車載装置
【課題】ユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることのできる車載装置を提供すること。
【解決手段】車載装置1は、加工情報取得部14bと、解析変換部と、設定変更部14cとを備える。加工情報取得部14bは、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置2から、ユーザが該携帯端末装置2に対して施した加工に関する加工情報22eを取得する。解析変換部は、加工情報取得部14bによって取得された加工情報22eを解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する。設定変更部14cは、解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する。
【解決手段】車載装置1は、加工情報取得部14bと、解析変換部と、設定変更部14cとを備える。加工情報取得部14bは、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置2から、ユーザが該携帯端末装置2に対して施した加工に関する加工情報22eを取得する。解析変換部は、加工情報取得部14bによって取得された加工情報22eを解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する。設定変更部14cは、解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の通信機器と連携して各種のサービスを提供する車載装置が知られている。
【0003】
また、近年では、車載装置による情報提示の態様をユーザの特性や嗜好に応じて変更する技術が知られている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、通信機器のユーザに対して提示する情報内容や表示形式を通信機器の識別子と関連付けてあらかじめ記憶しておき、通信機器との通信が確立した場合に、この通信機器に対応する設定情報を用いて情報提示を行う車載装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/047407号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術は、ユーザの嗜好や趣味等の特性が変化した場合、かかる変化に情報提示の態様を追従させることが容易ではなかった。
【0007】
たとえば、従来技術では、ユーザに対応する設定情報として、あらかじめ記憶された固定的な情報が使用される。このため、従来技術では、ユーザの特性や嗜好の変化に対して情報提示の態様を追従させることが困難であった。また、情報提示の態様を変更する場合には、キー操作等を行って設定情報を変更することとなるため、ユーザに煩わしさを感じさせるおそれがあった。
【0008】
特に、レンタカーやカーシェアリング等のように、使用者(運転者や搭乗者等)が頻繁に変わるような場合に、使用者の嗜好に合った設定情報に変更するための操作に煩わしさを感じさせるおそれがあった。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの特性や嗜好等の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることのできる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する車載装置は、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、前記加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部と、前記解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する設定変更部とを備える。
【0011】
また、本願の開示する車載装置は、ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部を有する携帯端末装置から前記動作設定情報を取得する設定情報取得部と、前記設定情報取得部によって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する設定変更部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する車載装置の一つの態様によれば、ユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る車載装置の概要図である。
【図2A】図2Aは、車載装置のディスプレイに表示される画面の表示例を示す図である。
【図2B】図2Bは、車載装置のディスプレイに表示される画面の表示例を示す図である。
【図3】図3は、車載装置および携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、変換処理の動作例を示す図である。
【図5A】図5Aは、変換処理の他の動作例を示す図である。
【図5B】図5Bは、変換処理の他の動作例を示す図である。
【図6】図6は、車載装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、携帯端末装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係る変換処理の動作例を示す図である。
【図9】図9は、実施例2に係る変換処理の他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する車載装置のいくつかの実施例を詳細に説明する。ただし、これらの実施例における例示で本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
まず、実施例1に係る車載装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、実施例1に係る車載装置の概要図である。図1に示すように、車載装置1は、車両70に搭載されるカーナビゲーション装置等の装置である。
【0016】
実施例1に係る車載装置1は、車両70に乗車するユーザの嗜好や趣味等の特性に応じて情報提示の態様を変更することができる。特に、実施例1に係る車載装置1は、各ユーザが所持する携帯端末装置2から加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいて情報提示の態様を変更する。加工情報とは、ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する情報である。
【0017】
ここで、携帯端末装置2は、車載装置1や家庭用の電化製品等と異なり、ユーザによって常に所持される可搬型の情報端末装置である。このため、携帯端末装置2には、ユーザの特性が蓄積され易く、また、ユーザの特性が変化した場合であっても、かかる変化が反映され易い。携帯端末装置2において、ユーザの特性は、携帯端末装置2に対してユーザが施した加工、たとえば、壁紙の変更や文字フォント・文字サイズ等の変更にあらわれる。したがって、実施例1に係る車載装置1は、かかる携帯端末装置2に対してユーザが施した加工に関する加工情報を利用して設定変更を行うことで、車載装置1を使用するユーザの変更や、ユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【0018】
図2Aおよび図2Bに、車載装置1のディスプレイに表示される画面の表示例を示す。たとえば、図2Aに示すように、車載装置1は、主婦Aが所持する携帯端末装置2との間で通信リンクを確立した場合には、主婦Aが携帯端末装置2へ施した加工に関する加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいてタッチパネルディスプレイ12へ表示させる画面デザインを変更する。これにより、車載装置1のタッチパネルディスプレイ12には、たとえば、背景が花柄の画面が表示される。
【0019】
また、図2Bに示すように、車載装置1は、お年寄りBが所持する携帯端末装置2との間で通信リンクを確立した場合には、お年寄りBが携帯端末装置2へ施した加工に関する加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいてタッチパネルディスプレイ12へ表示させる画面デザインを変更する。これにより、車載装置1のタッチパネルディスプレイ12には、たとえば、文字サイズが大きめに設定された画面が表示される。
【0020】
このように、実施例1に係る車載装置1によれば、煩雑な設定操作を行うことなく、タッチパネルディスプレイ12に表示される画面をユーザの特性に合った画面に自動的に設定することができる。
【0021】
以下では、車載装置1および携帯端末装置2の構成および動作について具体的に説明する。図3は、車載装置1および携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。なお、図3では、車載装置1および携帯端末装置2の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0022】
図3に示すように、車載装置1は、近距離通信インタフェース11と、タッチパネルディスプレイ12と、記憶部13と、制御部14とを備える。また、記憶部13は、登録済みユーザ情報13aと、変換用アプリ13bと、動作設定情報13cとを記憶する。また、制御部14は、認証処理部14aと、加工情報取得部14bと、設定変更部14cと、表示制御部14dと、音量制御部14eとを備える。
【0023】
一方、携帯端末装置2は、たとえばスマートフォンであり、近距離通信インタフェース21と、記憶部22と、制御部23とを備える。また、記憶部22は、ユーザID22aと、設定情報22bと、アプリA22cと、アプリB22dと、加工情報22eと、変換用アプリ22fとを記憶する。また、制御部23は、認証処理部23aと、加工情報抽出部23bと、規格化部23cと、加工情報送信部23dとを備える。
【0024】
まず、携帯端末装置2の構成について説明する。近距離通信インタフェース21は、車載装置1との間で近距離無線通信を行うための通信デバイスである。携帯端末装置2/車載装置1間の近距離無線通信としては、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信規格を用いた近距離無線通信を用いることができる。なお、携帯端末装置2/車載装置1間の通信を有線通信で行ってもよい。
【0025】
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、ユーザID22a、設定情報22b、アプリA22c、アプリB22d、加工情報22eおよび変換用アプリ22fを記憶する。
【0026】
ユーザID22aは、たとえば携帯端末装置2のUIDである。なお、ユーザID22aは、UIDに限ったものではなく、たとえば、ユーザによって任意に設定されるIDであってもよい。
【0027】
設定情報22bは、携帯端末装置2において設定可能な各種項目の内容を含んだ情報である。たとえば、設定情報22bには、文字サイズ、文字フォント、文字色、壁紙といった表示関係の項目や、操作音パターンや操作音音量といった音声関係の項目等が含まれる。
【0028】
また、設定情報22bには、後述するアプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションの操作情報も含まれる。ここで、アプリケーションの操作情報とは、アプリケーションに対してユーザが行った操作に関する情報である。たとえば、アプリケーションがスケジュール管理用のアプリケーションである場合には、登録されたスケジュールの内容や、スケジュール表のレイアウトなどの情報が、アプリケーションの操作情報に該当する。
【0029】
設定情報22bは、ユーザが携帯端末装置2の設定変更(たとえば、壁紙の変更や操作音パターンの変更など)を行うたびに制御部23によって更新される。
【0030】
アプリA22cおよびアプリB22dは、携帯端末装置2のユーザによってダウンロードされたアプリケーションである。たとえば、アプリA22cは、囲碁ゲームのアプリケーションであり、アプリB22dは、釣りゲームのアプリケーションである。
【0031】
加工情報22eは、携帯端末装置2に対してユーザが施した加工に関する情報であり、加工情報抽出部23bによって生成される。かかる加工情報22eの内容については、後述する。
【0032】
変換用アプリ22fは、加工情報22eの内容を、複数機種の携帯端末装置2および複数機種の車載装置1間で共通して用いられる規格化設定情報の内容へ変換するためのアプリケーションである。かかる変換用アプリ22fは、後述する規格化部23cによって実行される。
【0033】
制御部23は、携帯端末装置2全体を制御する制御部であり、認証処理部23a、加工情報抽出部23b、規格化部23cおよび加工情報送信部23dを備える。
【0034】
認証処理部23aは、車両70に搭載される認証装置3からの要求に応じてユーザID22aを認証装置3へ送信する処理を行う処理部である。認証装置3へ送信されたユーザID22aは、認証装置3によって車載装置1の認証処理部14aへ受け渡される。
【0035】
なお、認証装置3は、車両70へ乗車したユーザの認証を行うための装置である。具体的には、認証装置3は、RFID(Radio Frequency Identification)等の近距離無線通信を用いて携帯端末装置2からユーザID22aを取得し、取得したユーザID22aを車載装置1へ受け渡す処理を行う。ここでは、認証装置3が車載装置1と別体である場合の例を示したが、車載装置1が認証装置3を備えていてもよい。
【0036】
加工情報抽出部23bは、記憶部22に記憶される設定情報22bやアプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションから必要な情報を抽出して加工情報22eを生成する処理部である。加工情報22eには、設定情報22bの一部または全ての項目や、アプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションの種別を示す種別情報等が含まれる。なお、アプリケーションの種別とは、たとえば「ゲーム」や「音楽」、「写真」等である。
【0037】
加工情報抽出部23bは、たとえば設定情報22bに含まれる各項目のうち「文字サイズ」、「文字色」、「背景色」、「操作音音量」、「時計パターン」といった項目を抽出する。また、加工情報抽出部23bは、アプリA22c、アプリB22dを参照し、これらのアプリケーションの種別を示す種別情報を抽出する。そして、加工情報抽出部23bは、抽出したこれらの情報を用いて加工情報22eを生成して記憶部22へ記憶する。
【0038】
なお、アプリケーションの種別を示す種別情報は、アプリケーションデータにあらかじめ含まれているものとするが、アプリケーションデータに種別情報が含まれていない場合には、アプリケーションを識別して種別を特定する処理を加工情報抽出部23bが行ってもよい。
【0039】
また、本実施例では、加工情報抽出部23bによって生成される加工情報が記憶部22に記憶される場合の例を示したが、加工情報抽出部23bは、携帯端末装置2から近距離通信インタフェース21経由で加工情報取得要求を受信した場合に、加工情報を生成して規格化部23cへ渡すこととしてもよい。また、車載装置1の制御部14が加工情報抽出部23bを備えていてもよい。
【0040】
規格化部23cは、携帯端末装置2から近距離通信インタフェース21経由で加工情報取得要求を受信した場合に、記憶部22に記憶される加工情報22eの内容を変換用アプリ22fを用いて規格化したうえで、加工情報送信部23dへ渡す処理部である。かかる規格化部23cによって、加工情報22eの内容は、複数機種の携帯端末装置2および複数機種の車載装置1間で共通して用いられる規格化設定情報の内容へ変換される。
【0041】
加工情報送信部23dは、規格化部23cから規格化された加工情報22eを受け取った場合に、受け取った加工情報22eを近距離通信インタフェース21経由で携帯端末装置2へ送信する処理を行う処理部である。
【0042】
つづいて、車載装置1の構成について説明する。近距離通信インタフェース11は、携帯端末装置2との間で近距離無線通信を行うための通信デバイスである。また、タッチパネルディスプレイ12は、各種画像を表示するためのディスプレイの表面に入力用のタッチパネルを付した入出力デバイスである。
【0043】
記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、登録済みユーザ情報13a、変換用アプリ13bおよび動作設定情報13cを記憶する。登録済みユーザ情報13aは、登録済みのユーザID22aの蓄積情報である。
【0044】
変換用アプリ13bは、規格化設定情報の内容を車載装置1で取り扱う設定情報の内容へ変換するためのアプリケーションである。かかる変換用アプリ13bは、後述する設定変更部14cによって実行される。
【0045】
動作設定情報13cは、車載装置1において設定可能な各種項目の内容を含んだ情報である。たとえば、動作設定情報13cには、文字サイズや、壁紙、音量といった項目等が含まれる。かかる動作設定情報13cは、ユーザのタッチパネルディスプレイ12への操作等によって変更されるほか、後述する設定変更部14cによっても変更される。
【0046】
制御部14は、車載装置1全体を制御する制御部であり、認証処理部14a、加工情報取得部14b、設定変更部14c、表示制御部14d、音量制御部14eを備える。
【0047】
認証処理部14aは、認証装置3から受け取ったユーザID22aに基づいてユーザ認証を行う処理部である。具体的には、認証処理部14aは、認証装置3から受け取ったユーザID22aが登録済みユーザ情報13aに含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に、このユーザを認証する。
【0048】
また、車載装置1の制御部14は、ユーザの認証に成功すると、携帯端末装置2との間で通信リンクを確立させる処理を行う。そして、認証処理部14aは、携帯端末装置2との間で通信リンクが確立すると、携帯端末装置2に対して加工情報取得要求を送信する。
【0049】
加工情報取得部14bは、携帯端末装置2の加工情報送信部23dから送信された加工情報22eを近距離通信インタフェース11経由で受信し、設定変更部14cへ渡す処理を行う処理部である。実施例1において、加工情報取得部14bは、規格化された加工情報22eを受信する。
【0050】
設定変更部14cは、動作設定情報13cの変更を行う処理部である。具体的には、設定変更部14cは、加工情報取得部14bから加工情報22eを受け取った場合に、受け取った加工情報22eに基づいて自装置の動作設定状態を変更する。
【0051】
このとき、設定変更部14cは、加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報13cへ変換する解析変換処理を行う。そして、設定変更部14cは、解析変換処理によって生成された動作設定情報13cに応じて動作設定情報13cを変更する。設定変更部14cが実行する解析変換処理および設定変更処理の内容については、図4を用いて後述する。
【0052】
表示制御部14dは、記憶部13に記憶された動作設定情報13cに従い、初期画面やメニュー画面といった各種の画面を生成してタッチパネルディスプレイ12へ表示させる処理を行う処理部である。また、音量制御部14eは、記憶部13に記憶された動作設定情報13cに従い、車両70に搭載されるスピーカ4の出力音量を制御する、具体的にはスピーカ4に駆動信号を出力する増幅回路の増幅度を制御する処理部である。なお、ここでは、スピーカ4が車載装置1と別体である場合の例を示したが、車載装置1がスピーカ4を備えていてもよい。
【0053】
次に、設定変更部14cが実行する解析変換処理の動作例について図4を用いて説明する。図4は、解析変換処理の動作例を示す図である。ここで、図4の左側には、携帯端末装置2の記憶部22に記憶される加工情報22eの一例を示している。また、図4の中央には、規格化された加工情報22eの一例を示し、図4の右側には、車載装置1の記憶部13に記憶される動作設定情報13cの一例を示している。
【0054】
図4に示すように、加工情報22eには、「ダウンロードアプリ」、「文字サイズ」、「文字フォント」、「文字色」、「背景色」、「壁紙」といった項目が含まれる。携帯端末装置2の規格化部23cは、加工情報22eに含まれるこれらの項目の内容を、変換用アプリ22fを用いて規格化設定情報の内容へ変換する。
【0055】
これにより、加工情報22eの各項目の内容は、他の機種で利用可能な一般的な内容へ変換される。たとえば、規格化部23cは、「ダウンロードアプリ」の内容が「A1」(たとえば、「囲碁ゲーム」)である場合には、かかる内容を「B1」(たとえば、「ボードゲーム」)へ変換する。また、規格化部23cは、「壁紙」の内容が「夏の海」である場合には、かかる内容を「海」へ変換する。また、規格化部23cは、「操作音音量」の内容が「A10」(たとえば、「5段階中の3」)である場合には、かかる内容を「B10」(たとえば、「10段階中の6」)へ変換する。
【0056】
また、規格化部23cは、加工情報22eには含まれないが規格化設定情報に含まれる項目がある場合には、加工情報22eに含まれる項目の内容を流用して変換処理を行う。たとえば、規格化設定情報に含まれる「警告音パターン」および「警告音音量」は、加工情報22eには含まれない。かかる場合、規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「呼び出し音パターン」項目の内容「A11」を流用し、かかる「A11」を「警告音パターン」項目の内容「B13」へ変換する。同様に、規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「呼び出し音音量」項目の内容「A12」を流用し、かかる「A12」を「警告音音量」項目の内容「B14」へ変換する。
【0057】
なお、「起動音パターン」のように、加工情報22eには含まれるが規格化設定情報には含まれない項目が存在する場合、規格化部23cは、かかる項目の変換を行わない。
【0058】
また、加工情報22eの各項目に関して、「文字サイズ」、「文字フォント」、「文字色」、「背景色」等は、設定された内容に対応するレベルや数値となるよう規格化設定情報に変換され、「ダウンロードアプリ」や「壁紙」等は、設定された内容と、例えば、ユーザの年齢、性別、住所、職業、使用頻度等のユーザ情報とに基づいて、ユーザが希望する設定状態を推測した設定推測情報を導出し、導出された設定推測情報に基づいて規格化設定情報に変換される。
【0059】
つづいて、車載装置1では、加工情報取得部14bが、規格化された加工情報22eを携帯端末装置2から受信すると、設定変更部14cが、変換用アプリ13bを用いてかかる加工情報22eの解析変換処理を行う。たとえば、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eにおける「文字サイズ」項目の内容が「B2」である場合には、かかる内容「B2」を「C2」へ変換する。
【0060】
さらに、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「ダウンロードアプリ」項目の内容を考慮して、他の項目の内容の解析変換を行う。たとえば、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「ダウンロードアプリ」項目の内容が「B1」(たとえば、「ボードゲーム」)である場合には、「壁紙」項目の内容「海」を「海(ゲーム風)」へ変換する。また、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「時計パターン」項目の内容「デジタル」を、「ダウンロードアプリ」項目の内容「B1」を考慮して「ゲーム風デジタル」へ変更する。
【0061】
このように、設定変更部14cは、加工情報取得部14bによって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部として機能する。すなわち、設定変更部14cは、携帯端末装置2のユーザがダウンロードしたアプリケーションを考慮し、「壁紙」や「音パターン」、「時計パターン」といった他の項目の内容を変換することで、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0062】
次に、解析変換処理の他の動作例について図5Aおよび図5Bを用いて説明する。図5Aおよび図5Bは、解析変換処理の他の動作例を示す図である。
【0063】
設定変更部14cは、あらかじめ決められた複数の設定パターンの中から、携帯端末装置2にダウンロードされたアプリケーションの数や種別に基づいて1つの設定パターンを選択し、選択した設定パターンで動作設定情報13cを変更することも可能である。
【0064】
たとえば、図5Aに示すように、設定変更部14cは、携帯端末装置2にダウンロードされたアプリケーションの数に対して1個につき1点を加算する。すなわち、設定変更部14cは、携帯端末装置2に10個のアプリケーションがダウンロードされている場合には、10点を加算する。
【0065】
また、設定変更部14cは、携帯端末装置2にダウンロードされた全アプリケーションのうち、a種(たとえば、ゲーム)のアプリケーションが占める割合である「a種アプリ割合」に対して10%につき1点を加算する。すなわち、「a種アプリ割合」が30%である場合には、30点が加算される。同様に、設定変更部14cは、「b種アプリ割合」に対して10%につき5点を、「c種アプリ割合」に対して10%につき10点を、「d種アプリ割合」に対して10%につき20点を、「e種アプリ割合」に対して10%につき40点をそれぞれ加算する。
【0066】
つづいて、設定変更部14cは、合計点が「0〜20点」であれば設定パターン「P1」を選択し、「21〜50点」であれば設定パターン「P2」を選択し、「51〜100点」であれば設定パターン「P3」を選択し、「101〜300点」であれば設定パターン「P4」を選択する。また、設定変更部14cは、合計点が「301点以上」であれば設定パターン「P5」を選択する。そして、設定変更部14cは、選択した設定パターンで動作設定情報13cを設定する。
【0067】
このように、設定変更部14cは、アプリケーションの数や種別に基づいて計算された点数に応じて、あらかじめ決定された複数の設定パターンの中から1つの設定パターンを選択することとしてもよい。
【0068】
また、設定変更部14cは、図4に示す規格化された加工情報22eの内容を上記の合計点数に応じて部分的に変更することとしてもよい。たとえば、図5Bに示すように、設定変更部14cは、合計点が「0〜20点」であれば、規格化された加工情報22eに含まれる「文字サイズ」項目の内容「B2」(たとえば、「10pt」)を「β2」(たとえば、「12pt」)へ変更したり、「文字フォント」項目の内容「B3」(たとえば、「明朝」)を「β3」(たとえば、「ゴシック」)へ変更したりする。
【0069】
このように、車載装置1では、加工情報取得部14bが、携帯端末装置2に記憶されるアプリケーションの種別を示す種別情報を含む加工情報22eを取得し、設定変更部14cが、加工情報に含まれるアプリケーションの種別情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて加工情報を自装置の動作設定情報へ変換することとしてもよい。このようにすることで、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0070】
なお、加工情報22eには、アプリケーションの種別情報だけでなく、アプリケーションの操作情報も含まれる。アプリケーションの操作情報とは、上述したように、アプリケーションに対してユーザが行った操作に関する情報である。設定変更部14cは、かかるアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換してもよい。
【0071】
たとえば、アプリケーションがスケジュール管理用のアプリケーションである場合には、登録されたスケジュールの内容や、スケジュール表のレイアウトなどの情報がアプリケーションの操作情報に該当する。設定変更部14cは、かかる操作情報を用いて、たとえば図2Aに示したようなスケジュール表を含んだ初期画面を表示する設定に動作設定情報13cを変更する。
【0072】
このように、車載装置1では、加工情報取得部14bが、携帯端末装置2に対してダウンロードされたアプリケーションの操作情報を加工情報22eとして取得し、設定変更部14cが、加工情報取得部14bによって取得されたアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換することとしてもよい。このようにすることでも、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0073】
次に、車載装置1の具体的動作について図6を用いて説明する。図6は、車載装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図6には、車載装置1が実行する処理のうち、携帯端末装置2との間で通信リンクを確立させてからタッチパネルディスプレイ12に対して初期画面を表示させるまでの処理手順を示している。
【0074】
図6に示すように、車載装置1の制御部14は、自動設定モードがONされているか否かを判定する(ステップS101)。ここで、自動設定モードとは、設定変更部14cによる設定変更処理を行うモードである。このように、ユーザは、設定変更部14cによる設定変更処理を行うか否かを任意に選択することができる。
【0075】
ステップS101の処理において自動設定モードがONされていると判定すると(ステップS101,Yes)、制御部14は、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、制御部14は、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置2が複数台存在する場合に、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在すると判定する。
【0076】
ステップS102において、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在すると判定すると(ステップS102,Yes)、制御部14は、端末決定処理を実行する(ステップS103)。ここで、端末決定処理とは、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2を決定する処理、すなわち、特性を反映させるユーザを決定する処理である。
【0077】
たとえば、制御部14は、自装置との間で通信リンクを確立した携帯端末装置2のうち認証装置3によって認証されたユーザの携帯端末装置2を、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2として決定する。あるいは、自装置との間で通信リンクを確立した携帯端末装置2のリストを表示し、そのリストからユーザが選択した携帯端末装置2を、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2として決定する、と言った決定手法を採用することも可能である。
【0078】
また、制御部14は、たとえば男性が所持する携帯端末装置2の加工情報よりも女性が所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得したり、若者が所持する携帯端末装置2の加工情報よりもお年寄りが所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得したりしてもよい。
【0079】
また、制御部14は、車両70への乗車回数が最も多いユーザが所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得してもよい。ユーザの性別や年齢は、たとえば携帯端末装置2から近距離通信インタフェース11を介して取得することができる。また、車両70への乗車回数は、たとえば携帯端末装置2のUIDと関連付けて車載装置1の記憶部13に記憶しておけばよい。
【0080】
また、制御部14は、車両70に乗車するユーザの各携帯端末装置2の加工情報について、項目毎に多数決を採って処理する加工情報とする、と言った方法も採用することが可能である。
【0081】
ステップS103の処理を終えると、加工情報取得部14bは、ステップS103の端末決定処理において決定された携帯端末装置2から加工情報22eを取得する(ステップS104)。一方、ステップS102において複数台の携帯端末装置2が存在しない場合(ステップS102,No)、すなわち、車両70内に携帯端末装置2が1台だけ存在する場合には、加工情報取得部14bは、かかる携帯端末装置2から加工情報22eを取得する。
【0082】
なお、ステップS104において取得される加工情報は、携帯端末装置2の規格化部23cによって規格化された加工情報22eである。
【0083】
つづいて、設定変更部14cは、携帯端末装置2から取得した加工情報22eに対して解析処理を行うことによって動作設定情報13cを生成し(ステップS105)、生成した動作設定情報13cを用いて自装置の動作設定状態を変更する設定変更処理を行う(ステップS106)。
【0084】
ステップS106の処理を終えたとき、あるいは、ステップS101において自動設定モードがONされていない場合(ステップS101,No)、表示制御部14dは、動作設定情報13cに従って初期画面を生成してタッチパネルディスプレイ12へ表示させ(ステップS107)、処理を終える。
【0085】
次に、携帯端末装置2の具体的動作について図7を用いて説明する。図7は、携帯端末装置2が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理手順は、携帯端末装置2の起動中において繰り返し実行される。
【0086】
図7に示すように、携帯端末装置2では、制御部23が、加工情報取得要求を受信したか否かを判定し(ステップS201)、受信したと判定すると(ステップS201,Yes)、規格化部23cが、記憶部22から加工情報22eを取り出し、取り出した加工情報22eを変換用アプリ22fを用いて規格化する(ステップS202)。
【0087】
なお、ステップS201において加工情報取得要求を受信していない場合(ステップS201,No)、制御部23は、加工情報取得要求を受信するまでステップS201の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS202の処理を終えると、加工情報送信部23dは、規格化された加工情報22eを車載装置1に対して送信し(ステップS203)、処理を終える。
【0089】
上述してきたように、実施例1では、加工情報取得部が、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する。また、実施例1では、設定変更部が、加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換処理を行うとともに、解析変換処理によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更することとした。
【0090】
したがって、実施例1に係る車載装置によれば、搭乗者の変更に伴う装置を使用する使用者の変更やユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【0091】
また、実施例1では、設定変更部が、加工情報の内容を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換する解析変換処理を行ったうえで設定変更を行うこととした。具体的には、加工情報取得部が、規格化された加工情報を携帯端末装置から取得し、設定変更部が、記憶部に記憶された変換用アプリケーションを用い、規格化された加工情報の内容を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換する解析変換処理を行ったうえで、設定変更を行うこととした。
【0092】
これにより、車載装置は、通信リンクを確立させた携帯端末装置の機種によらず、常に、規格化された加工情報を取得することとなるため、携帯端末装置の機種ごとに変換用アプリケーションを記憶しておく必要がない。
【0093】
また、実施例1では、設定変更部が、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置が複数台存在する場合に、所定の優先条件に従って決定された一の携帯端末装置からの加工情報に基づいて設定変更を行うこととした。したがって、車両に複数のユーザが乗車している場合であっても、特性を反映させるユーザを容易に決定することができる。
【0094】
なお、実施例1では、設定変更部が、解析変換処理も併せて行う場合の例を示したが、車載装置の制御部は、設定変更部とは別に解析変換処理を行う処理部(解析変換部)を備えていてもよい。
【実施例2】
【0095】
ところで、上述してきた実施例1では、携帯端末装置2の規格化部23cが、加工情報22eを規格化したうえで車載装置1へ送信し、車載装置1の設定変更部14cが、規格化された加工情報22eを自装置で取り扱う動作設定情報13cの内容へ変換する場合の例について説明した。しかし、車載装置1の設定変更部14cが実行する解析変換処理は、これに限ったものではない。
【0096】
そこで、実施例2では、解析変換処理の他の動作例について図8を用いて説明する。図8は、実施例2に係る解析変換処理の動作例を示す図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0097】
図8に示すように、実施例2では、サーバ5が、車載装置1の機種および携帯端末装置2の機種の組合せごとに、変換用アプリケーションを記憶するデータベース51を備える。たとえば、データベース51には、変換用アプリ「SA1−AV1」が記憶される。かかる変換用アプリ「SA1−AV1」は、機種「SA1」の携帯端末装置2と機種「AV1」の車載装置1との組合せに対応した専用の変換用アプリケーションである。
【0098】
携帯端末装置2の制御部23は、車載装置1との間で通信リンクを確立させると、かかる車載装置1から車載装置1の機種情報を取得する。なお、図8に示す例では、車載装置1の機種が「AV5」であるものとする。
【0099】
つづいて、携帯端末装置2の制御部23は、自装置の機種「SA1」および車載装置1の機種「AV5」の組合せに対応する変換用アプリ「SA1−AV5」をサーバ5からダウンロードする(図8の(1)参照)。ダウンロードされた変換用アプリ「SA1−AV5」は、たとえば記憶部22に記憶される。
【0100】
なお、対応する変換用アプリ(本例では「SA1−AV5」)を既にダウンロードし記憶している場合には、変換用アプリを新たにダウンロードせずに記憶している対応変換アプリを用いる用にすることにより、ダウンロードにかかる時間や費用等を削減することができる。
【0101】
つづいて、携帯端末装置2の規格化部23cは、記憶部22に記憶された変換用アプリ「SA1−AV5」に従って加工情報22eを変換する(図8の(2)参照)。すなわち、実施例2に係る規格化部23cは、加工情報22eを規格化するのではなく、機種「AV5」の車載装置1において取り扱われる動作設定情報13cの内容へ加工情報22eを直接変換する。
【0102】
たとえば、携帯端末装置2の規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「A2」、「A3」、「A4」、「A5」といった内容を、車載装置1で取り扱い可能な内容「C2」、「C3」、「C4」、「C5」へ直接変換して車載装置1へ送信する。そして、車載装置1の加工情報取得部14bは、自装置向けの内容へ変換済みの加工情報22e、すなわち、動作設定情報を受信する(図8の(3)参照)。
【0103】
このように、自装置の機種および車載装置1の機種の組合せごとに、専用の変換用アプリケーションを作成し、加工情報22eを規格化することなく車載装置1で取り扱う動作設定情報13cの内容へ直接的に変換する。
【0104】
すなわち、図8に示した例では、携帯端末装置2の制御部が解析変換部を備え、かかる解析変換部が、加工情報を解析処理して動作設定情報へ変換する解析変換処理を行い、車載装置3の加工情報取得部14bが、携帯端末装置2から動作設定情報を取得する設定情報取得部として機能し、設定変更部14cが、加工情報取得部14bによって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する。
【0105】
また、図8に示した例において、動作設定情報は、複数の機種の携帯端末装置2および複数の機種の車載装置3で共通して用いられる規格化設定情報である。そして、図8に示した例では、加工情報取得部14bが、規格化設定情報を取得し、設定変更部14cが、規格化設定情報を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換して、自装置の動作設定状態を変更する。
【0106】
これにより、規格化情報と、携帯端末装置2及び車載装置1における加工情報/設定情報のズレ(項目の有無や設定ステップ数の違い等)に伴う精度の低下を抑える事ができ、加工情報22eを一旦規格化する場合と比較して精度の高い変換を行うことが可能となる。
【0107】
なお、図8では、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理を携帯端末装置2が行う場合の例について説明したが、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理は、車載装置1が行ってもよい。
【0108】
かかる場合には、車載装置1の加工情報取得部14bが、携帯端末装置2から加工情報22eを受信したのち、設定変更部14cが、図8に示す(1)および(2)の処理を行えばよい。
【0109】
また、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理は、サーバ5が行ってもよい。図9に、実施例2に係る変換処理の他の動作例を示す。
【0110】
図9に示すように、携帯端末装置2の制御部23は、サーバ5に対して変換要求を送信する(図9の(1)参照)。ここで、変換要求には、加工情報22e、自装置の機種情報(ここでは、「SA1」)、自装置と通信リンクを確立した車載装置1の機種情報(ここでは、「AZ5」)等が含まれる。
【0111】
サーバ5は、携帯端末装置2から変換要求を受信すると、かかる変換要求に含まれる車載装置1の機種情報および携帯端末装置2の機種情報を参照して、対応する変換用アプリ「SA1−AV5」を選択する。また、サーバ5は、選択した変換用アプリ「SA1−AV5」に従って加工情報22eを変換し(図9の(2)参照)、変換済みの加工情報22e、すなわち車載装置3向けの動作設定情報を携帯端末装置2へ送信する(図9の(3)参照)。
【0112】
そして、携帯端末装置2では、変換済みの加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)をサーバ5から受信すると(図9の(4)参照)、加工情報送信部23dが、受信した加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)を車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の加工情報取得部14bは、変換済みの加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)を受信することとなる(図9の(5)参照)。
【0113】
このように、加工情報22eの変換処理をサーバ5で行うこととすれば、携帯端末装置2は、異なる機種の車載装置1と通信リンクを確立するたびに、専用の変換用アプリケーションをサーバ5からダウンロードする必要がなくなる。また、携帯端末装置2の記憶部22が変換用アプリケーションによって圧迫されるおそれもない。
【0114】
なお、サーバ5は、携帯端末装置2から加工情報22eを受信し、受信した加工情報22eを規格化する処理を行ってもよい。かかる場合、車載装置1の設定変更部14cは、実施例1と同様、規格化された加工情報22eを携帯端末装置2から受信し、受信した加工情報22eを変換用アプリ22fを用いて変換すればよい。
【0115】
また、携帯端末装置2は、車載装置1の動作設定情報13cを車載装置1から吸い上げて、次回の乗車時に利用することとしてもよい。かかる場合、携帯端末装置2の制御部23は、車載装置1との間であらたに通信リンクを確立させた場合に、加工情報22eに代えて車載装置1から前回吸い上げた動作設定情報13cを車載装置1へ送信する。そして、車載装置1では、設定変更部14cが、携帯端末装置2から取得した動作設定情報13cを記憶部13へ記憶すればよい。
【0116】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 車載装置
11 近距離通信インタフェース
12 タッチパネルディスプレイ
13 記憶部
13a 登録済みユーザ情報
13b 変換用アプリ
13c 設定情報
14 制御部
14a 認証処理部
14b 加工情報取得部
14c 設定変更部
14d 表示制御部
14e 音量制御部
2 携帯端末装置
21 近距離通信インタフェース
22 記憶部
22a ユーザID
22b 設定情報
22c アプリA
22d アプリB
22e 加工情報
22f 変換用アプリ
23 制御部
23a 認証処理部
23b 加工情報抽出部
23c 規格化部
23d 加工情報送信部
3 認証装置
4 スピーカ
5 サーバ
51 データベース
70 車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の通信機器と連携して各種のサービスを提供する車載装置が知られている。
【0003】
また、近年では、車載装置による情報提示の態様をユーザの特性や嗜好に応じて変更する技術が知られている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、通信機器のユーザに対して提示する情報内容や表示形式を通信機器の識別子と関連付けてあらかじめ記憶しておき、通信機器との通信が確立した場合に、この通信機器に対応する設定情報を用いて情報提示を行う車載装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/047407号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術は、ユーザの嗜好や趣味等の特性が変化した場合、かかる変化に情報提示の態様を追従させることが容易ではなかった。
【0007】
たとえば、従来技術では、ユーザに対応する設定情報として、あらかじめ記憶された固定的な情報が使用される。このため、従来技術では、ユーザの特性や嗜好の変化に対して情報提示の態様を追従させることが困難であった。また、情報提示の態様を変更する場合には、キー操作等を行って設定情報を変更することとなるため、ユーザに煩わしさを感じさせるおそれがあった。
【0008】
特に、レンタカーやカーシェアリング等のように、使用者(運転者や搭乗者等)が頻繁に変わるような場合に、使用者の嗜好に合った設定情報に変更するための操作に煩わしさを感じさせるおそれがあった。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの特性や嗜好等の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることのできる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する車載装置は、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、前記加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部と、前記解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する設定変更部とを備える。
【0011】
また、本願の開示する車載装置は、ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部を有する携帯端末装置から前記動作設定情報を取得する設定情報取得部と、前記設定情報取得部によって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する設定変更部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する車載装置の一つの態様によれば、ユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る車載装置の概要図である。
【図2A】図2Aは、車載装置のディスプレイに表示される画面の表示例を示す図である。
【図2B】図2Bは、車載装置のディスプレイに表示される画面の表示例を示す図である。
【図3】図3は、車載装置および携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、変換処理の動作例を示す図である。
【図5A】図5Aは、変換処理の他の動作例を示す図である。
【図5B】図5Bは、変換処理の他の動作例を示す図である。
【図6】図6は、車載装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、携帯端末装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係る変換処理の動作例を示す図である。
【図9】図9は、実施例2に係る変換処理の他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する車載装置のいくつかの実施例を詳細に説明する。ただし、これらの実施例における例示で本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
まず、実施例1に係る車載装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、実施例1に係る車載装置の概要図である。図1に示すように、車載装置1は、車両70に搭載されるカーナビゲーション装置等の装置である。
【0016】
実施例1に係る車載装置1は、車両70に乗車するユーザの嗜好や趣味等の特性に応じて情報提示の態様を変更することができる。特に、実施例1に係る車載装置1は、各ユーザが所持する携帯端末装置2から加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいて情報提示の態様を変更する。加工情報とは、ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する情報である。
【0017】
ここで、携帯端末装置2は、車載装置1や家庭用の電化製品等と異なり、ユーザによって常に所持される可搬型の情報端末装置である。このため、携帯端末装置2には、ユーザの特性が蓄積され易く、また、ユーザの特性が変化した場合であっても、かかる変化が反映され易い。携帯端末装置2において、ユーザの特性は、携帯端末装置2に対してユーザが施した加工、たとえば、壁紙の変更や文字フォント・文字サイズ等の変更にあらわれる。したがって、実施例1に係る車載装置1は、かかる携帯端末装置2に対してユーザが施した加工に関する加工情報を利用して設定変更を行うことで、車載装置1を使用するユーザの変更や、ユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【0018】
図2Aおよび図2Bに、車載装置1のディスプレイに表示される画面の表示例を示す。たとえば、図2Aに示すように、車載装置1は、主婦Aが所持する携帯端末装置2との間で通信リンクを確立した場合には、主婦Aが携帯端末装置2へ施した加工に関する加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいてタッチパネルディスプレイ12へ表示させる画面デザインを変更する。これにより、車載装置1のタッチパネルディスプレイ12には、たとえば、背景が花柄の画面が表示される。
【0019】
また、図2Bに示すように、車載装置1は、お年寄りBが所持する携帯端末装置2との間で通信リンクを確立した場合には、お年寄りBが携帯端末装置2へ施した加工に関する加工情報を取得し、取得した加工情報に基づいてタッチパネルディスプレイ12へ表示させる画面デザインを変更する。これにより、車載装置1のタッチパネルディスプレイ12には、たとえば、文字サイズが大きめに設定された画面が表示される。
【0020】
このように、実施例1に係る車載装置1によれば、煩雑な設定操作を行うことなく、タッチパネルディスプレイ12に表示される画面をユーザの特性に合った画面に自動的に設定することができる。
【0021】
以下では、車載装置1および携帯端末装置2の構成および動作について具体的に説明する。図3は、車載装置1および携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。なお、図3では、車載装置1および携帯端末装置2の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0022】
図3に示すように、車載装置1は、近距離通信インタフェース11と、タッチパネルディスプレイ12と、記憶部13と、制御部14とを備える。また、記憶部13は、登録済みユーザ情報13aと、変換用アプリ13bと、動作設定情報13cとを記憶する。また、制御部14は、認証処理部14aと、加工情報取得部14bと、設定変更部14cと、表示制御部14dと、音量制御部14eとを備える。
【0023】
一方、携帯端末装置2は、たとえばスマートフォンであり、近距離通信インタフェース21と、記憶部22と、制御部23とを備える。また、記憶部22は、ユーザID22aと、設定情報22bと、アプリA22cと、アプリB22dと、加工情報22eと、変換用アプリ22fとを記憶する。また、制御部23は、認証処理部23aと、加工情報抽出部23bと、規格化部23cと、加工情報送信部23dとを備える。
【0024】
まず、携帯端末装置2の構成について説明する。近距離通信インタフェース21は、車載装置1との間で近距離無線通信を行うための通信デバイスである。携帯端末装置2/車載装置1間の近距離無線通信としては、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信規格を用いた近距離無線通信を用いることができる。なお、携帯端末装置2/車載装置1間の通信を有線通信で行ってもよい。
【0025】
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、ユーザID22a、設定情報22b、アプリA22c、アプリB22d、加工情報22eおよび変換用アプリ22fを記憶する。
【0026】
ユーザID22aは、たとえば携帯端末装置2のUIDである。なお、ユーザID22aは、UIDに限ったものではなく、たとえば、ユーザによって任意に設定されるIDであってもよい。
【0027】
設定情報22bは、携帯端末装置2において設定可能な各種項目の内容を含んだ情報である。たとえば、設定情報22bには、文字サイズ、文字フォント、文字色、壁紙といった表示関係の項目や、操作音パターンや操作音音量といった音声関係の項目等が含まれる。
【0028】
また、設定情報22bには、後述するアプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションの操作情報も含まれる。ここで、アプリケーションの操作情報とは、アプリケーションに対してユーザが行った操作に関する情報である。たとえば、アプリケーションがスケジュール管理用のアプリケーションである場合には、登録されたスケジュールの内容や、スケジュール表のレイアウトなどの情報が、アプリケーションの操作情報に該当する。
【0029】
設定情報22bは、ユーザが携帯端末装置2の設定変更(たとえば、壁紙の変更や操作音パターンの変更など)を行うたびに制御部23によって更新される。
【0030】
アプリA22cおよびアプリB22dは、携帯端末装置2のユーザによってダウンロードされたアプリケーションである。たとえば、アプリA22cは、囲碁ゲームのアプリケーションであり、アプリB22dは、釣りゲームのアプリケーションである。
【0031】
加工情報22eは、携帯端末装置2に対してユーザが施した加工に関する情報であり、加工情報抽出部23bによって生成される。かかる加工情報22eの内容については、後述する。
【0032】
変換用アプリ22fは、加工情報22eの内容を、複数機種の携帯端末装置2および複数機種の車載装置1間で共通して用いられる規格化設定情報の内容へ変換するためのアプリケーションである。かかる変換用アプリ22fは、後述する規格化部23cによって実行される。
【0033】
制御部23は、携帯端末装置2全体を制御する制御部であり、認証処理部23a、加工情報抽出部23b、規格化部23cおよび加工情報送信部23dを備える。
【0034】
認証処理部23aは、車両70に搭載される認証装置3からの要求に応じてユーザID22aを認証装置3へ送信する処理を行う処理部である。認証装置3へ送信されたユーザID22aは、認証装置3によって車載装置1の認証処理部14aへ受け渡される。
【0035】
なお、認証装置3は、車両70へ乗車したユーザの認証を行うための装置である。具体的には、認証装置3は、RFID(Radio Frequency Identification)等の近距離無線通信を用いて携帯端末装置2からユーザID22aを取得し、取得したユーザID22aを車載装置1へ受け渡す処理を行う。ここでは、認証装置3が車載装置1と別体である場合の例を示したが、車載装置1が認証装置3を備えていてもよい。
【0036】
加工情報抽出部23bは、記憶部22に記憶される設定情報22bやアプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションから必要な情報を抽出して加工情報22eを生成する処理部である。加工情報22eには、設定情報22bの一部または全ての項目や、アプリA22cやアプリB22d等のアプリケーションの種別を示す種別情報等が含まれる。なお、アプリケーションの種別とは、たとえば「ゲーム」や「音楽」、「写真」等である。
【0037】
加工情報抽出部23bは、たとえば設定情報22bに含まれる各項目のうち「文字サイズ」、「文字色」、「背景色」、「操作音音量」、「時計パターン」といった項目を抽出する。また、加工情報抽出部23bは、アプリA22c、アプリB22dを参照し、これらのアプリケーションの種別を示す種別情報を抽出する。そして、加工情報抽出部23bは、抽出したこれらの情報を用いて加工情報22eを生成して記憶部22へ記憶する。
【0038】
なお、アプリケーションの種別を示す種別情報は、アプリケーションデータにあらかじめ含まれているものとするが、アプリケーションデータに種別情報が含まれていない場合には、アプリケーションを識別して種別を特定する処理を加工情報抽出部23bが行ってもよい。
【0039】
また、本実施例では、加工情報抽出部23bによって生成される加工情報が記憶部22に記憶される場合の例を示したが、加工情報抽出部23bは、携帯端末装置2から近距離通信インタフェース21経由で加工情報取得要求を受信した場合に、加工情報を生成して規格化部23cへ渡すこととしてもよい。また、車載装置1の制御部14が加工情報抽出部23bを備えていてもよい。
【0040】
規格化部23cは、携帯端末装置2から近距離通信インタフェース21経由で加工情報取得要求を受信した場合に、記憶部22に記憶される加工情報22eの内容を変換用アプリ22fを用いて規格化したうえで、加工情報送信部23dへ渡す処理部である。かかる規格化部23cによって、加工情報22eの内容は、複数機種の携帯端末装置2および複数機種の車載装置1間で共通して用いられる規格化設定情報の内容へ変換される。
【0041】
加工情報送信部23dは、規格化部23cから規格化された加工情報22eを受け取った場合に、受け取った加工情報22eを近距離通信インタフェース21経由で携帯端末装置2へ送信する処理を行う処理部である。
【0042】
つづいて、車載装置1の構成について説明する。近距離通信インタフェース11は、携帯端末装置2との間で近距離無線通信を行うための通信デバイスである。また、タッチパネルディスプレイ12は、各種画像を表示するためのディスプレイの表面に入力用のタッチパネルを付した入出力デバイスである。
【0043】
記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、登録済みユーザ情報13a、変換用アプリ13bおよび動作設定情報13cを記憶する。登録済みユーザ情報13aは、登録済みのユーザID22aの蓄積情報である。
【0044】
変換用アプリ13bは、規格化設定情報の内容を車載装置1で取り扱う設定情報の内容へ変換するためのアプリケーションである。かかる変換用アプリ13bは、後述する設定変更部14cによって実行される。
【0045】
動作設定情報13cは、車載装置1において設定可能な各種項目の内容を含んだ情報である。たとえば、動作設定情報13cには、文字サイズや、壁紙、音量といった項目等が含まれる。かかる動作設定情報13cは、ユーザのタッチパネルディスプレイ12への操作等によって変更されるほか、後述する設定変更部14cによっても変更される。
【0046】
制御部14は、車載装置1全体を制御する制御部であり、認証処理部14a、加工情報取得部14b、設定変更部14c、表示制御部14d、音量制御部14eを備える。
【0047】
認証処理部14aは、認証装置3から受け取ったユーザID22aに基づいてユーザ認証を行う処理部である。具体的には、認証処理部14aは、認証装置3から受け取ったユーザID22aが登録済みユーザ情報13aに含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に、このユーザを認証する。
【0048】
また、車載装置1の制御部14は、ユーザの認証に成功すると、携帯端末装置2との間で通信リンクを確立させる処理を行う。そして、認証処理部14aは、携帯端末装置2との間で通信リンクが確立すると、携帯端末装置2に対して加工情報取得要求を送信する。
【0049】
加工情報取得部14bは、携帯端末装置2の加工情報送信部23dから送信された加工情報22eを近距離通信インタフェース11経由で受信し、設定変更部14cへ渡す処理を行う処理部である。実施例1において、加工情報取得部14bは、規格化された加工情報22eを受信する。
【0050】
設定変更部14cは、動作設定情報13cの変更を行う処理部である。具体的には、設定変更部14cは、加工情報取得部14bから加工情報22eを受け取った場合に、受け取った加工情報22eに基づいて自装置の動作設定状態を変更する。
【0051】
このとき、設定変更部14cは、加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報13cへ変換する解析変換処理を行う。そして、設定変更部14cは、解析変換処理によって生成された動作設定情報13cに応じて動作設定情報13cを変更する。設定変更部14cが実行する解析変換処理および設定変更処理の内容については、図4を用いて後述する。
【0052】
表示制御部14dは、記憶部13に記憶された動作設定情報13cに従い、初期画面やメニュー画面といった各種の画面を生成してタッチパネルディスプレイ12へ表示させる処理を行う処理部である。また、音量制御部14eは、記憶部13に記憶された動作設定情報13cに従い、車両70に搭載されるスピーカ4の出力音量を制御する、具体的にはスピーカ4に駆動信号を出力する増幅回路の増幅度を制御する処理部である。なお、ここでは、スピーカ4が車載装置1と別体である場合の例を示したが、車載装置1がスピーカ4を備えていてもよい。
【0053】
次に、設定変更部14cが実行する解析変換処理の動作例について図4を用いて説明する。図4は、解析変換処理の動作例を示す図である。ここで、図4の左側には、携帯端末装置2の記憶部22に記憶される加工情報22eの一例を示している。また、図4の中央には、規格化された加工情報22eの一例を示し、図4の右側には、車載装置1の記憶部13に記憶される動作設定情報13cの一例を示している。
【0054】
図4に示すように、加工情報22eには、「ダウンロードアプリ」、「文字サイズ」、「文字フォント」、「文字色」、「背景色」、「壁紙」といった項目が含まれる。携帯端末装置2の規格化部23cは、加工情報22eに含まれるこれらの項目の内容を、変換用アプリ22fを用いて規格化設定情報の内容へ変換する。
【0055】
これにより、加工情報22eの各項目の内容は、他の機種で利用可能な一般的な内容へ変換される。たとえば、規格化部23cは、「ダウンロードアプリ」の内容が「A1」(たとえば、「囲碁ゲーム」)である場合には、かかる内容を「B1」(たとえば、「ボードゲーム」)へ変換する。また、規格化部23cは、「壁紙」の内容が「夏の海」である場合には、かかる内容を「海」へ変換する。また、規格化部23cは、「操作音音量」の内容が「A10」(たとえば、「5段階中の3」)である場合には、かかる内容を「B10」(たとえば、「10段階中の6」)へ変換する。
【0056】
また、規格化部23cは、加工情報22eには含まれないが規格化設定情報に含まれる項目がある場合には、加工情報22eに含まれる項目の内容を流用して変換処理を行う。たとえば、規格化設定情報に含まれる「警告音パターン」および「警告音音量」は、加工情報22eには含まれない。かかる場合、規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「呼び出し音パターン」項目の内容「A11」を流用し、かかる「A11」を「警告音パターン」項目の内容「B13」へ変換する。同様に、規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「呼び出し音音量」項目の内容「A12」を流用し、かかる「A12」を「警告音音量」項目の内容「B14」へ変換する。
【0057】
なお、「起動音パターン」のように、加工情報22eには含まれるが規格化設定情報には含まれない項目が存在する場合、規格化部23cは、かかる項目の変換を行わない。
【0058】
また、加工情報22eの各項目に関して、「文字サイズ」、「文字フォント」、「文字色」、「背景色」等は、設定された内容に対応するレベルや数値となるよう規格化設定情報に変換され、「ダウンロードアプリ」や「壁紙」等は、設定された内容と、例えば、ユーザの年齢、性別、住所、職業、使用頻度等のユーザ情報とに基づいて、ユーザが希望する設定状態を推測した設定推測情報を導出し、導出された設定推測情報に基づいて規格化設定情報に変換される。
【0059】
つづいて、車載装置1では、加工情報取得部14bが、規格化された加工情報22eを携帯端末装置2から受信すると、設定変更部14cが、変換用アプリ13bを用いてかかる加工情報22eの解析変換処理を行う。たとえば、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eにおける「文字サイズ」項目の内容が「B2」である場合には、かかる内容「B2」を「C2」へ変換する。
【0060】
さらに、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「ダウンロードアプリ」項目の内容を考慮して、他の項目の内容の解析変換を行う。たとえば、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「ダウンロードアプリ」項目の内容が「B1」(たとえば、「ボードゲーム」)である場合には、「壁紙」項目の内容「海」を「海(ゲーム風)」へ変換する。また、設定変更部14cは、規格化された加工情報22eに含まれる「時計パターン」項目の内容「デジタル」を、「ダウンロードアプリ」項目の内容「B1」を考慮して「ゲーム風デジタル」へ変更する。
【0061】
このように、設定変更部14cは、加工情報取得部14bによって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部として機能する。すなわち、設定変更部14cは、携帯端末装置2のユーザがダウンロードしたアプリケーションを考慮し、「壁紙」や「音パターン」、「時計パターン」といった他の項目の内容を変換することで、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0062】
次に、解析変換処理の他の動作例について図5Aおよび図5Bを用いて説明する。図5Aおよび図5Bは、解析変換処理の他の動作例を示す図である。
【0063】
設定変更部14cは、あらかじめ決められた複数の設定パターンの中から、携帯端末装置2にダウンロードされたアプリケーションの数や種別に基づいて1つの設定パターンを選択し、選択した設定パターンで動作設定情報13cを変更することも可能である。
【0064】
たとえば、図5Aに示すように、設定変更部14cは、携帯端末装置2にダウンロードされたアプリケーションの数に対して1個につき1点を加算する。すなわち、設定変更部14cは、携帯端末装置2に10個のアプリケーションがダウンロードされている場合には、10点を加算する。
【0065】
また、設定変更部14cは、携帯端末装置2にダウンロードされた全アプリケーションのうち、a種(たとえば、ゲーム)のアプリケーションが占める割合である「a種アプリ割合」に対して10%につき1点を加算する。すなわち、「a種アプリ割合」が30%である場合には、30点が加算される。同様に、設定変更部14cは、「b種アプリ割合」に対して10%につき5点を、「c種アプリ割合」に対して10%につき10点を、「d種アプリ割合」に対して10%につき20点を、「e種アプリ割合」に対して10%につき40点をそれぞれ加算する。
【0066】
つづいて、設定変更部14cは、合計点が「0〜20点」であれば設定パターン「P1」を選択し、「21〜50点」であれば設定パターン「P2」を選択し、「51〜100点」であれば設定パターン「P3」を選択し、「101〜300点」であれば設定パターン「P4」を選択する。また、設定変更部14cは、合計点が「301点以上」であれば設定パターン「P5」を選択する。そして、設定変更部14cは、選択した設定パターンで動作設定情報13cを設定する。
【0067】
このように、設定変更部14cは、アプリケーションの数や種別に基づいて計算された点数に応じて、あらかじめ決定された複数の設定パターンの中から1つの設定パターンを選択することとしてもよい。
【0068】
また、設定変更部14cは、図4に示す規格化された加工情報22eの内容を上記の合計点数に応じて部分的に変更することとしてもよい。たとえば、図5Bに示すように、設定変更部14cは、合計点が「0〜20点」であれば、規格化された加工情報22eに含まれる「文字サイズ」項目の内容「B2」(たとえば、「10pt」)を「β2」(たとえば、「12pt」)へ変更したり、「文字フォント」項目の内容「B3」(たとえば、「明朝」)を「β3」(たとえば、「ゴシック」)へ変更したりする。
【0069】
このように、車載装置1では、加工情報取得部14bが、携帯端末装置2に記憶されるアプリケーションの種別を示す種別情報を含む加工情報22eを取得し、設定変更部14cが、加工情報に含まれるアプリケーションの種別情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて加工情報を自装置の動作設定情報へ変換することとしてもよい。このようにすることで、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0070】
なお、加工情報22eには、アプリケーションの種別情報だけでなく、アプリケーションの操作情報も含まれる。アプリケーションの操作情報とは、上述したように、アプリケーションに対してユーザが行った操作に関する情報である。設定変更部14cは、かかるアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換してもよい。
【0071】
たとえば、アプリケーションがスケジュール管理用のアプリケーションである場合には、登録されたスケジュールの内容や、スケジュール表のレイアウトなどの情報がアプリケーションの操作情報に該当する。設定変更部14cは、かかる操作情報を用いて、たとえば図2Aに示したようなスケジュール表を含んだ初期画面を表示する設定に動作設定情報13cを変更する。
【0072】
このように、車載装置1では、加工情報取得部14bが、携帯端末装置2に対してダウンロードされたアプリケーションの操作情報を加工情報22eとして取得し、設定変更部14cが、加工情報取得部14bによって取得されたアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換することとしてもよい。このようにすることでも、ユーザの特性をより忠実に反映させた設定変更を行うことができる。
【0073】
次に、車載装置1の具体的動作について図6を用いて説明する。図6は、車載装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図6には、車載装置1が実行する処理のうち、携帯端末装置2との間で通信リンクを確立させてからタッチパネルディスプレイ12に対して初期画面を表示させるまでの処理手順を示している。
【0074】
図6に示すように、車載装置1の制御部14は、自動設定モードがONされているか否かを判定する(ステップS101)。ここで、自動設定モードとは、設定変更部14cによる設定変更処理を行うモードである。このように、ユーザは、設定変更部14cによる設定変更処理を行うか否かを任意に選択することができる。
【0075】
ステップS101の処理において自動設定モードがONされていると判定すると(ステップS101,Yes)、制御部14は、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、制御部14は、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置2が複数台存在する場合に、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在すると判定する。
【0076】
ステップS102において、車両70内に複数台の携帯端末装置2が存在すると判定すると(ステップS102,Yes)、制御部14は、端末決定処理を実行する(ステップS103)。ここで、端末決定処理とは、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2を決定する処理、すなわち、特性を反映させるユーザを決定する処理である。
【0077】
たとえば、制御部14は、自装置との間で通信リンクを確立した携帯端末装置2のうち認証装置3によって認証されたユーザの携帯端末装置2を、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2として決定する。あるいは、自装置との間で通信リンクを確立した携帯端末装置2のリストを表示し、そのリストからユーザが選択した携帯端末装置2を、加工情報22eの取得先となる携帯端末装置2として決定する、と言った決定手法を採用することも可能である。
【0078】
また、制御部14は、たとえば男性が所持する携帯端末装置2の加工情報よりも女性が所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得したり、若者が所持する携帯端末装置2の加工情報よりもお年寄りが所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得したりしてもよい。
【0079】
また、制御部14は、車両70への乗車回数が最も多いユーザが所持する携帯端末装置2の加工情報を優先的に取得してもよい。ユーザの性別や年齢は、たとえば携帯端末装置2から近距離通信インタフェース11を介して取得することができる。また、車両70への乗車回数は、たとえば携帯端末装置2のUIDと関連付けて車載装置1の記憶部13に記憶しておけばよい。
【0080】
また、制御部14は、車両70に乗車するユーザの各携帯端末装置2の加工情報について、項目毎に多数決を採って処理する加工情報とする、と言った方法も採用することが可能である。
【0081】
ステップS103の処理を終えると、加工情報取得部14bは、ステップS103の端末決定処理において決定された携帯端末装置2から加工情報22eを取得する(ステップS104)。一方、ステップS102において複数台の携帯端末装置2が存在しない場合(ステップS102,No)、すなわち、車両70内に携帯端末装置2が1台だけ存在する場合には、加工情報取得部14bは、かかる携帯端末装置2から加工情報22eを取得する。
【0082】
なお、ステップS104において取得される加工情報は、携帯端末装置2の規格化部23cによって規格化された加工情報22eである。
【0083】
つづいて、設定変更部14cは、携帯端末装置2から取得した加工情報22eに対して解析処理を行うことによって動作設定情報13cを生成し(ステップS105)、生成した動作設定情報13cを用いて自装置の動作設定状態を変更する設定変更処理を行う(ステップS106)。
【0084】
ステップS106の処理を終えたとき、あるいは、ステップS101において自動設定モードがONされていない場合(ステップS101,No)、表示制御部14dは、動作設定情報13cに従って初期画面を生成してタッチパネルディスプレイ12へ表示させ(ステップS107)、処理を終える。
【0085】
次に、携帯端末装置2の具体的動作について図7を用いて説明する。図7は、携帯端末装置2が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理手順は、携帯端末装置2の起動中において繰り返し実行される。
【0086】
図7に示すように、携帯端末装置2では、制御部23が、加工情報取得要求を受信したか否かを判定し(ステップS201)、受信したと判定すると(ステップS201,Yes)、規格化部23cが、記憶部22から加工情報22eを取り出し、取り出した加工情報22eを変換用アプリ22fを用いて規格化する(ステップS202)。
【0087】
なお、ステップS201において加工情報取得要求を受信していない場合(ステップS201,No)、制御部23は、加工情報取得要求を受信するまでステップS201の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS202の処理を終えると、加工情報送信部23dは、規格化された加工情報22eを車載装置1に対して送信し(ステップS203)、処理を終える。
【0089】
上述してきたように、実施例1では、加工情報取得部が、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する。また、実施例1では、設定変更部が、加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換処理を行うとともに、解析変換処理によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更することとした。
【0090】
したがって、実施例1に係る車載装置によれば、搭乗者の変更に伴う装置を使用する使用者の変更やユーザの特性の変化に対して情報提示の態様を容易に追従させることができる。
【0091】
また、実施例1では、設定変更部が、加工情報の内容を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換する解析変換処理を行ったうえで設定変更を行うこととした。具体的には、加工情報取得部が、規格化された加工情報を携帯端末装置から取得し、設定変更部が、記憶部に記憶された変換用アプリケーションを用い、規格化された加工情報の内容を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換する解析変換処理を行ったうえで、設定変更を行うこととした。
【0092】
これにより、車載装置は、通信リンクを確立させた携帯端末装置の機種によらず、常に、規格化された加工情報を取得することとなるため、携帯端末装置の機種ごとに変換用アプリケーションを記憶しておく必要がない。
【0093】
また、実施例1では、設定変更部が、自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置が複数台存在する場合に、所定の優先条件に従って決定された一の携帯端末装置からの加工情報に基づいて設定変更を行うこととした。したがって、車両に複数のユーザが乗車している場合であっても、特性を反映させるユーザを容易に決定することができる。
【0094】
なお、実施例1では、設定変更部が、解析変換処理も併せて行う場合の例を示したが、車載装置の制御部は、設定変更部とは別に解析変換処理を行う処理部(解析変換部)を備えていてもよい。
【実施例2】
【0095】
ところで、上述してきた実施例1では、携帯端末装置2の規格化部23cが、加工情報22eを規格化したうえで車載装置1へ送信し、車載装置1の設定変更部14cが、規格化された加工情報22eを自装置で取り扱う動作設定情報13cの内容へ変換する場合の例について説明した。しかし、車載装置1の設定変更部14cが実行する解析変換処理は、これに限ったものではない。
【0096】
そこで、実施例2では、解析変換処理の他の動作例について図8を用いて説明する。図8は、実施例2に係る解析変換処理の動作例を示す図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0097】
図8に示すように、実施例2では、サーバ5が、車載装置1の機種および携帯端末装置2の機種の組合せごとに、変換用アプリケーションを記憶するデータベース51を備える。たとえば、データベース51には、変換用アプリ「SA1−AV1」が記憶される。かかる変換用アプリ「SA1−AV1」は、機種「SA1」の携帯端末装置2と機種「AV1」の車載装置1との組合せに対応した専用の変換用アプリケーションである。
【0098】
携帯端末装置2の制御部23は、車載装置1との間で通信リンクを確立させると、かかる車載装置1から車載装置1の機種情報を取得する。なお、図8に示す例では、車載装置1の機種が「AV5」であるものとする。
【0099】
つづいて、携帯端末装置2の制御部23は、自装置の機種「SA1」および車載装置1の機種「AV5」の組合せに対応する変換用アプリ「SA1−AV5」をサーバ5からダウンロードする(図8の(1)参照)。ダウンロードされた変換用アプリ「SA1−AV5」は、たとえば記憶部22に記憶される。
【0100】
なお、対応する変換用アプリ(本例では「SA1−AV5」)を既にダウンロードし記憶している場合には、変換用アプリを新たにダウンロードせずに記憶している対応変換アプリを用いる用にすることにより、ダウンロードにかかる時間や費用等を削減することができる。
【0101】
つづいて、携帯端末装置2の規格化部23cは、記憶部22に記憶された変換用アプリ「SA1−AV5」に従って加工情報22eを変換する(図8の(2)参照)。すなわち、実施例2に係る規格化部23cは、加工情報22eを規格化するのではなく、機種「AV5」の車載装置1において取り扱われる動作設定情報13cの内容へ加工情報22eを直接変換する。
【0102】
たとえば、携帯端末装置2の規格化部23cは、加工情報22eに含まれる「A2」、「A3」、「A4」、「A5」といった内容を、車載装置1で取り扱い可能な内容「C2」、「C3」、「C4」、「C5」へ直接変換して車載装置1へ送信する。そして、車載装置1の加工情報取得部14bは、自装置向けの内容へ変換済みの加工情報22e、すなわち、動作設定情報を受信する(図8の(3)参照)。
【0103】
このように、自装置の機種および車載装置1の機種の組合せごとに、専用の変換用アプリケーションを作成し、加工情報22eを規格化することなく車載装置1で取り扱う動作設定情報13cの内容へ直接的に変換する。
【0104】
すなわち、図8に示した例では、携帯端末装置2の制御部が解析変換部を備え、かかる解析変換部が、加工情報を解析処理して動作設定情報へ変換する解析変換処理を行い、車載装置3の加工情報取得部14bが、携帯端末装置2から動作設定情報を取得する設定情報取得部として機能し、設定変更部14cが、加工情報取得部14bによって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する。
【0105】
また、図8に示した例において、動作設定情報は、複数の機種の携帯端末装置2および複数の機種の車載装置3で共通して用いられる規格化設定情報である。そして、図8に示した例では、加工情報取得部14bが、規格化設定情報を取得し、設定変更部14cが、規格化設定情報を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換して、自装置の動作設定状態を変更する。
【0106】
これにより、規格化情報と、携帯端末装置2及び車載装置1における加工情報/設定情報のズレ(項目の有無や設定ステップ数の違い等)に伴う精度の低下を抑える事ができ、加工情報22eを一旦規格化する場合と比較して精度の高い変換を行うことが可能となる。
【0107】
なお、図8では、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理を携帯端末装置2が行う場合の例について説明したが、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理は、車載装置1が行ってもよい。
【0108】
かかる場合には、車載装置1の加工情報取得部14bが、携帯端末装置2から加工情報22eを受信したのち、設定変更部14cが、図8に示す(1)および(2)の処理を行えばよい。
【0109】
また、変換用アプリケーション「SA1−AV5」を用いた変換処理は、サーバ5が行ってもよい。図9に、実施例2に係る変換処理の他の動作例を示す。
【0110】
図9に示すように、携帯端末装置2の制御部23は、サーバ5に対して変換要求を送信する(図9の(1)参照)。ここで、変換要求には、加工情報22e、自装置の機種情報(ここでは、「SA1」)、自装置と通信リンクを確立した車載装置1の機種情報(ここでは、「AZ5」)等が含まれる。
【0111】
サーバ5は、携帯端末装置2から変換要求を受信すると、かかる変換要求に含まれる車載装置1の機種情報および携帯端末装置2の機種情報を参照して、対応する変換用アプリ「SA1−AV5」を選択する。また、サーバ5は、選択した変換用アプリ「SA1−AV5」に従って加工情報22eを変換し(図9の(2)参照)、変換済みの加工情報22e、すなわち車載装置3向けの動作設定情報を携帯端末装置2へ送信する(図9の(3)参照)。
【0112】
そして、携帯端末装置2では、変換済みの加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)をサーバ5から受信すると(図9の(4)参照)、加工情報送信部23dが、受信した加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)を車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の加工情報取得部14bは、変換済みの加工情報22e(すなわち車載装置3向けの動作設定情報)を受信することとなる(図9の(5)参照)。
【0113】
このように、加工情報22eの変換処理をサーバ5で行うこととすれば、携帯端末装置2は、異なる機種の車載装置1と通信リンクを確立するたびに、専用の変換用アプリケーションをサーバ5からダウンロードする必要がなくなる。また、携帯端末装置2の記憶部22が変換用アプリケーションによって圧迫されるおそれもない。
【0114】
なお、サーバ5は、携帯端末装置2から加工情報22eを受信し、受信した加工情報22eを規格化する処理を行ってもよい。かかる場合、車載装置1の設定変更部14cは、実施例1と同様、規格化された加工情報22eを携帯端末装置2から受信し、受信した加工情報22eを変換用アプリ22fを用いて変換すればよい。
【0115】
また、携帯端末装置2は、車載装置1の動作設定情報13cを車載装置1から吸い上げて、次回の乗車時に利用することとしてもよい。かかる場合、携帯端末装置2の制御部23は、車載装置1との間であらたに通信リンクを確立させた場合に、加工情報22eに代えて車載装置1から前回吸い上げた動作設定情報13cを車載装置1へ送信する。そして、車載装置1では、設定変更部14cが、携帯端末装置2から取得した動作設定情報13cを記憶部13へ記憶すればよい。
【0116】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 車載装置
11 近距離通信インタフェース
12 タッチパネルディスプレイ
13 記憶部
13a 登録済みユーザ情報
13b 変換用アプリ
13c 設定情報
14 制御部
14a 認証処理部
14b 加工情報取得部
14c 設定変更部
14d 表示制御部
14e 音量制御部
2 携帯端末装置
21 近距離通信インタフェース
22 記憶部
22a ユーザID
22b 設定情報
22c アプリA
22d アプリB
22e 加工情報
22f 変換用アプリ
23 制御部
23a 認証処理部
23b 加工情報抽出部
23c 規格化部
23d 加工情報送信部
3 認証装置
4 スピーカ
5 サーバ
51 データベース
70 車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、
前記加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部と、
前記解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する設定変更部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記加工情報取得部は、
前記携帯端末装置に記憶されるアプリケーションの種別を示す種別情報を含む加工情報を取得し、
前記解析変換部は、
前記加工情報に含まれるアプリケーションの種別情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記加工情報取得部は、
前記携帯端末装置に対してダウンロードされたアプリケーションの操作情報を含む加工情報を取得し、
前記解析変換部は、
前記加工情報に含まれるアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報へ変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部を有する携帯端末装置から前記動作設定情報を取得する設定情報取得部と、
前記設定情報取得部によって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する設定変更部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項5】
前記動作設定情報は、複数の機種の携帯端末装置および複数の機種の車載装置で共通して用いられる規格化設定情報であり、
前記設定情報取得部は、
前記規格化設定情報を取得し、
前記設定変更部は、
前記規格化設定情報を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換して、自装置の動作設定状態を変更することを特徴とする請求項4に記載の車載装置。
【請求項6】
前記設定変更部は、
自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置が複数台存在する場合には、所定の優先条件に従って決定された前記携帯端末装置からの前記加工情報に基づいて前記設定変更を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の車載装置。
【請求項1】
自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置から、ユーザが該携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、
前記加工情報取得部によって取得された加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部と、
前記解析変換部によって生成された動作設定情報に基づき自装置の動作設定状態を変更する設定変更部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記加工情報取得部は、
前記携帯端末装置に記憶されるアプリケーションの種別を示す種別情報を含む加工情報を取得し、
前記解析変換部は、
前記加工情報に含まれるアプリケーションの種別情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報に変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記加工情報取得部は、
前記携帯端末装置に対してダウンロードされたアプリケーションの操作情報を含む加工情報を取得し、
前記解析変換部は、
前記加工情報に含まれるアプリケーションの操作情報に基づいてユーザの嗜好を推測し、該推測されたユーザの嗜好に基づいて前記加工情報を自装置の動作設定情報へ変換することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
ユーザが携帯端末装置に対して施した加工に関する加工情報を解析処理し、自装置の動作設定情報へ変換する解析変換部を有する携帯端末装置から前記動作設定情報を取得する設定情報取得部と、
前記設定情報取得部によって取得された動作設定情報に基づいて自装置の動作設定状態を変更する設定変更部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項5】
前記動作設定情報は、複数の機種の携帯端末装置および複数の機種の車載装置で共通して用いられる規格化設定情報であり、
前記設定情報取得部は、
前記規格化設定情報を取得し、
前記設定変更部は、
前記規格化設定情報を自装置で取り扱う設定情報の内容へ変換して、自装置の動作設定状態を変更することを特徴とする請求項4に記載の車載装置。
【請求項6】
前記設定変更部は、
自装置との間で通信リンクを確立させた携帯端末装置が複数台存在する場合には、所定の優先条件に従って決定された前記携帯端末装置からの前記加工情報に基づいて前記設定変更を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の車載装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−112135(P2013−112135A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259616(P2011−259616)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
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