説明

車載装置、アプリケーション実行システムおよび電池消耗度表示方法

【課題】スマートフォン等の携帯端末を車載装置に無線で接続して使用する場合に、携帯端末の電池切れをできるだけ回避できる「車載装置、アプリケーション実行システムおよび電池消耗度表示方法」を提供する。
【解決手段】車載装置100に接続された携帯端末200でアプリケーションを使用することによる電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する電池減衰量検出部110と、当該検出した減衰量に基づいて、携帯端末200での電池消耗度を表す電池消耗度情報を表示部103に表示させる消耗度表示部111とを備え、携帯端末200でのアプリケーションの使用によってどの程度の消耗度で電池充電量が減衰していくのかが車載装置100の画面表示によってユーザに提示されるようにすることにより、携帯端末200の電池充電量に見合った消耗度のアプリケーションをユーザが選択しやすくなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、アプリケーション実行システムおよび電池消耗度表示方法に関し、特に、携帯端末および当該携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置を備えて成るアプリケーション実行システムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA)の機能とを融合させた携帯端末が提供されている。この種の携帯端末は、スマートフォンと呼ばれており、通常の通話機能だけでなく、PDAが得意とする各種のアプリケーション機能を持っている。多くのスマートフォンは、タッチパネル画面を備えている。このタッチパネル画面には、通話を含む複数のアプリケーションを利用するための操作キー(アイコン)が表示され、当該アイコンのタッチ操作によって所望のアプリケーションを簡単に起動できるようになされている。
【0003】
スマートフォンと連携可能になされた車載装置において、スマートフォンのタッチパネル画面に表示されている複数のアイコンのうち、車載装置で実際に利用可能なアプリケーションに対応するアイコンのみを車載装置の画面に表示させる技術も提案されている。この技術を用いれば、車載装置で利用できないアプリケーションのアイコンは車載装置に表示されないので、アイコンを操作しているのにアプリケーションが起動しないといった不都合を回避することができる。
【0004】
スマートフォンのような携帯端末は、充電バッテリを用いて駆動されており、バッテリの消耗を少なくして使用可能時間の拡大を図る試みがなされている。また、バッテリの残量が所定量以下になったかどうかを判断し、所定量以下になったときに、あらかじめ定めた優先順位より下位のアプリケーションの実行を禁止することにより、優先順位の高いユーザ所望のアプリケーションをできるだけ長い時間使えるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
一方、USB(Universal Serial Bus)等の有線あるいはブルートゥース等の無線によってスマートフォンと連携し、スマートフォンにインストールされたアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置も提供されつつある。この種の車載装置では、車載装置が対応するリソースの1つにスマートフォンを割り当て、リソース選択画面でスマートフォンを選択することにより、スマートフォンのアプリケーションに対する操作を車載装置において行うことができるようになされている。
【0006】
スマートフォンを車載装置にUSBで接続した場合には、車載装置からスマートフォンに対して動作電源が供給されるため、スマートフォンのバッテリ残量を気にせずアプリケーションを実行することが可能である。しかしながら、スマートフォンを車載装置に無線で接続した場合は、車載装置からスマートフォンに対して動作電源が供給されない。そのため、スマートフォンのバッテリ残量によっては、アプリケーションの使用中に電池切れになってしまうことがあるという問題があった。特に、スマートフォンを車載装置に繋いで使用する場合は、走行中の長時間にわたって使用する可能性が高いため、電池切れの問題が生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−89104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、スマートフォン等の携帯端末を車載装置に無線で接続して使用する場合に、携帯端末の電池切れをできるだけ回避できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明の車載装置では、当該車載装置に接続された携帯端末でアプリケーションを使用することによる携帯端末の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出し、当該検出した減衰量に基づいて、携帯端末での電池消耗度を表す情報を表示するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、携帯端末でアプリケーションを使用した場合に、その使用によってどの程度の消耗度で電池充電量が減衰していくのかが画面表示によってユーザに提示される。これによりユーザは、携帯端末の電池充電量に見合った消耗度のアプリケーションを選択して実行することができ、携帯端末の電池切れをできるだけ回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による車載装置の表示部に表示される電池消耗度情報の例を示す図である。
【図3】第1の実施形態による車載装置の表示部に表示される電池消耗度情報の他の例を示す図である。
【図4】第1の実施形態による車載装置の表示部に表示される電池消耗度情報の他の例を示す図である。
【図5】第1の実施形態による車載装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態による車載装置の表示部に表示される電池消耗度情報の例を示す図である。
【図8】第2の実施形態による車載装置の表示部に表示される電池消耗度情報の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態によるアプリケーション実行システムは、車載装置100とスマートフォン等の携帯端末200とを無線により接続して構成されている。第1の実施形態による車載装置100は、携帯端末200と連携して携帯端末200側のアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという)の機能を利用可能に成されている。
【0013】
車載装置100は、通信部101、操作部102、表示部103、画面表示制御部104、利用可否判定部105、アプリケーション管理テーブル106、指示判定部107、動作実行制御部108、動作停止制御部109、電池減衰量検出部110および消耗度表示部111を備えて構成されている。
【0014】
また、携帯端末200は、通信部201、操作部202、表示部203、画面表示制御部204、アプリケーション記憶部205、アイコン記憶部206、動作制御部207、電池208、電池充電量検出部209および連携処理部210を備えて構成されている。
【0015】
車載装置100の通信部101および携帯端末200の通信部201は、車載装置100と携帯端末200とが接続された状態において、相互に各種のデータを通信する。例えば、通信部101,201は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの識別情報(例えば、ファイル名など)、アプリケーション起動用のアイコン、アプリケーションの実行結果を示す画面情報(以下、アプリケーション画面という)、携帯端末200の電池充電量(充電残量)を示す充電量情報などを携帯端末200から車載装置100に通信する。また、通信部101,201は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの起動命令、動作実行命令、動作停止命令などのコマンド情報を車載装置100から携帯端末200に通信する。
【0016】
通信部101,201は、車載装置100と携帯端末200とが接続状態にあるか否かを検出する機能を有している。すなわち、通信部101,201は、車載装置100と携帯端末200とがブルートゥース等の無線通信圏内に入ったときに、相互に所定の通信を行うことによって接続状態が確立したか否かを検出する。接続状態にあることを検出した場合、通信部101は、その旨を利用可否判定部105および電池減衰量検出部110に通知する。
【0017】
車載装置100の操作部102は、ユーザが車載装置100に対して各種の指示を行うためのものであり、例えばタッチパネルにより構成される。なお、操作部102はタッチパネルである必要はなく、例えばリモコンであってもよい。表示部103は、各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。この表示部103には、携帯端末200から送られてくるアイコン、アプリケーション画面、携帯端末200での電池消耗度を表す電池消耗度情報(詳しくは後述する)などが表示される。
【0018】
画面表示制御部104は、表示部103に対する上述した各種情報の表示を制御する。本実施形態において画面表示制御部104は、携帯端末200から送られてくるアイコンを表示部103に表示するときに、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを表示し、車載装置100で利用できないアプリケーションに対応するアイコンは表示しないように制御する。
【0019】
車載装置100で利用できるアプリケーションか否かの判定は、利用可否判定部105が行う。その利用可否判定には、アプリケーション管理テーブル106に記憶されている管理情報を用いる。アプリケーション管理テーブル106は、車載装置100で利用できるアプリケーションの識別情報(ファイル名)をあらかじめ記憶している。利用可否判定部105は、通信部101が携帯端末200から受信したアプリケーションの識別情報と、アプリケーション管理テーブル106に記憶されているアプリケーションの識別情報とを比較することにより、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうち車載装置100で利用できるアプリケーションを判別する。
【0020】
利用可否判定部105は、車載装置100で利用できるアプリケーションを画面表示制御部104に通知する。この通知を受けた画面表示制御部104は、通信部101が携帯端末200から受信したアイコンのうち、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを表示部103に表示するように制御する。なお、利用可否判定部105で判定した結果を、通信部101を介して携帯端末200に通知することにより、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを携帯端末200から車載装置100に送信し、それを画面表示制御部104が表示部103に表示するように制御してもよい。
【0021】
指示判定部107は、操作部102への操作を通じて車載装置100に対して行われた指示の種類を判定する。例えば、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアイコンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの起動指示が行われたか否かを判定する。起動指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその旨を動作実行制御部108および電池減衰量検出部110に通知する。
【0022】
上記通知を受けた動作実行制御部108は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの起動命令を送信する。この起動命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。また、上記通知を受けた電池減衰量検出部110は、携帯端末200に問い合わせをすることにより、起動されたアプリケーションを携帯端末200で使用することによる当該携帯端末200の電池充電量(充電残量)に関する単位時間当たりの減衰量を検出する。
【0023】
また、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアプリケーション画面に設けられている各種操作ボタンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対する動作実行指示が行われたか否かを判定する。動作実行指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその指示の内容を動作実行制御部108に通知する。この通知を受けた動作実行制御部108は、通信部101を介して携帯端末200に対して動作実行命令を送信する。この動作実行命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。
【0024】
また、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアプリケーション画面に設けられているシャットダウンボタンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対する動作停止指示が行われたか否かを判定する。動作停止指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその旨を動作停止制御部109に通知する。この通知を受けた動作停止制御部109は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの動作停止命令を送信する。この動作停止命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。
【0025】
電池減衰量検出部110は、上述したように、携帯端末200に問い合わせをすることにより、携帯端末200でアプリケーションを使用することによる当該携帯端末200の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する。具体的には、電池減衰量検出部110は、携帯端末200でアプリケーションが実行されているときに、あるタイミングにおける電池充電量と、当該あるタイミングから所定時間後における電池充電量との差分を求めることにより、単位時間当たりの減衰量を検出する。
【0026】
ここで、「あるタイミング」とは、例えば、携帯端末200のアプリケーションが起動されたタイミングである。つまり、指示判定部107から電池減衰量検出部110に対して起動指示の通知が行われたタイミングである。また、「所定時間」は、電池充電量の差分を検出するのに必要十分な時間であり、例えば5分である。また、「単位時間」は、例えば1時間である。単位時間=所定時間=5分としてもよい。
【0027】
例えば、あるタイミングにおける電池充電量が2000mAh、その5分後における電池充電量が1990mAhであれば、その差分は10mAhである。この場合、アプリケーションを使用することによる単位時間(1時間)当たりの電池充電量の減衰量は、120mAhとなる。
【0028】
消耗度表示部111は、電池減衰量検出部110により検出された単位時間当たりの減衰量に基づいて、携帯端末200での電池消耗度を表す電池消耗度情報を表示部103に表示させるように制御する。第1の実施形態では、消耗度表示部111は、単位時間当たりの減衰量と1以上の閾値とを比較することにより、単位時間当たりの減衰量が、複数のレベルに分けた減衰量のうちどのレベルに属するかを判定し、属するレベルの電池消耗度であることを表す電池消耗度情報を表示部103に表示させる。
【0029】
図2は、車載装置100の表示部103に表示される電池消耗度情報の例を示す図である。図2の例では、単位時間当たりの減衰量に関する閾値を2つ設け(第1の閾値および第2の閾値)、電池充電量の消耗度を大・中・小の3つのレベルに分けている。すなわち、単位時間当たりの減衰量が第1の閾値より小さい場合、電池消耗度は小レベルに分類される。また、単位時間当たりの減衰量が第1の閾値以上で第2の閾値より小さい場合、電池消耗度は中レベルに分類される。さらに、単位時間当たりの減衰量が第2の閾値以上の場合、電池消耗度は大レベルに分類される。
【0030】
図2(a)〜(c)に示すように、第1の実施形態では、大・中・小レベルの電池消耗度を表す電池消耗度情報21,22,23を、アプリケーションのアイコン20の周囲を囲む枠によって表示する。電池消耗度のレベルの違いは、枠の表示態様の違いによって識別する。例えば、小レベルの電池消耗度情報21は青色、中レベルの電池消耗度情報22は黄色、大レベルの電池消耗度情報23は赤色とするなど、表示色の違いによって電池消耗度のレベルを表現する。
【0031】
なお、電池消耗度情報21,22,23の表示態様は、図2の例に限定されない。例えば、図3に示すように、大・中・小レベルの電池消耗度を表す電池消耗度情報21,22,23を、アプリケーションのアイコン20の下部に設けたゲージによって表示するようにしてもよい。この場合、電池消耗度のレベルの違いは、表示色およびゲージの長さの違いによって識別する。
【0032】
図2の例および図3の例では何れの場合も、消耗度表示部111は、携帯端末200で実際に動作中のアプリケーションについて画面表示制御部104により表示されたアイコン20に関連付けて、小レベルの電池消耗度情報21、中レベルの電池消耗度情報22、大レベルの電池消耗度情報23の何れかを選択的に表示している。携帯端末200で動作中のアプリケーションが1つであればこれでよい。
【0033】
しかし、複数のアプリケーションが同時に動作している場合は、電池減衰量検出部110により検出される単位時間当たりの減衰量は、当該複数のアプリケーションを同時に使用した場合のトータル減衰量を示すものとなる。この場合は、例えば図4に示すように、個々のアイコン20と関連付けることなく、ゲージ形状の電池消耗度情報24を表示させるようにしてもよい。あるいは、同時動作中の複数のアプリケーションに対応する複数のアイコン20にそれぞれ関連付けて、図2または図3に示した枠形状またはゲージ形状の電池消耗度情報を表示させるようにしてもよい。
【0034】
図1の説明に戻る。携帯端末200の操作部202は、ユーザが携帯端末200に対して各種の指示を行うためのものであり、例えばタッチパネルにより構成される。表示部203は、各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。この表示部203には、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのアイコンやアプリケーション画面などが表示される。画面表示制御部204は、表示部203に対する上述した各種情報の表示を制御する。
【0035】
アプリケーション記憶部205は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションを記憶する。アイコン記憶部206は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対応するアイコンを記憶する。アイコン記憶部206に記憶されているアイコンは、画面表示制御部204に供給されて表示部203に表示される。また、当該アイコンは、連携処理部210により取得され、通信部201を介して車載装置100に送信される。そして、車載装置100に送信されたアイコンのうち車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するものが、画面表示制御部104により表示部103に表示される。
【0036】
動作制御部207は、操作部202に対してユーザにより行われる操作に応じて、アプリケーション記憶部205に記憶されているアプリケーションの携帯端末200での動作を制御する。例えば、動作制御部207は、押下されたアイコンに対応するアプリケーションの起動、アプリケーションが有する機能の実行、アプリケーションの動作停止などを制御する。機能実行の結果として生成されるアプリケーション画面は、画面表示制御部204に出力されて表示部203に表示される。また、当該アプリケーション画面は、連携処理部210により取得され、通信部201を介して車載装置100に送信される。そして、車載装置100に送信されたアプリケーション画面は、画面表示制御部104により表示部103に表示される。
【0037】
電池208は、携帯端末200の動作電源を供給する。電池充電量検出部209は、車載装置100の電池減衰量検出部110からの問い合わせに応じて、電池208の充電量(充電残量)を検出し、検出した電池充電量を連携処理部210に通知する。この問い合わせは、上述した「あるタイミング」およびそれから「所定時間後」のタイミングで行われる。電池充電量検出部209は、この問い合わせが行われる都度、電池充電量を検出して連携処理部210に通知する。
【0038】
連携処理部210は、車載装置100が携帯端末200と連携して携帯端末200側のアプリケーションの機能を利用する際に必要な情報を、通信部201を介して車載装置100に提供する。すなわち、連携処理部210は、アイコン記憶部206からアイコンを取得し、車載装置100に提供する。また、連携処理部210は、アプリケーション記憶部205からアプリケーションの識別情報を取得し、車載装置100に提供する。また、連携処理部210は、動作制御部207からアプリケーション画面を取得し、車載装置100に提供する。
【0039】
また、連携処理部210は、車載装置100から起動命令、動作実行命令、動作停止命令などのコマンド情報が送られてきたときは、そのコマンド情報を動作制御部207に供給する。動作制御部207は、連携処理部210から受け取ったコマンド情報に従って、携帯端末200の動作を制御する。
【0040】
また、連携処理部210は、車載装置100からの問い合わせを受けて、電池208の充電量を検出するべく電池充電量検出部209に要請する。この要請を受けて電池充電量検出部209は、電池充電量を検出して連携処理部210に通知する。連携処理部210は、電池充電量検出部209により検出された電池充電量を、問い合わせに対する応答として車載装置100に提供する。
【0041】
上述したように、車載装置100の電池減衰量検出部110では、あるタイミングおよびそれから所定時間後のタイミングにおいて行った問い合わせに対する応答として携帯端末200から送られてくる電池充電量の差分を算出し、当該算出した差分に基づいて、電池208の単位時間当たりの減衰量を検出する。
【0042】
なお、ここでは車載装置100から携帯端末200に対して2回の問い合わせを行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、あるタイミングにおいて車載装置100から携帯端末200に対して問い合わせを1回行う。そして、この問い合わせを受けた携帯端末200において、当該あるタイミングおよびそれから所定時間後のタイミングにおいて電池充電量を検出するようにしてもよい。
【0043】
図5は、上記のように構成した第1の実施形態による車載装置100の動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、車載装置100と携帯端末200との接続時に実行される。図5において、通信部101は、携帯端末200が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。携帯端末200が接続されたと判断した場合、通信部101は、携帯端末200にインストールされている各アプリケーションの識別情報およびアイコンを携帯端末200から受信する(ステップS2)。
【0044】
利用可否判定部105は、通信部101が携帯端末200から受信したアプリケーションの識別情報と、アプリケーション管理テーブル106に記憶されているアプリケーションの識別情報とを比較することにより、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうち車載装置100で利用できるアプリケーションを判別する(ステップS3)。そして、利用可否判定部105は、車載装置100で利用できるアプリケーションを画面表示制御部104に通知する。
【0045】
画面表示制御部104は、利用可否判定部105からの通知を受けて、携帯端末200から受信したアイコンのうち、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを表示部103に表示させる(ステップS4)。
【0046】
次に、指示判定部107は、表示部103に表示されたアイコンの何れかが押下されて起動指示が行われたか否かを判定する(ステップS5)。何れのアイコンも押下されていないと判断した場合は、ステップS5の判定が継続して行われる。一方、何れかのアプリケーションに関する起動指示が行われたと判断した場合、指示判定部107は、その旨を動作実行制御部108および電池減衰量検出部110に通知する。この通知を受けた動作実行制御部108は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの起動命令を送信する(ステップS6)。これにより携帯端末200では、該当するアプリケーションが起動される。
【0047】
また、指示判定部107から起動指示の通知を受けた電池減衰量検出部110は、携帯端末200に問い合わせをすることにより、起動されたアプリケーションを携帯端末200で使用することによる当該携帯端末200の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する(ステップS7)。そして、消耗度表示部111は、電池減衰量検出部110により検出された単位時間当たりの減衰量に基づいて、携帯端末200での電池消耗度を表す電池消耗度情報を生成して表示部103に表示させる(ステップS8)。その後、図5に示すフローチャートの処理は終了する。
【0048】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態による車載装置100では、車載装置100から携帯端末200に対してアプリケーションの起動指示を発行したときに、起動されたアプリケーションを携帯端末200で使用することによって携帯端末200で消費される電池充電量に関して、単位時間当たりの減衰量を検出する。そして、当該検出した減衰量に基づいて、携帯端末200での電池消耗度を表す電池消耗度情報21,22,23を生成して車載装置100の表示部103に表示するようにしている。
【0049】
このように構成した第1の実施形態によれば、携帯端末200でのアプリケーションの使用によってどの程度の消耗度で電池充電量が減衰していくのかが、車載装置100の画面表示によってユーザに提示される。これによりユーザは、携帯端末200の電池充電量に見合った消耗度のアプリケーションを選択して実行することができる。例えば、ユーザは、起動したアプリケーションの電池消耗度が大レベルであることが分かった場合に、起動したアプリケーションに代えて別のアプリケーションを改めて起動するなどの対応をとることができる。これにより、走行中の長時間にわたってアプリケーションを使用する場合でも、携帯端末200の電池切れをできるだけ回避することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。なお、この図6において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。第2の実施形態による車載装置100’は、地図データを用いて経路誘導を行うナビゲーション装置の機能を有している。
【0051】
図6に示すように、車載装置100’は、消耗時間算出部121および所要時間算出部122を更に備えている。消耗時間算出部121は、電池減衰量検出部110により検出された単位時間当たりの減衰量と、電池充電量検出部209により検出された携帯端末200の現在の電池充電量とに基づいて、携帯端末200でアプリケーションを使用し続けた場合に携帯端末200の電池充電量が空になるまでの残り消耗時間を算出する。なお、携帯端末200の現在の電池充電量は、電池減衰量検出部110が単位時間当たりの減衰量を検出するために「あるタイミングから所定時間後」に携帯端末200から取得した情報を使えばよい。
【0052】
所要時間算出部122は、車載装置100’が搭載されている車両の現在地から目的地までの誘導経路を探索して設定し、現在地から目的地に到達するまでにかかる所要時間を算出する。なお、この所要時間算出部122の機能は、ナビゲーション装置が通常備えている機能であり、その技術内容は周知であるので、詳細な説明は割愛する。
【0053】
消耗度表示部111’は、消耗時間算出部121により算出された残り消耗時間を電池消耗度情報として、所要時間算出部122により算出された目的地までの所要時間を表す情報と対比させて表示部103に表示させる。なお、この場合の残り消耗時間は、電池208の残り使用可能時間を表している。
【0054】
図7は、第2の実施形態において表示部103に表示される電池消耗度情報31の例を示す図である。図7に示すように、消耗度表示部111’は、アイコン20と関連付けることなく、棒グラフ形状の電池消耗度情報31を表示部103に表示させる。この電池消耗度情報31は、消耗時間算出部121により算出された残り消耗時間を棒グラフ形状で表した残り消耗時間情報31aと、所要時間算出部122により算出された目的地までの所要時間をメモリ形状で表した所要時間情報31bとを含んでいる。
【0055】
所要時間情報31bに関して、横軸は時間軸を示しており、左端は車両が現在地にいる時間(現在時間)を示す。目的地1、目的地2と書かれた位置のメモリは、車両が目的地1、目的地2に到達するまでに要する所要時間を示す。一方、残り消耗時間情報31aに関して、横軸は時間軸を示しており、左端は現在時間、棒グラフの長さは残り消耗時間(電池208の残り使用可能時間)を示す。残り消耗時間情報31aおよび所要時間情報31bの双方とも、時間軸の原点(左端)は現在時間で揃えられている。
【0056】
図7の例の場合、目的地1までの所要時間よりも電池208の残り消耗時間が長くなっているので、目的地1に到達するまでは電池切れを起こさずにアプリケーションを使用し続けることができることが分かる。一方、目的地2までの所要時間よりも電池208の残り消耗時間が短くなっているので、アプリケーションを使用し続けると、目的地2に到達する前に電池切れを起こすことが分かる。
【0057】
ユーザは、この電池消耗度情報31の表示を見て、その表示対象となっているアプリケーションを使用するか否か、使用するとすればいつまで使用するかを直感的に判断することができる。これにより、現在地から目的地1,2に至る走行中の長時間にわたってアプリケーションを使用する場合でも、携帯端末200の電池切れをより高い確度で回避することができる。
【0058】
なお、上記第1および第2の実施形態では、電池減衰量検出部110が単位時間当たりの減衰量の検出を開始する「あるタイミング」として、ユーザが車載装置100(100’。以下同様)の操作部102を操作して携帯端末200のアプリケーションが起動されたタイミングを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザが携帯端末200の操作部202を操作してアプリケーションが起動されたタイミングであってもよい。すなわち、操作部202の操作でアプリケーションが起動されたら、そのタイミングで起動アプリケーションの識別情報を車載装置100に送信し、電池減衰量検出部110により単位時間当たりの減衰量の検出を開始することが可能である。
【0059】
また、アプリケーションを実行中の携帯端末200が車載装置100に接続された場合に、車載装置100と携帯端末200とが接続されたタイミングをもって、単位時間当たりの減衰量の検出を開始するようにしてもよい。この場合、連携処理部210は、車載装置100と携帯端末200とが接続されたときに、動作制御部207によるアプリケーションの動作状態を確認することにより、携帯端末200においてアプリケーションが動作中であるか否かを示すステータス情報を生成する。そして、アプリケーションの識別情報やアイコンと共にステータス情報を車載装置100に提供する。
【0060】
車載装置100では、携帯端末200から送られてくるアプリケーションの識別情報およびステータス情報に基づいて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうちどのアプリケーションが動作中であるかを判定する。そして、動作中のアプリケーションがあると判断した場合は、そのアプリケーションを電池減衰量検出部110に通知する。電池減衰量検出部110はこの通知を受けて、単位時間当たりの減衰量の検出を開始する。
【0061】
また、上記第2の実施形態では、消耗時間算出部121により算出された電池208の残り消耗時間を、所要時間算出部122により算出された目的地までの所要時間と対比させて表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、目的地までの所要時間は表示せず、電池208の残り消耗時間だけを棒グラフ形状などで表示するようにしてもよい。この場合、横軸に所定時間ごとのメモリを付けておくのが好ましい。
【0062】
また、上記第1および第2の実施形態では、電池減衰量検出部110の機能を車載装置100が備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電池減衰量検出部110の機能を携帯端末200に持たせ、携帯端末200でアプリケーションが実行されたときに、単位時間当たりの減衰量をアプリケーション毎に検出して記憶部に記憶しておくようにする。そして、車載装置100に携帯端末200が接続されたときに、各アプリケーションの識別情報およびアイコンに加えて、アプリケーション毎にあらかじめ検出しておいて単位時間当たりの減衰量を車載装置100に送信するようにしてもよい。
【0063】
このようにすれば、第1の実施形態の変形例として、車載装置100に接続された携帯端末200でアプリケーションが実行される前であっても、表示部103に表示される各アプリケーションのアイコン毎に、その周囲あるいは下部に枠形状あるいはゲージ形状の電池消耗度情報21,22,23を表示させることができる。つまり、実際にアプリケーションを起動して所定時間の経過を待たなくても電池消耗度情報21,22,23が表示され、しかも、各アプリケーションに対応するアイコン毎に電池消耗度情報21,22,23が表示されるので、ユーザは携帯端末200の電池充電量に見合った電池消耗度のアプリケーションを選択しやすくなる。
【0064】
また、第2の実施形態の変形例として、図8に示すように、複数のアプリケーションが実行中である場合にアプリケーション毎の電池消耗度を区別して表示することができる。これにより、複数のアプリケーションを同時に使用した場合におけるトータルの電池消耗度が分かるだけでなく、個々のアプリケーションの電池消耗度も分かる。よって、ユーザは、携帯端末200の電池充電量と各アプリケーションの電池消耗度とを考慮して何れかのアプリケーションを停止させようとする場合に、どのアプリケーションを停止させるかを判断しやすくなる。
【0065】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
100,100’ 車載装置
110 電池減衰量検出部
111,111’ 消耗度表示部
121 消耗時間算出部
122 所要時間算出部
200 携帯端末
208 電池
209 電池充電量検出部
210 連携処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置であって、
上記携帯端末に問い合わせをすることにより、上記携帯端末で上記アプリケーションを使用することによる上記携帯端末の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する電池減衰量検出部と、
上記電池減衰量検出部により検出された上記単位時間当たりの減衰量に基づいて、上記携帯端末での電池消耗度を表す電池消耗度情報を表示させる消耗度表示部とを備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
上記電池減衰量検出部は、上記携帯端末で上記アプリケーションが実行されているときに、あるタイミングにおける上記電池充電量と、当該あるタイミングから所定時間後における上記電池充電量との差分を求めることにより、上記単位時間当たりの減衰量を検出することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
上記消耗度表示部は、上記単位時間当たりの減衰量と1以上の閾値とを比較することにより、上記単位時間当たりの減衰量が、複数のレベルに分けた減衰量のうちどのレベルに属するかを判定し、属するレベルを上記電池消耗度情報として表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
上記電池減衰量検出部により検出された上記単位時間当たりの減衰量と上記携帯端末の現在の電池充電量とに基づいて、上記携帯端末で上記アプリケーションを使用し続けた場合に上記電池充電量が空になるまでの残り消耗時間を算出する消耗時間算出部を更に備え、
上記消耗度表示部は、上記消耗時間算出部により算出された上記残り消耗時間を上記電池消耗度情報として表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
上記車載装置が搭載されている車両の現在地から目的地までの誘導経路を探索して設定し、上記現在地から上記目的地に到達するまでにかかる所要時間を算出する所要時間算出部を更に備え、
上記消耗度表示部は、上記消耗時間算出部により算出された上記残り消耗時間を上記電池消耗度情報として、上記所要時間算出部により算出された上記目的地までの所要時間を表す情報と対比させて表示させることを特徴とする請求項4に記載の車載装置。
【請求項6】
携帯端末と、当該携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置とを備えて成るアプリケーション実行システムであって、
上記携帯端末または上記車載装置が、上記携帯端末に問い合わせをすることにより、上記携帯端末で上記アプリケーションを使用することによる上記携帯端末の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する電池減衰量検出部を備えるとともに、
上記車載装置が、上記電池減衰量検出部により検出された上記単位時間当たりの減衰量に基づいて、上記携帯端末での電池消耗度を表す電池消耗度情報を表示させる消耗度表示部を備えたことを特徴とするアプリケーション実行システム。
【請求項7】
携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置における電池消耗度表示方法であって、
上記車載装置が上記携帯端末に問い合わせをすることにより、上記携帯端末で上記アプリケーションを使用することによる上記携帯端末の電池充電量に関する単位時間当たりの減衰量を検出する電池減衰量検出ステップと、
上記車載装置が、上記電池減衰量検出ステップにて検出された上記単位時間当たりの減衰量に基づいて、上記携帯端末での電池消耗度を表す情報を表示させる消耗度表示ステップとを有することを特徴とする電池消耗度表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−253437(P2012−253437A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122518(P2011−122518)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】