車載装置とその経路探索方法
【課題】 本発明の目的は、使用者が走行の可否を判断しなければならない場面をより少なくするナビゲーション技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明の車載装置は、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、自車が規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、を実施することを特徴とする。
【解決手段】
本発明の車載装置は、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、自車が規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、を実施することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ナビゲーション装置等の車載装置では、ジャイロセンサにより車両の回転角度を検出して、現在地を推定して表示すると共に、目的地の指定を受け付けて、目的地へ到る経路を探索して案内する技術が用いられている。特許文献１には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２８２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、上記のようなナビゲーション装置では、通行可能な車両が限定された地域や道路を含む経路を適切に案内することは難しい。すなわち、例えば、所定の道路あるいは所定の地域について、ナンバープレートが「奇数」である車両のみが走行可能な曜日が設定されている場合には、上記のナビゲーション装置では自車が走行可能か否かを判定することができず、使用者が判断する必要が有る。もし走行可能な道路でない場合には、使用者は、案内される経路から意図的に逸脱しなければならない。これは特に、地理に詳しくない旅先等では不便である。また、単純にそのような道路を一律に除外して経路を案内するナビゲーション装置では、無駄な遠回りをしてしまう可能性がある。
【０００５】
本発明の目的は、使用者が走行の可否を判断しなければならない場面をより少なくするナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、前記規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、前記目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
また、本発明の経路探索方法は、車載装置が、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段を備え、目的地の指定を受け付ける目的地受付ステップと、自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定ステップと、前記規制判定ステップにより規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定ステップと、前記目的地受付ステップにより受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定ステップにより特定された道路を回避して探索する回避経路探索ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によると、使用者が走行の可否を判断しなければならない場面をより少なくするナビゲーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】図１は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図２】図２は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図３】図３は、規制情報テーブルの構成を示す図である。
【図４】図４は、自車情報テーブルの構成を示す図である。
【図５】図５は、描画情報テーブルの構成を示す図である。
【図６】図６は、演算処理部の機能構成図である。
【図７】図７は、規制回避経路探索処理のフロー図である。
【図８】図８は、規制回避経路探索処理の結果表示される画面の例を示す図である。
【図９】図９は、第二の実施形態における規制回避経路探索処理のフロー図である。
【図１０】図１０は、装備情報テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置１００について、図面を参照して説明する。
【００１１】
図１に、ナビゲーション装置１００の構成図を示す。
【００１２】
ナビゲーション装置１００は、演算処理部１と、ディスプレイ２と、記憶装置３と、音声入出力装置４（音声入力装置としてマイクロフォン４１、音声出力装置としてスピーカ４２を備える）と、入力装置５と、ＲＯＭ装置６と、車速センサ７と、ジャイロセンサ８と、ＧＰＳ(Global Positioning System)受信装置９と、ＦＭ多重放送受信装置１０と、ビーコン受信装置１１と、衛星ラジオ受信装置１２と、を備えている。
【００１３】
演算処理部１は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ７,８やＧＰＳ受信装置９、ＦＭ多重放送受信装置１０等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置３あるいはＲＯＭ装置６から読み出す。
【００１４】
また、演算処理部１は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ２へグラフィックス情報を出力する。また、記憶装置３あるいはＲＯＭ装置６に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地（または、経由地や立ち寄り地）と、を結ぶ最適な経路（推奨経路という）を探索する。また、スピーカ４２やディスプレイ２を用いて使用者を誘導する。
【００１５】
また、演算処理部１は、後述するように、搭載された車両が通行不可能となる規制がかけられた道路を回避するように経路を案内する処理を行う。例えば、搭載された車両のナンバープレートが奇数であって、所定の道路が奇数ナンバーの車の走行を規制している場合、当該道路を走行しない経路を案内する。
【００１６】
また、演算処理部１は、図示しない衛星ラジオ局等から所定のタイミング（例えば、２０分ごと）で配信される道路の規制情報を含む情報（例えば、SIRIUS（登録商標）による配信情報）を受信し、受信した情報を後述する規制情報テーブル２５０等に格納する。
【００１７】
ナビゲーション装置１００の演算処理部１は、各デバイス間をバス２５で接続した構成である。演算処理部１は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するＣＰＵ(Central Processing Unit)２１と、記憶装置３から読み出した地図データ、演算データなどを格納するＲＡＭ(Random Access Memory)２２と、プログラムやデータを格納するＲＯＭ(Read Only Memory)２３と、各種ハードウェアを演算処理部１と接続するためのＩ／Ｆ（インターフェイス）２４と、を有する。
【００１８】
ディスプレイ２は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部１等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ２は、液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイなどで構成される。
【００１９】
記憶装置３は、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【００２０】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ（地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む）であるリンクテーブル２００と、道路等の規制情報が格納される規制情報テーブル２５０と、ナビゲーション装置１００が搭載された車両の情報が格納される自車情報テーブル３００と、地図を構成する地形オブジェクトごとの描画領域を特定する情報が格納される描画情報テーブル４００と、が記憶されている。
【００２１】
図２は、リンクテーブル２００の構成を示す図である。リンクテーブル２００は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード（メッシュＩＤ）２０１ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ２０２を含んでいる。
【００２２】
リンクデータ２０２は、リンクの識別子であるリンクＩＤ２１１ごとに、リンクを構成する２つのノード（開始ノード、終了ノード）の座標情報２２２、リンクを含む道路の種別を示す道路種別２２３、リンクの長さを示すリンク長２２４、予め記憶されたリンク旅行時間２２５、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク２２６、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度２２７、当該リンクに対応する道路が属する所在地（例えば管轄行政区域を特定する情報）を特定する所在地２２８、などを含んでいる。
【００２３】
なお、ここでは、リンクを構成する２つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【００２４】
図３は、規制情報テーブル２５０の構成を示す図である。規制情報テーブル２５０は、規制の開始から終了までの期間を特定する情報である規制開始日時２５１および規制終了日時２５２の組ごとに、規制される領域を特定する情報である規制エリア２６１と、規制対象の車両の条件を特定する情報である規制対象車２６２と、を格納する。
【００２５】
規制開始日時２５１には、規制がかかる時間の開始日時を特定する情報が格納される。また、規制終了時刻２５２には、規制がかかる時間の終了日時を特定する情報が格納される。例えば、規制開始日時２５１に「２００９年１月１日午前３時」が格納され、規制終了日時２５２に「２００９年１月３日午後１１時５９分」が格納されている場合、規制が適用される期間は「２００９年１月１日午前３時から２００９年１月３日午後１１時５９分まで」の期間であることを示す。
【００２６】
規制エリア２６１には、規制対象の道路等の規制対象の範囲を特定する情報が格納される。例えば、規制エリアには、道路の名称や、道路を構成するリンク等の道路の部分を特定する情報、あるいは「市内」等の行政区域を特定する情報等が含まれる。通常、規制エリアには、一つまたは複数のリンクを特定する情報が格納される。
【００２７】
規制対象車２６２には、規制がかかる車両の条件を特定する情報が格納される。例えば、ナンバープレートの登録番号が「奇数」であることや、外装色が「メタリック系」であること等である。
【００２８】
なお、規制情報テーブル２５０に格納される情報は、予め定められた情報であってもよいし、衛星ラジオ受信装置１２等を介して外部の情報提供機関等から配信される情報を随時更新して維持される情報であってもよい。
【００２９】
図４は、自車情報テーブル３００の構成を示す図である。自車情報テーブル３００は、自車の製造者を特定する製造者３０１と、自車の車種名を特定する車種名３０２と、自車の車体固有の番号を特定する車体番号３０３と、自車の駆動動力源を特定する動力源３０４と、エンジンの形式を特定するエンジン形式３０５と、駆動動力源として化石燃料を燃焼させるレシプロエンジンである場合には当該エンジンの排気量３０６と、自車の外装の主たる色を特定する外装色３０７と、陸運局等へ登録している登録番号を特定するナンバープレート３０８等、を格納する。
【００３０】
製造者３０１には、例えば、自車の製造責任を有する製造者を特定する名称等が格納される。例えば、製造者の商号、あるいは慣用的に使用されるブランド等である。車種名３０２には、車種を特定する名称等が格納される。例えば、車種名や、車種のグレード等を含むモデル番号等である。車体番号３０３には、車両固有に付番された番号を特定する情報が格納される。動力源３０４には、車両の駆動動力を発生させるための動力源を特定するための情報が格納される。例えば、「無鉛プレミアムガソリン」や「無鉛レギュラーガソリン」、「軽油」あるいは「電気」または「水素」等である。エンジン形式３０５には、車両に搭載されたエンジンのモデル番号等を特定する情報が格納される。排気量３０６には、レシプロエンジンの場合にその排気量を特定する情報が格納される。外装色３０７には、自車の車両の主な外装色を特定する情報が格納される。例えば「メタリック系シルバー」や「パール系ホワイト」等である。ナンバープレート３０８には、自車の登録されているナンバープレートの情報が格納される。例えば、管轄の機関（日本においては陸運局あるいは地方自治体の行政機関）の略称と、登録区分を特定する情報と、登録車両に割り振られた番号と、を含む情報等である。
【００３１】
図５は、描画情報テーブル４００の構成を示す図である。描画情報テーブル４００は、道路や施設等の、地図に描画を行う対象物である地形オブジェクト４０１と、地形オブジェクトに対応する描画用の情報である描画ポリゴン４０２と、を備える。
【００３２】
地形オブジェクト４０１には、例えば、道路や交差点、あるいは沿道の施設、または所定の行政区画（市区町村等）を特定する情報、すなわち地図上に描画を行う対象となる地形オブジェクトを特定する情報が格納される。描画ポリゴン４０２には、地形オブジェクトを地図上に描画する際に用いる描画用のポリゴン情報が格納される。例えば、地上１０階建てのビルであれば、その底面の形状や立体形状を特定することができるような三次元オブジェクト情報である。また例えば、行政区画であれば、当該行政区画の平面形状を特定することができるような二次元オブジェクト情報である。
【００３３】
図１に戻って説明する。音声入出力装置４は、音声入力装置としてマイクロフォン４１と、音声出力装置としてスピーカ４２と、を備える。マイクロフォン４１は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置１００の外部の音声を取得する。
【００３４】
スピーカ４２は、演算処理部１で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン４１とスピーカ４２は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置１００は、マイクロフォン４１及びスピーカ４２を、それぞれ複数備えることができる。
【００３５】
入力装置５は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置５は、タッチパネル５１と、ダイヤルスイッチ５２と、その他のハードスイッチ（図示しない）であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【００３６】
タッチパネル５１は、ディスプレイ２の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル５１は、ディスプレイ２に表示された画像のＸＹ座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル５１は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【００３７】
ダイヤルスイッチ５２は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部１に出力する。演算処理部１では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【００３８】
ＲＯＭ装置６は、ＣＤ-ＲＯＭやＤＶＤ-ＲＯＭ等のＲＯＭ（Read Only Memory）や、ＩＣ（Integrated Circuit）カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【００３９】
車速センサ７,ジャイロセンサ８およびＧＰＳ受信装置９は、ナビゲーション装置１００で現在地（自車位置）を検出するために使用されるものである。
【００４０】
車速センサ７は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【００４１】
ジャイロセンサ８は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【００４２】
ＧＰＳ受信装置９は、ＧＰＳ衛星からの信号を受信し移動体とＧＰＳ衛星間の距離と距離の変化率とを３個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【００４３】
ＦＭ多重放送受信装置１０は、ＦＭ放送局から送られてくるＦＭ多重放送信号を受信する。ＦＭ多重放送には、ＶＩＣＳ（Vehicle Information Communication System：登録商標）情報の概略現況交通情報、規制情報、ＳＡ／ＰＡ（サービスエリア／パーキングエリア）情報、駐車場情報、天気情報などやＦＭ多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【００４４】
ビーコン受信装置１１は、ＶＩＣＳ情報などの概略現況交通情報、規制情報、ＳＡ／ＰＡ（サービスエリア／パーキングエリア）情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【００４５】
衛星ラジオ受信装置１２は、衛星から送られてくる電磁波を受信する。このような電磁波には、様々な情報が重畳されており、衛星ラジオ受信装置１２は、このような情報を取得することができる。本実施形態における上映情報は、衛星ラジオ受信装置１２によって受信した情報から取得するものとする。
【００４６】
図６は、演算処理部１の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部１は、主制御部１０１と、入力受付部１０２と、出力処理部１０３と、規制受信部１０４と、規制該当判定部１０５と、規制エリア特定部１０６と、規制回避経路探索部１０７と、を有する。
【００４７】
主制御部１０１は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ７、８、ＧＰＳ受信装置９等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置３に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、ＧＰＳ受信装置９で取得したＧＰＳ情報に含まれる現在時刻を出力する。また、主制御部１０１は、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路（推奨経路）を探索する。また、主制御部１０１は、推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部１０３に出力する。
【００４８】
入力受付部１０２は、入力装置５またはマイクロフォン４１を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を主制御部１０１に出力する。例えば、入力受付部１０２は、使用者からの入力を検知したタッチパネル５１から出力された情報を受け付ける。そして、当該情報を、目的地の指定および経路探索の開始指示として受け付ける。そして、受け付けた推奨経路の探索要求を主制御部１０１へ出力する。
【００４９】
出力処理部１０３は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を主制御部１０１等の他の処理部から受け取り、ディスプレイ２に描画するためのグラフィックス情報に変換して、ディスプレイ２に対して描画する指示を行う。また、出力処理部１０３は、例えば音声情報等を主制御部１０１等の他の処理部から受け取り、スピーカ４２に対して音声出力する指示を行う。
【００５０】
規制受信部１０４は、図示しない情報センタ等から配信された規制情報を衛星ラジオ受信装置１２を介して受信し、受信した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。具体的には、規制受信部１０４は、衛星ラジオ受信装置１２を介して、衛星波により配信される規制情報を取得する。規制情報受信部１０４は、取得した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。例えば、規制受信部１０４は、定期的（例えば２０分ごと）に配信される衛星波による規制情報を受信し、規制情報テーブル２５０に格納された情報について変更点を特定し、規制情報テーブル２５０に格納されている情報を受信した規制情報を用いて変更する。
【００５１】
規制該当判定部１０５は、自車に適用される規制を特定する。具体的には、規制該当判定部１０５は、自車の情報である自車情報テーブル３００の情報に基づいて、規制情報テーブル２５０に格納された規制ごとに、自車が規制対象車２６２に該当するか否かを判定し、該当すると判定された規制がある場合には、その規制を特定する。
【００５２】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制該当判定部１０５は、規制情報テーブル２５０に格納された各規制のうち、規制開始時刻から規制終了時刻までの間に現在時刻が含まれる規制について、規制対象車２６２に格納された規制の条件を自車情報テーブル３００に格納された自車の情報と比較し、合致するか否かを判定し、合致すると判定された場合に、その規制を自車に適用される規制として特定する。例えば、規制対象車２６２に格納された規制の条件が「ナンバープレートが奇数」である場合、規制該当判定部１０５は、自車情報テーブル３００のナンバープレート３０８に格納された情報を読み取り、ナンバープレートが奇数であるか否かを判定する。そして、規制該当判定部１０５は、ナンバープレートが奇数である場合には、その規制を自車に適用される規制として特定する。なお、本実施形態においては、規制の条件を満たすか否かを判定するためのアルゴリズムを実現する処理プログラムが規制該当判定部１０５に予め含まれている。例えば、当該アルゴリズムにおいては、ナンバープレート３０８の情報を読み出して、最後の桁の数字が奇数であるか否かを判定することにより「ナンバープレートが奇数」であるか否かを判定する。
【００５３】
規制エリア特定部１０６は、規制該当判定部１０５によって特定された規制により規制されるエリアに含まれる地図上の地形オブジェクトを特定する。例えば、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の道路の所定の区間である場合に、当該道路の区間に対応するリンクを特定する。
【００５４】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制エリア特定部１０６は、規制該当判定部１０５にて特定した規制のそれぞれについて、規制対象となっているエリアに含まれるリンクと地形オブジェクトとを特定する。当該処理において、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００を参照し、描画ポリゴン４０２に含まれる位置情報が、特定したいずれかの規制の規制エリア２６１に含まれる地形オブジェクト４０１を一つまたは複数特定する。また、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の行政区画である場合には、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトを特定する。なお、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトの特定にあたって、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００の描画ポリゴンを地図上に描画する位置に配置した場合に行政区画を示すポリゴンと重なる部分を有するか否かにより、当該行政区画に含まれるか否かを判定する。
【００５５】
規制回避経路探索部１０７は、規制を回避する経路を探索するよう主制御部１０１等の他の処理部から指示を受け付けた場合に、現在地あるいは所定の位置から目的地に到達する経路を探索する。その際、規制回避経路探索部１０７は、規制エリア特定部１０６により特定された規制エリアに含まれるリンクおよび地形オブジェクトの通行・進入を回避するように経路を探索する。例えば、規制回避経路探索部１０７は、当該規制エリアのリンクのリンクコストに所定の係数を掛けて重み付けして、ダイクストラ法による経路探索において当該リンクを含む経路の優先度を実質的に下げる。またあるいは、規制回避経路探索部１０７は、当該規制エリアのリンクを通行止めとして設定し、経路探索の対象から除外するようにする。
【００５６】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制回避経路探索部１０７は、規制エリア特定部１０６が特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクを示す地形オブジェクトを特定する。そして、規制回避経路探索部１０７は、当該リンクを示す地形オブジェクトに対応するリンクについて、リンクテーブル２００上のリンク旅行時間２２５の情報を通行止めに応じた旅行時間（例えば、規制期間と同じ時間、または１０時間等の十分に長い時間）に対応付ける。そして、規制回避経路探索部１０７は、現在地あるいは所定の位置から入力受付部１０２にて受け付けた目的地に到る経路を探索する。なお、当該経路探索については、所定の地点（ノード）間を結ぶ道路の一部（リンク）に設定されたリンクコストを算出して、当該リンクコストが最小となる経路を探索するダイクストラ法等の経路探索アルゴリズム等を用いて探索する。一般に当該リンクコストは旅行時間や旅行距離に基づいて算出されるが、本実施形態においては、旅行時間に基づいて算出されることを想定している。もちろん、これに限らず、旅行距離や道路の種類等に基づいてリンクコストが算出されるようにしてもよい。その場合には、規制回避経路探索部１０７は、特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクのリンク長２２４の情報を通行止めに応じたリンク長（例えば、通常のリンク長の１０倍のリンク長とする等、十分に長い距離）に対応付けてリンクコストを算出する。
【００５７】
上記した演算処理部１の各機能部、すなわち主制御部１０１、入力受付部１０２、出力処理部１０３、規制受信部１０４、規制該当判定部１０５、規制エリア特定部１０６、規制回避経路探索部１０７は、ＣＰＵ２１が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、ＲＡＭ２２には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【００５８】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置１００の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置１００の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、１つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【００５９】
また、各機能部は、ハードウェア（ＡＳＩＣ、ＧＰＵなど）により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
［動作の説明］
【００６０】
次に、ナビゲーション装置１００の動作について説明する。
【００６１】
図７は、使用者が経路探索開始を指定することで、規制エリアを回避して目的地へ到る経路を探索する規制回避経路探索処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置１００が稼働している状態において、所定の操作、例えば操作メニュー上の起動指示を受け付けることで開始される。なお、主制御部１０１が、自車位置が推奨経路から逸脱したことを検知した場合等に再探索処理として開始されてもよい。
【００６２】
まず、入力受付部１０２は、タッチパネル５１から使用者により入力された目的地の指定および経路探索の開始指示を、受け付ける（ステップＳ００１）。そして、入力受付部１０２は、受け付けた目的地と、経路探索の開始指示と、を主制御部１０１に出力する。これを受けて、主制御部１０１は、規制受信部１０４、規制該当判定部１０５、規制エリア特定部１０６、規制回避経路探索部１０７、の各部に順次指示を出して、以下に示す処理を実行させる。
【００６３】
主制御部１０１の指示を受けて、規制受信部１０４は、規制情報を受信する（ステップＳ００２）。具体的には、規制受信部１０４は、衛星ラジオ受信装置１２を介して、衛星波により配信される規制情報を受信する。規制情報受信部１０４は、受信した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。なお、衛星波による配信を定期的に受信している場合には、規制受信部１０４は、当該受信処理を行わないようにしてもよい。
【００６４】
主制御部１０１の指示を受けて、規制該当判定部１０５は、自車が規制対象車に該当する規制を特定する（ステップＳ００３）。具体的には、規制該当判定部１０５は、規制情報テーブル２５０に格納された各規制のうち、規制開始時刻から規制終了時刻までの間に現在時刻が含まれる規制について、規制対象車２６２に格納された規制の条件を自車情報テーブル３００に格納された自車の情報と比較し、合致するか否かを判定し、合致すると判定された場合に、その規制を自車に適用される規制として特定する。例えば、規制対象車２６２に格納された規制の条件が「ナンバープレートが奇数」である場合、規制該当判定部１０５は、自車情報テーブル３００のナンバープレート３０８に格納された情報を読み取り、ナンバープレートが奇数であるか否かを判定する。そして、規制該当判定部１０５は、ナンバープレートが奇数である場合には、その規制を自車に適用される規制として特定する。なお、本実施形態においては、規制の条件を満たすか否かを判定するためのアルゴリズム（処理プログラム）が規制該当判定部１０５に予め含まれている。例えば、当該アルゴリズムにおいては、ナンバープレート３０８の情報を読み出して、最後の桁の数字が奇数であるか否かを判定することにより「ナンバープレートが奇数」であるか否かを判定する。
【００６５】
主制御部１０１の指示を受けて、規制エリア特定部１０６は、特定した規制のエリアを特定する（ステップＳ００４）。具体的には、規制エリア特定部１０５は、ステップＳ００３にて特定した規制のそれぞれについて、規制対象となっているエリアに含まれるリンクと地形オブジェクトとを特定する。当該処理において、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００を参照し、描画ポリゴン４０２に含まれる位置情報がステップＳ００３において特定したいずれかの規制の規制エリア２６１に含まれる地形オブジェクト４０１を一つまたは複数特定する。なお、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の行政区画である場合には、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトを特定する。当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトの特定にあたって、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００の描画ポリゴンを地図上に描画する位置に配置した場合に行政区画を示すポリゴンと重なる部分を有するか否かにより、当該行政区画に含まれるか否かを判定する。
【００６６】
主制御部１０１の指示を受けて、規制回避経路探索部１０７は、規制エリアに含まれるリンクを通行止めに設定して、目的地までの経路を探索する（ステップＳ００５）。具体的には、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００４にて特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクを示す地形オブジェクトを特定する。そして、規制回避経路探索部１０７は、当該リンクを示す地形オブジェクトに対応するリンクについて、リンクテーブル２００上のリンク旅行時間２２５の情報を通行止めに応じた旅行時間（例えば、規制期間と同じ時間、または１０時間等の十分に長い時間）に対応付ける。そして、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００１にて受け付けた目的地に到る経路を探索する。なお、当該経路探索については、所定の地点（ノード）間を結ぶ道路の一部（リンク）に設定されたリンクコストを算出して、当該リンクコストが最小となる経路を探索するダイクストラ法等の経路探索アルゴリズム等を用いて探索する。一般に当該リンクコストは旅行時間や旅行距離に基づいて算出されるが、本実施形態においては、旅行時間に基づいて算出されることを想定している。もちろん、これに限らず、旅行距離や道路の種類等に基づいてリンクコストが算出されるようにしてもよい。その場合には、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００４にて特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクのリンク長２２４の情報を通行止めに応じたリンク長（例えば、通常のリンク長の１０倍のリンク長とする等、十分に長い距離）に対応付けてリンクコストを算出する。
【００６７】
以上が、規制回避経路探索処理の処理内容である。上記の規制回避経路探索処理を行う事によって、ナビゲーション装置１００は、使用者の判断の負担を減らして、自車に規制が適用される道路や地域を回避して目的地までの経路を探索することができる。また、主制御部１０１は、探索された経路に基づいて、経路を案内することができる。
【００６８】
図８は、ステップＳ００５において探索された経路を表示する画面５００の例を示す図である。画面５００には、自車の位置と向きとを示すカーマーク５０１と、目的地までの経路のうち規制により自車が進入不可能な部分を示す規制経路５１０と、目的地までの経路を示す推奨経路５１１と、規制経路５１０の規制の理由を示す説明表示５２０と、が表示される。なお、説明表示５２０には、例えば、規制対象車の条件を示す情報である「奇数車」と、規制内容を示す情報である「進入禁止マーク」と、が含まれる。
【００６９】
図８のように経路を示す事により、使用者は、ナビゲーション装置１００が規制を回避するように経路を探索したことと、回避した経路と、回避の理由と、を一目の元に直感的に把握することができるようになる。当該画面を表示することで、例えば周囲の車両の流れにつられて気づかずに規制範囲に進入してしまうことを回避することができる。また、推奨経路が無駄な遠回りをする経路であると使用者が誤解して、推奨経路を無視して運転したところ規制範囲に進入してしまう、ということを回避することができる。
【００７０】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【００７１】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置１００は、車両に適用される規制を回避するように目的地までの経路を適切に探索して案内することができる。より具体的には、ナビゲーション装置１００は、車両の情報に基づいて規制の適用の有無を判定し、規制が適用される経路を回避するように経路探索を行うことが可能となる。つまり、使用者は規制の適用について判断をすることなく、規制に対応した最適な経路を走行することができる。このことは、例えばレンタカーなどで車を借りて走行している場合等、車両の詳細な情報（ナンバープレートの番号等）を使用者が自覚しづらい場合等において顕著に効果を奏する。
【００７２】
なお、第一の実施形態の規制回避経路探索処理のステップＳ００３において、現在時刻が規制開始時刻から規制終了時刻までの間に含まれる規制を対象として判定を行っているが、これに限られず、例えば、規制回避経路探索処理部１０７は、規制対象のエリアに到着する予定の時刻を算出して、当該到着予定時刻が規制開始時刻から規制終了時刻までの間に含まれる規制を対象として判定を行うようにしてもよい。このようにすることにより、例えば規制が終了する時刻以降に到着する予定の道路については当該規制を回避しない経路を探索することが可能となり、より適切な経路案内が可能となる。
【００７３】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の規制回避経路探索処理においては、自車が規制対象となるか否かを判定するためのアルゴリズムはナビゲーション装置１００に予め含まれるものを用いるが、当初想定されていない適用条件を含む規制が適用される場合には、当該条件を判定するためのアルゴリズムを外部機関から必要に応じてダウンロードして用いるようにしてもよい。
【００７４】
具体的には、第二の実施形態として、図９のように規制回避経路探索処理を変形することが可能である。なお、基本的には、第二の実施形態におけるナビゲーション装置１００は、第一の実施形態におけるナビゲーション装置１００の構成と同様の構成を備えるが、第二の実施形態では、演算処理部１の規制受信部１０４が規制の対象を判定するアルゴリズムを外部から取得可能である点で相違する。
【００７５】
図９は、第二の実施形態における規制回避経路探索処理の処理フローを示す図である。第二の実施形態における規制回避経路探索処理では、第一の実施形態におけるステップＳ００２、とステップＳ００３との間に、それぞれ後述するステップＳ１００、ステップＳ１０１の処理が実施される点で、第一の実施形態における規制回避経路探索処理とは相違する。
【００７６】
ステップＳ１００では、規制受信部１０４は、ステップＳ００２にて受信した規制情報の規制対象車２６２の規制の適用条件に判定不可能な条件があれば、当該判定を行うためのアルゴリズムを、図示しない外部の情報センタへ要求する情報を送信する（ステップＳ１００）。なお、規制受信部１０４は、情報センタへ情報を送信する際には、図示しない携帯電話網や無線ＬＡＮ等の通信ネットワークを経由するものとする。
【００７７】
そして、規制受信部１０４は、外部の情報センタから、判定を行うためのアルゴリズムを受信し、受信したアルゴリズムを規制該当判定部１０５に組み込む（ステップＳ１０１）。
【００７８】
以上が、第二の実施形態における規制回避経路探索処理の内容である。このようにすることで、第二の実施形態においては、ナビゲーション装置１００は、新たな規制対象の条件が示された場合であっても、当該規制対象の条件に自車が合致するか否かを判定することが可能となる。とくに、環境問題等の社会問題の解決に向けて様々な新たな規制がなされる可能性のある状況においては、このようにアルゴリズムを更新することができることにより、ナビゲーション装置１００の信頼性や使い勝手がよいといえる。
【００７９】
また、上記第一の実施形態および第二の実施形態の規制回避経路探索処理においては、自車が規制対象となるか否かを判定するための情報は自車の車両の入手時からほとんど変化しない基本的な装備に関する情報が格納された自車情報テーブル３００を用いているが、車両の入手後に追加できる様々な追加装備についての規制条件を判定できるようにしてもよい。
【００８０】
具体的には、第一の実施形態または第二の実施形態のナビゲーション装置について、図１０に示すように、ナビゲーション装置１００の記憶装置３に、追加装備の有無に関する装備情報テーブル３５０を備えることが可能である。
【００８１】
図１０は、第二の実施形態における記憶装置３に格納された装備情報テーブル３５０の構成を示す図である。装備情報テーブル３５０は、自動料金収受を行うことのできるＥＴＣ装置の装着有無を示すＥＴＣ装着有無３５１と、滑り防止機構つきのタイヤであるスタッドレスタイヤの装着有無を示すスタッドレスタイヤ装着有無３５２と、車両背面を撮影した情報を表示するバックモニタの装着有無を示すバックモニタ有無３５３等、を格納する。このように、装備情報テーブル３５０には、車両の付属装備の有無に関する情報が格納される。
【００８２】
規制該当判定部１０５は、規制回避経路探索処理のステップＳ００３において規制を特定する際、規制の対象車を判定する条件に応じて、車両の付属装備の有無に関する情報である装備情報テーブル３５０を読み出すものとする。また、装備情報テーブル３５０は、車両の装備が変更される都度、使用者の操作により設定を変更することが可能であるとする。
【００８３】
このようにすることで、ナビゲーション装置１００は、特定の装備を備えた車両に対して規制を適用する、あるいは特定の装備を備えない車両に対して規制を適用する、という規制の条件に対しても、自車が条件に合致するか否かを判定し、規制が適用される場合には回避経路を探索することが可能となる。
【００８４】
さらに、上記したそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせるようにしてもよい。
【００８５】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【００８６】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、車載装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【００８７】
１・・・演算処理部、２・・・ディスプレイ、３・・・記憶装置、４・・・音声出入力装置、５・・・入力装置、６・・・ＲＯＭ装置、７・・・車速センサ、８・・・ジャイロセンサ、９・・・ＧＰＳ受信装置、１０・・・ＦＭ多重放送受信装置、１１・・・ビーコン受信装置、１２・・・衛星ラジオ受信装置、２１・・・ＣＰＵ、２２・・・ＲＡＭ、２３・・・ＲＯＭ、２４・・・Ｉ／Ｆ、２５・・・バス、４１・・・マイクロフォン、４２・・・スピーカ、５１・・・タッチパネル、５２・・・ダイヤルスイッチ、１００・・・ナビゲーション装置、１０１・・・主制御部、１０２・・・入力受付部、１０３・・・出力処理部、１０４・・・規制受信部、１０５・・・規制該当判定部、１０６・・・規制エリア特定部、１０７・・・規制回避経路探索部、２００・・・リンクテーブル、２５０・・・規制情報テーブル、３００・・・自車情報テーブル、３５０・・・装備情報テーブル、４００・・・描画情報テーブル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ナビゲーション装置等の車載装置では、ジャイロセンサにより車両の回転角度を検出して、現在地を推定して表示すると共に、目的地の指定を受け付けて、目的地へ到る経路を探索して案内する技術が用いられている。特許文献１には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２８２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、上記のようなナビゲーション装置では、通行可能な車両が限定された地域や道路を含む経路を適切に案内することは難しい。すなわち、例えば、所定の道路あるいは所定の地域について、ナンバープレートが「奇数」である車両のみが走行可能な曜日が設定されている場合には、上記のナビゲーション装置では自車が走行可能か否かを判定することができず、使用者が判断する必要が有る。もし走行可能な道路でない場合には、使用者は、案内される経路から意図的に逸脱しなければならない。これは特に、地理に詳しくない旅先等では不便である。また、単純にそのような道路を一律に除外して経路を案内するナビゲーション装置では、無駄な遠回りをしてしまう可能性がある。
【０００５】
本発明の目的は、使用者が走行の可否を判断しなければならない場面をより少なくするナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、前記規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、前記目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
また、本発明の経路探索方法は、車載装置が、規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段を備え、目的地の指定を受け付ける目的地受付ステップと、自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定ステップと、前記規制判定ステップにより規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定ステップと、前記目的地受付ステップにより受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定ステップにより特定された道路を回避して探索する回避経路探索ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によると、使用者が走行の可否を判断しなければならない場面をより少なくするナビゲーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】図１は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図２】図２は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図３】図３は、規制情報テーブルの構成を示す図である。
【図４】図４は、自車情報テーブルの構成を示す図である。
【図５】図５は、描画情報テーブルの構成を示す図である。
【図６】図６は、演算処理部の機能構成図である。
【図７】図７は、規制回避経路探索処理のフロー図である。
【図８】図８は、規制回避経路探索処理の結果表示される画面の例を示す図である。
【図９】図９は、第二の実施形態における規制回避経路探索処理のフロー図である。
【図１０】図１０は、装備情報テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置１００について、図面を参照して説明する。
【００１１】
図１に、ナビゲーション装置１００の構成図を示す。
【００１２】
ナビゲーション装置１００は、演算処理部１と、ディスプレイ２と、記憶装置３と、音声入出力装置４（音声入力装置としてマイクロフォン４１、音声出力装置としてスピーカ４２を備える）と、入力装置５と、ＲＯＭ装置６と、車速センサ７と、ジャイロセンサ８と、ＧＰＳ(Global Positioning System)受信装置９と、ＦＭ多重放送受信装置１０と、ビーコン受信装置１１と、衛星ラジオ受信装置１２と、を備えている。
【００１３】
演算処理部１は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ７,８やＧＰＳ受信装置９、ＦＭ多重放送受信装置１０等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置３あるいはＲＯＭ装置６から読み出す。
【００１４】
また、演算処理部１は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ２へグラフィックス情報を出力する。また、記憶装置３あるいはＲＯＭ装置６に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地（または、経由地や立ち寄り地）と、を結ぶ最適な経路（推奨経路という）を探索する。また、スピーカ４２やディスプレイ２を用いて使用者を誘導する。
【００１５】
また、演算処理部１は、後述するように、搭載された車両が通行不可能となる規制がかけられた道路を回避するように経路を案内する処理を行う。例えば、搭載された車両のナンバープレートが奇数であって、所定の道路が奇数ナンバーの車の走行を規制している場合、当該道路を走行しない経路を案内する。
【００１６】
また、演算処理部１は、図示しない衛星ラジオ局等から所定のタイミング（例えば、２０分ごと）で配信される道路の規制情報を含む情報（例えば、SIRIUS（登録商標）による配信情報）を受信し、受信した情報を後述する規制情報テーブル２５０等に格納する。
【００１７】
ナビゲーション装置１００の演算処理部１は、各デバイス間をバス２５で接続した構成である。演算処理部１は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するＣＰＵ(Central Processing Unit)２１と、記憶装置３から読み出した地図データ、演算データなどを格納するＲＡＭ(Random Access Memory)２２と、プログラムやデータを格納するＲＯＭ(Read Only Memory)２３と、各種ハードウェアを演算処理部１と接続するためのＩ／Ｆ（インターフェイス）２４と、を有する。
【００１８】
ディスプレイ２は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部１等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ２は、液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイなどで構成される。
【００１９】
記憶装置３は、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【００２０】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ（地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む）であるリンクテーブル２００と、道路等の規制情報が格納される規制情報テーブル２５０と、ナビゲーション装置１００が搭載された車両の情報が格納される自車情報テーブル３００と、地図を構成する地形オブジェクトごとの描画領域を特定する情報が格納される描画情報テーブル４００と、が記憶されている。
【００２１】
図２は、リンクテーブル２００の構成を示す図である。リンクテーブル２００は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード（メッシュＩＤ）２０１ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ２０２を含んでいる。
【００２２】
リンクデータ２０２は、リンクの識別子であるリンクＩＤ２１１ごとに、リンクを構成する２つのノード（開始ノード、終了ノード）の座標情報２２２、リンクを含む道路の種別を示す道路種別２２３、リンクの長さを示すリンク長２２４、予め記憶されたリンク旅行時間２２５、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク２２６、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度２２７、当該リンクに対応する道路が属する所在地（例えば管轄行政区域を特定する情報）を特定する所在地２２８、などを含んでいる。
【００２３】
なお、ここでは、リンクを構成する２つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【００２４】
図３は、規制情報テーブル２５０の構成を示す図である。規制情報テーブル２５０は、規制の開始から終了までの期間を特定する情報である規制開始日時２５１および規制終了日時２５２の組ごとに、規制される領域を特定する情報である規制エリア２６１と、規制対象の車両の条件を特定する情報である規制対象車２６２と、を格納する。
【００２５】
規制開始日時２５１には、規制がかかる時間の開始日時を特定する情報が格納される。また、規制終了時刻２５２には、規制がかかる時間の終了日時を特定する情報が格納される。例えば、規制開始日時２５１に「２００９年１月１日午前３時」が格納され、規制終了日時２５２に「２００９年１月３日午後１１時５９分」が格納されている場合、規制が適用される期間は「２００９年１月１日午前３時から２００９年１月３日午後１１時５９分まで」の期間であることを示す。
【００２６】
規制エリア２６１には、規制対象の道路等の規制対象の範囲を特定する情報が格納される。例えば、規制エリアには、道路の名称や、道路を構成するリンク等の道路の部分を特定する情報、あるいは「市内」等の行政区域を特定する情報等が含まれる。通常、規制エリアには、一つまたは複数のリンクを特定する情報が格納される。
【００２７】
規制対象車２６２には、規制がかかる車両の条件を特定する情報が格納される。例えば、ナンバープレートの登録番号が「奇数」であることや、外装色が「メタリック系」であること等である。
【００２８】
なお、規制情報テーブル２５０に格納される情報は、予め定められた情報であってもよいし、衛星ラジオ受信装置１２等を介して外部の情報提供機関等から配信される情報を随時更新して維持される情報であってもよい。
【００２９】
図４は、自車情報テーブル３００の構成を示す図である。自車情報テーブル３００は、自車の製造者を特定する製造者３０１と、自車の車種名を特定する車種名３０２と、自車の車体固有の番号を特定する車体番号３０３と、自車の駆動動力源を特定する動力源３０４と、エンジンの形式を特定するエンジン形式３０５と、駆動動力源として化石燃料を燃焼させるレシプロエンジンである場合には当該エンジンの排気量３０６と、自車の外装の主たる色を特定する外装色３０７と、陸運局等へ登録している登録番号を特定するナンバープレート３０８等、を格納する。
【００３０】
製造者３０１には、例えば、自車の製造責任を有する製造者を特定する名称等が格納される。例えば、製造者の商号、あるいは慣用的に使用されるブランド等である。車種名３０２には、車種を特定する名称等が格納される。例えば、車種名や、車種のグレード等を含むモデル番号等である。車体番号３０３には、車両固有に付番された番号を特定する情報が格納される。動力源３０４には、車両の駆動動力を発生させるための動力源を特定するための情報が格納される。例えば、「無鉛プレミアムガソリン」や「無鉛レギュラーガソリン」、「軽油」あるいは「電気」または「水素」等である。エンジン形式３０５には、車両に搭載されたエンジンのモデル番号等を特定する情報が格納される。排気量３０６には、レシプロエンジンの場合にその排気量を特定する情報が格納される。外装色３０７には、自車の車両の主な外装色を特定する情報が格納される。例えば「メタリック系シルバー」や「パール系ホワイト」等である。ナンバープレート３０８には、自車の登録されているナンバープレートの情報が格納される。例えば、管轄の機関（日本においては陸運局あるいは地方自治体の行政機関）の略称と、登録区分を特定する情報と、登録車両に割り振られた番号と、を含む情報等である。
【００３１】
図５は、描画情報テーブル４００の構成を示す図である。描画情報テーブル４００は、道路や施設等の、地図に描画を行う対象物である地形オブジェクト４０１と、地形オブジェクトに対応する描画用の情報である描画ポリゴン４０２と、を備える。
【００３２】
地形オブジェクト４０１には、例えば、道路や交差点、あるいは沿道の施設、または所定の行政区画（市区町村等）を特定する情報、すなわち地図上に描画を行う対象となる地形オブジェクトを特定する情報が格納される。描画ポリゴン４０２には、地形オブジェクトを地図上に描画する際に用いる描画用のポリゴン情報が格納される。例えば、地上１０階建てのビルであれば、その底面の形状や立体形状を特定することができるような三次元オブジェクト情報である。また例えば、行政区画であれば、当該行政区画の平面形状を特定することができるような二次元オブジェクト情報である。
【００３３】
図１に戻って説明する。音声入出力装置４は、音声入力装置としてマイクロフォン４１と、音声出力装置としてスピーカ４２と、を備える。マイクロフォン４１は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置１００の外部の音声を取得する。
【００３４】
スピーカ４２は、演算処理部１で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン４１とスピーカ４２は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置１００は、マイクロフォン４１及びスピーカ４２を、それぞれ複数備えることができる。
【００３５】
入力装置５は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置５は、タッチパネル５１と、ダイヤルスイッチ５２と、その他のハードスイッチ（図示しない）であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【００３６】
タッチパネル５１は、ディスプレイ２の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル５１は、ディスプレイ２に表示された画像のＸＹ座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル５１は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【００３７】
ダイヤルスイッチ５２は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部１に出力する。演算処理部１では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【００３８】
ＲＯＭ装置６は、ＣＤ-ＲＯＭやＤＶＤ-ＲＯＭ等のＲＯＭ（Read Only Memory）や、ＩＣ（Integrated Circuit）カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【００３９】
車速センサ７,ジャイロセンサ８およびＧＰＳ受信装置９は、ナビゲーション装置１００で現在地（自車位置）を検出するために使用されるものである。
【００４０】
車速センサ７は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【００４１】
ジャイロセンサ８は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【００４２】
ＧＰＳ受信装置９は、ＧＰＳ衛星からの信号を受信し移動体とＧＰＳ衛星間の距離と距離の変化率とを３個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【００４３】
ＦＭ多重放送受信装置１０は、ＦＭ放送局から送られてくるＦＭ多重放送信号を受信する。ＦＭ多重放送には、ＶＩＣＳ（Vehicle Information Communication System：登録商標）情報の概略現況交通情報、規制情報、ＳＡ／ＰＡ（サービスエリア／パーキングエリア）情報、駐車場情報、天気情報などやＦＭ多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【００４４】
ビーコン受信装置１１は、ＶＩＣＳ情報などの概略現況交通情報、規制情報、ＳＡ／ＰＡ（サービスエリア／パーキングエリア）情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【００４５】
衛星ラジオ受信装置１２は、衛星から送られてくる電磁波を受信する。このような電磁波には、様々な情報が重畳されており、衛星ラジオ受信装置１２は、このような情報を取得することができる。本実施形態における上映情報は、衛星ラジオ受信装置１２によって受信した情報から取得するものとする。
【００４６】
図６は、演算処理部１の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部１は、主制御部１０１と、入力受付部１０２と、出力処理部１０３と、規制受信部１０４と、規制該当判定部１０５と、規制エリア特定部１０６と、規制回避経路探索部１０７と、を有する。
【００４７】
主制御部１０１は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ７、８、ＧＰＳ受信装置９等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置３に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、ＧＰＳ受信装置９で取得したＧＰＳ情報に含まれる現在時刻を出力する。また、主制御部１０１は、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路（推奨経路）を探索する。また、主制御部１０１は、推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部１０３に出力する。
【００４８】
入力受付部１０２は、入力装置５またはマイクロフォン４１を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を主制御部１０１に出力する。例えば、入力受付部１０２は、使用者からの入力を検知したタッチパネル５１から出力された情報を受け付ける。そして、当該情報を、目的地の指定および経路探索の開始指示として受け付ける。そして、受け付けた推奨経路の探索要求を主制御部１０１へ出力する。
【００４９】
出力処理部１０３は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を主制御部１０１等の他の処理部から受け取り、ディスプレイ２に描画するためのグラフィックス情報に変換して、ディスプレイ２に対して描画する指示を行う。また、出力処理部１０３は、例えば音声情報等を主制御部１０１等の他の処理部から受け取り、スピーカ４２に対して音声出力する指示を行う。
【００５０】
規制受信部１０４は、図示しない情報センタ等から配信された規制情報を衛星ラジオ受信装置１２を介して受信し、受信した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。具体的には、規制受信部１０４は、衛星ラジオ受信装置１２を介して、衛星波により配信される規制情報を取得する。規制情報受信部１０４は、取得した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。例えば、規制受信部１０４は、定期的（例えば２０分ごと）に配信される衛星波による規制情報を受信し、規制情報テーブル２５０に格納された情報について変更点を特定し、規制情報テーブル２５０に格納されている情報を受信した規制情報を用いて変更する。
【００５１】
規制該当判定部１０５は、自車に適用される規制を特定する。具体的には、規制該当判定部１０５は、自車の情報である自車情報テーブル３００の情報に基づいて、規制情報テーブル２５０に格納された規制ごとに、自車が規制対象車２６２に該当するか否かを判定し、該当すると判定された規制がある場合には、その規制を特定する。
【００５２】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制該当判定部１０５は、規制情報テーブル２５０に格納された各規制のうち、規制開始時刻から規制終了時刻までの間に現在時刻が含まれる規制について、規制対象車２６２に格納された規制の条件を自車情報テーブル３００に格納された自車の情報と比較し、合致するか否かを判定し、合致すると判定された場合に、その規制を自車に適用される規制として特定する。例えば、規制対象車２６２に格納された規制の条件が「ナンバープレートが奇数」である場合、規制該当判定部１０５は、自車情報テーブル３００のナンバープレート３０８に格納された情報を読み取り、ナンバープレートが奇数であるか否かを判定する。そして、規制該当判定部１０５は、ナンバープレートが奇数である場合には、その規制を自車に適用される規制として特定する。なお、本実施形態においては、規制の条件を満たすか否かを判定するためのアルゴリズムを実現する処理プログラムが規制該当判定部１０５に予め含まれている。例えば、当該アルゴリズムにおいては、ナンバープレート３０８の情報を読み出して、最後の桁の数字が奇数であるか否かを判定することにより「ナンバープレートが奇数」であるか否かを判定する。
【００５３】
規制エリア特定部１０６は、規制該当判定部１０５によって特定された規制により規制されるエリアに含まれる地図上の地形オブジェクトを特定する。例えば、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の道路の所定の区間である場合に、当該道路の区間に対応するリンクを特定する。
【００５４】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制エリア特定部１０６は、規制該当判定部１０５にて特定した規制のそれぞれについて、規制対象となっているエリアに含まれるリンクと地形オブジェクトとを特定する。当該処理において、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００を参照し、描画ポリゴン４０２に含まれる位置情報が、特定したいずれかの規制の規制エリア２６１に含まれる地形オブジェクト４０１を一つまたは複数特定する。また、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の行政区画である場合には、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトを特定する。なお、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトの特定にあたって、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００の描画ポリゴンを地図上に描画する位置に配置した場合に行政区画を示すポリゴンと重なる部分を有するか否かにより、当該行政区画に含まれるか否かを判定する。
【００５５】
規制回避経路探索部１０７は、規制を回避する経路を探索するよう主制御部１０１等の他の処理部から指示を受け付けた場合に、現在地あるいは所定の位置から目的地に到達する経路を探索する。その際、規制回避経路探索部１０７は、規制エリア特定部１０６により特定された規制エリアに含まれるリンクおよび地形オブジェクトの通行・進入を回避するように経路を探索する。例えば、規制回避経路探索部１０７は、当該規制エリアのリンクのリンクコストに所定の係数を掛けて重み付けして、ダイクストラ法による経路探索において当該リンクを含む経路の優先度を実質的に下げる。またあるいは、規制回避経路探索部１０７は、当該規制エリアのリンクを通行止めとして設定し、経路探索の対象から除外するようにする。
【００５６】
より具体的に説明すると、主制御部１０１の指示を受けて、規制回避経路探索部１０７は、規制エリア特定部１０６が特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクを示す地形オブジェクトを特定する。そして、規制回避経路探索部１０７は、当該リンクを示す地形オブジェクトに対応するリンクについて、リンクテーブル２００上のリンク旅行時間２２５の情報を通行止めに応じた旅行時間（例えば、規制期間と同じ時間、または１０時間等の十分に長い時間）に対応付ける。そして、規制回避経路探索部１０７は、現在地あるいは所定の位置から入力受付部１０２にて受け付けた目的地に到る経路を探索する。なお、当該経路探索については、所定の地点（ノード）間を結ぶ道路の一部（リンク）に設定されたリンクコストを算出して、当該リンクコストが最小となる経路を探索するダイクストラ法等の経路探索アルゴリズム等を用いて探索する。一般に当該リンクコストは旅行時間や旅行距離に基づいて算出されるが、本実施形態においては、旅行時間に基づいて算出されることを想定している。もちろん、これに限らず、旅行距離や道路の種類等に基づいてリンクコストが算出されるようにしてもよい。その場合には、規制回避経路探索部１０７は、特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクのリンク長２２４の情報を通行止めに応じたリンク長（例えば、通常のリンク長の１０倍のリンク長とする等、十分に長い距離）に対応付けてリンクコストを算出する。
【００５７】
上記した演算処理部１の各機能部、すなわち主制御部１０１、入力受付部１０２、出力処理部１０３、規制受信部１０４、規制該当判定部１０５、規制エリア特定部１０６、規制回避経路探索部１０７は、ＣＰＵ２１が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、ＲＡＭ２２には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【００５８】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置１００の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置１００の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、１つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【００５９】
また、各機能部は、ハードウェア（ＡＳＩＣ、ＧＰＵなど）により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
［動作の説明］
【００６０】
次に、ナビゲーション装置１００の動作について説明する。
【００６１】
図７は、使用者が経路探索開始を指定することで、規制エリアを回避して目的地へ到る経路を探索する規制回避経路探索処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置１００が稼働している状態において、所定の操作、例えば操作メニュー上の起動指示を受け付けることで開始される。なお、主制御部１０１が、自車位置が推奨経路から逸脱したことを検知した場合等に再探索処理として開始されてもよい。
【００６２】
まず、入力受付部１０２は、タッチパネル５１から使用者により入力された目的地の指定および経路探索の開始指示を、受け付ける（ステップＳ００１）。そして、入力受付部１０２は、受け付けた目的地と、経路探索の開始指示と、を主制御部１０１に出力する。これを受けて、主制御部１０１は、規制受信部１０４、規制該当判定部１０５、規制エリア特定部１０６、規制回避経路探索部１０７、の各部に順次指示を出して、以下に示す処理を実行させる。
【００６３】
主制御部１０１の指示を受けて、規制受信部１０４は、規制情報を受信する（ステップＳ００２）。具体的には、規制受信部１０４は、衛星ラジオ受信装置１２を介して、衛星波により配信される規制情報を受信する。規制情報受信部１０４は、受信した規制情報を用いて規制情報テーブル２５０の情報を更新する。なお、衛星波による配信を定期的に受信している場合には、規制受信部１０４は、当該受信処理を行わないようにしてもよい。
【００６４】
主制御部１０１の指示を受けて、規制該当判定部１０５は、自車が規制対象車に該当する規制を特定する（ステップＳ００３）。具体的には、規制該当判定部１０５は、規制情報テーブル２５０に格納された各規制のうち、規制開始時刻から規制終了時刻までの間に現在時刻が含まれる規制について、規制対象車２６２に格納された規制の条件を自車情報テーブル３００に格納された自車の情報と比較し、合致するか否かを判定し、合致すると判定された場合に、その規制を自車に適用される規制として特定する。例えば、規制対象車２６２に格納された規制の条件が「ナンバープレートが奇数」である場合、規制該当判定部１０５は、自車情報テーブル３００のナンバープレート３０８に格納された情報を読み取り、ナンバープレートが奇数であるか否かを判定する。そして、規制該当判定部１０５は、ナンバープレートが奇数である場合には、その規制を自車に適用される規制として特定する。なお、本実施形態においては、規制の条件を満たすか否かを判定するためのアルゴリズム（処理プログラム）が規制該当判定部１０５に予め含まれている。例えば、当該アルゴリズムにおいては、ナンバープレート３０８の情報を読み出して、最後の桁の数字が奇数であるか否かを判定することにより「ナンバープレートが奇数」であるか否かを判定する。
【００６５】
主制御部１０１の指示を受けて、規制エリア特定部１０６は、特定した規制のエリアを特定する（ステップＳ００４）。具体的には、規制エリア特定部１０５は、ステップＳ００３にて特定した規制のそれぞれについて、規制対象となっているエリアに含まれるリンクと地形オブジェクトとを特定する。当該処理において、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００を参照し、描画ポリゴン４０２に含まれる位置情報がステップＳ００３において特定したいずれかの規制の規制エリア２６１に含まれる地形オブジェクト４０１を一つまたは複数特定する。なお、規制エリア特定部１０６は、規制により規制されるエリアが所定の行政区画である場合には、当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトを特定する。当該行政区画に含まれるリンクおよび地形オブジェクトの特定にあたって、規制エリア特定部１０６は、描画情報テーブル４００の描画ポリゴンを地図上に描画する位置に配置した場合に行政区画を示すポリゴンと重なる部分を有するか否かにより、当該行政区画に含まれるか否かを判定する。
【００６６】
主制御部１０１の指示を受けて、規制回避経路探索部１０７は、規制エリアに含まれるリンクを通行止めに設定して、目的地までの経路を探索する（ステップＳ００５）。具体的には、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００４にて特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクを示す地形オブジェクトを特定する。そして、規制回避経路探索部１０７は、当該リンクを示す地形オブジェクトに対応するリンクについて、リンクテーブル２００上のリンク旅行時間２２５の情報を通行止めに応じた旅行時間（例えば、規制期間と同じ時間、または１０時間等の十分に長い時間）に対応付ける。そして、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００１にて受け付けた目的地に到る経路を探索する。なお、当該経路探索については、所定の地点（ノード）間を結ぶ道路の一部（リンク）に設定されたリンクコストを算出して、当該リンクコストが最小となる経路を探索するダイクストラ法等の経路探索アルゴリズム等を用いて探索する。一般に当該リンクコストは旅行時間や旅行距離に基づいて算出されるが、本実施形態においては、旅行時間に基づいて算出されることを想定している。もちろん、これに限らず、旅行距離や道路の種類等に基づいてリンクコストが算出されるようにしてもよい。その場合には、規制回避経路探索部１０７は、ステップＳ００４にて特定した地形オブジェクト４０１のうち、道路を構成するリンクのリンク長２２４の情報を通行止めに応じたリンク長（例えば、通常のリンク長の１０倍のリンク長とする等、十分に長い距離）に対応付けてリンクコストを算出する。
【００６７】
以上が、規制回避経路探索処理の処理内容である。上記の規制回避経路探索処理を行う事によって、ナビゲーション装置１００は、使用者の判断の負担を減らして、自車に規制が適用される道路や地域を回避して目的地までの経路を探索することができる。また、主制御部１０１は、探索された経路に基づいて、経路を案内することができる。
【００６８】
図８は、ステップＳ００５において探索された経路を表示する画面５００の例を示す図である。画面５００には、自車の位置と向きとを示すカーマーク５０１と、目的地までの経路のうち規制により自車が進入不可能な部分を示す規制経路５１０と、目的地までの経路を示す推奨経路５１１と、規制経路５１０の規制の理由を示す説明表示５２０と、が表示される。なお、説明表示５２０には、例えば、規制対象車の条件を示す情報である「奇数車」と、規制内容を示す情報である「進入禁止マーク」と、が含まれる。
【００６９】
図８のように経路を示す事により、使用者は、ナビゲーション装置１００が規制を回避するように経路を探索したことと、回避した経路と、回避の理由と、を一目の元に直感的に把握することができるようになる。当該画面を表示することで、例えば周囲の車両の流れにつられて気づかずに規制範囲に進入してしまうことを回避することができる。また、推奨経路が無駄な遠回りをする経路であると使用者が誤解して、推奨経路を無視して運転したところ規制範囲に進入してしまう、ということを回避することができる。
【００７０】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【００７１】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置１００は、車両に適用される規制を回避するように目的地までの経路を適切に探索して案内することができる。より具体的には、ナビゲーション装置１００は、車両の情報に基づいて規制の適用の有無を判定し、規制が適用される経路を回避するように経路探索を行うことが可能となる。つまり、使用者は規制の適用について判断をすることなく、規制に対応した最適な経路を走行することができる。このことは、例えばレンタカーなどで車を借りて走行している場合等、車両の詳細な情報（ナンバープレートの番号等）を使用者が自覚しづらい場合等において顕著に効果を奏する。
【００７２】
なお、第一の実施形態の規制回避経路探索処理のステップＳ００３において、現在時刻が規制開始時刻から規制終了時刻までの間に含まれる規制を対象として判定を行っているが、これに限られず、例えば、規制回避経路探索処理部１０７は、規制対象のエリアに到着する予定の時刻を算出して、当該到着予定時刻が規制開始時刻から規制終了時刻までの間に含まれる規制を対象として判定を行うようにしてもよい。このようにすることにより、例えば規制が終了する時刻以降に到着する予定の道路については当該規制を回避しない経路を探索することが可能となり、より適切な経路案内が可能となる。
【００７３】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の規制回避経路探索処理においては、自車が規制対象となるか否かを判定するためのアルゴリズムはナビゲーション装置１００に予め含まれるものを用いるが、当初想定されていない適用条件を含む規制が適用される場合には、当該条件を判定するためのアルゴリズムを外部機関から必要に応じてダウンロードして用いるようにしてもよい。
【００７４】
具体的には、第二の実施形態として、図９のように規制回避経路探索処理を変形することが可能である。なお、基本的には、第二の実施形態におけるナビゲーション装置１００は、第一の実施形態におけるナビゲーション装置１００の構成と同様の構成を備えるが、第二の実施形態では、演算処理部１の規制受信部１０４が規制の対象を判定するアルゴリズムを外部から取得可能である点で相違する。
【００７５】
図９は、第二の実施形態における規制回避経路探索処理の処理フローを示す図である。第二の実施形態における規制回避経路探索処理では、第一の実施形態におけるステップＳ００２、とステップＳ００３との間に、それぞれ後述するステップＳ１００、ステップＳ１０１の処理が実施される点で、第一の実施形態における規制回避経路探索処理とは相違する。
【００７６】
ステップＳ１００では、規制受信部１０４は、ステップＳ００２にて受信した規制情報の規制対象車２６２の規制の適用条件に判定不可能な条件があれば、当該判定を行うためのアルゴリズムを、図示しない外部の情報センタへ要求する情報を送信する（ステップＳ１００）。なお、規制受信部１０４は、情報センタへ情報を送信する際には、図示しない携帯電話網や無線ＬＡＮ等の通信ネットワークを経由するものとする。
【００７７】
そして、規制受信部１０４は、外部の情報センタから、判定を行うためのアルゴリズムを受信し、受信したアルゴリズムを規制該当判定部１０５に組み込む（ステップＳ１０１）。
【００７８】
以上が、第二の実施形態における規制回避経路探索処理の内容である。このようにすることで、第二の実施形態においては、ナビゲーション装置１００は、新たな規制対象の条件が示された場合であっても、当該規制対象の条件に自車が合致するか否かを判定することが可能となる。とくに、環境問題等の社会問題の解決に向けて様々な新たな規制がなされる可能性のある状況においては、このようにアルゴリズムを更新することができることにより、ナビゲーション装置１００の信頼性や使い勝手がよいといえる。
【００７９】
また、上記第一の実施形態および第二の実施形態の規制回避経路探索処理においては、自車が規制対象となるか否かを判定するための情報は自車の車両の入手時からほとんど変化しない基本的な装備に関する情報が格納された自車情報テーブル３００を用いているが、車両の入手後に追加できる様々な追加装備についての規制条件を判定できるようにしてもよい。
【００８０】
具体的には、第一の実施形態または第二の実施形態のナビゲーション装置について、図１０に示すように、ナビゲーション装置１００の記憶装置３に、追加装備の有無に関する装備情報テーブル３５０を備えることが可能である。
【００８１】
図１０は、第二の実施形態における記憶装置３に格納された装備情報テーブル３５０の構成を示す図である。装備情報テーブル３５０は、自動料金収受を行うことのできるＥＴＣ装置の装着有無を示すＥＴＣ装着有無３５１と、滑り防止機構つきのタイヤであるスタッドレスタイヤの装着有無を示すスタッドレスタイヤ装着有無３５２と、車両背面を撮影した情報を表示するバックモニタの装着有無を示すバックモニタ有無３５３等、を格納する。このように、装備情報テーブル３５０には、車両の付属装備の有無に関する情報が格納される。
【００８２】
規制該当判定部１０５は、規制回避経路探索処理のステップＳ００３において規制を特定する際、規制の対象車を判定する条件に応じて、車両の付属装備の有無に関する情報である装備情報テーブル３５０を読み出すものとする。また、装備情報テーブル３５０は、車両の装備が変更される都度、使用者の操作により設定を変更することが可能であるとする。
【００８３】
このようにすることで、ナビゲーション装置１００は、特定の装備を備えた車両に対して規制を適用する、あるいは特定の装備を備えない車両に対して規制を適用する、という規制の条件に対しても、自車が条件に合致するか否かを判定し、規制が適用される場合には回避経路を探索することが可能となる。
【００８４】
さらに、上記したそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせるようにしてもよい。
【００８５】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【００８６】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、車載装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【００８７】
１・・・演算処理部、２・・・ディスプレイ、３・・・記憶装置、４・・・音声出入力装置、５・・・入力装置、６・・・ＲＯＭ装置、７・・・車速センサ、８・・・ジャイロセンサ、９・・・ＧＰＳ受信装置、１０・・・ＦＭ多重放送受信装置、１１・・・ビーコン受信装置、１２・・・衛星ラジオ受信装置、２１・・・ＣＰＵ、２２・・・ＲＡＭ、２３・・・ＲＯＭ、２４・・・Ｉ／Ｆ、２５・・・バス、４１・・・マイクロフォン、４２・・・スピーカ、５１・・・タッチパネル、５２・・・ダイヤルスイッチ、１００・・・ナビゲーション装置、１０１・・・主制御部、１０２・・・入力受付部、１０３・・・出力処理部、１０４・・・規制受信部、１０５・・・規制該当判定部、１０６・・・規制エリア特定部、１０７・・・規制回避経路探索部、２００・・・リンクテーブル、２５０・・・規制情報テーブル、３００・・・自車情報テーブル、３５０・・・装備情報テーブル、４００・・・描画情報テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、
目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、
自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、
前記規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、
前記目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項２】
請求項１に記載の車載装置であって、
前記規制情報には、さらに、規制が適用される期間を特定する情報が含まれており、
前記規制判定手段は、さらに、前記規制が実施される地域に前記規制が適用される期間内に到着する規制に絞って、車両の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載の車載装置であって、
前記規制判定手段は、外部の情報センターから規制情報を受信して前記記憶手段に格納された規制情報を更新する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記記憶手段には、さらに、自車の情報を特定する自車情報が格納されており、
前記規制判定手段は、前記自車情報を用いて自車が前記車両の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記規制の対象となる車両の条件は、ナンバープレートの情報が所定の条件を満たすこと、
であることを特徴とする車載装置。
【請求項６】
請求項１〜５のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記規制道路特定手段は、前記規制が実施される地域に描画用の情報が含まれる道路を、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路として特定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項７】
請求項１〜６のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記回避経路探索手段は、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避する処理において、前記道路のコストを高く設定して探索する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項８】
車載装置の経路探索方法であって、
前記車載装置は、
規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段を備え、
目的地の指定を受け付ける目的地受付ステップと、
自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定ステップと、
前記規制判定ステップにより規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定ステップと、
前記目的地受付ステップにより受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定ステップにより特定された道路を回避して探索する回避経路探索ステップと、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【請求項１】
規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段と、
目的地の指定を受け付ける目的地受付手段と、
自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定手段と、
前記規制判定手段により規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定手段と、
前記目的地受付手段により受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避して探索する回避経路探索手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項２】
請求項１に記載の車載装置であって、
前記規制情報には、さらに、規制が適用される期間を特定する情報が含まれており、
前記規制判定手段は、さらに、前記規制が実施される地域に前記規制が適用される期間内に到着する規制に絞って、車両の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載の車載装置であって、
前記規制判定手段は、外部の情報センターから規制情報を受信して前記記憶手段に格納された規制情報を更新する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記記憶手段には、さらに、自車の情報を特定する自車情報が格納されており、
前記規制判定手段は、前記自車情報を用いて自車が前記車両の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記規制の対象となる車両の条件は、ナンバープレートの情報が所定の条件を満たすこと、
であることを特徴とする車載装置。
【請求項６】
請求項１〜５のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記規制道路特定手段は、前記規制が実施される地域に描画用の情報が含まれる道路を、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路として特定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項７】
請求項１〜６のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記回避経路探索手段は、前記規制道路特定手段により特定された道路を回避する処理において、前記道路のコストを高く設定して探索する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項８】
車載装置の経路探索方法であって、
前記車載装置は、
規制ごとに、規制の対象となる車両の条件を特定する情報と、規制が実施される地域を特定する情報と、を含む規制情報を格納する記憶手段を備え、
目的地の指定を受け付ける目的地受付ステップと、
自車が前記規制ごとに対象となる車両の条件を満たすか否かを判定する規制判定ステップと、
前記規制判定ステップにより規制の対象となる車両の条件を満たすと判定した規制について、前記規制が実施される地域を特定する情報により特定される地域に含まれる道路を特定する規制道路特定ステップと、
前記目的地受付ステップにより受け付けた目的地に到る経路を、前記規制道路特定ステップにより特定された道路を回避して探索する回避経路探索ステップと、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１１−１８５６６８（Ｐ２０１１−１８５６６８Ａ）
【公開日】平成２３年９月２２日（２０１１．９．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−４９４９０（Ｐ２０１０−４９４９０）
【出願日】平成２２年３月５日（２０１０．３．５）
【出願人】（０００００１４８７）クラリオン株式会社 (1,722)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年９月２２日（２０１１．９．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月５日（２０１０．３．５）
【出願人】（０００００１４８７）クラリオン株式会社 (1,722)
【Ｆターム（参考）】
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