説明

車載用電子装置

【課題】本発明は車載用電子装置に関するもので、使い勝手を向上させることを目的とするものである。
【解決手段】前記電子機器制御部30によって、前記充電台22の設置エリア18、19、20、21において充電されている前記携帯電話14、15、16、17の通信状態を、前記表示部31の、前記充電台22の設置エリア18、19、20、21に対応する部分に表示させる構成としたものであるので、例えば、携帯機器が携帯電話14、15、16、17であった場合の着信は、その設置エリア18、19、20、21に対応する部分に表示されるので、運転者であっても後部座席に座る者であっても、容易に該当する携帯電話14、15、16、17を判別することができ、極めて使い勝手の良いものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用充電機器を有する車載用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器、例えば携帯電話の高性能化に伴い、その電力消費が大きくなり、車両内においても充電を行えるようにすることが望まれている。また、車両内においては、複数の携帯電話を同時に充電することも望まれている(例えば、これに類似する技術としては、下記特許文献1が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−120361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例における課題は、複数の携帯電話を充電している時に、例えば携帯電話の着信があった場合、いずれの携帯電話の着信があったのかということが瞬時に判別することができず、極めて使い勝手の悪いものとなる。
【0005】
例えば、運転をしている者は、携帯電話の着信があったからといって目線を車載用充電機器に向けることは、好ましくない。また、後部座席に乗っている者は、前席に顔を移動させることなどして、いずれの携帯電話の着信があったのかということを判別することとなり、この場合も好ましくない。
【0006】
そこで、本発明は、使い勝手を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そしてこの目的を達成するために本発明は、複数の携帯機器に対する充電が可能な車載用充電機器と、この車載用充電機器で充電中の携帯機器からの情報を表示する車載用電子機器とを備え、前記車載用充電機器は、複数の携帯機器が設置される複数の設置エリアを配置した充電台と、この充電台の背面側に設けた充電手段と、この充電手段に接続した充電制御部と、この充電制御部に接続した充電通信部とを有し、前記車載用電子機器は、前記充電通信部との通信を行う電子機器通信部と、この電子機器通信部に接続した電子機器制御部と、この電子機器制御部に接続した表示部とを有し、前記電子機器制御部は、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エリアに対応する部分に表示させる構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、複数の携帯機器に対する充電が可能な車載用充電機器と、この車載用充電機器で充電中の携帯機器からの情報を表示する車載用電子機器とを備え、前記車載用充電機器は、複数の携帯機器が設置される複数の設置エリアを配置した充電台と、この充電台の背面側に設けた充電手段と、この充電手段に接続した充電制御部と、この充電制御部に接続した充電通信部とを有し、前記車載用電子機器は、前記充電通信部との通信を行う電子機器通信部と、この電子機器通信部に接続した電子機器制御部と、この電子機器制御部に接続した表示部とを有し、前記電子機器制御部は、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エ
リアに対応する部分に表示させる構成としたものであるので、極めて使い勝手の良いものとなる。
【0009】
すなわち、本発明においては、前記電子機器制御部によって、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エリアに対応する部分に表示させる構成としたものであるので、例えば、携帯機器が携帯電話であった場合の着信は、その設置エリアに対応する部分に表示されるので、運転者であっても後部座席に座る者であっても、容易に該当する携帯電話を判別することができ、極めて使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる車載用電子装置を車両に搭載した状態を示す図
【図2】同車載用電子装置の制御ブロック図
【図3】同車載用電子機器の正面図
【図4】同車載用充電機器の構成を示す図
【図5】同車載用電子機器の正面図
【図6】同車載用電子装置の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は車両本体を示し、この車両本体1の車内2前方にはハンドル3が配置され、またハンドル3の後方には、前席4、5、後席6、7が配置されている。
【0012】
また、車内2のハンドル3左方には車載用電子装置を構成する車載用電子機器8が配置され、さらに前席4、5間には、車載用電子装置を構成する車載用充電機器9が配置されている。
【0013】
また、前席4の右手前方には、スピーカ10が配置されている。さらに、前席5の左手前方には、スピーカ11が配置されている。
【0014】
さらにまた、後席6の右手前方には、スピーカ12が配置されている。さらに、後席7の左手前方には、スピーカ13が配置されている。
【0015】
図2は、車載用電子機器8と車載用充電機器9の制御ブロックを示している。
【0016】
すなわち、本実施形態の車載用電子装置は、複数の携帯電話(携帯機器の一例)14、15、16、17に対する充電が可能となった車載用充電機器9と、この車載用充電機器9で充電中の携帯電話14〜17からの情報を表示する車載用電子機器8とにより構成されている。
【0017】
また、前記車載用充電機器9は、図4のごとく複数の携帯電話14〜17が設置される4つ(複数)の設置エリア18、19、20、21を配置した充電台22と、図2に示すごとくこの充電台22の背面側に設けた充電コイル(充電手段の一例)23、24、25、26と、この充電コイル23〜26に接続した充電制御部27と、この充電制御部27に接続した充電通信部28とを有する。
【0018】
さらに、前記車載用電子機器8は、前記充電通信部28との通信を行う電子機器通信部29と、この電子機器通信部29に接続した電子機器制御部30と、この電子機器制御部
30に接続した表示部31とを有する。
【0019】
また、前記電子機器制御部30には、図3で示した各種入力部32、増幅部33、メモリ34、無線通信部35が接続されている。
【0020】
なお、携帯電話14〜17は、それぞれの端末制御部36に、それぞれの無線通信部37と充電コイル38を接続した構成となっている。
【0021】
以上の構成において、図2に示すごとく、車載用充電機器9の設置エリア18に携帯電話14を設置し、また設置エリア19に携帯電話15を設置し、さらに設置エリア20に携帯電話16を設置し、さらにまた設置エリア21に携帯電話17を設置して充電を開始した状態について説明する。
【0022】
このとき、車載用充電機器9の充電コイル23と携帯電話14の充電コイル38は、図2に示すごとく、充電台22を介して対向した状態となっている(他のものも同様になっている)。そして、このように車載用充電機器9の充電コイル23と携帯電話14の充電コイル38が対向すると、充電が開始される(図6のS1)。なお、充電コイル23と充電コイル38の対向により、設置エリア18に携帯電話14が設置されたことを検出する技術は、例えば、特開2009−247194号公報などにより知られているので、ここでは、説明の煩雑化を避けるために詳細な説明は省略する。
【0023】
さて、このような携帯電話14の充電時において、携帯電話14に着信があると(図6のS2)、携帯電話14の端末制御部36は、充電コイル38を介して車載用充電機器9に携帯電話14の着信を知らせる。具体的には、この着信は、充電コイル23を介して充電制御部27に伝達され、この充電制御部27によって、図4の設置エリア18に配置された携帯電話14に着信があったことが理解される(図6のS3)。
【0024】
充電制御部27は、充電通信部28を介して車載用電子機器8の電子機器通信部29に携帯電話14への着信があったことが通知される(図6のS4)。
【0025】
この電子機器通信部29に接続された電子機器制御部30は、設置エリア18に配置された携帯電話14に着信があったことを表示部31とスピーカ10に通知する(図6のS5、S6、S7)。
【0026】
この内スピーカ10は、図1に示したごとく、前席4の右手前方に配置されたものであるので、ここから着信を知らせる通知音が発せられると、前席4に着席している運転者の携帯電話14に着信があったことが報知される(図6のS8)。
【0027】
また、同時に表示部31には、図5のごとく、携帯電話14に着信があったことが表示される。具体的には、表示部31は、矩形状となっており、前席4を想定させる右上のコーナー部分に、前席4に着席している運転者の携帯電話14に着信があったことを知らせる着信マーク39を表示させ、これにより、前席4に着席している運転者の携帯電話14に着信があったことが報知される(図6のS8)。
【0028】
この例では、着信のあった携帯電話14は、運転者のものであるので、運転中には、これを取ることができないので、図5に示すごとく、表示部31には、着信マーク39が表示され続けることになる。
【0029】
またこれとは異なり、設置エリア19に設置された携帯電話15に着信があった場合には、図5に示すごとく、表示部31の右下コーナー部分に着信マーク40が表示されると
ともに、図1に示す後席6右手前方のスピーカ12から通知音による報知が行われるので、このときは、後席6に座る搭乗者が自分の携帯電話15を車載用充電機器9の充電台22から取り外して通話を行うことになる。この時は、図6のS9のごとく、携帯電話15に対応する充電コイル24への通電が停止されるとともに、図5に示した着信マーク40も消され、スピーカ12による通知も停止される(図6のS10)こととなる。
【0030】
その後、前席5に座る搭乗者の携帯電話16にメール着信があると、上述と同様にして、スピーカ11からの通知音による報知と、図5に示す表示部31の左上コーナーへのメール着信を示す着信マーク41が表示されることになる。そしてこれもメール確認のために、前席5に座る搭乗者が、自分の携帯電話16を車載用充電機器9の充電台22から取り外すと、図6のS9のごとく、携帯電話16に対応する充電コイル25への通電が停止されるとともに、図5に示した着信マーク41も消され、スピーカ11による通知も停止される(図6のS10)こととなる。
【0031】
以上のごとく、本実施形態においては、前記電子機器制御部30によって、前記充電台22の設置エリア18、19、20、21において充電されている前記携帯電話14、15、16、17の通信状態を、前記表示部31の、前記充電台22の設置エリア18、19、20、21に対応する部分に表示させる構成としたものであるので、例えば、携帯機器が携帯電話14、15、16、17であった場合の着信は、その設置エリア18、19、20、21に対応する部分に表示されるので、運転者であっても後部座席に座る者であっても、容易に該当する携帯電話14、15、16、17を判別することができ、極めて使い勝手の良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように本発明は、複数の携帯機器に対する充電が可能な車載用充電機器と、この車載用充電機器で充電中の携帯機器からの情報を表示する車載用電子機器とを備え、前記車載用充電機器は、複数の携帯機器が設置される複数の設置エリアを配置した充電台と、この充電台の背面側に設けた充電手段と、この充電手段に接続した充電制御部と、この充電制御部に接続した充電通信部とを有し、前記車載用電子機器は、前記充電通信部との通信を行う電子機器通信部と、この電子機器通信部に接続した電子機器制御部と、この電子機器制御部に接続した表示部とを有し、前記電子機器制御部は、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エリアに対応する部分に表示させる構成としたものであるので、極めて使い勝手の良いものとなる。
【0033】
すなわち、本発明においては、前記電子機器制御部によって、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エリアに対応する部分に表示させる構成としたものであるので、例えば、携帯機器が携帯電話であった場合の着信は、その設置エリアに対応する部分に表示されるので、運転者であっても後部座席に座る者であっても、容易に該当する携帯電話を判別することができ、極めて使い勝手の良いものとなる。したがって、車載用電子装置としての活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0034】
1 車両本体
2 車内
3 ハンドル
4、5 前席
6、7 後席
8 車載用電子機器
9 車載用充電機器
10、11、12、13 スピーカ
14、15、16、17 携帯電話(携帯機器の一例)
18、19、20、21 設置エリア
22 充電台
23、24、25、26 充電コイル(充電手段の一例)
27 充電制御部
28 充電通信部
29 電子機器通信部
30 電子機器制御部
32 各種入力部
33 増幅部
34 メモリ
35 無線通信部
36 端末制御部
37 無線通信部
38 充電コイル
39、40、41 着信マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯機器に対する充電が可能な車載用充電機器と、この車載用充電機器で充電中の携帯機器からの情報を表示する車載用電子機器とを備え、前記車載用充電機器は、複数の携帯機器が設置される複数の設置エリアを配置した充電台と、この充電台の背面側に設けた充電手段と、この充電手段に接続した充電制御部と、この充電制御部に接続した充電通信部とを有し、前記車載用電子機器は、前記充電通信部との通信を行う電子機器通信部と、この電子機器通信部に接続した電子機器制御部と、この電子機器制御部に接続した表示部とを有し、前記電子機器制御部は、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記表示部の、前記充電台の設置エリアに対応する部分に表示させる構成とした車載用電子装置。
【請求項2】
表示部を矩形状とし、そのコーナー部分に前記携帯機器の通信状態を表示させる構成とした請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項3】
充電台には4つの設置エリアを配置し、表示部の4つのコーナー部分に前記携帯機器の通信状態を表示させる構成とした請求項2に記載の車載用電子装置。
【請求項4】
車載用充電機器の充電手段は、充電台の背面側に設けた複数の充電コイルによって構成した請求項1から3のいずれか一つに記載の車載用電子装置。
【請求項5】
複数の携帯機器に対する充電が可能な車載用充電機器と、この車載用充電機器で充電中の携帯機器からの情報を表示する車載用電子機器とを備え、前記車載用充電機器は、複数の携帯機器が設置される複数の設置エリアを配置した充電台と、この充電台の背面側に設けた充電手段と、この充電手段に接続した充電制御部と、この充電制御部に接続した充電通信部とを有し、前記車載用電子機器は、前記充電通信部との通信を行う電子機器通信部と、この電子機器通信部に接続した電子機器制御部と、この電子機器制御部に接続した複数のスピーカとを有し、前記電子機器制御部は、前記充電台の設置エリアにおいて充電されている前記携帯機器の通信状態を、前記設置エリアに対応する部分のスピーカの発音によって報知させる構成とした車載用電子装置。
【請求項6】
車載用充電機器の充電手段は、充電台の背面側に設けた複数の充電コイルによって構成した請求項5に記載の車載用電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−86519(P2013−86519A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225594(P2011−225594)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【特許番号】特許第5110196号(P5110196)
【特許公報発行日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)