説明

車載装置および車載装置に接続された外部機器の動作制御方法

【課題】タッチパネル上に外部機器と同じユーザインタフェースを表示させて、外部機器と同じ操作方法を実現できる「車載装置および車載装置に接続された外部機器の動作制御方法」を提供する。
【解決手段】外部機器20で描画された画像情報を車載装置10に入力してタッチパネル11に表示させ、そのときタッチパネル11上で行われたなぞり操作の操作量を、スクロールキーのN回分の操作コマンドに変換して外部機器20に送信することにより、タッチパネル11に対する操作によって検出されたなぞり操作の操作量がタッチパネル11上の座標情報としてそのまま外部機器20に送信されるのではなく、外部機器20にて受付可能な操作コマンドに変換して送信されるようにして、車載装置10でも外部機器20と同じ操作方法を実現できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置および車載装置に接続された外部機器の動作制御方法に関し、特に、車載装置のタッチパネルに対する操作に応じて、車載装置に接続された外部機器の動作を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、USB(Universal Serial Bus)等の有線あるいはブルートゥース等の無線によって外部機器を車載装置に接続して、外部機器が備える機能を車載装置で利用可能にする技術が提供されている。例えば、外部機器としてiPod(登録商標)などの携帯型デジタル楽曲プレイヤーやiPhone(登録商標)などのスマートフォンを車載装置に接続し、携帯型デジタル楽曲プレイヤーまたはスマートフォンに蓄積されている楽曲データを車載装置にて再生可能にした技術が提供されている。
【0003】
この種の車載装置では、車載装置が対応するリソースの1つに外部機器を割り当て、リソース選択画面で外部機器を選択することにより、外部機器に対する操作を車載装置において行うことができるようになされている。特に最近では、外部機器で描画した画像情報と同じ画像情報を車載装置に表示させる技術が提供されている。例えば、iPodやiPhoneで描画した画像情報を車載装置に出力し、当該車載装置のタッチパネル付きディスプレイ(以下、単にタッチパネルという)上でiPodやiPhoneと同じ画像情報を表示して、そこから操作を行う技術が存在する。
【0004】
ところで、iPodやiPhoneなどの外部機器にはタッチパネルが採用されており、タッチパネル上に表示されたユーザインタフェースに対するユーザのタッチ操作やなぞり操作によって、外部機器自身の各種動作を指示することができるようになっている。また、車載装置においてもタッチパネルを採用したものがある。そうした車載装置では、タッチパネルに対するユーザのタッチ操作やなぞり操作によって、車載装置自身の各種動作を指示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、タッチパネルから出力される座標変化情報に基づいてなぞり操作量を算出し、算出したなぞり操作量の長さに応じてスクロール動作を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4314927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した機能を車載装置に搭載する場合、iPodなどの外部機器で描画された画像情報を車載装置に表示させるだけでなく、車載装置のタッチパネル上に外部機器と同じユーザインタフェースを表示させて、車載装置でも外部機器と同じ操作方法(外部機器と同じユーザインタフェースに対するタッチ操作やなぞり操作)を実現することが望まれる。例えば、車載装置のタッチパネル上に表示された楽曲リストの中から所望の楽曲を選択する場合、楽曲リストの表示位置でなぞり操作をすることによって当該楽曲リストのスクロールを行い、所望の楽曲の表示位置でタッチ操作をすることによって当該所望の楽曲を選択するといった一連の操作を車載装置でも実現することが望まれる。
【0007】
しかしながら、上述した機能では、タッチ操作やなぞり操作が定義されていない。すなわち、車載装置のタッチパネル上でタッチ操作やなぞり操作が行われても、その操作位置を表す座標情報を受け付ける機能が用意されていない。そのため、車載装置において外部機器と同じ操作方法を実現することができない。
【0008】
そこで、現状の車載装置では、図4に示すように、外部機器で描画された画像情報を表示する領域101とは別の領域102,103に、車載装置自身で描画した各種操作キー111〜116を表示させるようにしている。そして、操作キー111〜116の操作に応答して操作コマンドを発生させ、それを外部機器に出力するようにしている。なお、111はメニューキー、112は上下スクロールキー、113は決定キー、114はスキップダウンキー、115は再生/一時停止キー、116はスキップアップキーである。
【0009】
すなわち、ユーザは、画像表示領域101に対するタッチ操作やなぞり操作ではなく、別の領域102,103に表示された操作キー111〜116に対するタッチ操作によって所望の動作を指示する必要がある。これらの操作キー111〜116をタッチ操作すると、タッチされた操作キーに対応する操作コマンドが車載装置にて発生され、当該操作コマンドが外部機器に出力される。外部機器は、この操作コマンドに従って、該当する動作を実行することになる。例えば、ユーザが上下スクロールキー112をタッチすると、スクロールコマンドが車載装置から外部機器に送信される。外部機器は、このスクロールコマンドに従って、例えば楽曲リストなどのスクロール動作を実行する。
【0010】
このように、従来は、外部機器で描画された画像情報と同じ画像情報を車載装置にも表示させることができるものの、車載装置において外部機器と同じ操作方法を実現することができなかった。iPodやiPhoneが爆発的に普及し、これらの操作方法がユーザ共通の認識になってきている中で、画像表示領域101に対するタッチ操作やなぞり操作ではなく、上下スクロールキー112や決定キー113に対するタッチ操作による操作方法は、ユーザにとって不自然かつ不便に感じられるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、外部機器に対する操作を車載装置において行うことができる機能を搭載した車載装置において、車載装置のタッチパネル上に外部機器と同じユーザインタフェースを表示させて、車載装置でも外部機器と同じ操作方法を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明では、外部機器で描画された画像情報を車載装置に入力してタッチパネル付きディスプレイに表示させ、そのときタッチパネル上で行われたなぞり操作の操作量を、所定キーのN回分の操作コマンドに変換して外部機器に送信することにより、外部機器の動作を制御するようにしている。
【0013】
本発明の他の態様では、タッチパネル上で行われたタッチ操作の操作位置を、第2の所定キーの操作コマンドに変換して外部機器に送信することにより、外部機器の動作を制御するようにしている。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、車載装置のタッチパネルに対する操作によって検出されたなぞり操作の操作量やタッチ操作の操作位置がタッチパネル上の座標情報としてそのまま外部機器に送信されることはなく、外部機器にて受付可能な操作コマンドに変換して送信される。そのため、車載装置のタッチパネル上に外部機器と同じユーザインタフェースの画像情報を表示させて、車載装置でも外部機器と同じ操作方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態による車載装置を備えた通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による車載装置の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態において楽曲選択の一連の操作を行うときにタッチパネルに表示される画面の遷移例を示す図である。
【図4】従来の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による車載装置を備えた通信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す通信システムは、本実施形態の車載装置10と、iPodやiPhoneなどの外部機器20とを有線または無線により接続し、外部機器20に蓄積されている楽曲データを車載装置10にて再生可能にしたものである。
【0017】
車載装置10は、外部機器20で描画された画像情報を入力してタッチパネル付きディスプレイ(以下、タッチパネル11という)に表示させ、タッチパネル11に対する操作に応じて外部機器20の動作を制御する機能を備えている。車載装置10は、この機能に関連する機能構成として、画像情報入力部1、表示制御部2、操作受付部3、操作量検出部4、操作位置検出部5、コマンド変換部6およびコマンド送信部7を備えている。
【0018】
車載装置10が備える各機能ブロック1〜7は、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、上記各機能ブロック1〜7は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0019】
画像情報入力部1は、車載装置10と外部機器20とが接続されている状態において、外部機器20にて描画された画像情報を入力する。画像情報入力部1は、外部機器20から入力した画像情報を表示制御部2に供給する。表示制御部2は、画像情報入力部1から供給された画像情報をタッチパネル11に表示させるように制御する。これにより、タッチパネル11には、外部機器20と同じ画像情報が表示されることになる。
【0020】
操作受付部3は、タッチパネル11に対するユーザの各種操作を受け付ける。操作量検出部4は、タッチパネル11上でなぞり操作が行われたときに、当該なぞり操作の操作量を検出する。なぞり操作とは、ユーザの指などをタッチパネル11に接触させた状態のまま、接触位置を移動させる操作のことをいう。したがって、なぞり操作の操作量とは、接触位置の移動量を意味する。タッチパネル11に対する接触が行われると、タッチパネル11は接触位置を表す座標情報を操作受付部3に出力する。よって、操作量検出部4は、その座標情報の変化量をもとに、なぞり操作の操作量を検出することが可能である。
【0021】
操作位置検出部5は、タッチパネル11上でタッチ操作が行われたときに、当該タッチ操作の操作位置を検出する。タッチ操作とは、ユーザの指などをタッチパネル11の所望位置に接触させる操作のことをいう。したがって、操作位置検出部5は、タッチパネル11から操作受付部3に出力される接触位置を表す座標情報を、タッチ操作の操作位置として検出することが可能である。
【0022】
コマンド変換部6は、操作量検出部4により検出されたなぞり操作の操作量および操作位置検出部5により検出されたタッチ操作の操作位置を、外部機器20が受付可能な操作コマンドに変換する。具体的には、コマンド変換部6は、操作量検出部4により検出されたなぞり操作の操作量を、所定キーのN回分(Nは1以上の整数)の操作コマンドに変換する。所定キーの例としては、楽曲リストのスクロールを行うためのスクロールキーがある。
【0023】
例えば、タッチパネル11上に表示された楽曲リストの中から所望の楽曲を選択する場合、ユーザは、楽曲リストの表示位置でなぞり操作をすることによって当該楽曲リストのスクロールを行い、所望の楽曲の表示位置でタッチ操作をすることによって当該所望の楽曲を選択するといった一連の操作を行う。この一連の操作に関連して、コマンド変換部6は、楽曲リストの表示位置で行われたなぞり操作の操作量を、スクロールキーのN回分の操作コマンドに変換する。
【0024】
この変換処理を行うために、コマンド変換部6は、タッチパネル11上に表示されている画像情報(外部機器20から入力したもの)のどの位置に楽曲リストが表示されていて、楽曲リストにおける1曲当たりの表示幅が何ドットであるかという情報をあらかじめ記憶している。コマンド変換部6は、この情報を利用して、楽曲リストの位置において行われたなぞり操作の操作量が、何曲分のスクロールに相当するかを算出する。仮に、1曲分のスクロールに必要な操作量が1曲当たりの表示幅と等しいとすれば、なぞり操作の操作量を1曲当たりの表示幅で割ったときの商の値がNとなる。
【0025】
また、コマンド変換部6は、操作位置検出部5により検出された操作位置を、第2の所定キーの操作コマンドに変換する。第2の所定キーの例としては、画像情報の中でユーザインタフェースとして表示された操作ボタンや、選択項目を選択するための決定キーがある。例えば、上述した楽曲選択の一連の操作に関連して、コマンド変換部6は、楽曲リスト上における所望の楽曲の表示位置で行われたタッチ操作のタッチ位置を、楽曲リスト上の何番目の楽曲が選択されたのかを示す決定キーの操作コマンドに変換する。
【0026】
また、画像情報の中にユーザインタフェースとして操作ボタンが表示されている場合において、当該操作ボタンの表示位置がタッチ操作されることがある。その場合、コマンド変換部6は、当該操作ボタンの表示位置で行われたタッチ操作のタッチ位置を、どの操作ボタンが選択されたのかを示す決定キーの操作コマンドに変換する。この変換処理を行うために、コマンド変換部6は、タッチパネル11上に表示されている画像情報(外部機器20から入力したもの)のどの位置にどの操作ボタンが表示されているかという情報をあらかじめ記憶している。
【0027】
コマンド送信部7は、コマンド変換部6により変換された操作コマンドを外部機器20に送信する。すなわち、コマンド送信部7は、コマンド変換部6によりなぞり操作の操作量がスクロールキーのN回分の操作コマンドに変換されたときは、当該スクロールキーのN回分の操作コマンドを外部機器20に送信する。一方、コマンド変換部6によりタッチ操作の操作位置が決定キーの操作コマンドに変換されたときは、当該決定キーの操作コマンドを外部機器20に送信する。
【0028】
図2は、上記のように構成した本実施形態による車載装置10の動作例を示すフローチャートである。また、図3は、上述した楽曲選択の一連の操作を行うときにタッチパネル11に表示される画面の遷移例を示す図である。以下、図2および図3に基づいて、本実施形態による車載装置10の動作を説明する。なお、図2に示すフローチャートは、外部機器20を車載装置10に接続したときに開始する。
【0029】
図2において、まず、車載装置10の操作受付部3は、タッチパネル11上に表示されたメニュー画面において、外部機器20から楽曲データを入力して再生する楽曲再生機能が選択されたか否かを判定する(ステップS1)。楽曲再生機能が選択されていない場合、処理はステップS1で待機する。一方、楽曲再生機能が選択された場合、車載装置10の図示しないコントローラは、初期画面送信要求を外部機器20に送信する(ステップS2)。
【0030】
外部機器20では、車載装置10から初期画面送信要求を受け取ると、初期画面の画像情報を描画して外部機器20に表示するとともに、当該初期画面の画像情報を車載装置10に送信する。画像情報入力部1は、外部機器20から送られてくる初期画面の画像情報を入力する(ステップS3)。そして、表示制御部2は、画像情報入力部1により入力された初期画面の画像情報をタッチパネル11に表示させる(ステップS4)。
【0031】
図3(a)は、ステップS4でタッチパネル11に表示される初期画面の画像情報の例を示す。図3(a)に示すように、初期画面の画像情報には、アーティスト名、アルバム名、楽曲名などの属性情報を表示する属性表示欄31と、アルバムジャケットの画像を表示するジャケット表示欄32と、楽曲の再生経過時間を表示するタイムラインバー33と、楽曲の検索を指示するための検索ボタン34とが含まれている。なお、初期画面において、属性表示欄31とジャケット表示欄32は空欄となっている。
【0032】
図3(a)に示す初期画面の画像情報がタッチパネル11に表示された状態において、操作受付部3は、ユーザの操作を受け付ける。ここで、操作受付部3がタッチ操作を受け付けた場合、操作位置検出部5は、タッチパネル11から操作受付部3に出力される座標情報に基づいて、タッチ操作の操作位置を検出する。そして、検出したタッチ操作の操作位置をコマンド変換部6に供給する。
【0033】
コマンド変換部6は、操作位置検出部5により検出されたタッチ操作の操作位置に基づいて、検索ボタン34がタッチ操作されたか否かを判定する(ステップS5)。コマンド変換部6は、ステップS1で楽曲再生機能が選択されたときには必ず最初に初期画面の画像情報が表示されることを把握している。また、コマンド変換部6は、初期画面の画像情報のどの位置に検索ボタン34が表示されているかという情報をあらかじめ記憶している。そのため、コマンド変換部6は、記憶している検索ボタン34の表示位置と、タッチ操作の操作位置とが合致すれば、検索ボタン34がタッチ操作されたと判定することが可能である。
【0034】
ここで、検索ボタン34がタッチ操作されていない場合、処理はステップS5で待機する。一方、検索ボタン34がタッチ操作されたと判定した場合、コマンド変換部6は、検索ボタン34が選択されたことを示す決定キーの操作コマンドを発生させる(ステップS6)。そして、コマンド送信部7は、コマンド変換部6により発生された検索ボタン34に係る決定キーの操作コマンドを外部機器20に送信する(ステップS7)。
【0035】
外部機器20では、車載装置10から検索ボタン34の操作コマンドを受け取ると、次遷移画面の画像情報として、検索メニューの画像情報を描画して外部機器20に表示するとともに、当該検索メニューの画像情報を車載装置10に送信する。画像情報入力部1は、外部機器20から送られてくる検索メニューの画像情報を入力する(ステップS8)。そして、表示制御部2は、画像情報入力部1により入力された検索メニューの画像情報をタッチパネル11に表示させる(ステップS9)。
【0036】
図3(b)は、ステップS9でタッチパネル11に表示される検索メニューの画像情報の例を示す。図3(b)に示すように、検索メニューの画像情報には、アーティスト名、アルバム名、ジャンル、楽曲名などの観点から所望の楽曲を検索することを指示するための操作ボタン35が含まれている。
【0037】
図3(b)に示すメニュー画面の画像情報がタッチパネル11に表示された状態において、操作受付部3は、ユーザの操作を受け付ける。ここで、操作受付部3がタッチ操作を受け付けた場合、操作位置検出部5は、タッチパネル11から操作受付部3に出力される座標情報に基づいて、タッチ操作の操作位置を検出する。そして、検出したタッチ操作の操作位置をコマンド変換部6に供給する。
【0038】
コマンド変換部6は、操作位置検出部5により検出されたタッチ操作の操作位置に基づいて、何れかの操作ボタン35がタッチ操作されたか否かを判定する(ステップS10)。コマンド変換部6は、検索ボタン34が操作されたら次は必ず検索メニュー画面の画像情報が表示されることを把握している。また、コマンド変換部6は、検索メニュー画面の画像情報のどの位置にどの操作ボタン35が表示されているかという情報をあらかじめ記憶している。そのため、コマンド変換部6は、記憶している操作ボタン35の表示位置と、タッチ操作の操作位置とに基づいて、どの操作ボタン35がタッチ操作されたのかを判定することが可能である。
【0039】
ここで、何れかの操作ボタン35がタッチ操作されたと判定した場合、処理はステップS6に遷移する。この場合、コマンド変換部6は、どの操作ボタン35が選択されたのかを示す決定キーの操作コマンドを発生させる(ステップS6)。そして、コマンド送信部7は、コマンド変換部6により発生された操作ボタン35に係る決定キーの操作コマンドを外部機器20に送信する(ステップS7)。
【0040】
外部機器20では、車載装置10から操作ボタン35の操作コマンドを受け取ると、次遷移画面の画像情報として、リストを含む画像情報を描画して外部機器20に表示するとともに、当該画像情報を車載装置10に送信する。例えば、図3(b)の検索メニュー画面において、楽曲名の操作ボタン35がタッチ操作された場合は、楽曲リストを含む楽曲選択画面の画像情報が外部機器20から車載装置10に送信される。
【0041】
画像情報入力部1は、外部機器20から送られてくる楽曲選択画面の画像情報を入力する(ステップS8)。そして、表示制御部2は、画像情報入力部1により入力された楽曲選択画面の画像情報をタッチパネル11に表示させる(ステップS9)。図3(c)は、ステップS9でタッチパネル11に表示される楽曲選択画面の画像情報の例を示す。図3(c)に示すように、楽曲選択画面の画像情報には、複数の楽曲名が楽曲リスト36として含まれている。
【0042】
図3(c)に示す楽曲選択画面の画像情報がタッチパネル11に表示された状態において、操作受付部3は、ユーザの操作を受け付ける。ここで、操作受付部3がタッチ操作ではなく、なぞり操作を受け付けた場合、操作量検出部4は、タッチパネル11から操作受付部3に出力される座標情報の変化量に基づいて、なぞり操作の操作量を検出する。そして、操作量検出部4は、座標情報により示されるなぞり操作の操作位置と、座標情報の変化量から検出したなぞり操作の操作量とをコマンド変換部6に供給する。
【0043】
コマンド変換部6は、操作量検出部4から供給されたなぞり操作の操作位置に基づいて、楽曲リスト36の表示位置でなぞり操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。コマンド変換部6は、楽曲名の操作ボタン35が操作されたら次は必ず楽曲選択画面の画像情報が表示されることを把握している。また、コマンド変換部6は、楽曲選択画面の画像情報のどの位置に楽曲リス36が表示されているかという情報をあらかじめ記憶している。そのため、コマンド変換部6は、記憶している楽曲リスト36の表示位置と、なぞり操作の操作位置とに基づいて、楽曲リスト36の表示位置でなぞり操作が行われたか否かを判定することが可能である。
【0044】
ここで、楽曲リスト36の表示位置でなぞり操作が行われたと判定した場合、コマンド変換部6は、操作量検出部4により検出されたなぞり操作の操作量に基づいて、スクロールキーのN回分の操作コマンドを発生させる(ステップS12)。そして、コマンド送信部7は、コマンド変換部6により発生されたスクロールキーのN回分の操作コマンドを外部機器20に送信する(ステップS13)。
【0045】
外部機器20では、車載装置10からスクロールキーのN回分の操作コマンドを受け取ると、次遷移画面の画像情報として、楽曲リスト36をN行分だけスクロールさせた楽曲選択画面の画像情報を描画して外部機器20に表示するとともに、当該楽曲選択画面の画像情報を車載装置10に送信する。画像情報入力部1は、外部機器20から送られてくる楽曲選択画面の画像情報を入力する(ステップS14)。そして、表示制御部2は、画像情報入力部1により入力された楽曲選択画面の画像情報をタッチパネル11に表示させる(ステップS15)。その後、処理はステップS11に戻る。
【0046】
ステップS11において、楽曲リスト36の表示位置でなぞり操作が行われていないと判断した場合、コマンド変換部6は、楽曲リスト36の中から何れかの楽曲が選択されたか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、楽曲リスト36の表示位置でのなぞり操作ではなくタッチ操作を操作受付部3が受け付けた場合、操作位置検出部5は、タッチパネル11から操作受付部3に出力される座標情報に基づいて、タッチ操作の操作位置を検出する。そして、検出したタッチ操作の操作位置をコマンド変換部6に供給する。
【0047】
コマンド変換部6は、操作位置検出部5により検出されたタッチ操作の操作位置に基づいて、楽曲リスト36の中から何れかの楽曲が選択されたか否かを判定する。コマンド変換部6は、楽曲選択画面の画像情報のどの位置に楽曲リスト36が表示されていて、楽曲リスト36における1曲当たりの表示幅が何ドットであるかという情報をあらかじめ記憶している。そのため、コマンド変換部6は、記憶している楽曲リスト36の表示位置や1曲当たりの表示幅と、タッチ操作の操作位置とに基づいて、楽曲リスト36の中で何番目の楽曲の表示位置がタッチ操作されたのかを判定することが可能である。
【0048】
ここで、何れかの楽曲が選択されたと判定した場合、コマンド変換部6は、タッチ操作の操作位置に基づいて、楽曲リスト上の何番目の楽曲が選択されたのかを示す決定キーの操作コマンドを発生させる(ステップS17)。そして、コマンド送信部7は、コマンド変換部6により発生された楽曲選択に係る決定キーの操作コマンドを外部機器20に送信する(ステップS18)。以降、図示は省略しているが、楽曲選択に係る決定キーの操作コマンドを受けた外部機器20から車載装置10に対して楽曲データが出力され、楽曲データの再生が行われる。
【0049】
なお、ここでは図3(b)の検索メニュー画面で楽曲名の操作ボタン35をタッチ操作した場合を例に挙げて説明したが、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名の操作ボタン35を操作しても、次遷移画面の画像情報の中にはリストが含まれる。例えば、アーティスト名の操作ボタン35をタッチ操作すれば、アーティスト名のリストを含むアーティスト選択画面の画像情報が外部機器20から車載装置10に送信されて表示される。この場合も、なぞり操作によってリストをスクロールさせることができることは言うまでもない。
【0050】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、外部機器20で描画された画像情報を車載装置10に送信してタッチパネル11に表示させ、そのときタッチパネル11上で行われたなぞり操作の操作量を、スクロールキーのN回分の操作コマンドに変換して外部機器20に送信することにより、外部機器20の動作を制御するようにしている。また、本実施形態では、タッチパネル11上で行われたタッチ操作の操作位置を、決定キーの操作コマンドに変換して外部機器20に送信することにより、外部機器20の動作を制御するようにしている。
【0051】
このように構成した本実施形態によれば、車載装置10のタッチパネル11に対する操作によって検出されたなぞり操作の操作量やタッチ操作の操作位置がタッチパネル11上の座標情報としてそのまま外部機器20に送信されることはなく、外部機器20にて受付可能な操作コマンドに変換して送信される。そのため、車載装置10のタッチパネル11上に外部機器20と同じユーザインタフェースの画像情報を表示させて、車載装置10でも外部機器20と同じ操作方法を実現することができる。つまり、iPodやiPhoneを操作するのと同じ感覚で、リストのスクロールや楽曲の選択などを行うことことができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、なぞり操作によってリストのスクロールを行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、なぞり操作の操作量に応じてボリュームを調整する場合や、なぞり操作の操作量に応じて楽曲の再生経過時間を制御する場合、なぞり操作の操作量に応じて地図画像の表示縮尺を調整する場合など、様々な用途に応用することが可能である。すなわち、なぞり操作の操作量をボリュームアップ/ダウンのN回分の操作コマンドに変換したり、なぞり操作の操作量をタイムラインバーのN回分の操作コマンドに変換したり、なぞり操作の操作量を地図画像拡大/縮小のN回分の操作コマンドに変換したりすることが可能である。
【0053】
また、上記実施形態では、外部機器20から車載装置10に入力される画像情報内のどの位置に操作ボタンやリストが含まれているかの情報をコマンド変換部6があらかじめ記憶している例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、外部機器20から車載装置10に入力された画像情報に対して画像認識処理を行うことにより、操作ボタンやリストの位置を特定するようにしてもよい。
【0054】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 画像情報入力部
2 表示制御部
3 操作受付部
4 操作量検出部
5 操作位置検出部
6 コマンド変換部
7 コマンド送信部
10 車載装置
11 タッチパネル
20 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器で描画された画像情報を入力してタッチパネル付きディスプレイに表示させ、上記タッチパネルに対する操作に応じて上記外部機器の動作を制御する機能を備えた車載装置であって、
上記タッチパネル上でなぞり操作が行われたときに、当該なぞり操作の操作量を検出する操作量検出部と、
上記操作量検出部により検出された操作量を、所定キーのN回分(Nは1以上の整数)の操作コマンドに変換するコマンド変換部と、
上記コマンド変換部により変換された上記N回分の操作コマンドを上記外部機器に送信するコマンド送信部とを備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
上記コマンド変換部は、上記操作量検出部により検出された操作量を、スクロールキーのN回分の操作コマンドに変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
上記タッチパネル上でタッチ操作が行われたときに、当該タッチ操作の操作位置を検出する操作位置検出部を更に備え、
上記コマンド変換部は、上記操作位置検出部により検出された操作位置を、第2の所定キーの操作コマンドに変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
上記コマンド変換部は、上記操作位置検出部により検出された操作位置を、決定キーの操作コマンドに変換することを特徴とする請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
外部機器で描画された画像情報を車載装置に入力してタッチパネル付きディスプレイに表示させ、上記タッチパネルに対する操作に応じて上記車載装置から上記外部機器の動作を制御する方法であって、
上記車載装置の操作量検出部が、上記タッチパネル上で行われたなぞり操作の操作量を検出する第1のステップと、
上記車載装置のコマンド変換部が、上記操作量検出部により検出された操作量を、所定キーのN回分(Nは1以上の整数)の操作コマンドに変換する第2のステップと、
上記車載装置のコマンド送信部が、上記コマンド変換部により変換された上記所定キーのN回分の操作コマンドを上記外部機器に送信する第3のステップとを有することを特徴とする車載装置に接続された外部機器の動作制御方法。
【請求項6】
上記車載装置の操作位置検出部が、上記タッチパネル上で行われたタッチ操作の操作位置を検出する第4のステップと、
上記車載装置の上記コマンド変換部が、上記操作位置検出部により検出された操作位置を、第2の所定キーの操作コマンドに変換する第5のステップと、
上記車載装置のコマンド送信部が、上記コマンド変換部により変換された上記第2の所定キーの操作コマンドを上記外部機器に送信する第6のステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の車載装置に接続された外部機器の動作制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−109549(P2013−109549A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253532(P2011−253532)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】