説明

車載通信装置及び車両間通信システム

【課題】車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる車載通信装置及び車両間通信システムを提供すること。
【解決手段】車両情報を取得する車両情報取得手段11と、自車が存在するエリアを判定するエリア判定手段12と、車両情報のデータを送信する順序が定められたスロット番号のデータを送受信する送信順序送受信手段13と、スロット番号に基づいて車両情報のデータを送受信する車両情報送受信手段14と、送信順序送受信手段13及び車両情報送受信手段14の通信周波数を設定する周波数設定手段15とを備え、送信順序送受信手段13は、自車がエリア内の代表車両か否かを判断する代表車両判断部13aと、スロット番号のデータを送受信するスロット番号送受信部13bと、スロット番号を管理するスロット番号管理部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のエリア内において車両の情報を無線信号によって伝送する車載通信装置及び車両間通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の情報を無線信号によって伝送する装置としては、特許文献1に示された車載情報提供装置が知られている。
【0003】
特許文献1に示されたものは、自車の車両走行状態を検出する車両状態検出部と、自車と他車との車両間で通信する車両間通信部とを備えている。あるエリア内の各車両がこの装置をそれぞれ搭載することにより、各車両の車両間通信部が、他車の車両走行状態の情報を受信すると共に、自車及び受信した他車の車両走行状態の情報を別の車両に送信することができるので、自車の車両走行状態及び自車から遠距離にある他車の車両情報を取得し、車両乗員に通知することができるようになっている。
【0004】
しかしながら、特許文献1には、車両間通信部は赤外線やミリ波等の電波を使用すると記載されているだけなので、どのような通信方式を用いるのかが不明であり、各車両が自車の車両走行状態の情報を同時に送信した場合は車両間通信時に混信が発生し、他車の車両走行状態の情報が取得できないという問題が発生してしまう。
【0005】
そこで、特許文献1に示されたものは、一般的な無線LAN(Local Area Network)のアクセス制御方式の一つであるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:衝突回避型搬送波検知多重アクセス)方式を用いて、車両間通信時の混信を回避しながら、車両状態情報をブロードキャスト送信しているものと仮定する。
【0006】
CSMA/CA方式は、送信を行う前に他の送信機が送信していないかを確認し、送信していない場合のみ送信する方式である(非特許文献1、特許文献2参照)。他の送信機が送信していないかを確認するために搬送波(キャリア)のセンシングを行う。
【0007】
しかしながら、CSMA/CAでは、隠れ端末問題が発生することが知られている。ここで、隠れ端末問題とは、例えば互いに隣接した第1、第2及び第3の端末があり、第1と第2の端末間、第2と第3の端末間では共に無線通信ができるが、第1と第3の端末間では無線通信ができない場合、第1及び第3の端末がそれぞれ第2の端末に対してデータを送信しようとすると第2の端末においてパケットの衝突が発生するという問題をいう。
【0008】
特許文献2では隠れ端末問題を解決するためにRTS/CTS(Request To Send/Clear To Send)方式を用い、更にその改良が提案されている。RTS/CTS方式とは、データの送信に先立ってデータを送信する旨を伝えるRTSパケットをデータの送信先の端末に送信し、それに対してRTSパケットを受信した端末がデータの送信を許可するCTSパケットを返送し、RTSパケットを送信した端末に対してNAV(Network Allocation Vector)と呼ばれる無線帯域の使用権を付与するものであり、無線LANにおける隠れ端末問題に起因するパケットの衝突を回避することができるとされている。
【0009】
【特許文献1】特許第3405165号公報
【特許文献2】特開2005−236435号公報
【非特許文献1】ANSI/IEEE std 802.11, Wireless LAN medium access control (MAC) and physical layer (PHY) specifications, 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、CSMA/CA方式は、送信先が多数となるブロードキャストにおいては使用できないことが、非特許文献1の72ページに記載されている。
【0011】
したがって、特許文献1に示されたものは、各車両の車両間通信部が、車両走行状態の情報を送信する際にパケットが衝突して混信が発生するという問題を有していると考えられるので、車両の情報が送受信できない場合が生じる。
【0012】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる車載通信装置及び車両間通信システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車載通信装置は、車両の現在位置及び速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、所定の地域が分割された分割エリアのうち自車が存在するエリアを判定するエリア判定手段と、前記車両情報のデータを送信する順序が定められた送信順序のデータを送受信する送信順序送受信手段と、前記送信順序に基づいて前記車両情報のデータを送受信する車両情報送受信手段とを有し、前記送信順序送受信手段は、予め定められた条件に基づいて自車が前記送信順序のデータを前記エリア内の他車に送信する代表車両か否かを判断する代表車両判断部と、自車が前記代表車両のとき前記送信順序の割り当て及び管理を行う送信順序割当管理部と、前記エリアに応じた第1の周波数の無線信号によって前記送信順序のデータを送受信する送信順序データ送受信部とを備え、前記車両情報送受信手段は、前記エリアに応じた第2の周波数の無線信号によって自車の前記車両情報のデータの送信及び前記エリア内の他車の前記車両情報のデータの受信を行う車両情報送受信部を備えた構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明の車載通信装置は、送信順序送受信手段は、車両情報のデータを送信する順序が定められた送信順序のデータを受信し、車両情報送受信手段は、送信順序に基づいて車両情報のデータを送信するので、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【0015】
また、本発明の車載通信装置は、前記代表車両判断部は、自車が前記エリアに新たに属したとき、前記エリア内に他車が存在するか否かを判断し、前記送信順序割当管理部は、前記エリア内に他車が存在するとき前記送信順序のデータを前記代表車両に要求し、前記エリア内に他車が存在しないとき所定の送信順序を自車に割り当てる構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の車載通信装置は、エリア内に他車が存在するとき送信順序に基づいて車両情報のデータを送信し、エリア内に他車が存在しないとき所定の送信順序を自車に割り当てて車両情報のデータを送信するので、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【0017】
さらに、本発明の車載通信装置は、前記送信順序割当管理部は、自車が前記代表車両とは異なるとき、自車が前記エリアから離脱する際にその旨を示す離脱通知データを前記代表車両に送信する構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の車載通信装置は、エリアを離脱する車両を的確に代表車両に伝達することができる。
【0019】
さらに、本発明の車載通信装置は、前記送信順序割当管理部は、自車が前記代表車両のとき、自車が前記エリアから離脱する際に前記代表車両を引き継ぐための代表車両引継データを前記エリア内の他車のいずれかに送信する構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の車載通信装置は、代表車両引継データを受信した車両に代表車両を引き継がせてエリア内の車両を的確に管理させることができる。
【0021】
さらに、本発明の車載通信装置は、前記代表車両を引き継ぐ車両は、前記エリア内の車両のうち、前記エリア内に最後に属した車両である構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明の車載通信装置は、エリア内に存在する確率が最も高い車両に代表車両を引き継がせることができる。
【0023】
さらに、本発明の車載通信装置は、前記車両情報送受信手段は、他車の前記車両情報のデータを記憶する他車情報記憶部と、他車の前記車両情報を自車の前記車両情報に付加する他車情報付加部とを備えた構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明の車載通信装置は、無線信号が直接届かない場所にある車両の車両情報を取得することができる。
【0025】
さらに、本発明の車載通信装置は、前記送信順序は、所定の時間間隔で時分割されたタイムスロットの順序である構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明の車載通信装置は、タイムスロットの順序に基づいて車両情報のデータを送信するので、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【0027】
本発明の車両間通信システムは、車載通信装置を複数の車両がそれぞれ備えた構成を有している。
【0028】
この構成により、本発明の車両間通信システムは、各車両に備えられた車載通信装置の車両情報送受信手段が送信順序に基づいて車両情報のデータを送信するので、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができるという効果を有する車載通信装置及び車両間通信システムを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る車載通信装置の構成について説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施の形態に係る車載通信装置10は、車両の現在位置及び速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段11と、所定の地域が分割された分割エリアのうち自車が存在するエリアを判定するエリア判定手段12と、車両情報のデータを送信する順序が定められた送信順序のデータを送受信する送信順序送受信手段13と、送信順序に基づいて車両情報のデータを送受信する車両情報送受信手段14と、送信順序送受信手段13及び車両情報送受信手段14の通信周波数を設定する周波数設定手段15とを備えている。
【0033】
なお、以下の説明において、車両情報のデータを送信する順序が定められた送信順序として、所定の時間間隔で時分割されたタイムスロットの順序を例に挙げ、このタイムスロットの順序を示す番号(以下単に「スロット番号」という。)を用いて説明する。具体的には、スロット番号は、例えば0.1ミリ秒毎に時分割されたタイムスロットの順序を示す番号である。また、エリア判定手段12が判定するエリアとは、例えば一辺が200mの長さの正方格子状に緯度及び経度情報と関連付けられて分割されたエリアをいう。
【0034】
車両情報取得手段11は、例えばGPS(Global Positioning System)ユニットによって構成され、GPSの電波を受信して車両の速度、現在位置の緯度及び経度等の情報を取得するようになっている。また、車両情報取得手段11は、GPSの電波を受信して時刻情報を取り出すようになっており、この時刻情報のデータをスロット番号管理部16に出力するようになっている(図示省略)。さらに、車両情報取得手段11は、車両が走行した2地点間の緯度及び経度の差を算出することによって車両の進行方向の絶対方位も取得することができるようになっている。
【0035】
エリア判定手段12は、緯度及び経度とエリアとが対応づけられたエリア定義テーブルを備え、車両情報取得手段11が取得した車両の現在位置の緯度及び経度に基づいて、自車が存在するエリアを判定するようになっている。ここで、エリア内の無線通信で利用される無線通信周波数としては、スロット番号のデータを送受信する無線信号の周波数と、車両情報のデータを送受信する無線信号の周波数とがあり、両周波数は同一エリア内で互いに異なるよう設定され、さらに、両周波数は混信する可能性のあるエリア毎に異なるよう設定されている。ここで、混信の可能性のあるエリアとは、あるエリア内の車両が送信した電波が届き、自エリア内の車両が送信した電波と混信しデータが取り出せないことが起こる場合、そのエリアのことをいう。また、エリア判定手段12は、自車が存在するエリアを示す信号を送信順序送受信手段13の代表車両判断部13a(後述)及び周波数設定手段15に出力するようになっている。
【0036】
送信順序送受信手段13は、自車がエリア内の代表車両か否かを判断する代表車両判断部13aと、スロット番号のデータを送受信するスロット番号送受信部13bと、スロット番号を管理するスロット番号管理部16とを備えている。
【0037】
ここで、代表車両とは、所定のエリアにおいてスロット番号を管理すると共に、エリア内に複数の車両がある場合、各車両にスロット番号を供給する車両をいう。
代表車両判断部13aは、予め定められた条件に基づいて自車が代表車両か否かを判断するようになっている。例えば、所定のエリアに自車が属した場合、エリア内の車両が自車のみのとき、自車が代表車両となる。また、既にエリア内に代表車両があり、代表車両を引き継ぐための代表車両引継データを代表車両から受信したとき、自車は代表車両となる。なお、エリアに自車が属するとは、自車が隣接するエリアから流入した場合や、エリア内で自車の車載通信装置10の電源がオフからオンにされた場合等をいう。
【0038】
スロット番号送受信部13bは、自車が代表車両か否かに応じてスロット番号のデータを送受信するようになっている。具体的には、自車が代表車両の場合、例えば無線アドホックネットワークで利用される所定のプロトコルに基づいてスロット番号を要求した車両に所定のスロット番号のデータを送信するようになっている。一方、自車が代表車両ではない場合、スロット番号の要求のデータを代表車両に送信すると共に、代表車両から所定のスロット番号のデータを受信するようになっている。なお、スロット番号送受信部13bは、本発明の送信順序データ送受信部を構成している。
【0039】
スロット番号管理部16は、自車が代表車両の場合に所定のスロット番号を自車及び他車に割り当てると共に、スロット番号のデータを管理するスロット番号割当管理部16aと、自車が代表車両ではない場合にスロット番号を代表車両に要求するスロット番号要求部16bとを備えている。なお、スロット番号管理部16は、車両情報取得手段11から入力された時刻情報によってタイムスロットを管理するようになっている。
【0040】
スロット番号割当管理部16aは、例えば予め車両に付された車両ID(Identification Data)と、車両に割り当てたスロット番号のデータとを関連付けて、スロット番号を割り当てた時刻情報と共に記憶するメモリを備えている。したがって、スロット番号割当管理部16aは、エリア内の車両のうち、例えば最後にエリア内に流入した車両の車両IDを把握することができる。なお、スロット番号割当管理部16aは、本発明の送信順序割当管理部を構成している。
【0041】
具体的には、スロット番号割当管理部16aは、エリア内に自車しかいない場合、自車は代表車両となって例えばスロット番号「1」を自車に割り当てる。また、スロット番号割当管理部16aは、エリア内に例えば3台の他車A、B及びCがある場合、それぞれのスロット番号を「2」、「3」及び「4」のように割り当てる。
【0042】
また、スロット番号割当管理部16aは、タイミング信号生成回路を備え、自車に割り当てられたスロット番号に応じてタイミング信号を車両情報送受信部14aに出力するようになっている。
【0043】
スロット番号要求部16bは、例えば代表車両が存在するエリアに自車が流入した場合、自車に対するスロット番号の割り当てを代表車両に要求するためのスロット番号要求データを送信するようになっている。
【0044】
車両情報送受信手段14は、車両情報のデータを送受信する車両情報送受信部14aと、受信した他車の車両情報のデータを記憶する他車情報記憶部14bとを備えている。
【0045】
車両情報送受信部14aは、スロット番号要求部16bからのタイミング信号に基づいて、車両情報取得手段11が取得した自車の車両情報のデータを送信するようになっている。また、車両情報送受信部14aは、他車の車両情報のデータを受信するようになっている。
【0046】
他車情報記憶部14bは、例えば半導体メモリで構成され、車両情報送受信部14aが受信した他車の車両情報のデータを記憶するようになっている。なお、他車の車両情報のデータをアプリケーションで利用する手段を他車情報記憶部14bに接続する構成としてもよい。例えば他車と自車との距離が所定の距離閾値以下になったときに警告する警告手段を他車情報記憶部14bに接続することにより、他車が自車に接近している旨を運転者に伝達することができる。
【0047】
周波数設定手段15は、スロット番号のデータを送受信する無線信号の周波数と、車両情報のデータを送受信する無線信号の周波数とがエリア毎に設定されたエリア周波数設定テーブルを有しており、エリア判定手段12が判定したエリアに応じて、スロット番号送受信部13b及び車両情報送受信部14aで用いる無線信号の周波数を設定するようになっている。図1においては、周波数設定手段15は、スロット番号送受信部13bに対して周波数f1を設定し、車両情報送受信部14aに対して周波数f2を設定する例が示されている。なお、周波数f1及びf2は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の第1及び第2の周波数に対応するものである。
【0048】
ここで、スロット番号送受信部13b及び車両情報送受信部14aによって送受信されるデータの構成例について図2を用いて説明する。図2において、図2(a)〜(d)は、スロット番号送受信部13bによって送受信されるデータの構成例を示し、図2(e)は、車両情報送受信部14aによって送受信されるデータの構成例を示している。
【0049】
まず、図2(a)は、代表車両以外の車両から代表車両に送信されるスロット番号を要求するためのスロット番号要求のデータの構成例を示している。図2(a)に示されたスロット番号要求のデータは、スロット番号を要求する車両(以下「スロット番号要求車両」という。)の車両IDと、スロット番号要求車両の位置情報と、スロット番号要求車両の速度情報とを含んでいる。
【0050】
なお、位置情報及び速度情報は、スロット番号要求のデータとして必須のものではなく、自車の車両IDのみの構成としてもよい。ただし、スロット番号要求のデータが位置情報を含む場合は、代表車両はこの位置情報に基づいて、代表車両の位置からスロット番号要求車両の位置の方向を認識することができ、スロット番号のデータをスロット番号要求車両の方向にホップさせて転送することによってデータ伝送の容易化を図ることができるので、スロット番号要求のデータに車両の位置情報を含ませる構成とするのが好ましい。
【0051】
また、図2(b)は、スロット番号要求車両に代表車両から送信されるスロット番号通知のデータの構成例を示している。図2(b)に示されたスロット番号通知のデータは、スロット番号要求車両の車両IDと、代表車両の車両IDと、スロット番号要求車両に代表車両が割り当てたスロット番号のデータとを含んでいる。
【0052】
さらに、図2(c)は、代表車両以外の車両がエリアから離脱する場合、離脱する車両から代表車両に送信されるエリア離脱通知のデータの構成例を示している。図2(c)に示されたエリア離脱通知のデータは、代表車両の車両IDと、離脱する車両の車両IDと、離脱する車両に割り当てられていたスロット番号のデータとを含んでいる。
【0053】
さらに、図2(d)は、代表車両が離脱する場合、離脱する代表車両から代表車両を引き継ぐ車両(以下「新代表車両」という。)に送信される代表車両引継データの構成例を示している。図2(d)に示された代表車両引継データは、新代表車両の車両IDと、離脱する代表車両の車両IDと、新代表車両及び離脱する代表車両以外のエリア内の車両の車両IDとスロット番号のデータとが対になったデータとを含んでいる。
【0054】
図2(e)は、各車両がスロット番号順に送信する車両情報のデータの構成例を示している。図2(e)に示された車両情報のデータは、車両情報のデータを送信する車両(この段落において以下「情報送信車両」という。)の車両IDと、情報送信車両に割り当てられていたスロット番号のデータと、情報送信車両の位置情報と、情報送信車両の速度情報と、この車両情報のデータを受信した車両においてアプリケーションとして用いられるアプリケーション用データとを含んでいる。なお、アプリケーション用データは省略する構成としてもよい。
【0055】
次に、本実施の形態に係る車載通信装置10の動作について図1〜図6を用いて説明する。
【0056】
最初に、あるエリアに自車が新たに属した場合の動作について図1〜図3を用いて説明する。
【0057】
まず、車両情報取得手段11によって、車両情報が検出され(ステップS11)、検出された車両情報のデータはエリア判定手段12及び車両情報送受信部14aに出力される。具体的には、車両情報取得手段11は、自車の現在位置の緯度及び経度を検出して自車の位置情報を取得し、また自車の走行速度の情報や現在の時刻情報等を取得する。
【0058】
次いで、エリア判定手段12によって、エリア定義テーブルが参照され、車両情報に含まれる緯度及び経度情報から自車が存在するエリアが判定される(ステップS12)。判定されたエリアの情報のデータは、代表車両判断部13a及び周波数設定手段15にそれぞれ出力される。
【0059】
さらに、周波数設定手段15によって、エリア周波数設定テーブルが参照され、エリアの情報に基づき、スロット番号送受信部13b及び車両情報送受信部14aがそれぞれ使用する周波数が設定される(ステップS13)。
【0060】
続いて、代表車両判断部13aによって、車両情報のデータ(図2(e)参照)を送信している車両がエリア内にあるか否かが判断される(ステップS14)。具体的には、代表車両判断部13aは、車両情報送受信部14aを介してエリア内の通信を、全タイムスロットに相当する時間以上モニタすることによって、エリア内の車両の有無を確認する。仮に、車両情報のデータを送信している車両がエリア内にある場合は、本実施の形態に係る車載通信装置10の構成により、代表車両判断部13aは、エリア内に必ず代表車両がいることを把握することができる。
【0061】
ステップS14において、車両情報のデータを送信している車両がエリア内にあると判断された場合、すなわちエリア内に代表車両がいる場合は、スロット番号要求部16bによって、スロット番号送受信部13bを介し、スロット番号を要求するためのスロット番号要求のデータ(図2(a)参照)がブロードキャスト送信される(ステップS15)。
【0062】
そして、スロット番号通知のデータ(図2(b)参照)が代表車両から、スロット番号要求のデータに含まれる車両IDに基づいてユニキャスト送信され、スロット番号送受信部13bによって、スロット番号通知のデータが受信される(ステップS16)。
【0063】
一方、ステップS14において、車両情報のデータを送信している車両がエリア内にあると判断されなかった場合、すなわち自車のみがエリア内にいる場合は、代表車両判断部13aによって、自車が代表車両に設定され(ステップS17)、スロット番号割当管理部16aによって、自車にスロット番号が割り当てられる(ステップS18)。
【0064】
そして、車両情報送受信部14aによって、スロット番号割当管理部16aからスロット番号に応じて出力されるタイミング信号に基づいて、自車の車両情報がブロードキャスト送信される(ステップS19)。
【0065】
次に、自車が代表車両の場合、スロット番号要求のデータの受信に係る動作について図1、図2及び図4を用いて説明する。
【0066】
まず、スロット番号割当管理部16aによって、スロット番号送受信部13bを介し、スロット番号要求のデータを受信したか否かが判断される(ステップS21)。
【0067】
ステップS21において、スロット番号要求のデータを受信したと判断された場合は、スロット番号割当管理部16aによって、空きスロット番号が検索される(ステップS22)。一方、ステップS21において、スロット番号要求のデータを受信したと判断されなかった場合は、ステップS21を繰り返す。
【0068】
次いで、スロット番号割当管理部16aによって、スロット番号要求のデータを送信した車両のスロット番号が割り当てられる(ステップS23)。
【0069】
そして、スロット番号送受信部13bによって、スロット番号要求のデータを送信した車両の車両IDに基づいて、スロット番号通知のデータ(図2(b)参照)がユニキャスト送信される(ステップS24)。
【0070】
次に、自車が代表車両の場合、エリア離脱通知のデータの受信に係る動作について図1、図2及び図5を用いて説明する。
【0071】
まず、スロット番号割当管理部16aによって、スロット番号送受信部13bを介し、エリア離脱通知のデータを受信したか否かが判断される(ステップS31)。
【0072】
ステップS31において、エリア離脱通知のデータを受信したと判断された場合は、スロット番号割当管理部16aによって、エリア離脱通知のデータを送信した車両に割り当てられていたスロット番号がクリアされ、該当するタイムスロットが未使用状態に変更される(ステップS32)。一方、ステップS31において、エリア離脱通知のデータを受信したと判断されなかった場合は、ステップS31を繰り返す。
【0073】
次に、第1のエリアにいた自車が第2のエリアに流入する場合の動作について図1、図2及び図6を用いて説明する。
【0074】
まず、車両情報取得手段11によって、車両情報が検出され(ステップS41)、検出された車両情報のデータはエリア判定手段12及び車両情報送受信部14aに出力される。
【0075】
次いで、エリア判定手段12によって、エリア定義テーブルが参照され、車両情報に含まれる緯度及び経度情報から自車が存在するエリアが判定される(ステップS42)。ここで、エリア判定手段12は、第2のエリアに自車がいると判定したものとする。判定されたエリアの情報のデータは、代表車両判断部13a及び周波数設定手段15にそれぞれ出力される。
【0076】
さらに、代表車両判断部13aによって、自車が代表車両か否かが判断される(ステップS43)。
【0077】
ステップS43において、自車が代表車両と判断されなかった場合は、スロット番号割当管理部16aによって、エリア離脱通知のデータが作成され、スロット番号送受信部13bを介してエリア離脱通知のデータ(図2(c)参照)が代表車両に向けてユニキャスト送信される(ステップS44)。
【0078】
一方、ステップS43において、自車が代表車両と判断された場合は、スロット番号割当管理部16aによって、例えば最後にエリア内に流入した車両を代表車両とするよう代表車両引継データ(図2(d)参照)がユニキャスト送信される(ステップS45)。
【0079】
引き続き、周波数設定手段15によって、エリア周波数設定テーブルが参照され、ステップS42において取得されたエリアの情報に基づき、スロット番号送受信部13b及び車両情報送受信部14aがそれぞれ使用する周波数が設定される(ステップS46)。
【0080】
なお、ステップS47以降の処理は、図3に示されたステップS14以降の処理と同様であるので説明を省略する。
【0081】
なお、前述の説明において、車両が新たなエリアに流入した後に代表車両か否かを判断して離脱に係る処理(ステップS44、ステップS45)を実行する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車両がエリアから流出する前にエリアの境界から車両の現在位置までの距離を検出し、その距離が所定の距離閾値以下になったときに離脱に係る処理を実行する構成としてもよい。
【0082】
以上のように、本実施の形態に係る車載通信装置10によれば、スロット番号送受信部13bは、車両情報のデータを送信する送信順序が定められたスロット番号のデータを受信し、車両情報送受信部14aは、スロット番号に基づいて車両情報のデータを送信する構成としたので、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る車載通信装置10によれば、代表車両判断部13aは、自車がエリアに新たに属したとき、エリア内に他車が存在するか否かを判断し、スロット番号割当管理部16aは、エリア内に他車が存在するとき送信順序のデータを代表車両に要求し、エリア内に他車が存在しないとき所定の送信順序を自車に割り当てる構成としたので、エリア内に他車が存在するとき送信順序に基づいて車両情報のデータを送信し、エリア内に他車が存在しないとき所定の送信順序を自車に割り当てて車両情報のデータを送信することができ、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができる。
【0084】
さらに、本実施の形態に係る車載通信装置10によれば、スロット番号割当管理部16aは、自車が代表車両とは異なるとき、自車がエリアから離脱する際にその旨を示す離脱通知データを代表車両に送信する構成としたので、エリアを離脱する車両を的確に代表車両に伝達することができる。
【0085】
さらに、本実施の形態に係る車載通信装置10によれば、スロット番号割当管理部16aは、自車が代表車両のとき、自車がエリアから離脱する際に代表車両を引き継ぐための代表車両引継データをエリア内の他車のいずれかに送信する構成としたので、代表車両引継データを受信した車両に代表車両を引き継がせてエリア内の車両を的確に管理させることができる。
【0086】
さらに、本実施の形態に係る車載通信装置10によれば、代表車両を引き継ぐ車両は、エリア内の車両のうち、エリア内に最後に属した車両である構成としたので、エリア内に存在する確率が最も高い車両に代表車両を引き継がせることができる。
【0087】
さらに、本実施の形態に係る車載通信装置10を各車両に搭載することにより、車両間通信システムを構築することができる。この車両間通信システムは、路側通信機を各エリア内に設置することなく各車両が自車の車両情報を周辺車両に送信することができるので、路側通信機を有する従来の通信システムよりもコストを大幅に低減することができる。
【0088】
なお、前述の実施の形態において、車両情報のデータを送信する送信順序として、所定の時間間隔で時分割されたタイムスロットの順序を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、代表車両が定めた順序で各車両が車両情報のデータを送信する構成としても同様の効果が得られる。
【0089】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態に係る車載通信装置の構成について説明する。
【0090】
図7に示すように、本実施の形態に係る車載通信装置20は、車両の現在位置及び速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段21と、所定の地域が分割された分割エリアのうち自車が存在するエリアを判定するエリア判定手段22と、車両情報のデータを送信する送信順序が定められた送信順序情報のデータを送受信する送信順序送受信手段23と、送信順序情報に基づいて車両情報のデータを送受信する車両情報送受信手段24と、送信順序送受信手段23及び車両情報送受信手段24の通信周波数を設定する周波数設定手段25とを備えている。
【0091】
なお、本実施の形態に係る車載通信装置20は、本発明の第1の実施の形態に係る車載通信装置10(図1参照)の車両情報送受信手段14の構成を変更したものなので、同様の構成については説明を省略する。
【0092】
車両情報送受信手段24は、車両情報のデータを送受信する車両情報送受信部24aと、受信した他車の車両情報のデータを記憶する他車情報記憶部24bと、他車の車両情報を自車の車両情報に付加する他車情報付加部24cとを備えている。
【0093】
他車情報付加部24cは、車両情報取得手段21から出力された車両情報のデータに、他車情報記憶部24bから読み出した他車の車両情報のデータを付加するようになっている。
【0094】
次に、本実施の形態に係る車載通信装置20の動作について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態に係る車載通信装置10と同様な動作の説明は省略し、他車情報付加部24cに係る動作を主体に説明する。
【0095】
本実施の形態に係る車載通信装置20の動作を説明するに当たり、あるエリアにおける車両の配置が図8に示すような状況にあるとして説明する。
【0096】
図8には、交差点近傍を走行中の5台の車両A〜Eが示されている。各車両は、矢印で示された方向に進行している。車両A〜Eのうち、車両Dを代表車両と仮定する。車両A〜Dは互いに無線信号が直接届く状況にあるが、車両Dから見て車両Eは建物による遮蔽領域(斜線部)を走行しているので、車両D及び車両Eは互いに無線信号が直接届かない状況にある。ただし、車両Eがスロット番号要求のデータを送信した場合、このデータは車両Aを中継して車両Dに届き、車両Dからのスロット通知のデータも車両Aを中継して車両Eに届く。
【0097】
図8に示された状況において、車両Aに搭載された車載通信装置20の他車情報付加部24cは、図9に示すようなデータを生成する。すなわち、他車情報付加部24cは、車両情報取得手段21が取得した自車の車両情報のデータに、他車情報記憶部24bに記憶された車両B〜車両Eの最新の車両情報のデータを付加したものを生成する。その結果、車両Eと直接無線通信できない車両Dは、車両Eの車両情報を取得することができる。
【0098】
以上のように、本実施の形態の車載通信装置20によれば、他車情報付加部24cは、他車の車両情報を自車の車両情報に付加する構成としたので、無線信号が直接届かない場所にある車両の車両情報を取得することができる。
【0099】
なお、前述の実施の形態において、全ての他車の車両情報を自車の車両情報に付加する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、受信した他車の車両情報のうち所定の条件によって選択した他車の車両情報を自車の車両情報に付加する構成としてもよい。例えば、受信した他車の車両情報のうち直近に受信した3つの他車の車両情報を自車の車両情報に付加する構成とすることにより、車両情報のデータのサイズを縮小することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明に係る車載通信装置及び車両間通信システムは、車両間通信を行う際の無線信号の混信を防止することができるという効果を有し、所定のエリア内において車両の情報を無線信号によって伝送する車載通信装置及び車両間通信システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置のブロック図
【図2】(a)本発明の第1の実施の形態に係るスロット番号要求のデータ構成例を示す図 (b)本発明の第1の実施の形態に係るスロット番号通知のデータ構成例を示す図 (c)本発明の第1の実施の形態に係るエリア離脱通知のデータ構成例を示す図 (d)本発明の第1の実施の形態に係る代表車両引継データ構成例を示す図 (e)本発明の第1の実施の形態に係る車両情報のデータ構成例を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置を備えた車両が、あるエリアに新たに属した場合の動作を説明するためのフローチャート
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置を備えた車両が代表車両の場合の、スロット番号要求のデータの受信に係る動作を説明するためのフローチャート
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置を備えた車両が代表車両の場合の、エリア離脱通知のデータの受信に係る動作を説明するためのフローチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置を備えた車両が、現在のエリアを離脱する場合の動作を説明するためのフローチャート
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置のブロック図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置の動作を説明するための交差点近傍の概略図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る車両情報のデータの構成例を示す図
【符号の説明】
【0102】
10、20 車載通信装置
11、21 車両情報取得手段
12、22 エリア判定手段
13、23 送信順序送受信手段
13a 代表車両判断部
13b スロット番号送受信部(送信順序データ送受信部)
14、24 車両情報送受信手段
14a、24a 車両情報送受信部
14b、24b 他車情報記憶部
15、25 周波数設定手段
16 スロット番号管理部
16a スロット番号割当管理部(送信順序割当管理部)
16b スロット番号要求部
24c 他車情報付加部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置及び速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、所定の地域が分割された分割エリアのうち自車が存在するエリアを判定するエリア判定手段と、前記車両情報のデータを送信する順序が定められた送信順序のデータを送受信する送信順序送受信手段と、前記送信順序に基づいて前記車両情報のデータを送受信する車両情報送受信手段とを有し、
前記送信順序送受信手段は、予め定められた条件に基づいて自車が前記送信順序のデータを前記エリア内の他車に送信する代表車両か否かを判断する代表車両判断部と、自車が前記代表車両のとき前記送信順序の割り当て及び管理を行う送信順序割当管理部と、前記エリアに応じた第1の周波数の無線信号によって前記送信順序のデータを送受信する送信順序データ送受信部とを備え、
前記車両情報送受信手段は、前記エリアに応じた第2の周波数の無線信号によって自車の前記車両情報のデータの送信及び前記エリア内の他車の前記車両情報のデータの受信を行う車両情報送受信部を備えたことを特徴とする車載通信装置。
【請求項2】
前記代表車両判断部は、自車が前記エリアに新たに属したとき、前記エリア内に他車が存在するか否かを判断し、前記送信順序割当管理部は、前記エリア内に他車が存在するとき前記送信順序のデータを前記代表車両に要求し、前記エリア内に他車が存在しないとき所定の送信順序を自車に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の車載通信装置。
【請求項3】
前記送信順序割当管理部は、自車が前記代表車両とは異なるとき、自車が前記エリアから離脱する際にその旨を示す離脱通知データを前記代表車両に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載通信装置。
【請求項4】
前記送信順序割当管理部は、自車が前記代表車両のとき、自車が前記エリアから離脱する際に前記代表車両を引き継ぐための代表車両引継データを前記エリア内の他車のいずれかに送信することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車載通信装置。
【請求項5】
前記代表車両を引き継ぐ車両は、前記エリア内の車両のうち、前記エリア内に最後に属した車両であることを特徴とする請求項4に記載の車載通信装置。
【請求項6】
前記車両情報送受信手段は、他車の前記車両情報のデータを記憶する他車情報記憶部と、他車の前記車両情報を自車の前記車両情報に付加する他車情報付加部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車載通信装置。
【請求項7】
前記送信順序は、所定の時間間隔で時分割されたタイムスロットの順序であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車載通信装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車載通信装置を複数の車両がそれぞれ備えたことを特徴とする車両間通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−110359(P2007−110359A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298353(P2005−298353)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】