説明

車載用電子装置

【課題】開閉式表示パネルの表示部にカメラ映像を表示する際に、表示パネルを閉位置に移動させること。
【解決手段】車載用電子装置10は、表示パネル130を少なくとも表示部131が視認しやすい閉位置と表示部が視認しにくい開位置との間で移動させるパネル駆動部120と、撮像手段20からの映像を表示部に表示するか否かを判定する映像表示判定部112と、表示パネル130の位置を検出するパネル位置検出部115と、表示部131に撮像手段20からの映像を表示させる表示制御部116と、を備え、映像表示判定部112が撮像手段20からの映像を表示部に表示すると判定し、パネル位置検出部115が表示パネルが開位置にあると判定した場合に、パネル駆動部120が表示パネルを閉位置に移動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電子装置、特に、電子装置本体の前面に開閉可能な表示パネルを備えた車載用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の後部、前部或いは側部にカメラを設置し、これらのカメラにおいて撮影した車両の後方、前方、側方の映像を車載モニタに表示することが行われている。
【0003】
下記特許文献1(実開平6−74499号公報)は、自動車のリアスポイラにバックモニタ用のテレビジョンカメラを設置し、このテレビジョンカメラを車内に設置したテレビジョン受像器に接続し、車両のバックギア操作時に、テレビジョン受像器に表示する映像をテレビ放送からバックモニタ用のテレビジョンカメラで撮影した映像に切換え表示する車載装置を開示している。
【0004】
下記特許文献1の車載装置によれば、車両を後進させる際に、後方をカメラで撮影して表示できるので、ユーザは後方の状態を容易に確認することが可能となる。
【0005】
ところで、車載装置は、下記特許文献2に開示されているように、車載装置本体の前面に操作パネルを開閉自在に設けていることが多く、操作パネルは液晶ディスプレイユニットを搭載した表示パネルとして構成されている場合も多い。
【0006】
そのような開閉式の表示パネルを備えた車載装置を、下記特許文献1のようにバックモニタ用のカメラと接続した場合、表示パネルが開位置にある状態で車両のシフトレバー(又はセレクトレバー)を後進ギアに投入すると、表示パネルが開いた状態のままで表示パネルにカメラからの映像が表示されてしまい、視認性が悪く、カメラ映像による後方確認が十分に行えないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平6−74499号公報
【特許文献2】特開平2−40189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、開閉式の表示パネルを備えた車載装置を後方確認用、或いはその他の確認用のカメラと接続した車載装置において、カメラで撮影された映像を表示パネルに表示する際に、表示パネルが開いた状態のままになることを防止できる車載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載され、電子装置本体と、表示部を有する表示パネルと、を備える車載用電子装置において、
前記車載用電子装置は、
前記表示パネルを少なくとも前記表示部が視認しやすい閉位置と前記表示部が視認しにくい開位置との間で移動させるパネル駆動部と、
撮像手段からの映像を前記表示部に表示するか否かを判定する映像表示判定部と、前記表示パネルの位置を検出するパネル位置検出部と、前記表示部に前記撮像手段からの映像を表示させる表示制御部と、を備え、
前記映像表示判定部が前記撮像手段からの映像を前記表示部に表示すると判定し、前記パネル位置検出部が前記表示パネルが開位置にあると判定した場合に、前記パネル駆動部が前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の車載用電子装置は、前記撮像手段の映像を取得する映像受信部を備え、前記表示制御部は、前記映像受信部によって取得された前記撮像手段の映像を、前記表示パネルが閉位置に移動された後に前記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の車載用電子装置は、前記撮像手段の映像を取得する映像受信部を備え、前記パネル駆動部は、前記表示制御部が前記映像受信部によって取得された前記撮像手段の映像を前記表示部に表示した後に、前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の車載用電子装置は、前記車両の走行状態を判定する走行判定部を備え、前記走行判定部により前記車両の走行速度が所定速度以上に達したと判定された場合に、前記パネル駆動部が前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の車載用電子装置は、前記映像表示判定部が、前記車両のシフトレバー又はセレクトレバーの後進ギア投入時に前記撮像手段の映像を前記表示部に表示すると判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の車載用電子装置は、前記表示パネルが操作部を有し、前記映像表示判定部は、前記操作部が操作された際に前記撮像手段の映像を前記表示部に表示すると判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の車載用電子装置は、前記電子装置本体が、現在位置検出部と、登録地点を含む地図情報を記憶した地図記憶部と、を備え、前記映像表示判定部は、前記地図情報と前記現在位置検出部によって検出された現在位置とに基づいて前記撮像手段の映像を前記表示部に表示するか否かを判定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の車載用電子装置は、前記表示部が視認しやすい閉位置とは、前記電子装置本体の前面を覆う位置であり、前記表示部が視認しにくい開位置とは、前記電子装置本体の前面を露出させる位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は下記に説明する優れた効果を発揮する。すなわち、本発明の車載用電子装置によれば、映像表示判定部が撮像手段において撮影される映像を表示部に表示すると判定し、パネル位置検出部において表示パネルが開位置にあると判定した場合には、パネル駆動部が表示パネルを閉位置に移動させる。これにより、撮像手段において撮影される映像を、表示パネルが開位置のままで表示部に表示することで、ユーザが映像を視認することができないという不都合を解消し、安全性を向上させることができる。
【0018】
本発明の一態様によれば、表示パネルが閉位置に移動された後に撮像手段で撮影される映像が表示部に表示される。これにより、視認しにくい状態(開位置)で表示部に撮影された映像が表示されることがなくなる。
【0019】
本発明の一態様によれば、撮像手段で撮影される映像が表示部に表示されてから表示パネルが閉位置に移動される。これにより、表示パネルが開位置から閉位置まで移動する際に時間が経過してしまい、その間に撮像手段で撮影される映像を確認できないという不都合を解消することができる。つまり、表示パネルが閉位置まで移動中であっても、既に撮像手段で撮影される映像が表示部に表示されるので、それを確認することが可能となる。
【0020】
本発明の一態様によれば、走行判定部によって車両の走行速度が所定速度以上に達したと判定された場合に表示パネルを閉位置に移動させる。これにより、例えば、ユーザが表示パネルを開位置にした状態で操作をしており、その状態で映像表示判定部が撮像手段からの映像を表示させると判断した場合に、実際に車両が走行を開始してから表示パネルを閉位置に移動させることが可能となる。このように、撮像手段からの映像をユーザが確認することが実際に必要になってから表示パネルを移動させることができる。
【0021】
本発明の一態様によれば、車両のシフトレバー又はセレクトレバーが後進ギアに投入された際に、撮像手段の映像を表示部に表示すると判定する。これにより、車両を後進させる際に、撮像手段で撮影した映像を確認し、危険回避に活用することが可能となる。
【0022】
本発明の一態様によれば、表示パネルに設けられた操作部をユーザが操作した際に、撮像手段によって撮影された映像を表示部に表示すると判定する。これにより、ワンタッチ操作で撮像手段の映像を表示パネルに表示できるようにするとともに表示パネルが開位置であれば、視認しやすい閉位置に移動させることが可能となる。
【0023】
本発明の一態様によれば、予め登録された地点に車両が差し掛かった際に撮像手段の映像を表示部に表示すると判定する。これにより、見通しの悪い交差点等の地点を登録しておけば、当該地点において撮像手段で撮影した映像を表示部に表示して確認することができ、事故防止に役立てることが可能となる。
【0024】
本発明の一態様によれば、表示パネルの閉位置と開位置は、電子装置本体の前面を覆う位置と電子装置本体の前面を露出させる位置である。これにより、表示パネルが開位置にある場合は電子装置本体に設けられたCDドライブ等の装置を操作することが可能となり、閉位置にある場合はそれらの装置を背後に隠蔽し、操作できないように保護することが可能となる。特に、撮像手段の映像は、安全確認を行うことを目的として表示部に表示されるのであるから、表示パネルが閉位置にあることによって電子装置本体の不必要な操作が行えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施例のカーナビゲーション装置とそれが設置される乗用車の図である。
【図2】本実施例のカーナビゲーション装置の内部ブロック図を示す。
【図3】本実施例のカーナビゲーション装置の外観斜視図である。
【図4】実施例1におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートの一例であり、表示パネルを閉位置に移動した後に後方映像を表示する場合を示す。
【図5】実施例1におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートの一例であり、表示パネルを閉位置に移動する前に後方映像を表示する場合を示す。
【図6】実施例1におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートの一例であり、乗用車の走行開始後に表示パネルを閉位置に移動し、後方映像を表示する場合を示す。
【図7】実施例1におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートの一例であり、後方映像を表示し、乗用車の走行開始後に表示パネルを閉位置に移動する場合を示す。
【図8】実施例2におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、登録地点に差し掛かった場合に前方映像を表示部に表示するとともに表示パネルを閉位置に移動する場合を示す。
【図9】実施例3におけるカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、ユーザが操作部を操作した際に、前方側方映像を表示部に表示するとともに表示パネルを閉位置に移動する場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例と共に図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための車載用電子装置として車載用のカーナビゲーション装置を例示して説明するものであって、本発明をこのカーナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなくその他の車載用電子装置にも等しく適用し得るものである。
【0027】
まず、図1〜図3を参照して、実施例1〜3のカーナビゲーション装置について説明する。なお、図1は、本実施例のカーナビゲーション装置とそれが設置される乗用車の図である。図2は、本実施例のカーナビゲーション装置の内部ブロック図を示す。図3は、本実施例のカーナビゲーション装置の外観斜視図であり、図3(a)は表示パネルが閉位置にある状態を示し、図3(b)は表示パネルが開位置にある状態を示す。
【0028】
乗用車1にはカーナビゲーション装置10が設置されている。カーナビゲーション装置10は、通常、乗用車1のセンターコンソールに取付けられる。乗用車1の後部には本発明の撮像手段としてのバックカメラ20が設置される(実施例1)。このバックカメラ20は乗用車1を後進させる際に後方確認を行うための後方映像を撮影するためのものであり、バックカメラ20によって撮影された画像はカーナビゲーション装置10に送信され、カーナビゲーション装置10の表示部131に表示される。バックカメラ20は、通常、乗用車1の後部ナンバープレート又はリアスポイラ等に設置される。
【0029】
また、乗用車1には自動車のトランスミッションを操作するためのシフトレバー(オートマティック車の場合はセレクトレバー)30が設置される。乗用車1を後進させるときには、シフトレバー30を後進ギアへ投入する。また、シフトレバー30周辺或いは、シフトレバー30には、シフトレバー30が後進ギアに投入されたことを検出し、その検出信号を出力するシフトレバー検出部(図示せず)が取付けられている。なお、本実施例では、説明の簡略化のため、シフトレバー30がシフトレバー検出部を備えているものとして説明を行なう。後述するが、乗用車1のシフトレバー30を後進ギアに投入すると、バックカメラ20において乗用車1の後方映像を撮影し、その映像をカーナビゲーション装置10の表示部131に表示する。本実施例では、後方映像を表示する際に、表示部131が設けられた表示パネル130が開位置にある場合に表示パネル130を閉位置に移動させることに特徴がある。
【0030】
図2、3に示すように、カーナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置本体100と、ナビゲーション装置本体100の前面にパネル駆動部120によって取付けられる表示パネル130とを備えて構成される。
【0031】
ナビゲーション装置本体100は、制御部110、音声出力部101、現在位置検出部102、CDドライブ105、地図記憶部106を備えて構成される。
【0032】
制御部110は、CPU、RAM、ROM(何れも図示せず)を備えて構成されるマイクロプロセッサであり、RAM又はROMに記憶された制御プログラムをCPUにおいて実行することによって本カーナビゲーション装置10の動作を制御・統括する。制御部110はさらに、映像受信部111、映像表示判定部112、走行判定部113、モード設定部114、パネル位置検出部115、表示制御部116を備えて構成される。
【0033】
映像受信部111は、乗用車1に設置されたバックカメラ20に接続されており、バックカメラ20によって撮影された映像を受信する。
【0034】
なお、本実施例1では、映像受信部111はバックカメラ20からの映像を受信するが、本発明はこれに限られず、実施例2及び3においては、乗用車1はフロントカメラ又はサイドカメラを備えており、これらのカメラからの映像を映像受信部111において受信するようにしてもよい。この場合の詳細については実施例2及び3において説明する。
【0035】
映像表示判定部112は、乗用車1のシフトレバー30が後進ギアに投入されたことを、シフトレバー検出部(図示せず)からの検出信号によって認識した際に、表示パネル130が開位置にあれば閉位置に移動すべきと判定するとともに映像受信部111において受信した映像を表示パネル130の表示部131に表示すると判定する。なお、ここで映像受信部111において受信する映像はバックカメラ20から出力される映像である。
【0036】
さらに、映像表示判定部112は、現在位置検出部102において特定される現在位置が地図記憶部106に登録された登録地点であると判断した場合に映像受信部111において受信した映像を表示部131に表示すると判定する(実施例2)。
【0037】
また、映像表示判定部112は、ユーザが表示パネル130に設けられた操作部132が操作された場合に、表示パネル130が開位置にあれば閉位置に移動すべきと判定するとともに映像受信部111において受信した映像を表示部131に表示すると判定する(実施例3)。
【0038】
走行判定部113は、現在位置検出部102において検出された現在位置、或いは加速度データに基づいて乗用車1の走行状態、つまり、停車中か走行中かを判定する。現在位置検出部102からの出力が加速度データである場合、走行判定部113は加速度データを積分することによって乗用車1の走行速度を算出する。走行判定部113は乗用車1の走行速度が所定速度以上に達した場合に走行中であると判定するようにしてもよい。
【0039】
現在位置検出部102からの出力が現在位置である場合、直前に検出された現在位置との移動距離を経過時間(現在位置検出間隔)で除することによって速度を算出してもよい。
【0040】
モード設定部114は、シフトレバー30が後進ギアに投入された等の条件が満たされた場合に表示パネル130を閉位置に移動させるオートクローズモードと、条件が満たされた場合でも表示パネル130が閉位置に移動しないようにするマニュアルモードとを選択設定できるようにするものである。また、表示パネル130をどのようなタイミングで閉位置に移動させるか選択設定する。なお、オートクローズモード、マニュアルモードの設定や、表示パネル130の閉位置への移動タイミングなどは、ユーザが操作部を用いて設定を行なう。
【0041】
パネル位置検出部115は、パネル駆動部120の出力を監視しており、その出力に基づいて表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを検出する。すなわち、パネル駆動部120は、表示パネル130の位置(角度)を検出するセンサ(図示せず)などを備えており、パネル位置検出部115は、当該センサの出力に基づいて表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを検出する。また、パネル位置検出部115の検出方法は、これに限らず、制御部110が最後にパネル駆動部120へ指示した内容を記憶しておき、記憶しておいた指示内容に基づいて検出してもよい。
【0042】
表示制御部116は、映像受信部111において受信したカメラの映像を画像処理して表示パネル130の表示部131に表示する。映像受信部111において受信する映像がバックカメラ20からの映像である場合、表示制御部116は乗用車1を誘導するための補助線等を表示部131に表示し、ドライバーが容易に駐車位置に後進できるように誘導する。
【0043】
音声出力部101は、映像表示判定部112が映像受信部111において受信した映像を表示パネル130の表示部131に表示すると判定しパネル駆動部120が表示パネル130を開位置から閉位置に移動させる際に、警告音を発音する。警告音は機械的なビープ音等であってもよいし、表示パネル130が閉位置に移動する旨を通知するアナウンス音声であってもよい。
【0044】
現在位置検出部102は、GPS受信手段103と、加速度センサ104を備えて構成される。
【0045】
GPS受信手段103は所定の時間間隔で地球上空を周回している複数のGPS衛星から受信する時刻情報を含む電波(衛星信号)に基づき車両の位置情報(GPS測位位置)を算出する。
【0046】
加速度センサ104は乗用車1の加速度を測定しており、GPS受信手段103が算出した位置情報を補完することができる。また、加速度センサ104はGPS衛星信号が受信できないトンネルや地下街、地下駐車場、建物内の駐車場、あるいは、高層ビル街などGPS衛星信号の反射によるマルチパスの影響を受ける場所でも乗用車1の位置を算出することができる。さらに、加速度センサ104において測定された加速度データは走行判定部113に出力され、走行判定部113が加速度データを積分することによって乗用車1の速度が求められる。なお、現在位置検出部102は、GPS受信手段103と、加速度センサ104以外にも、速度センサやジャイロスコープ、舵角センサなどを備えていてもよく、走行判定部113も、加速度センサにおいて測定された加速度データ以外にも、速度センサにおいて測定された速度を用いてもよい。
【0047】
CDドライブ105は、ナビゲーション装置本体100に設けられ、本体前面にはCDの出し入れ口が設けられる。本実施例では、ナビゲーション装置本体100にCDドライブを設けた例について説明しているが、本発明はこれに限られず、DVDドライブ等の他の記録媒体を収容、駆動する装置であってもよい。
【0048】
地図記憶部106は、道路データ、建物データ、背景データ、テキストデータから構成される地図情報を保持している。
【0049】
道路データは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標(緯度・経度)、交差点情報や交差点名称、及び登録地点であることを示す情報等のノード属性、さらに接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。なお、登録地点であることを示す情報には、見通しの悪い交差点等の付加的情報も含まれる。
【0050】
また、リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、高速道路や一般道や街路等を区別するための道路種別、距離及び/又は所要時間、国道○号線のような道路名称、進行方向のデータ、道路幅データ等の情報を含んで構成される。リンクデータは上記に加えて、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。
【0051】
建物データは、建物の少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、駅、ビル、民家等の建物の種別、表示色のデータを含んで構成される。また背景データは、海岸線、湖沼、河川形状、山林等の背景画像データとなる少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、表示色のデータを含んで構成される。
【0052】
テキストデータは、それぞれの地名や河川名等の文字(名称)、及びその座標(緯度・経度)のデータを含んで構成される。
【0053】
パネル駆動部120は制御部110からの制御信号に基づいて表示パネル130の開閉動作を制御するものであり、主にモータ(図示せず)とリンク機構140により構成される。パネル駆動部120は制御部110からの制御信号に基づいてモータを駆動し、リンク機構140を動作させることにより、表示パネル130を、図3(b)に示す開位置と図3(a)に示す閉位置との間の任意の角度又は位置に移動させるものである。
【0054】
表示パネル130は、表示部131と操作部132を備えて構成される。表示部131は、液晶ディスプレイユニットであり、操作部132は表示部131外の表示パネル130のハウジング部分に形成された機械的スイッチである。ユーザが操作部132を操作すると、その操作信号は映像表示判定部112に送信され、映像表示判定部112は操作信号に基づいて、表示パネル130が開位置にあれば閉位置に移動すべきと判定するとともに映像受信部111において受信した映像を表示部131に表示すると判定する。なお、操作部132は夫々の機能に対応した複数の機械的スイッチで構成されるが、本実地例では、操作部132は、カメラ映像の表示を映像表示判定部112へ指示する1つの機械的スイッチとして説明を行う。また、操作部132を機械的スイッチとして説明を行なうが、これに限ることはなく、表示部131の表面にタッチパネル(操作部)が設けられた場合であれば、表示部131に表示されるアイコン(ソフトキー)をユーザがタッチすることにより、カメラ映像の表示を映像表示判定部112へ指示してもよい。
【実施例1】
【0055】
次に図4〜7を参照して、実施例1におけるカーナビゲーション装置10の動作について説明する。なお、図4〜図7は、それぞれ実施例1におけるカーナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。
【0056】
図4のステップS401において、乗用車1のシフトレバー30に設けられたシフトレバー検出部はシフトレバー30の状態を検出する。シフトレバーがユーザによって操作されたことをシフトレバー検出部が検出すると、ステップS402において、映像表示判定部112はシフトレバー検出部からの検出信号に基づいて、シフトレバー30が後進ギアに投入されたか否かを判断する。後進ギア以外のギアに投入された場合にはステップS401の処理に戻ってシフトレバーの状態の監視を継続する。
【0057】
ステップS402において映像表示判定部112が、シフトレバー30が後進ギアに投入されたと判定すると、ステップS403の処理に進み、パネル位置検出部115が表示パネル130の位置を検出する。
【0058】
ステップS404において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、開位置にあると判定された場合はステップS405の処理に進み、制御部110はパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させることによって表示パネル130を閉位置に移動させる。
【0059】
続くステップS406において、表示制御部116は、映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示可能な映像に処理し、表示部131に表示し、処理を終了する。
【0060】
ステップS404において、パネル位置検出部115が、表示パネル130は閉位置にあると判定した場合は、ステップS406の処理に進み、表示制御部116が映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示部131に表示し、処理を終了する。
【0061】
なお、ここで、開位置とは、図3(b)に示すように、表示パネル130がナビゲーション装置本体100の前面において完全に開いていて、ナビゲーション装置本体100の前面が露出しており、CDドライブ105が操作できるようになった状態であっても良いし、図3(b)のように完全に開かずともCDドライブ105が操作できる位置(表示パネル130の上辺がCDドライブ105の挿入口よりも低い位置)であればよい。すなわち、開位置とは、CDドライブ105などを操作(CDの抜き差し)できる位置であり表示部131が上方を向くため表示部131が視認しにくい位置である。一方、閉位置とは、図3(a)に示すように、表示パネル130がナビゲーション装置本体100の前面において完全に閉まっている状態であっても良いし、ユーザがナビゲーション装置本体100の前面において表示部131が視認しやすい位置に設定している場合、当該設定した位置を閉位置としてもよい。すなわち、閉位置とは、表示部131を視認しやすい位置であり、図3(a)のように完全に閉まっている位置や、ユーザが視認しやすいように任意に設定した位置が含まれる。
【0062】
すなわち、本実施例では、表示部131を視認しにくい位置を開位置とし、表示部131を視認しやすい位置を閉位置として説明を行なう。
【0063】
図4では、シフトレバー30が後進ギアに投入された際に、表示パネル130が開位置にある場合は閉位置に移動させてから表示部131にバックカメラ20で撮影した後方映像を表示させる例を説明した。しかしながら、本発明では、シフトレバー30が後進ギアに投入された際に、まず表示パネル130にバックカメラ20で撮影した後方映像を表示させてから、表示パネル130が開位置にある場合は閉位置に移動させるようにしてもよい。その場合の処理の流れを、図5を参照しながら説明する。
【0064】
ステップS501において、乗用車1のシフトレバー30に設けられたシフトレバー検出部はシフトレバー30の状態を検出する。シフトレバーがユーザによって操作されたことをシフトレバー検出部が検出すると、ステップS502において、映像表示判定部112はシフトレバー検出部からの検出信号に基づいて、シフトレバー30が後進ギアに投入されたか否かを判断する。後進ギア以外のギアに投入された場合にはステップS501の処理に戻ってシフトレバーの状態の監視を継続する。
【0065】
ステップS502において映像表示判定部112が、シフトレバー30が後進ギアに投入されたと判定すると、ステップS503の処理に進み、表示制御部116が映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示部131に表示する。
【0066】
次いで、ステップS504の処理に進み、パネル位置検出部115が表示パネル130の位置を検出する。
【0067】
ステップS505において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、開位置にあると判定された場合はステップS506の処理に進み、制御部110はパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させることによって表示パネル130を閉位置に移動させ処理を終了する。
【0068】
ステップS505において、表示パネル130が閉位置にあると判定された場合は、表示パネル130に乗用車1の後方映像を表示したまま処理を終了する。
【0069】
図4及び図5では、シフトレバー30の状態を検出して後進ギアに投入されたことを検出し、次いで表示パネル130を閉じる前、或いはその後に表示パネル130にバックカメラ20で撮影した後方映像を表示した例を説明したが、図6及び図7では、乗用車1の走行を判定し、それに伴って表示パネル130を閉じる例について説明する。
【0070】
図6のステップS601において、乗用車1のシフトレバー30に設けられたシフトレバー検出部はシフトレバー30の状態を検出する。シフトレバーがユーザによって操作されたことをシフトレバー検出部が検出すると、ステップS602において、映像表示判定部112はシフトレバー検出部からの検出信号に基づいて、シフトレバー30が後進ギアに投入されたか否かを判断する。後進ギア以外のギアに投入された場合にはステップS601の処理に戻ってシフトレバーの状態の監視を継続する。
【0071】
ステップS602において映像表示判定部112が、シフトレバー30が後進ギアに投入されたと判定すると、ステップS603の処理に進み、パネル位置検出部115が表示パネル130の位置を検出する。
【0072】
ステップS604において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、開位置にあると判定された場合はステップS605の処理に進む。ステップS605において、走行判定部113は現在位置検出部102において検出された現在位置、或いは加速度データに基づいて乗用車1の走行状態を判定し、走行を開始したと判定した場合はステップS606の処理に進み、停止していると判定した場合はステップS605において走行開始の検出を待機する。
【0073】
乗用車1が走行を開始すると、ステップS606において、制御部110はパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させることによって表示パネル130を閉位置に移動させる。
【0074】
続くステップS607において、表示制御部116は、映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示可能な映像に処理し、表示部131に表示し、処理を終了する。
【0075】
ステップS604において、表示パネル130が閉位置にあると判定された場合はステップS607の処理に進み、表示制御部116が映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示部131に表示し、処理を終了する。
【0076】
図6では走行開始後に表示パネル130を閉じ、表示パネル130に後方映像を表示したが、図7ではシフトレバー30が後進ギアに投入された時点で後方映像を表示パネル130に表示する。
【0077】
ステップS701において、乗用車1のシフトレバー30に設けられたシフトレバー検出部はシフトレバー30の状態を検出する。シフトレバーがユーザによって操作されたことをシフトレバー検出部が検出すると、ステップS702において、映像表示判定部112はシフトレバー検出部からの検出信号に基づいて、シフトレバー30が後進ギアに投入されたか否かを判断する。後進ギア以外のギアに投入された場合にはステップS701の処理に戻ってシフトレバーの状態の監視を継続する。
【0078】
ステップS702において映像表示判定部112が、シフトレバー30が後進ギアに投入されたと判定すると、ステップS703の処理に進み、表示制御部116が映像受信部111においてバックカメラ20から受信した乗用車1の後方映像を表示部131に表示する。
【0079】
次いで、ステップS704の処理に進み、パネル位置検出部115が表示パネル130の位置を検出する。
【0080】
ステップS705において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、開位置にあると判定された場合はステップS706の処理に進み、走行判定部113は現在位置検出部102において検出された現在位置、或いは加速度データに基づいて乗用車1の走行状態を判定し、走行を開始したと判定した場合はステップS707の処理に進み、停止していると判定した場合はステップS706において走行開始の検出を待機する。
【0081】
乗用車1が走行を開始すると、ステップS707において、制御部110はパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させることによって表示パネル130を表示部131に後方映像が表示された状態のまま閉位置に移動させ、処理を終了する。
【0082】
ステップS705において、表示パネル130が閉位置にあると判定された場合は処理を終了する。このとき、表示パネル130の表示部131には後方映像が既に表示されている。
【0083】
図4〜図7においては、表示パネル130を閉じる条件が満たされた場合(例えば、後進ギアにシフトレバー30が投入された場合)に、表示パネル130を閉位置に移動させるようにしていた。しかしながら、ユーザは必ずしも表示パネル130が閉位置に移動することを希望しないこともある。そこで、モード設定部114によって、条件が満たされた場合に表示パネル130を閉位置に移動させるオートクローズモードと、条件が満たされた場合でも表示パネル130が閉位置に移動しないようにするマニュアルモードとを予め設定できるようにしてもよい。オートクローズモードに設定しおけば、条件が満たされた際に表示パネル130が閉位置に移動し、表示部131にバックカメラ20で撮影された後方映像が表示されるので、映像の確認を容易に行うことができ、利便性が高まるだけでなく、後方映像の確認を怠るというような危険を回避することが可能となる。
【0084】
また、モード設定部114によって、図4〜図7において説明したような、表示パネル130をどのようなタイミングで閉位置に移動させるか選択設定できるようにしてもよい。例えば、表示パネル130を閉じてから表示するか、或いは表示パネル130を閉じる前に表示するかをユーザが選択設定できるようにしたり、走行を開始してから表示パネル130を閉じるか否かを選択設定できるようにしたりする。
【実施例2】
【0085】
実施例1では、シフトレバー30が後進ギアに投入されたことを検出した際に表示パネル130を閉位置に移動させるとともにバックカメラ20によって撮影される後方映像を表示部131に表示することについて説明したが、本発明はこれに限られない。乗用車1が予め登録された地点に差し掛かった場合に、映像表示判定部112は表示パネル130を閉位置に移動すべきと判定するとともに映像受信部111において受信した映像を表示部131に表示すると判定するようにしてもよい。
【0086】
具体的には、実施例1のバックカメラ20に代えてフロントカメラ(図示せず)からの出力が映像受信部111に入力される。フロントカメラは乗用車1のボディ前方やナンバープレート等に取り付けられる。
【0087】
図8を参照して、実施例2におけるカーナビゲーション装置10の動作について説明する。なお、図8は、実施例2におけるカーナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。
【0088】
図8のステップS801において、現在位置検出部102は、GPS受信手段103によってGPS信号を受信して現在位置を算出し、加速度センサ104からのセンサ出力によってGPS受信手段103が算出した現在位置を補完することによって正確な現在位置を算出する。
【0089】
ステップS802において、映像表示判定部112は、現在位置検出部102において特定された現在位置が地図記憶部106に記憶された登録地点(例えば、見通しの悪い交差点等)であるか否かを判定する。登録地点は予め地図記憶部106のノードデータに関連付けられて記憶されている。例えば、現在位置検出部102において特定された現在位置をマップマッチング処理し、マップマッチングした道路上で現在位置に最も近いノードが登録地点か否かを判定する。ステップS802において、現在位置が登録地点ではないと判定された場合は、ステップS801の処理に戻る。
【0090】
ステップS802において、現在位置が登録地点であると判定された場合は、ステップS803の処理に進み、映像受信部111においてフロントカメラから受信した前方映像を、表示制御部116が表示可能な映像に処理し、表示部131に表示する。
【0091】
続くステップS804において、パネル位置検出部115はパネル駆動部120からの出力に基づいて表示パネル130の位置を検出する。ステップS805において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、閉位置にあると判定された場合には、表示部131に前方映像を表示したまま処理を終了する。
【0092】
ステップS805において、表示パネル130が開位置にあると判定された場合は、ステップS806の処理に進み、走行判定部113が加速度センサ104において測定される加速度データを積分することによって乗用車1の速度を算出し、速度が所定速度、例えば時速10km以下であるか否かを判定する。所定速度以下であれば、ステップS807の処理に進み、制御部110はパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させることによって表示パネル130を閉位置に移動させ、処理を終了する。
【0093】
図8では、乗用車1が登録地点に差し掛かった際に、表示部131にフロントカメラからの映像を表示し、次いで所定速度以下に減速されたことを検出した場合に表示パネル130を閉位置に移動させた場合について説明した。しかしながら、本発明は、上記に限られず、乗用車1が所定速度以下に減速されるかどうかに関わりなく登録地点に差し掛かった場合は常に表示パネル130を閉位置に移動させるようにしてもよい。また、表示パネル130を閉位置に移動させた後に、表示部131にフロントカメラからの映像を表示させるようにしてもよいが、表示パネル130が閉位置に移動するまでに時間がかかるため、表示パネル130を閉位置に移動させるより前に表示部131に映像を表示させるようにするほうが、安全上好ましい。
【0094】
なお、地図記憶部106に予め登録される登録地点は、見通しの悪い交差点の他、駐車場の出入り口等が設定される。
【実施例3】
【0095】
実施例1では、シフトレバー30が後進ギアに投入されたことを検出した際に表示パネル130を閉位置に移動させるとともにバックカメラ20によって撮影される後方映像を表示部131に表示すること、実施例2では予め登録された地点(交差点)に差し掛かった際に表示パネル130を閉位置に移動させるとともにフロントカメラで撮影される前方左右映像を表示部131に表示することについて説明したが、本発明はこれに限られない。ユーザが表示パネル130に設けられた操作部132を操作した場合に、映像表示判定部112は表示パネル130を閉位置に移動すべきと判定するとともに映像受信部111において受信した映像を表示部131に表示すると判定するようにしてもよい。
【0096】
具体的には、実施例1のバックカメラ20、実施例2のフロントカメラに代えてサイドカメラ(図示せず)からの出力が映像受信部111に入力される。サイドカメラは乗用車1の運転席とは反対側のサイドミラーの下部に設置され、運転席からは死角となる自動車側方前方の映像を撮影する。
【0097】
また、表示パネル130に設けられた操作部132はハードキーの形をとる。図9を参照して、実施例3におけるカーナビゲーション装置10の動作について説明する。なお、図9は、実施例3におけるカーナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。
【0098】
図9のステップS901において、映像表示判定部112は表示パネル130に設けられた操作部132が操作されたか否かを監視している。ステップS901において、映像表示判定部112が、操作部132がユーザによって操作されたと判定すると、ステップS902の処理に進む。ステップS902において、表示制御部116は映像受信部111において受信したサイドカメラからの側方前方の映像を表示パネル130の表示部131に表示する。
【0099】
次いで、ステップS903において、パネル位置検出部115は表示パネル130の位置を検出する。ステップS904において、パネル位置検出部115は表示パネル130が開位置にあるか閉位置にあるかを判定し、表示パネル130が開位置にあると判定された場合は、ステップS905の処理に進み、制御部110がパネル駆動部120に制御信号を送出することによってモータを駆動し、リンク機構140を動作させて表示パネル130を閉位置に移動させ、処理を終了する。
【0100】
ステップS904において、パネル位置検出部115が、表示パネル130が閉位置にあると判定した場合は、表示パネル130は既に閉位置にあるので、表示パネル130を移動させることなくサイドカメラの映像を表示部131に表示したまま処理を終了する。
【0101】
実施例3では、乗用車1を道路の端に寄せて駐車したいとき等に、ユーザが表示パネル130に設けられた操作部132を操作すると、表示部131にサイドカメラで撮影される映像を表示することができ、ユーザは運転席側から死角になる前方側方の確認を行うことが可能となる。その際に、表示パネル130が開位置の場合には閉位置に移動させることで、表示パネル130が閉位置のままで映像が表示部131に表示されてしまい、ユーザが死角部分の映像を確認することができないという危険を回避することが可能となる。
【0102】
なお、上記には、表示パネル130が開位置にある場合に、表示部131にサイドカメラの映像を表示してから表示パネル130を閉位置に移動する例について説明したが、表示パネル130を閉位置に移動させてから表示部131にサイドカメラの映像を表示するようにしてもよい。
【0103】
なお、上記実施例では、車載用電子機器の一例として、開閉可能な表示パネル130を備えたカーナビゲーション装置10が乗用車1のセンターコンソールに設けられた場合を例示したが、これに限ることはなく、例えば、車載用電子機器は、後部座席に搭乗した人が映像を表示できるように乗用車1の内部中央付近の天井に設置されたリアモニタとしてもよい。なお、車載用電子機器をリアモニタとした場合も同様に、表示部を視認しにくい位置を開位置(表示部が天井向きの位置)とし、表示部を視認しやすい位置を閉位置(表示部が乗用車1に対して垂直な位置)と定義することが好ましい。
【符号の説明】
【0104】
1 乗用車
10 カーナビゲーション装置
20 バックカメラ
30 シフトレバー
100 ナビゲーション装置本体
101 音声出力部
102 現在位置検出部
103 GPS受信手段
104 加速度センサ
105 CDドライブ
106 地図記憶部
110 制御部
111 映像受信部
112 映像表示判定部
113 走行判定部
114 モード設定部
115 パネル位置検出部
116 表示制御部
120 パネル駆動部
130 表示パネル
131 表示部
132 操作部
140 リンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、
電子装置本体と、表示部を有する表示パネルと、を備える車載用電子装置において、
前記車載用電子装置は、
前記表示パネルを少なくとも前記表示部が視認しやすい閉位置と前記表示部が視認しにくい開位置との間で移動させるパネル駆動部と、
撮像手段からの映像を前記表示部に表示するか否かを判定する映像表示判定部と、
前記表示パネルの位置を検出するパネル位置検出部と、
前記表示部に前記撮像手段からの映像を表示させる表示制御部と、を備え、
前記映像表示判定部が前記撮像手段からの映像を前記表示部に表示すると判定し、前記パネル位置検出部が前記表示パネルが開位置にあると判定した場合に、前記パネル駆動部が前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする車載用電子装置。
【請求項2】
前記撮像手段の映像を取得する映像受信部を備え、
前記表示制御部は、前記映像受信部によって取得された前記撮像手段の映像を、前記表示パネルが閉位置に移動された後に前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項3】
前記撮像手段の映像を取得する映像受信部を備え、
前記パネル駆動部は、前記表示制御部が前記映像受信部によって取得された前記撮像手段の映像を前記表示部に表示した後に、前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項4】
前記車両の走行状態を判定する走行判定部を備え、
前記走行判定部により前記車両の走行速度が所定速度以上に達したと判定された場合に、前記パネル駆動部が前記表示パネルを閉位置に移動させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車載用電子装置。
【請求項5】
前記映像表示判定部は、前記車両のシフトレバー又はセレクトレバーの後進ギア投入時に前記撮像手段の映像を前記表示部に表示すると判定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車載用電子装置。
【請求項6】
前記表示パネルは操作部を有し、
前記映像表示判定部は、前記操作部が操作された際に前記撮像手段の映像を前記表示部に表示すると判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車載用電子装置。
【請求項7】
前記電子装置本体は、現在位置検出部と、登録地点を含む地図情報を記憶した地図記憶部と、を備え、
前記映像表示判定部は、前記地図情報と前記現在位置検出部によって検出された現在位置とに基づいて前記撮像手段の映像を前記表示部に表示するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車載用電子装置。
【請求項8】
前記表示部が視認しやすい閉位置とは、前記電子装置本体の前面を覆う位置であり、前記表示部が視認しにくい開位置とは、前記電子装置本体の前面を露出させる位置であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車載用電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−96555(P2012−96555A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243128(P2010−243128)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】