説明

車載用電子機器

【課題】ダッシュボード上に設置する車載用電子機器であって、車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくい車載用電子機器を提供する。
【解決手段】本レーダー探知機は、箱状の筐体40を備え、筐体40の前面側に表示部5の取り付け面を設け、運転者から視認可能な面に表示部5の表示面がくるようこの取り付け面に表示部5を貼り付け固定している。筐体40の背面側の面の上部約3/4の領域にソーラーパネル30の取り付け部を設け、この取り付け部にソーラーパネル30をその受光面が外側になるように貼り付け固定している。ソーラーパネル30の受光面は、底面に対する垂直面であって表示面と並行な面に対して下側が外側に突出する所定の一の角度(A度)傾けた面として構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段とソーラーパネルを備えるダッシュボード上に設置可能な車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるレーダーディテクター(レーダー探知機)のように、ソーラーパネルを備え、ソーラーパネルによる起電力によって動作可能とした車載用電子機器が知られている。
【0003】
このような車載用電子機器としては、特許文献1に示すように、車両のルームミラーの背面に取り付ける車載用電子機器であって、ソーラーパネルを上下いずれかの一方端部で軸支し、取り付け角度を調整可能としたものがある。
【0004】
またダッシュボード上に設置するソーラーパネルを備える車載用電子機器としては、図7に示すように、本体(筐体)の上面にソーラーパネルを設ける構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−79103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ソーラーパネルを軸支すると、車両の振動等により、取り付け角度が変動してしまうという問題がある。また、ユーザの調整にゆだねると、全く角度調整を行わずに利用される場合がある。そのため、十分な起電力が得られない状態となってしまうことがあった。特にダッシュボード上に設置する機器ではこのような傾向があった。
【0007】
また、車載用電子機器が各種の情報を表示する液晶パネル等の表示部5を有する場合、図7に示すように、表示部5を内蔵する部分のみが他の部分よりも突出してしまい、全体として大きく、また形状もL字型の複雑なものになってしまい、筐体の製造時の金型のスライド方向が多方向になってしまうなどコストがかかる等の問題があった。特に表示部5のサイズが大きくなればなるほど、この問題が深刻になっている。
【0008】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、ダッシュボード上に設置する車載用電子機器であって、車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくく、ソーラーパネルによって、十分な起電力を得ることができ、動作時間を長くすることのできるとともに、比較的大画面の表示手段を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることのできる車載用電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車載用電子機器は、(1)車両のダッシュボード上に設置可能な車載用電子機器であって、運転者から視認可能な面である筐体の前面側に表示手段の表示面を設けるとともに、前記筐体の背面側にソーラーパネルの受光面を設け、前記ソーラーパネルの受光面は、前記ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値となるように配置したことを特徴とする。
【0010】
水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値とするとは、仰角を60度から105度の範囲の一の角度値にすることであり、すなわち垂直面に対しては、30度から−15度の範囲の一の角度値にすることをいう。
【0011】
このようにすれば、ソーラーパネルのパネル面は、水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値に設置されているため、調整機構を設ける場合のように車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくく、ソーラーパネルによって、十分な起電力を得ることができ、動作時間を長くすることができるとともに、比較的大画面の表示手段を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることができる。
【0012】
なお、例えば、筐体の背面の一部のみを傾斜面としてもよいが、筐体の背面のほぼ全体を傾斜面としてもよい。
【0013】
(2)特に、前記ソーラーパネルの受光面は、前記ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して約90度の角度値で配置する構成とするとよい。
【0014】
(3)前記筐体の奥行きは、前記筐体の前面の短手方向の長さよりも短くする構成とするとよい。
【0015】
このようにすれば、比較的大画面の表示手段を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることができる。
【0016】
ダッシュボードへの取り付けは、例えば筐体に所定のブラケット等を取り付けてそのブラケットをダッシュボードに貼り付けるようにして行なってもよいが、筐体の底面をダッシュボードに貼り付けるようにするとよい。
【0017】
(4)前記ダッシュボードへの取り付け面を、前記筐体の底面とし、前記水平面に替えて当該底面を基準とする構成としてもよい。
【0018】
このようにすれば、例えば、ダッシュボードに筐体を貼り付けるだけで、調整機構を設ける場合のように車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくい状態で設置でき、ソーラーパネルによって、十分な起電力を得ることができる。その結果、動作時間を長くすることができる。
【0019】
(5)GPSアンテナによるGPS電波の受信内容に基づき前記表示手段への表示を行う制御手段を備え、前記GPSアンテナは前記筐体の上面側に設ける構成とするとよい。
【0020】
(6)マイクロ波アンテナによるマイクロ波の受信状況に基づき前記表示手段への表示を行う制御手段を備え、前記マイクロ波アンテナの開口面ないしパッチ面は、前記ソーラーパネルを避けた位置に設けるとよい。
【0021】
(7)特に(6)の構成を前提に、前記マイクロ波アンテナの開口面ないしパッチ面は、前記ソーラーパネルよりも上側に設けるとよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ダッシュボード上に設置する車載用電子機器であって、車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくく、ソーラーパネルによって、十分な起電力を得ることができ、動作時間を長くすることのできるとともに、比較的大画面の表示手段を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることのできる車載用電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図であり、(a)は正面、(b)は側面、(c)は背面を示す図である。
【図2】レーダー探知機のブロック図である。
【図3】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図4】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【図5】本発明の好適な別実施形態であるレーダー探知機の右側面図である。
【図6】本発明の好適な別実施形態であるレーダー探知機の右側面図である。
【図7】従来のレーダー探知機の構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1,図2は、本発明の車載用電子機器として好適な一実施形態である縦型のレーダー探知機の構成を示している。図1(a)は本レーダー探知機の正面図、図1(b)は本レーダー探知機の右側面図、図1(c)は本レーダー探知機の背面図である。本レーダー探知機は、筐体40の底面に平坦面40aを備え、両面テープの一方の面を平坦面40aに貼り付け、その両面テープの他方の面をダッシュボードに貼り付けることで、ダッシュボート上に固定して設置可能としている。本レーダー探知機は、箱状の筐体40を備え、筐体40の前面側に表示部5の取り付け面を設け、運転者から視認可能な面に表示部5の表示面がくるようこの取り付け面に表示部5を貼り付け固定している。また、筐体40の背面側の面の上部約3/4の領域にソーラーパネル30の取り付け部を設け、この取り付け部にソーラーパネル30をその受光面が外側になるように貼り付け固定している。筐体40の両取り付け面には、それぞれ表示部5への電源ライン及び制御ライン、ソーラーパネル30の出力する電源ラインの配線を通す貫通孔が設けられており、貫通孔を介して図2に示す各部等と接続している。ソーラーパネル30の受光面は、底面に対する垂直面であって表示面と並行な面に対して下側が外側に突出する所定の一の角度(A度)傾けた面として構成している。A度は例えば10度とするとよい。
【0025】
筐体40の上面(図1では図示省略、図2参照)には、警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16とアダプタージャック9と図示省略する電源スイッチを配置している。また、筐体40の上面側内部には、マイクロ波受信器4とGPS受信器8とスピーカ20を配置している。マイクロ波受信器4のマイクロ波アンテナ4aはパッチアンテナであり、そのパッチ面を進行方向側(筐体40の内部からみて背面側)として、ソーラーパネル30のよりも上側に設けている。
【0026】
表示部5は3インチの小型液晶ディスプレイである。すなわち、表示部5は、ドットマトリックス表示器であり、CGシリコン薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を用いた反射型アクティブ・マトリックス型メモリ液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)モジュールである。メモリ液晶は消費電力が極めて小さいため、ソーラーパネル30の起電力のみで、常時待ち受け画面を表示させることができる。
【0027】
また、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース19や制御部18のメモリの内容をメモリカード14に書き込んだりすることができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータに、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報がある場合、その更新情報を制御部18が装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)し、データベース19のデータを更新する。なお、メモリカードリーダ13の機能は、筐体40内に内蔵するように構成してもよい。
【0028】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0029】
無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、無線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。リモコン17には、待受切替ボタン、設定ボタン、選択ボタン、キャンセルボタン、決定ボタンと、上下左右の十字ボタンを備えている。
【0030】
また、制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器を利用して所定の警報・メッセージや情報を出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0031】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0032】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、GPSログ機能、映像表示機能、映像記録機能、映像再生機能、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などがある。
【0033】
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器8によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶するGPSログ機能を備える。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する機能である。
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示部5に表示する機能である。
【0034】
レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。
【0035】
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替える。また、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、映像表示機能に切り替える。また、映像表示機能の実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0036】
制御部18は、映像表示機能、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行する。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
【0037】
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
【0038】
こうした目標物としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
【0039】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0040】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、緊急車両等の走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0041】
以上のように、ソーラーパネル30の受光面は、底面に対する垂直面であって表示面と並行な面に対して下側が外側に突出する所定の一の角度(10度)傾けた面として構成しているため、従来の調整機構を設ける場合のような車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくく、ソーラーパネル30によって、十分な起電力を得ることができ、動作時間を長くすることができるとともに、比較的大画面の表示部5を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることができる。また、ダッシュボードに筐体を貼り付けるだけで、調整機構を設ける場合のように車両の振動やユーザの設置方法の影響を受けにくい状態で設置でき、ソーラーパネルによって、十分な起電力を得ることができる。その結果、動作時間を長くすることができる。
【0042】
なお、所定の一の角度は、10度に限らず、図5(a)に示すように、−15度としてもよいし、図5(b)に示すように30度としてもよいし、図6に示すように45度としてもよい。但し、角度の調整はできず筐体30によって1の値に設定している。特に、ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値となるように配置するとよい。水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値とするとは、仰角を60度から105度の範囲の一の角度値にすることであり、すなわち垂直面に対しては、30度から−15度の範囲の一の角度値にすることをいう。垂直面に対して−15度以下に設定した場合、まともに日光があたりにくく十分な起電力を得られない。また、30度以上に設定した場合、図6に示すように、筐体40が大きくなってしまいダッシュボード上の設置に適さない(ダッシュボードの形状は車種によって異なっており多様な車種に対応できない)という問題があるからである。特に、前記ソーラーパネル30の受光面は、ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して約90度の角度値で配置する構成とするとよい。また、筐体40の奥行きは、筐体40の前面の短手方向の長さよりも短くする構成とするとよい。すなわち、図6のように筐体40の奥行きDが筐体40の前面の短手方向の長さHより長くなる構成とするよりも、図5のように筐体40の奥行きDが筐体40の前面の短手方向の長さHより短くなる構成とするとよい。このようにすれば、多様な車種に対応して設置でき、表示部5の大きさとのバランスがよく、比較的大画面の表示部5を備える場合であってもコンパクトでシンプルな形状とすることができる。
【0043】
また、本実施形態のレーダー探知機は、図7に示す従来のレーダー探知機の例のように、表示部5を内蔵する部分のみが他の部分よりも突出してしまい、全体として大きく、また形状もL字型の複雑なものになるという問題は発生せず、筐体の製造時の金型のスライド方向が多方向になってしまいコストがかかるといった問題も発生しない。特に表示部5のサイズが大きくなればなるほど、このメリットが大きくなってくる。
【0044】
本実施形態では、マイクロ波受信器4のマイクロ波アンテナ4aのパッチ面は、ソーラーパネル30を避けてソーラーパネル30よりも上側に設けているため、ダッシュボード前方のワイパーその他の障害物に邪魔されることなく、マイクロ波を良好に受信することができる。
【0045】
本実施形態では、図1(b)、図5、図6に示すように、筐体40の背面のほぼ全体を傾斜面としているが、筐体の背面の一部のみを傾斜面としてもよい。例えば、図1(c)において、ソーラーパネル30の下端の部分から下の部分は垂直面としてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、レーダー探知機の例で説明したが、車載用の各種の電子機器の機能として実施することができる。たとえば、ナビゲーション装置や、ドライブレコーダ、カーオーディオの機能として組み込んでもよい。また本実施例で記載した数値の値は、実験等を行って適宜、効果を奏する値に変更してもよい。表示部5の画面サイズなども任意のものとすることができる。また、制御部18には、各機能や警報の優先順位をリモコン17等からのユーザからの指示に基づいて設定する機能を設け、この設定された優先順位で制御部18が処理を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
12 携帯電話機
13 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
30 ソーラーパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のダッシュボード上に設置可能な車載用電子機器であって、
運転者から視認可能な面である筐体の前面側に表示手段の表示面を設けるとともに、前記筐体の背面側にソーラーパネルの受光面を設け、
前記ソーラーパネルの受光面は、前記ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して60度から105度の範囲の一の角度値となるように配置したこと
を特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記ソーラーパネルの受光面は、前記ダッシュボード上に設置した際に、水平面に対して約90度の角度値で配置したこと
を特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前記筐体の奥行きは、前記筐体の前面の短手方向の長さよりも短くすること
を特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記ダッシュボードへの取り付け面を、前記筐体の底面に設け、
前記水平面に替えて当該底面を基準とすること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項5】
GPSアンテナによるGPS電波の受信内容に基づき前記表示手段への表示を行う制御手段を備え、
前記GPSアンテナは前記筐体の上面側に設けること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項6】
マイクロ波アンテナによるマイクロ波の受信状況に基づき前記表示手段への表示を行う制御手段を備え、
前記マイクロ波アンテナの開口面ないしパッチ面は、前記ソーラーパネルを避けた位置に設けたこと
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車載用電子機器。
【請求項7】
前記マイクロ波アンテナの開口面ないしパッチ面は、前記ソーラーパネルよりも上側に設けたこと
を特徴とする請求項6に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−240836(P2011−240836A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115256(P2010−115256)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】