車載装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法
【課題】携帯装置が案内を開始する際に現在位置を認識することが可能な車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法を提供すること。
【解決手段】本車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法は、車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段62と、車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内の場合、ユーザを第2目的地に案内する携帯装置に車両の現在位置に関する情報を送信する位置送信手段66と、を具備する。
【解決手段】本車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法は、車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段62と、車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内の場合、ユーザを第2目的地に案内する携帯装置に車両の現在位置に関する情報を送信する位置送信手段66と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関し、特に車載装置から携帯装置に車両の現在位置に関する情報を送信する車載装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までのナビゲーションを行う車載用ナビゲージョンが広く用いられている。車載用ナビゲーションは、GPS(Global Positioning System)受信機により現在地を認識し、車両を目的地へと案内する。また、携帯電話等の携帯装置にGPS受信機を備え、ユーザを目的地に案内するナビゲーション装置も用いられている。
【0003】
特許文献1から3には、車載装置(車載ナビゲーション装置)と携帯装置(携帯ナビゲーション装置)との間で経路検索結果、ナビゲージョン情報または位置情報を転送するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−181555号公報
【特許文献2】特開2005−72854号公報
【特許文献3】特開2003−161622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのシステムによれば、車載装置が車両を目的地近くの駐車場まで案内し、ユーザが車両を降車した後は、携帯装置がユーザを目的地まで案内することができる。しかしながら、例えば、ユーザが車両から降車した際に、例えば、地下駐車場などに車両を駐車してユーザが降車した場合などで、携帯装置がGPS信号を受信できないと、ユーザが駐車場に到着しても、ユーザの最終目的地、例えば施設などへの案内が滞ってしまったり、案内できないものとなってしまう。また、ユーザが最終目的地から駐車位置に戻る際に、駐車場の位置がわからなくなることがある。これでは、ナビゲーションシステムとしてのサービス性が低いもとのなってしまう。これを解決するためには、ユーザが車両から降車した際に、車載装置が携帯装置に車両の現在位置を送信すればよい。しかし、例えば、車両から携帯装置への通信が切れた場合にユーザが降車したと判断するシステムにおいては、ユーザが降車したと判断してからでは、車載装置から携帯装置に情報を転送することができない。また、車載装置で算出された位置情報を携帯装置に常に定期的に転送するという方法も考えられるが、この方法は通信付加が大きくなるという課題がある。
【0005】
本車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法は、上記課題に鑑みなされたものであり、車載装置をはじめとする外部装置から携帯装置に案内を移行する際に携帯装置で現在位置を確実に認識でき、外部装置(車載装置やセンター)と携帯装置との間の通信負荷を軽減させることが可能な車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本車載装置は、車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、ユーザを第2目的地(例えば、最終目的地)に案内する携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を具備することを特徴とする。本車載装置によれば、ユーザが車両を降りた際、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、車載装置から携帯装置に車両の現在位置に関する情報が送信されるため、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【0007】
上記構成において、前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)から所定距離以内にある場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を周期的に送信する構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)から所定距離以内にある場合であって、かつ、前記車両が前回前記現在位置に関する情報を送信した際の前記車両の位置から所定距離以上移動した場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する構成とすることができる。この構成によれば、車両が所定の距離以上移動しなければ、情報の更新を行わないので、車両の現在位置に関する情報を送信する回数を削減することができ車載装置における不要な処理負荷を軽減させることができる。
【0009】
上記構成において、前記携帯装置から前記現在位置を使用したことを示す使用情報を受信する受信手段を具備し、前記位置送信手段は、前記受信手段が前記使用情報を受信した場合、前記車両の現在位置が前記第1目的地を(例えば、最終目的地周辺の駐車場)含む所定範囲内の場合であっても前記携帯装置に前記現在位置に関する情報を送信しない構成とすることができる。この構成によれば、ユーザにとって、現在位置情報の使用後も現在位置に関する情報が送られるわずらわしさを軽減させるとともに、車載装置の不要な処理を行うことによる処理負荷を低減させることができる。
【0010】
上記構成において、前記携帯装置は携帯電話である構成とすることができる。
【0011】
本ナビゲーションシステムは、車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を含む車載装置と、ユーザを前記現在位置から第2目的地(例えば、最終目的地)に案内するユーザ案内手段を含む前記携帯装置と、を具備することを特徴とする。本ナビゲーションシステムによれば、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【0012】
上記構成において、前記携帯装置のユーザ案内手段は、ユーザが駐車位置から離れており、前記ユーザの位置が前記現在位置にない場合、前記ユーザを前記現在位置に案内する構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記車載装置は、前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)と前記第2目的地(例えば、最終目的地)とが異なる場合、前記第1目的地に関する情報を前記携帯装置に送信する目的地送信手段を含み、前記携帯装置の案内手段は、現在位置が検出できる座標位置が異常(例えば0)になったときに、前記現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、前記ユーザを前記第1目的地に案内する構成とすることができる。
【0014】
本ナビゲーションシステムの制御方法は、携帯装置と車載装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、前記車載装置が車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内するステップと、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信するステップと、前記携帯装置がユーザを前記現在位置から第2目的地(例えば、最終目的地)に案内するステップと、を含むことを特徴とする。本ナビゲーションシステムの制御方法によれば、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【発明の効果】
【0015】
本構成によれば、ユーザが第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)、例えば駐車場に近づいた時点で、現在位置に関する情報を携帯装置に送信することで、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。これにより、携帯装置は第1目的地から第2目的地(例えば、最終目的地)、例えば施設などへユーザを滞りなく案内することができるためナビゲーションシステムのサービス性が向上する。さらには、第1目的地(例えば、施設周辺の駐車場の位置)情報を携帯電話に記憶しているため、ユーザが第2目的地(例えば、施設の位置)情報から第1目的地へ戻る際に、第1目的地を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムのブロック図である。図1を参照に、ナビゲーションシステム100は車載ナビゲーション装置である車載装置10および例えば携帯電話である携帯装置30を含んでいる。車載装置10と携帯装置30との間は、例えばBuletooth通信等の無線通信52や赤外線等の光通信を用い情報の送受信を行うことができる。携帯装置30は移動体通信網54を介しセンターサーバ(CP)50と通信することができる。
【0018】
車載装置10は、制御部12、記憶部14、GPS受信部16、インターフェース(IF)部24、ヒューマンインターフェース(HMI)部18、表示部20および操作部22を含んでいる。記憶部14は、例えばハードディスクユニットであり、地図データに関する情報である地図情報や目的地に関する情報である目的地情報等を記憶している。記憶部14は、制御部12に地図情報や目的地情報を出力する。また、記憶部14は、制御部12から取得した目的地情報等を記憶する。GPS受信部16はGPS信号より自車位置を認識し、自車位置に関する情報を制御部12に出力する。また、GPS受信部16は、GPS信号に加え自立航法部(不図示)からの自立航法情報を用いて自車位置を認識することができる。HMI部18は表示部20および操作部22と制御部12との間のインターフェースである。表示部20は、例えば液晶画面であり、制御部12からの信号により地図やメニューリストを表示する。操作部22は、例えば、タッチパネルや釦等であり、制御部12に操作信号を出力する。例えば、ユーザが操作部22を操作することにより、メニューの選択等を行うことができる。IF部24は、制御部12から取得した情報を携帯装置30に送信する。また、携帯装置30から受信した情報を制御部12に出力する。
【0019】
携帯装置30は、制御部32、記憶部34、GPS受信部36、IF部44、HMI部38、表示部40、操作部42および電話IF部46を含んでいる。電話IF部44は、移動体通信網54に接続し制御部32と外部との情報の送受信を行う。制御部32は、例えばセンターサーバ50から移動体通信網54および電話IF部46を介し、最新の地図データ等を取得することができる。その他の各部の機能は車載装置10と同様であり説明を省略する。
【0020】
図2は、実施例1に係るナビゲージョンシステムの動作を説明するフロー図である。図2を参照に、携帯装置30の制御部32は、操作部42からの入力や記憶部34に記憶されている目的地リストを基に目的地を設定する(ステップS10)。制御部32はIF部44を介し目的地情報を車載装置10に送信する(ステップS12)。車載装置10の制御部12はIF部24を介し目的地情報を取得する。制御部12は車両の走行開始を認識する(ステップS14)と、制御部12は、GPS受信部16から自車位置に関する情報、記憶部14から地図データに関する情報を取得し、表示部20に地図、目的地への経路、目的地を表示させ、車両を目的地に案内する(ステップS16)。制御部12は車両の現在位置が目的地周辺であることを認識する(ステップS18)と、車両の現在位置に関する情報である現在位置情報をIF部24を介し、携帯装置30に送信する。携帯装置30の制御部32はIF部44を介し現在位置に関する情報を取得する。制御部32は、車載装置10の制御部と同様に、ユーザを目的地に案内する(ステップS22)。制御部32は、目的地への到着を認識する(ステップS24)と案内を終了する。
【0021】
このように、実施例1に係るナビゲーションシステムにおいては、携帯装置30と車載装置10との間で目的地情報や現在位置に関する情報を通信する。これにより、携帯装置30で設定した目的地に、車載装置10が車両を案内することができる。また、車両を駐車した後、携帯装置30がユーザを目的地に案内することができる。
【0022】
また、車両が目的地周辺に到着した場合(ステップS18)、車載装置10は携帯装置30に現在位置に関する情報を送信する(ステップS20)。これにより、ユーザが車両を降車した際に、携帯装置30は車両の現在位置を認識することができる。よって、ユーザが地下駐車場で車両を降車した場合等、携帯装置30がGPS信号を受信できない場合であっても、ユーザは現在位置を確認することができる。
【0023】
図3は、実施例1に係るナビゲーションシステムの別の動作の例である。図3を参照に、車載装置10の制御部12が目的地を設定する(ステップS11)。制御部12は、車両の案内開始後、IF部24を介し目的地情報を携帯装置30に送信する(ステップS26)。その他のステップは、図2と同じであり説明を省略する。
【0024】
以下、実施例1の詳細について図3の場合を例に説明する。
【0025】
図4は、車載装置10の機能ブロック図である。車載装置10の制御部12等は、目的地設定手段60、車両案内手段62、目的地送信手段64および位置送信手段66として機能する。また、記憶部14は記憶手段70として機能する。記憶手段70は、地図データに関する情報である地図情報や目的地として選択する可能性のある目的地リスト、目的地周辺の駐車場リスト等を記憶している。目的地設定手段60は記憶手段70の地図情報等に基づき第1目的地および第2目的地を設定する。第1目的地とは、車両の目的地であり、例えばユーザの最終目的付近の駐車場である。第2目的地とはユーザの最終目的地である。第1目的地と第2目的地が同じ場合もある。第1目的地および第2目的地に関する情報には、例えば、第1目的地の緯度、経度、高さに関する情報を含み、住所、電話番号、施設名等が含まれてもよい。目的地設定手段60は記憶手段70に第1目的地および第2目的地に関する情報を記憶させる。
【0026】
車両案内手段62は、GPS受信部16が出力する自車位置に関する情報、記憶手段70の地図情報および第1目的地に関する情報に基づき、車両を第1目的地に案内する。目的地送信手段64は、記憶手段70から第1目的地および第2目的地に関する情報を取得し、車両案内手段62が案内を開始したことに対応し、IF部24を介し第1目的地および第2目的地に関する情報を携帯装置30に送信する。位置送信手段66は、車両が第1目的地周辺に到着した場合、現在位置情報を携帯装置30に送信する。
【0027】
図5は携帯装置30の機能ブロック図である。携帯装置30の制御部32等は、受信手段80およびユーザ案内手段82として機能する。記憶部34は記憶手段90として機能する。記憶手段90は、地図情報等を記憶している。受信手段80は、IF部44を介し第1目的地および第2目的地に関する情報並びに現在地情報を取得する。ユーザ案内手段82は、GPS受信部36が出力する自車位置に関する情報、記憶手段90の地図情報および第2目的地に関する情報に基づき、ユーザを第2目的地に案内する。
【0028】
図6から図9および図12は、車載装置10の動作を示すフローチャートである。図3の主にステップS14、S26に対応する。図10(a)から図10(c)は、表示部20が表示する画面を示す図である。図11(a)から図11(c)は、記憶手段70が記憶する各情報を示す図である。図13は携帯装置の動作を示すフローチャートである。図6を参照に、目的地設定手段60は、POI(位置情報)検索を行うか判断する(ステップS30)。ユーザが操作部22を用いPOI検索スイッチをオンさせると、目的地設定手段60は、POI検索を行うと判断する。
【0029】
Yesの場合、図7を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70内の目的地リストからPOI位置を検索し、目的とすべきPOI位置(例えばPOI位置X)を選択する(ステップS50)。このPOI位置はユーザが最終的に目的地とする位置であり、第2目的地となるべき位置である。図7を参照に、目的地設定手段60は、POI位置X付近の地図を表示する(ステップS52)。図7を参照に、目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図上の以前の第1目的地および第2目的地をクリアする(ステップS54)。目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図上にPOI位置Xを表示する(ステップS56)。図10(a)を参照に、表示部20は、地図にPOI位置Xを例えばX等のシンボルで表示する。終了し、ステップS30に戻る。
【0030】
図6を参照に、ステップS30でNoの場合、目的地設定手段60は駐車場を検索するか判断する(ステップS32)。例えば、図10(a)の画面で、ユーザが周辺駐車場との表示にタッチすると、目的地設定手段60は駐車場を検索すると判断する。Yesの場合、図8および図11(a)を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70に、選択されたPOI位置としてPOI位置Xを記憶させる(ステップS60)。図8および図10(b)を参照に、目的地設定手段60はPOI位置X付近の駐車場リストを記憶手段70から取得し、表示部20に駐車場リストを表示させる(ステップS62)。ユーザが図10(b)の画面の駐車場リストのうちひとつにタッチすると、タッチされた駐車場が選択される。例えば、駐車場位置Yの駐車場を選択する。図8および図10(c)を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70から選択された駐車場付近の地図情報を取得し、表示部20に地図を表示させる(ステップS64)。駐車場位置Yを例えばP等のシンボルで表示する。図8および図11(a)を参照に、目的地設定手段60は、選択された駐車場位置として駐車場位置Yを記憶手段70に記憶させる(ステップS66)。終了し、ステップS30に戻る。
【0031】
図6を参照に、ステップS32でNoの場合、目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図がスクロールされたか判断する(ステップS34)。ユーザは操作部22を操作し、目的地を設定するため地図をスクロールすることができる。Yesの場合、目的地設定手段60は、POI位置Xおよび駐車場位置Yをクリアする(ステップS40)。終了し、ステップS30に戻る。
【0032】
図6を参照に、ステップS34でNoの場合、目的地設定手段60は、目的地を設定するか判断する(ステップS36)。例えば、図10(c)の画面で、ユーザが新規目的地との表示にタッチすると、目的地設定手段60は、目的地を設定すると判断する。Yesの場合、図9を参照に、目的地設定手段60は、車両の目的地である第1目的地を設定する(ステップS70)。例えば、図10(c)の画面で、ユーザが新規目的地との表示にタッチしたときの地図上のカーソル+の位置を第1目的地とする。目的地設定手段60は、第1目的地が駐車場位置Yかを判断する(ステップS72)。Yesの場合、目的地設定手段60は、ステップS50において選択されたPOI位置(例えばPOI位置X)を第2目的地とする(ステップS76)。Noの場合、目的地設定手段60は、第1目的地を第2目的地とする(ステップS74)。目的地設定手段60は、第1目的地および第2目的地を記憶手段70に記憶させる(ステップS78)。終了し、ステップS30に戻る。
【0033】
図9のステップS72でYseの場合、第1目的地は駐車場位置Yであるから、ユーザは車両を降車した後、POI位置Xまで徒歩で行く。よって、図11(b)のように、記憶手段70には第1目的地として駐車場位置Y、第2目的地としてPOI位置Xが記憶される。ステップS72でNoの場合、第1目的地は駐車場位置Y以外の設定位置Zである。この場合、ユーザは、駐車場以外の場所を設定したことになる。よって、図11(c)のように、第1目的地と第2目的地は同じ設定位置Zとなる。
【0034】
図6を参照に、ステップS36においてNoの場合、車両案内手段62は、車両の第1目的地への案内を開始する。目的地送信手段64は、車両案内手段62が車両の案内を開始したか判断する(ステップS38)。Yseの場合、目的地送信手段64は、IF部24に、第1目的地および第2目的地に関する情報を携帯装置30に送信させる(ステップS42)。終了し、ステップS30に戻る。ステップS38において、Noの場合、ステップS30に戻る。
【0035】
図12は、車両案内手段62が車両を案内している間の車載装置10の処理を示すフローチャートであり、図3のステップS16、S18およびS20に相当する。図12を参照に、車両案内手段62は、GPS受信部16からの現在位置情報に基づき、車両の現在位置を検出する(ステップS80)。位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地周辺かを判断する(ステップS82)。車両の現在位置が第1目的地を含む所定範囲内の場合、現在位置は第1目的地周辺と判断する。ここで、所定範囲とは、例えば、現在位置と第1目的位置との距離が所定距離以内の範囲である。また、地図データを予め複数のブロックに分割しておき、第1目的地を含むブロックを所定範囲とすることもできる。
【0036】
ステップS82において、Yesの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する。このとき、位置送信手段66は、現在位置情報を周期的(例えば5秒毎)に送信することができる。終了し、ステップS80に戻る。ステップS82において、Noの場合、終了しステップS80に戻る。
【0037】
図13は、図3のステップS22からS26に相当するフローチャートである。図13を参照に、受信手段80は、図6のステップS42において車載装置10から送信された第1目的地および第2目的地に関する情報を受信する(ステップS90)。受信手段80は、図12のステップS84において車載装置10から送信された現在位置情報を受信する(ステップS92)。ユーザ案内手段82は、ユーザを第2目的地に案内する(ステップS94)。ユーザ案内手段82は、車両に戻るかを判断する(ステップS96)。第2目的地に到着後、または案内の途中において、ユーザが車両に戻る場合に相当する。Yesの場合、ユーザ案内手段82は、現在位置情報が有効かを判断する(ステップS98)。受信手段80が現在位置情報を受信していない場合、現在位置情報は無効と判断する。ステップS96において、Noの場合、終了する。
【0038】
ステップS98においてYesの場合、ユーザ案内手段82は、ユーザを現在位置に案内する。このときの現在位置は、受信手段80が受信した最新の現在位置情報に対応する現在位置とする。ステップS98において、Noの場合、ユーザ案内手段82は、第1目的地情報が有効かを判断する(ステップS102)。例えば、受信手段80が第1目的地情報を受信していない場合、第1目的地情報は無効と判断する。Noの場合、終了する。Yesの場合、ユーザ案内手段82はユーザを第1目的地に案内する(ステップS104)。ユーザが現在位置または第1目的地に到着すると終了する。
【0039】
実施例1によれば、図12のステップS82およびS84のように、位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置30に車両の現在位置情報を送信する。これにより、ユーザが車両を降りた際、携帯装置30のGPS受信部36が現在位置を検出できない場合も、携帯装置30のユーザ案内手段82は現在位置を認識することができる。
【0040】
ユーザが第2目的地に到達した後、または、第2目的地に向かう途中に、車両に引き返そうとした場合、携帯装置30が車両の位置を認識していないと、ユーザ案内手段82はユーザを車両に案内することができない。実施例1によれば、位置送信手段66が携帯装置30に車両の現在位置情報を送信する。これにより、図13のステップS100のように、携帯装置30のユーザ案内手段82は、現在位置情報に基づき、ユーザを車両の現在位置に案内することができる。
【0041】
また、図12のステップS84のように、位置送信手段66は、現在位置が第1目的地を含む所定範囲内の場合、現在位置情報を周期的に送信し続けることが好ましい。これにより、携帯装置30は、ユーザが車両のエンジンを停止する直前の車両の現在位置情報を受信することができる。なお、位置送信手段66は、現在位置情報を送信する間隔は周期的でなくともよい。例えば、位置送信手段66は、車両の現在位置と第1目的地との距離に応じ、現在位置情報を送信する間隔を変えてもよい。例えば、位置送信手段66は、車両が目的地に近い場合、現在位置情報を送信する間隔を小さくすることができる。
【0042】
また、図6のステップS42のように、目的地送信手段64は、第1目的地と第2目的地とが異なる場合、第1目的地に関する情報を携帯装置に送信することが好ましい。これにより、図13のステップS102およびS104のように、ユーザ案内手段82は、現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、第1目的地に関する情報に基づき、ユーザを第1目的地に案内することができる。よって、携帯装置30が現在位置情報を取得できなかった場合も、車両の現在位置に近いと考えられる第1目的地にユーザを案内することができる。
【実施例2】
【0043】
実施例2は、位置送信手段66が現在位置情報を送信する別の例である。図14は、車載装置10の動作を示す例である。図12と比較し、ステップS82において、Yesの場合、位置送信手段66は、車両が所定距離以上移動したかを判断する(ステップS86)。例えば、位置送信手段66が前回現在位置情報を送信した際の車両の現在位置から車両が所定距離以上移動したかを判断する。Yesの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する(ステップS88)。その後、終了しステップS80に戻る。ステップS86において、Noの場合、終了しステップS80に戻る。その他の動作は実施例1の図12と同じであり説明を省略する。
【0044】
実施例2によれば、位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地から所定距離以内の場合であって、かつ、車両が前回現在位置に関する情報を送信した際の車両の位置から所定距離以上移動した場合、携帯装置に現在位置情報を送信する。これにより、実施例1のように、周期的に現在位置情報を送信する場合に比べ、現在位置情報を送信する回数を削減することができる。
【実施例3】
【0045】
実施例3は、携帯装置が車載装置に、現在位置情報を使用したかを示す使用情報(使用フラグ)を送信する例である。図15は、車載装置の機能ブロック図、図16は携帯装置の機能ブロック図である。図15を参照に、実施例3の車載装置10は、使用情報受信手段68をさらに含んでいる。使用情報受信手段68は、携帯装置30から現在位置情報を使用したか否かを示す使用フラグを受信する。その他の構成は実施例1の図4と同じであり説明を省略する。図16を参照に、実施例3の携帯装置30は、使用情報設定手段84および使用情報送信手段86をさらに含んでいる。使用情報設定手段84は、ユーザ案内手段82が現在位置情報を使用したか否かを使用フラグに設定する。例えば、現在位置情報を用いた場合、使用フラグをハイに設定する。使用情報送信手段86は、使用フラグを車載装置10に送信する。その他の構成は実施例1の図5と同じであり説明を省略する。
【0046】
図17は携帯装置の動作を示すフローチャートである。図17を参照に、実施例1の図13のステップS94に対応し、使用情報設定手段84は、使用フラグをハイに設定する(ステップS110)。図13のステップS100またはS104のようにユーザを車両に案内する(ステップS112)。使用情報送信手段86は、使用フラグを車載装置10に送信する(ステップS114)。その他の構成は、実施例1の図13と同じであり説明を省略する。
【0047】
図18は車載装置の動作を示すフローチャートである。図18を参照に、実施例1の図12と比較し、ステップS80の後、使用情報受信手段68は使用フラグを受信する(ステップS120)。ステップS82においてYesの場合、位置送信手段66は、使用フラグがハイかを判断する(ステップS122)。Noの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する(ステップS124)。その後、終了しステップS80に戻る。ステップS122において、Yesの場合、終了しステップS80に戻る。ステップS82においてNoの場合、使用フラグをローにクリアする(ステップS126)。その他の動作は実施例1の図12と同じであり説明を省略する。
【0048】
実施例3によれば、図18のステップS122およびS124のように、位置送信手段66は、使用フラグがハイの場合、つまり、使用情報受信手段88が現在位置を使用したことを示す使用情報を受信した場合、車両の現在位置が第1目的地周辺の場合であっても、携帯装置30に現在位置情報を送信しない。現在位置情報を使用した場合、再度現在位置情報を用いることはあまりない。実施例3によれば、現在位置情報を送信する回数を削減することができる。なお、一度現在地情報を用いても再度用いる可能性のある場合は、実施例1のように、使用情報を用いないことが好ましい。
【0049】
実施例1から3においては、携帯装置30が移動体通信網との通信を行う携帯インターフェース(IF部)44を含む携帯電話を例に説明した。携帯装置30は携帯電話でなくともよい。
【0050】
実施例1から3においては、車載装置10から携帯装置30に送信する情報は位置情報を用いていたが、これに加えて施設名称、住所および電話番号の少なくとも一つがあってもよい。これらの情報を携帯装置30の表示部に表示することにより、ユーザは駐車位置に戻ることができる。
【0051】
実施例1から3においては、車載装置10の位置送信手段66および目的地送信手段64は携帯装置30に位置情報、第1目的地および第2位置情報を直接送信していたが、位置送信手段66および目的地送信手段64は、位置情報、第1目的地および第2位置情報の少なくとも一部を移動体通信網54を介しセンターサーバ50に位置情報を送信し、センターサーバ50が携帯装置30に移動体通信網54を介し送信してもよい。すなわち、位置送信手段66および目的地送信手段64は携帯装置30に位置情報、第1目的地および第2位置情報を間接的に送信してもよい。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムのブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係るナビゲーションシステムの動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、実施例1に係るナビゲーションシステムの動作を示す別のフロー図である。
【図4】図4は、車載装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、携帯装置の機能ブロック図である。
【図6】図6は、車載装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
【図7】図7は、車載装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
【図8】図8は、車載装置の処理を示すフローチャート(その3)である。
【図9】図9は、車載装置の処理を示すフローチャート(その4)である。
【図10】図10(a)から図10(c)は、表示部の画面を示す例である。
【図11】図11(a)から図11(c)は、記憶手段が記憶する情報の例である。
【図12】図12は、車載装置の処理を示すフローチャート(その5)である。
【図13】図13は、携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施例2の携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例3の車載装置の機能ブロック図である。
【図16】図16は、実施例3の携帯装置の機能ブロック図である。
【図17】図17は、実施例3の携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例3の車載装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10 車載装置
30 携帯装置
60 目的地設定手段
62 車両案内手段
64 目的地送信手段
66 位置送信手段
68 使用情報受信手段
70 記憶手段
80 受信手段
82 ユーザ案内手段
84 使用情報設定手段
86 使用情報送信手段
100 ナビゲーションシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関し、特に車載装置から携帯装置に車両の現在位置に関する情報を送信する車載装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までのナビゲーションを行う車載用ナビゲージョンが広く用いられている。車載用ナビゲーションは、GPS(Global Positioning System)受信機により現在地を認識し、車両を目的地へと案内する。また、携帯電話等の携帯装置にGPS受信機を備え、ユーザを目的地に案内するナビゲーション装置も用いられている。
【0003】
特許文献1から3には、車載装置(車載ナビゲーション装置)と携帯装置(携帯ナビゲーション装置)との間で経路検索結果、ナビゲージョン情報または位置情報を転送するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−181555号公報
【特許文献2】特開2005−72854号公報
【特許文献3】特開2003−161622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのシステムによれば、車載装置が車両を目的地近くの駐車場まで案内し、ユーザが車両を降車した後は、携帯装置がユーザを目的地まで案内することができる。しかしながら、例えば、ユーザが車両から降車した際に、例えば、地下駐車場などに車両を駐車してユーザが降車した場合などで、携帯装置がGPS信号を受信できないと、ユーザが駐車場に到着しても、ユーザの最終目的地、例えば施設などへの案内が滞ってしまったり、案内できないものとなってしまう。また、ユーザが最終目的地から駐車位置に戻る際に、駐車場の位置がわからなくなることがある。これでは、ナビゲーションシステムとしてのサービス性が低いもとのなってしまう。これを解決するためには、ユーザが車両から降車した際に、車載装置が携帯装置に車両の現在位置を送信すればよい。しかし、例えば、車両から携帯装置への通信が切れた場合にユーザが降車したと判断するシステムにおいては、ユーザが降車したと判断してからでは、車載装置から携帯装置に情報を転送することができない。また、車載装置で算出された位置情報を携帯装置に常に定期的に転送するという方法も考えられるが、この方法は通信付加が大きくなるという課題がある。
【0005】
本車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法は、上記課題に鑑みなされたものであり、車載装置をはじめとする外部装置から携帯装置に案内を移行する際に携帯装置で現在位置を確実に認識でき、外部装置(車載装置やセンター)と携帯装置との間の通信負荷を軽減させることが可能な車載装置、ナビゲーションシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本車載装置は、車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、ユーザを第2目的地(例えば、最終目的地)に案内する携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を具備することを特徴とする。本車載装置によれば、ユーザが車両を降りた際、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、車載装置から携帯装置に車両の現在位置に関する情報が送信されるため、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【0007】
上記構成において、前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)から所定距離以内にある場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を周期的に送信する構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)から所定距離以内にある場合であって、かつ、前記車両が前回前記現在位置に関する情報を送信した際の前記車両の位置から所定距離以上移動した場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する構成とすることができる。この構成によれば、車両が所定の距離以上移動しなければ、情報の更新を行わないので、車両の現在位置に関する情報を送信する回数を削減することができ車載装置における不要な処理負荷を軽減させることができる。
【0009】
上記構成において、前記携帯装置から前記現在位置を使用したことを示す使用情報を受信する受信手段を具備し、前記位置送信手段は、前記受信手段が前記使用情報を受信した場合、前記車両の現在位置が前記第1目的地を(例えば、最終目的地周辺の駐車場)含む所定範囲内の場合であっても前記携帯装置に前記現在位置に関する情報を送信しない構成とすることができる。この構成によれば、ユーザにとって、現在位置情報の使用後も現在位置に関する情報が送られるわずらわしさを軽減させるとともに、車載装置の不要な処理を行うことによる処理負荷を低減させることができる。
【0010】
上記構成において、前記携帯装置は携帯電話である構成とすることができる。
【0011】
本ナビゲーションシステムは、車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を含む車載装置と、ユーザを前記現在位置から第2目的地(例えば、最終目的地)に案内するユーザ案内手段を含む前記携帯装置と、を具備することを特徴とする。本ナビゲーションシステムによれば、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【0012】
上記構成において、前記携帯装置のユーザ案内手段は、ユーザが駐車位置から離れており、前記ユーザの位置が前記現在位置にない場合、前記ユーザを前記現在位置に案内する構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記車載装置は、前記第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)と前記第2目的地(例えば、最終目的地)とが異なる場合、前記第1目的地に関する情報を前記携帯装置に送信する目的地送信手段を含み、前記携帯装置の案内手段は、現在位置が検出できる座標位置が異常(例えば0)になったときに、前記現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、前記ユーザを前記第1目的地に案内する構成とすることができる。
【0014】
本ナビゲーションシステムの制御方法は、携帯装置と車載装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、前記車載装置が車両を前記車両の目的地である第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)に案内するステップと、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信するステップと、前記携帯装置がユーザを前記現在位置から第2目的地(例えば、最終目的地)に案内するステップと、を含むことを特徴とする。本ナビゲーションシステムの制御方法によれば、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。
【発明の効果】
【0015】
本構成によれば、ユーザが第1目的地(例えば、最終目的地周辺の駐車場)、例えば駐車場に近づいた時点で、現在位置に関する情報を携帯装置に送信することで、携帯装置が独自に現在位置を検出できない場合であっても、携帯装置は現在位置を認識することができる。これにより、携帯装置は第1目的地から第2目的地(例えば、最終目的地)、例えば施設などへユーザを滞りなく案内することができるためナビゲーションシステムのサービス性が向上する。さらには、第1目的地(例えば、施設周辺の駐車場の位置)情報を携帯電話に記憶しているため、ユーザが第2目的地(例えば、施設の位置)情報から第1目的地へ戻る際に、第1目的地を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムのブロック図である。図1を参照に、ナビゲーションシステム100は車載ナビゲーション装置である車載装置10および例えば携帯電話である携帯装置30を含んでいる。車載装置10と携帯装置30との間は、例えばBuletooth通信等の無線通信52や赤外線等の光通信を用い情報の送受信を行うことができる。携帯装置30は移動体通信網54を介しセンターサーバ(CP)50と通信することができる。
【0018】
車載装置10は、制御部12、記憶部14、GPS受信部16、インターフェース(IF)部24、ヒューマンインターフェース(HMI)部18、表示部20および操作部22を含んでいる。記憶部14は、例えばハードディスクユニットであり、地図データに関する情報である地図情報や目的地に関する情報である目的地情報等を記憶している。記憶部14は、制御部12に地図情報や目的地情報を出力する。また、記憶部14は、制御部12から取得した目的地情報等を記憶する。GPS受信部16はGPS信号より自車位置を認識し、自車位置に関する情報を制御部12に出力する。また、GPS受信部16は、GPS信号に加え自立航法部(不図示)からの自立航法情報を用いて自車位置を認識することができる。HMI部18は表示部20および操作部22と制御部12との間のインターフェースである。表示部20は、例えば液晶画面であり、制御部12からの信号により地図やメニューリストを表示する。操作部22は、例えば、タッチパネルや釦等であり、制御部12に操作信号を出力する。例えば、ユーザが操作部22を操作することにより、メニューの選択等を行うことができる。IF部24は、制御部12から取得した情報を携帯装置30に送信する。また、携帯装置30から受信した情報を制御部12に出力する。
【0019】
携帯装置30は、制御部32、記憶部34、GPS受信部36、IF部44、HMI部38、表示部40、操作部42および電話IF部46を含んでいる。電話IF部44は、移動体通信網54に接続し制御部32と外部との情報の送受信を行う。制御部32は、例えばセンターサーバ50から移動体通信網54および電話IF部46を介し、最新の地図データ等を取得することができる。その他の各部の機能は車載装置10と同様であり説明を省略する。
【0020】
図2は、実施例1に係るナビゲージョンシステムの動作を説明するフロー図である。図2を参照に、携帯装置30の制御部32は、操作部42からの入力や記憶部34に記憶されている目的地リストを基に目的地を設定する(ステップS10)。制御部32はIF部44を介し目的地情報を車載装置10に送信する(ステップS12)。車載装置10の制御部12はIF部24を介し目的地情報を取得する。制御部12は車両の走行開始を認識する(ステップS14)と、制御部12は、GPS受信部16から自車位置に関する情報、記憶部14から地図データに関する情報を取得し、表示部20に地図、目的地への経路、目的地を表示させ、車両を目的地に案内する(ステップS16)。制御部12は車両の現在位置が目的地周辺であることを認識する(ステップS18)と、車両の現在位置に関する情報である現在位置情報をIF部24を介し、携帯装置30に送信する。携帯装置30の制御部32はIF部44を介し現在位置に関する情報を取得する。制御部32は、車載装置10の制御部と同様に、ユーザを目的地に案内する(ステップS22)。制御部32は、目的地への到着を認識する(ステップS24)と案内を終了する。
【0021】
このように、実施例1に係るナビゲーションシステムにおいては、携帯装置30と車載装置10との間で目的地情報や現在位置に関する情報を通信する。これにより、携帯装置30で設定した目的地に、車載装置10が車両を案内することができる。また、車両を駐車した後、携帯装置30がユーザを目的地に案内することができる。
【0022】
また、車両が目的地周辺に到着した場合(ステップS18)、車載装置10は携帯装置30に現在位置に関する情報を送信する(ステップS20)。これにより、ユーザが車両を降車した際に、携帯装置30は車両の現在位置を認識することができる。よって、ユーザが地下駐車場で車両を降車した場合等、携帯装置30がGPS信号を受信できない場合であっても、ユーザは現在位置を確認することができる。
【0023】
図3は、実施例1に係るナビゲーションシステムの別の動作の例である。図3を参照に、車載装置10の制御部12が目的地を設定する(ステップS11)。制御部12は、車両の案内開始後、IF部24を介し目的地情報を携帯装置30に送信する(ステップS26)。その他のステップは、図2と同じであり説明を省略する。
【0024】
以下、実施例1の詳細について図3の場合を例に説明する。
【0025】
図4は、車載装置10の機能ブロック図である。車載装置10の制御部12等は、目的地設定手段60、車両案内手段62、目的地送信手段64および位置送信手段66として機能する。また、記憶部14は記憶手段70として機能する。記憶手段70は、地図データに関する情報である地図情報や目的地として選択する可能性のある目的地リスト、目的地周辺の駐車場リスト等を記憶している。目的地設定手段60は記憶手段70の地図情報等に基づき第1目的地および第2目的地を設定する。第1目的地とは、車両の目的地であり、例えばユーザの最終目的付近の駐車場である。第2目的地とはユーザの最終目的地である。第1目的地と第2目的地が同じ場合もある。第1目的地および第2目的地に関する情報には、例えば、第1目的地の緯度、経度、高さに関する情報を含み、住所、電話番号、施設名等が含まれてもよい。目的地設定手段60は記憶手段70に第1目的地および第2目的地に関する情報を記憶させる。
【0026】
車両案内手段62は、GPS受信部16が出力する自車位置に関する情報、記憶手段70の地図情報および第1目的地に関する情報に基づき、車両を第1目的地に案内する。目的地送信手段64は、記憶手段70から第1目的地および第2目的地に関する情報を取得し、車両案内手段62が案内を開始したことに対応し、IF部24を介し第1目的地および第2目的地に関する情報を携帯装置30に送信する。位置送信手段66は、車両が第1目的地周辺に到着した場合、現在位置情報を携帯装置30に送信する。
【0027】
図5は携帯装置30の機能ブロック図である。携帯装置30の制御部32等は、受信手段80およびユーザ案内手段82として機能する。記憶部34は記憶手段90として機能する。記憶手段90は、地図情報等を記憶している。受信手段80は、IF部44を介し第1目的地および第2目的地に関する情報並びに現在地情報を取得する。ユーザ案内手段82は、GPS受信部36が出力する自車位置に関する情報、記憶手段90の地図情報および第2目的地に関する情報に基づき、ユーザを第2目的地に案内する。
【0028】
図6から図9および図12は、車載装置10の動作を示すフローチャートである。図3の主にステップS14、S26に対応する。図10(a)から図10(c)は、表示部20が表示する画面を示す図である。図11(a)から図11(c)は、記憶手段70が記憶する各情報を示す図である。図13は携帯装置の動作を示すフローチャートである。図6を参照に、目的地設定手段60は、POI(位置情報)検索を行うか判断する(ステップS30)。ユーザが操作部22を用いPOI検索スイッチをオンさせると、目的地設定手段60は、POI検索を行うと判断する。
【0029】
Yesの場合、図7を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70内の目的地リストからPOI位置を検索し、目的とすべきPOI位置(例えばPOI位置X)を選択する(ステップS50)。このPOI位置はユーザが最終的に目的地とする位置であり、第2目的地となるべき位置である。図7を参照に、目的地設定手段60は、POI位置X付近の地図を表示する(ステップS52)。図7を参照に、目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図上の以前の第1目的地および第2目的地をクリアする(ステップS54)。目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図上にPOI位置Xを表示する(ステップS56)。図10(a)を参照に、表示部20は、地図にPOI位置Xを例えばX等のシンボルで表示する。終了し、ステップS30に戻る。
【0030】
図6を参照に、ステップS30でNoの場合、目的地設定手段60は駐車場を検索するか判断する(ステップS32)。例えば、図10(a)の画面で、ユーザが周辺駐車場との表示にタッチすると、目的地設定手段60は駐車場を検索すると判断する。Yesの場合、図8および図11(a)を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70に、選択されたPOI位置としてPOI位置Xを記憶させる(ステップS60)。図8および図10(b)を参照に、目的地設定手段60はPOI位置X付近の駐車場リストを記憶手段70から取得し、表示部20に駐車場リストを表示させる(ステップS62)。ユーザが図10(b)の画面の駐車場リストのうちひとつにタッチすると、タッチされた駐車場が選択される。例えば、駐車場位置Yの駐車場を選択する。図8および図10(c)を参照に、目的地設定手段60は、記憶手段70から選択された駐車場付近の地図情報を取得し、表示部20に地図を表示させる(ステップS64)。駐車場位置Yを例えばP等のシンボルで表示する。図8および図11(a)を参照に、目的地設定手段60は、選択された駐車場位置として駐車場位置Yを記憶手段70に記憶させる(ステップS66)。終了し、ステップS30に戻る。
【0031】
図6を参照に、ステップS32でNoの場合、目的地設定手段60は、表示部20が表示している地図がスクロールされたか判断する(ステップS34)。ユーザは操作部22を操作し、目的地を設定するため地図をスクロールすることができる。Yesの場合、目的地設定手段60は、POI位置Xおよび駐車場位置Yをクリアする(ステップS40)。終了し、ステップS30に戻る。
【0032】
図6を参照に、ステップS34でNoの場合、目的地設定手段60は、目的地を設定するか判断する(ステップS36)。例えば、図10(c)の画面で、ユーザが新規目的地との表示にタッチすると、目的地設定手段60は、目的地を設定すると判断する。Yesの場合、図9を参照に、目的地設定手段60は、車両の目的地である第1目的地を設定する(ステップS70)。例えば、図10(c)の画面で、ユーザが新規目的地との表示にタッチしたときの地図上のカーソル+の位置を第1目的地とする。目的地設定手段60は、第1目的地が駐車場位置Yかを判断する(ステップS72)。Yesの場合、目的地設定手段60は、ステップS50において選択されたPOI位置(例えばPOI位置X)を第2目的地とする(ステップS76)。Noの場合、目的地設定手段60は、第1目的地を第2目的地とする(ステップS74)。目的地設定手段60は、第1目的地および第2目的地を記憶手段70に記憶させる(ステップS78)。終了し、ステップS30に戻る。
【0033】
図9のステップS72でYseの場合、第1目的地は駐車場位置Yであるから、ユーザは車両を降車した後、POI位置Xまで徒歩で行く。よって、図11(b)のように、記憶手段70には第1目的地として駐車場位置Y、第2目的地としてPOI位置Xが記憶される。ステップS72でNoの場合、第1目的地は駐車場位置Y以外の設定位置Zである。この場合、ユーザは、駐車場以外の場所を設定したことになる。よって、図11(c)のように、第1目的地と第2目的地は同じ設定位置Zとなる。
【0034】
図6を参照に、ステップS36においてNoの場合、車両案内手段62は、車両の第1目的地への案内を開始する。目的地送信手段64は、車両案内手段62が車両の案内を開始したか判断する(ステップS38)。Yseの場合、目的地送信手段64は、IF部24に、第1目的地および第2目的地に関する情報を携帯装置30に送信させる(ステップS42)。終了し、ステップS30に戻る。ステップS38において、Noの場合、ステップS30に戻る。
【0035】
図12は、車両案内手段62が車両を案内している間の車載装置10の処理を示すフローチャートであり、図3のステップS16、S18およびS20に相当する。図12を参照に、車両案内手段62は、GPS受信部16からの現在位置情報に基づき、車両の現在位置を検出する(ステップS80)。位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地周辺かを判断する(ステップS82)。車両の現在位置が第1目的地を含む所定範囲内の場合、現在位置は第1目的地周辺と判断する。ここで、所定範囲とは、例えば、現在位置と第1目的位置との距離が所定距離以内の範囲である。また、地図データを予め複数のブロックに分割しておき、第1目的地を含むブロックを所定範囲とすることもできる。
【0036】
ステップS82において、Yesの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する。このとき、位置送信手段66は、現在位置情報を周期的(例えば5秒毎)に送信することができる。終了し、ステップS80に戻る。ステップS82において、Noの場合、終了しステップS80に戻る。
【0037】
図13は、図3のステップS22からS26に相当するフローチャートである。図13を参照に、受信手段80は、図6のステップS42において車載装置10から送信された第1目的地および第2目的地に関する情報を受信する(ステップS90)。受信手段80は、図12のステップS84において車載装置10から送信された現在位置情報を受信する(ステップS92)。ユーザ案内手段82は、ユーザを第2目的地に案内する(ステップS94)。ユーザ案内手段82は、車両に戻るかを判断する(ステップS96)。第2目的地に到着後、または案内の途中において、ユーザが車両に戻る場合に相当する。Yesの場合、ユーザ案内手段82は、現在位置情報が有効かを判断する(ステップS98)。受信手段80が現在位置情報を受信していない場合、現在位置情報は無効と判断する。ステップS96において、Noの場合、終了する。
【0038】
ステップS98においてYesの場合、ユーザ案内手段82は、ユーザを現在位置に案内する。このときの現在位置は、受信手段80が受信した最新の現在位置情報に対応する現在位置とする。ステップS98において、Noの場合、ユーザ案内手段82は、第1目的地情報が有効かを判断する(ステップS102)。例えば、受信手段80が第1目的地情報を受信していない場合、第1目的地情報は無効と判断する。Noの場合、終了する。Yesの場合、ユーザ案内手段82はユーザを第1目的地に案内する(ステップS104)。ユーザが現在位置または第1目的地に到着すると終了する。
【0039】
実施例1によれば、図12のステップS82およびS84のように、位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置30に車両の現在位置情報を送信する。これにより、ユーザが車両を降りた際、携帯装置30のGPS受信部36が現在位置を検出できない場合も、携帯装置30のユーザ案内手段82は現在位置を認識することができる。
【0040】
ユーザが第2目的地に到達した後、または、第2目的地に向かう途中に、車両に引き返そうとした場合、携帯装置30が車両の位置を認識していないと、ユーザ案内手段82はユーザを車両に案内することができない。実施例1によれば、位置送信手段66が携帯装置30に車両の現在位置情報を送信する。これにより、図13のステップS100のように、携帯装置30のユーザ案内手段82は、現在位置情報に基づき、ユーザを車両の現在位置に案内することができる。
【0041】
また、図12のステップS84のように、位置送信手段66は、現在位置が第1目的地を含む所定範囲内の場合、現在位置情報を周期的に送信し続けることが好ましい。これにより、携帯装置30は、ユーザが車両のエンジンを停止する直前の車両の現在位置情報を受信することができる。なお、位置送信手段66は、現在位置情報を送信する間隔は周期的でなくともよい。例えば、位置送信手段66は、車両の現在位置と第1目的地との距離に応じ、現在位置情報を送信する間隔を変えてもよい。例えば、位置送信手段66は、車両が目的地に近い場合、現在位置情報を送信する間隔を小さくすることができる。
【0042】
また、図6のステップS42のように、目的地送信手段64は、第1目的地と第2目的地とが異なる場合、第1目的地に関する情報を携帯装置に送信することが好ましい。これにより、図13のステップS102およびS104のように、ユーザ案内手段82は、現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、第1目的地に関する情報に基づき、ユーザを第1目的地に案内することができる。よって、携帯装置30が現在位置情報を取得できなかった場合も、車両の現在位置に近いと考えられる第1目的地にユーザを案内することができる。
【実施例2】
【0043】
実施例2は、位置送信手段66が現在位置情報を送信する別の例である。図14は、車載装置10の動作を示す例である。図12と比較し、ステップS82において、Yesの場合、位置送信手段66は、車両が所定距離以上移動したかを判断する(ステップS86)。例えば、位置送信手段66が前回現在位置情報を送信した際の車両の現在位置から車両が所定距離以上移動したかを判断する。Yesの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する(ステップS88)。その後、終了しステップS80に戻る。ステップS86において、Noの場合、終了しステップS80に戻る。その他の動作は実施例1の図12と同じであり説明を省略する。
【0044】
実施例2によれば、位置送信手段66は、車両の現在位置が第1目的地から所定距離以内の場合であって、かつ、車両が前回現在位置に関する情報を送信した際の車両の位置から所定距離以上移動した場合、携帯装置に現在位置情報を送信する。これにより、実施例1のように、周期的に現在位置情報を送信する場合に比べ、現在位置情報を送信する回数を削減することができる。
【実施例3】
【0045】
実施例3は、携帯装置が車載装置に、現在位置情報を使用したかを示す使用情報(使用フラグ)を送信する例である。図15は、車載装置の機能ブロック図、図16は携帯装置の機能ブロック図である。図15を参照に、実施例3の車載装置10は、使用情報受信手段68をさらに含んでいる。使用情報受信手段68は、携帯装置30から現在位置情報を使用したか否かを示す使用フラグを受信する。その他の構成は実施例1の図4と同じであり説明を省略する。図16を参照に、実施例3の携帯装置30は、使用情報設定手段84および使用情報送信手段86をさらに含んでいる。使用情報設定手段84は、ユーザ案内手段82が現在位置情報を使用したか否かを使用フラグに設定する。例えば、現在位置情報を用いた場合、使用フラグをハイに設定する。使用情報送信手段86は、使用フラグを車載装置10に送信する。その他の構成は実施例1の図5と同じであり説明を省略する。
【0046】
図17は携帯装置の動作を示すフローチャートである。図17を参照に、実施例1の図13のステップS94に対応し、使用情報設定手段84は、使用フラグをハイに設定する(ステップS110)。図13のステップS100またはS104のようにユーザを車両に案内する(ステップS112)。使用情報送信手段86は、使用フラグを車載装置10に送信する(ステップS114)。その他の構成は、実施例1の図13と同じであり説明を省略する。
【0047】
図18は車載装置の動作を示すフローチャートである。図18を参照に、実施例1の図12と比較し、ステップS80の後、使用情報受信手段68は使用フラグを受信する(ステップS120)。ステップS82においてYesの場合、位置送信手段66は、使用フラグがハイかを判断する(ステップS122)。Noの場合、位置送信手段66は、現在位置情報を携帯装置30に送信する(ステップS124)。その後、終了しステップS80に戻る。ステップS122において、Yesの場合、終了しステップS80に戻る。ステップS82においてNoの場合、使用フラグをローにクリアする(ステップS126)。その他の動作は実施例1の図12と同じであり説明を省略する。
【0048】
実施例3によれば、図18のステップS122およびS124のように、位置送信手段66は、使用フラグがハイの場合、つまり、使用情報受信手段88が現在位置を使用したことを示す使用情報を受信した場合、車両の現在位置が第1目的地周辺の場合であっても、携帯装置30に現在位置情報を送信しない。現在位置情報を使用した場合、再度現在位置情報を用いることはあまりない。実施例3によれば、現在位置情報を送信する回数を削減することができる。なお、一度現在地情報を用いても再度用いる可能性のある場合は、実施例1のように、使用情報を用いないことが好ましい。
【0049】
実施例1から3においては、携帯装置30が移動体通信網との通信を行う携帯インターフェース(IF部)44を含む携帯電話を例に説明した。携帯装置30は携帯電話でなくともよい。
【0050】
実施例1から3においては、車載装置10から携帯装置30に送信する情報は位置情報を用いていたが、これに加えて施設名称、住所および電話番号の少なくとも一つがあってもよい。これらの情報を携帯装置30の表示部に表示することにより、ユーザは駐車位置に戻ることができる。
【0051】
実施例1から3においては、車載装置10の位置送信手段66および目的地送信手段64は携帯装置30に位置情報、第1目的地および第2位置情報を直接送信していたが、位置送信手段66および目的地送信手段64は、位置情報、第1目的地および第2位置情報の少なくとも一部を移動体通信網54を介しセンターサーバ50に位置情報を送信し、センターサーバ50が携帯装置30に移動体通信網54を介し送信してもよい。すなわち、位置送信手段66および目的地送信手段64は携帯装置30に位置情報、第1目的地および第2位置情報を間接的に送信してもよい。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムのブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係るナビゲーションシステムの動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、実施例1に係るナビゲーションシステムの動作を示す別のフロー図である。
【図4】図4は、車載装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、携帯装置の機能ブロック図である。
【図6】図6は、車載装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
【図7】図7は、車載装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
【図8】図8は、車載装置の処理を示すフローチャート(その3)である。
【図9】図9は、車載装置の処理を示すフローチャート(その4)である。
【図10】図10(a)から図10(c)は、表示部の画面を示す例である。
【図11】図11(a)から図11(c)は、記憶手段が記憶する情報の例である。
【図12】図12は、車載装置の処理を示すフローチャート(その5)である。
【図13】図13は、携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施例2の携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例3の車載装置の機能ブロック図である。
【図16】図16は、実施例3の携帯装置の機能ブロック図である。
【図17】図17は、実施例3の携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例3の車載装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10 車載装置
30 携帯装置
60 目的地設定手段
62 車両案内手段
64 目的地送信手段
66 位置送信手段
68 使用情報受信手段
70 記憶手段
80 受信手段
82 ユーザ案内手段
84 使用情報設定手段
86 使用情報送信手段
100 ナビゲーションシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段と、
前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、ユーザを第2目的地に案内する携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、
を具備することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地から所定距離以内にある場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を周期的に送信することを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項3】
前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地から所定距離以内にある場合であって、かつ、前記車両が前回前記現在位置に関する情報を送信した際の前記車両の位置から所定距離以上移動した場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信することを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項4】
前記携帯装置から前記現在位置を使用したことを示す使用情報を受信する受信手段を具備し、
前記位置送信手段は、前記受信手段が前記使用情報を受信した場合、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内の場合であっても前記携帯装置に前記現在位置に関する情報を送信しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の車載装置。
【請求項5】
前記携帯装置は携帯電話であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の車載装置。
【請求項6】
車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を含む車載装置と、
ユーザを前記現在位置から第2目的地に案内するユーザ案内手段を含む前記携帯装置と、
を具備するナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記携帯装置のユーザ案内手段は、前記ユーザの位置が前記現在位置にない場合、前記ユーザを前記現在位置に案内することを特徴とする請求項6記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記車載装置は、前記第1目的地と前記第2目的地とが異なる場合、前記第1目的地に関する情報を前記携帯装置に送信する目的地送信手段を含み、
前記携帯装置の案内手段は、前記現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、前記ユーザを前記第1目的地に案内することを特徴とする請求項7記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
携帯装置と車載装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、
前記車載装置が車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内するステップと、
前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信するステップと、
前記携帯装置がユーザを前記現在位置から第2目的地に案内するステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーションシステムの制御方法。
【請求項1】
車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段と、
前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、ユーザを第2目的地に案内する携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、
を具備することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地から所定距離以内にある場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を周期的に送信することを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項3】
前記位置送信手段は、前記車両の現在位置が前記第1目的地から所定距離以内にある場合であって、かつ、前記車両が前回前記現在位置に関する情報を送信した際の前記車両の位置から所定距離以上移動した場合、前記携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信することを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項4】
前記携帯装置から前記現在位置を使用したことを示す使用情報を受信する受信手段を具備し、
前記位置送信手段は、前記受信手段が前記使用情報を受信した場合、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内の場合であっても前記携帯装置に前記現在位置に関する情報を送信しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の車載装置。
【請求項5】
前記携帯装置は携帯電話であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の車載装置。
【請求項6】
車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内する車両案内手段と、前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信する位置送信手段と、を含む車載装置と、
ユーザを前記現在位置から第2目的地に案内するユーザ案内手段を含む前記携帯装置と、
を具備するナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記携帯装置のユーザ案内手段は、前記ユーザの位置が前記現在位置にない場合、前記ユーザを前記現在位置に案内することを特徴とする請求項6記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記車載装置は、前記第1目的地と前記第2目的地とが異なる場合、前記第1目的地に関する情報を前記携帯装置に送信する目的地送信手段を含み、
前記携帯装置の案内手段は、前記現在位置に関する情報が有効でないと判断した場合、前記ユーザを前記第1目的地に案内することを特徴とする請求項7記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
携帯装置と車載装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、
前記車載装置が車両を前記車両の目的地である第1目的地に案内するステップと、
前記車両の現在位置が前記第1目的地を含む所定範囲内にある場合、携帯装置に前記車両の前記現在位置に関する情報を送信するステップと、
前記携帯装置がユーザを前記現在位置から第2目的地に案内するステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーションシステムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−38587(P2010−38587A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198881(P2008−198881)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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