説明

車載端末装置及び迎車車両の配車方法

【課題】迎車依頼に対する利便性を向上した車載端末装置を提供する。
【解決手段】複数のタクシー2にそれぞれ搭載される複合型のタクシーメータ11であって、迎車を依頼する顧客が有する携帯端末41から入力された顧客の迎車依頼情報を、自タクシー2に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールによって受信する受信手段と、受信手段が受信したメールの迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所を生成して表示する表示器12と、表示器12に表示された迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合に操作される迎車スイッチ17と、迎車スイッチ17が操作された場合に、迎車依頼情報中に含まれる携帯端末41のメールアドレス宛に、車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力する迎車可能情報出力手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に固有に割り当てられた車両識別情報を車両の迎車を依頼する顧客が有する顧客端末装置に出力可能な車載端末装置及び迎車車両の配車方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が車両(例えば、タクシー)の迎車を依頼する場合、顧客は車両を配車する会社(配車センター)へ電話をし、配車センターは無線により特定の車両へ迎車を指示することにより依頼した顧客の元へ車両を配車していた。
【0003】
しかしながら、上述した配車方法では、配車センターは無線機を介して音声により特定の車両へ迎車を指示しているため、迎車場所等の聞き間違いが発生する等、効率的に配車を行えないという問題があった。
【0004】
そこで、インターネットを利用して効率的に車両(例えば、タクシー)を配車する方法として、例えば、特開2002−157308号公報(特許文献1)に記載されたタクシー配車システムが提案されている。
【0005】
このインターネットを利用したタクシー配車システムは、車両に搭載されてインターネット使用可能な小型端末により、車両の現在地等の現車情報を配車センターに通知し、配車センターは、小型端末より送られてきた現車情報を電子掲示板に表示する。
【0006】
そして、顧客が車両の迎車を依頼する場合、顧客はインターネットを使用して配車センターのサーバにアクセスし、電子掲示板の現車情報を閲覧することにより迎車可能な車両を探して車両に搭載された小型端末へ直接メールを送信する。
【0007】
顧客からのメールを受けた車両の運転者は、顧客の迎車依頼に応じられる場合、小型端末から顧客へその旨を通知して顧客が指定する場所へ向かうため、配車センターは効率的に配車を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−157308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述したインターネットを利用したタクシー配車システムでは、顧客からのメールを受けた車両の運転者が顧客の迎車依頼に応じられない場合、顧客は迎車依頼に応じられる車両が見つかるまで小型端末へメールを送信しなければならない。このため、迎車依頼に対する利便性が低下するという問題が発生する。
【0010】
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、迎車依頼に対する利便性を向上した車載端末装置及び迎車車両の配車方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した本発明の車載端末装置は、複数の車両にそれぞれ搭載される車載端末装置であって、迎車を依頼する顧客が有する顧客端末装置から入力された顧客の迎車依頼情報を、自車両に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールによって受信する受信手段と、前記受信手段が受信したメールの迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所を生成して表示する表示手段と、前記表示手段に表示された迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合に操作される操作手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記迎車依頼情報中に含まれる前記顧客端末装置のメールアドレス宛に、前記車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力する迎車可能情報出力手段とを有することを特徴とする。
【0012】
なお、請求項1に記載の車載端末装置の変形例として、
前記操作手段は、車両が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた操作スイッチであることを特徴とする車載端末装置とすることもできる。
【0013】
請求項2に記載した本発明の車載端末装置は、請求項1に記載の車載端末装置や、上記したその変形例の車載端末装置において、前記操作手段が操作された場合に、前記迎車可能情報中に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各車両にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、前記迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する迎車応答情報出力手段と、前記迎車応答情報出力手段により出力された迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信する迎車応答情報受信手段と、前記迎車応答情報受信手段により迎車応答情報のメールが受信された場合に、前記迎車応答情報のメールの送信元の車両が迎車依頼に応じたことを報知する報知手段とを更に有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載した本発明の車載端末装置は、請求項2に記載の車載端末装置において、前記報知手段が前記報知を行った際に、報知対象の迎車依頼と同じ迎車依頼に関する前記迎車可能情報出力手段による迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止手段を更に有することを特徴とする。
【0015】
なお、請求項3に記載した本発明の車載端末装置の変形例として、前記報知手段は、前記報知の際に、前記迎車可能情報出力手段が迎車可能情報の出力を禁止したことを示す出力禁止情報を前記表示手段に表示することを特徴とする車載端末装置とすることもできる。
【0016】
請求項4に記載した本発明の迎車車両の配車方法は、迎車を依頼する顧客が顧客端末装置から入力した迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所に迎車の車両を配車するための方法であって、前記迎車依頼情報を、各車両にそれぞれ割り当てた固有のメールアドレス宛のメールによって、各車両にそれぞれ搭載した車載端末装置に送信するステップと、各車両の車載端末装置により、自車両に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールを受信するステップと、前記受信したメールから抽出した前記迎車依頼情報中に含まれる前記迎車位置情報に基づいて、前記迎車指定場所を車載端末装置の表示手段に表示させるステップと、前記迎車依頼に応じる操作手段の操作に呼応して、前記迎車依頼情報中に含まれる前記顧客端末装置のメールアドレス宛に、前記車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
なお、請求項4に記載した本発明の迎車車両の配車方法の変形例として、前記迎車依頼に応じる操作手段の操作に呼応して、前記迎車可能情報中に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各車両にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、前記迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力するステップと、前記迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信するステップと、前記受信した迎車応答情報のメールの送信元の車両が迎車依頼に応じたことを報知するステップとを更に含むことを特徴とする迎車車両の配車方法とすることもできる。
【0018】
また、請求項4の変形例に係る迎車車両の配車方法の変形例として、前記迎車応答情報のメールの受信後に、前記迎車応答情報によって示される前記迎車依頼と同じ迎車依頼に関する前記迎車可能情報の、前記顧客端末装置のメールアドレス宛のメールによる送信を禁止するステップを更に含むことを特徴とする迎車車両の配車方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載した本発明の車載端末装置と、請求項4に記載した本発明の迎車車両の配車方法によれば、顧客が顧客端末装置から入力した迎車依頼情報のメールが各車両の車載端末装置に固有のメールアドレス宛に送信されると、各車両の車載端末装置が自メールアドレス宛のメールをそれぞれ受信し、迎車依頼情報中の迎車指定場所を表示手段に表示させる。
【0020】
迎車指定場所への迎車依頼に応じる操作を操作手段により行うと、車両識別情報を含む迎車可能情報が、迎車依頼情報中に含まれる顧客端末装置のメールアドレス宛にメールで送信される。
【0021】
したがって、顧客は迎車依頼情報を一度顧客端末装置から入力すれば、迎車依頼に応じる車両からの迎車可能情報のメールが届くまで、各車両に個別に迎車依頼情報を送信する必要がない。
【0022】
また、操作手段を操作すると、迎車依頼情報を出力した顧客端末装置に対して車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力するため、簡単な操作で顧客に迎車可能情報のメールを出力することができ、また、短時間で迎車依頼に応じることができる。
【0023】
従って、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0024】
なお、請求項1の変形例に係る車載端末装置によれば、操作手段は、車両が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた操作スイッチで構成されている。このため、車載端末装置を迎車状態に切り替るとともに、顧客端末装置に車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力することができる。
【0025】
このため、車両の運転者が顧客の迎車依頼に応じる際に作業数を少なくすることができ、運転者の利便性を向上することができる。
【0026】
請求項2に記載した本発明の車載端末装置や、請求項4に記載した本発明の迎車車両の配車方法の変形例によれば、操作手段が操作された場合に、迎車可能情報のメールを顧客端末装置に出力した車両以外の車両に搭載された車載端末装置に対して、迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する。
【0027】
そして、迎車可能情報のメールを顧客端末装置に出力した車両以外の車両では、車載端末装置が迎車応答情報をメールで受信した場合に、迎車応答情報のメールの送信元の車両が迎車依頼に応じたことを報知する。このため、その車両の運転者が迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができる。
【0028】
従って、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0029】
請求項3に記載した本発明の車載端末装置と、請求項4の変形例に係る迎車車両の配車方法の変形例によれば、迎車応答情報をメールで受信した車両では、車載端末装置が迎車可能情報のメールを顧客端末装置に出力することを禁止する。このため、顧客端末装置に複数の車両から迎車可能情報のメールが届くことがなく、さらに、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0030】
請求項4に記載した本発明の車載端末装置によれば、迎車可能情報のメールによる顧客端末装置への出力を禁止したことを示す出力禁止情報を表示手段に表示して、他の車両の車載端末装置が迎車可能情報をメールで顧客端末装置に出力したことを報知する。このため、車両の運転者は、表示手段を視認することにより、迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができ、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る車載端末装置を用いた配車方法を説明するための構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載端末装置を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る迎車依頼情報を送信する携帯端末のディスプレイの表示を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車載端末装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車情報処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車可能情報出力禁止処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る車載端末装置を用いた配車方法について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車載端末装置を用いた配車方法を説明するための構成図である。
【0033】
本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)は、複数の車両(タクシー)毎に搭載される装置であって、カーナビゲーション装置と無線公衆電話回線網によるデータ通信端末装置とを一体化した複合型のものである。
【0034】
このタクシーメータは、他のタクシーメータと、タクシーの迎車を依頼する顧客が有する顧客端末装置(携帯端末)との間で通信可能に接続されている。
【0035】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車載端末装置を用いた配車方法1は、複数のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11と、タクシー2の迎車を依頼する顧客が有する携帯端末41と、複数の車両2の運行を管理する配車センター3とから略構成されている。
【0036】
複数のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11のデータ通信端末装置には、搭載先のタクシー2に固有に割り当てられたメールアドレスが割り当てられている。
【0037】
そして、このタクシーメータ11は、搭載先のタクシー2の車両番号等の車両識別情報を、タクシー2の迎車を依頼する顧客が有する携帯端末41に、メールで送信可能に構成されている。
【0038】
携帯端末41は、配車センター3が配車サービスを提供するエリア内において、タクシー2の迎車を依頼することができる。
【0039】
配車センター3は、サーバを有しており、このサーバは、インタフェースを介して周知のインターネット4に接続されている。
【0040】
タクシー2の迎車を依頼する場合、顧客は携帯端末41により無線を利用した公衆電話回線網(パケット通信)により、無線基地5とインターネット4とを介して配車センター3が管理するサーバにアクセスする。
【0041】
サーバにアクセスした携帯端末41は、アプリケーションを実行する。このアプリケーションにより、顧客は、迎車指定場所の住所、迎車台数、迎車時刻、顧客の氏名、携帯端末41のメールアドレス等の迎車依頼情報を入力する。
【0042】
そして、入力された迎車依頼情報は、アプリケーションで設定されたメールアドレスに送信することにより、配車センター3へ送信される。あるいは、パケット通信でデータのまま配車センター3に送信してもよい。このとき、迎車指定場所の住所は、緯度経度の値に変換して送信される。
【0043】
送信された迎車依頼情報は、配車センター3によりインターネット5と無線基地4とを介して所定のタクシー(配車センターが契約する車両、迎車を提供するエリア内を営業区域とする車両)2に搭載されたタクシーメータ11へ送信する。
【0044】
ここで、複数のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11のデータ通信端末装置には、それぞれ固有のメールアドレスが割り当てられている。また、このメールアドレスは予め配車センター3のパーソナルコンピュータに記憶されている。
【0045】
このため、配車センター3は、携帯端末41から送信された迎車依頼情報をメールで自動的にタクシーメータ11へ送信する。
【0046】
迎車依頼情報のメールをデータ通信端末装置により受信したタクシーメータ11は、迎車依頼情報に基づいて顧客が依頼する迎車指定場所を表示器12に表示する。この迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合、タクシー2の運転者が後述する迎車スイッチ17を操作する。
【0047】
この迎車スイッチ17が操作されると、タクシーメータ11は迎車状態に切り替えられる。また、タクシーメータ11は、迎車依頼情報に含まれるメールアドレスに基づいて、携帯端末41に車両識別情報(車両番号等)を含む迎車可能情報を直接メールで送信する。
【0048】
また、後述する迎車スイッチ17が操作されると、迎車可能情報に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する所定の車両に搭載されたタクシーメータ11(つまり、他のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11)に対して、迎車情報に応じる迎車応答情報を直接メールで送信する。
【0049】
迎車応答情報のメールをデータ通信端末装置で受信したタクシーメータ11は、後述する迎車スイッチ17の操作が禁止(無効化)される。このため、迎車可能情報のメール送信が禁止される。また、迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止情報が表示器12に表示される。
【0050】
これにより、迎車応答情報を受信したタクシーメータ11を搭載したタクシー2の運転者は、他のタクシー2が携帯端末41へ迎車可能情報のメールを送信したこと(他のタクシー2の運転者が迎車依頼応じたこと)が報知される。
【0051】
迎車応答情報を受信したため、後述する迎車スイッチ17の操作が禁止(無効化)されたタクシーメータ11は、後述する解除スイッチ19を操作することにより、迎車スイッチ17の操作の禁止(無効化)が解除される。
【0052】
上述したように、タクシーメータ11が迎車応答情報をメールで受信した場合に、所定のタクシー2に迎車可能情報をメールで送信して報知する。このため、携帯端末41に対して複数のタクシー2から迎車可能情報のメールが送信されることがなく、顧客が迎車可能なタクシー2を選択する必要がない。
【0053】
また、所定のタクシー2に迎車可能情報をメールで送信して報知するため、迎車可能情報をメールで送信したタクシー2以外のタクシー2の運転者が迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができる。
【0054】
さらに、迎車可能情報のメール送信を禁止することにより、所定のタクシー2が迎車可能情報をメールで送信したことを報知するため、より迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0055】
次に、本発明の実施形態に係る車載端末装置について詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る車載端末装置を示す正面図である。
【0056】
図2に示すように、タクシーメータ(車載端末装置)11は、地図等を表示する表示器(表示手段)12と、タクシー(車両)の運転者が操作する複数の操作スイッチ13とから略構成されている。
【0057】
表示器(表示手段)12は、液晶表示装置等が用いられ、タクシーの現在位置を示す地図、顧客がタクシーの迎車を依頼する迎車指定場所、タリフ状態、車両の走行料金等の情報が表示される。操作スイッチ13は、例えば、プッシュスイッチ等が用いられている。
【0058】
この操作スイッチ13は、車両が乗客待ち等の空車状態であることを示す空車タリフが割り当てられた空車スイッチ14と、車両が賃走時であることを示す実車タリフが割り当てられた実車スイッチ15と、車両が割増運転時であることを示す割増タリフが割り当てられた割増スイッチ16とを有している。
【0059】
また、操作スイッチ13は、乗客(顧客)を迎えに行く際に車両が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた迎車スイッチ17と、顧客から車両の走行料金を受け取る時に設定された支払タリフが割り当てられた支払スイッチ18とを有している。
【0060】
なお、本発明の実施形態に係る迎車スイッチ17は、表示器12に表示された迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合に操作される操作手段として機能する。
【0061】
さらに、操作スイッチ13は、解除スイッチ19を有している。この解除スイッチ19を操作すると、上述したように、迎車応答情報を受信したために迎車スイッチ17の操作が禁止(無効化)された場合に操作の禁止が解除される。
【0062】
このように、タクシー2(図1参照)の運転者は、操作スイッチ13のうち、所望のスイッチを選択することにより、タクシー2の現在の運転状態等を設定することができる。
【0063】
また、操作スイッチ13のうち、所望のスイッチが選択されると、表示器12等にはタクシー2の現在の運転状態等が表示される。例えば、空車スイッチ13が選択された場合には、表示器12やウインドディスプレイ(図示省略)等に「空車」の文字が表示される。
【0064】
上記のように構成されたタクシーメータ11は、カーナビゲーション装置と無線公衆電話回線網によるデータ通信端末装置とが一体化されており、後で図4を参照して説明するように、位置情報取得手段(GPS受信機器等)29等が搭載されている。
【0065】
このため、GPS衛星から受信した信号から得られる位置座標データを基に現在地を割り出し、この現在地から目的地までの距離と方位を表示器12に表示することができる。
【0066】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る迎車依頼情報について詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る迎車依頼情報を送信する携帯端末のディスプレイの表示を示す平面図である。
【0067】
図3に示すように、携帯端末41は、迎車依頼情報等を表示するディスプレイ42を有している。このディスプレイ42には、配車センター3(図1参照)が配車サービスを提供するエリア内において利用することが可能なアプリケーションを実行することにより、顧客が迎車依頼情報を入力する迎車依頼情報入力画面43が表示される。
【0068】
迎車依頼情報入力画面43には、迎車指定場所の住所、迎車台数、迎車時刻、顧客の氏名、携帯電話メールメールアドレスを入力するための画面が表示され、顧客が携帯端末41を操作することにより入力する。
【0069】
迎車依頼情報入力画面43により、迎車依頼情報を入力した後、顧客が確認ボタン44を操作することにより、迎車依頼情報確認画面45が表示される。そして、顧客が携帯端末41により送信ボタン46を操作すると、迎車依頼情報確認画面45に表示された迎車依頼情報がメールで(又はデータのままで)送信される。
【0070】
一方、顧客が携帯端末41により戻るボタン47を操作すると、迎車依頼情報入力画面43に戻るため、迎車依頼情報確認画面45に表示された情報の訂正等を行うことができる。
【0071】
次に、図4を参照して、本発明の実施形態に係る車載端末装置の詳細な構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る車載端末装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0072】
図4に示すように、タクシーメータ11は、該タクシーメータ11全体を制御すると共に、後述する迎車情報処理又は迎車可能情報出力禁止処理を制御する中央演算処理装置(CPU)21を備えている。
【0073】
CPU21には、ROM(read only memory)22と、RAM(random access memory)23と、カードR/W(リーダライタ)インタフェース(I/F)24とが接続されている。
【0074】
また、CPU21には、表示器(LCD(Liquid Crystal Display))25と、RTC(時計IC(Integrated Circuit))26と、解除スイッチ19とが接続されている。
【0075】
また、車載端末装置11は、複数のインタフェース(I/F)31から33を有し、外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27と、外部機器(プリンタ)28と、位置情報取得手段(GPS(global positioning system)受信機器等)29、ETC(electronic toll collection)車載器30の各々とCPU21との接続が可能な構成となっている。
【0076】
CPU21は、ROM22に記憶されている各種制御プログラムにしたがって、本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。
【0077】
ROM22は、上記制御プログラムや車両の走行料金を示す料金情報等の各種情報を記憶している。また、RAM23は、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。
【0078】
カードR/W(リーダライタ)インタフェース(I/F)24は、挿入されたメモリカード25に指定されたデータ等の書き込み、読み込みを行う。
【0079】
また、メモリカード25は、CPU21によって、迎車動作を実行した回数等を含む車両の運行データが書き込まれている。このメモリカード25は、運行データを解析する解析装置に接続することにより運行データを解析装置に取り込むことができる。
【0080】
表示器(LCD)12は、CPU21からの要求に応じて車両の現在位置や顧客が依頼する迎車指定場所等、CPU21からの要求に応じて各種情報の表示を行う。
【0081】
なお、本発明の実施形態に係る表示器12は、外部機器(通信モジュール)27により入力された迎車依頼情報に基づいて顧客が依頼する迎車指定場所を表示する表示手段として機能する。
【0082】
RTC(時計IC)26は、日時、時刻等の時計データをCPU21に出力する。解除スイッチ19は、迎車応答情報を受信したために迎車スイッチ17の操作が禁止(無効化)された場合に操作することにより禁止を解除する。
【0083】
外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27は、携帯端末41から出力された迎車依頼情報の入力、携帯端末41に対して車両識別情報を含む迎車可能情報の出力、他のタクシーメータ11に対して迎車応答情報の出力、他のタクシーメータ11からの迎車応答情報の入力等を行う。
【0084】
これにより、本発明の実施形態に係る外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27は、迎車を依頼する顧客が有する携帯端末41から入力された顧客の迎車依頼情報を、自タクシー2に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールによって受信する受信手段、迎車スイッチ17が操作された場合に、迎車依頼情報中に含まれる携帯端末41のメールアドレス宛に、車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力する迎車可能情報出力手段として機能する。
【0085】
また、本発明の実施形態に係る外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27は、迎車スイッチ17が操作された場合に、迎車可能情報中に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各タクシー2に搭載されたタクシーメータ11にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する迎車応答情報出力手段と、この迎車応答情報出力手段により出力された迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信する迎車応答情報受信手段として機能する。
【0086】
外部機器(プリンタ)28は、インタフェース31を解してCPU11に接続されている。外部機器28は、CPU11の制御によってタクシー料金の支払い時に領収書等を出力する。
【0087】
位置情報取得手段(GPS受信機器等)29は、搭載された車両の現在位置を検出するために複数の人工衛星が発射する電波を受信して、インタフェース32を介して車両の位置情報をCPU21に出力している。
【0088】
ETC車載器30は、有料道路上のゲートに設置された無線式の料金処理装置との間で無線通信を行い、装着されたカードに記憶されている電子現金情報によって有料道路における通行料金の自動収受を行う自動料金収受システム(ETC)に用いられる。
【0089】
また、CPU21には、車両の速度に対応したスピード入力信号が入力される。そして、CPU21は、この入力されたスピード入力信号に基づいて車両の走行距離を算出し、この走行距離に基づいた車両走行料金等を算出して表示器12に表示する。
【0090】
さらに、CPU21には、操作スイッチ13(図1参照)の操作に応じたタリフ状態のデータが入力される。CPU11は、この操作スイッチ13の押圧操作に応じて、車両の現在の運転状態を表示器12に表示する。
【0091】
そして、CPU21は、外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27により入力された迎車依頼情報に基づいて顧客が依頼する迎車指定場所を表示器12に表示するため、迎車依頼情報に基づいて迎車指定場所を生成する処理を行う。
【0092】
上述した本発明の実施形態に係るCPU21は、外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27により迎車応答情報が入力された場合に、所定のタクシー2が外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27により迎車可能情報を出力したことを報知する報知手段として機能する。
【0093】
また、本発明の実施形態に係るCPU21は、外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27による迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止手段として機能する。
【0094】
このため、CPU21は、迎車可能情報の出力を禁止することにより所定のタクシー2が外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27により迎車可能情報を出力したこと(他のタクシー2の運転者が迎車依頼応じたこと)を報知する。
【0095】
また、本発明の実施形態に係るCPU21は、外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27による迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止情報を生成して表示器12に表示する。これにより、CPU21は、所定のタクシー2が外部機器(通信モジュール、データ通信端末装置)27により迎車可能情報を出力したこと(他のタクシー2の運転者が迎車依頼応じたこと)を報知する。
【0096】
次に、本発明の実施形態に係る車載端末装置11の動作を、図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。図5は、本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車情報処理を示すフローチャートである。図6は、本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車可能情報出力禁止処理を示すフローチャートである。
【0097】
はじめに、図5を参照して、本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車情報処理について詳細に説明する。
【0098】
CPU21は、通信モジュール(データ通信端末装置)27(図4参照)により、顧客から送信された迎車依頼情報のメールを受信して、位置情報取得手段(GPS受信機器等、図4参照)29により、目的地座標データ等を受信する(ステップS101)。
【0099】
目的地座標データは、顧客の有する携帯端末41のGPS機能を付加したメールを受信することにより取得、又は、顧客が携帯端末41を操作することにより入力した迎車指定場所(図3参照)の住所に基づいて緯度経度の値に変換されたデータから取得する。
【0100】
次に、CPU21は、顧客が送信した迎車依頼情報のメールに基づいて、表示器12(図1参照)に迎車確認画面表示、迎車地表示を行う(ステップS102)。つまり、CPU21は、表示器12に、顧客が送信した迎車依頼情報のメールに基づいて、迎車指定場所の地図、迎車台数、迎車時刻等を表示する。
【0101】
次に、CPU21は、迎車可能か否かを判定する(ステップS103)。つまり、CPU21は、迎車スイッチ17を操作することにより、表示器12に表示された迎車指定場所に対応する迎車依頼に応じたか否かを判断する。
【0102】
CPU21は、迎車可能ではないと判断した場合(ステップS103:NO)、つまり、迎車スイッチ17を操作していないと判断した場合には、迎車不可情報に迎車不可メッセージを添付して(ステップS104)、処理をステップS107へ移す。
【0103】
なお、多数のタクシー2が迎車不可情報をメールで顧客の携帯端末41に送信すると、顧客の携帯端末41が多数のメールを受信するおそれがある場合には、迎車不可情報を送信せずに処理をステップS101へ移すように処理してもよい。
【0104】
一方、CPU21は、迎車可能であると判断した場合(ステップS103:YES)、つまり、迎車スイッチ17を操作したと判断した場合には、迎車可能情報に迎車可能メッセージを添付する(ステップS105)。この迎車可能メッセージには、車両識別情報(車両番号等)が含まれている。
【0105】
次に、CPU21は、迎車スイッチ(操作手段)17の操作に基づいてタクシーメータ11を迎車状態に切り替える(ステップS106)。CPU21は、タクシーメータ11を迎車状態に切り替えると、表示器12にタクシー2が顧客を迎えに行く迎車状態であることを表示する。
【0106】
メータを迎車に切り替えると、CPU21は、顧客へメールを送信する(ステップS107)。つまり、CPU21は、ステップS101で受信した迎車依頼情報に含まれるメールアドレスに基づいて、携帯端末41に車両識別情報(車両番号等)を含む迎車可能情報を直接メールで送信する。
【0107】
このように、操作手段は、タクシー2が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた迎車スイッチ17で構成されている。このため、タクシーメータ11を迎車状態に切り替るとともに、携帯端末41に車両識別情報を含む迎車可能情報を出力することができる。
【0108】
次に、CPU21は、周辺車両へメールを送信する(ステップS108)。つまり、CPU21は、迎車可能情報に含まれる車両識別以外の車両識別情報を有する所定の車両に搭載されたタクシーメータ11(つまり、他のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11)に対して、迎車情報に応じる迎車応答情報を直接メールで送信する。この処理を終了すると、CPU21は、処理をステップS101へ戻す。
【0109】
このように、タクシーメータ11に迎車応答情報が入力された場合に、所定のタクシー2が迎車可能情報を出力したことを報知する。このため、携帯端末41に複数のタクシー2から迎車可能情報が入力されることがなく、顧客が迎車可能な車両を選択する必要がない。
【0110】
また、操作手段(迎車スイッチ)17を操作すると、迎車依頼情報を出力した携帯端末41に対して車両識別情報を含む迎車可能情報を出力するため、簡単な操作で顧客に迎車可能情報を出力することができ、また、短時間で迎車依頼に応じることができる。
【0111】
さらに、操作手段(迎車スイッチ)17が操作された場合に、所定のタクシー2に搭載されたタクシーメータ11に対して迎車依頼に応じる迎車応答情報を出力するため、迎車可能情報を出力したタクシー2以外のタクシー2の運転者が迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができる。
【0112】
次に、図6を参照して、本発明の実施形態に係る車載端末装置の迎車可能情報出力禁止処理について詳細に説明する。
【0113】
はじめに、CPU21は、他車両からの迎車可メールを受信したか否かを判断する(ステップS201)。つまり、CPU21は、図5のステップS107において送信された迎車情報に応じる迎車応答情報のメールを受信したか否かを判断する。CPU21は、他車両からの迎車可メールを受信していないと判断したときには(ステップS201:NO)、他車両からの迎車可メールを受信するまで待機する。
【0114】
一方、他車両からの迎車可メールを受信したと判断した場合には(ステップS201:YES)、迎車可能送信操作を停止する(ステップS202)。つまり、迎車応答情報を受信したタクシーメータ11は、迎車スイッチ17の操作が禁止(無効化)されるため、迎車可能情報のメール送信が禁止される。
【0115】
このように、迎車可能情報の出力を禁止することにより、所定のタクシー2が迎車可能情報を出力したことを報知する。このため、携帯端末41に複数のタクシー2から迎車可能情報が入力されることがなく、さらに、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0116】
次に、CPU21は、迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止情報(メッセージ)を表示器12に表示する(ステップS203)。
【0117】
このように、迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止情報を表示器12に表示して所定のタクシー2が迎車可能情報を出力したことを報知する。従って、タクシー2の運転者は、表示器12を視認することにより、迎車可能情報を出力することができないこと(迎車に応じることができないこと)を容易に把握することができる。
【0118】
次に、CPU21は、解除スイッチ19の操作(了解操作)が完了したか否かを判断する(ステップS204)。つまり、CPU21は、迎車応答情報を受信したために禁止(無効化)された迎車スイッチ17の操作を解除スイッチ20により解除したか否かを判断する。
【0119】
CPU21は、了解操作が完了していないと判断したときには(ステップS204:NO)、了解操作が完了するまで待機する。つまり、CPU21は、解除スイッチ19の操作が完了するまで待機する。
【0120】
一方、了解操作が完了したと判断したときには(ステップS204:YES)、CPU21は、ステップS201へ処理を戻す。CPU21は、解除スイッチ19を操作すると禁止された迎車スイッチ17の操作を解除する。
【0121】
このようにして、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11は、複数の車両(タクシー)2に搭載されて複数の車両2に固有に割り当てられた車両識別情報を車両2の迎車を依頼する顧客が有する顧客端末装置(携帯端末)41に出力可能な車載端末装置(タクシーメータ)11であって、顧客端末装置41から出力された顧客の迎車依頼情報をメールで受信する受信手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)と、受信手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)により受信されたメールの迎車依頼情報に基づいて顧客が依頼する迎車指定場所を生成して表示する表示手段(表示器)12と、表示手段12に表示された迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合に操作される操作手段(迎車スイッチ)17と、操作手段(迎車スイッチ)17が操作された場合に、迎車依頼情報中の顧客端末装置41のメールアドレスに対して車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力する迎車可能情報出力手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)とを有する。
【0122】
また、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11は、操作手段(迎車スイッチ)17は、車両が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた操作スイッチ(迎車スイッチ)17である。
【0123】
さらに、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11は、操作手段(迎車スイッチ)17が操作された場合に、迎車可能情報に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各車両2に搭載された車載端末装置11にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、前記迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する迎車応答情報出力手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)と、迎車応答情報出力手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)により出力された迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信する迎車応答情報受信手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)と、迎車応答情報受信手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)により迎車応答情報のメールが受信された場合に、迎車応答情報のメールの送信元の車両(2)が迎車依頼に応じたことを報知する報知手段(例えば、CPU21)とを更に有する。
【0124】
また、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11は、報知手段(例えば、CPU21)が報知を行った際に、報知対象の迎車依頼と同じ迎車依頼に関する迎車可能情報出力手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)による迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止手段(例えば、CPU21)を更に有する。
【0125】
さらに、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11は、報知手段(例えば、CPU21)は、報知の際に、迎車可能情報出力手段(例えば、CPU21、外部機器(通信モジュール)27)が迎車可能情報の出力を禁止したことを示す出力禁止情報を表示手段(表示器)12に表示する。
【0126】
さらに、本発明の実施形態に係る迎車車両の配車方法は、迎車を依頼する顧客が携帯端末41から入力した迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所に迎車のタクシー2を配車するための方法であって、
迎車依頼情報を、各タクシー2にそれぞれ割り当てた固有のメールアドレス宛のメールによって、各タクシー2にそれぞれ搭載した車載端末装置(タクシーメータ)11に送信するステップと、
各タクシー2の車載端末装置(タクシーメータ)11により、自タクシー2に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールを受信するステップと、
受信したメールから抽出した迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、迎車指定場所を車載端末装置(タクシーメータ)11の表示手段(表示器)12に表示させるステップと、
迎車依頼に応じる操作手段(迎車スイッチ)17の操作に呼応して、迎車依頼情報中に含まれる携帯端末41のメールアドレス宛に、車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0127】
また、本発明の実施形態に係る迎車車両の配車方法は、迎車依頼に応じる操作手段(迎車スイッチ)17の操作に呼応して、迎車可能情報中に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各タクシー2にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力するステップと、迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信するステップと、受信した迎車応答情報のメールの送信元のタクシー2が迎車依頼に応じたことを報知するステップとを更に含むことを特徴とする。
【0128】
さらに、本発明の実施形態に係る迎車車両の配車方法は、迎車応答情報のメールの受信後に、迎車応答情報によって示される迎車依頼と同じ迎車依頼に関する迎車可能情報の、携帯端末41のメールアドレス宛のメールによる送信を禁止するステップを更に含むことを特徴とする。
【0129】
そして、本発明の実施形態に係る車載端末装置(タクシーメータ)11と迎車車両の配車方法によれば、顧客が携帯端末41から入力した迎車依頼情報のメールが各タクシー2の車載端末装置(タクシーメータ)11に固有のメールアドレス宛に送信されると、各タクシー2の車載端末装置(タクシーメータ)11が自メールアドレス宛のメールをそれぞれ受信し、迎車依頼情報中の迎車指定場所を表示手段(表示器)12に表示させる。
【0130】
迎車指定場所への迎車依頼に応じる操作を操作手段(迎車スイッチ)17により行うと、車両識別情報を含む迎車可能情報が、迎車依頼情報中に含まれる携帯端末41のメールアドレス宛にメールで送信される。
【0131】
したがって、顧客は迎車依頼情報を一度携帯端末41から入力すれば、迎車依頼に応じるタクシーからの迎車可能情報のメールが届くまで、各タクシー2に個別に迎車依頼情報を送信する必要がない。
【0132】
また、タクシー2では、操作手段(迎車スイッチ)17を操作すると、迎車依頼情報を出力した携帯端末41に対して車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力するため、簡単な操作で顧客に迎車可能情報のメールを出力することができ、また、短時間で迎車依頼に応じることができる。
【0133】
従って、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0134】
また、操作手段17は、タクシー2が迎車状態であることを示す迎車タリフが割り当てられた操作スイッチ(迎車スイッチ)17で構成されている。このため、車載端末装置(タクシーメータ)11を迎車状態に切り替るとともに、携帯端末41に車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力することができる。
【0135】
このため、タクシー2の運転者が顧客の迎車依頼に応じる際に作業数を少なくすることができ、運転者の利便性を向上することができる。
【0136】
さらに、操作手段(迎車スイッチ)17が操作された場合に、迎車可能情報のメールを携帯端末41に出力したタクシー2以外のタクシー2に搭載された車載端末装置(タクシーメータ)11に対して、迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する。
【0137】
そして、迎車可能情報のメールを携帯端末41に出力したタクシー2以外のタクシー2では、車載端末装置(タクシーメータ)11が迎車応答情報をメールで受信した場合に、迎車応答情報のメールの送信元のタクシー2が迎車依頼に応じたことを報知する。このため、そのタクシー2の運転者が迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができる。
【0138】
従って、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0139】
また、迎車応答情報をメールで受信したタクシー2では、車載端末装置(タクシーメータ)11が迎車可能情報のメールを携帯端末41に出力することを禁止する。このため、携帯端末41に複数のタクシー2から迎車可能情報のメールが届くことがなく、さらに、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0140】
さらに、迎車可能情報のメールによる携帯端末41への出力を禁止したことを示す出力禁止情報を表示手段(表示器)12に表示して、他のタクシー2の車載端末装置(タクシーメータ)11が迎車可能情報をメールで携帯端末41に出力したことを報知する。このため、タクシー2の運転者は、表示手段(表示器)12を視認することにより、迎車依頼に応じることができないことを容易に把握することができる。
【0141】
従って、迎車依頼に対する利便性を向上することができる。
【0142】
以上、本発明の車載端末装置(タクシーメータ)を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0143】
例えば、上記した実施形態では、タクシーメータ11がカーナビゲーション装置と無線公衆電話回線網によるデータ通信端末装置とを一体化した複合型のものである場合について説明したが、これに限定されない。
【0144】
例えば、タクシーメータが、カーナビゲーション装置と無線公衆電話回線網によるデータ通信端末装置とが別体であってもそれぞれが電気的に接続されていればよい。
【0145】
また、上述した実施形態では、顧客端末装置は、携帯電話41である場合について説明したが、顧客端末装置は、インターネット接続可能な端末装置であれば固定された端末装置又は移動可能な端末装置であってもよい。
【0146】
さらに、上述した実施形態では、表示器12に迎車可能情報の出力を禁止したことを示す出力禁止情報を表示する場合について説明したが、スピーカ等により車両の運転者に迎車可能情報の出力を禁止したことを報知してもよい。
【0147】
また、上述した実施形態では、解除ボタン19により迎車可能情報の出力の禁止を解除する場合について説明したが、表示器12をタッチパネル等で構成して、所定のアイコン等に触れることにより迎車可能情報の出力の禁止を解除してもよい。
【0148】
さらに、上述した実施形態では、顧客が入力した迎車依頼情報はアプリケーションで設定されたメールアドレスに送信される場合について説明したが、アプリケーションで設定されたプライベートアドレスのホームページにデータをパケット通信で送信してもよい。
【0149】
また、上述した実施形態では、タクシーメータ11は、迎車依頼情報に含まれるメールアドレスに基づいて、携帯端末41に迎車可能情報を直接メールで送信する場合について説明したが適宜変更が可能である。
【0150】
例えば、タクシーメータ11が配車センター3に迎車可能情報をメールで送信して、配車センター3から携帯端末41に迎車可能情報をメールで送信してもよい。
【0151】
さらに、上述した実施形態では、迎車可能情報に含まれる車両識別以外の車両識別情報を有する所定の車両に搭載されたタクシーメータ11に対して、迎車情報に応じる迎車応答情報をメールで送信する場合について説明したが適宜変更が可能である。
【0152】
例えば、タクシーメータ11が配車センター3に迎車応答情報を送信して、配車センター3から他のタクシー2のタクシーメータ11に迎車可能情報をメールで送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、迎車依頼に対する利便性を向上した車載端末装置と迎車車両の配車方法を提供する上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0154】
1 配車方法
2 タクシー(車両)
11 タクシーメータ(車載端末装置)
12 表示器(LCD)
13 操作スイッチ
14 空車スイッチ
15 実車スイッチ
16 割増スイッチ
17 迎車スイッチ
18 支払スイッチ
19 貸切スイッチ
20 解除スイッチ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 カードR/Wインタフェース
25 メモリカード
26 RTC(時計IC)
27 外部機器(通信モジュール)
28 外部機器(プリンタ)
29 位置情報取得手段(GPS受信機器等)
30 ETC車載器
41 携帯端末(顧客端末装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両にそれぞれ搭載される車載端末装置であって、
迎車を依頼する顧客が有する顧客端末装置から入力された顧客の迎車依頼情報を、自車両に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールによって受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したメールの迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所を生成して表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された迎車指定場所に対する迎車依頼に応じる場合に操作される操作手段と、
前記操作手段が操作された場合に、前記迎車依頼情報中に含まれる前記顧客端末装置のメールアドレス宛に、前記車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで出力する迎車可能情報出力手段とを有することを特徴とする車載端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載端末装置において、
前記操作手段が操作された場合に、前記迎車可能情報中に含まれる車両識別情報以外の車両識別情報を有する各車両にそれぞれ対応するメールアドレス宛に、前記迎車依頼に応じる旨を示す迎車応答情報をメールで出力する迎車応答情報出力手段と、
前記迎車応答情報出力手段により出力された迎車応答情報の自メールアドレス宛のメールを受信する迎車応答情報受信手段と、
前記迎車応答情報受信手段により迎車応答情報のメールが受信された場合に、前記迎車応答情報のメールの送信元の車両が迎車依頼に応じたことを報知する報知手段(21)とを更に有することを特徴とする車載端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載端末装置において、
前記報知手段が前記報知を行った際に、報知対象の迎車依頼と同じ迎車依頼に関する前記迎車可能情報出力手段による迎車可能情報の出力を禁止する出力禁止手段を更に有することを特徴とする車載端末装置。
【請求項4】
迎車を依頼する顧客が顧客端末装置から入力した迎車依頼情報中に含まれる迎車位置情報に基づいて、顧客が依頼する迎車指定場所に迎車の車両を配車するための方法であって、
前記迎車依頼情報を、各車両にそれぞれ割り当てた固有のメールアドレス宛のメールによって、各車両にそれぞれ搭載した車載端末装置に送信するステップと、
各車両の車載端末装置により、自車両に割り当てられた固有のメールアドレス宛のメールを受信するステップと、
前記受信したメールから抽出した前記迎車依頼情報中に含まれる前記迎車位置情報に基づいて、前記迎車指定場所を車載端末装置の表示手段に表示させるステップと、
前記迎車依頼に応じる操作手段の操作に呼応して、前記迎車依頼情報中に含まれる前記顧客端末装置のメールアドレス宛に、前記車両識別情報を含む迎車可能情報をメールで送信するステップと、
を含むことを特徴とする迎車車両の配車方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−243187(P2012−243187A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114466(P2011−114466)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(501418498)矢崎エナジーシステム株式会社 (79)
【Fターム(参考)】