説明

車載装置及び携帯情報端末に実装されるアプリケーションプログラム

【課題】簡易な構成で携帯情報端末のアプリケーションの車両走行中の使用を適切に規制することができる車載装置等の提供。
【解決手段】本発明は、複数のアプリケーションが搭載された携帯情報端末が接続される車載装置であって、接続された携帯情報端末から送信される情報であって、該携帯情報端末において現在実行中のアプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報が、継続的に受信できない場合に、車両乗員に対して注意又は警告情報を出力するように構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置及び携帯情報端末に実装されるアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、閲覧可能な形態で出力される情報資源に基づく情報を規制する情報出力規制装置であって、情報資源が車両走行中の車両内で車両乗員が閲覧可能な属性を有するか否かを夫々判定する判定手段と、情報資源が閲覧可能な属性を有していないと判定した場合、該情報資源に基づく情報を表示させないための規制情報を情報資源に対応付ける規制付加手段と、情報資源及び規制情報に基づいて、情報資源又は表示できない旨を外部の表示可能な装置へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報出力規制装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-033459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、いわゆるスマートフォンのような携帯情報端末を車両に持ち込み、車両内で携帯情報端末のアプリケーションを使用できるようにすることが提案されている。しかしながら、携帯情報端末の各種アプリケーションは、車両走行中に使用することが望ましくないものがあれば、車両走行中に使用してもよいものもある。かかる判断を行う機能を車載器側や携帯情報端末側に設定することは技術的には可能であるが、事後的なアプリケーションの拡張や多様化などに機動的に対応することは困難となりうる。また、携帯情報端末側でアプリケーションの属性を判断させることは、携帯情報端末の本体機能の変更を伴うものであるので、現実的に困難である。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構成で携帯情報端末のアプリケーションの車両走行中の使用を適切に規制することができる車載装置及び携帯情報端末に実装されるアプリケーションプログラム等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、複数のアプリケーションが搭載された携帯情報端末が接続される車載装置であって、
接続された携帯情報端末から送信される情報であって、該携帯情報端末において現在実行中のアプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報が、継続的に受信できない場合に、車両乗員に対して注意又は警告情報を出力するように構成される、車載装置が提供される。
【0007】
また、本発明のその他の一局面によれば、携帯情報端末に実装され、該携帯情報端末が車載装置に接続された状態で実行可能なアプリケーションプログラムであって、
前記携帯情報端末が車載装置に接続された状態で当該アプリケーションが動作している間、当該アプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報を、前記携帯情報端末から前記車載装置に継続的に送信するように構成される、アプリケーションプログラムが提供される。
【0008】
また、本発明のその他の一局面によれば、複数のアプリケーションが搭載された携帯情報端末における特定のアプリケーションの車両での使用を制限するアプリケーション使用制限方法であって、
接続された携帯情報端末から送信される情報であって、該携帯情報端末において現在実行中のアプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報を、車載器側で継続的に受信できない場合に、前記携帯情報端末のアプリケーションを車両乗員が使用しないように車両乗員に注意又は警告情報を出力することを含む、方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で携帯情報端末のアプリケーションの車両走行中の使用を適切に規制することができる車載装置及び携帯情報端末に実装されるアプリケーションプログラム等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による車載装置12の一実施例に関連した構成の一例を示す図である。
【図2】車両のインストルメントパネルにおける各構成要素の搭載状態の一例を概略的に示す図である。
【図3】携帯情報端末10に実装された安全性配慮アプリケーションの動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】車載装置12の制御ECU20により実行される主要処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のその他の一実施例による車載装置12’に関連した構成の一例を示す図である。
【図6】蓋90による携帯情報端末10の使用制限態様の一例を、車両側方からの断面視で概略的に示す図である。
【図7】車載装置12’の制御ECU20により実行される主要処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0012】
図1は、本発明による車載装置12の一実施例に関連した構成の一例を示す図である。図2は、車両のインストルメントパネルにおける各構成要素の搭載状態の一例を概略的に示す図である。
【0013】
本実施例の車載装置12は、図1に示すように、制御ECU20を中心として構成される。制御ECU20は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが実行する各種プログラムが格納されている。
【0014】
制御ECU20には、警報発生装置30及び車速センサ40が接続される。
【0015】
警報発生装置30は、車両乗員に対して携帯情報端末の特定アプリケーション(後述の安全性配慮アプリケーション以外のアプリケーション)を使用しないように注意又は警告情報(以下、単に警報という)を出力する装置である。警報発生装置30により出力される警報は、音声、映像、音、振動、力、光、熱等を用いた任意の形態であってよい。警報発生装置30により出力される警報は、車両走行中に特定アプリケーションを使用することが望ましくない旨又は使用してはいけない旨の内容を有する。典型的には、警報発生装置30は、図2に模式的に示すように、車両乗員が見やすい位置に配置される警報インジケータ32やメータ34であってよい。また、警報発生装置30は、図5及び図6を参照して後述するような、車両乗員に対して携帯情報端末10の特定アプリケーションを使用しないように強制的な措置(図5及び図6に示す例では、携帯情報端末10の画面に強制的に蓋をかぶせること)を取る装置を含んでよい。
【0016】
車速センサ40は、車両の車輪速(車速パルス)を検出するセンサであってよい。車速センサ40は、後述のように車両が走行しているか否かを判定するために使用される。このため、車速センサ40に代えて又は加えて、アクセル開度センサやスロットルセンサ、シフトポジションセンサ、パーキングブレーキスイッチ、ブレーキペダルの操作量を検出するセンサ等のような、車両の走行を間接的に表す情報を取得するセンサが使用されてもよい。また、GPS受信機等が使用されてもよい。
【0017】
制御ECU20には、車両乗員が車内に持ち込んで使用する携帯情報端末10が接続される。携帯情報端末10は、典型的には、いわゆるスマートフォンであるが、複数のアプリケーションが搭載される端末であれば任意であってよい。例えば、携帯情報端末10は、電話機能を有してなくてもよい。携帯情報端末10は、複数のアプリケーションが実装され、その表示画面上で任意のアプリケーションを立ち上げ実行することができる。携帯情報端末10は、表示画面上にタッチパネルを搭載してもよい。携帯情報端末10に実装されるアプリケーションは、携帯情報端末10に元々実装されているアプリケーションであってもよいし、後からユーザによる選択により追加的に実装されるアプリケーションであってもよい。アプリケーションは、任意のアプリケーションであってよく、音楽再生アプリケーション、動画再生アプリケーション、ゲーム、新聞、書籍等に関するアプリケーションを含む。複数のアプリケーションは、後述の安全性配慮アプリケーションと、それ以外のアプリケーションとに大別される。
【0018】
携帯情報端末10は、一般的には、走行中安全に操作できるような位置、即ち車両乗員が視認操作し易い位置に設置される。この目的のため、車両内には、クレードル等のような、携帯情報端末10を設置するための端末保持器(図示せず)が設けられる。端末保持器は、例えば図2に模式的に示すように、携帯情報端末10がインストルメントパネルの中央部付近に設置されるように設けられてもよい。
【0019】
携帯情報端末10は、車両内に持ち込まれた際、車載装置12(制御ECU20)に接続される。この接続は、有線であってよいし、無線であってもよい。有線の場合は、USB(Universal Serial Bus)が、無線の場合は、Bluetooth(登録商標)がインターフェースとして好適である。
【0020】
制御ECU20は、図1に示すように、主要な機能として、安全性配慮アプリ実行中判断処理部22と、警報発生判断部24とを含む。これらの各部22,24は、制御ECU20のCPUがROM内のプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0021】
安全性配慮アプリ実行中判断処理部22は、車載装置12に接続された携帯情報端末10において現在実行中のアプリケーションが、車両走行中においても実行できるように安全性を配慮して設計されたアプリケーション(以下、安全性配慮アプリケーションという)であるか否かを判断する。安全性配慮アプリ実行中判断処理部22は、後述のように、携帯情報端末10から送られる特定信号に基づいて、車載装置12に接続された携帯情報端末10において現在実行中のアプリケーションが安全性配慮アプリケーションであるか否かを判断する。この目的のため、安全性配慮アプリケーションは、図3を参照して後述するように、動作中、自身が安全性配慮アプリケーションであることを示すための信号(以下、特定信号という)を、車載装置12に送信するように設計される。
【0022】
警報発生判断部24は、安全性配慮アプリ実行中判断処理部22により現在実行中のアプリケーションが安全性配慮アプリケーションであると判断されていない間、車速センサ40からの信号に基づいて、車速がゼロより大きい場合に、警報発生装置30に対して警報を出力するように指示(制御)する。
【0023】
図3は、携帯情報端末10に実装された安全性配慮アプリケーションの動作の一例を示すフローチャートである。図3の処理ルーチンは、携帯情報端末10において安全性配慮アプリケーションが起動された場合に起動され、安全性配慮アプリケーションの動作中に繰り返し実行される。図3の処理ルーチンは、安全性配慮アプリケーションの本来の処理(安全性配慮アプリケーションのメイン処理)とは別に並列的に実行されてもよいし、メイン処理に組み込まれてもよい。図3の処理ルーチンは、好ましくは1秒以内の周期(例えば500ms)毎に繰り返し実行されてもよい。
【0024】
ステップ300では、安全性配慮アプリケーションが携帯情報端末10のフォアグランドで動作しているか否かが判定される。安全性配慮アプリケーションが携帯情報端末10のフォアグランド(前面)で動作している場合は、ステップ302に進む。他方、安全性配慮アプリケーションが携帯情報端末10のフォアグランドで動作していない場合(即ち、バックグランドで動作している場合)、そのまま終了する。
【0025】
ステップ302では、特定信号(即ち、自身が安全性配慮アプリケーションであることを示すための信号)を生成し、車載装置12(制御ECU20)に送信する。特定信号は、好ましくは、暗号化されて送信される。この暗号化の方法は、任意の態様であってよい。信号自体に暗号化を行う方法の他、送信周期のような送信態様を特定の態様にすることで暗号化を実現しても良い。
【0026】
このようにして、図3に示すように、安全性配慮アプリケーションは、自身が携帯情報端末10のフォアグランドで動作している間だけ、継続的に(例えば500ms毎)特定信号を車載装置12(制御ECU20)に送信する。従って、安全性配慮アプリケーションは、自身が携帯情報端末10のバックグランドで動作している間は、特定信号を車載装置12(制御ECU20)に送信しない。
【0027】
尚、安全性配慮アプリケーションは、典型的には、車両メーカー側の承認を経て認定される。従って、アプリケーションの製作者は、車両メーカーからの承認を得ることを条件として、図3に示した特定信号の送信機能を自身のアプリケーションに付して、安全性配慮アプリケーションを製作することができる。また、車両メーカー側の承認の基準は、任意でありうるが、一般的な基準(例えば、動画再生は一般的に車両走行中に実行されるべきでないといった基準)、各国の安全基準や法規等に従って適切に決定される。一般的に、例えば、車載ナビゲーション装置に対応するアプリケーション(地図や現在地を表示するアプリケーション)や、音声で記事や情報等を読み上げるようなアプリケーション、音声認識を介して各種操作を行うことができるアプリケーション等は、車両メーカーから安全性配慮アプリケーションとして承認されうる。
【0028】
図4は、車載装置12の制御ECU20により実行される主要処理の一例を示すフローチャートである。図4の処理ルーチンは、携帯情報端末10が車載装置12に有線又は無線にて接続された際に起動され、携帯情報端末10が車載装置12に接続されている間、繰り返し実行される。
【0029】
ステップ400では、安全性配慮アプリ実行中判断処理部22において、携帯情報端末10から送信される特定信号が受信されているか否かが判定される。携帯情報端末10からの特定信号が受信されている場合は、警報の必要性がなく、今回周期の処理はそのまま終了する。他方、携帯情報端末10からの特定信号が受信されていない場合には、ステップ402に進む。
【0030】
ステップ402では、警報発生判断部24において、車速センサ40からの信号に基づいて、車両が走行中か否かが判定される。車両が走行中である場合には、ステップ404に進み、車両が走行中でない場合、即ち停車中である場合には、警報の必要性がなく、今回周期の処理はそのまま終了する。
【0031】
ステップ404では、警報発生判断部24において、警報音や警報インジケータ32により警報を出力するように指示が送信される。これにより、警報音や警報インジケータ32により警報が出力される。
【0032】
このようにして、図4に示す処理によれば、車載装置12に接続された携帯情報端末10において、安全性配慮アプリケーションがフォアグランドで実行されている場合には、車両が走行中であるか否かに関係なく警報が発生されることはない。他方、安全性配慮アプリケーションがフォアグランドで実行されていない場合においては、車両が走行中には警報が発生され、車両が停車中には警報が停止される。従って、本実施例によれば、車載装置12に接続された携帯情報端末10において実行されうる、安全性の配慮がなされていないアプリケーション(即ち、安全性配慮アプリケーション以外のアプリケーション)の実行を適切に防止することができる。また、安全性配慮アプリケーションは、図2に示したような特定信号を送信する機能を追加するだけでよいので、アプリケーションの作成の負荷を大幅に増大することもない。また、携帯情報端末10側のメインプログラム等において実質的な変更を必要としないので、アプリケーション製作者側で特定信号送信機能を実質的に完結することができる。また、特定信号を暗号化する場合には、アプリケーション製作者側で不当に(車両メーカー側の許可を得ることなく)自由に特定信号送信機能を付加することが困難となり、安全性を高めることができる。
【0033】
尚、図4の処理ルーチンは、図3の処理と同様、警報の有用性を高めるため、好ましくは1秒以内の周期(例えば500ms)毎に繰り返し実行されてもよい。これは、1周期が長い場合には、次の特定信号の取得・判断までの長い時間、安全性配慮アプリケーションが実行されているか否かが不明な状態が継続し、安全面の観点から好ましくないためである。例えば、1周期が10分のような長い時間である場合、10分の間に現実には安全性配慮アプリケーションが終了していた場合でも、当該10分の間、安全性配慮アプリケーションが実行中である場合と同様の扱われうるためである。
【0034】
図5は、本発明のその他の一実施例による車載装置12’に関連した構成の一例を示す図である。図6は、蓋90による携帯情報端末10の使用制限態様の一例を、車両側方からの断面視で概略的に示す図である。
【0035】
本実施例の車載装置12’は、主に、給電部50と、蓋駆動アクチュエータ60とを備える点が、図1等に示した上述の実施例による車載装置12と異なる。但し、給電部50は、図1等に示した上述の実施例による車載装置12にも設定されてもよい。その他、同一のであってよい構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0036】
給電部50は、車載装置12’に接続された携帯情報端末10に車載バッテリから給電を行う。これにより、携帯情報端末10は、内蔵のバッテリからの電力を使用することなく、動作することができる。また、給電部50は、車載バッテリからの電力により携帯情報端末10の内蔵のバッテリを充電することが可能であってもよい。
【0037】
蓋駆動アクチュエータ60は、蓋90(図6参照)を使用許可位置(図6(A))と、使用制限位置(図6(B))との間で駆動するための動力を発生する。蓋駆動アクチュエータ60は、電動モータであってよい。蓋90は、携帯情報端末10の前面(表示画面及び/又は操作部)を覆うような外形を有する。蓋90は、図6(A)に示すように、携帯情報端末10の前面を開放する位置(使用許可位置)と、図6(B)に示すように、車両内に設置された携帯情報端末10の前面を覆う位置(使用制限位置)との間で可動に(例えばスライド機構により可動に)構成される。蓋90の駆動機構は、ラック&ピニオン機構やボールねじ機構等の任意の機構が利用されてもよい。
【0038】
蓋駆動アクチュエータ60は、車載装置12’の制御ECU20の警報発生判断部24により制御される。
【0039】
図7は、車載装置12’の制御ECU20により実行される主要処理の一例を示すフローチャートである。図7の処理ルーチンは、携帯情報端末10が車載装置12’に有線又は無線にて接続された際に起動され、携帯情報端末10が車載装置12’に接続されている間、繰り返し実行される。図7の処理ルーチンは、警報の有用性を高めるため、好ましくは1秒以内の周期(例えば500ms)毎に繰り返し実行されてもよい。
【0040】
ステップ700,702,704の処理の内容は、図4に示したステップ400,402,404と同一であってよい。但し、図7の処理ルーチンでは、ステップ700において、携帯情報端末10からの特定信号が受信されている場合は、ステップ708を経由して、今回周期の処理が終了する。また、図7の処理ルーチンでは、ステップ704の処理後に、ステップ706に進む。
【0041】
ステップ706では、警報発生判断部24において、蓋駆動アクチュエータ60を駆動して蓋90を使用制限位置(図6(B))に移動させる駆動信号が生成される。これにより、車両内に設置された携帯情報端末10の前面を蓋90が覆うので、車両乗員は携帯情報端末10を見ることができなくなり、安全性を高めることができる。尚、前回周期で既に蓋90が使用制限位置にあるときは、今回周期では当該使用制限位置が維持される。
【0042】
ステップ708では、警報発生判断部24において、蓋駆動アクチュエータ60を駆動して蓋90を使用許可位置(図6(A))に移動させる駆動信号が生成される。これにより、携帯情報端末10の前面が蓋90により覆われなくなるので、車両乗員は携帯情報端末10を見る(又は操作する)ことができる。尚、前回周期で既に蓋90が使用許可位置にあるときは、今回周期では当該使用許可位置が維持される。
【0043】
このようにして、図7に示す処理によれば、図4に示した処理による効果と同様の効果を得ることができる。また、蓋90により携帯情報端末10の使用の制限を強制的に実施することができるので、警報の実効性を更に高めることができる。
【0044】
尚、図7に示した処理では、ステップ704とステップ706の双方の警報が実施されているが、ステップ704の警報が省略されてもよい。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0046】
例えば、上述の実施例では、安全性配慮アプリケーションがフォアグランドで実行されている場合に特定信号が携帯情報端末10から送信されるように構成されている。これは、マルチタスクが可能な携帯情報端末10を想定し、安全性配慮アプリケーションがバックグランドで実行されている場合には、フォアグランドで安全性配慮アプリケーション以外のアプリケーションが実行されている場合がありうることを考慮したものである。但し、例えば同時に2つ以上のアプリケーションが実行できないような携帯情報端末10である場合等には、安全性配慮アプリケーションが実行されている場合に、特定信号が携帯情報端末10から送信されるように構成されればよい。
【0047】
また、上述の実施例では、安全性配慮アプリケーションがフォアグランドで実行されている場合に特定信号が携帯情報端末10から送信されるように構成されている。しかしながら、フォアグランドで複数のアプリケーションが実行可能な携帯情報端末10を想定して、安全性配慮アプリケーションがフォアグランド且つ全画面で実行されている場合に特定信号が携帯情報端末10から送信されるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 携帯情報端末
12、12’ 車載装置
20 制御ECU
22 安全性配慮アプリ実行中判断処理部
24 警報発生判断部
30 警報発生装置
32 警報インジケータ
34 メータ
40 車速センサ
50 給電部
60 蓋駆動アクチュエータ
90 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションが搭載された携帯情報端末が接続される車載装置であって、
接続された携帯情報端末から送信される情報であって、該携帯情報端末において現在実行中のアプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報が、継続的に受信できない場合に、車両乗員に対して注意又は警告情報を出力するように構成される、車載装置。
【請求項2】
前記注意又は警告情報は、車両走行中に前記アプリケーションを使用することが望ましくない旨又は使用してはいけない旨の内容を有する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記携帯情報端末から送信される前記情報は、暗号化される、請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
車両乗員に対して注意又は警告情報を出力することは、携帯情報端末の前面を覆うように可動の蓋を駆動することを含む、請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
携帯情報端末に実装され、該携帯情報端末が車載装置に接続された状態で実行可能なアプリケーションプログラムであって、
前記携帯情報端末が車載装置に接続された状態で当該アプリケーションが動作している間、当該アプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報を、前記携帯情報端末から前記車載装置に継続的に送信するように構成される、アプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記情報を、当該アプリケーションがバックグランドで動作している間は、前記車載装置に送信せず、当該アプリケーションがフォアグランドで動作している間だけ、継続的に前記車載装置に送信するように構成される、請求項5に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項7】
複数のアプリケーションが搭載された携帯情報端末における特定のアプリケーションの車両での使用を制限するアプリケーション使用制限方法であって、
接続された携帯情報端末から送信される情報であって、該携帯情報端末において現在実行中のアプリケーションが車両走行中に使用してもよい属性を有することを示す情報を、車載器側で継続的に受信できない場合に、前記携帯情報端末のアプリケーションを車両乗員が使用しないように車両乗員に注意又は警告情報を出力することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−43253(P2012−43253A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184857(P2010−184857)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】