説明

車載装置

【課題】車内の娯楽性を向上することができること。
【解決手段】車両に搭載される車載装置は、地域と関連付けられたアイコンを地域別アイコン情報として記憶し、また、目的地までの経路を車両が移動する過程における車両の位置情報や目的地の位置情報を取得し、地域別アイコン情報から取得した位置情報に基づいて地域別アイコンを決定し、決定された地域別アイコンを、経路に関する表示画面や目的地に関する表示画面に含めて表示するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車内の娯楽性を向上することができる車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の前席付近と後席付近とに備える車載機器の双方から目的地の設定操作を行うことができるナビゲーション機能を有する車載装置が知られている。たとえば、特許文献1には、後席に備える車載装置から目的地設定が行われた場合に、前席に備える車載装置は、モニタへ表示された目的地設定の確認画面から認証を促すボタンの押下を感知したならば、目的地の設定を反映する車載装置が記載されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−20396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車載装置では、車内の乗員を安心かつ安全に目的地へ誘導することを目的としており、車内のエンターテイメント性については考慮されていないという問題があった。
【0005】
これらのことから、車内の娯楽性を向上することができる車載装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、車内の娯楽性を向上することができる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、車両に搭載される車載装置であって、地域と関連付けられた地域別アイコンを取得する地域別アイコン取得手段と、前記取得された地域別アイコンを表示部へ表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両に搭載される車載装置は、地域と関連付けられた地域別アイコンを含む地域別アイコン情報を記憶し、位置情報を取得し、地域別アイコン情報と位置情報とに基づいて地域別アイコンを決定し、決定された地域別アイコンを取得し、取得された地域別アイコンを表示部へ表示することとしたので、車内の娯楽性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施例に係る車載装置の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ご当地アイコン情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、ルート案内表示画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、ご当地アイコンの一例を示す図である。
【図6】図6は、車載装置が実行する処理手順の概要を示すフローチャートである。
【図7】図7は、変形例に係る表示画面を説明するための図その1である。
【図8】図8は、変形例に係る表示画面を説明するための図その2である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車載装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る車載装置の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る車載装置についての実施例を図2〜図8を用いて説明することとする。まず、本発明に係る車載装置の概要について図1を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る車載装置の概要を示す図である。ここでは、利用者によって設定された目的地に基づき、地図とともにかかる目的地までのルート等を報知するナビゲーション機能を有する車載装置について説明する。しかし、車載装置とナビゲーション機能とは別体とする構成であってもよい。
【0012】
本発明に係る車載装置では、自車両や目的地等の位置情報を示す場所にゆかりのあるアイコン(以下、「ご当地アイコン」と記載する)とともにナビゲーションに関する情報(以下、「ナビ情報」と記載する)を報知することによって、車内の娯楽性を向上することができる点に主たる特徴がある。
【0013】
なお、「ご当地アイコン」は、具体的には、位置情報を示す場所が出生地である有名人を示すアイコンであったり、かかる場所に建立されている建物や、かかる場所の特産品のアイコンであったりしてもよい。
【0014】
本発明に係る車載装置は、図1の(A)に示すように、地域別に関連付けられているアイコン画像をご当地アイコン情報として記憶されているとする。なお、かかる地域は、エリアを分類するものであり、たとえば、都道府県別に分類されていてもよいし、さらに、市や町等に分類されていてもよい。
【0015】
車載装置は、目的地へのルートを走行中にナビ情報を報知する場合に、自車両の位置情報に応じた「ご当地アイコン」をご当地アイコン情報から検索し、決定する(図1(A)の(1)参照)。
【0016】
なお、ナビ情報とは、たとえば、ルート走行中に要所でルートの案内を表示するルート案内表示のことを指し、また、自車両の位置情報については、GPS(Global Positioning System)から受信したデータに基づいて位置情報を特定するものとする。
【0017】
ここで、「ご当地アイコン」を決定する一例を説明する。アイコン画像と関連付けられている地域に関する情報は、エリア毎(都道府県別、市町村別など)に所定の緯度・経度情報を含むように設定されている。そして、自車両の位置情報として取得されたGPSの受信データには緯度・経度情報が含まれており、自車両が存在している緯度・経度(自車両の緯度・経度)が特定される。特定された自車両の緯度・経度の情報が、いずれのエリアに含まれるかを判定し、判定の結果によって特定されたエリアと関連付けられた「ご当地アイコン」が決定される。
【0018】
そして、車載装置は、決定された「ご当地アイコン」とともにルート案内表示、ここでは、「次の信号を左折です。」というルート案内を車載装置の表示操作部へ表示する(図1(A)の(2)参照)。
【0019】
また、図1の(B)に示すように、車載装置は、自車両が目的地へのルートを走行中に、地域A内の地点を通過する際、ナビ情報を表示する場合には、ご当地アイコンAを表示する。
【0020】
さらに、車載装置は、地域B内の地点を通過する際に、ナビ情報を表示する場合には、ご当地アイコンBを表示する。なお、車載装置では、「ご当地アイコン」を表示するだけでなく、地域別に分類されたルート案内の音声、たとえば、方言による音声によってルート案内を報知することとしてもよい。
【0021】
このように、本発明に係る車載装置は、自車両や目的地等の位置情報に応じた「ご当地アイコン」を決定し、決定された「ご当地アイコン」とともにナビ情報を表示操作部へ表示することとした。したがって、本発明に係る車載装置によれば、車内の娯楽性を向上することができる。
【0022】
また、たとえば、県境を越える際に表示される「ご当地アイコン」を切り替えるような表示をおこなえば、車内の娯楽性を向上させることができるとともに、ドライバーにとっては、「ご当地アイコン」を確認することによって、自分がいまどこの地域にいるのかを瞬時に認識することが可能となる。
【0023】
なお、ここでは、自車両の位置情報に応じた「ご当地アイコン」を表示することとしたが、利用者によって目的地の設定操作が行われた場合には、設定された目的地に応じた「ご当地アイコン」を表示することとしてもよい。この場合、車内の娯楽性が向上するだけでなく、たとえば、同乗者によって変更された目的地を、ドライバーが瞬時に視認することが可能となる。
【0024】
また、ここでは、車載装置が「ご当地アイコン」を決定することとしたが、「ご当地アイコン」を決定する機能を有する外部装置(例えば、携帯装置やサーバー等)と通信可能な車載装置であれば、外部装置によって決定された「ご当地アイコン」を車載装置が受信し、そして、車載装置がナビ情報を表示する場合に、受信した「ご当地アイコン」を表示するようにしてもよい。
【0025】
この場合、車載装置から自車両の位置情報として取得されたGPSの受信データを外部装置に送信することで、外部装置は「ご当地アイコン」を決定することが可能となる。
このような構成にすれば、外部装置ごとにアイコンの画像のバリエーションを増やすこともできるし、また、車載装置のメモリの容量も削減できる。
【0026】
以下では、図1を用いて説明した本発明に係る車載装置についての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例に係る車載装置の構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る車載装置10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、車載装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素についてのみ記載している。
【0027】
図2に示すように、本実施例に係る車載装置10は、携帯装置20との通信リンクが確立されたならば「ご当地アイコン」を表示する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、他の構成にて実施されてもよい。例えば、携帯装置20の代わりに、車載装置10と通信可能なサーバーによって実施されてもよい。
【0028】
車載装置10は、近距離通信部11と、通信I/F(インターフェース)12と、表示操作部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。また、制御部15は、位置情報取得部15aと、アイコン決定部15bと、ルート案内表示部15cと、携帯装置検知部15dと、地図情報送信部15eとをさらに備えており、記憶部14は、ご当地アイコン情報14aと、目的地情報14bと、地図情報14cとを記憶する。
【0029】
近距離通信部11は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近距離無線通信を用いて携帯装置20との通信リンクをそれぞれ確立するとともに、確立した各通信リンクを用いて車載装置10と携帯装置20との間の通信処理を行う。
【0030】
ここで、ブルートゥース(登録商標)とは、2.4GHzの周波数帯を用いて半径数10m程度の無線通信を行う近距離無線通信規格であり、近年では、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用されている。
【0031】
ここでは、ブルートゥース(登録商標)を用いて車載装置10/携帯装置20間の通信を行う場合について説明するが、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)のような他の無線通信規格を用いることとしてもよい。また、車載装置10/携帯装置20間の通信を有線通信で行うこととしてもよい。
【0032】
通信I/F12は、無線電波等を送受信する図示しないアンテナに接続されており、無線通信を行うための通信デバイスで構成され、GPS(Global Positioning System)衛星と車載装置10との間で、光または電波によってデータの送受信を行う。
【0033】
表示操作部13は、ルート案内表示や地図画像を表示する表示部と、目的地やルート等の設定操作を受け付ける操作部とを備えている。たとえば、表示操作部13の表示部には、地図画像を表示するディスプレイを備えており、また、操作部には、目的地の選択操作を行うボタン、「OKボタン」および「キャンセルボタン」を備えている。
【0034】
なお、表示操作部13に備えるディスプレイや各種操作を行う構成部品を限定する必要はない。したがって、表示操作部13は、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイを用いることとしてもよい。
【0035】
また、HUD(Head-Up Display)等のディスプレイによってドライバー前方のフロントガラス部分に半透明状に構成してもよいし、ドライバー前方の計器部分に構成してもよいし、また、ドライバー前方のルームミラー部分に構成してもよい。
【0036】
記憶部14は、地域別アイコン情報記憶手段を構成し、不揮発性メモリやハードディスクドライブ等の記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部14は、携帯装置20から取得したご当地アイコンをご当地アイコン情報14aとして記憶する。
【0037】
また、記憶部14は、利用者によって設定された目的地および目的地までのルートを目的地情報14bとして記憶し、地点名に関連付けられているルートや地図等を地図情報14cとして記憶する。なお、ご当地アイコン情報14aの詳細については後述することとする。
【0038】
制御部15は、車載装置10の全体制御を行う制御部である。位置情報取得部15aは、通信I/F12を介してGPSから受信したデータに基づいて自車両の位置情報を取得する処理を行う処理部である。なお、位置情報取得部15aによって取得される位置情報は、利用者によって目的地の設定操作が行われた場合は、設定された目的地であってもよい。
【0039】
また、位置情報取得部15aは、位置情報取得手段を構成し、取得した位置情報を示す場所におけるルート案内表示の有無を判定し、ルート案内表示があると判定された場合に、取得した位置情報をアイコン決定部15bへ渡す処理を併せて行う。
【0040】
アイコン決定部15bは、地域別アイコン決定手段を構成し、位置情報取得部15aから受け付けた位置情報に基づき、ご当地アイコン情報14aから位置情報に関連付けられた「ご当地アイコン」を決定する処理を行う処理部である。また、アイコン決定部15bは、決定した「ご当地アイコン」のアイコン画像をルート案内表示部15cへ渡す処理を併せて行う。
【0041】
これらご当地アイコン情報14aを記憶する記憶部14、位置情報取得部15a、アイコン決定部15bが地域別アイコン取得手段を構成し、位置に応じた「ご当地アイコン」を取得する。
【0042】
ルート案内表示部15cは、表示手段を構成し、車載装置10と携帯装置20とが接続中の場合には、アイコン決定部15bから受け付けた「ご当地アイコン」のアイコン画像とともにルート案内表示を車載装置10の表示操作部13へ表示する処理を行う処理部である。ここで、車載装置10と携帯装置20とが接続中であるか否かの情報は、携帯装置検知部15dから受け付ける。なお、ルート案内表示の詳細については後述することとする。
【0043】
また、ルート案内表示部15cは、車載装置10と携帯装置20とが接続中でない場合には、「ご当地アイコン」は非表示とし、ルート案内表示を車載装置10の表示操作部13へ表示する。また、表示設定に応じて、車載装置10と携帯装置20とが接続中でない場合でも「ご当地アイコン」を表示するようにしてもよい。
【0044】
携帯装置検知部15dは、近距離通信部11を介して携帯装置20との通信リンクが確立されている、すなわち、車載装置10と携帯装置20とが接続中であることを検知したならば、ルート案内表示部15cへその旨を通知する処理を行う処理部である。
【0045】
地図情報送信部15eは、地図情報14cに記憶される地図画像(、および位置情報取得部15aで取得された位置情報)を、携帯装置20へ送信する処理を行う処理部である。ここで、地図画像には、地図に関する画像および目的地へのルートに関する画像が含まれる。
【0046】
また、地図情報送信部15eは、上述してきた制御部15の処理と並行して、バックグラウンドで、地図情報14cに記憶される地図画像をデフォルメした地図画像(たとえば、イラスト画の地図画像、アニメ画の地図画像など)を作成し、携帯装置20へ送信することとしてもよい。これにより、携帯装置20では、携帯装置20の図示しない表示部のサイズや画素数に応じて表示することが可能となる。
【0047】
つぎに、車載装置10の記憶部14に記憶されるご当地アイコン情報14aの詳細について図3を用いて説明する。図3は、ご当地アイコン情報14aの一例を示す図である。
【0048】
図3に示すように、ご当地アイコン情報14aは、「地域名」項目と、「アイコン名」項目と、「アイコン画像ファイル」項目とを含んでいる。なお、ご当地アイコン情報14aは、かかる項目で構成される情報を1レコードとしたレコードの集合体である。
【0049】
「地域名」項目は、予め定められたエリアごとに分類されるエリア名であり、たとえば、都道府県別に分類されていてもよいし、さらに、市や町等に分類されていてもよい。ご当地アイコン情報14aは、「地域名」項目に関連付けられた「アイコン名」項目や「アイコン画像ファイル」項目を記憶する。
【0050】
なお、図示しないが、ご当地アイコン情報14aは、「地域名」項目に対応する範囲を示す情報(以下、「範囲情報」と記載する)を記憶することとしてもよい。たとえば、所定の地域の範囲を多角形で表した場合には、多角形の頂点の座標に関する情報を「範囲情報」として「地域名」項目に関連付けて記憶させてもよい。
【0051】
これにより、車載装置10は、所定の位置情報が多角形で表される範囲に含まれるか否かを判定することによって、「地域名」を特定することができる。また、「地域名」に関連付けて「範囲情報」を地域対応情報として記憶部14に記憶することとしてもよい。
【0052】
つぎに、車載装置10の表示操作部13のディスプレイへ表示されるルート案内表示の詳細について図4を用いて説明する。図4は、ルート案内表示画面の一例を示す図である。
【0053】
図4の(A)に示すように、表示操作部13のディスプレイには、地図上にナビ情報として、目的地および目的地までのルートが表示されているとする。また、地図上の所定の場所(ここでは右上)には、車載装置10と携帯装置20とが接続中であることを示すアイコンが表示されている。
【0054】
ここで、目的地へのルートを走行中の車両に搭載された車載装置10の表示操作部13へルート案内表示を表示する場合に、まずアイコン決定部15bは、自車両の位置情報に基づいてご当地アイコン情報14aからご当地アイコンを決定する。
【0055】
そして、図4の(B)に示すように、ルート案内表示部15cは、ご当地アイコン情報14aによって決定されたご当地アイコンとともにルート案内表示(ここでは、「次の信号を左折です。」)を表示操作部13へ表示する。
【0056】
なお、ここでは、走行指示を示すルート案内を表示するタイミングで、ご当地アイコンを決定する場合について例示した。しかし、ルート案内表示部15cは、走行中の車両が地域の境界を跨ぐタイミングにご当地アイコンを決定し、表示させることとしてもよい。
【0057】
たとえば、走行中の車両がA県を走行中に、B県へ差し掛かる際に、ルート案内表示部15cは、B県に対応するご当地アイコンとともにルート案内表示を表示することとしてもよい。
【0058】
また、ルート案内表示を地図へ重畳させて表示することとしたが、これに限定されるものではなく、地図表示部の上部へルート案内表示エリアを設け、ルート案内表示エリアへご当地アイコンおよびルート案内表示を表示させることとしてもよい。
【0059】
つぎに、ルート案内表示部15cが表示する、ご当地アイコンの詳細について図5を用いて説明する。図5は、ご当地アイコンの一例を示す図である。
【0060】
図3を用いて説明したように、ご当地アイコン情報14aには、地域名に関連付けて1種類のご当地アイコン画像ファイルを記憶することとした。しかし、地域名だけでなく走行速度、時刻および季節等とともに関連付けてご当地アイコン画像ファイルをご当地アイコン情報14aに記憶させておいてもよい。
【0061】
たとえば、アイコン決定部15bによって位置情報および走行速度に基づいて決定されたご当地アイコンが、図5の(A−1)に示したようなアイコンであったとする。
【0062】
ここで、車両が同一地域を走行中に、走行速度が所定の閾値を超えた場合、アイコン決定部15bでは、同一キャラクタ、かつ、表情を変化させたご当地アイコン(図5の(A−2)参照)をご当地アイコン情報14aから決定する。そして、ルート案内表示部15cは、ドライバーへ注意を促すメッセージとともに決定されたご当地アイコンを表示する。
【0063】
また、地域名等に関連付けてご当地アイコン情報14aに記憶させるご当地アイコンは、画像ファイルだけではなくアニメーションファイルであってもよい。そして、ルート案内表示部15cは、地域の境界を跨ぐタイミングに、別の地域へ差し掛かる旨のアニメーションをルート案内表示とともに表示することとしてもよい。
【0064】
たとえば、車両が地域Aを走行中で、かつ、地域Bへ差し掛かるタイミングに、ルート案内表示部15cは、以下のようなアニメーションを表示する。図5の(B)に示したように、ルート案内表示部15cは、地域Aのご当地アイコンAから地域Bのご当地アイコンBへバトンが渡されるアニメーションをルート案内表示とともに表示する。
【0065】
また、ご当地アイコン情報14aへ、ご当地アイコン画像ファイルに対応する地域の方言等で表現されたルート案内の音声ファイルを記憶させておいてもよい。この場合、図5の(C)に示したように、地域と関連付けられたご当地アイコンを表示し、さらに、音声ファイルを出力することによって、利用者は、地域のイメージを容易に想像することができる。
【0066】
さらに、ご当地アイコン情報14aへ、走行距離やルート案内の内容に関連付けてご当地アイコンを記憶することとしてもよい。この場合、ルート案内表示部15cは、走行距離が所定の閾値を超えたならば、レアなキャラクタの位置づけである特別なご当地アイコンを表示させることができる。
【0067】
また、ご当地アイコン情報14aに記憶されるご当地アイコン画像ファイルを、アイコンのテーマごとに記憶させ、表示操作部13へ表示するご当地アイコンのテーマを利用者によって設定変更ができることとしてもよい。
【0068】
具体的には、ご当地アイコンのテーマを、時代、動物、建物および人物と分類し、車載装置10では、利用者によって設定されたご当地アイコンのテーマに応じたご当地アイコンを表示操作部13へ表示することとする。このように、年代、性別および趣味等に対応してご当地アイコンの表示を変化させることによって、多くの利用者に対して娯楽性を向上することができる。
【0069】
つぎに、本実施例に係る車載装置10が実行するルート案内表示処理手順の詳細について図6を用いて説明する。図6は、車載装置10が実行する処理手順の概要を示すフローチャートである。ここでは、車載装置10が目的地へのルートを走行中の自車両の位置情報を取得した場合について説明する。
【0070】
図6に示すように、位置情報取得部15aは、自車両の位置情報を取得したならば(ステップS101)、表示すべきルート案内があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0071】
そして、位置情報取得部15aによってルート案内があると判定された場合(ステップS102,Yes)、携帯装置検知部15dは、携帯装置20が接続中であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0072】
その後、携帯装置検知部15dによって携帯装置20が接続中であると判定された場合(ステップS103,Yes)、アイコン決定部15bは、位置情報に基づいてご当地アイコンを決定する(ステップS104)。
【0073】
つづいて、ルート案内表示部15cは、アイコン決定部15bによって決定されたご当地アイコンとともにルート案内を表示操作部13へ表示して(ステップS105)、車載装置10が実行する一連のルート案内表示処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS102で、位置情報取得部15aによってルート案内がないと判定された場合(ステップS102,No)、車載装置10が実行する一連のルート案内表示処理を終了する。
【0075】
また、ステップS103で、携帯装置検知部15dによって携帯装置20が接続中ではないと判定された場合(ステップS103,No)、ルート案内表示部15cは、ルート案内のみを表示操作部13へ表示して(ステップS106)、車載装置10が実行する一連のルート案内表示処理を終了する。
【0076】
なお、車載装置10は、自車両が目的地へのルートを走行中であれば、上述したステップS101〜ステップS106までの処理を繰り返す。また、車載装置10は、利用者によって目的地の設定操作が行われた場合には、目的地の位置情報に基づいてご当地アイコンを決定し、ご当地アイコンとともに設定要求に対する確認メッセージを表示操作部13へ表示する。なお、携帯装置20が接続中でない場合もご当地アイコンを表示する場合は、ステップS103、ステップS106はなくてもよい。
【0077】
このように、本発明に係る車載装置10は、自車両や目的地等の位置情報に基づいてご当地アイコンを決定し、決定したご当地アイコンとともにルート案内表示や確認メッセージの表示を表示操作部13へ表示することとしたので、車内の娯楽性を向上することができる。
【0078】
なお、上述した実施例では、自車両や目的地等の位置情報に基づいてご当地アイコンを決定して表示するようにしたが、これに限られるものではなく、ルートが通過する地域に基づいて複数のご当地アイコンを決定してまとめて表示するようにしてもよい。たとえば、ルートがA地域、B地域、C地域を通過する場合に、A地域、B地域、C地域に関係する複数のご当地アイコンを決定し、全ルート図とともに表示するようにしてもよい。
【0079】
また、上述した実施例では、目的地や目的地へのルートの設定操作を車載装置10で行い、地図画像を車載装置10および携帯装置20へ表示する構成とした。しかし、このように、目的地やルートの設定操作を行う装置構成を限定する必要はない。上記した構成以外にも、種々の異なる装置構成にて実施されてよいものである。
【0080】
以下では、携帯装置20で目的地やルートの設定操作を行う構成とする変形例について図7および図8を用いて説明する。図7は、変形例に係る表示画面を説明するための図その1であり、図8は、変形例に係る表示画面を説明するための図その2である。
【0081】
図7の(1)に示したように、車載装置10の表示操作部13には、詳細な地図画像Aとともに目的地やルートが表示されている。そして、携帯装置20と接続中である場合に、車載装置10は、ご当地アイコンの表示処理等と並行して、バックグラウンドで地図情報14cに記憶される地図画像をデフォルメした地図画像Bを作成する(図7の(2)参照)。
【0082】
その後、車載装置10は、携帯装置20へ地図画像B(と自車両の位置情報)を送信し、一方、携帯装置20は、車載装置10から受信した地図画像Bを表示操作部へ表示する(図7の(3)参照)。なお、携帯装置20は、受信した位置情報に基づき携帯装置20が有する任意の自車位置マークを地図画像B上に表示するようにしてもよい。その場合、車載装置10から送信する地図画像Bには自車位置マークは含まれない。これにより、後席に着座する同乗者は、自身の所有する携帯装置20によって目的地やルートを確認することができる。
【0083】
また、携帯装置20は、目的地やルートを設定する場合には、地図画像Bとは別に、図7に示したような設定画面を表示して、目的地およびルートの設定操作を受け付けることとなる。
【0084】
つづいて、図8の(A)に示したように、携帯装置20の表示操作部には、地図画像Bとナビメニューが表示されているとする。たとえば、携帯装置20は、ナビメニューの「目的地設定」の選択操作を受け付けたならば、図8の(B)に示したように、携帯装置20の表示操作部へ目的地設定メニューを表示する。
【0085】
ここで、携帯装置20は、「メモリ地点名」の選択操作を受け付けたならば、車載装置10の地図情報14cから目的地の地点名を取得して、携帯装置20の表示操作部へメモリ地点名リストを表示する(図8の(C)参照)。
【0086】
そして、携帯装置20は、目的地や図示しないルートの選択操作を受け付けたならば、目的地およびルートとともに、かかる目的地およびルートの設定要求を車載装置10へ送信する。
【0087】
一方、車載装置10は、携帯装置20から目的地やルートの設定要求を受け付けたならば、受け付けた目的地に基づいてご当地アイコンを決定する。なお、自車両の現在位置に基づいてご当地アイコンを決定してもよい。そして、車載装置10は、決定されたご当地アイコンとともに目的地およびルートの設定変更要求に対する確認メッセージを車載装置10の表示操作部13へ報知する。これにより、ドライバーは目的地の設定要求が行われたことを認識することができ、車載装置10は、運転の安全性を確保することができる。
【0088】
その後、車載装置10は、ドライバーによる確認メッセージに対する認証操作、たとえばご当地アイコン部分の押圧感知による認証操作を受け付けたならば、携帯装置20から設定変更要求とともに受け付けた目的地およびルートへ設定を反映することとなる。
【0089】
なお、上述した実施例および変形例では、ご当地アイコン情報14aは、予め車載装置10へ記憶されているものとした。しかし、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の持ち運び可能な記憶装置や、センターに記憶されているご当地アイコン情報を、車載装置10が取得して、記憶部14へ記憶することとしてもよい。
【0090】
また、上述した実施例および変形例では、車載装置10がご当地アイコンを決定するものとしたが、第2の変形例として、携帯装置20がご当地アイコンを決定するようにしてもよい。
【0091】
その場合、携帯装置20がご当地アイコン情報14aを予め記憶すると共に、車載装置10が自車両の位置情報を携帯装置20に送信することで携帯装置20が位置情報を取得し、取得した位置情報に基づきご当地アイコンを決定し、決定したご当地アイコンを車載装置10に送信する。車載装置10は受信したご当地アイコンをメモリに記憶しておき、経路案内や目的地設定等の案内を行なうときに記憶したご当地アイコンを読み出し表示する。
【0092】
第2の変形例の場合、携帯装置20が地域別アイコン情報記憶手段、位置情報取得手段、地域別アイコン決定手段を有する。また、車載装置10が携帯装置20から決定されたご当地アイコンを受信する近距離通信部11が地域別アイコン取得手段を構成する。
【0093】
なお、第2の変形例において、車載装置10が図示せぬセンターのサーバや他の外部装置と通信可能な場合は、携帯装置20を当該外部装置に置き換えることができる。
【0094】
また、ご当地アイコン情報14aに記憶されるご当地アイコン画像は、携帯装置20やパソコン(Personal Computer)によって画像の作成や変更を行うことができることとしてもよい。
【0095】
また、車載装置10の表示操作部13や携帯装置20の表示操作部は、タッチパネル式の液晶ディスプレイと非タッチパネル式のディスプレイとの組み合わせによって、複数のディスプレイを備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 車載装置
11 近距離通信部
12 通信I/F
13 表示操作部
14 記憶部
14a ご当地アイコン情報
14b 目的地情報
14c 地図情報
15 制御部
15a 位置情報取得部
15b アイコン決定部
15c ルート案内表示部
15d 携帯装置検知部
15e 地図情報送信部
20 携帯装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
地域と関連付けられた地域別アイコンを取得する地域別アイコン取得手段と、
前記取得された地域別アイコンを表示部へ表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
地域と関連付けられた地域別アイコンを含む地域別アイコン情報を記憶する地域別アイコン情報記憶手段と、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記地域別アイコン情報記憶手段に記憶される前記地域別アイコン情報と前記位置情報とに基づいて前記地域別アイコンを決定する地域別アイコン決定手段と
を備え、
前記地域別アイコン取得手段は、前記地域別アイコン決定手段で決定された前記地域別アイコンを取得することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記車載装置と通信可能な外部装置は、
地域と関連付けられた地域別アイコンを含む地域別アイコン情報を記憶する地域別アイコン情報記憶手段と、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記地域別アイコン情報記憶手段に記憶される前記地域別アイコン情報と前記位置情報とに基づいて前記地域別アイコンを決定する地域別アイコン決定手段と
を備え、
前記地域別アイコン取得手段は、前記地域別アイコン決定手段によって決定された前記地域別アイコンを取得することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記地域別アイコン決定手段は、
目的地までの経路を前記車両が移動する過程において前記車両の前記位置情報に基づいて前記地域別アイコンを決定し、
前記表示手段は、
前記地域別アイコン決定手段によって決定された前記地域別アイコンを前記経路に関する表示画面に含めて表示することを特徴とする請求項2または3に記載の車載装置。
【請求項5】
前記地域別アイコン決定手段は、
目的地の前記位置情報に基づいて前記地域別アイコンを決定し、
前記表示手段は、
前記地域別アイコン決定手段によって決定された前記地域別アイコンを前記目的地に関する表示画面に含めて表示することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の車載装置。
【請求項6】
前記地域別アイコン情報は、アイコンが時節に関連付けられており、
前記地域別アイコン決定手段は、
前記車両が移動する過程において時節に基づいて前記地域別アイコンを決定することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の車載装置。
【請求項7】
前記地域別アイコン情報は、アイコンが音声に関連付けられており、
前記地域別アイコン決定手段によって決定された前記地域別アイコンに関連付けられる前記音声の出力を行う出力手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−122777(P2012−122777A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272053(P2010−272053)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】