車載装置とその集音方法
【課題】 本発明の目的は、より簡易な方法で、集音性能を活用する技術を提供することにある。
【解決手段】
所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】
所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載装置では、外部接続マイクを用いて集音し、携帯電話等による通話や音声による操作の受付に関する技術が用いられている。特許文献1には、このような車載装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−260488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車載装置では、車載装置を車両に設置する際に、外部接続マイクを車両の構造やシート形状等に整合させて取り付ける必要があり、取り付けの作業が複雑であった。これを解決するために、ディスプレイ部にマイクが内蔵された車載装置が考えられるが、マイクが設置される車両の形状や構造によっては、マイクの集音性能をうまく活用できない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、より簡易な方法で、集音性能を活用する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の集音方法は、車載装置の集音方法であって、前記車載装置は、所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備え、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにて前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】音声入力にかかるハードウェア構成図である。
【図3】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図4】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図5】全開全閉特定テーブルの構成を示す図である。
【図6】演算処理部の機能構成図である。
【図7】音質最適化処理のフロー図である。
【図8】第二の実施形態における音声入力にかかるハードウェア構成図である。
【図9】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図10】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図11】第二の実施形態における音質最適化処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を行う無線通信装置12と、を備えている。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0012】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、現在地あるいはユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、演算処理部1は、無線通信装置12を用いて、図示しない携帯電話機等と通信し、携帯電話網を介して当該携帯電話網に接続している他の装置と通信を行うことができる。
【0013】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ等が記憶されている。
【0017】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。つまり、マイクロフォン41は、所定の範囲を集音する集音手段として機能するといえる。また、マイクロフォン41は、ナビゲーション装置100の所定の部位に配されている。
【0018】
図2は、音声入力に関連する機器の構成を示す図である。図5に示すように、第一の実施形態においては、マイクロフォン41は、ディスプレイ2が取り付けられる可動パネル200に設けられている。そのため、マイクロフォン41は、当該可動パネル200の位置から、運転席や助手席の搭乗者からの発話を広く取得できる程度に、集音範囲の指向性が強くないマイクロフォンである。また、マイクロフォン41で集音された情報は、エコー/ノイズキャンセル回路201によりエコーキャンセルおよびノイズキャンセルがなされて整えられる。また、エコー/ノイズキャンセル回路201は、CPU21から送信されるエコー/ノイズキャンセル回路201への各種制御用パラメータの設定を反映してエコーキャンセルおよびノイズキャンセルを行う。
【0019】
A/D(Analog/Digital)コンバータ202は、エコー/ノイズキャンセル回路201から出力されるアナログ情報を、デジタル情報に変換して出力する。
【0020】
無線通信モジュール203は、アンテナ204を介して携帯電話等との無線通信を制御する。無線通信モジュール203は、通信の制御に関する情報をCPU21と相互に通信する。また、無線通信モジュール203は、A/Dコンバータ202から出力されたデジタル情報を受け取ると、アンテナ204を介して携帯電話等へ送信する。
【0021】
アンテナ204は、無線通信モジュール203から受け渡された情報を所定の周波数の電磁波で出力し、他の装置である携帯電話等から発せられた電磁波を受信する。
【0022】
駆動部205は、CPU21から駆動命令を受け付けて、パネル動作制御機構206に対して駆動力を与える。例えば、駆動部205は、CPU21により回転を制御されるモーター等のアクチュエータおよび小口径の円形歯車であるピニオンギヤを有し、平板状の棒に歯切りをしたラックに対して回転力を与える。
【0023】
パネル動作制御機構206は、駆動部205から駆動力を得て、可動パネル200を動作させる。具体的には、駆動部205から与えられたピニオンギヤの回転力等の力を、所定の間隔で設けられた突起である歯を有するラックが受けて直線運動力へ変換され、ラックのX方向への直線運動により可動パネル200の下端が図3に示すナビゲーション装置100の前面方向であるX方向へ押し出される機構により、可動パネル200をティルトさせる。
【0024】
パネル動作制御機構206には、位置センサ207が設けられており、位置センサ207は、検知した位置をCPU21へ伝達する。具体的には、位置センサ207は、ラックの移動量を検知して、あらかじめ定められた移動量に基づく可動パネルの開度の情報としてCPU21へ出力する。なお、位置センサ207は、赤外光を発光するダイオードと、当該ダイオードからの光を受光する受光部を備えるフォトインタラプタ等により構成され、ラックに設けられた歯列の位置により変化するダイオードからの光を遮光/受光した結果をCPU21へ出力する。また、位置センサ207は、フォトインタラプタを複数備え、ティルト位置検出のためのティルト位置検出センサと、全開全閉検出のための全開全閉検出用センサと、を含む。ティルト位置センサは、全開位置でHI信号、全閉位置でLO信号を出力するものとする。また、全開全閉検出用センサは、全開位置または全閉位置でHI信号、全開と全閉の間の中間のティルト位置でLO信号を出力するものとする。
【0025】
可動パネル200は、パネル動作制御機構206により動作を制御される可動式のパネル部材である。可動パネル200には、ディスプレイ2およびマイクロフォン41が搭載されている。可動パネル200は、図3(a)および図3(b)に示すように、下端が突出し、上端がインナーエスカッション310との距離を一定に保って上下動することにより、ティルト動作が可能となっている。
【0026】
ここで、図3(a)および図3(b)について説明する。図3(a)および図3(b)は、ナビゲーション装置100の斜視図である。図左下方向がナビゲーション装置100の前面方向にあたり、当該方向をX方向とする。また、図下方向がナビゲーション装置100の下方向にあたり、当該方向をZ方向とする。一般に、車両に搭載されると、車両の前進方向はX方向の逆の方向となる。
【0027】
図3(a)は、ナビゲーション装置100の可動パネルが全閉である状態を示し、図3(b)は、ナビゲーション装置100の可動パネルが中間位置まで開いた(ティルトした)状態を示す。なお、図2で示した可動パネル200は、ディスプレイユニット301と、ディスプレイユニット301の外周を縁取るように設けられたエスカッション302と、エスカッション302内に設けられたマイクロフォン304と、を含む。また、エスカッション302は、ヒンジにより回転可能に取り付けられた支持部320により支持されており、支持部320はパネル動作制御機構206に含まれるラックの先端部を構成する。
【0028】
ナビゲーション装置100は、エスカッション302のさらに周囲を装飾して意匠を構成する化粧板303を有する。エスカッション302および化粧板303は、樹脂等により構成されている。しかし、これに限られず、アルミ等の金属やマグネシウム、カーボン等の素材で構成されていてもよい。
【0029】
また、エスカッション302が全閉状態の場合にはまり込む凹みを構成するインナーエスカッション310についても、樹脂等により構成される。当該インナーエスカッション310は、可動ディスプレイがティルトした状態でナビゲーション装置前面に露出する。
【0030】
マイクロフォン304は、エスカッション302の下側枠内部の空間に配置され、可動ディスプレイが全閉している状態においては、X方向を中心とした集音範囲を持つよう配置される。したがって、可動ディスプレイのティルト動作に伴い、集音範囲も変化することとなる。
【0031】
図4は、ナビゲーション装置100の筐体300と、化粧板303と、可動パネル200とを、取り外した場合のナビゲーション装置100の外観の斜視分解図である。可動パネル200は、化粧板303を貫通する右側支持部320Rと左側支持部320Lとにより支持される。化粧板303は、インナーエスカッション310に固定的に取り付けられる。
【0032】
図1の説明に戻る。スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。スピーカ42は、車両の所定の位置あるいはディスプレイ2が取り付けられている可動パネル200等に搭載されている。なお、ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0033】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0034】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側すなわち可動パネル200のディスプレイユニット301の表面に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0035】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0036】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0037】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。
【0038】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0039】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0040】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0041】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0042】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0043】
無線通信装置12は、無線通信に対応した機器と無線による通信を行う。例えば、Bluetooth等による通信を携帯電話等との間で実施し、携帯電話を介した通話を実現する。
【0044】
図5は、RAM22に格納される全開全閉特定テーブル500の構成例を示す図である。全開全閉特定テーブル500は、パネル動作制御機構206の位置センサ207からの出力に応じて、可動パネル200のティルト状態が、完全に閉まっている状態であるか、完全に開いている状態であるか、中間位置(ティルト位置)のいずれの状態にあるかを特定する情報を格納する。具体的には、全開全閉特定テーブル500は、ティルト位置検出センサ出力501と、全開全閉検出用センサ出力502と、の各センサ出力の各行に、各センサからの出力値が格納されており、各センサの出力値の組み合わせに応じて全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513の列のいずれかが特定される構成である。
【0045】
図6は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、音声入力受付部104と、パネル動作制御部105と、音質最適化部106と、を有する。
【0046】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地と車両の正面が向いている方向である車両方位を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、現在地またはユーザから指示された出発地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、基本制御部101は、無線通信装置12を用いて、図示しない携帯電話機等と通信し、携帯電話網を介して当該携帯電話網に接続している他の装置と通信を行う。
【0047】
入力受付部102は、入力装置5を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その入力内容を基本制御部101へ送信する。
【0048】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0049】
音声入力受付部104は、マイクロフォン41を介して使用者からの音声入力を受け付ける。具体的には、音声入力受付部104は、マイクロフォン41により集音した音声情報について、ゲインを調整し、エコーキャンセルおよびノイズキャンセル等の処理を行う。そして、音声情報について音素解析等を行って音声認識処理を実施し、入力情報を一定の品質以上で特定できる場合には、基本制御部101へ出力する。
【0050】
パネル動作制御部105は、可動パネル200の動作を制御する。具体的には、パネル動作制御部105は、駆動部205の駆動力、駆動方向を制御して、可動パネル200のティルト位置を変更する。
【0051】
音質最適化部106は、音声入力受付部104から得られた音声情報の品質が良い位置を特定し、マイクロフォン41の集音範囲を当該位置に設定する。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に指示して可動パネル200をティルト動作させ、音声入力受付部104が得る音声情報の品質が最良となる、例えば音圧が最大となる位置へと調整する。
【0052】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、音声入力受付部104、パネル動作制御部105、音質最適化部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、ROM23には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0053】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0054】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0055】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図7は、音質最適化処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、無線通信装置12を介して携帯電話等による通話が開始されたこと等により、開始される。
【0056】
まず、パネル動作制御部105は、可動パネル位置を記憶する(ステップS001)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を記憶するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報をRAM22の所定の領域に格納する。
【0057】
次に、音声入力受付部104は、入力音を取得する(ステップS002)。具体的には、音声入力受付部104は、マイクロフォン41で集音した情報に対しエコー/ノイズキャンセル回路201が所定のキャンセル処理を行った結果得られた入力音の情報を取得する。
【0058】
そして、音質最適化部106は、音質最適化機能が有効であるか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、音質最適化部106は、あらかじめナビゲーション装置100に設定された音質最適化機能を有効にするか否かに関する設定情報を取得し、当該情報が有効とするものであれば有効と判定し、そうでない場合には有効でないと判定する。有効でないと判定した場合、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0059】
音質最適化機能が有効であると判定した場合(ステップS003にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、取得した入力音は閾値以上のレベルを有する人声であるか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、音質最適化部106は、所定の音圧以上かつ所定の周波数帯(例えば、200〜4000Hz)の音の情報を有するか否かを判定する。取得した入力音が閾値以上のレベルを有する人声でない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0060】
取得した入力音が閾値以上のレベルを有する人声である場合(ステップS004にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS005)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、1000Hz以上4000Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL(デシベルHL))未満であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値未満ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0061】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値未満である場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置が全閉位置であるか否かを判定する(ステップS006)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。
【0062】
可動パネルの位置が全閉位置の場合(ステップS006にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量開いてティルトさせる(ステップS007)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ開くよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を開く方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向へ押し出され、可動パネル200が所定量だけティルトされる。なお、可動パネル200がティルトすることで、可動パネル200に搭載されたマイクロフォン41の集音範囲もあわせて変位することとなる。
【0063】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御を後述するステップS012に進める。
【0064】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS008にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置を固定する(ステップS009)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置の移動を停止するよう指示し、パネル動作制御部105は、駆動部205を停止状態とする。
【0065】
そして、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS010)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0066】
通話が終了した場合(ステップS010にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200の位置を復帰させる(ステップS011)。具体的には、音質最適化部106は、ステップS001にて記憶した位置へ、可動パネル200のティルト位置を復帰させるようパネル動作制御部105へ指示する。指示を受けたパネル動作制御部105は、RAM22の所定の領域に格納されたティルト位置の情報を読み出し、駆動部205を駆動させてパネル動作制御機構206を動作させ、当該位置へ復帰させる。そして、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0067】
上述したステップS008において、入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合(ステップS008にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200は全開位置であるか否かを判定する(ステップS012)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。全開位置513ではない場合には、音質最適化部106は、ステップS007に処理を戻す。
【0068】
可動パネル200が全開位置である場合(ステップS012にて「Yes」の場合)、または可動パネル200が全閉位置でない場合(ステップS006にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量閉じる(ステップS013)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ閉じるよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を閉じる方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向と逆方向へ引き入れられ、可動パネル200が所定量だけ立ち上がる。なお、可動パネル200が立ち上がることで、可動パネル200に搭載されたマイクロフォン41の集音範囲もあわせて変位することとなる。
【0069】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS014)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS006に戻す。
【0070】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS014にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、制御をステップS009へと進める。
【0071】
以上が、音質最適化処理の処理フローである。音質最適化処理によれば、可動パネル200の向きを制御する、つまり集音手段が集音する範囲を変更することで、音質が所定以上となる向きを特定し、集音することが可能となる。すなわち、より簡易な方法で、集音性能を活用することができるといえる。なお、上記の音質最適化処理においては、入力音の高域レベルの音圧が所定の閾値以上となる位置にティルトさせて可動パネル200を固定することとしたが、入力音の高域レベルの音圧が最大となる位置にティルトさせるようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0073】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、より簡易な方法で、集音性能を活用することができるといえる。
【0074】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の音質最適化処理においては、ティルト位置の変位により音質の最適化処理を行っているが、これに限られず、パン位置、すなわち水平位置の変位により音質の最適化処理を行うようにしてもよい。このように変形すると、左右方向への首ふりによる音質最適化処理を実施することができるようになり、例えば話者が助手席搭乗者等の場合であっても適切に集音できるようになる。もちろん、これらを組み合わせて、ティルト位置の変位と、パン位置の変位、すなわち左右上下方向の変位によって音質を最適化するものとしてもよい。
【0075】
また、上記第一の実施形態においては、可動パネル200にマイクロフォン41が搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、マイクロフォン41が、可動パネル200に搭載されているのではなく、インナーエスカッション310に搭載されている場合であってもよい。このようにすることで、より安価にマイクを内蔵することができるようになる。
【0076】
図8〜図11を用いて、このような第二の実施形態について説明する。第二の実施形態についても、基本的には第一の実施形態と同様の構成を備えるため、以下においては、相違点を中心に説明する。
【0077】
図8は、第二の実施形態にかかる音声入力に関連する機器の構成を示す図である。基本的には、図2に示した構成と同様の構成を備えるが、マイクロフォン41が可動パネル200ではなくインナーエスカッション310に取り付けられている点において相違する。これは、可動パネル200のティルト動作によっては、マイクロフォン41はその位置が変化しないという特性を有するものであるといえる。ただし、図9(a)、図9(b)、図10に示すように、マイクロフォン304´は、インナーエスカッション310の所定の位置、例えば中央上部のインナーエスカッション310の内側部分に取り付けられるため、可動パネル200がティルトしていない全閉の状態にある場合には、可動パネル200によって集音範囲を制限されうる位置に搭載されることとなる。
【0078】
つまり、図9(b)に示すように、可動パネル200がティルトしている状態にあっては、ティルトの度合いによってはマイクロフォン304´の集音部が外部へ露出するため、可動パネル200のティルト状態に応じて集音性能が大きく変化するといえる。また、可動パネル200を介して反射した音声を拾うことがありうるため、集音性能はより一層大きく変化しうる。
【0079】
このような構成および配置を有する第二の実施形態における音質最適化処理についての処理フローを、図11に示す。第二の実施形態における音質最適化処理については、第一の実施形態における音質最適化処理と基本的に同様の処理であるため、相違点を中心に説明する。なお、このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、無線通信装置12を介して携帯電話等による通話が開始されたこと等により、開始される。
【0080】
ステップS001〜ステップS005については、第一の実施形態における音質最適化処理と同様の処理である。
【0081】
入力音の高域レベルの音圧が閾値未満である場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200は全開位置であるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。
【0082】
可動パネル200は全開位置である場合(ステップS106にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、ステップS107の判定を再度実施する。
【0083】
通話が終了した場合(ステップS107にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200の位置を復帰させる(ステップS108)。具体的には、音質最適化部106は、ステップS001にて記憶した位置へ、可動パネル200のティルト位置を復帰させるようパネル動作制御部105へ指示する。指示を受けたパネル動作制御部105は、RAM22の所定の領域に格納されたティルト位置の情報を読み出し、駆動部205を駆動させてパネル動作制御機構206を動作させ、当該位置へ復帰させる。そして、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0084】
可動パネル200は全開位置でない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量開いてティルトさせる(ステップS109)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ開くよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を開く方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向へ押し出され、可動パネル200が所定量だけティルトされる。なお、可動パネル200がティルトすることで、可動パネル200の位置が変位し、マイクロフォン41の集音効率が変化しうる。
【0085】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS106に戻す。
【0086】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS110にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置を固定する(ステップS111)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置の移動を停止するよう指示し、パネル動作制御部105は、駆動部205を停止状態とする。
【0087】
そして、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS112)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0088】
通話が終了した場合(ステップS112にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、ステップS108へ制御を進める。
【0089】
以上が、第二の実施形態における音質最適化処理の処理フローである。第二の実施形態における音質最適化処理によると、マイクロフォン41がインナーエスカッション310に固定的に取り付けられている場合であっても、可動パネル200を変位させることで、集音効率を変化させることができるため、音質を向上させることが可能となる。
【0090】
なお、上記した第一の実施形態およびその変形として記載されたそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつか、および第二の実施形態を組み合わせて、より容易かつ高性能な集音性能を有するナビゲーション装置100としてもよい。
【0091】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明した。
【0092】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・無線通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・音声入力受付部、105・・・パネル動作制御部、106・・・音質最適化部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載装置では、外部接続マイクを用いて集音し、携帯電話等による通話や音声による操作の受付に関する技術が用いられている。特許文献1には、このような車載装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−260488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車載装置では、車載装置を車両に設置する際に、外部接続マイクを車両の構造やシート形状等に整合させて取り付ける必要があり、取り付けの作業が複雑であった。これを解決するために、ディスプレイ部にマイクが内蔵された車載装置が考えられるが、マイクが設置される車両の形状や構造によっては、マイクの集音性能をうまく活用できない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、より簡易な方法で、集音性能を活用する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係る車載装置は、所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の集音方法は、車載装置の集音方法であって、前記車載装置は、所定の範囲を集音する集音手段と、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備え、前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにて前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】音声入力にかかるハードウェア構成図である。
【図3】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図4】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図5】全開全閉特定テーブルの構成を示す図である。
【図6】演算処理部の機能構成図である。
【図7】音質最適化処理のフロー図である。
【図8】第二の実施形態における音声入力にかかるハードウェア構成図である。
【図9】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図10】ナビゲーション装置のマイクの設置位置を説明する構成図である。
【図11】第二の実施形態における音質最適化処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を行う無線通信装置12と、を備えている。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0012】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、現在地あるいはユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、演算処理部1は、無線通信装置12を用いて、図示しない携帯電話機等と通信し、携帯電話網を介して当該携帯電話網に接続している他の装置と通信を行うことができる。
【0013】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ等が記憶されている。
【0017】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。つまり、マイクロフォン41は、所定の範囲を集音する集音手段として機能するといえる。また、マイクロフォン41は、ナビゲーション装置100の所定の部位に配されている。
【0018】
図2は、音声入力に関連する機器の構成を示す図である。図5に示すように、第一の実施形態においては、マイクロフォン41は、ディスプレイ2が取り付けられる可動パネル200に設けられている。そのため、マイクロフォン41は、当該可動パネル200の位置から、運転席や助手席の搭乗者からの発話を広く取得できる程度に、集音範囲の指向性が強くないマイクロフォンである。また、マイクロフォン41で集音された情報は、エコー/ノイズキャンセル回路201によりエコーキャンセルおよびノイズキャンセルがなされて整えられる。また、エコー/ノイズキャンセル回路201は、CPU21から送信されるエコー/ノイズキャンセル回路201への各種制御用パラメータの設定を反映してエコーキャンセルおよびノイズキャンセルを行う。
【0019】
A/D(Analog/Digital)コンバータ202は、エコー/ノイズキャンセル回路201から出力されるアナログ情報を、デジタル情報に変換して出力する。
【0020】
無線通信モジュール203は、アンテナ204を介して携帯電話等との無線通信を制御する。無線通信モジュール203は、通信の制御に関する情報をCPU21と相互に通信する。また、無線通信モジュール203は、A/Dコンバータ202から出力されたデジタル情報を受け取ると、アンテナ204を介して携帯電話等へ送信する。
【0021】
アンテナ204は、無線通信モジュール203から受け渡された情報を所定の周波数の電磁波で出力し、他の装置である携帯電話等から発せられた電磁波を受信する。
【0022】
駆動部205は、CPU21から駆動命令を受け付けて、パネル動作制御機構206に対して駆動力を与える。例えば、駆動部205は、CPU21により回転を制御されるモーター等のアクチュエータおよび小口径の円形歯車であるピニオンギヤを有し、平板状の棒に歯切りをしたラックに対して回転力を与える。
【0023】
パネル動作制御機構206は、駆動部205から駆動力を得て、可動パネル200を動作させる。具体的には、駆動部205から与えられたピニオンギヤの回転力等の力を、所定の間隔で設けられた突起である歯を有するラックが受けて直線運動力へ変換され、ラックのX方向への直線運動により可動パネル200の下端が図3に示すナビゲーション装置100の前面方向であるX方向へ押し出される機構により、可動パネル200をティルトさせる。
【0024】
パネル動作制御機構206には、位置センサ207が設けられており、位置センサ207は、検知した位置をCPU21へ伝達する。具体的には、位置センサ207は、ラックの移動量を検知して、あらかじめ定められた移動量に基づく可動パネルの開度の情報としてCPU21へ出力する。なお、位置センサ207は、赤外光を発光するダイオードと、当該ダイオードからの光を受光する受光部を備えるフォトインタラプタ等により構成され、ラックに設けられた歯列の位置により変化するダイオードからの光を遮光/受光した結果をCPU21へ出力する。また、位置センサ207は、フォトインタラプタを複数備え、ティルト位置検出のためのティルト位置検出センサと、全開全閉検出のための全開全閉検出用センサと、を含む。ティルト位置センサは、全開位置でHI信号、全閉位置でLO信号を出力するものとする。また、全開全閉検出用センサは、全開位置または全閉位置でHI信号、全開と全閉の間の中間のティルト位置でLO信号を出力するものとする。
【0025】
可動パネル200は、パネル動作制御機構206により動作を制御される可動式のパネル部材である。可動パネル200には、ディスプレイ2およびマイクロフォン41が搭載されている。可動パネル200は、図3(a)および図3(b)に示すように、下端が突出し、上端がインナーエスカッション310との距離を一定に保って上下動することにより、ティルト動作が可能となっている。
【0026】
ここで、図3(a)および図3(b)について説明する。図3(a)および図3(b)は、ナビゲーション装置100の斜視図である。図左下方向がナビゲーション装置100の前面方向にあたり、当該方向をX方向とする。また、図下方向がナビゲーション装置100の下方向にあたり、当該方向をZ方向とする。一般に、車両に搭載されると、車両の前進方向はX方向の逆の方向となる。
【0027】
図3(a)は、ナビゲーション装置100の可動パネルが全閉である状態を示し、図3(b)は、ナビゲーション装置100の可動パネルが中間位置まで開いた(ティルトした)状態を示す。なお、図2で示した可動パネル200は、ディスプレイユニット301と、ディスプレイユニット301の外周を縁取るように設けられたエスカッション302と、エスカッション302内に設けられたマイクロフォン304と、を含む。また、エスカッション302は、ヒンジにより回転可能に取り付けられた支持部320により支持されており、支持部320はパネル動作制御機構206に含まれるラックの先端部を構成する。
【0028】
ナビゲーション装置100は、エスカッション302のさらに周囲を装飾して意匠を構成する化粧板303を有する。エスカッション302および化粧板303は、樹脂等により構成されている。しかし、これに限られず、アルミ等の金属やマグネシウム、カーボン等の素材で構成されていてもよい。
【0029】
また、エスカッション302が全閉状態の場合にはまり込む凹みを構成するインナーエスカッション310についても、樹脂等により構成される。当該インナーエスカッション310は、可動ディスプレイがティルトした状態でナビゲーション装置前面に露出する。
【0030】
マイクロフォン304は、エスカッション302の下側枠内部の空間に配置され、可動ディスプレイが全閉している状態においては、X方向を中心とした集音範囲を持つよう配置される。したがって、可動ディスプレイのティルト動作に伴い、集音範囲も変化することとなる。
【0031】
図4は、ナビゲーション装置100の筐体300と、化粧板303と、可動パネル200とを、取り外した場合のナビゲーション装置100の外観の斜視分解図である。可動パネル200は、化粧板303を貫通する右側支持部320Rと左側支持部320Lとにより支持される。化粧板303は、インナーエスカッション310に固定的に取り付けられる。
【0032】
図1の説明に戻る。スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。スピーカ42は、車両の所定の位置あるいはディスプレイ2が取り付けられている可動パネル200等に搭載されている。なお、ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0033】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0034】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側すなわち可動パネル200のディスプレイユニット301の表面に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0035】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0036】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0037】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。
【0038】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0039】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0040】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0041】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0042】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0043】
無線通信装置12は、無線通信に対応した機器と無線による通信を行う。例えば、Bluetooth等による通信を携帯電話等との間で実施し、携帯電話を介した通話を実現する。
【0044】
図5は、RAM22に格納される全開全閉特定テーブル500の構成例を示す図である。全開全閉特定テーブル500は、パネル動作制御機構206の位置センサ207からの出力に応じて、可動パネル200のティルト状態が、完全に閉まっている状態であるか、完全に開いている状態であるか、中間位置(ティルト位置)のいずれの状態にあるかを特定する情報を格納する。具体的には、全開全閉特定テーブル500は、ティルト位置検出センサ出力501と、全開全閉検出用センサ出力502と、の各センサ出力の各行に、各センサからの出力値が格納されており、各センサの出力値の組み合わせに応じて全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513の列のいずれかが特定される構成である。
【0045】
図6は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、音声入力受付部104と、パネル動作制御部105と、音質最適化部106と、を有する。
【0046】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地と車両の正面が向いている方向である車両方位を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、現在地またはユーザから指示された出発地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、基本制御部101は、無線通信装置12を用いて、図示しない携帯電話機等と通信し、携帯電話網を介して当該携帯電話網に接続している他の装置と通信を行う。
【0047】
入力受付部102は、入力装置5を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その入力内容を基本制御部101へ送信する。
【0048】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0049】
音声入力受付部104は、マイクロフォン41を介して使用者からの音声入力を受け付ける。具体的には、音声入力受付部104は、マイクロフォン41により集音した音声情報について、ゲインを調整し、エコーキャンセルおよびノイズキャンセル等の処理を行う。そして、音声情報について音素解析等を行って音声認識処理を実施し、入力情報を一定の品質以上で特定できる場合には、基本制御部101へ出力する。
【0050】
パネル動作制御部105は、可動パネル200の動作を制御する。具体的には、パネル動作制御部105は、駆動部205の駆動力、駆動方向を制御して、可動パネル200のティルト位置を変更する。
【0051】
音質最適化部106は、音声入力受付部104から得られた音声情報の品質が良い位置を特定し、マイクロフォン41の集音範囲を当該位置に設定する。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に指示して可動パネル200をティルト動作させ、音声入力受付部104が得る音声情報の品質が最良となる、例えば音圧が最大となる位置へと調整する。
【0052】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、音声入力受付部104、パネル動作制御部105、音質最適化部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、ROM23には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0053】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0054】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0055】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図7は、音質最適化処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、無線通信装置12を介して携帯電話等による通話が開始されたこと等により、開始される。
【0056】
まず、パネル動作制御部105は、可動パネル位置を記憶する(ステップS001)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を記憶するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報をRAM22の所定の領域に格納する。
【0057】
次に、音声入力受付部104は、入力音を取得する(ステップS002)。具体的には、音声入力受付部104は、マイクロフォン41で集音した情報に対しエコー/ノイズキャンセル回路201が所定のキャンセル処理を行った結果得られた入力音の情報を取得する。
【0058】
そして、音質最適化部106は、音質最適化機能が有効であるか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、音質最適化部106は、あらかじめナビゲーション装置100に設定された音質最適化機能を有効にするか否かに関する設定情報を取得し、当該情報が有効とするものであれば有効と判定し、そうでない場合には有効でないと判定する。有効でないと判定した場合、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0059】
音質最適化機能が有効であると判定した場合(ステップS003にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、取得した入力音は閾値以上のレベルを有する人声であるか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、音質最適化部106は、所定の音圧以上かつ所定の周波数帯(例えば、200〜4000Hz)の音の情報を有するか否かを判定する。取得した入力音が閾値以上のレベルを有する人声でない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0060】
取得した入力音が閾値以上のレベルを有する人声である場合(ステップS004にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS005)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、1000Hz以上4000Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL(デシベルHL))未満であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値未満ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0061】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値未満である場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置が全閉位置であるか否かを判定する(ステップS006)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。
【0062】
可動パネルの位置が全閉位置の場合(ステップS006にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量開いてティルトさせる(ステップS007)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ開くよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を開く方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向へ押し出され、可動パネル200が所定量だけティルトされる。なお、可動パネル200がティルトすることで、可動パネル200に搭載されたマイクロフォン41の集音範囲もあわせて変位することとなる。
【0063】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御を後述するステップS012に進める。
【0064】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS008にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置を固定する(ステップS009)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置の移動を停止するよう指示し、パネル動作制御部105は、駆動部205を停止状態とする。
【0065】
そして、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS010)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0066】
通話が終了した場合(ステップS010にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200の位置を復帰させる(ステップS011)。具体的には、音質最適化部106は、ステップS001にて記憶した位置へ、可動パネル200のティルト位置を復帰させるようパネル動作制御部105へ指示する。指示を受けたパネル動作制御部105は、RAM22の所定の領域に格納されたティルト位置の情報を読み出し、駆動部205を駆動させてパネル動作制御機構206を動作させ、当該位置へ復帰させる。そして、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0067】
上述したステップS008において、入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合(ステップS008にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200は全開位置であるか否かを判定する(ステップS012)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。全開位置513ではない場合には、音質最適化部106は、ステップS007に処理を戻す。
【0068】
可動パネル200が全開位置である場合(ステップS012にて「Yes」の場合)、または可動パネル200が全閉位置でない場合(ステップS006にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量閉じる(ステップS013)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ閉じるよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を閉じる方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向と逆方向へ引き入れられ、可動パネル200が所定量だけ立ち上がる。なお、可動パネル200が立ち上がることで、可動パネル200に搭載されたマイクロフォン41の集音範囲もあわせて変位することとなる。
【0069】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS014)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS006に戻す。
【0070】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS014にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、制御をステップS009へと進める。
【0071】
以上が、音質最適化処理の処理フローである。音質最適化処理によれば、可動パネル200の向きを制御する、つまり集音手段が集音する範囲を変更することで、音質が所定以上となる向きを特定し、集音することが可能となる。すなわち、より簡易な方法で、集音性能を活用することができるといえる。なお、上記の音質最適化処理においては、入力音の高域レベルの音圧が所定の閾値以上となる位置にティルトさせて可動パネル200を固定することとしたが、入力音の高域レベルの音圧が最大となる位置にティルトさせるようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0073】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、より簡易な方法で、集音性能を活用することができるといえる。
【0074】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の音質最適化処理においては、ティルト位置の変位により音質の最適化処理を行っているが、これに限られず、パン位置、すなわち水平位置の変位により音質の最適化処理を行うようにしてもよい。このように変形すると、左右方向への首ふりによる音質最適化処理を実施することができるようになり、例えば話者が助手席搭乗者等の場合であっても適切に集音できるようになる。もちろん、これらを組み合わせて、ティルト位置の変位と、パン位置の変位、すなわち左右上下方向の変位によって音質を最適化するものとしてもよい。
【0075】
また、上記第一の実施形態においては、可動パネル200にマイクロフォン41が搭載されている場合を想定しているが、これに限られない。すなわち、マイクロフォン41が、可動パネル200に搭載されているのではなく、インナーエスカッション310に搭載されている場合であってもよい。このようにすることで、より安価にマイクを内蔵することができるようになる。
【0076】
図8〜図11を用いて、このような第二の実施形態について説明する。第二の実施形態についても、基本的には第一の実施形態と同様の構成を備えるため、以下においては、相違点を中心に説明する。
【0077】
図8は、第二の実施形態にかかる音声入力に関連する機器の構成を示す図である。基本的には、図2に示した構成と同様の構成を備えるが、マイクロフォン41が可動パネル200ではなくインナーエスカッション310に取り付けられている点において相違する。これは、可動パネル200のティルト動作によっては、マイクロフォン41はその位置が変化しないという特性を有するものであるといえる。ただし、図9(a)、図9(b)、図10に示すように、マイクロフォン304´は、インナーエスカッション310の所定の位置、例えば中央上部のインナーエスカッション310の内側部分に取り付けられるため、可動パネル200がティルトしていない全閉の状態にある場合には、可動パネル200によって集音範囲を制限されうる位置に搭載されることとなる。
【0078】
つまり、図9(b)に示すように、可動パネル200がティルトしている状態にあっては、ティルトの度合いによってはマイクロフォン304´の集音部が外部へ露出するため、可動パネル200のティルト状態に応じて集音性能が大きく変化するといえる。また、可動パネル200を介して反射した音声を拾うことがありうるため、集音性能はより一層大きく変化しうる。
【0079】
このような構成および配置を有する第二の実施形態における音質最適化処理についての処理フローを、図11に示す。第二の実施形態における音質最適化処理については、第一の実施形態における音質最適化処理と基本的に同様の処理であるため、相違点を中心に説明する。なお、このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、無線通信装置12を介して携帯電話等による通話が開始されたこと等により、開始される。
【0080】
ステップS001〜ステップS005については、第一の実施形態における音質最適化処理と同様の処理である。
【0081】
入力音の高域レベルの音圧が閾値未満である場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200は全開位置であるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置を取得するよう指示し、パネル動作制御部105は、位置センサ207により取得したティルト位置の情報を音質最適化部106に受け渡す。音質最適化部106は、ティルト位置の情報、すなわちティルト位置検出センサ出力の情報と、全開全閉検出用センサ出力の情報とを受け取り、全開全閉特定テーブル500を参照して、該当するティルト位置(全閉位置511、ティルト位置512、全開位置513のいずれか)を特定する。つまり、音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「LO」の場合、ティルト位置512であると特定する。音質最適化部106は、全開全閉検出用センサ出力が「HI」の場合には、ティルト位置検出センサ出力が「LO」であれば全閉位置511であると特定し、ティルト位置検出センサ出力が「HI」であれば全開位置513であると特定する。
【0082】
可動パネル200は全開位置である場合(ステップS106にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、ステップS107の判定を再度実施する。
【0083】
通話が終了した場合(ステップS107にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200の位置を復帰させる(ステップS108)。具体的には、音質最適化部106は、ステップS001にて記憶した位置へ、可動パネル200のティルト位置を復帰させるようパネル動作制御部105へ指示する。指示を受けたパネル動作制御部105は、RAM22の所定の領域に格納されたティルト位置の情報を読み出し、駆動部205を駆動させてパネル動作制御機構206を動作させ、当該位置へ復帰させる。そして、音質最適化部106は、音質最適化処理を終了させる。
【0084】
可動パネル200は全開位置でない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネル200を所定量開いてティルトさせる(ステップS109)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200を所定量だけ開くよう指示を行う。指示を受けたパネル動作制御部105は、あらかじめ定められた移動量で可動パネル200を開く方向へ駆動部205に駆動力を発生させる。その結果、駆動部205がパネル動作制御機構206に対して回転力を与え、可動パネル200の下端がX方向へ押し出され、可動パネル200が所定量だけティルトされる。なお、可動パネル200がティルトすることで、可動パネル200の位置が変位し、マイクロフォン41の集音効率が変化しうる。
【0085】
そして、音質最適化部106は、入力音の高域レベルの音圧は閾値以上であるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、音質最適化部106は、入力音の所定の周波数帯(例えば、千Hz以上四千Hz以下の範囲に属する音波)である高域の音圧が、閾値(例えば、40dBHL)以上であるか否かを判定する。取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上ではない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS106に戻す。
【0086】
取得した入力音の高域レベルの音圧が閾値以上である場合(ステップS110にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、可動パネルの位置を固定する(ステップS111)。具体的には、音質最適化部106は、パネル動作制御部105に対して、可動パネル200のティルト位置の移動を停止するよう指示し、パネル動作制御部105は、駆動部205を停止状態とする。
【0087】
そして、音質最適化部106は、通話が終了したか否かを判定する(ステップS112)。具体的には、音質最適化部106は、基本制御部101から、通話が終了した旨の情報を受け取ったか否かにより、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していない場合には、音質最適化部106は、制御をステップS004に戻す。
【0088】
通話が終了した場合(ステップS112にて「Yes」の場合)には、音質最適化部106は、ステップS108へ制御を進める。
【0089】
以上が、第二の実施形態における音質最適化処理の処理フローである。第二の実施形態における音質最適化処理によると、マイクロフォン41がインナーエスカッション310に固定的に取り付けられている場合であっても、可動パネル200を変位させることで、集音効率を変化させることができるため、音質を向上させることが可能となる。
【0090】
なお、上記した第一の実施形態およびその変形として記載されたそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつか、および第二の実施形態を組み合わせて、より容易かつ高性能な集音性能を有するナビゲーション装置100としてもよい。
【0091】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明した。
【0092】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・無線通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・音声入力受付部、105・・・パネル動作制御部、106・・・音質最適化部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の範囲を集音する集音手段と、
前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記判定手段は、前記集音手段により集めた音声の情報について、所定の周波数帯域の音圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルに搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更手段は、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルにより集音範囲の一部が制限される位置に搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更手段は、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、
前記可動パネルが前記車載装置に収納するためのインナーエスカッションが設けられた面に配置される、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項6】
車載装置の集音方法であって、
前記車載装置は、
所定の範囲を集音する集音手段と、
前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備え、
前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更ステップと、
を実施することを特徴とする集音方法。
【請求項7】
請求項6に記載の集音方法であって、
前記判定ステップでは、前記集音手段により集めた音声の情報について、所定の周波数帯域の音圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルに搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更ステップでは、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルにより集音範囲の一部が制限される位置に搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更ステップでは、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項10】
請求項9に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、
前記可動パネルが前記車載装置に収納するためのインナーエスカッションが設けられた面に配置される、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項1】
所定の範囲を集音する集音手段と、
前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記判定手段は、前記集音手段により集めた音声の情報について、所定の周波数帯域の音圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルに搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更手段は、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルにより集音範囲の一部が制限される位置に搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更手段は、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載装置であって、
前記集音手段は、
前記可動パネルが前記車載装置に収納するためのインナーエスカッションが設けられた面に配置される、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項6】
車載装置の集音方法であって、
前記車載装置は、
所定の範囲を集音する集音手段と、
前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更手段と、を備え、
前記集音手段により集めた音声の情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記所定の条件を満たさないと判定した場合に、前記集音手段が集音する範囲を変更する集音特性変更ステップと、
を実施することを特徴とする集音方法。
【請求項7】
請求項6に記載の集音方法であって、
前記判定ステップでは、前記集音手段により集めた音声の情報について、所定の周波数帯域の音圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルに搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更ステップでは、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、当該車載装置の前面に設けられて所定の駆動部から与えられた駆動力により所定の角度に傾けるティルト動作を行うことが可能な可動パネルにより集音範囲の一部が制限される位置に搭載されたマイクロフォンであり、
前記集音特性変更ステップでは、
前記可動パネルをティルト動作させて前記集音手段が集音する範囲を変更する、
ことを特徴とする集音方法。
【請求項10】
請求項9に記載の集音方法であって、
前記集音手段は、
前記可動パネルが前記車載装置に収納するためのインナーエスカッションが設けられた面に配置される、
ことを特徴とする集音方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−19807(P2013−19807A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154199(P2011−154199)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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