路表示手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出した現在位置と、前記記憶手段に記憶された警告箇所に関する情報とに基づいて警告を発する警告手段と、前記経路検索手段によって検索された経路を通過する際に必要となる前記警告箇所を表示して、表示した警告箇所の警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定する警告態様設定手段と、を備える車載用電子機器であって、前記警告手段は、光による警告と、音による警告が可能な構成であり、前記警告態様として、音による警告を行なわない態様と、光による警告と音による警告を行なわない態様を含み、前記警告態様設定手段は、前記経路上に存在する複数の警告箇所を表示し、当該複数の警告箇所の中から、ユーザから設定対象の警告箇所の選択を受けつけ、選択された警告箇所を設定対象とし、警告箇所ごとに前記警告態様を設定可能とし、前記警告手段は、前記警告態様設定手段に設定された警告態様に基づき警告を発する構成とした。
(1)経路検索の開始位置を設定する開始位置設定手段と、経路検索の終了位置を設定する終了位置設定手段と、経路検索のための道路位置情報と警告箇所に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段と、前記開始位置設定手段によって設定された開始位置から、前記終了位置設定手段によって設定された終了位置にいたる経路を、前記記憶手段に記憶された地図情報に基づいて検索する経路検索手段と、前記経路検索手段によって検索された経路の少なくとも一部を表示する経路表示手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出した現在位置と、前記記憶手段に記憶された警告箇所に関する情報とに基づいて警告を発する警告手段とを備える車載用電子機器であって、前記経路検索手段によって検索された経路を通過する際に必要となる前記警告箇所を表示して、表示した警告箇所の警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定する警告態様設定手段を備え、前記警告手段は、前記警告態様設定手段に設定された警告態様に基づき警告を発する構成とした。
【0014】
本発明によれば、開始位置から終了位置にいたる少なくとも一部の経路が表示され、その経路を通過する際に必要となる警告箇所が表示される。したがって、経路を通過する際の警告箇所を予め知ることができる。例えば、従来のレーダー探知機では、警告ポイントの500m・1000m前の地点でしか警告等ができず、警告ポイントをあらかじめ予測はできなかったが、本発明を適用すれば、予め警報ポイントを予測することができる。
【0015】
また、このようにすれば、表示された警告箇所の警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定することができ、設定した警告態様に基づいた警告が発せられる。したがって、ユーザが望む警告態様での警告がされることなり、ユーザが持つ警告態様の不満を、事前に防止ないし解消することができる。
【0016】
(2)前記警告態様として、警告を行なわない態様を含むようにするとよい。
【0017】
(3)前記警告手段は、光による警告と、音による警告が可能な構成であり、前記警告態様として、音による警告を行なわない態様を含むとよい。
【0018】
上記(2)(3)のようにすれば、ユーザが、警告音が鳴ることが煩わしいと感じることを事前に防止することができる。なお、このほかにも、例えば、音量を設定できるようにしたり、音声と電子音とのいずれで警告するかなどを警告態様として設定できるようしたりするとよい。
【0019】
なお、警告箇所の表示は、警告箇所そのものの位置として記憶手段に記憶された位置に行なってもよいし、経路上で警告を発する位置に対応する位置に行なってもよい。例えば、経路から若干離れた場所にあるが経路上から所定距離内にある場合には警告対象となる警告箇所がある場合、経路上から離れた当該警告箇所そのものの位置に対応する位置に表示してもよいし、経路上で最初に当該所定距離内に至る位置に表示をするようにしてもよい。
【0020】
(4)前記警告態様設定手段は、前記経路上に存在する複数の警告箇所を表示し、警告箇所ごとに前記警告態様を設定可能であり、当該複数の警告箇所の中から、ユーザから設定対象の警告箇所の選択を受けつけ、選択された警告箇所を設定対象とするとよい。このようにすれば、表示された、経路上に存在する複数の警告箇所の中から、ユーザが選択した警告箇所が設定対象とされ、警告箇所ごとに警報態様が設定できる。したがって、例えば、経路上の警告がうるさく感じられる区間の中で不要な警告箇所だけ警告を行なわない警告態様等とすることができる。
【0021】
(5)前記記憶手段は、前記警告箇所に関する情報として、警告箇所の位置情報とともに当該警告箇所の位置情報に対応づけて当該警告箇所に関する簡易情報と詳細情報とを記憶しておき、前記警告態様設定手段は、当該警告箇所を示す簡易情報の表示を行い、ユーザからの前記簡易情報の選択を受けつけ、簡易情報の選択を受け付けた場合には、当該簡易情報に対応する警告箇所に関する詳細情報を表示するとよい。
【0022】
簡易情報とは、詳細情報よりも情報量の少ない情報をいう。例えば、簡易情報は、警告の種別を表象するアイコンやマークや文字とするとよい。一方、詳細情報は警告の内容を示す文章や絵とするとよい。
【0023】
(6)前記詳細情報は、警告手段によって発する警告内容を含む情報とするとよい。例えば、警告手段として液晶ディスプレイを用いる場合、当該液晶ディスプレイに表示する警告内容を、詳細情報の中に含むようにするとよい。このようにすれば、どのような警告がなされるのかが詳細情報を見るだけで事前に分かる。したがって、警告態様を変更すべき警告箇所であるのかどうかを容易に判断することができ、設定をさらに容易に行うことができる。詳細情報は、例えば、画面下部のような所定の位置に表示するようにしてもよい。
【0024】
(7)また、前記詳細情報は、当該警告箇所の位置との関連を示す描画とともに行なうとよい。警告箇所の位置との関連を示す描画としては、例えば警告箇所の位置と詳細情報を表示する部位とを線で結んだり、警告箇所の位置から吹き出しを描画し当該吹き出しの中に詳細情報を表示したりするとよい。このようにすれば、どの場所でどのような警告がなされるかその対応関係を容易に把握することができる。
【0025】
なお、簡易情報による表示を残したまま、詳細情報による表示を行うようにしてもよいし、簡易情報による表示と詳細情報による表示を切り替えられるようにしてもよい。例えば、設定のためのタッチパネルを備える構成であれば、簡易情報の表示領域のタッチが検出された場合に、詳細情報の表示に切り替え、詳細情報の表示領域のタッチが検出された場合、簡易情報の表示に切り替えるようにしてもよい。
【0026】
また、表示態様の設定は、例えば、表示態様の選択枝を表示し、当該選択枝から選択できるようにするとよい。特に、詳細情報の表示領域内に選択枝を表示するようにするとよい。このようにすれば、各警告箇所でいずれの表示態様が選択されているかが容易に分かる。
【0027】
(8)前記警告態様設定手段は、前記詳細情報を表示した後、当該詳細情報に対応する警告箇所に関する情報の警告態様の変更操作が所定時間ない場合、当該詳細表示を終了し、前記簡易情報の表示に戻すとよい。
【0028】
このようにすれば、たとえば、ユーザが誤って変更操作したい警告箇所とは異なる別の箇所の簡易情報を選択してしまった場合、その箇所の詳細情報の表示後、所定時間、変更操作をしなければ、元の簡易情報の表示に戻る。したがって、使い勝手がよくなる。
【0029】
(9)前記記憶手段は、前記警告箇所に関する情報として、警告箇所の位置情報とともに当該警告箇所の位置情報に対応づけて警告の種別を記憶しており、前記警告態様設定手段は、前記警告の種別ごとに異なる表示態様で、前記警告箇所を表示するとよい。このようにすれば、警告の種別ごとに異なる表示態様で、警告箇所が表示される。したがって、経路検索をした時点で警告箇所での警告の種別が分かるので、当該警告の種別とその場所をみて予め警告の種別に応じた対応をとることが可能となる。
【0030】
なお、警告箇所の表示態様としては、例えば、警告の種別を表象するアイコンやマークや文字とするとよい。例えば、表示態様としては、マークは同じものとして、種別によって色を異なるようにしてもよい。
【0031】
(10)そして、さらに前記警告態様設定手段は、前記警告の種別ごとの警告態様を設定するとよい。このようにすれば、例えば、ある警告種別はすべて警告しないという警告態様に設定したい場合に、単に当該警告の種別に対する警告態様を設定するだけでよく、個別の警告箇所ごとに警告態様を設定する必要がなくなり、設定の手間が省ける。
【0032】
(11)前記経路検索手段は、前記経路を複数検索し、前記経路表示手段は、前記経路検索手段によって検索された複数の経路を表示し、さらに、前記経路表示手段に表示された複数の経路の中からナビゲーション対象とする経路を選択する経路選択手段を備えるとよい。このようにすれば、例えば複数の経路から最も警告箇所が少ない経路をナビゲーションの対象として容易に設定できる。
【0033】
(12)特に、前記経路検索手段によって検索された各経路の警告箇所の数に関する表示を行う経路別警告対象箇所数表示手段を備えるとよい。このように各経路の警告箇所の数に関する表示を行えば、どの経路を選択すべきか容易に判断ができる。特に、警告箇所の数は、警告の種別ごとに表示するとよい。このようにすれば、ユーザが特に避けたい種別がある場合には、その種別の数に着目して、ナビゲーション対象の経路を選択することが容易にできる。開始位置設定手段は、例えば、位置検出手段によって設定された現在位置を開始位置として設定してもよい。
【0034】
(13)また、前記開始位置設定手段は、ユーザからの入力に基づき前記開始位置を設定し、前記終了位置設定手段は、ユーザからの入力に基づき前記終了位置を設定してもよい。このようにすれば、任意の区間での警告箇所の警告態様を設定することができる。たとえば、過去に走行した道路で警告がなされて煩わしかった警告箇所の警告態様を変更することなどが、容易にできる。
【0035】
(14)また、前記警告態様設定手段は、前記警告箇所における警告態様を不揮発性の記憶装置に記憶することで設定するとよい。このようにすれば、電子機器の電源を切ってもユーザによって設定された警告箇所の警告態様が消えることがなく、再設定の手間がかからない。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、従来よりも使い勝手のよいレーダー探知機、ナビゲーション装置等の車載用電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置のブロック図を示す図である。
【図3】表示部への警告画面の表示例を示す説明図である。
【図4】交通監視ポイントの表示例を示す説明図である。
【図5】交通監視ポイントの別の表示例を示す説明図である。
【図6】交通監視ポイントのタッチが検出された際の設定の遷移を示す説明図である。
【図7】交通監視ポイント種別指定の例を示す説明図である。
【図8】警告ポイント数(交通監視ポイントの数)等の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1,図2は、本発明の好適な一実施の形態であるナビゲーション装置の構成を示している。本ナビゲーション装置は、車両のダッシュボード上に設置される薄型矩形状のケース本体30を有する。ケース本体30の前面には、表示部5を備え、表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル21を備え、前面の両サイドには警報ランプ6を備えている。側面にはSDカードメモリ用スロット部31を備え、そのSDカードメモリ用スロット部31に地図データなどが記録されたSDメモリカードを挿入可能としている。本ナビゲーション装置は、係るナビゲーションを行なう際の地図データを上記のSDメモリカードに格納された地図データ等を利用して行なう。また、SDカードメモリ用スロット部31とは反対側の側面には、USB端子22を設けており、パソコンと接続し、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。また、本ナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に加え、車両速度測定装置等を検出するレーダー探知機としての機能も備えている。
【0039】
図2は、本ナビゲーション装置の機能ブロック図である。ケース本体30の背面側内部にマイクロ波受信器4を配置し、ケース本体30の前面に表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とを配置している。また、ケース本体30の上面側内部には、GPS受信器8を配置している。さらに、ケース本体30の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びにDCジャック11を配置する。また、ケース本体30内には、スピーカも内蔵されている。赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込むことができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータは、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報が登録されており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新される。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0040】
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。更に、本実施形態の装置は、無線受信器15とリモコン受信器16を備えている。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。
【0041】
また、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器8、マイクロ波受信器4、無線受信器15、タッチパネル21、リモコン受信器16等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ6,スピーカ20等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0042】
本実施形態のナビゲーション装置における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0043】
データベース19は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。制御部18は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、データベース19は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
制御部18は、データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。
【0044】
また、制御部18は、GPS受信器8によって検出した現在位置とデータベース19に記憶している交通監視ポイントの位置が、500m以下の距離に接近した場合に、当該交通監視ポイントが後述するキャンセルモードに設定されていない場合には、図3に示すように、表示部5に、現在表示中の画面に重ねて警告画面70を表示する。図3は、地図50を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合の警告画面70の表示例を示している。さらに、当該交通監視ポイントが後述するキャンセルモードに設定されておらず、サイレントモードにも設定されていない場合には、「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ7から出力する処理を行う。
【0045】
また、制御部18は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち、表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタンを表示する。制御部18は、タッチパネル21によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置の押下が検出された場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューを表示部5に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンが押下された場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンが押下された場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
【0046】
そして、制御部18は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、図4に示すように、現在位置51から目的地52にいたるルート53を推奨経路として、所定の色(例えば赤色)で表示する。さらに、制御部18は、ルート53上の位置情報とデータベース19に記憶された交通監視ポイントの位置情報とを比較し、ルート53上に位置する交通監視ポイントの位置を表示する。例えば、図4に示すように、道路上の位置から吹き出しを表示し、データベース19に記憶されたその位置の交通監視ポイントの種類を吹き出しの中に表示する。例えば、図4(a)は、警告ポイント検索画面の表示例であり、交通監視ポイント55aから55fを表示した例を示している。交通監視ポイント55aは、Nシステムを示す「N」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55b、55c、55eは、LHシステムを示す「LH」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55dは、ループコイルを示す「ループ」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55fは、Hシステムを示す「H」の文字を吹き出しの中に表示している。このように、吹き出しの中に文字を表示する簡略表示状態の吹き出し位置へのタッチがタッチパネル21によって検知された場合には、図4(b)に示すように、簡易表示を詳細表示へと切り替える。詳細表示は、図3に示した警告画面を吹き出しの中に表示するものである。図5は、図4(a)の交通監視ポイント55bの吹き出しの内部がタッチされたことを検出した場合に、簡易表示から詳細表示に切り替えた表示例を示している。この初期状態を通常モードと称する。
【0047】
さらに、図6に示すように、通常モードで、詳細表示の交通監視ポイントのタッチを検出すると、「サイレント」の文字を表示し、当該交通監視ポイントをサイレントモードに切り替える。サイレントモードは、図3のように交通監視ポイントに接近した際の表示部5への表示による警告は行なうが、音声による警告は行なわないモードである。また、図6に示すように、サイレントモードで、さらに詳細表示の交通監視ポイントのタッチを検出すると、「キャンセル」の文字を表示し、当該交通監視ポイントをキャンセルモードに切り替える。キャンセルモードは、図3の表示による警告も、音声による警告も行なわないモードである。さらにキャンセルモードで、詳細表示の交通監視ポイントのタッチを検出すると、図6に示すように、簡易表示に変更し、通常モードに切り替える。なお、詳細表示状態で、所定の表示時間(5秒)を越えてタイムオーバーになった場合には、当該交通監視ポイントにおける設定されたそのモードは保持したまま、簡易表示に切り替える。例えば、キャンセルモードの詳細表示状態で当該交通監視ポイントに5秒間タッチがなければタイムオーバーにあたるとして当該交通監視ポイントはキャンセルモードに設定したまま簡易表示に切り替える。なお、この5秒間は、設定で変更できるようにしてもよいし、タイムオーバーの有効・無効を設定できるようにし、タイムオーバーが無効に設定されている場合には、詳細表示でタッチがない場合であっても簡易表示には切り替えずそのまま詳細表示を維持するようにしてもよい。
【0048】
以上のような処理をすることで、ルート53を通過する際に必要となる警告箇所が表示される。したがって、ルート53を通過する際の警告箇所を予め知ることができる。また、このようにすれば、表示された交通監視ポイントの警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定することができ、設定した警告態様(音と表示による警告を行なう通常モード、または、光による警告のみを行ない音による警告を行なわない態様であるサイレントモード、または、警告を行なわない態様であるキャンセルモード)に基づいて警告処理がなされる。したがって、ユーザが望む警告態様での警告がされることなり、ユーザが持つ警告態様の不満を、事前に防止ないし解消することができる。
【0049】
また、表示部5に表示された経路上に存在する複数の交通監視ポイントの中から、ユーザが選択した交通監視ポイントが設定対象とされ、交通監視ポイントごとに警報態様が設定できる。したがって、例えば、経路上の警告がうるさく感じられる区間の中で不要な警告箇所だけ警告を行なわない警告態様等とすることができる。
【0050】
また、簡易情報と詳細情報とを切り替え可能としたことで、画面を有効利用することができ、わかりやすい表示を行うことができる。また、詳細情報は、図3に示した表示部5に表示する警告内容を含む情報としているため、その地点に接近した際に、どのような警告がなされるのかが詳細情報を見るだけで事前に分かる。したがって、警告態様を変更すべき交通監視ポイントであるのかどうかを容易に判断することができ、設定をさらに容易に行うことができる。
【0051】
また、当該交通監視ポイントの位置から吹き出しを描画し当該吹き出しの中に詳細情報を表示するようにしたので、どの場所でどのような警告がなされるかその対応関係を容易に把握することができる。
【0052】
また、図4(a)に示すように表示部5の右下には、交通監視ポイント種別指定部56を表示する。交通監視ポイント種別指定部56は、ルート53上に存在する交通監視ポイントの種別を列挙したボタン表示を行う部分である。図4(a)の例では、交通監視ポイント55aのNシステムを示す「N」の種別ボタン57aと、交通監視ポイント55b、55c、55eのLHシステムを示す「LH」の種別ボタン57bと、交通監視ポイント55dのループコイルを示す「ループ」の種別ボタン57cと、交通監視ポイント55fのHシステムを示す「H」の種別ボタン57dを表示している。制御部18は、この種別ボタンの表示部へのタッチをタッチパネル21から検出した場合、タッチされた種別ボタンを反転表示するとともに、タッチされた種別ボタンに対応する交通監視ポイントの表示態様を、簡易表示中であれば詳細表示に切り替え、詳細表示中であれば簡易表示中に切り替える。図7は、図4(a)の表示状態で、「LH」の種別ボタン57bがタッチされた場合の表示例を示している。すなわち、「LH」の交通監視ポイント55b、55c、55eを図4(a)の簡易表示から図7の通常モードの詳細表示に一括変更して表示を行う。さらに、「LH」の種別ボタン57bがタッチされた場合、図6に示して説明したのと同様に、「LH」の交通監視ポイント55b、55c、55eをサイレントモードに一括変更してその表示を行う。さらに、「LH」の種別ボタン57bがタッチされた場合、図6に示して説明したのと同様に、「LH」の交通監視ポイント55b、55c、55eをキャンセルモードに一括変更してその表示を行う。さらに「LH」の種別ボタン57bがタッチされた場合、図6に示して説明したのと同様に、「LH」の交通監視ポイント55b、55c、55eを通常モードにして、簡易表示に一括変更してその表示を行う。
【0053】
このようにして、ある種別の交通監視ポイントはすべて警告しないという警告態様に設定したい場合に、単に交通監視ポイントの種別に対する種別ボタンをタッチして警告モードをキャンセルモード等に設定するだけでよく、個別の警告箇所ごとに警告モードを設定する必要がなくなり、設定の手間が省ける。
【0054】
さらに、詳細情報を表示した後、詳細情報に対応する交通監視ポイントへのタッチが所定時間ない場合、当該詳細表示を終了し、前記簡易情報の表示に戻すため、たとえば、ユーザが誤って変更操作したい交通監視ポイントとは異なる別の箇所の簡易情報をタッチしてしまった場合にも、その箇所の詳細情報の表示後、所定時間、変更操作をしなければ、元の簡易情報の表示に戻る。したがって、使い勝手がよくなる。
【0055】
また、警告の種別ごとにその種別を示す表示態様で、交通監視ポイントの簡易表示や詳細表示をするため、経路検索をした時点で各交通監視ポイントでの警告の種別が分かる。したがってその警告の種別とその場所をみて予め警告の種別に応じた対応をとることが可能となる。
【0056】
なお、各交通監視ポイントにおける警告態様(通常モード、サイレントモード、キャンセルモード)は、不揮発性の記憶装置に記憶するとよい。このようにすれば、電子機器の電源を切ってもユーザによって設定された警告箇所の警告態様が消えることがなく、再設定の手間がかからない。
【0057】
なお、本実施例では、図3に示すように、警告画面70を表示部5の中央に表示することとしたが、これに限らず各種の態様を採ることができる。例えば、図5の交通監視ポイント55bに示す表示と同様の表示を警告画面としてもよい。すなわち、吹き出し等により道路上の位置と関連付けて警告画面を表示するようにしてもよい。
【0058】
さらに、本ナビゲーション装置は、ルート検索とは別に、地図上での任意の始点と終点を指定し、指定した区間の複数の推奨経路(ルート)を検索して表示する機能を備える。図8は、制御部18が、表示部5に表示した地図上で、タッチパネル21から、始点61の位置のタッチを検出した後、終点62の位置のタッチを検出した場合の表示例を示す図である。制御部18は、始点61から終点62に至る推奨経路を複数検索し表示する。図8では、ルート63aとルート63bの2つのルートを検索し表示している。そして、各ルート上から吹き出しを表示し、吹き出しの内部にそのルートにおける走行時間、走行距離、警告ポイント数(交通監視ポイントの数)を、データベース19に格納された道路ネットワーク情報及び交通監視ポイントの位置情報から算出して表示する。すなわち、走行距離はルートの道路ネットワークに含まれる各道路の開始点及び終了点の位置情報の距離を積算して求め、走行時間は求めた走行距離をGPS受信器から出力される時速の平均値で除算して求め、警告ポイント数はルートの道路ネットワーク上に存在する交通監視ポイントの数をカウントして求める。図8の表示例では、ルート63aについて走行時間1時間、走行距離22km、警告ポイント(の数)10(箇所)の表示を行っている。また、ルート63bについて走行時間1.5時間、走行距離30km、警告ポイント(の数)1(箇所)の表示を行っている。なお、ルート63aは赤色、ルート63bは青色と両者は異なる色で表示している。
【0059】
この画面上で、いずれかのルート63のタッチが検出されると、そのルート63について、図4(a)に示して説明した画面と同様の警告ポイント検索画面を表示する。以後、図4〜図7に示して説明したのと同様の設定を行うことが可能である。
【0060】
このように各ルートの警告ポイントの数を表示するので、どの経路を選択すべきか容易に判断ができる。例えば、複数の経路から最も警告箇所が少ない経路をナビゲーションの対象として容易に設定できる。また、走行時間や走行距離、警告ポイント数を総合的に加味して、ルートを選択することができる。なお、警告箇所の数は、警告の種別ごとに表示するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが特に避けたい種別がある場合には、その種別の数に着目して、ナビゲーション対象の経路を選択することが容易にできる。
【0061】
また、ユーザがタッチした任意の区間での警告ポイントの警告態様を設定することができる。たとえば、過去に走行した道路で警告がなされて煩わしかった警告箇所の警告態様を変更することなどが、容易にできる。
【符号の説明】
【0062】
4 マイクロ波受信器
5 表示器
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
12 携帯電話機
13 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
21 タッチパネル
30 ケース本体
31 SDカードメモリ用スロット部
50 地図
51 現在位置
52 目的地
53 ルート
55 交通監視ポイント
56 交通監視ポイント種別指定部
57 種別ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された検索の開始位置から検索の終了位置にいたる経路を、記憶手段に記憶された経路検索のための道路位置情報と警告箇所に関する情報を含む地図情報に基づいて検索し、検索された経路の少なくとも一部を表示し、現在位置と前記記憶手段に記憶された警告箇所に関する情報とに基づいて警告を発する車載用電子機器であって、
前記検索された経路を通過する際に必要となる前記警告箇所を、検索結果としての経路とともに表示し、表示した警告箇所の警告態様を、ユーザからの入力に基づき設定する機能を備え、
前記警告は、設定された警告態様に基づき行うことを特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記経路を複数検索し、検索された複数の経路と、各経路の警告箇所に関する情報を表示し、その表示された前記複数の経路の中からナビゲーション対象とする経路を選択する機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器
【請求項3】
前記各経路の警告に関する情報は、経路の警告箇所の数に関する情報であること
を特徴とする請求項2に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記経路の警告箇所の数は、警告の種別ごとに表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用電子機器。
【請求項5】
前記複数の経路は、異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項6】
前記複数の経路の中からナビゲーション対象とする経路を選択した場合、その選択した経路上にその経路の警告箇所を表示することを特徴とする請求項2〜5に記載の車載用電子機器。
【請求項7】
ユーザからの入力に基づき前記検索の開始位置を設定し、前記検索を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の車載用電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54035(P2013−54035A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223470(P2012−223470)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2009−68609(P2009−68609)の分割
【原出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】