説明

車載装置及び運転支援システム

【課題】管理者が周囲の状況をリアルタイムで確認し、運転手に適切な注意や教育を行うことができる車載装置を提供する。
【解決手段】ドライブレコーダ本体11は、バック信号がONであり、かつ、記録開始設定条件を満たす場合、バック警報部13により運転手に警報を鳴らす(S4)。ドライブレコーダ本体11は、撮影カメラ16によって撮影された画像データおよびGPS受信部18で受信したGPS位置情報を取得する(S5)。ドライブレコーダ本体11は、記録開始時に取得したGPS位置情報とバック走行禁止の位置情報とが一致した場合、取得した画像データおよびGPS位置情報を車両管理装置30に送信する(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載装置及び運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バスやトラック等の大型車両が車道を走行している時に、バック走行をしなければならない状況になった場合、バック走行を行うことによる事故の危険度は乗用車などに比べて高い。このため、運転手に対し、そのようなバック走行を行う際の注意や教育を行う必要がある。
【0003】
従来、運転における注意や教育は、ドライブレコーダ装置に記録されたデータを用いて行われていた。図7は従来のドライブレコーダ装置100の構成を示す図である。ドライブレコーダ装置100は、車両情報記録部101、バック信号検出部102、車速検出部103、GPS情報取得部104、撮影カメラ105、車両情報記録判定部106および車両情報記録媒体107を有する。
【0004】
車両情報記録部101は車両情報を記録する。バック信号検出部102は車両がバック走行していることを検出し、バック信号をONにする。車速検出部103は車両の速度を検出する。GPS情報取得部104は、車両に搭載されたGPS受信器からGPS位置情報を取得する。
【0005】
撮影カメラ105は、車両後方の周囲を撮影して画像データを得る。車両情報記録判定部106は車両情報を記録するか否かを判定する。車両情報記録媒体107には、車両情報が記録される。
【0006】
図8はドライブレコーダ装置100の動作手順を示すフローチャートである。ドライブレコーダ装置100は、電源がONとなって起動すると、まず、バック信号を監視する設定を行う(ステップS101)。
【0007】
ドライブレコーダ装置100は、バック信号を監視する(ステップS102)。このとき、記録待機中である。ドライブレコーダ装置100は、監視の結果、バック信号ONの条件が満たされるまで待つ(ステップS103)。
【0008】
バック信号がONになると、ドライブレコーダ装置100は、運転手(乗務員)に警報を鳴らす(ステップS104)。ドライブレコーダ装置100は、車両情報記録部101により、撮影カメラ105で撮影した画像データ、およびGPS情報取得部104で得られたGPS位置情報を取得して記録する(ステップS105)。
【0009】
そして、ドライブレコーダ装置100は、記録媒体である車両情報記録媒体107に、記録した画像データおよびGPS位置情報を格納(記録)する(ステップS106)。この後、ドライブレコーダ装置100は本動作を終了する。
【0010】
このように、従来では、運行中、ドライブレコーダ装置でバック走行時の状況を記録し、帰庫後、管理者は、運行データを解析して乗務員を教育していた。
【0011】
この種の先行技術として、従来、車両の後退をトリガとして記録を開始するドライブレコーダが知られている(特許文献1参照)。
【0012】
また、従来、バック信号がONになると、無線でバック走行中であることを事務所に送信するデジタルタコグラフがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−266054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の車載装置では、つぎのような問題があった。ドライブレコーダ装置でバック走行時の状況を記録してから運転手を教育する場合、バック走行を行う運転手に対し、管理者はリアルタイムで注意や教育を行うことができなかった。
【0015】
また、デジタルタコグラフがバック走行中であることを無線で事務所に送信する場合、周囲の状況がわからず、適切な注意や教育を行うことができなかった。
【0016】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、管理者が周囲の状況をリアルタイムで確認し、運転手に適切な注意や教育を行うことができる車載装置及び運転支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載装置は、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) 車両に搭載された車載装置であって、
前記車両の周囲を撮影するカメラと、
前記車両を管理する車両管理装置と通信を行う通信部と、
前記車載装置を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
こと。
(2) 上記(1)の構成の車載装置であって、
前記車両のバック走行を検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたバック走行が所定の条件を満たしているか否かを判定する条件判定手段と
をさらに備え、
前記バック走行が前記条件判定手段によって所定の条件を満たしていると判定された場合、前記制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
こと。
(3) 上記(1)または(2)の構成の車載装置であって、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
所定の位置情報を記憶する記憶部と
をさらに備え、
前記制御部は、前記車両のバック走行中に、前記位置情報取得部によって取得された位置情報と前記記憶部に記憶された位置情報とが一致した場合、前記カメラが撮影した画像および前記一致した位置情報を、前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
こと。
(4) 上記(2)の構成の車載装置であって、
前記バック走行中に警報を発する警報部をさらに備え、
前記条件判定手段によって所定の条件を満たしていることが判定された場合、前記制御部は、前記警報部が警報を発するように制御する
こと。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか1つの構成の車載装置であって、
外部に報知する報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して前記車両管理装置から送信されるデータを受信し、前記報知部を介して前記データを報知するように制御する
こと。
(6) 上記(5)の構成の車載装置であって、
前記報知部は、音声出力および画像表示の少なくとも一方で報知する
こと。
【0018】
前述した目的を達成するために、本発明に係る運転支援システムは、下記(7)を特徴としている。
(7) 車両に搭載された車載装置と、前記車両を管理する車両管理装置とを備え、前記車両の運転を支援する運転支援システムであって、
前記車載装置は、
前記車両の周囲を撮影するカメラと、
前記車両管理装置と通信を行う第1通信部と、
前記車載装置を制御する第1制御部と
を備え、
前記第1制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記第1通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御し、
前記車両管理装置は、
前記車載装置と通信を行う第2通信部と、
画像を表示する表示部と、
前記車両管理装置を制御する第2制御部と
を備え、
前記第2制御部は、前記第2通信部によって前記車載装置から受信した画像を前記表示部に表示し、前記第2通信部によって前記表示部に表示された画像に対するデータを前記車載装置に送信する
こと。
【発明の効果】
【0019】
本発明の車載装置及び運転支援システムによれば、車両のバック走行中にカメラが撮影した画像を車両管理装置に送信するので、管理者が周囲の状況をリアルタイムで確認し、運転手に適切な注意や教育を行うことができる。これにより、事故の防止を図ることができるとともに、運転手の安全意識の向上にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施の形態における運転支援システム1の機能的構成を示す図である。
【図2】図2は、ドライブレコーダ装置10および車両管理装置30が設置された箇所(図2(A))とドライブレコーダ本体11の筐体前面(図2(B))を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダ装置10のバック走行時の送信動作手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、バック走行禁止の区間が記された地図(図4(A))および撮影カメラ16によって撮影された画像(図4(B))を示す図である。
【図5】図5は、車両管理装置30の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、ドライブレコーダ装置10の受信動作手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、従来のドライブレコーダ装置100の構成を示す図である。
【図8】図8は、ドライブレコーダ装置100の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態における車載装置及び運転支援システムについて図面を用いて説明する。本実施形態の車載装置は、車両に搭載さたれドライブレコーダ装置に適用される。また、本実施形態の運転支援システムは、このドライブレコーダ装置と、事務所に設置され、車両を管理する車両管理装置とから構成される。
【0022】
図1は実施の形態における運転支援システム1の機能的構成を示す図である。運転支援システム1は、前述したように、車両に搭載されたドライブレコーダ装置10、および事務所に設置され、車両を管理する車両管理装置30から構成される。
【0023】
ドライブレコーダ装置10は、ドライブレコーダ(記録装置)本体11、バック信号検出部12、バック警報部13、表示器14、設定部15、撮影カメラ16、車両情報通信部17、GPS受信部18、音声処理部19およびデータベース(DB)20を有する。
【0024】
ドライブレコーダ本体11は、CPU、ROM、RAMなど備え、ドライブレコーダ装置10全体を制御する制御部25(第1制御部)を有する。バック信号検出部12は、車両がバックで走行していることを検出し、バック信号をONにする。車両のバック走行は、例えば、ギアのバック位置、車速センサの信号、GPS位置情報の軌跡等により検出可能である。
【0025】
バック警報部13は、鳴動するブザーあるいはアラームからなり、乗務員に対し、バック走行中であることの警報を発する。表示器14は、撮影カメラ16によって撮影された画像や各種の情報を表示する。
【0026】
設定部15は、運転手などが操作可能な各種キーからなり、バック走行する際の記録開始設定条件の設定に用いられる。ここでは、速度2km/hで時間5秒に達するバック走行が2回行われていることが記録開始設定条件として設定される。撮影カメラ16は、車両後方の周囲を撮影して画像データを得る。GPS受信部18(位置情報取得部)は、人工衛星から送信される電波を受信し、車両の現在位置であるGPS位置情報を取得する。
【0027】
車両情報通信部17(第1通信部)は、車両管理装置30に対し、無線で画像データおよび位置情報を送信し、また、車両管理装置30から後述する表示データおよび音声データを受信する。音声処理部19は、マイク19aおよびスピーカ19bを有し、事務所側の車両管理装置30との通話を可能にする。
【0028】
また、データベース(DB)20には、記憶部として、車道におけるバック走行禁止と判断される箇所(所定の位置情報)が登録されている。
【0029】
一方、車両管理装置30は、汎用のコンピュータで構成され、車両管理装置全体を制御する制御部35(第2制御部)、車両情報表示部31、車両情報通信部32、音声処理部33およびデータベース(DB)37を有する。
【0030】
車両情報表示部31は、ドライブレコーダ装置10から受信した画像データに基づく画像を表示する。車両情報通信部32(第2通信部)は、ドライブレコーダ装置10から画像データおよびGPS位置情報を受信し、また、ドライブレコーダ装置10に表示データおよび音声データを送信する。
【0031】
音声処理部33は、マイク33aおよびスピーカ33bを有し、ドライブレコーダ装置10との通話を可能にする。データベース(DB)37には、車両情報表示部31に表示される地図情報が格納されている。
【0032】
図2はドライブレコーダ装置10および車両管理装置30が設置された箇所(図2(A))とドライブレコーダ本体11の筐体前面(図2(B))を示す図である。図2(A)に示すように、車両65は大型車両である。車両65の運転席のボックスには、ドライブレコーダ本体11が設けられている。撮影カメラ16は、車両65の後部上方に設置され、車両後方の周囲を撮影する。また、バック信号検出部12は、ギアボックス内部に設けられている。一方、車両管理装置30は、前述したように、事務所90に設置されている。
【0033】
図2(B)に示すように、ドライブレコーダ本体11の筐体前面には、表示器14、バック警報部13、スピーカ19bおよび設定部15が配置されている。
【0034】
上記構成を有する運転支援システム1の動作を示す。図3はドライブレコーダ装置10のバック走行時の送信動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムはドライブレコーダ本体11内のROMに格納されており、ドライブレコーダ本体11内のCPUによって実行される。
【0035】
ドライブレコーダ本体11は、電源ON後、まず、バック信号を監視する設定を行う(ステップS1)。そして、ドライブレコーダ本体11は、バック信号検出部12から出力されるバック信号を監視し、記録待機中となる(ステップS2)。
【0036】
ドライブレコーダ本体11は、バック信号がONであり、かつ、記録開始設定条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。満たさない場合、ドライブレコーダ本体11は、ステップS2の処理に戻る。なお、ステップS3の処理は条件判定手段に相当する。
【0037】
一方、バック信号がONであり、かつ、前述した記録開始設定条件を満たす場合、ドライブレコーダ本体11は、バック警報部13により運転手(乗務員)に警報を鳴らす(ステップS4)。そして、ドライブレコーダ本体11は、撮影カメラ16によって撮影された画像データおよびGPS受信部18で受信したGPS位置情報を取得する(ステップS5)。
【0038】
ドライブレコーダ本体11は、記録の開始時に取得したGPS位置情報が、DB20に登録されたバック走行禁止の位置情報と一致したか否かを判別する(ステップS6)。一致していない場合、ドライブレコーダ本体11は本動作を終了する。一方、GPS位置情報とバック走行禁止の位置情報とが一致した場合、ドライブレコーダ本体11は、再びバック警報部13により運転手(乗務員)に警報を鳴らす(ステップS7)。このときの警報音は、ステップS4の警報音とは異なる。これにより、運転手はバック走行禁止であることを速やかに把握することができる。また、このとき、表示器14に、車両65の位置を表す地図が表示される(図4(A)参照)。
【0039】
ドライブレコーダ本体11は、ステップS5で取得した画像データおよびGPS位置情報を事務所90側の車両管理装置30に送信する(ステップS8)。この後、ドライブレコーダ本体11は本動作を終了する。
【0040】
なお、ステップS6、S7の処理を省き、ステップS5で記録が開始され、画像データおよびGPS位置情報が取得されると、そのままステップS8でこれらのデータの送信が行われてもよい。
【0041】
図4はバック走行禁止の区間が記された地図(図4(A))および撮影カメラ16によって撮影された画像(図4(B))を示す図である。図4(A)に示すように、表示器14に表示された地図には、車両65の位置を表すマーク65aが表示され、車道71のバック走行禁止区間にあることが認識される。なお、この地図は事務所側の車両情報表示部31にも表示される。
【0042】
また、図4(B)に示すように、撮影カメラ16によって撮影される画像には、車両65の後方に位置する障害物82が存在する。この場合、事務所側から障害物82に気を付けることの注意が期待される。なお、この画像は表示器14および車両情報表示部31に表示される。
【0043】
図5は車両管理装置30の動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは車両管理装置30内のROMに格納されており、車両管理装置30内のCPUによって実行される。
【0044】
車両管理装置30は、まず、ドライブレコーダ装置10からデータを受信するまで待つ(ステップS21)。ここでは、画像データおよびGPS位置情報が受信される。これらのデータを受信すると、車両管理装置30は、車両情報表示部31に、図4(B)に示す画像データを表示する(ステップS22)。さらに、車両情報表示部31には、GPS位置情報をもとに、図4(A)に示すように、車両65の位置を表すマーク65aが記された地図が表示される。
【0045】
そして、車両管理装置30は、管理者から指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS23)。指示を受け付けていない場合、車両管理装置30はそのまま本動作を終了する。一方、指示を受け付けた場合、車両管理装置30は、指示に基づくデータを出力する(ステップS24)。ここで、車両管理装置30が設置された事務所において、例えば、オペレータがマイク33aを用いて音声により指示を行う場合、ステップS24では、音声データが出力される。また、あらかじめ登録された表示データを用いて指示を行う場合、ステップS24では、表示データが出力される。この後、車両管理装置30は本動作を終了する。
【0046】
図6はドライブレコーダ装置10の受信動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムはドライブレコーダ本体11内のROMに格納されており、ドライブレコーダ本体11内のCPUによって実行される。
【0047】
ドライブレコーダ本体11は、まず、車両管理装置30からデータを受信するまで待つ(ステップS31)。ドライブレコーダ本体11は、受信したデータが音声データであるか否かを判別する(ステップS32)。音声データである場合、ドライブレコーダ本体11は、スピーカ19bにより音声を出力する(ステップS33)。このとき、音声処理部19を介してマイク19aおよびスピーカ19bにより通話が実現されるようにしてもよい。
【0048】
ステップS33で音声を出力した後、あるいはステップS32で音声データでない場合、ドライブレコーダ本体11は、受信したデータに表示データが含まれるか否かを判別する(ステップS34)。表示データが含まれていない場合、ドライブレコーダ本体11は本動作を終了する。一方、表示データが含まれている場合、ドライブレコーダ本体11は、表示器14に表示データを表示する(ステップS35)。このとき、表示される表示データは、バック走行時に注意することを表す定型文など、例えば、「後方に障害物あり」のメッセージが挙げられる。なお、ステップS33、S35の処理は外部に報知する報知部に相当する。この後、ドライブレコーダ本体11は本動作を終了する。
【0049】
このように、本実施形態の運転支援システムによれば、管理者が周囲の状況をリアルタイムで確認し、運転手に適切な注意や教育を行うことができる。これにより、事故の防止を図ることができるとともに、運転手の安全意識の向上にも寄与することができる。
【0050】
また、バック走行が記録開始設定条件を満たしている場合、撮影された画像データが事務所側の車両管理装置に送信されるので、注意や教育が必要と判断されるようなバック走行時に送信を限定することができる。
【0051】
また、車両の位置情報とバック禁止の位置情報とが一致した場合に限って、画像データおよびGPS位置情報を送信することで、車両がバック禁止位置にあることを事務所側の車載管理装置に知らせることができる。
【0052】
また、バック走行が記録開始設定条件を満たしている場合、バック警報部が警報を発するので、運転手に注意や教育が必要なバック走行であることを速やかに知らせることができる。
【0053】
また、車両管理装置から送信されるデータをもとに、注意や教育の指示が音声出力および画像表示で報知されるので、運転手は安全なバック走行に専念することができる。また、指示が聴覚的あるいは視覚的に分かり易くなる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、本実施形態の構成が持つ機能を達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、撮影カメラは車両後方の周囲だけを撮影して画像データを得ていたが、バック走行時に車両側方や車両前方の周囲も撮影して画像データを得るようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、車両の位置情報とバック禁止の位置情報とが一致した場合に画像データの送信が行われたが、バック禁止位置に限らず、注意や教育が必要と判断される箇所である限り、バック走行時に送信が行われてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、車載装置として、ドライブレコーダに適用された場合を示したが、カーナビゲーション装置、デジタルタコグラフなどの車載装置に適用されてもよい。
【0058】
本発明は、車両に搭載された車載装置に適用され、管理者が周囲の状況をリアルタイムで確認し、運転手に適切な注意や教育を行うことができ、有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 運転支援システム
10 ドライブレコーダ装置
11 ドライブレコーダ本体
12 バック信号検出部
13 バック警報部
14 表示器
15 設定部
16 撮影カメラ
17、32 車両情報通信部
19、33 音声処理部
19a、33a マイク
19b、33b スピーカ
20、37 データベース(DB)
25、35 制御部
30 車両管理装置
31 車両情報表示部
65 車両
65a マーク
71 車道
82 障害物
90 事務所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載装置であって、
前記車両の周囲を撮影するカメラと、
前記車両を管理する車両管理装置と通信を行う通信部と、
前記車載装置を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記車両のバック走行を検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたバック走行が所定の条件を満たしているか否かを判定する条件判定手段と
をさらに備え、
前記バック走行が前記条件判定手段によって所定の条件を満たしていると判定された場合、前記制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項3】
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
所定の位置情報を記憶する記憶部と
をさらに備え、
前記制御部は、前記車両のバック走行中に、前記位置情報取得部によって取得された位置情報と前記記憶部に記憶された位置情報とが一致した場合、前記カメラが撮影した画像および前記一致した位置情報を、前記通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御する
ことを特徴とする請求項1または2記載の車載装置。
【請求項4】
車両に搭載された車載装置と、前記車両を管理する車両管理装置とを備え、前記車両の運転を支援する運転支援システムであって、
前記車載装置は、
前記車両の周囲を撮影するカメラと、
前記車両管理装置と通信を行う第1通信部と、
前記車載装置を制御する第1制御部と
を備え、
前記第1制御部は、前記車両のバック走行中に前記カメラが撮影した画像を前記第1通信部を介して前記車両管理装置に送信するように制御し、
前記車両管理装置は、
前記車載装置と通信を行う第2通信部と、
画像を表示する表示部と、
前記車両管理装置を制御する第2制御部と
を備え、
前記第2制御部は、前記第2通信部によって前記車載装置から受信した画像を前記表示部に表示し、前記第2通信部によって前記表示部に表示された画像に対するデータを前記車載装置に送信する
ことを特徴とする運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97609(P2013−97609A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240426(P2011−240426)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(501418498)矢崎エナジーシステム株式会社 (79)
【Fターム(参考)】