説明

車載用電子機器

【課題】本発明は車載用電子機器に関するもので、使用感を高めることを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、マルチプレクサ11に接続された出力回路14と、この出力回路14に接続された右側フロント出力端子17、右側リア出力端子18、左側フロント出力端子19、左側リア出力端子20と、ステレオ放送受信端子8から出力回路14間に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器21を接続するとともに、この制御器21により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器21は、前記出力回路14を制御し、右側フロント出力端子17への右側出力よりも、右側リア出力端子18への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子19への左側出力よりも左側リア出力端子20への左側出力を大きくする構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオ放送を受信するステレオ放送受信端子を有する車載用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、車載用電子機器は、ステレオ放送を受信するステレオ放送受信端子と、このステレオ放送受信端子に接続された同調回路と、この同調回路に接続された検波回路と、この検波回路に接続されたマルチプレクサと、このマルチプレクサに接続された出力回路と、この出力回路に接続された右側出力端子、左側出力端子とを備え、前記ステレオ放送受信端子から出力回路間に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器を接続するとともに、この制御器により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、ステレオ再生から、モノラル再生に変更する構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−140947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例においては、ステレオ放送の受信状態が非良好時には、ステレオ再生から、モノラル再生に変更することにより、放送内容が少しでも聴きやすくなるようにしている。
【0005】
しかしながら、ステレオ放送をステレオ再生状態で聴いているつもりの使用者にとっては、突然、モノラル再生状態となることで、違和感が大きく、使用感に欠けるものであった。
【0006】
そこで、本発明は、使用感を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そしてこの目的を達成するために本発明は、ステレオ放送を受信するステレオ放送受信端子と、このステレオ放送受信端子に接続された同調回路と、この同調回路に接続された検波回路と、この検波回路に接続されたマルチプレクサと、このマルチプレクサに接続された出力回路と、この出力回路に接続された右側フロント出力端子、右側リア出力端子、左側フロント出力端子、左側フロント出力端子と、前記ステレオ放送受信端子から出力回路間に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器を接続するとともに、この制御器により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、右側フロント出力端子への右側出力よりも、右側リア出力端子への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子への左側出力よりも左側リア出力端子への左側出力を大きくする構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、ステレオ放送を受信するステレオ放送受信端子と、このステレオ放送受信端子に接続された同調回路と、この同調回路に接続された検波回路と、この検波回路に接続されたマルチプレクサと、このマルチプレクサに接続された出力回路と、この出力回路に接続された右側フロント出力端子、右側リア出力端子、左側フロント出力端
子、左側フロント出力端子と、前記ステレオ放送受信端子から出力回路間に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器を接続するとともに、この制御器により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、右側フロント出力端子への右側出力よりも、右側リア出力端子への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子への左側出力よりも左側リア出力端子への左側出力を大きくする構成としたものであるので、使用感の高いものとなる。
【0009】
すなわち、本発明においては、制御器により検出したステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、右側フロント出力端子への右側出力よりも、右側リア出力端子への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子への左側出力よりも左側リア出力端子への左側出力を大きくする構成としたものであるので、ステレオ再生時に比べて左右の音場の広がり間が小さく、または失われたとしても、その分、音場が車内の前後に広がった感じを与えることで、違和感を小さくし、その結果として使用感を高いものとすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる車載用電子機器を車両に搭載した状態を示す構成図
【図2】同車載用電子機器の制御ブロック図
【図3】同車載用電子機器の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、車載用の電子機器に適用したものを、図面を用いて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1において、1は車両本体を示し、この車両本体1の車内2前方には車載用電子機器3が装着されている。
【0013】
また、車内2の右側フロント位置には右側フロントスピーカ4、車内2の右側リア位置には右側リアスピーカ5、車内2の左側フロント位置には左側フロントスピーカ6、車内2の左側リア位置には左側リアスピーカ7がそれぞれ配置されている。
【0014】
前記車載用電子機器3は図2に示すように、ステレオ放送(例えばFMラジオ)を受信するステレオ放送受信端子8と、このステレオ放送受信端子8に接続された同調回路9と、この同調回路9に接続された検波回路10と、この検波回路10に接続されたマルチプレクサ11と、このマルチプレクサ11に右側用A/D変換器12、左側用A/D変換器13を介して接続された出力回路14とを備えている。
【0015】
また、出力回路14には、それぞれD/A変換器15、増幅器16を介して右側フロント出力端子17、右側リア出力端子18、左側フロント出力端子19、左側リア出力端子20が接続されている。
【0016】
なお、車内2の右側フロントスピーカ4は右側フロント出力端子17に接続され、また、車内2の右側リアスピーカ5は右側リア出力端子18に接続され、さらに車内2の左側フロントスピーカ6は左側フロント出力端子19に接続され、さらにまた車内2の左側リアスピーカ7は左側リア出力端子20に接続されている。
【0017】
また、前記ステレオ放送受信端子8から出力回路14間、具体的には、マルチプレクサ11に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器21を接続するとともに、この制御器
21は、出力回路14にも接続している。
【0018】
つまり、制御器21により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器21は、前記出力回路14を制御し、右側フロント出力端子17への右側出力よりも、右側リア出力端子18への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子19への左側出力よりも左側リア出力端子20への左側出力を大きくする構成としている。
【0019】
具体的には、ステレオ放送(例えばFMラジオ)を受信すると(図3のS1)、前記制御器21はその受信状態を検出(例えばS/Nから)することになる(図3のS2)。
【0020】
そして、この検出により、前記ステレオ放送の受信状態が非良好と判定して時には、この制御器21は、前記出力回路14を制御し、先ずは左右分離度補正を行う(図3のS3)。
【0021】
この左右分離度補正の仕方については、上記先行文献1にも記載されているが、左右分離度を低下、または左右分離を無くし、それによってモノラル放送の再生が行われている状態とし、ノイズ成分を抑制するようにする。
【0022】
次に、前記制御器21は、右側フロント出力端子17への右側出力よりも、右側リア出力端子18への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子19への左側出力よりも左側リア出力端子20への左側出力を大きくする(図3のS4、S5)。
【0023】
その結果、車内2においては、ステレオ再生時に比べて左右の音場の広がり間が小さく、または失われた感じにはなるが、その分、音場が車内2の前後に広がった感じとなる。
【0024】
このため、ステレオ放送を聴いていた使用者にとっては、違和感が小さくなり、使用感の高いものとなるのである。
【0025】
勿論、車両本体1の移動により、前記ステレオ放送の受信状態が良好になると、(図3のS2)に戻り、左右の分離度を元の状態とするとともに、右側フロント出力端子17への右側出力と右側リア出力端子18への右側出力を同じものにするとともに、左側フロント出力端子19への左側出力と左側リア出力端子20への左側出力を同じものとすることで、ステレオ放送が楽しめる状態とする。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように本発明においては、制御器により検出したステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、右側フロント出力端子への右側出力よりも、右側リア出力端子への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子への左側出力よりも左側リア出力端子への左側出力を大きくする構成としたものであるので、ステレオ再生時に比べて左右の音場の広がり間が小さく、または失われたとしても、その分、音場が車内の前後に広がった感じを与えることで、違和感を小さくし、その結果として使用感を高いものとすることができるのである。
【0027】
したがって、本発明の車載用電子機器としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0028】
1 車両本体
2 車内
3 車載用電子機器
4 右側フロントスピーカ
5 右側リアスピーカ
6 左側フロントスピーカ
7 左側リアスピーカ
8 ステレオ放送受信端子
9 同調回路
10 検波回路
11 マルチプレクサ
12 右側用A/D変換器
13 左側用A/D変換器
14 出力回路
15 D/A変換器
16 増幅器
17 右側フロント出力端子
18 右側リア出力端子
19 左側フロント出力端子
20 左側リア出力端子
21 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステレオ放送を受信するステレオ放送受信端子と、このステレオ放送受信端子に接続された同調回路と、この同調回路に接続された検波回路と、この検波回路に接続されたマルチプレクサと、このマルチプレクサに接続された出力回路と、この出力回路に接続された右側フロント出力端子、右側リア出力端子、左側フロント出力端子、左側フロント出力端子と、前記ステレオ放送受信端子から出力回路間に、ステレオ放送の受信状態を検出する制御器を接続するとともに、この制御器により検出した前記ステレオ放送の受信状態が非良好時には、この制御器は、前記出力回路を制御し、右側フロント出力端子への右側出力よりも、右側リア出力端子への右側出力を大きくするとともに、左側フロント出力端子への左側出力よりも左側リア出力端子への左側出力を大きくする構成とした車載用電子機器。
【請求項2】
前記制御器は、マルチプレクサと、出力回路に接続した請求項1に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−209629(P2012−209629A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71643(P2011−71643)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】