説明

車載装置

【課題】携帯装置がバッテリ切れによって稼働不能となってしまうことを排除しつつ、できるだけケーブル接続無しに利用可能とする「車載装置」を提供する。
【解決手段】目的地が設定されているスマートフォン2を携帯したユーザが自動車に搭乗し車載装置1を起動したとき、目的地が設定されているスマートフォン2をユーザが車載装置1に有線接続したとき、スマートフォン2が車載装置1に有線接続された状態でユーザが目的地設定を行ったとき、目的地が設定されているスマートフォン2の車載装置1との有線接続をユーザが解除したときなどに、車載装置1は、目的地到達まで稼働可能な電力量に所定のマージンを加えた電力量がスマートフォン2のバッテリ212に残っているかどうかを調べ、残っている場合には、スマートフォン2を車載装置1に有線接続する必要がないことをユーザに通知するメッセージを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に接続されて利用される携帯装置の充電を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載装置に接続されて利用される携帯装置の充電は、車載装置と携帯装置との間の通信の接続に用いるケーブルを介して車載装置から携帯装置に給電された電力を、携帯装置において当該携帯装置の内蔵バッテリに充電することにより行われることが一般的である(たとえば、特許文献1)。
【0003】
一方で、車載装置と携帯装置との間の通信の接続を、無線接続により行う技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-181555号公報
【特許文献2】特開2010-029758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載装置と携帯装置との間の通信の接続を無線接続により行う技術によれば、車載装置と携帯装置との間をケーブルで接続する煩わしさや、ケーブルのために携帯装置を自由に移動できない不便さが解消される。
しかしながら、車載装置と携帯装置とをケーブルで接続しない場合、携帯装置の充電が行われないこととなるため、携帯装置の利用中に携帯装置がバッテリ切れとなって稼働不能となってしまうことがある。
そこで、本発明は、車載装置と接続されて利用される携帯装置を、携帯装置がバッテリ切れによって稼働不能となってしまうことを排除しつつ、できるだけケーブルの接続無しに利用可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載装置に、内蔵するバッテリの電力で稼働する携帯装置を無線接続可能な無線インタフェースと、前記携帯装置を有線接続可能な有線インタフェースと、前記有線インタフェースに有線接続された前記携帯装置に、前記バッテリの充電用の電力を給電する給電手段と、前記携帯装置との協調動作によって、または、当該車載装置の単独動作によって、ユーザから設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーション手段と、前記目的地到達までの前記携帯装置の消費電力量、または、当該消費電力量に所定のマージンを加えた電力量を所要電力量として推定し、前記無線インタフェースに無線接続されている前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、目的地到達まで前記携帯装置を稼働するために前記携帯装置を有線接続する必要がない旨のメッセージを出力するメッセージ出力手段とを備えたものである。
【0007】
ここで、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0008】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されている状態で、前記携帯装置と前記有線インタフェースとの有線接続が解除されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0009】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されている状態で、前記携帯装置と前記有線インタフェースとの有線接続が解除された後に、当該携帯装置において起動された処理が終了したときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0010】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載装置に、内蔵するバッテリの電力で稼働する携帯装置を無線接続可能な無線インタフェースと、前記携帯装置を有線接続可能な有線インタフェースと、前記有線インタフェースに有線接続された前記携帯装置に、前記バッテリの充電用の電力を給電する給電手段と、前記携帯装置との協調動作によって、または、当該車載装置の単独動作によって、ユーザから設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーション手段と、前記目的地到達までの前記携帯装置の消費電力量、または、当該消費電力量に所定のマージンを加えた電力量を所要電力量として推定し、前記有線インタフェースに有線接続されている前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、目的地到達まで前記携帯装置を稼働するために前記携帯装置を有線接続する必要がない旨のメッセージを出力するメッセージ出力手段とを備えたものである。
【0011】
ここで、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0012】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されている状態で、前記目的地が設定されたときに、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0013】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されている状態で、前記自動車のエンジンがオフされたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0014】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続された状態で、当該車載装置が起動されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0015】
また、このような車載装置において、前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続され、前記目的地が設定されている状態で、前記携帯装置のバッテリの残量が、前記所要電力量を超える値に変化したときに、前記メッセージを出力するものであってよい。
【0016】
なお、以上の車載装置は、前記メッセージ出力手段において、前記バッテリが満充電の状態にないときには、前記メッセージの出力は行わないように構成してもよい。
これらのような車載装置によれば、携帯装置のバッテリの残量が、目的地到達までの前記携帯装置の消費電力量、または、当該消費電力量に所定のマージンを加えた電力量を超える場合には、目的地まで携帯装置を稼働させるために、携帯装置を車載装置に有線接続して充電する必要がないことをユーザに通知するメッセージが出力される。
【0017】
よって、ユーザは、このメッセージより、車載装置と携帯装置を有線接続で接続しなくても、目的地到着まで携帯装置を利用可能なことを認知して、それ以上の充電が不要と考える場合には、携帯装置の車載装置へのケーブルによる有線接続を行わないようにすることができる。また、これにより不必要な充電を繰り返すことによりバッテリの寿命の短縮も避けることができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、車載装置と接続されて利用される携帯装置を、携帯装置がバッテリ切れによって稼働不能となってしまうことを排除しつつ、できるだけケーブルの接続無しに利用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る車載装置とスマートフォンの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有線接続不要通知処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る車載装置の表示画面例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、車載装置1に接続される携帯装置がスマートフォン2である場合を例にとり説明する。
図1に、本第1実施形態に係る車載装置1とスマートフォン2の構成を示す。
スマートフォン2は、図示するように、操作部201、ディスプレイ202、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力部203、無線インタフェース204、有線インタフェース205、スマートフォン2のOSであるところのSP-オペレーティングシステム206、SP-オペレーティングシステム206によって管理されSP-オペレーティングシステム206上で稼働するアプリケーションであるSP-AP207、GPS受信機208、ジャイロセンサ209、移動電話網にアクセスするための移動通信装置210、スマートフォン2の動作電力を供給するバッテリ212、有線インタフェース205を介して車載装置1から給電された電力をバッテリ212に充電すると共にバッテリ212の充電状態を検知する充電回路211を備えている。
【0021】
ここで、スマートフォン2は、SP-AP207として、移動通信装置210や音声入出力部203や操作部201を用いた移動電話機能を提供する移動電話アプリケーションや、ナビゲーション機能を提供するナビゲーションアプリケーションなどの、複数のアプリケーションを備えている。ここで、ナビゲーションアプリケーションが提供するナビゲーション機能とは、GPS受信機208やジャイロセンサ209を利用した現在位置や現在進行方向の算出や、ユーザからの目的地の設定の受け付けや、設定された目的地までのルートの探索や、探索したルートに沿って走行した場合の目的地到着までの推定所要時間の算出や、地図上に現在位置や現在の進行方向を表すマークや目的地までのルートを表したナビゲーション画像の生成及びディスプレイ202への表示を行う機能である。
【0022】
また、スマートフォン2は、SP-AP207として、SP-オペレーティングシステム206を介してバッテリ212の充電状態を取得し、車載装置1に通知する充電状態通知アプリケーションを備えている。
次に、車載装置1は、自動車に搭載される装置であり、図示するように、入力装置101、表示装置102、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力装置103、無線インタフェース104、有線インタフェース105、車載装置1のOSであるところのH-オペレーティングシステム106、H-オペレーティングシステム106によって管理されH-オペレーティングシステム106上で稼働するアプリケーションであるH-AP107、自動車のECUに接続したECUインタフェース108、自動車の車載バッテリに接続し、車載バッテリから給電される電力から車載装置1の各部の動作電力を生成して供給する電源回路109、有線インタフェース105を介してスマートフォン2に給電する給電回路110とを備えている。
【0023】
ここで、車載装置1は、H-AP107として、ナビゲーションクライアントアプリケーションなどを備えている。ナビゲーションクライアントアプリケーションは、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションと協調動作してナビゲーションアプリケーションの、車載装置1の入力装置101や表示装置102を用いたGUIを提供する動作を行う。すなわち、車載装置1のナビゲーションクライアントアプリケーションは、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションの生成した案内画像などのナビゲーションアプリケーションの出力画面の表示装置102への表示や、ナビゲーションアプリケーションに対するユーザ操作を入力装置101を介して受け取ってナビゲーションアプリケーションに通知する処理などを行う。
【0024】
また、車載装置1は、H-AP107として、有線接続要否判定アプリケーションを備えている。
ここで、スマートフォン2の無線インタフェース204と車載装置1の無線インタフェース104は、Bluetooth(登録商標)や、WIFIなどの無線通信インタフェースによって無線接続して相互通信を行うものであり、スマートフォン2の無線インタフェース204と車載装置1の無線インタフェース104が無線通信可能な距離に近づくと、スマートフォン2の無線インタフェース204と車載装置1の無線インタフェース104は所定の接続確立手順を実行して、相互間の無線接続を確立する。すなわち、スマートフォン2と車載装置1は、両者が無線通信可能な距離に近づくと、自動的に無線接続する。
【0025】
次に、スマートフォン2の有線インタフェース205と車載装置1の有線インタフェース105は、USBなどの有線通信インタフェースによって有線接続して相互通信を行うものであり、スマートフォン2の有線インタフェース205と車載装置1の有線インタフェース105の間を所定のケーブルで接続することにより、スマートフォン2の有線インタフェース205と車載装置1の有線インタフェース105間の有線接続は確立される。また、このスマートフォン2の有線インタフェース205と車載装置1の有線インタフェース105の間を接続するケーブルを介して、車載装置1からスマートフォン2への給電が行われることとなる。
【0026】
ここで、車載装置1とスマートフォン2との間が有線接続されているときには、無線接続も確立していることとなる。そして、車載装置1とスマートフォン2との間の通信は、両者が無線接続されている場合には無線接続を介して行われる。ただし、車載装置1とスマートフォン2との間が有線接続されているときには、車載装置1とスマートフォン2との間の通信を有線接続によって行うようにしてもよい。
【0027】
ただし、スマートフォン2は、ハードウエア的には、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成されるものあり、SP-オペレーティングシステム206や、SP-AP207などは、当該コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0028】
また、同様に車載装置1は、ハードウエア的には、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成されるものであり、H-オペレーティングシステム106や、H-AP107などは、当該コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0029】
さて、このような構成において、車載装置1の有線接続要否判定アプリケーションは、有線接続不要通知処理を行う。
図2に、この有線接続不要通知処理の処理手順を示す。ここで、この有線接続不要通知処理は、車載装置1に電源が投入されて起動されると、その実行が開始される。
図示するように、この処理では、まず、スマートフォン2と車載装置1との無線接続の発生を待ち(ステップ202)、無線接続が発生したならば、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されている状態であるかどうか判定し(ステップ204)、目的地が設定されていれば、ステップ220に進む。
【0030】
ここで、スマートフォン2と車載装置1との無線接続や有線接続の接続状態はH-オペレーティングシステム106が管理しており、有線接続不要通知処理では、H-オペレーティングシステム106に接続状態を問い合わせることにより、無線接続や有線接続の有無や発生を識別する。また、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されているかどうかは、当該スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションに通信を介して目的地設定の有無を問い合わせることにより識別する。
【0031】
一方、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されている状態でなければ(ステップ204)、スマートフォン2が車載装置1に有線接続されている状態の発生と(ステップ206)、スマートフォン2と車載装置1との無線接続の解除の発生(ステップ208)とを監視し、無線接続の解除が発生した場合には(ステップ208)、ステップ202からの処理に戻る。
【0032】
一方、スマートフォン2が車載装置1に有線接続されている状態となっていれば(ステップ206)、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されている状態であるかどうか判定し(ステップ210)、目的地が設定されている状態にあれば、ステップ220に進む。
【0033】
一方、ステップ210において、目的地が設定されていない状態にあると判定された場合には、上述のようなナビゲーションクライアントアプリケーションを介したナビゲーションアプリケーションへのユーザによる目的地の設定の発生と(ステップ212)、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されている状態での自動車のエンジンオフの発生と(ステップ214)、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションにおいて目的地が設定されている状態でのスマートフォン2と車載装置1の有線接続の解除の発生と(ステップ216)、スマートフォン2と車載装置1との無線接続の解除の発生(ステップ218)とを監視する。
【0034】
ここで、自動車のエンジンオフの発生は、ECUインタフェース108を介して取得したECUが管理しているエンジン状態より識別する。
そして、スマートフォン2と車載装置1との無線接続の解除が発生した場合には(ステップ218)、ステップ202からの処理に戻る。
一方、ナビゲーションアプリケーションへのユーザによる目的地の設定(ステップ212)、目的地が設定されている状態での自動車のエンジンオフ(ステップ214)、目的地が設定されている状態でのスマートフォン2と車載装置1の有線接続の解除(ステップ216)のいずれかが発生した場合にはステップ220に進む。
【0035】
そして、以上のようにしてステップ204、210-216のいずれかのステップからステップ220に進んだならば、スマートフォン2の充電状態通知アプリケーションに通信を介して問い合わせることにより、スマートフォン2のバッテリ212の残量(現在の充電量)を取得し(ステップ220)、スマートフォン2のバッテリ212の残量が、所要電力量より大きいかどうかを調べる(ステップ222)。
【0036】
ここで、所要電力量は、目的地到達までのスマートフォン2の予想消費電力量、または、当該予想消費電力量に所定のマージンMgnを加えた電力量とする。なお、所定のマージンMgnは、たとえば、スマートフォン2のバッテリ212の満充電量の30%に相当する電力量とする。
【0037】
また、目的地到達までのスマートフォン2の予想消費電力量は、たとえば、以下のように求める。
すなわち、まず、目的地到着までの推定所要時間を、スマートフォン2のナビゲーションアプリケーションに通信を介して問い合わせることにより取得する。そして、スマートフォン2の消費電力を、取得した推定所要時間に乗じて、目的地到達までのスマートフォン2の予想消費電力量とする。
【0038】
ここで、スマートフォン2の消費電力は、スマートフォン2の消費電力の最大値や、現在のスマートフォン2の消費電力や、過去所定期間のスマートフォン2の消費電力の平均を、スマートフォン2の消費電力として算出する消費電力検出アプリケーションをSP-APの一つとしてスマートフォン2に設けて、有線接続不要通知処理において、消費電力検出アプリケーションに通信を介して算出しているスマートフォン2の消費電力を問い合わせることにより取得するようにしてもよい。また、スマートフォン2の消費電力としては、スマートフォン2の消費電力の最大値や平均値を表す固定値を、予め有線接続不要通知処理に設定しておき、当該設定しておいた固定値をスマートフォン2の消費電力として用いるようにしてもよい。
【0039】
さて、次に、スマートフォン2のバッテリ212の残量が所要電力量より大きくない場合には(ステップ222)、目的地到着までスマートフォン2を稼働させるために、スマートフォン2を車載装置1に接続する必要がないことを示すメッセージを図3aに示すように表示装置102に表示する(ステップ224)。ここで、図3aは、このようなメッセージを表示した表示装置102の表示例示したものであり、この例では、ナビゲーションクライアントアプリケーションが表示しているナビゲーションアプリケーションの案内画像上に、「スマートフォン2をケーブル接続(充電)しなくても、目的地到着まで、スマートフォン2は稼働できます。」とのメッセージ301を表示している。
【0040】
そして、現在、スマートフォン2が車載装置1に有線接続されている場合には(ステップ226)、ステップ212からの処理に戻り、有線接続されていない場合には(ステップ206)から処理に戻る。
一方、スマートフォン2のバッテリ212の残量が所要電力量より大きい場合には、そのまま、車載装置1に有線接続されている場合には(ステップ226)、ステップ212からの処理に戻り、有線接続されていない場合には(ステップ226)、ステップ206からの処理に戻る。
【0041】
以上、車載装置1の有線接続要否判定アプリケーションは、有線接続不要通知処理について説明した。
このような有線接続不要通知処理によれば、目的地が設定されているスマートフォン2を有線接続している状態で車載装置1を起動したとき(ステップ202)、目的地が設定されているスマートフォン2を携帯したユーザが自動車に搭乗し車載装置1を起動したとき(ステップ202)、目的地が設定されているスマートフォン2をユーザが車載装置1に有線接続したとき(ステップ210)、スマートフォン2が車載装置1に有線接続された状態でユーザが目的地設定を行ったとき(ステップ212)、目的地が設定されているスマートフォン2が車載装置1に有線接続されている状態でエンジンがオフされたとき(ステップ214)、目的地が設定されているスマートフォン2の車載装置1との有線接続をユーザが解除したとき(ステップ216)、目的地が設定されているスマートフォン2が車載装置1に無線接続したとき(ステップ202)に、所要電力量がスマートフォン2のバッテリ212に残っている場合には、スマートフォン2を車載装置1に有線接続して充電する必要がないことをユーザに通知するメッセージが出力される。
【0042】
なお、スマートフォン2を有線接続している状態で車載装置1を起動したときや、スマートフォン2を携帯したユーザが自動車に搭乗した状態で車載装置1が起動したときには、車載装置1の起動直後にスマートフォン2と車載装置無線接続が発生し、ステップ202で検出されることとなる。
【0043】
よって、ユーザは、これらのときに、メッセージより、車載装置1とスマートフォン2をケーブルで接続しなくても車載装置1と連動させて、目的地到着まで、利用可能なことを認知して、それ以上の充電が不要と考える場合には、スマートフォン2の車載装置1へのケーブル接続を行わないようにすることができる。また、これにより不必要な充電を繰り返すことによりバッテリの寿命の短縮も避けることができるようになる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上の実施形態における有線接続不要通知処理におけるステップ224のメッセージの出力は、スマートフォン2のバッテリ212が満充電となっていない場合には、これを行わないようにしてもよい。また、有線接続不要通知処理は、目的地が設定された状態でスマートフォン2が有線接続されている期間中に、スマートフォン2のバッテリ212の残量が所要電力量より大きくなった時点で、上記したメッセージを出力する処理として構成するようにしてもよい。
【0045】
また、以上の実施形態における有線接続不要通知処理は、単に、目的地が設定されているスマートフォン2と車載装置1とが有線接続された状態で、車載装置1が起動されたときに、所要電力量がスマートフォン2のバッテリ212に残っているかどうかを調べて、残っている場合に、上記したメッセージを出力する処理としてもよい。
【0046】
また、以上の実施形態における有線接続不要通知処理は、目的地が設定された状態でスマートフォン2との有線接続が解除された後に、スマートフォン2において移動電話アプリケーションなどのナビゲーションアプリケーションと充電状態通知アプリケーション以外の所定のアプリケーション、または、ナビゲーションアプリケーションと充電状態通知アプリケーション以外の他の任意のアプリケーションが起動された場合に、当該起動されたアプリケーションの実行が終了したときに、所要電力量がスマートフォン2のバッテリ212に残っているかどうかを調べて、残っている場合に、目的地到達までスマートフォン2を稼働させるために、スマートフォン2を車載装置1に有線接続する必要がないことをユーザに通知するメッセージを出力する処理としてもよい。なお、この場合において、スマートフォン2におけるアプリケーションの実行状況は、無線接続による通信を介した問い合わせをスマートフォン2に発行することにより、スマートフォン2から取得するようにする。
【0047】
また、以上の実施形態における有線接続不要通知処理では、目的地到着までスマートフォン2を稼働させるために、スマートフォン2を車載装置1に接続する必要がないことを示すメッセージを車載装置1の表示装置102に表示したが、このメッセージは、図3bに302として示すようにスマートフォン2のディスプレイ202に表示するようにしてもよい。すなわち、この場合には、有線接続不要通知処理からメッセージの表示をスマートフォン2に依頼し、スマートフォン2において当該メッセージをディスプレイ202に表示するようにする。
【0048】
また、以上の実施形態における有線接続不要通知処理において、メッセージの表示と共に、または、当該メッセージの表示に代えて、音声により、目的地到着までスマートフォン2を稼働させるために、スマートフォン2を車載装置1に接続する必要がないことをユーザに通知するメッセージを車載装置1の音声入出力装置103またはスマートフォン2の音声入出力部203から出力するようにしてもよい。
【0049】
なお、以上では携帯装置にナビゲーション機能を持つナビゲーションアプリケーションを備えた場合について説明したが、以上の実施形態は、スマートフォン2に代えて車載装置1にナビゲーション機能を持つアプリケーションを備える場合にも同様に適用可能である。すなわち、この場合には、以上の有線接続不要通知処理において、目的地の設定の有無や、目的地到達までの予想所要時間を、車載装置1が備えるナビゲーション機能を持つアプリケーションから取得するようにすればよい。
【0050】
また、以上の実施形態は、携帯装置がスマートフォン2である場合について説明したが、本実施形態は、スマートフォン2やPDAや、携帯電話などの任意の携帯装置を車載装置1に接続して用いる場合に同様に適用可能である。また、以上の実施形態における、有線インタフェースは、充電専用のインタフェースであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…車載装置、2…スマートフォン、101…入力装置、102…表示装置、103…音声入出力装置、104…無線インタフェース、105…有線インタフェース、106…H-オペレーティングシステム、107…H-AP、108…ECUインタフェース、109…電源回路、110…給電回路、201…操作部、202…ディスプレイ、203…音声入出力部、204…無線インタフェース、205…有線インタフェース、206…SP-オペレーティングシステム、207…SP-AP、208…GPS受信機、209…ジャイロセンサ、210…移動通信装置、211…充電回路、212…バッテリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される車載装置であって、
内蔵するバッテリの電力で稼働する携帯装置を無線接続可能な無線インタフェースと、
前記携帯装置を有線接続可能な有線インタフェースと、
前記有線インタフェースに有線接続された前記携帯装置に、前記バッテリの充電用の電力を給電する給電手段と、
前記携帯装置との協調動作によって、または、当該車載装置の単独動作によって、ユーザから設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーション手段と、
前記目的地到達までの前記携帯装置の消費電力量、または、当該消費電力量に所定のマージンを加えた電力量を所要電力量として推定し、前記無線インタフェースに無線接続されている前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、目的地到達まで前記携帯装置を稼働するために前記携帯装置を有線接続する必要がない旨のメッセージを出力するメッセージ出力手段とを有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されている状態で、前記携帯装置と前記有線インタフェースとの有線接続が解除されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記無線インタフェースに無線接続されている状態で、前記携帯装置と前記有線インタフェースとの有線接続が解除された後に、当該携帯装置において起動された処理が終了したときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項5】
自動車に搭載される車載装置であって、
内蔵するバッテリの電力で稼働する携帯装置を無線接続可能な無線インタフェースと、
前記携帯装置を有線接続可能な有線インタフェースと、
前記有線インタフェースに有線接続された前記携帯装置に、前記バッテリの充電用の電力を給電する給電手段と、
前記携帯装置との協調動作によって、または、当該車載装置の単独動作によって、ユーザから設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーション手段と、
前記目的地到達までの前記携帯装置の消費電力量、または、当該消費電力量に所定のマージンを加えた電力量を所要電力量として推定し、前記有線インタフェースに有線接続されている前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、目的地到達まで前記携帯装置を稼働するために前記携帯装置を有線接続する必要がない旨のメッセージを出力するメッセージ出力手段とを有することを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項5記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項5記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されている状態で、前記目的地が設定されたときに、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項5記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続されている状態で、前記自動車のエンジンがオフされたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項5記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続された状態で、当該車載装置が起動されたときに、前記目的地が設定されている場合に、前記携帯装置のバッテリの残量が前記所要電力量を超えているかどうかを判定し、前記バッテリの残量が前記所要電力量を超えている場合に、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項5記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記携帯装置が前記有線インタフェースに有線接続され、前記目的地が設定されている状態で、前記携帯装置のバッテリの残量が、前記所要電力量を超える値に変化したときに、前記メッセージを出力することを特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の車載装置であって、
前記メッセージ出力手段は、前記バッテリが満充電の状態にないときには、前記メッセージの出力は行わないことを特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−173144(P2012−173144A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35552(P2011−35552)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】