車載装置とその車両方位修正方法
【課題】 本発明の目的は、簡易な方法でより正確に車両方位を特定する技術を提供することにある。
【解決手段】
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置等の車載装置では、ジャイロセンサにより車両の回転角度を検出して、現在地の推定や車両の向きの推定を行う技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−2826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置では、デッドレコニング処理等により、ジャイロセンサで検出する回転角度に基づいて車両方位の変更量を特定し、車両方位を算出している。ここで、例えばタワーパーキングへの入出庫時等、ジャイロセンサが動作していない状況で実際の車両の方位が変更された場合には、GPSによる位置の再特定がなされるまでの間は、車両方位を適切に修正するのは難しい。本発明の目的は、簡易な方法でより正確に車両方位を特定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の車両方位修正方法は、車載装置の車両方位修正方法であって、前記車載装置は、搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、を備え、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得ステップと、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得ステップと、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、カメラの搭載位置を示す図である。
【図4】図4は、撮影画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図5】図5は、演算処理部の機能構成図である。
【図6】図6は、停止時映像取得処理のフロー図である。
【図7】図7は、回頭検出処理のフロー図である。
【図8】図8は、タワーパーキングでの駐車の概要を示す図である。
【図9】図9は、回頭検出処理の効果の例を説明する説明図である。
【図10】図10は、第二実施形態におけるナビゲーション装置の概略構成図である。
【図11】図11は、第二実施形態における演算処理部の機能構成図である。
【図12】図12は、第二実施形態における停止時距離取得処理のフロー図である。
【図13】図13は、第二実施形態における回頭検出処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、カメラ12と、を備えている。
【0010】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0011】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、現在地あるいはユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0012】
また、演算処理部1は、GPSを用いた現在地検出を補間する位置検出処理の一つとして、デッドレコニング処理を行う。デッドレコニング処理は、車速センサの出力値より求まる走行距離が所定距離(例えば2m)に到達する毎に、前回採用された現在位置および車両方位のデータに、車速センサの出力値、図示しない加速度センサの出力値およびジャイロセンサの出力値等を用いて求めた相対変位を加算することで、新たな現在位置および車両方位を算出する処理である。また、演算処理部1は、後述する停止時映像取得処理と、回頭検出処理と、を実施して、デッドレコニング処理により得られた車両方位を修正する。
【0013】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200が記憶されている。
【0017】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0018】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
【0019】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0020】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0021】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0022】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0023】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0024】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0025】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0026】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。
【0027】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0028】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0029】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0030】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0031】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0032】
カメラ12は、図3のフロントカメラ12Fおよびリアカメラ12Rに示すように、車両300の前方および後方にやや下を向いて、路面を撮影できるように取り付けられる。カメラ12は、車両の前方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮影する。また、カメラ12は、撮影した映像を、演算処理部1に受け渡す。
【0033】
図4は、図3のフロントカメラ12Fおよびリアカメラ12Rにて撮影した映像を用いた地上投影画像の生成方法を説明するための図である。基本制御部101は、カメラ12の視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮影方向(視線方向)Kを求める。そして、基本制御部101は、取得画像410を、カメラ12の視点Pの位置から視線方向Kに向けて、地上面420に投影し、地上投影画像430を生成する。なお、視線方向Kは、撮影画像410の中心と垂直に交わる。また、カメラ12の視点Pから撮影画像410までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像430は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。
【0034】
図5は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、停止時映像取得部104と、起動時映像取得部105と、回転検出部106と、車両方位変更部107と、を有する。
【0035】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理およびデッドレコニング処理等を行って現在地と車両の正面が向いている方向である車両方位を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、現在地またはユーザから指示された出発地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0036】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容を基本制御部101へ送信する。
【0037】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0038】
停止時映像取得部104は、ナビゲーション装置100の終了処理(または、停止処理)において、カメラ12を用いて映像を取得する処理部である。本実施形態においては、停止時映像取得部104は、車両のアクセサリ電源の切断を指示する信号を受信すると、所定の方向(前方)を撮影するフロントカメラ12Fを用いて映像を取得する。
【0039】
起動時映像取得部105は、ナビゲーション装置100の開始処理において、カメラ12を用いて映像を取得する処理部である。本実施形態においては、起動時映像取得部105は、車両のアクセサリ電源の投入指示がなされてナビゲーション装置100が起動すると、終了処理において撮影した方向とは異なる方向(後方)を撮影するリアカメラ12Rを用いて映像を取得する。
【0040】
回転検出部106は、停止時映像取得部104が取得した映像と、起動時映像取得部が取得した映像を比較して、車両の回転、すなわち車両の方位が変更されたこと、を検出する。具体的には、回転検出部106は、両画像の被写体を比較して、その差異に基づき車両の回転を検出する。本実施形態においては、回転検出部106は、ナンバープレート部分の画像に含まれるナンバーを特定し、停止時映像のナンバーと起動時映像のナンバーとが所定の関係を有する場合(例えば、ほぼ同一であるとみなす場合)に、車両が回転したものと判定して回転検出フラグ(ONまたはOFFの二値を格納しうる)を制御する。
【0041】
車両方位変更部107は、回転検出部106により回転が検出されると、デッドレコニング等により特定されている車両方位を反転させる。例えば、本実施形態において、車両方位変更部107は、デッドレコニング等により特定されている車両方位を180度回転させる。
【0042】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、停止時映像取得部104、起動時映像取得部105、回転検出部106、車両方位変更部107は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0043】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0044】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0045】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図6は、ナビゲーション装置100が停止する場合に、車両の前方の映像を撮影する停止時映像取得処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において実施されるナビゲーション装置100の終了処理において開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがOFF状態とされたか(アクセサリ電源の切断指示を受けたか)、ナビゲーション装置100の終了命令を受け付けた場合に開始される。
【0046】
まず、停止時映像取得部104は、フロントカメラ12Fを介して前方の映像を取得する(ステップS001)。当該フロントカメラ12Fで取得した映像には、ナビゲーション装置100が搭載された車両のフロント側のナンバープレートが写りこんだ安全確認ミラー501の鏡面が含まれる。
【0047】
なお、ナビゲーション装置100が搭載された車両300は、後述するように、タワーパーキング500に車両前方から進入する前面駐車を実施するものとし、タワーパーキング500の設備として、車両の前方の衝突を避けるために安全確認ミラー501が配置されているものとする。なお、安全確認ミラー501は、駐車する車両の前面を当該車両に搭乗している乗員から確認可能な方向に像面が調整されているものとする。
【0048】
次に、停止時映像取得部104は、記憶装置3等に、フロントカメラ12Fで取得した映像を格納する(ステップS002)。
【0049】
以上が、停止時映像取得処理の処理内容である。停止時映像取得処理によると、ナビゲーション装置100は、停止時の車両方位と起動時の車両方位との変化を予測するための映像を取得することができる。
【0050】
次に、図7を用いて、ナビゲーション装置100が起動する場合に、車両の周囲(本実施形態においては後方)の映像を撮影して回転を検出する回転検出処理を説明する。図7は、ナビゲーション装置100が起動した直後あるいは開始処理において、車両の後方の映像を撮影して回転を検出する回転検出処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働を開始するナビゲーション装置100の開始処理において、または開始処理の終了直後において、開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがON状態とされたか(アクセサリ電源が投入されたか)、ナビゲーション装置100の開始命令を受け付けたか、ナビゲーション装置100の起動処理が完了したことを検知した場合に開始される。
【0051】
まず、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定する(ステップS101)。具体的には、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定して初期化する。回転検出フラグは、車両方位の変更、すなわち回転が検出されると、ONに設定される。
【0052】
次に、起動時映像取得部105は、リアカメラ12Rを介して、停止時映像取得処理にて取得した方向とは異なる方向の映像、本実施形態においては後方の映像を取得する(ステップS102)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、リアカメラ12Rで取得した映像には、自車のナンバープレートが写りこんだ安全確認ミラー501の鏡面が含まれる。
【0053】
そして、回転検出部106は、リアカメラ12Rで取得した映像に、鏡に映ったナンバープレートのナンバーを検出可能か否かを判定する(ステップS103)。具体的には、回転検出部106は、ステップS102にて取得したリア側の映像について、鏡に映ったナンバープレートに記載されたナンバーを抽出し、映像を左右反転させて、ナンバーの認識処理を行う。ナンバーの認識処理において、ナンバーをうまく検出できなかった場合(ステップS103にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0054】
ナンバーを検出した場合(ステップS103にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、直近の停止時映像取得処理にて取得した映像と、フロントカメラ12Fで取得したフロント側の映像を取得する(ステップS104)。
【0055】
そして、回転検出部106は、フロントカメラ12Fで取得した映像に、鏡に映ったナンバープレートのナンバーを検出可能か否かを判定する(ステップS105)。具体的には、回転検出部106は、停止時映像取得処理にて取得したフロント側の映像について、鏡に映ったナンバープレートに記載されたナンバーを抽出し、映像を左右反転させて、ナンバーの認識処理を行う。ナンバーの認識処理において、ナンバーをうまく検出できなかった場合(ステップS105にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0056】
ナンバーを検出した場合(ステップS105にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、ナンバープレートのナンバーが所定の関係を有するか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、回転検出部106は、直近の停止時映像取得処理にてフロントカメラ12Fで取得したフロント側の映像に含まれる被写体であるナンバープレートのナンバーと、ステップS102にて取得したリア側カメラ12Rで取得したリア側の映像に含まれる被写体であるナンバープレートのナンバーと、を比較して、所定の関係を有するか否かを判定する。なお、ナンバーが所定の関係を有するか否かについては、ナンバーが完全同一である場合あるいはナンバープレートの複数桁の数字のうち最大のサイズのものが完全同一である場合に所定の関係を有するものとする。停止時に取得した映像のナンバープレートのナンバーが、ステップS105でナンバーと所定の関係を有しない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0057】
ナンバーが同一である場合(ステップS107にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、回転検出フラグをONに設定する(ステップS107)。
【0058】
そして、車両方位変更部107は、回転検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS108)。回転検出フラグがONでない場合(ステップS108にて「No」の場合)には、車両方位変更部107は、回転検出処理を終了させる。
【0059】
回転検出フラグがONである場合(ステップS108にて「Yes」の場合)には、車両方位変更部107は、車両の方位を反転させる(ステップS107)。具体的には、車両方位変更部107は、デッドレコニング処理により特定された現在地および車両方位の情報のうち、車両方位の情報を、反転させた方位へと変更する。
【0060】
以上が、回転検出処理の処理内容である。回転検出処理によると、ナビゲーション装置100が稼働していない状態で車両が回頭した場合等に、当該回頭を検出して車両方位を修正することができる。
【0061】
図8は、タワーパーキング500に車両300格納するモデルを説明する図である。まず、車両300は、タワーパーキング500の入庫スペースに車両を進入させ、エンジンおよびアクセサリをOFFにする。その際、安全確認ミラー501が入庫スペース奥(すなわち車両のフロント側)に配置されており、そのため、アクセサリOFFに伴って動作する停止時映像取得処理によって取得される映像には、車両300の前面のナンバープレートが左右逆像で映りこむ。
【0062】
そして、タワーパーキング500から車両300が出庫する場合には、車両300は前後が反転された状態となる。ここで、車両300のアクセサリがON状態になると、ナビゲーション装置100の開始処理が実施されるため、回転検出処理が実施される。すなわち、車両300の後方にある安全確認ミラー501に左右逆像で映りこんだ車両300の後面のナンバープレートと、停止時映像取得処理によって取得された車両300の前面のナンバープレートと、に映るナンバーが所定の関係を満たせば(同一であれば)、回転したとみなして、車両方位が反転される。
【0063】
図9は、このような回転検出処理により得られる効果を端的に説明する説明図である。図9(a)は、回転検出処理を行わない従来の技術による位置補正の場合の説明である。タワーパーキング600に車両を駐車していた場合に、タワーパーキング600を去った後実際に走行した軌跡を実走行軌跡601(点線で表記)とする。車両方位の修正がなされず、車両方位がタワーパーキング600への入庫時の方位のままである場合には、仮想軌跡602(一点鎖線で表記)が車両の走行履歴および現在地の認識位置となる。そのため、現在位置とは大きく乖離する位置を現在地として認識してしまい、正しい経路誘導が行われない。
【0064】
図9(b)では、回転検出処理が行われる本願発明に係る実施形態による位置補正の例が説明されている。タワーパーキング500から車両300が出庫する際に、車両方位が正しく修正されるため、ナビゲーション装置100が特定する現在地の軌跡は、実走行軌跡603と一致する。そのため、正しい経路誘導等が行われる。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0066】
本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100は、車両の方位の変更を正確に把握できる。より具体的には、ナビゲーション装置100が稼働していない状態での回頭を把握して補正することが可能である。
【0067】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の停止時映像取得処理および回転検出処理においては、カメラ12を用いて車両の回転を検出していたが、これに限られず、レーダー装置を用いて車両の回転を判定するようにしてもよい。具体的には、第二の実施形態として、図10に示すように、ナビゲーション装置100の構成にレーダー装置13を備えるようにして、また演算処理部1の機能構成を図11に示すように構成し、図12および図13のように停止時映像取得処理および回転検出処理を変形することが可能である。
【0068】
図10は、第二の実施形態におけるナビゲーション装置100の構成を示す図である。基本的には、第一の実施形態におけるナビゲーション装置100の構成と同様の構成を備えるが、第二の実施形態では、演算処理部1は、レーダー波を用いて、所定の方向にある最寄りの物体までの距離を計測するレーダー装置13を備える点で相違する。
【0069】
また、図11に示すように、演算処理部1は、停止時映像取得部104および起動時映像取得部105に代えて、停止時距離取得部114と、起動時距離取得部115と、を備える。
【0070】
停止時距離取得部114は、ナビゲーション装置100の終了処理において、レーダー装置13を用いて所定の方向(前方)の障害物までの距離を取得する処理部である。本実施形態においては、停止時距離取得部114は、車両のアクセサリ電源がOFFされた信号を受信すると、前方を測距するレーダー装置13を用いて距離を取得する。
【0071】
起動時距離取得部115は、ナビゲーション装置100の開始処理において、レーダー装置13を用いて、停止時距離取得部114が取得する距離の方向とは異なる方向(後方)の障害物までの距離を取得する処理部である。本実施形態においては、起動時距離取得部115は、車両のアクセサリ電源がONされてナビゲーション装置100が起動すると、後方を測距するレーダー装置13を用いて距離を取得する。
【0072】
図12は、ナビゲーション装置100が停止する場合に、車両の前方の障害物までの距離を測距する停止時距離取得処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において実施されるナビゲーション装置100の終了処理において開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがOFF状態とされたか(アクセサリ電源が切断されたか)、ナビゲーション装置100の終了命令を受け付けた場合に開始される。
【0073】
まず、停止時距離取得部114は、レーダー装置13を介して前方の障害物(安全確認ミラー501)までの距離を取得する(ステップS201)。
【0074】
次に、停止時距離取得部114は、記憶装置3等に、レーダー装置13で取得した距離を格納する(ステップS202)。
【0075】
以上が、停止時距離取得処理の処理内容である。停止時距離取得処理によると、ナビゲーション装置100は、停止時の車両方位と起動時の車両方位との変化を予測するための距離の情報を取得することができる。
【0076】
次に、図13を用いて、ナビゲーション装置100が起動する場合に、車両の後方の障害物までの距離を測距して回転を検出する回転検出処理を説明する。図13は、ナビゲーション装置100が起動した直後あるいは起動処理において、車両の後方の障害物までの距離を測距して回転を検出する回転検出処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働を開始するナビゲーション装置100の開始処理において、または開始処理の終了直後において、開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがON状態とされたか(搭載車両のアクセサリ電源が投入されたか)、ナビゲーション装置100の開始命令を受け付けたか、ナビゲーション装置100の起動処理が完了したことを検知した場合に開始される。
【0077】
まず、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定する(ステップS301)。具体的には、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定して初期化する。回転検出フラグは、車両方位の変更、すなわち回転が検出されると、ONに設定される。
【0078】
次に、起動時距離取得部115は、レーダー装置13を介して前方の障害物までの距離を取得する(ステップS302)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、レーダー装置13で取得した距離は、安全確認ミラー501までの距離とは異なる。
【0079】
次に、起動時距離取得部115は、レーダー装置13を介して後方の障害物までの距離を取得する(ステップS303)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、レーダー装置13で取得した距離は、安全確認ミラー501までの距離となる。
【0080】
そして、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した前方障害物までの距離と、が相違し、かつ、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した後方障害物までの距離と、が類似する、か否かを判定する(ステップS304)。具体的には、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した前方障害物までの距離と、が所定の範囲内(例えば、取得した前方障害物までの距離が、停止時に取得した前方障害物までの距離の50%〜150%の範囲以内)である場合には、相違しないと判定し、当該範囲外の場合には相違すると判定する。同様に、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した後方障害物までの距離と、が所定の範囲内(例えば、取得した前方障害物までの距離が、停止時に取得した後方障害物までの距離の50%〜150%の範囲以内)である場合には、類似すると判定し、当該範囲外の場合には類似しないと判定する。
【0081】
ステップS304において、条件を満たさなかった場合(ステップS304にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS306に制御を進める。
【0082】
条件を満たした場合(ステップS304にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、回転検出フラグをONに設定する(ステップS305)。
【0083】
そして、車両方位変更部107は、回転検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS306)。回転検出フラグがONでない場合(ステップS306にて「No」の場合)には、車両方位変更部107は、回転検出処理を終了させる。
【0084】
回転検出フラグがONである場合(ステップS306にて「Yes」の場合)には、車両方位変更部107は、車両の方位を反転させる(ステップS307)。具体的には、車両方位変更部107は、デッドレコニング処理により特定された現在地および車両方位の情報のうち、車両方位の情報を、反転させた方位へと変更する。
【0085】
以上が、第二の実施形態に係る回転検出処理の処理内容である。第二の実施形態に係る回転検出処理によると、ナビゲーション装置100が稼働していない状態で車両が回頭した場合等に、当該回頭を検出して車両方位を修正することができる。
【0086】
また、上記第一の実施形態においては、カメラがフロント側とリア側の両方に搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、カメラがサイド側に搭載されており、フロントとリアの画像はサイド側のカメラの画像合成により得るような場合においても、停止時映像取得処理においては合成した映像によるフロント側の映像、回転検出処理においては合成した映像によるリア側の映像を用いるようにしてもよい。
【0087】
また、上記第一の実施形態においては、カメラがフロント側とリア側の両方に搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、カメラがリア側にのみ搭載されており、フロントに搭載されていない場合であってもよい。例えば、停止時映像取得処理においてリア側映像を取得しておき、回転検出処理において取得したリア側映像と比較して、停止時映像取得処理において取得したリア側映像にはナンバープレートが写りこんでおらず、回転検出処理において取得したリア側映像にはナンバープレートが写りこんでおり、当該ナンバーは予め設定された搭載車両のナンバーと同一である場合には、回転検出フラグをONにするようにしてもよい。
【0088】
このように変形することで、リア側にしかカメラを搭載していない車両であっても、適切に回転を検知することができる。
【0089】
さらに、上記第一の実施形態、第二の実施形態およびそれらの変形に記載されたそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせてもよい。例えば、カメラとレーダー装置とを併用して精度を上げるようにしてもよい。
【0090】
以上、本発明について、第一の実施形態から第二の実施形態について説明した。
【0091】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、車載装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・カメラ、12F・・・フロントカメラ、12R・・・リアカメラ、13・・・レーダー装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・停止時映像取得部、105・・・起動時映像取得部、106・・・回転検出部、107・・・車両方位変更部、200・・・リンクテーブル、300・・・車両、500・・・タワーパーキング、501・・・安全確認ミラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置等の車載装置では、ジャイロセンサにより車両の回転角度を検出して、現在地の推定や車両の向きの推定を行う技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−2826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置では、デッドレコニング処理等により、ジャイロセンサで検出する回転角度に基づいて車両方位の変更量を特定し、車両方位を算出している。ここで、例えばタワーパーキングへの入出庫時等、ジャイロセンサが動作していない状況で実際の車両の方位が変更された場合には、GPSによる位置の再特定がなされるまでの間は、車両方位を適切に修正するのは難しい。本発明の目的は、簡易な方法でより正確に車両方位を特定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の車両方位修正方法は、車載装置の車両方位修正方法であって、前記車載装置は、搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、記憶手段と、現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、を備え、前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得ステップと、前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得ステップと、前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、カメラの搭載位置を示す図である。
【図4】図4は、撮影画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図5】図5は、演算処理部の機能構成図である。
【図6】図6は、停止時映像取得処理のフロー図である。
【図7】図7は、回頭検出処理のフロー図である。
【図8】図8は、タワーパーキングでの駐車の概要を示す図である。
【図9】図9は、回頭検出処理の効果の例を説明する説明図である。
【図10】図10は、第二実施形態におけるナビゲーション装置の概略構成図である。
【図11】図11は、第二実施形態における演算処理部の機能構成図である。
【図12】図12は、第二実施形態における停止時距離取得処理のフロー図である。
【図13】図13は、第二実施形態における回頭検出処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、カメラ12と、を備えている。
【0010】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0011】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、現在地あるいはユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0012】
また、演算処理部1は、GPSを用いた現在地検出を補間する位置検出処理の一つとして、デッドレコニング処理を行う。デッドレコニング処理は、車速センサの出力値より求まる走行距離が所定距離(例えば2m)に到達する毎に、前回採用された現在位置および車両方位のデータに、車速センサの出力値、図示しない加速度センサの出力値およびジャイロセンサの出力値等を用いて求めた相対変位を加算することで、新たな現在位置および車両方位を算出する処理である。また、演算処理部1は、後述する停止時映像取得処理と、回頭検出処理と、を実施して、デッドレコニング処理により得られた車両方位を修正する。
【0013】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200が記憶されている。
【0017】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0018】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
【0019】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0020】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0021】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0022】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0023】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0024】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0025】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0026】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。
【0027】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0028】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0029】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0030】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0031】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0032】
カメラ12は、図3のフロントカメラ12Fおよびリアカメラ12Rに示すように、車両300の前方および後方にやや下を向いて、路面を撮影できるように取り付けられる。カメラ12は、車両の前方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮影する。また、カメラ12は、撮影した映像を、演算処理部1に受け渡す。
【0033】
図4は、図3のフロントカメラ12Fおよびリアカメラ12Rにて撮影した映像を用いた地上投影画像の生成方法を説明するための図である。基本制御部101は、カメラ12の視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮影方向(視線方向)Kを求める。そして、基本制御部101は、取得画像410を、カメラ12の視点Pの位置から視線方向Kに向けて、地上面420に投影し、地上投影画像430を生成する。なお、視線方向Kは、撮影画像410の中心と垂直に交わる。また、カメラ12の視点Pから撮影画像410までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像430は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。
【0034】
図5は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、停止時映像取得部104と、起動時映像取得部105と、回転検出部106と、車両方位変更部107と、を有する。
【0035】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理およびデッドレコニング処理等を行って現在地と車両の正面が向いている方向である車両方位を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、現在地またはユーザから指示された出発地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0036】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容を基本制御部101へ送信する。
【0037】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0038】
停止時映像取得部104は、ナビゲーション装置100の終了処理(または、停止処理)において、カメラ12を用いて映像を取得する処理部である。本実施形態においては、停止時映像取得部104は、車両のアクセサリ電源の切断を指示する信号を受信すると、所定の方向(前方)を撮影するフロントカメラ12Fを用いて映像を取得する。
【0039】
起動時映像取得部105は、ナビゲーション装置100の開始処理において、カメラ12を用いて映像を取得する処理部である。本実施形態においては、起動時映像取得部105は、車両のアクセサリ電源の投入指示がなされてナビゲーション装置100が起動すると、終了処理において撮影した方向とは異なる方向(後方)を撮影するリアカメラ12Rを用いて映像を取得する。
【0040】
回転検出部106は、停止時映像取得部104が取得した映像と、起動時映像取得部が取得した映像を比較して、車両の回転、すなわち車両の方位が変更されたこと、を検出する。具体的には、回転検出部106は、両画像の被写体を比較して、その差異に基づき車両の回転を検出する。本実施形態においては、回転検出部106は、ナンバープレート部分の画像に含まれるナンバーを特定し、停止時映像のナンバーと起動時映像のナンバーとが所定の関係を有する場合(例えば、ほぼ同一であるとみなす場合)に、車両が回転したものと判定して回転検出フラグ(ONまたはOFFの二値を格納しうる)を制御する。
【0041】
車両方位変更部107は、回転検出部106により回転が検出されると、デッドレコニング等により特定されている車両方位を反転させる。例えば、本実施形態において、車両方位変更部107は、デッドレコニング等により特定されている車両方位を180度回転させる。
【0042】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、停止時映像取得部104、起動時映像取得部105、回転検出部106、車両方位変更部107は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0043】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0044】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0045】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図6は、ナビゲーション装置100が停止する場合に、車両の前方の映像を撮影する停止時映像取得処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において実施されるナビゲーション装置100の終了処理において開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがOFF状態とされたか(アクセサリ電源の切断指示を受けたか)、ナビゲーション装置100の終了命令を受け付けた場合に開始される。
【0046】
まず、停止時映像取得部104は、フロントカメラ12Fを介して前方の映像を取得する(ステップS001)。当該フロントカメラ12Fで取得した映像には、ナビゲーション装置100が搭載された車両のフロント側のナンバープレートが写りこんだ安全確認ミラー501の鏡面が含まれる。
【0047】
なお、ナビゲーション装置100が搭載された車両300は、後述するように、タワーパーキング500に車両前方から進入する前面駐車を実施するものとし、タワーパーキング500の設備として、車両の前方の衝突を避けるために安全確認ミラー501が配置されているものとする。なお、安全確認ミラー501は、駐車する車両の前面を当該車両に搭乗している乗員から確認可能な方向に像面が調整されているものとする。
【0048】
次に、停止時映像取得部104は、記憶装置3等に、フロントカメラ12Fで取得した映像を格納する(ステップS002)。
【0049】
以上が、停止時映像取得処理の処理内容である。停止時映像取得処理によると、ナビゲーション装置100は、停止時の車両方位と起動時の車両方位との変化を予測するための映像を取得することができる。
【0050】
次に、図7を用いて、ナビゲーション装置100が起動する場合に、車両の周囲(本実施形態においては後方)の映像を撮影して回転を検出する回転検出処理を説明する。図7は、ナビゲーション装置100が起動した直後あるいは開始処理において、車両の後方の映像を撮影して回転を検出する回転検出処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働を開始するナビゲーション装置100の開始処理において、または開始処理の終了直後において、開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがON状態とされたか(アクセサリ電源が投入されたか)、ナビゲーション装置100の開始命令を受け付けたか、ナビゲーション装置100の起動処理が完了したことを検知した場合に開始される。
【0051】
まず、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定する(ステップS101)。具体的には、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定して初期化する。回転検出フラグは、車両方位の変更、すなわち回転が検出されると、ONに設定される。
【0052】
次に、起動時映像取得部105は、リアカメラ12Rを介して、停止時映像取得処理にて取得した方向とは異なる方向の映像、本実施形態においては後方の映像を取得する(ステップS102)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、リアカメラ12Rで取得した映像には、自車のナンバープレートが写りこんだ安全確認ミラー501の鏡面が含まれる。
【0053】
そして、回転検出部106は、リアカメラ12Rで取得した映像に、鏡に映ったナンバープレートのナンバーを検出可能か否かを判定する(ステップS103)。具体的には、回転検出部106は、ステップS102にて取得したリア側の映像について、鏡に映ったナンバープレートに記載されたナンバーを抽出し、映像を左右反転させて、ナンバーの認識処理を行う。ナンバーの認識処理において、ナンバーをうまく検出できなかった場合(ステップS103にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0054】
ナンバーを検出した場合(ステップS103にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、直近の停止時映像取得処理にて取得した映像と、フロントカメラ12Fで取得したフロント側の映像を取得する(ステップS104)。
【0055】
そして、回転検出部106は、フロントカメラ12Fで取得した映像に、鏡に映ったナンバープレートのナンバーを検出可能か否かを判定する(ステップS105)。具体的には、回転検出部106は、停止時映像取得処理にて取得したフロント側の映像について、鏡に映ったナンバープレートに記載されたナンバーを抽出し、映像を左右反転させて、ナンバーの認識処理を行う。ナンバーの認識処理において、ナンバーをうまく検出できなかった場合(ステップS105にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0056】
ナンバーを検出した場合(ステップS105にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、ナンバープレートのナンバーが所定の関係を有するか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、回転検出部106は、直近の停止時映像取得処理にてフロントカメラ12Fで取得したフロント側の映像に含まれる被写体であるナンバープレートのナンバーと、ステップS102にて取得したリア側カメラ12Rで取得したリア側の映像に含まれる被写体であるナンバープレートのナンバーと、を比較して、所定の関係を有するか否かを判定する。なお、ナンバーが所定の関係を有するか否かについては、ナンバーが完全同一である場合あるいはナンバープレートの複数桁の数字のうち最大のサイズのものが完全同一である場合に所定の関係を有するものとする。停止時に取得した映像のナンバープレートのナンバーが、ステップS105でナンバーと所定の関係を有しない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS108に制御を進める。
【0057】
ナンバーが同一である場合(ステップS107にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、回転検出フラグをONに設定する(ステップS107)。
【0058】
そして、車両方位変更部107は、回転検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS108)。回転検出フラグがONでない場合(ステップS108にて「No」の場合)には、車両方位変更部107は、回転検出処理を終了させる。
【0059】
回転検出フラグがONである場合(ステップS108にて「Yes」の場合)には、車両方位変更部107は、車両の方位を反転させる(ステップS107)。具体的には、車両方位変更部107は、デッドレコニング処理により特定された現在地および車両方位の情報のうち、車両方位の情報を、反転させた方位へと変更する。
【0060】
以上が、回転検出処理の処理内容である。回転検出処理によると、ナビゲーション装置100が稼働していない状態で車両が回頭した場合等に、当該回頭を検出して車両方位を修正することができる。
【0061】
図8は、タワーパーキング500に車両300格納するモデルを説明する図である。まず、車両300は、タワーパーキング500の入庫スペースに車両を進入させ、エンジンおよびアクセサリをOFFにする。その際、安全確認ミラー501が入庫スペース奥(すなわち車両のフロント側)に配置されており、そのため、アクセサリOFFに伴って動作する停止時映像取得処理によって取得される映像には、車両300の前面のナンバープレートが左右逆像で映りこむ。
【0062】
そして、タワーパーキング500から車両300が出庫する場合には、車両300は前後が反転された状態となる。ここで、車両300のアクセサリがON状態になると、ナビゲーション装置100の開始処理が実施されるため、回転検出処理が実施される。すなわち、車両300の後方にある安全確認ミラー501に左右逆像で映りこんだ車両300の後面のナンバープレートと、停止時映像取得処理によって取得された車両300の前面のナンバープレートと、に映るナンバーが所定の関係を満たせば(同一であれば)、回転したとみなして、車両方位が反転される。
【0063】
図9は、このような回転検出処理により得られる効果を端的に説明する説明図である。図9(a)は、回転検出処理を行わない従来の技術による位置補正の場合の説明である。タワーパーキング600に車両を駐車していた場合に、タワーパーキング600を去った後実際に走行した軌跡を実走行軌跡601(点線で表記)とする。車両方位の修正がなされず、車両方位がタワーパーキング600への入庫時の方位のままである場合には、仮想軌跡602(一点鎖線で表記)が車両の走行履歴および現在地の認識位置となる。そのため、現在位置とは大きく乖離する位置を現在地として認識してしまい、正しい経路誘導が行われない。
【0064】
図9(b)では、回転検出処理が行われる本願発明に係る実施形態による位置補正の例が説明されている。タワーパーキング500から車両300が出庫する際に、車両方位が正しく修正されるため、ナビゲーション装置100が特定する現在地の軌跡は、実走行軌跡603と一致する。そのため、正しい経路誘導等が行われる。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0066】
本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100は、車両の方位の変更を正確に把握できる。より具体的には、ナビゲーション装置100が稼働していない状態での回頭を把握して補正することが可能である。
【0067】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の停止時映像取得処理および回転検出処理においては、カメラ12を用いて車両の回転を検出していたが、これに限られず、レーダー装置を用いて車両の回転を判定するようにしてもよい。具体的には、第二の実施形態として、図10に示すように、ナビゲーション装置100の構成にレーダー装置13を備えるようにして、また演算処理部1の機能構成を図11に示すように構成し、図12および図13のように停止時映像取得処理および回転検出処理を変形することが可能である。
【0068】
図10は、第二の実施形態におけるナビゲーション装置100の構成を示す図である。基本的には、第一の実施形態におけるナビゲーション装置100の構成と同様の構成を備えるが、第二の実施形態では、演算処理部1は、レーダー波を用いて、所定の方向にある最寄りの物体までの距離を計測するレーダー装置13を備える点で相違する。
【0069】
また、図11に示すように、演算処理部1は、停止時映像取得部104および起動時映像取得部105に代えて、停止時距離取得部114と、起動時距離取得部115と、を備える。
【0070】
停止時距離取得部114は、ナビゲーション装置100の終了処理において、レーダー装置13を用いて所定の方向(前方)の障害物までの距離を取得する処理部である。本実施形態においては、停止時距離取得部114は、車両のアクセサリ電源がOFFされた信号を受信すると、前方を測距するレーダー装置13を用いて距離を取得する。
【0071】
起動時距離取得部115は、ナビゲーション装置100の開始処理において、レーダー装置13を用いて、停止時距離取得部114が取得する距離の方向とは異なる方向(後方)の障害物までの距離を取得する処理部である。本実施形態においては、起動時距離取得部115は、車両のアクセサリ電源がONされてナビゲーション装置100が起動すると、後方を測距するレーダー装置13を用いて距離を取得する。
【0072】
図12は、ナビゲーション装置100が停止する場合に、車両の前方の障害物までの距離を測距する停止時距離取得処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において実施されるナビゲーション装置100の終了処理において開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがOFF状態とされたか(アクセサリ電源が切断されたか)、ナビゲーション装置100の終了命令を受け付けた場合に開始される。
【0073】
まず、停止時距離取得部114は、レーダー装置13を介して前方の障害物(安全確認ミラー501)までの距離を取得する(ステップS201)。
【0074】
次に、停止時距離取得部114は、記憶装置3等に、レーダー装置13で取得した距離を格納する(ステップS202)。
【0075】
以上が、停止時距離取得処理の処理内容である。停止時距離取得処理によると、ナビゲーション装置100は、停止時の車両方位と起動時の車両方位との変化を予測するための距離の情報を取得することができる。
【0076】
次に、図13を用いて、ナビゲーション装置100が起動する場合に、車両の後方の障害物までの距離を測距して回転を検出する回転検出処理を説明する。図13は、ナビゲーション装置100が起動した直後あるいは起動処理において、車両の後方の障害物までの距離を測距して回転を検出する回転検出処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働を開始するナビゲーション装置100の開始処理において、または開始処理の終了直後において、開始される。例えば、搭載車両のアクセサリがON状態とされたか(搭載車両のアクセサリ電源が投入されたか)、ナビゲーション装置100の開始命令を受け付けたか、ナビゲーション装置100の起動処理が完了したことを検知した場合に開始される。
【0077】
まず、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定する(ステップS301)。具体的には、回転検出部106は、回転検出フラグをOFFに設定して初期化する。回転検出フラグは、車両方位の変更、すなわち回転が検出されると、ONに設定される。
【0078】
次に、起動時距離取得部115は、レーダー装置13を介して前方の障害物までの距離を取得する(ステップS302)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、レーダー装置13で取得した距離は、安全確認ミラー501までの距離とは異なる。
【0079】
次に、起動時距離取得部115は、レーダー装置13を介して後方の障害物までの距離を取得する(ステップS303)。当該処理において、車両方位の変更が発生していれば、レーダー装置13で取得した距離は、安全確認ミラー501までの距離となる。
【0080】
そして、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した前方障害物までの距離と、が相違し、かつ、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した後方障害物までの距離と、が類似する、か否かを判定する(ステップS304)。具体的には、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した前方障害物までの距離と、が所定の範囲内(例えば、取得した前方障害物までの距離が、停止時に取得した前方障害物までの距離の50%〜150%の範囲以内)である場合には、相違しないと判定し、当該範囲外の場合には相違すると判定する。同様に、回転検出部106は、停止時に取得した前方障害物までの距離と、取得した後方障害物までの距離と、が所定の範囲内(例えば、取得した前方障害物までの距離が、停止時に取得した後方障害物までの距離の50%〜150%の範囲以内)である場合には、類似すると判定し、当該範囲外の場合には類似しないと判定する。
【0081】
ステップS304において、条件を満たさなかった場合(ステップS304にて「No」の場合)には、回転検出部106は、後述するステップS306に制御を進める。
【0082】
条件を満たした場合(ステップS304にて「Yes」の場合)には、回転検出部106は、回転検出フラグをONに設定する(ステップS305)。
【0083】
そして、車両方位変更部107は、回転検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS306)。回転検出フラグがONでない場合(ステップS306にて「No」の場合)には、車両方位変更部107は、回転検出処理を終了させる。
【0084】
回転検出フラグがONである場合(ステップS306にて「Yes」の場合)には、車両方位変更部107は、車両の方位を反転させる(ステップS307)。具体的には、車両方位変更部107は、デッドレコニング処理により特定された現在地および車両方位の情報のうち、車両方位の情報を、反転させた方位へと変更する。
【0085】
以上が、第二の実施形態に係る回転検出処理の処理内容である。第二の実施形態に係る回転検出処理によると、ナビゲーション装置100が稼働していない状態で車両が回頭した場合等に、当該回頭を検出して車両方位を修正することができる。
【0086】
また、上記第一の実施形態においては、カメラがフロント側とリア側の両方に搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、カメラがサイド側に搭載されており、フロントとリアの画像はサイド側のカメラの画像合成により得るような場合においても、停止時映像取得処理においては合成した映像によるフロント側の映像、回転検出処理においては合成した映像によるリア側の映像を用いるようにしてもよい。
【0087】
また、上記第一の実施形態においては、カメラがフロント側とリア側の両方に搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、カメラがリア側にのみ搭載されており、フロントに搭載されていない場合であってもよい。例えば、停止時映像取得処理においてリア側映像を取得しておき、回転検出処理において取得したリア側映像と比較して、停止時映像取得処理において取得したリア側映像にはナンバープレートが写りこんでおらず、回転検出処理において取得したリア側映像にはナンバープレートが写りこんでおり、当該ナンバーは予め設定された搭載車両のナンバーと同一である場合には、回転検出フラグをONにするようにしてもよい。
【0088】
このように変形することで、リア側にしかカメラを搭載していない車両であっても、適切に回転を検知することができる。
【0089】
さらに、上記第一の実施形態、第二の実施形態およびそれらの変形に記載されたそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせてもよい。例えば、カメラとレーダー装置とを併用して精度を上げるようにしてもよい。
【0090】
以上、本発明について、第一の実施形態から第二の実施形態について説明した。
【0091】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、車載装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・カメラ、12F・・・フロントカメラ、12R・・・リアカメラ、13・・・レーダー装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・停止時映像取得部、105・・・起動時映像取得部、106・・・回転検出部、107・・・車両方位変更部、200・・・リンクテーブル、300・・・車両、500・・・タワーパーキング、501・・・安全確認ミラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、
前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、
前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の所定の方向を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記所定の方向と異なる方向を撮影し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を比較する比較手段を備え、
前記第一の被写体と前記第二の被写体とが同じ被写体である場合に、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記車両方位変更手段は、前記車両方位の修正においては、前記車両方位を反転させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の前方を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の後方を撮影する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記第一の被写体および第二の被写体は、前記車載装置が搭載される車両のナンバープレートである、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の所定の方向を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記所定の方向を撮影し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時映像に所定の被写体が含まれておらず、前記起動時映像取得手段により取得された映像には所定の被写体が含まれている場合には、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置であって、
前記所定の被写体は、前記車載装置が搭載される車両のナンバープレートである、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項8】
搭載される車両を基準とする所定の方向の距離を測距可能な測距装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、
前記車載装置の停止処理において、前記測距装置を用いて前記車両の周囲を測距した停止時距離情報を前記記憶手段に記憶させる停止時距離取得手段と、
前記車載装置の起動処理において、前記測距装置を用いて前記車両の周囲を測距する起動時距離取得手段と、
前記停止時距離情報に含まれる第一の距離と、前記起動時距離取得手段により取得された第二の距離と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車載装置であって、
前記停止時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の所定の方向を測距し、
前記起動時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記所定の方向と、前記所定の方向と異なる方向と、を測距し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時距離情報に含まれる第一の距離と、前記起動時距離取得手段により取得された前記所定の方向の第二の距離と、前記所定の方向と異なる方向の第三の距離と、を比較する比較手段を備え、
前記第一の距離と前記第二の距離とが相違し、前記第一の距離と第三の距離とが類似する場合に、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の車載装置であって、
前記車両方位変更手段は、前記車両方位の修正においては、前記車両方位を反転させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記停止時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の前方を撮影し、
前記起動時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の前方と、後方と、を撮影する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項12】
車載装置の車両方位修正方法であって、
前記車載装置は、
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、を備え、
前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得ステップと、
前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得ステップと、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更ステップと、
を実施することを特徴とする車両方位修正方法。
【請求項1】
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、
前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得手段と、
前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得手段と、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の所定の方向を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記所定の方向と異なる方向を撮影し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を比較する比較手段を備え、
前記第一の被写体と前記第二の被写体とが同じ被写体である場合に、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記車両方位変更手段は、前記車両方位の修正においては、前記車両方位を反転させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の前方を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の後方を撮影する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記第一の被写体および第二の被写体は、前記車載装置が搭載される車両のナンバープレートである、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停止時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記車両の所定の方向を撮影し、
前記起動時映像取得手段は、前記撮影装置を用いて前記所定の方向を撮影し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時映像に所定の被写体が含まれておらず、前記起動時映像取得手段により取得された映像には所定の被写体が含まれている場合には、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置であって、
前記所定の被写体は、前記車載装置が搭載される車両のナンバープレートである、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項8】
搭載される車両を基準とする所定の方向の距離を測距可能な測距装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、
前記車載装置の停止処理において、前記測距装置を用いて前記車両の周囲を測距した停止時距離情報を前記記憶手段に記憶させる停止時距離取得手段と、
前記車載装置の起動処理において、前記測距装置を用いて前記車両の周囲を測距する起動時距離取得手段と、
前記停止時距離情報に含まれる第一の距離と、前記起動時距離取得手段により取得された第二の距離と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車載装置であって、
前記停止時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の所定の方向を測距し、
前記起動時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記所定の方向と、前記所定の方向と異なる方向と、を測距し、
前記車両方位変更手段は、
前記停止時距離情報に含まれる第一の距離と、前記起動時距離取得手段により取得された前記所定の方向の第二の距離と、前記所定の方向と異なる方向の第三の距離と、を比較する比較手段を備え、
前記第一の距離と前記第二の距離とが相違し、前記第一の距離と第三の距離とが類似する場合に、前記車両方位を修正する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の車載装置であって、
前記車両方位変更手段は、前記車両方位の修正においては、前記車両方位を反転させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記停止時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の前方を撮影し、
前記起動時距離取得手段は、前記測距装置を用いて前記車両の前方と、後方と、を撮影する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項12】
車載装置の車両方位修正方法であって、
前記車載装置は、
搭載される車両を基準とする所定の方向を撮影可能な撮影装置を備える車載装置であって、
記憶手段と、
現在地と車両方位とを特定する車両状態特定手段と、を備え、
前記車載装置の停止処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影した停止時映像を前記記憶手段に記憶させる停止時映像取得ステップと、
前記車載装置の起動処理において、前記撮影装置を用いて前記車両の周囲を撮影する起動時映像取得ステップと、
前記停止時映像に含まれる第一の被写体と、前記起動時映像取得手段により取得された映像に含まれる第二の被写体と、を用いて、前記車両方位を修正する車両方位変更ステップと、
を実施することを特徴とする車両方位修正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−220259(P2012−220259A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83984(P2011−83984)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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