説明

車載装置と携帯情報端末が連携するシステム

【課題】 安全に車両が走行可能な、車載装置と携帯情報端末が連携するシステムを提供する。
【解決手段】 車載装置200と携帯情報端末100が連携するシステム300は、携帯情報端末100が有する複数のアプリケーションのうちの登録される少なくとも1つの登録アプリケーション221,222,223,224,225,231,232,233,234の使用を制限するデータ制御部310と、車載装置200を有する車両の状況に応じて少なくとも1つの登録アプリケーションが使用可能な場合(例えば車両が停車中である場合)、使用可能な登録アプリケーションの表示(例えば画面230等)を車載装置200の表示部210に出力するデータ出力部320と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置と携帯情報端末が連携するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1の図4は、車載装置と携帯情報端末が連携するシステムとして、車載装置2及び携帯端末3を備える情報提供システム4を開示している。また、特許文献1の段落[0007]の記載によれば、携帯端末3で、携帯端末3で取得されるコンテンツを予め特定された表示態様に変換し、車載装置2は、変換されたコンテンツを表示することで、車載装置2は、携帯端末3と同様のブラウザを搭載する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−250376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の携帯端末3等の携帯情報端末は、様々なアプリケーションを有することが可能であり、アプリケーションの種類によっては、走行中の操作が好ましくない。
【0005】
本発明の1つの目的は、安全に車両が走行可能な、車載装置と携帯情報端末が連携するシステムを提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0007】
本発明に従う第1の態様は、車載装置と携帯情報端末が連携するシステムであって、
前記携帯情報端末が有する複数のアプリケーションのうちの登録される少なくとも1つの登録アプリケーションの使用を制限するデータ制御部と、
前記車載装置を有する車両の状況に応じて前記少なくとも1つの登録アプリケーションが使用可能な場合、使用可能な登録アプリケーションの表示を前記車載装置の表示部に出力するデータ出力部と、
を備えることを特徴とするシステムに関係する。
【0008】
データ制御部が登録アプリケーションの使用を制限することができるので、車両の状況に応じて登録アプリケーションを使用可能にさせることができる。データ出力部は、使用可能な登録アプリケーションの表示を車載装置の表示部に出力するので、使用不可能な登録アプリケーションの表示が運転手に向けられることが抑制される。従って、運転手は、車両の運転に専念することができ、車両は安全に走行することができる。
【0009】
第1の態様において、システムは、前記車両の状況として、前記車両が走行中又は停車中の何れかであるかを判別する車両走行判別部を
さらに備えてもよく、
前記少なくとも1つの登録アプリケーションは、前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションと、前記車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションと、を有してもよく、
前記データ出力部は、前記車両走行判別部の判別結果に応じて、前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションが表示される画面と、前記車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションが表示される画面と、を自動的に切り替えて前記表示部に出力してもよい。
【0010】
車載装置と携帯情報端末が連携するシステムが車両走行判別部を備えることにより、データ出力部は、各画面を自動的に切り替えることができる。例えば運転手は、各画面を手動的に切り替える必要がないので、車両走行判別部を備えるシステムは、運転手の操作負担を軽減することができる。或いは、運転手は、車両の運転に更に専念することができ、車両はより一層安全に走行することができる。
【0011】
第1の態様において、前記車両走行判別部は、前記車両のパーキングブレーキからの情報を利用して、前記車両の状況を判別してもよい。
【0012】
車両走行判別部がパーキングブレーキからの情報を利用することで、車両が走行中であることを明確に判別することができる。
【0013】
第1の態様において、前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションは、前記車両の運転手の音声操作コマンドを認識するアプリケーションであってもよい。
【0014】
運転手は音声で、車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションを操作することができるので、運転手の操作負担が軽減される。或いは、運転手は、車両の運転により一層専念することができ、車両はより一層安全に走行することができる。
【0015】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従うシステムの概略構成例を示す。
【図2】本発明に従うシステムの概略機能ブロック図の1例を示す。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、それぞれ、車両が走行中である時及び車両が停車中である時に使用可能なアプリケーションの表示例を示す。
【図4】例えば図1の携帯情報端末のハードウェア構成例を示す。
【図5】本発明に従うシステムの概略機能ブロック図の追加例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0018】
図1は、本発明に従うシステムの概略構成例を示す。図1の例において、システム300は、携帯情報端末100及び車載装置200を備え、システム300において、車載装置200と携帯情報端末100が連携している。具体的には、例えば携帯情報端末100が制御部又はマスターとして機能し、車載装置200が外部モニタ又はスレーブとして機能し、車載装置200の表示部210は、携帯情報端末100が有するアプリケーションの実行によって制御される。図1の例において、車載装置200の表示部210に表示される画像は、例えば、携帯情報端末100の表示部110に表示される画像を表し、表示部210の大きさ又は画素数が表示部110の大きさ又は画素数よりも大きい場合、携帯情報端末100の表示部110に表示される画像は、表示部210側で拡大される。
【0019】
図1の例において、携帯情報端末100は、車載装置200と連携可能な携帯電話端末(例えば、いわゆるスマートフォン)であり、携帯情報端末100又は携帯電話端末は、例えば基地局50を介して携帯電話網(及びインターネット)に接続することができる。なお、携帯情報端末100は、携帯電話網に接続できなくてもよく、例えば、携帯型のタブレットパソコン、携帯型のPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯型のコンピュータでもよい。例えばモニタ装置、オーディオ装置、ナビゲーション装置等の車載装置200は、図示せぬ自動車等の車両に搭載され、表示部210を有している。車載装置200と携帯情報端末100が連携することで、車載装置200の表示部210は、携帯情報端末100の外部モニタとして機能する。
【0020】
図2は、本発明に従うシステム300の概略機能ブロック図の1例を示す。図2の例において、システム300は、データ制御部310及びデータ出力部320を備え、車両走行判別部330をさらに備えることができる。なお、システム300は、図示されない構成を備えて他の様々な機能を実現してもよい。
【0021】
図1の携帯情報端末100が例えばアンドロイドOS等のOS上で動作する複数のアプリケーションを有する場合、図2のデータ制御部310は、複数のアプリケーションのうちの幾つかのアプリケーションの使用を制限することができる。具体的には、車両の状況(例えば、車両が走行中であること)に応じて、複数のアプリケーションを分類して登録することができる。より具体的には、データ制御部310は、複数のアプリケーションの各々が所定の推奨アプリケーションに該当するか否かを判別することができ、所定の推奨アプリケーションに該当するアプリケーション(第1の群に属するアプリケーション)のみ、例えば車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションとして登録することができる。所定の推奨アプリケーションに該当しないアプリケーション(第2の群に属するアプリケーション)は、例えば車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションとして登録することができる。
【0022】
例えば車両が実際に走行中である場合(第1の場合)、図2のデータ出力部320は、第1の群に属するアプリケーションの表示を図1の車載装置200の表示部210に出力することができる。同時に、データ出力部320は、第2の群に属するアプリケーションの表示を第1の場合に車載装置200の表示部210に出力しない。
【0023】
データ制御部320が第2の群に属するアプリケーションの使用を第1の場合に制限することができるので、第1の場合以外の例えば車両が実際に停車中である場合(第2の場合)に第2の群に属するアプリケーションを使用可能にさせることができる。データ出力部320は、第1の群に属するアプリケーションの表示を第1の場合に車載装置200の表示部210に出力するので、第2の群に属するアプリケーションの表示が、第1の場合に運転手に向けられることが抑制される。従って、運転手は、車両の運転に専念することができ、車両は安全に走行することができる。一方、データ出力部320は、第2の群に属するアプリケーションの表示を第2の場合に車載装置200の表示部210に出力するので、例えば運転手が車両を運転する必要がない時に、運転手は、第2の群に属するアプリケーションの表示を見ることができる。言い換えれば、車両の安全が確保されている時に、運転手は第2の群に属するアプリケーションを使用することができる。
【0024】
車両走行判別部330は、例えば車両のパーキングブレーキからの情報を利用して、車両の状況として、車両が走行中又は停車中の何れかであるかを判別することができる。より具体的には、パーキングブレーキが作動しているか否かを検知するパーキングブレーキセンサ400からの信号が例えばLowレベルを示す場合に、車両走行判別部330は、車両が走行中であること又は第1の場合を判別するができる。また、パーキングブレーキセンサ400からの信号が例えばHighレベルを示す場合に、車両走行判別部330は、車両が停車中であること又は第2の場合を判別するができる。なお、運転手が例えばパーキングブレーキレバーを手で引き上げ、又は、例えばパーキングブレーキペダルを足で踏み込むことで、パーキングブレーキが作動する。
【0025】
図3(A)は、車両が走行中である時に使用可能なアプリケーションの表示例を示し、図3(B)は、車両が停車中である時に使用可能なアプリケーションの表示例を示す。図3(A)の例において、車載装置200と携帯情報端末100が連携している時に、携帯情報端末100が保有する複数のアプリケーションのうちの連携アプリケーション(又はタブランチャーアプリケーション)が実行され、表示部110及び表示部210が制御されている。携帯情報端末100の表示部110には、例えば走行中利用可能な特定タブであるAタブA(第1のタブ)120、例えば停車中に利用可能な特定タブであるBタブB(第2のタブ)130及び例えば停車中に利用可能な追加的なタブであるCタブ(第3のタブ)140のうちのAタブ120に登録された登録アプリケーション121,122,123,124,125が表示される画面が、示されている。
【0026】
タブランチャーアプリケーションは、表示部110の画面を構成する映像信号を例えばBluetooth(登録商標)のSPP(Serial Port Profile)で車載装置200に送信し、表示部210を外部モニタとして機能させる。表示部110の画面は、拡大されて、表示部210の画面を形成し、表示部210にも、Aタブ220及びBタブ230等のうちのAタブ220に登録された登録アプリケーション221,222,223,224,225が表示される画面が、示されている。
【0027】
表示部110及び/又は表示部210が例えばタッチパネル式であり、車両が実際に走行中である場合、タブランチャーアプリケーションは、運転手がAタブ120又はAタブ220(走行中利用可能な特定タブ)のみを例えば手で選択可能にさせて、図3(A)で示すような登録アプリケーション121,122,123,124,125,221,222,223,224,225のアイコンを表示させることができる。なお、タブランチャーアプリケーションは、例えばBluetooth(登録商標)のHID(Human Interface Device)でタッチパネル式の表示部210(入力部)への操作を受信して、UMI(User Machine Interface) controlを実現することができる。
【0028】
車両が実際に走行中である場合、タブランチャーアプリケーションは、運転手が例えばBタブ130又はBタブ230(停車中に利用可能な特定タブ)を手で選択しても、図3(B)で示すような登録アプリケーション131,132,133,134,231,232,233のアイコンを表示させない。一方、車両が実際に停車中である場合、タブランチャーアプリケーションは、運転手がBタブ130又はBタブ230を例えば手で選択可能にさせて、図3(B)で示すような登録アプリケーション121,122,123,124,125,221,222,223,224,225のアイコンを表示させることができる。例えば車両が実際に停車中である場合、タブランチャーアプリケーションは、Aタブ120、Cタブ140等を含めてすべてのタブを例えば手で選択可能にさせることができる。
【0029】
車両が実際に走行中である場合、タブランチャーアプリケーションは、自動的にAタブ120のみを選択することが好ましい。言い換えれば、車両が実際に停車中であることから車両が実際に走行中であることに変化した場合、タブランチャーアプリケーションは、自動的に例えばBタブ130からAタブ120に切り替えることが好ましい。運転手は、手動的に例えばBタブ130からAタブ120に切り替える必要がないので、車両が走行中又は停車中の何れかであるかを自動的に判別することで、運転手の操作負担を軽減することができる。なお、車両が実際に停車中である場合に既にBタブ130が選択されている場合、タブランチャーアプリケーションは、自動的にAタブ120の選択を継続することができる。
【0030】
タブランチャーアプリケーションは、所定の推奨アプリケーションに該当し、車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーション121,122,123,124,125をAタブ120(走行中利用可能な特定タブ)に登録することができる。図3(A)の例において、登録アプリケーション121,122,123,124,125は、それぞれ、例えば車両を目的地に誘導するナビゲーションアプリケーション、例えば渋滞情報等の交通情報を提示する交通情報アプリケーション、例えば目的地に関する情報を検索する検索アプリケーション、例えば地図情報を提示する地図アプリケーション、例えば携帯電話網に接続可能な電話アプリケーションである。Aタブ120に登録される登録アプリケーションは、表示部210又はAタブ220にも表示される。
【0031】
運転手が例えばナビゲーションアプリケーション121を手で選択すると、選択されたナビゲーションアプリケーション121が起動する。例えば、ナビゲーションアプリケーション121が起動すると、表示部110はナビゲーションアプリケーション121の実行によって直接的に制御され、表示部210はナビゲーションアプリケーション121の実行によって例えばBluetooth(登録商標)のSPP等で間接的に制御される。ナビゲーションアプリケーション121は、例えばBluetooth(登録商標)のHIDで目的地を受信し、例えばBluetooth(登録商標)のA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)でステレオの音声信号を車載装置200又は車載装置200に接続されるスピーカに送信又は出力することができる。
【0032】
運転手が例えば電話アプリケーション125を手で選択すると、選択された電話アプリケーション125が起動する。例えば、電話アプリケーション125が起動すると、表示部110は電話アプリケーション125の実行によって直接的に制御され、表示部210は電話アプリケーション125の実行によって例えばBluetooth(登録商標)のSPP等で間接的に制御される。電話アプリケーション125は、例えばBluetooth(登録商標)のHFP(Hands-Free Profile)で運転手の音声信号を車載装置200又は車載装置200に接続されるマイクから受信又入力し、例えばBluetooth(登録商標)のHFPで相手の音声信号を車載装置200又は車載装置200に接続されるスピーカに送信又は出力することができる。なお、携帯情報端末100は、車載装置200と例えばUSB接続すると、車載装置200又は車載装置200に接続されるバッテリから電力の供給を受けることができる。
【0033】
タブランチャーアプリケーション及び登録アプリケーション121,122,123,124,125は、運転手の音声操作コマンドを認識するアプリケーションであることが好ましい。運転手は音声で、車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーション121,122,123,124,125を操作することができるので、運転手の操作負担が軽減される。また、登録アプリケーション131,132,133,134も、運転手の音声操作コマンドを認識するアプリケーションであることが好ましい。
【0034】
タブランチャーアプリケーションは、所定の推奨アプリケーションに該当せず、車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーション131,132,133,134を例えばBタブ130(停車中に利用可能な特定タブ)に登録することができる。携帯情報端末100は、多くのアプリケーションを保有可能であるので、例えば運転者がBタブ130に登録する登録アプリケーションを選別することができる。場合により、Bタブ130以外のCタブ140等にも、車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションが登録される。図3(B)の例において、登録アプリケーション131,132,133,134は、それぞれ、例えばインターネット上の動画を再生可能な動画アプリケーション、例えばテレビを受信可能なテレビアプリケーション、例えば携帯情報端末100上のプロモーションビデオを再生可能な音楽アプリケーション、例えば携帯情報端末100上の写真をスライドショー形式で再生可能な写真アプリケーションである。例えばBタブ130に登録される登録アプリケーションは、表示部210又はBタブ230にも表示される。
【0035】
運転手が例えばテレビアプリケーション132を手で選択すると、選択されたテレビアプリケーション132が起動する。例えば、テレビアプリケーション132が起動すると、表示部110はテレビアプリケーション132の実行によって直接的に制御され、表示部210はテレビアプリケーション132の実行によって例えばWifi(wireless fidelity)等で間接的に制御される。テレビアプリケーション132は、例えばBluetooth(登録商標)のHIDでチャンネルを受信し、例えばBluetooth(登録商標)のA2DPでステレオの音声信号を車載装置200又は車載装置200に接続されるスピーカに送信又は出力することができる。テレビアプリケーション132の実行中に、電話の呼び出しを受けると、電話アプリケーション125が優先的に実行されてもよく、電話アプリケーション125は、例えばBluetooth(登録商標)のHFPで運転手の電話を可能にすることができる。
【0036】
図4は、例えば図1の携帯情報端末100のハードウェア構成例を示す。図1の車載装置200も、同様のハードウェア構成例を備えることができる。携帯情報端末100は、例えばHDD、フラシュメモリ等の記憶部を有し、記憶部又は携帯情報端末100には、OSアプリケーション及びOSアプリケーション上で実行可能な複数のアプリケーションを記憶することができる。複数のアプリケーションの中には、タブランチャーアプリケーションが含まれ、タブランチャーアプリケーションに登録可能なアプリケーション121,122,123,124,125,131,132,133,134も含まれる。このような各種のアプリケーションは、例えばCPU等の処理部又は携帯情報端末100によって実行することができ、例えばタブランチャーアプリケーションが実行されることで、携帯情報端末100の処理部又はコンピュータを図2のデータ制御部310及びデータ出力部320として機能させることができる。
【0037】
図4の例において、携帯情報端末100は、入力部及び表示部を有し、入力部及び表示部は、例えばタッチパネル式のディスプレイパネルモジュールで構築することができる。携帯情報端末100は、通信部を有し、通信部は、例えば3G通信モジュール、Bluetooth(登録商標)通信モジュール、Wifi通信モジュールで構築することができる。携帯情報端末100は、インターフェースを有し、インターフェースは、例えばUSBインターフェースモジュールで構築することができる。
【0038】
車載装置200は、例えばHDD、フラシュメモリ等の記憶部を有し、記憶部又は車載装置200には、例えばOSアプリケーション及びOSアプリケーション上で実行可能な少なくとも1つのアプリケーションを記憶することができる。記憶部又は車載装置200には、所定の推奨アプリケーションの情報も記憶することができる。少なくとも1つのアプリケーションの中には、携帯情報端末100との連携を認識する連携認識アプリケーションが含まれ、連携認識アプリケーションは、タブランチャーアプリケーションが実行されている場合に携帯情報端末100からの映像信号を受信し、携帯情報端末100との連携を実行する。
【0039】
また、連携認識アプリケーションは、所定の推奨アプリケーションの情報をタブランチャーアプリケーションに送信することができ、所定の推奨アプリケーションの情報を更新することもできる。タブランチャーアプリケーションは、受信した所定の推奨アプリケーションの情報又は携帯情報端末100の記憶部に保存した所定の推奨アプリケーションの情報で、複数のアプリケーションをAタブ120、Bタブ130等に分類して登録することができる。
【0040】
記憶部又は車載装置200には、車両走行判別アプリケーションを記憶することができ、車両走行判別アプリケーションは、パーキングブレーキセンサ400からの信号で、車両が実際に走行中である場合又は車両が実際に停車中である場合を判別し、その判別結果をタブランチャーアプリケーションに送信する。タブランチャーアプリケーションは、受信した判別結果で、Aタブ120、Bタブ130等を選択又は切り替えることができる。このような各種のアプリケーションは、例えばCPU等の処理部又は車載装置200によって実行することができ、例えば車両走行判別アプリケーションが実行されることで、車載装置200の処理部又はコンピュータを図2の車両走行判別部330として機能させることができる。
【0041】
車載装置200は、入力部及び表示部を有し、入力部及び表示部は、例えばタッチパネル式のディスプレイパネルモジュールで構築することができる。車載装置200は、通信部を有し、通信部は、例えばBluetooth(登録商標)通信モジュール、Wifi通信モジュールで構築することができる。車載装置200は、インターフェースを有し、インターフェースは、例えばUSBインターフェースモジュール、スピーカインターフェースモジュール、マイクインターフェースモジュール、パーキングブレーキセンサモジュールで構築することができる。なお、車載装置200は、CAN(controller area network)等の車載ネットワークに接続することができる。
【0042】
なお、タブランチャーアプリケーションが実行されることで、携帯情報端末100の処理部又はコンピュータを図2のデータ制御部310及びデータ出力部320として機能させることができるが、連携認識アプリケーションが実行されることで、車載装置200の処理部又はコンピュータをデータ制御部310の一部及びデータ出力部320の一部として機能させてもよい。車両走行判別アプリケーションが実行されることで、車載装置200の処理部又はコンピュータを図2の車両走行判別部330として機能させることができるが、タブランチャーアプリケーションが実行されることで、携帯情報端末100の処理部又はコンピュータを車両走行判別部330の一部として機能させてもよい。
【0043】
図5は、本発明に従うコンテンツ転送システムの概略機能ブロック図の追加例を示す。図2のシステム300は、例えば図5で示される構成を更に備えてもよい。例えば動画アプリケーション131、テレビアプリケーション132、音楽アプリケーション133、写真アプリケーション134等のコンテンツ再生アプリケーションは、表示部110の画面を構成する映像信号をWifi及びBluetooth(登録商標)のうちの適切な方で車載装置200に送信することができる。動画アプリケーション131等のコンテンツ再生アプリケーション以外のアプリケーションも、同様に、Wifi又はBluetooth(登録商標)を選択して映像信号を送信することができる。
【0044】
図5の例において、システム300は、画像データ読取部340及び転送モード選択部350をさらに備え、データ処理部(第1のデータ処理部)360をさらに備えることができる。加えて、システム300は、転送部370及びデータ処理部(第2のデータ処理部)380をさらに備えることができる。
【0045】
ところで、図1の携帯情報端末100が例えば携帯電話網を介してインターネットに接続し、例えばインターネット上の動画ファイル形式又は静止画ファイル形式のコンテンツデータをダウンロード又はストリーミング再生することができる。
【0046】
図5の画像データ読取部340又はコンテンツデータ読取部は、例えば携帯情報端末100がダウンロード又はストリーミング再生を介して有するコンテンツデータのファイル形式(例えば拡張子)を読み取り、コンテンツデータの種類を判別する。
【0047】
画像データ読取部340又はコンテンツデータ読取部は、追加的に又は代替的に、例えば携帯情報端末100がダウンロード又はストリーミング再生を介して有するコンテンツデータのビットレートを読み取り、コンテンツデータの種類を判別してもよい。即ち、画像データ読取部340又はコンテンツデータ読取部は、コンテンツデータのファイル形式だけを読み取ってコンテンツデータの種類を判別してもよく、コンテンツデータのビットレートだけを読み取ってコンテンツデータの種類を判別してもよく、又はコンテンツデータのファイル形式及びビットレートを読み取ってコンテンツデータの種類を判別してもよい。
【0048】
さらに、画像データ読取部340又はコンテンツデータ読取部は、例えば携帯情報端末100がダウンロード又はストリーミング再生を介して有するコンテンツデータのファイル形式が動画形式である場合に限って、動画形式のコンテンツデータのビットレートを読み取り、コンテンツデータの種類を判別してもよい。
【0049】
図5の転送モード選択部350は、画像データ読取部340又はコンテンツデータ読取部の読み取り結果に応じて、2つの転送モードのうちの何れか一方を選択する。コンテンツデータのファイル形式が静止画ファイル形式である場合、転送モード選択部350は、例えばBluetooth(登録商標)転送モード及びWifi転送モードのうちの周波数ポッピングを利用するBluetooth(登録商標)転送モードを選択する。転送モード選択部350は、周波数ポッピングを利用する転送モードを選択するので、静止画ファイル形式のコンテンツデータを転送速度が劣化したチャネルを排除して、安定したチャネルで転送することができる。一方、コンテンツデータのファイル形式が動画ファイル形式である場合、転送モード選択部350は、上記2つの転送モードのうちのLAN接続を利用するWifi転送モードを選択する。転送モード選択部350は、LAN接続を利用する転送モードを選択するので、動画ファイル形式のコンテンツデータを速く転送することができる。
【0050】
なお、コンテンツデータのファイル形式とは関係なくコンテンツデータのビットレートが所定のビットレート未満である場合、又はコンテンツデータのファイル形式が動画ファイル形式であり、且つ動画ファイル形式のコンテンツデータのビットレートが所定のビットレート未満である場合等、転送モード選択部350は、例えばBluetooth(登録商標)転送モード及びWifi転送モードのうちの周波数ポッピングを利用するBluetooth(登録商標)転送モードを選択してもよい。一方、コンテンツデータのファイル形式とは関係なくコンテンツデータのビットレートが所定のビットレート以上である場合、又はコンテンツデータのファイル形式が動画ファイル形式であり、且つ動画ファイル形式のコンテンツデータのビットレートが所定のビットレート以上である場合等、転送モード選択部350は、例えばBluetooth(登録商標)転送モード及びWifi転送モードのうちのLAN接続を利用するWifi転送モードを選択してもよい。
【0051】
図5の転送部370は、データ処理部360を介さないで画像データ又はコンテンツデータを携帯情報端末100から車載装置200に送信してもよいが、好ましくは、画像データ又はコンテンツデータが送信される前に、データ処理部360で、画像データ又はコンテンツデータが蓄積及び/又は圧縮される。Bluetooth(登録商標)転送モード及びWifi転送モードの何れの転送モードでも、実際の転送速度は、電波の影響によって変動する。従って、画像データ又はコンテンツデータを一定の速度で送信し続けるのではなく、画像データ又はコンテンツデータを一時的に蓄積し、実際の転送速度を考慮しながら画像データ又はコンテンツデータを送信することが好ましい。また、画像データ又はコンテンツデータをそのまま送信するのではなく、画像データ又はコンテンツデータを圧縮し、圧縮された画像データ又はコンテンツデータを送信することが好ましい。画像データ又はコンテンツデータをデータ処理部360で処理することで、効率的に画像データ又はコンテンツデータを転送することができる。
【0052】
画像データ又はコンテンツデータがデータ処理部360で圧縮されている場合、図5のデータ処理部(第2のデータ処理部)380は、画像データ又はコンテンツデータが送信された後に、圧縮された画像データ又はコンテンツデータを解凍することができる。
【0053】
コンテンツデータのファイル形式が、例えば静止画ファイル形式である場合、例えばコンテンツ再生アプリケーションは、表示部110の画面を構成する映像信号を例えばBluetooth(登録商標)のSPPで車載装置200に送信し、表示部210を外部モニタとして機能させる。一方、コンテンツデータのファイル形式が、例えば動画ファイル形式である場合、例えばコンテンツ再生アプリケーションは、動画ファイル形式のコンテンツデータをBluetooth(登録商標)等の遅い転送速度で転送することは困難である。そこで、例えば動画アプリケーション131は、表示部110の画像を構成する映像信号を例えばWifiで車載装置200に送信し、表示部210を外部モニタとして機能させる。なお、動画アプリケーション131及び/又は他のアプリケーション(コンテンツ再生アプリケーション)が所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータを再生する場合、そのコンテンツデータを映像信号として例えばWifiで車載装置200に送信してもよい。
【0054】
また、動画アプリケーション131等のコンテンツ再生アプリケーションが携帯電話網(及びインターネット)を介して動画ファイル形式のコンテンツデータ(及び/又は所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータ)にアクセスしている場合、動画ファイル形式のコンテンツデータ等のこのようなコンテンツデータをダウンロードした後に、そのコンテンツデータを再生可能な状態にすることができる。言い換えれば、例えば動画アプリケーション131等のコンテンツ再生アプリケーションは、動画ファイル形式のコンテンツデータ(及び/又は所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータ)のダウンロードが完了するまで、そのコンテンツデータの再生を延期又は中断する。動画ファイル形式のコンテンツデータ(及び/又は所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータ)のダウンロードが行われている間だけ、例えばタッチパネル式の表示部110及び表示部210(入力部)への操作を無効にし、例えば再生スタートボタンを手で選択しても、動画ファイル形式のコンテンツデータ(及び/又は所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータ)の再生を開始又は再開しない。動画ファイル形式のコンテンツデータ(及び/又は所定のビットレート以上のビットレートを有するコンテンツデータ)のダウンロードが完了して再生する時、例えば動画アプリケーション131等のコンテンツ再生アプリケーションは、表示部110の画面を構成する映像信号を例えばBluetooth(登録商標)のSPPからWifiに切り替えて車載装置200に速く送信し、表示部210を外部モニタとして機能させる。
【0055】
このようなダウンロードの完了後の再生時のBluetooth(登録商標)からWifiへの切り替えは、車載装置200と携帯情報端末100が例えばLAN接続を利用するWifi等で連携する場合、いわゆるテザリング規制によって、携帯情報端末100又は携帯電話端末が携帯電話網との接続を継続することができない時に有効である。言い換えれば、例えば特開2010−199718号公報の段落[0013]で示されるように、一般には、車載装置と携帯電話端末が連携する時の転送モードは、Bluetooth(登録商標)、Wifi等の何れか1つに固定されていた。
【0056】
なお、例えば動画アプリケーション131等のコンテンツ再生アプリケーションが実行されることで、携帯情報端末100の処理部又はコンピュータを図5の画像データ読取部340、転送モード選択部350、データ処理部360及び転送部370として機能させることができるが、連携認識アプリケーションが実行されることで、車載装置200の処理部又はコンピュータを画像データ読取部340の一部、転送モード選択部350の一部、データ処理部360の一部及び転送部370の一部として機能させてもよい。携帯情報端末100の動画アプリケーション131は、車載装置200の連携認識アプリケーション及び/又は携帯情報端末100のタブランチャーアプリケーションと協働してもよい。車載装置200の連携認識アプリケーションが実行されることで、車載装置200の処理部又はコンピュータを図5のデータ処理部380として機能させることができるが、動画アプリケーション131及び/又はタブランチャーアプリケーションが実行されることで、携帯情報端末100の処理部又はコンピュータをデータ処理部380の一部として機能させてもよい。
【0057】
ところで、車載装置200と携帯情報端末100が連携する時の形式は、上述のようなBluetooth(登録商標)、Wifi等による無線形式だけでなく、有線形式でもよい。また、車載装置200と携帯情報端末100が図示せぬ中継装置を介して連携してもよく、車載装置200と中継装置が例えば有線形式で連携し、その中継装置と携帯情報端末100が例えば無線形式で連携してもよい。
【0058】
加えて、携帯情報端末100の表示部110に表示される画像が車載装置200の表示部210側で表示される時に、車載装置200のOSアプリケーション及び/又はOSアプリケーション上で実行可能なアプリケーションがVNC(Virtual Network Computing)のクライアント側として機能し、携帯情報端末100のOSアプリケーション及び/又はOSアプリケーション上で実行可能なアプリケーションがVNCのサーバ側として機能してもよい。
【0059】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0060】
50・・・基地局、100・・・携帯情報端末、110・・・表示部、120・・・Aタブ(第1のタブ)、121,122,123,124,125・・・車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーション、130・・・Bタブ(第2のタブ)、131,132,133,134・・・車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーション、140・・・第3のタブ、200・・・車載装置、210・・・表示部、220・・・Aタブ(第1のタブ)、221,222,223,224,225・・・車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーション、230・・・Bタブ(第2のタブ)、231,232,233,234・・・車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーション、240・・・Cタブ(第3のタブ)、300・・・システム(連携システム)、310・・・データ制御部、320・・・データ出力部、330・・・車両走行判別部、340・・・画像データ読取部、350・・・転送モード選択部、360・・・データ処理部、370・・・転送部、380・・・データ処理部、400・・・パーキングブレーキセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置と携帯情報端末が連携するシステムであって、
前記携帯情報端末が有する複数のアプリケーションのうちの登録される少なくとも1つの登録アプリケーションの使用を制限するデータ制御部と、
前記車載装置を有する車両の状況に応じて前記少なくとも1つの登録アプリケーションが使用可能な場合、使用可能な登録アプリケーションの表示を前記車載装置の表示部に出力するデータ出力部と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記車両の状況として、前記車両が走行中又は停車中の何れかであるかを判別する車両走行判別部を
さらに備え、
前記少なくとも1つの登録アプリケーションは、前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションと、前記車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションと、を有し、
前記データ出力部は、前記車両走行判別部の判別結果に応じて、前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションが表示される画面と、前記車両が停車中である時に使用可能な登録アプリケーションが表示される画面と、を自動的に切り替えて前記表示部に出力することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両走行判別部は、前記車両のパーキングブレーキからの情報を利用して、前記車両の状況を判別することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記車両が走行中である時に使用可能な登録アプリケーションは、前記車両の運転手の音声操作コマンドを認識するアプリケーションであることを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−115769(P2013−115769A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262853(P2011−262853)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】