説明

車載装置

【課題】操作キーの操作状況や車両の走行状態に応じて案内音声を適切に出力することにより、操作感を高め、優れた操作性を確保して安全性の向上に寄与する車載装置を提供する。
【解決手段】キー処理部15は、操作支援モード選択時であり、操作間隔時間計測部13による操作間隔時間が所定の時間以内であり、且つキー種別判定部14が同一の操作キー7が連続操作されたと判定した場合に限り、キー操作に対応する処理を行う。音声出力制御部16は、操作支援モード選択部11によって操作支援モードが選択されている場合にのみ、キー操作に対応する案内音声を出力するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置を安全に操作するための操作支援技術に係り、特に、走行時における操作支援を行う車載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両にはナビゲーション装置や音響装置など多くの車載装置が搭載されているが、これら車載装置の操作については、走行中は安全面から禁止されているものが多い。ただし、音量のボリューム制御やトラック制御など簡単な操作に関しては、案内音声や交通情報などが聞き取り難くては運転に支障があるため、車両走行中であっても操作が許容されている。
【0003】
しかし、車載装置の操作に関しては、安全過ぎるといったことはあり得ず、常に安全性を高めることが要求されている。車載装置において操作時の安全性を高めるには、車載装置の操作に向けられるユーザーの視線移動を最小限に抑えるなどして、操作の確実性を維持することが重要である。
【0004】
例えば、特許文献1の技術は、ファクシミリ装置の操作支援技術に関するものであるが、操作キーを押し下げると、そのキー操作に対応する処理に関した案内音声を音声出力するようにしたものである。また、特許文献1では、操作キーの押し下げにより出力された案内音声を、ユーザーが確認した後、再度、当該操作キーを押し下げることによって、操作を確定する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−358859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の技術を車載装置に適用した場合、次のような課題が指摘されている。特許文献1では操作内容を示す案内音声が常に出力されるようになっているが、ファクシミリ装置の操作支援技術なので、さほど問題がない。
【0007】
しかしながら、車載装置において操作内容を示す案内音声が常に出力されると、車両の走行時には案内音声の便利さを実感するものの、車両が停車している時には案内音声は不必要であると感じるユーザーが多い。これは、停車中はユーザーが車載装置の操作キーを見ながら操作することが可能なので、ユーザーは案内音声が耳についてこれを煩わしいと感じるためであると考えられる。
【0008】
このように、操作支援を行う車載装置において、車両停車時に操作内容を示す案内音声を出力すると、当該案内音声が操作支援に寄与するというよりも、むしろ車載装置の操作感を低下させる要因となっていた。その結果、ユーザーは車載装置の操作時にストレスを感じ易くなり、操作の確実性が低減するおそれがあった。
【0009】
本発明は、以上の課題を解消するために提案されたものであり、その目的は、車両の走行状況に応じて案内音声を適切に出力することにより操作感を高め、優れた操作性を確保して安全性の向上に寄与する車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、操作キーを備えた車載装置であって、車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、前記走行状態判定手段が車両は走行中であると判定した場合に操作支援モードを選択する操作支援モード選択手段と、ユーザーにより前記操作キーが操作されたことを検出するキー操作検出手段と、前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出してから次の操作キーの操作を検出するまでの操作間隔時間を計測する操作間隔時間計測手段と、同一の前記操作キーが連続して操作されたか否かを判定するキー種別判定手段と、前記キー操作に対応する処理を行うキー処理手段と、前記キー操作に対応する処理に関した案内音声の出力を制御する音声出力制御手段、を備え、前記音声出力制御手段は、前記操作支援モード選択手段による操作支援モード選択時にのみ前記案内音声を出力するように制御し、前記キー処理手段は、前記操作支援モード選択手段による操作支援モード選択時で、前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出した際、前記操作間隔時間計測手段の計測する操作間隔時間が所定の時間以内であり、且つ前記キー種別判定手段が同一の前記操作キーが連続して操作されたと判定した場合に前記キー操作に対応する処理を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
以上のような構成を有する発明は、車両の走行状況に基づいて操作支援モード選択手段が操作支援モードを自動的に選択し、走行中である操作支援モード時にのみ、キー操作に対応する案内音声を出力するようにしている。
【0012】
すなわち、キー操作検出手段が操作キーの操作を検出した時点で、走行状態判定手段が車両は走行中であると判定しない限り、操作支援モード選択手段は操作支援モードを選択しない。つまり、車両が停車状態ならば、操作支援モード選択手段は操作支援モードを選択していないことになる。このため、車両が停車していれば、音声出力制御手段はキー操作に対応する案内音声を出力することはない。
【0013】
このように、本発明では、ユーザーが車載装置の操作キーを見ながら操作可能な停車中には、ユーザーに煩わしさを与えかねない案内音声の出力を止めている。したがって、車載装置の操作に際して、ユーザーはストレスを感じることがなく、優れた操作感を得ることができる。
【0014】
また、本発明において、走行状態判定手段が車両は走行中であると判定していれば、操作支援モード選択手段は操作支援モードを選択する。この操作支援モード時で、キー操作検出手段が操作キーの操作を検出した場合、操作間隔時間計測手段はキー操作検出手段が操作キーの操作を検出してから次の操作キーの操作を検出するまでの操作間隔時間を計測する。
【0015】
このとき、この操作間隔時間が所定の時間以内であり、且つキー種別判定手段が同一の前記操作キーが連続して操作されたと判定した場合に、キー処理手段がキー操作に対応する処理を行う。このため、ユーザーは、最初のキー操作により案内音声を聞くことで操作内容を確認した上で、2度目のキー操作により操作を確定することができる。したがって、操作キーの押し間違いを回避することができ、面倒な修正操作が不要となる。これにより、操作に要するユーザーの負担を減らすことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載装置において、前記走行状態判定手段が車両は停車中であると判定した場合、前記操作支援モード選択手段は操作支援モードであればこれを解除するように構成し、前記操作支援モード選択手段が操作支援モードを解除状態にある時、前記キー処理手段は、前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出すれば、前記キー操作に対応する処理を即座に行うように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
前述したように、車両停車中は、ユーザーは目視しながらキー操作を実行可能なので、操作キーの誤操作の可能性が低い。そこで本発明では、走行状態判定手段が車両は停車中であると判定していれば、操作支援モード選択手段は操作支援モードを解除状態とする。したがって、キー操作検出手段にて操作キーが操作された時点でキー処理手段は即座に処理を実行することができる。このため、停車中は、所定時間以内の同一操作キーの連続操作を実施しなくても、操作キーの処理が可能となり、車載装置の操作感がいっそう向上する。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車載装置において、前記操作キーの操作が運転席および助手席のどちらから行われたかを判別する操作席判別手段を備え、前記キー処理手段は、前記操作席判別手段の判定結果が助手席である場合には前記操作キーの操作を有効として前記キー操作に対応する処理を行い、前記操作席判別手段の判定結果が運転席である場合には前記操作キーの操作を無効とするように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
このような請求項3の発明では、操作席判別手段の判定結果が助手席である場合にのみキー操作に対応する処理を実行し、操作席判別手段の判定結果が運転席であれば、操作キーの操作を無効とし、キー操作に対応する処理を実行することがない。これにより、車両の走行中はドライバーによる車載装置の操作を全て禁止するといったユーザーニーズに応えることができ、安全性のさらなる向上に寄与することができる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載装置において、車両走行中であれば常に禁止とする操作を設定する走行時禁止操作設定手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
このような請求項4の発明では、走行時禁止操作設定手段により車両走行中は常に禁止とする操作を任意に設定可能なので、不用意に当該操作キーをユーザーが操作したとしても、走行状態判定手段が車両走行中であると判定している限りは、操作は必ず無効となる。したがって、ユーザーが走行時の操作は禁止したい操作については、万が一にも操作が実行に移される心配がない。これにより、ユーザーが望む高いレベルの安全性を獲得することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作キーの操作状況や車両の走行状態に応じて、案内音声を適切に出力することによって、車載装置の操作感を高めることができ、優れた操作性を確保して安全性の向上に寄与する車載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の構成図。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明に係る第2の実施形態の構成図。
【図4】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態の一例について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は第1の実施形態の構成図、図2は第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート、図3は第2の実施形態の構成図、図4は第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0025】
これらの実施形態に係る車載装置は、いずれも一般的な車載用ナビゲーション装置に適用している。なお、各実施形態において、同一の部材に関しては同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0026】
(1)第1の実施形態
[構成]
図1に示すように、車載用ナビゲーション装置には、車速パルス取得部1と、装置全体の制御を司るCPU2と、音声出力回路3と、キー回路部4と、CD/DVD再生部5と、音声出力回路3に接続されたスピーカ6と、キー回路部4に接続された複数の操作キー7が設けられている。このうち、キー回路部4は、ユーザーにより操作キー7が押し下げられた場合にキー押下情報をCPU2に出力する部分である。
【0027】
CPU2には、ナビゲーション機能を成立させる基本的な構成部分(図示せず)に加え、操作支援に関する構成部として、車両の走行状態を判定する走行状態判定部10と、操作支援モード選択部11と、キー操作検出部12と、操作間隔計測部13と、キー種別判定部14と、キー処理部15と、音声出力制御部16と、走行時禁止操作設定部17が設けられている。
【0028】
走行状態判定部10は、車速パルス取得部1から車速パルスを受信すれば車両は走行中であると判定し、車速パルス取得部1から車速パルスを受信しなければ車両は停車中であると判定する。操作支援モード選択部11は、走行状態判定部10の判定結果が走行中であれば操作支援モードを選択し、走行状態判定部10の判定結果が停車中であれば操作支援モードを解除する。
【0029】
キー操作検出部12は、キー回路部4よりキー押下情報を受け取る部分であって、ユーザーにより操作キー7のいずれかが操作されたことを検出する。操作間隔計測部13は、キー操作検出部12がキー操作を検出してから次のキー操作を検出するまでの操作間隔時間を計測する部分である。
【0030】
キー種別判定部14は、キー操作検出部12の検出した操作キー7に関して、1度目の操作キー7を記憶しておき、次の操作された操作キー7と同一の操作キー7であるかどうかを判定する。キー処理部15は、操作された操作キー7に対応する処理を行う部分である。例えば、操作キー7が音量のボリュームアップキーであった場合には、音量のボリュームを上げる処理を行うようになっている。
【0031】
音声出力制御部16は、操作支援モード選択部11によって操作支援モードが選択されている場合にのみ、キー操作に対応する操作キー名称音声情報を出力するように制御する部分である。走行時禁止操作設定部17は、車両走行中であれば常に禁止とする操作を設定する部分である。ここでは、CD/DVD再生部5からCDやDVDをイジェクトする操作は、走行中には禁止すると設定する。
【0032】
[動作]
以上の構成を有する第1の実施形態の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。まずエンジンを始動し(S101)、走行中の操作支援モードを有効とする(S102)。
【0033】
続いて、走行状態判定部10が車速パルス取得部1より車速パルスを受信した場合(S103のYes)、走行状態判定部10は車両が走行中であると判定する。ここで、走行中は操作支援モードが有効であることを確認し、操作支援モード選択部11による操作支援モードの選択によって操作支援モードに遷移する(S104)。このとき、音声出力回路3は、走行中に操作支援モードが作動する旨の案内音声をスピーカ6から出力する。
【0034】
次に、走行時禁止操作設定部17によって、CD/DVD再生部5からCDやDVDをイジェクトする操作に関しては、走行中は禁止しておく(S105)。このため、走行中であれば、イジェクト操作用の操作キー7が操作されたとしても、この操作は無効となり、CD/DVD再生部5からCDやDVDがイジェクトすることはない。
【0035】
また、走行状態判定部10が車速パルス取得部1より車速パルスを受信しなければ(S103のNo)、走行状態判定部10は車両が停車中であると判定して、操作支援モード選択部11は操作支援モードを解除する(S106)。この場合には、走行時禁止操作設定部15により禁止されていたCD/DVD再生部5からのCDまたはDVDのイジェクト操作は、許可される(S107)。
【0036】
操作支援モードに遷移した後、ユーザーが任意の操作キー7を押し下げると(S108のYes)、キー操作検出部12が操作キー7の押下を検出し、操作支援モード時なので音声出力制御部14は、キー操作に対応する処理に関した案内音声情報を音声出力回路3に出力する。
【0037】
このため、音声出力回路3は、キー操作に対応する案内音声、すなわち操作キー名称をスピーカ6からアナウンスする(S109)。例えば、操作キー7が音量のボリュームアップキーであった場合には、音声出力制御部14によって制御される案内音声は「ボリュームアップ」とアナウンスする。
【0038】
このような操作キー7の名称をスピーカ6からアナウンス(S109)した後、操作間隔計測部13が、操作キー7が検出された時点からの経過時間の計測を開始し、キー操作検出部12が次のキー操作を検出するまでの時間を操作間隔時間とする。
【0039】
S110では、操作間隔計測部13が計測した操作間隔時間が所定時間以内であるかどうかを判定する。操作間隔時間が一定時間を経過していなければ(S110のNo)、S111に進む。S111では、キー種別判定部14が連続する2回のキー操作について、1度目と2度目の操作キー7が同一かどうかを判定する。
【0040】
ここで、2度目の操作キー7は1度目の操作キー7と同一であると、キー種別判定部14が判定した時(S111のYes)、操作キー7の操作を確定する(S112)。これにより、キー処理部15が操作キー7の操作に対応する処理を行う。
【0041】
すなわち、キー処理部15は、操作支援モード選択時であり、操作間隔時間計測部13による操作間隔時間が所定の時間以内であり、且つキー種別判定部14が同一の操作キー7が連続操作されたと判定した場合に限り、キー操作に対応する処理を行うことになる。例えば、操作キー7が音量のボリュームアップキーであった場合には、音量を1レベル上げる。
【0042】
また、スピーカ6から操作キー7の操作内容をアナウンス(S109)した後、操作間隔計測部13の計測した操作間隔時間が一定時間を経過するか(S110のYes)、または2度目の操作キー7は1度目の操作キー7とは異なるとキー種別判定部14が判定した場合には(S111のNo)、操作キー7の操作は無効となって(S113)、キー処理部15は操作キー7の操作に対応する処理を行うことなく、S103に戻る。
【0043】
操作キー7の操作が確定した後、経過時間の再設定を行う(S114)。すなわち、操作間隔計測部13によって計測される操作間隔時間をリセットし、操作間隔時間の計測を再度開始する。
【0044】
次に、車速パルスが一定時間停止すれば(S115のYes)、走行状態判定部10は車両が停車中であると判定して、操作支援モード選択部11は操作支援モードを解除し(S116)、S103に戻る。また、経過時間の再設定(S114)を行ってから、車速パルスが一定時間停止するのでなければ(S115のNo)、S110に戻る。
【0045】
[作用効果]
以上のような第1の実施形態の作用効果は次の通りである。すなわち、第1の実施形態では、走行中は操作支援モード選択部11が操作支援モードを選択している。このため、キー操作検出部12が操作キー7の操作を検出すると、音声出力制御部14がキー操作に対応する案内音声を出力制御する。したがって、押下した操作キー7が正しいかどうかを、目を凝らして操作キー7を見なくとも、案内音声を聞くことで、操作キー7の操作内容を耳で確認することができる。
【0046】
また、第1の実施形態では、所定の時間以内に同一の操作キー7が連続操作された場合に限り、キー操作に対応する処理を行っている。したがって、最初のキー操作により操作内容を確認し、2度目のキー操作で操作を確定するので、操作キー7の押し間違いを回避することができ、面倒な修正操作が不要となる。その結果、操作に要するユーザーの負担を減らすことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0047】
一方、停車中は、ユーザーが操作キー7を見ながら操作可能なので、操作支援モードは解除しており、音声出力制御部14はキー操作の案内音声を出力することがない。このため、停車中の車載装置の操作に際して、案内音声により煩わしさを感じることがない。
【0048】
さらに、第1の実施形態では、走行状態判定部10による走行状態の判定に際して、車両に常備されている車速パルス取得部1からの車速パルスを利用している。そのため、簡単な構成により、走行中か停車中かを確実に判定することができる。したがって、操作支援モード選択部11は操作支援モードの選択および解除を適切に行うことが可能である。
【0049】
また、第1の実施形態では、走行時禁止操作設定部17により車両走行中は常に無効となる操作を設定可能である。そのため、したがって、ユーザーが走行中は不適切と判断した種類の操作(ここではCDやDVDのイジェクト操作)については、万が一にも操作が実行に移される心配がなく、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0050】
(2)第2の実施形態
[構成]
続いて、第2の実施形態について、図3を用いて説明する。なお、第2の実施形態は、基本的な構成については上記第1の実施形態と同じである。このため、図1にて示したCPU2内部の構成に関しては、第2の実施形態も同様であるため、キー処理部15を除いて図3においては省略する。
【0051】
図3に示すように、第2の実施形態の構成上の特徴は、ユーザー操作により運転席または助手席の位置の設定を行う席設定部18と、操作キー7の操作が運転席および助手席のどちらから行われたかを判別する操作席判別部19を、CPU2に備えた点にある。
【0052】
また、車載装置の正面部(図3の右側)の左右端部に、操作キー7を操作するユーザーの手に反応する右センサ20R(図3の上側)、左センサ20L(図3の下側)を設置している。これらのセンサ20R、20Lはキー回路4を介して操作席判別部19にセンサ情報を送るようになっている。
【0053】
操作席判別部19は、センサ20R、20Lからのセンサ情報に基づいて、どちらのセンサ20R、20Lが先に反応するかによって、操作者が運転席に座っているのか、助手席に座っているのかを判別するものである。
【0054】
例えば、席設定部18により、右側(図3の上側)を運転席、左側(図3の下側)を助手席と設定した場合、右センサ20Rが先に反応した場合には、操作席判別部19は運転席から操作キー7を操作したと判定する(図3中の矢印Aが運転席からの操作)。また、席設定部18による席の設定が同じで、左センサ20Lが先に反応したならば、操作席判別部19は助手席から操作キー7を操作したと判定する(図3中の矢印Bが助手席からの操作)。
【0055】
キー処理部15は、操作席判別部19の判定結果が助手席である場合にのみ操作キー7の操作を有効として当該キー操作に対応する処理を行い、操作席判別部19の判定結果が運転席である場合には操作キー7の操作を無効とするようになっている。
【0056】
[動作]
第2の実施形態の特徴的な動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。まずエンジンを始動し(S201)、ユーザーが所定の操作キー7を操作することで、走行中における操作支援モードを有効とする(S202)。さらに、席設定部18が運転席または助手席の位置を設定する(S203)
【0057】
続いて、走行状態判定部10が車速パルス取得部1より車速パルスを受信した場合(S204のYes)、走行状態判定部10は車両が走行中であると判定する。ここで、走行中は操作支援モードが有効であることを確認し、操作支援モード選択部11による操作支援モードの選択によって操作支援モードに遷移する(S205)。このとき、音声出力回路3は、走行中に操作支援モードが作動する旨の案内音声をスピーカ6から出力する。
【0058】
また、走行状態判定部10が車速パルス取得部1より車速パルスを受信しなければ(S204のNo)、走行状態判定部10は車両が停車中であると判定して、操作支援モード選択部11は操作支援モードを解除し(S206)、S204に戻る。
【0059】
操作支援モードに遷移(S205)した後、ユーザーが任意の操作キー7を押し下げた時(S207のYes)、操作席判別部19が助手席から操作していると判定する時(S208のYes)、操作キー7の操作を確定することになる(S209)。これにより、キー処理部15は操作キー7の操作に対応する処理を行う。例えば、操作キー7が音量のボリュームアップキーであった場合には、音量レベルを1つ上げる。
【0060】
また、ユーザーが任意の操作キー7を押し下げた時(S207のYes)、操作席判別部19が運転席から操作していると判定する時(S208のNo)、操作キー7の操作は無効となって(S210)、キー処理部15は操作キー7の操作に対応する処理を行うことなく、S204に戻る。
【0061】
[作用効果]
以上のような第2の実施形態では、上記第1の実施形態に加えて、次のような独自の作用効果がある。すなわち、操作席判別部19の判定結果が助手席である場合にのみ、キー処理部15によりキー操作処理を実行しており、判定結果が運転席であれば、操作キー7の操作を無効としている。これにより、車両の走行中は、運転席側つまりドライバーによる車載装置の操作を全て禁止することができる。これにより、安全性のさらなる向上に寄与することができる。
【0062】
(3)他の実施形態
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も包含する。すなわち、走行状態判定部10が車両は停車中であると判定して、操作支援モード選択部11が操作支援モードを解除している場合に、キー操作検出部12が操作キー7の操作を検出すれば、キー処理部15がキー操作に対応する処理を即座に行うようにしてもよい。したがって、停車中であれば、所定時間以内の同一操作キーの連続操作が不要となり、車載装置の操作感はさらに向上する。
【0063】
また、操作間隔計測手段にて設定される時間の長さなどは適宜変更可能であり、走行時禁止操作設定手段より設定される車両走行中の禁止操作に関しても自由の選択することができる。
【符号の説明】
【0064】
1…車速パルス取得部
2…CPU
3…音声出力回路
4…キー回路部
5…CD/DVD再生部
6…スピーカ
7…操作キー
10…走行状態判定部
11…操作支援モード選択部
12…キー操作検出部
13…操作間隔計測部
14…キー種別判定部
15…キー処理部
16…音声出力制御部
17…走行時禁止操作設定部
18…席設定部
19…操作席判別部
20L…左センサ
20R…右センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キーを備えた車載装置であって、
車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、
前記走行状態判定手段が車両は走行中であると判定した場合に操作支援モードを選択する操作支援モード選択手段と、
ユーザーにより前記操作キーが操作されたことを検出するキー操作検出手段と、
前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出してから次の操作キーの操作を検出するまでの操作間隔時間を計測する操作間隔時間計測手段と、
同一の前記操作キーが連続して操作されたか否かを判定するキー種別判定手段と、
前記キー操作に対応する処理を行うキー処理手段と、
前記キー操作に対応する処理に関した案内音声の出力を制御する音声出力制御手段、を備え、
前記音声出力制御手段は、前記操作支援モード選択手段による操作支援モード選択時にのみ前記案内音声を出力するように制御し、
前記キー処理手段は、前記操作支援モード選択手段による操作支援モード選択時で、前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出した際、前記操作間隔時間計測手段の計測する操作間隔時間が所定の時間以内であり、且つ前記キー種別判定手段が同一の前記操作キーが連続して操作されたと判定した場合に前記キー操作に対応する処理を行うように構成したことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記走行状態判定手段が車両は停車中であると判定した場合、前記操作支援モード選択手段は操作支援モードであればこれを解除するように構成し、
前記操作支援モード選択手段が操作支援モードを解除状態にある時、前記キー処理手段は、前記キー操作検出手段が前記操作キーの操作を検出すれば、前記キー操作に対応する処理を即座に行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記操作キーの操作が運転席および助手席のどちらから行われたかを判別する操作席判別手段を備え、
前記キー処理手段は、前記操作席判別手段の判定結果が助手席である場合には前記操作キーの操作を有効として前記キー操作に対応する処理を行い、前記操作席判別手段の判定結果が運転席である場合には前記操作キーの操作を無効とするように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車載装置。
【請求項4】
車両走行中であれば常に禁止とする操作を設定する走行時禁止操作設定手段を備えたことを特徴と請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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