説明

車載防犯装置

【課題】車輌に振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を発することができると共に、誤動作での警告音の出力による騒音の発生を防止できる車載防犯装置を提供する。
【解決手段】車外の撮像を行うカメラ2を車輌1に搭載し、車載防犯装置は、カメラ2による撮像画像に対して顔検出の画像処理を施すことで撮像画像に人が含まれているか否かを判定する。また、車輌1の内部にプロジェクタ3を配設すると共に、車輌1の窓に透過型スクリーン4を貼設し、カメラ2の撮像画像に人が含まれる場合には、車載防犯装置はプロジェクタ3にて透過型スクリーン4へ警告画像を表示する。また、カメラ2の撮像画像から検出した人の顔と、予め登録されたユーザの顔とを比較することにより、撮像画像中の人の顔と登録されたユーザの顔とが同一人物の顔であるか否かを判定し、同一人物であれば車載防犯装置は警告を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌周辺に存在する不審者を的確に発見し、警告を与えることができる車載防犯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輌の盗難及び車上荒らし等の犯罪を防止するための防犯装置が車輌に搭載されている。例えば車輌の振動を検知するセンサを搭載し、車輌のドアがこじ開けられた場合に生じる振動などを検知した場合に、スピーカから車外へ向けて警告音を出力する構成の防犯装置が普及している。
【0003】
特許文献1においては、車輌のウインドウに透過性の液晶パネルを貼り付け、振動を検知することで車輌に対する異常を検知し、異常発生時には音声出力による通知を行うと共に、液晶パネルに映像メッセージを表示することにより、車輌の外部に存在する人に映像メッセージを表示することができ、車輌の盗難を防止することができる映像表示装置が提案されている。
【0004】
また特許文献2においては、タクシーなどの車輌に備えられた可視光を透過可能なウインドウの内面に透過型スクリーンを貼り付け、車輌内の天井部にプロジェクタを搭載して、透過型スクリーンへプロジェクタから広告映像を投影することにより、車外の環境の影響を受けずに、車外へ広告などを表示することができる画像表示システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−082603号公報
【特許文献2】特開2006−113230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の防犯装置は、車輌の振動を検知して警告音を出力する構成であるため、振動を検知したときには既に車輌のドアがこじ開けられた後であるなど、警告音の出力が遅れる虞がある。これを改善するためにセンサの感度を高めることができるが、車輌周辺にて動作する犯罪とは無関係の他人及び他車による微振動を検知するなど、防犯装置が誤動作するという問題がある。特許文献1に記載の映像表示装置についても、振動により車輌の異常を検知する構成であるため、同様の問題を有している。
【0007】
また、防犯装置は警告音を出力するため、誤動作によって警告音が出力された場合、特に夜間又は早朝などにおいては警告音が騒音になるという問題がある。近年の防犯装置では、車輌の所持者(オーナー)が携帯する通信器との間で無線通信を行う機能を搭載し、車輌の異常を検知した場合に通信器へ通知を行うことができるものがある。この防犯装置の場合には警告音を出力しない構成とすることができるため、騒音の問題を解決することができるが、オーナーが無線通信の範囲内にいない場合には通知を行うことができず、また車輌周辺に対する警告を行うことができないため、防犯効果が低いという問題がある。また車輌の異常に対して発光による警告を行うことができる防犯装置があるが、発光はLED(Light Emitting Diode)などを用いて行われる場合が多く、その光量が少ないため防犯効果が低いという問題がある。
【0008】
また、車載の防犯装置は車輌のドアのロックが解除された場合に異常検知及び警告音の出力を停止する構成としてある場合が多い。このため、ロック解除のためのキーを所持するオーナー以外の人物が車輌に振動を与えた場合には、たとえこの人物がオーナーの家族及び友人等であっても、防犯装置は警告音の出力を行う。車輌はオーナーの自宅駐車場に駐車される機会が多く、その周囲を特にオーナーの家族が往来して車輌に振動を与える可能性があり、これにより出力される警告音が騒音になるという問題がある。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車輌に振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を発することができると共に、誤動作での警告音の出力による騒音の発生を防止できる車載防犯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車載防犯装置は、車輌に搭載され、車外の撮像を行う撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像に人が含まれているか否かを判定する判定手段と、該判定手段により人が含まれていると判定された場合に、警告を行う警告手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る車載防犯装置は、前記車輌の窓に配設された透過型スクリーンと、前記車輌内部に搭載され、前記透過型スクリーンへ画像を投影する画像投影手段とを更に備え、前記警告手段は、前記画像投影手段により前記透過型スクリーンへ警告画像を投影するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る車載防犯装置は、前記判定手段により画像に人が含まれていると判定された場合に、前記画像中の前記人の位置に応じて、前記画像投影手段による画像の投影位置を変位させる変位手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る車載防犯装置は、前記撮像手段が撮像した画像から人の顔を検出する顔検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記顔検出手段の検出結果に応じて判定を行うようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る車載防犯装置は、一又は複数の人の顔を記憶する記憶手段と、前記検出手段により検出された顔が、前記記憶手段に記憶された顔と同一人物の顔であるか否かを判定する認証手段とを更に備え、前記警告手段は、前記判定手段により人が含まれていると判定されたときであっても、前記人の顔が前記記憶手段に記憶された顔と同一人物の顔であると認証手段により判定された場合には、警告を行わないようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る車載防犯装置は、音声を出力する音声出力手段を更に備え、前記警告手段は、前記音声出力手段により警告音の出力を行うようにしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る車載防犯装置は、車外の他の装置との間で無線通信を行う通信手段を更に備え、前記警告手段は、前記通信手段により前記他の装置へ通報を行うようにしてあることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る車載防犯装置は、前記警告手段が、前記通信手段により前記他の装置へ通報を行う場合に、前記撮像手段が撮像した画像を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、車外の撮像を行う撮像手段を車輌に搭載し、撮像手段により撮像された車外の画像に対して画像処理を施すことによって、この画像に人が含まれているか否かを判定する。これにより車輌の周辺に人が存在するか否か及び車輌に対する人の接近等を、振動を検知するセンサなどを用いることなく、車載防犯装置が検知することができる。撮像された画像に人が含まれている場合、車載防犯装置は警告を発する。これにより車載防犯装置は、車輌に対して犯罪に係る振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を与えることができる。
【0019】
また、本発明においては、車輌の窓に透過型のスクリーンを配設し、この透過型スクリーンへ画像を投影する画像投影手段を車輌内部に搭載する。車載防犯装置は、撮像された画像に人が含まれている場合、画像投影手段を用いて車輌の窓に配された透過型スクリーンへ警告メッセージなどを含む警告画像を投影する。これにより車輌の窓に警告画像を表示することができ、この警告画像を車輌の周辺に存在する人(特に、撮像手段により撮像された人)に視認させることができる。警告音を出力する構成ではないため、誤動作による騒音発生の問題が生じることはない。またLEDなどの発光と比較して、車輌の窓に表示する警告画像は、車輌の遠方から視認しやすいため犯罪の抑止効果が高い。よって、本発明の車載防犯装置は、騒音を発することなく車輌周辺の広範囲に亘って警告を行うことができる。
【0020】
車輌に搭載する撮像手段は、例えば魚眼レンズ又は広角レンズ等を用いて撮像を行うことにより、車輌周辺の広範囲に亘って撮像を行うことができる。また、撮像手段を水平方向に回転させるなどによって車輌周辺の広範囲に亘って撮像を行う構成とすることも可能である。撮像により得られた画像に人が含まれている場合、画像中の人の位置から実際の車輌周辺における人の位置を判断することができる。
そこで本発明においては、透過型スクリーンを車輌の複数の(例えば全ての)窓に配設し、車内に搭載された画像投影手段を水平方向に回転させるなどして画像の投影位置を変位させる。撮像画像から判断した人の位置に応じて画像投影手段の投影位置を変位させることにより、車輌周辺に存在する人が視認しやすい位置に警告画像の表示を行うことができる。
【0021】
また、本発明においては、撮像手段が撮像した画像に人が含まれているか否かの判定を、人の顔を検出することで行う。これにより、車輌周辺に人が存在するか否かを容易且つ確実に判定することができる。また顔検出により車輌周辺に存在する人の判別が可能となる。
【0022】
また、本発明においては、車輌のオーナー、その家族及び友人等の人の顔を車載防犯装置に予め記憶させておく。これにより車載防犯装置は、撮像手段により撮像された人の顔と、予め記憶された顔とを比較して、撮像手段により撮像された人が不審者であるか否かを判断することができる(顔認証機能)。撮像手段により撮像された人の顔が予め記憶された顔と同一人物のものである場合には、車載防犯装置は撮像手段により撮像された人が不審者でないと判断し、警告を行わない。
よって、本発明の車載防犯装置は、車輌周辺に不審者が存在する場合にのみ警告を与えることができ、車輌のキーを所有しないオーナーの家族及び友人等であっても警告の対象外とすることができる。
【0023】
また、本発明においては、予め記憶した顔に基づく認証機能を車載防犯装置が備える場合に、車輌に搭載したスピーカなどを利用して不審者に対する警告音の出力を行う。これにより、不審者に対する警告をより効果的に行うことができる。顔認証機能を備えるため誤動作による警告音の出力が行われる可能性は低く、騒音は発生し難い。
【0024】
また、本発明においては、車外の他の装置との間で無線通信を行う通信手段を車載防犯装置に備える。これにより、例えば車輌のオーナーが携帯する通信器(車輌との通信専用のものであってもよく、携帯電話器などであってもよい)と車載防犯装置とが通信を行うことができるため、車輌の周辺に不審者を検知した場合にオーナーへの通報を行うことができる。また、車載防犯装置が通信手段により警察又は警備会社等へ直接的に通報を行う構成としてもよい。無線通信による通報を行うことによって、車輌に対する犯罪を早期に防止することができる。
【0025】
また、本発明においては、無線通信による通報を行う場合に、車輌に搭載した撮像手段が撮像した画像を車載防犯装置から車外の他の装置へ送信する。これにより、不審者の顔が写された画像及び不審者を検知したときの車輌周辺の画像等をオーナーなどへ送信することができるため、この画像を受信したオーナーなどは車輌及びその周辺の状況を画像から確認することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による場合は、撮像手段により撮像された車外の画像に人が含まれる場合に警告を行う構成とすることにより、車輌に対して犯罪に係る振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を与えることができるため、不審者に対する警告を確実に与えることができ、車輌に対する犯罪をより確実に防止することができる。
また、車輌の窓に配された透過型スクリーンへ警告画像を投影する構成とすることにより、誤動作による騒音を発することなく、不審者に対して効果的な警告を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る車載防犯装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明に係る車載防犯装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る車載防犯装置が行う不審者への警告を説明するための模式図である。
【図4】本発明に係る車載防犯装置が行う不審者への警告を説明するための模式図である。
【図5】本発明に係る車載防犯装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る車載防犯装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】変形例に係る車載防犯装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る車載防犯装置の構成を説明するための模式図である。図において1は、本発明に係る車載防犯装置を搭載した車輌である。なお図1においては、(a)に車輌1の平面視の構成を示し、(b)に車輌1の側面視の構成を示してある。
【0029】
本発明に係る車載防犯装置を搭載した車輌1には、車内の例えば天井などにカメラ2が配設されており、カメラ2は車内から車輌1の窓を通して車外の撮像を行うことができる。また、カメラ2は、例えば広角レンズ又は魚眼レンズ等の画角が広いレンズを有しており、車輌1の周辺を水平方向に360°に亘って撮像することができる。
【0030】
また、車輌1には車内の例えば天井などにプロジェクタ3が配設されており、車輌1の前後左右に設けられた複数の窓には、それぞれ透過型スクリーン4が貼設されている。透過型スクリーン4は、可視光を透過すると共に、プロジェクタ3から投影される画像を表示することができる。ただし透過型スクリーン4は、車輌1の運転の妨げとなることのない透過率が高いもの、又は、車輌1が走行しているか否かに応じて透過率を変化させることができるもの等を用いることが望ましい。本実施の形態において透過型スクリーン4は、運転の妨げとならない程度に透過率が高いものとする。
【0031】
図2は、本発明に係る車載防犯装置の構成を示すブロック図である。上述のカメラ2及びプロジェクタ3は、車輌1の適所に搭載されたECU(Electronic Control Unit)10に信号線を介して接続されている。ECU10は、制御部11、撮像画像処理部12、回転制御部13、投影画像処理部14、音声信号出力部15、車内通信部16、記憶部17及び無線通信部18等を備えて構成されている。
【0032】
撮像画像処理部12は、カメラ2が撮像した画像に対して種々の画像処理を施し、処理後の画像を制御部11へ与える。カメラ2は画角が広いレンズを用いて撮像を行うため、撮像により得られる画像は周縁部分が湾曲した画像となる。よって撮像画像処理部12は、カメラ2が撮像した画像の湾曲部分を補正する画像処理を行う。また撮像画像処理部12は、カメラ2が撮像した画像の明るさ又は色合い等の補正を行ってもよい。更に、本発明の撮像画像処理部12は、カメラ2が撮像した画像から人の顔を検出する画像処理を行うことができ、撮像画像から顔を検出した場合にはその旨を制御部11へ通知すると共に、検出した顔の特徴情報を制御部11へ与える。
【0033】
また、本発明の車載防犯装置は、モータ又はアクチュエータ等によりプロジェクタ3を水平方向に回転させる回転機構21を備えている。プロジェクタ3を回転機構21によって水平方向に回転させて画像の投影位置を変位させることによって、車輌1の前後左右に設けられた複数の窓のうち、いずれの窓に貼設された透過型スクリーン4に対してもプロジェクタ3は画像の投影を行うことができる。回転機構21によるプロジェクタ3の回転は、ECU10の回転制御部13により制御されており、回転制御部13は、ECU10の制御部11から与えられる回転指示に応じて、回転機構21のモータ又はアクチュエータ等を駆動する駆動信号を出力する。
【0034】
投影画像処理部14は、制御部11の指示に応じて、プロジェクタ3が投影する画像の生成を行い、生成した画像に係る画像信号をプロジェクタ3へ出力する。プロジェクタ3が画像を投影する透過型スクリーン4は車輌1の窓に貼設されており、車輌1の窓は地面に対して垂直に設けられるとは限らない。また1つのプロジェクタ3が投影位置を変位させて車輌1の窓に貼設された複数の透過型スクリーン4へ画像を投影する構成であり、各透過型スクリーン4はプロジェクタ3の投影方向に対して垂直に設けられるとは限らない。これらの要因によりプロジェクタ3から投影された画像が上下に又は左右に歪む虞があるため、投影画像処理部14は投影画像の歪みを補正する画像処理(所謂、台形補正処理)を行う。
【0035】
また車載防犯装置は、車輌1の外部に対して音声を出力するスピーカ5を備えている。スピーカ5は、音声信号を伝達するための信号線を介してECU10に接続されており、ECU10の音声信号出力部15から与えられる音声信号に応じて音声出力を行う。音声信号出力部15は、制御部11の指示に応じて音声信号の生成及び出力を行う。
【0036】
車輌1にはCAN(Controller Area Network)などの車内ネットワークが構築されており、車載防犯装置のECU10は、車内ネットワークを介してIG(イグニッション)スイッチ31及びドアロックECU32等の種々の車載機器との間でデータの送受信を行うことができる。ECU10は、車内ネットワークによる通信処理を行う車内通信部16を有している。車内通信部16は、制御部11から与えられたデータを通信プロトコルに適したデータ形式に変換して他の車載機器へ送信すると共に、他の車載機器からのデータを受信して制御部11の処理に適したデータ形式に変換して制御部11へ与える。これにより制御部11は、車内ネットワークを介して、車輌1のIGスイッチの接続状態及び車輌1のドアのロック状態等の情報を取得することができる。
【0037】
ECU10は、各種のプログラム及びデータ等を記憶する記憶部17を有している。記憶部17は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成されており、本発明に係る車載防犯装置の記憶部17には認証情報50が記憶されている。認証情報50は、車輌1の運転者、その家族及び友人等のユーザの顔情報が予め登録されたものである。これにより制御部11は、カメラ2の撮像画像から検出された人の顔に係る情報と、認証情報50に登録されたユーザの顔情報とを比較し、撮像画像から検出された人が登録されたユーザであるか否かを判定することができる。
【0038】
また、車載防犯装置はユーザが所持する携帯型通信器40との間で無線通信を行う機能を備えており、ECU10は無線通信部18を有している。例えば、携帯型通信器40はユーザが所持する車輌1のキーに取り付けるキーホルダーなどに内蔵された無線通信器とすることができ、この場合にはECU10の無線通信部18は、車輌1の周囲の数10m〜数100m程度の範囲内で無線信号を送受信し、ユーザが所持する携帯型通信器40と通信を行う構成とすることができる。また例えば、携帯型通信器40はユーザが所持する携帯電話器などとすることができ、この場合にはECU10の無線通信部18は、商用の携帯電話網を介してユーザが所持する携帯型通信器40との間で電子メールなどの送受信を行う構成とすることができる。無線通信部18は、制御部11からの指示に応じて携帯型通信器40への無線送信を行い、携帯型通信器40からの無線信号を受信して受信内容を制御部11へ与える。また無線通信部18は、カメラ2にて撮像された画像を携帯型通信器40へ送信することができる。
【0039】
本発明に係る車載防犯装置は、カメラ2の撮像画像に基づいて車輌1の周辺に不審者が存在するか否かを判定し、不審者が存在する場合には車輌1の窓に貼設された透過型スクリーン4へ警告画像を表示すると共に、スピーカ5から警告音を出力し、ユーザが所持する携帯型通信器40へ通報を行う機能を備えている。図3及び図4は、本発明に係る車載防犯装置が行う不審者への警告を説明するための模式図である。
【0040】
車載防犯装置は、車輌1のエンジンが停止され、ドアがロックされた状態(駐車状態)にて動作を開始し、カメラ2による車外の撮像を行う。駐車状態の車輌1の周辺に人100が存在する場合、カメラ2により人100が撮像される。カメラ2にて撮像された画像は、カメラ2からECU10の撮像画像処理部12へ与えられ、撮像画像処理部12により人の顔を検出する顔検出処理が施され、顔検出処理により人100の顔が検出されてこの旨が撮像画像処理部12から制御部11へ通知されると共に、検出した顔の特徴が制御部11へ与えられる。
【0041】
カメラ2の撮像画像から顔が検出された場合、制御部11は、撮像画像処理部12から与えられた顔の特徴と、記憶部17の認証情報50に予め登録された人の顔の特徴とを比較することによって、カメラ2にて撮像された人100が予め登録された人と同一人物であるか否かを判定する顔認証処理を行う。顔認証処理の結果、カメラ2にて撮像された人100が予め登録された人と同一人物でないと判定した場合、制御部11は、投影画像処理部14に指示を与えることによって、プロジェクタ3から透過型スクリーン4への警告画像の投影を行う。透過型スクリーン4に投影される警告画像は、例えば「不審者発見!通報します。」というメッセージを含む画像を用いることができる(図3参照)。
【0042】
また、カメラ2は広角レンズ又は魚眼レンズ等の画角の広いレンズを用いて撮像を行うものであり、例えば車輌1の周囲を360°に亘って撮像することができ、カメラ2により撮像された画像における人100が撮像された位置(人100の顔が検出された位置)から、人100が車輌1の周囲のいずれの位置に存在するかを制御部11は判断することができる。よって制御部11は、例えば車輌1の右側に人100が存在すると判断した場合には、車輌1の右側の窓に貼設された透過型スクリーン4へ警告画像を投影するように、プロジェクタ3の投影位置を回転機構21により変位させる(図4(a)参照)。また例えば車輌1の左側に人100が存在すると判断した場合、制御部11は車輌1の左側の窓に貼設された透過型スクリーン4へ警告画像を投影するように、プロジェクタ3の投影位置を回転機構21により変位させる(図4(b)参照)。
【0043】
また、制御部11は、プロジェクタ3により透過型スクリーン4へ警告画像を投影する際に、音声信号出力部15に出力指示を与えることによってスピーカ5から警告音を出力すると共に、無線通信部18にカメラ2の撮像画像を与えることによって携帯型通信器40へ撮像画像を無線送信する通報を行う。これにより車載防犯装置は、車輌1の周辺に存在する人100へ警告画像及び警告音による警告を与えることができると共に、携帯型通信器40を所有するユーザへの通知を行うことができ、車輌1に対する犯罪を未然に防止することができる。
【0044】
図5及び図6は、本発明に係る車載防犯装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートであり、ECU10の制御部11が行う処理を示してある。ECU10の制御部11は、まず、車内通信部16による車内通信にてドアロックECU32から得られる情報を基に、車輌1のドアのロックが解除されたか否かを判定する(ステップS1)。ドアのロックが解除されていない場合(S1:NO)、制御部11は、カメラ2による車外の撮像を行って(ステップS2)、撮像画像処理部12にて撮像画像を取得し、取得した撮像画像から人の顔を検出する顔検出処理を行う(ステップS3)。制御部11は、撮像画像処理部12の顔検出処理により人の顔が検出されたか否かに応じて、車輌1の周辺に人が存在するか否かを判定し(ステップS4)、人が存在しない場合には(S4:NO)、ステップS1へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。
【0045】
顔検出処理により顔が検出され、人が存在すると判定した場合(S4:YES)、制御部11は、撮像画像処理部12が検出した顔の特徴に係る情報と、記憶部12の認証情報50に予め登録されたユーザの顔の特徴に係る情報とを比較することにより、撮像された顔の特徴と登録された顔の特徴とが一致するか否かを判定する顔認証処理を行う(ステップS5)。制御部11は、顔認証処理の結果から、カメラ2により撮像された人が、認証情報50に顔が登録済みの人であるか否かを判定し(ステップS6)、撮像された人が登録済みの人である場合(S6:YES)、警告を行うことなくステップS1へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。
【0046】
撮像された人が登録済みの人でない場合(S6:NO)、制御部11は、カメラ2により撮像された人が不審者と判断し、カメラ2の撮像画像内における不審者の撮像位置に応じて、車輌1の周辺における不審者の位置を判断する位置判断処理を行う(ステップS7)。次いで、制御部11は、位置判断処理の結果に応じて回転制御部13に指示を与えることによって、不審者の位置に対応する車輌1の窓へ向けてプロジェクタ3を水平方向に回転させる処理を行い(ステップS8)、対応する窓に貼設された透過型スクリーン4に警告画像の投影を行う(ステップS9)。
【0047】
更に、制御部11は、音声信号出力部15に音声出力の指示を与えることによって、スピーカ5から警告音を出力すると共に(ステップS10)、カメラ2が撮像した画像を無線通信部18に与えて携帯型通信器40へ送信することにより、携帯型通信器40を所持するユーザへの無線通報を行う(ステップS11)。その後、制御部11は、ステップS1へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。また、ステップS1にて車輌1のドアのロックが解除されたと判定した場合(S1:YES)、制御部11は不審者の接近に対して警告を与える処理を終了する。
【0048】
以上の構成の車載防犯装置においては、車外の撮像を行うカメラ2を車輌1に搭載し、カメラ2による撮像画像に対して顔検出の画像処理を施すことで撮像画像に人が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じて警告を行う構成とすることにより、車載防犯装置は、振動を検知するセンサなどを用いることなく、車輌1の周辺に人が存在することを検知して警告を与えることができる。よって、本発明の車載防犯装置は、車輌1に対して犯罪に係る振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を与えることができるため、不審者に対する警告を確実に行うことができ、車輌1に対する犯罪をより確実に防止することができる。
【0049】
また、車輌1の内部にプロジェクタ3を配設すると共に、車輌1の窓に透過型スクリーン4を貼設し、カメラ2の撮像画像に人が含まれる場合には、プロジェクタ3にて透過型スクリーン4へ警告画像を表示する構成とすることにより、車輌1の窓に警告画像を表示して周辺に存在する人に視認させることができる。LEDなどの発光による警告と比較して、車輌1の窓に表示する警告画像は遠方から視認しやすいため犯罪の抑止効果が高い。なお本実施の形態の車載防犯装置はスピーカ5から警告音を出力する構成であるが、プロジェクタ3による警告画像を透過型スクリーン4に投影する機能を備えるためスピーカ5を備えない構成であってもよく、この構成の場合に車載防犯措置は騒音を発することなく警告画像の投影により車輌1周辺の広範囲に亘って警告を行うことができる。
【0050】
また、カメラ2は画角の広いレンズを用いて車輌1の周辺を広範囲に亘って撮像することができ、車載防犯装置は車輌1の周辺の広範囲に亘って不審者を検知して警告を与えることができる。また車輌1の複数の窓に透過型スクリーン4を貼設し、車輌1内に設けられたプロジェクタ3を、カメラ2の撮像画像中に含まれる人の位置に応じて回転機構21により回転させる構成とすることにより、車載防犯装置は車輌1の周辺に存在する人が視認しやすい位置に警告画像を表示することができ、より効果的な警告を行うことができる。
【0051】
また、カメラ2の撮像画像から検出した人の顔と、記憶部17の認証情報50に予め登録されたユーザの顔とを比較することにより、撮像画像中の人の顔と登録されたユーザの顔とが同一人物の顔であるか否かを判定し、同一人物でなければ警告を行う構成とすることにより、車輌1のキーを所有するオーナーのみでなく、その家族及び友人等であっても警告の対象外とすることができる。これにより、車載防犯装置にスピーカ5を備えて警告音を出力する構成とした場合であっても、不審者以外に対する警告音の出力が抑制されるため、車載防犯装置の誤動作に伴う騒音の発生を抑制できる。
【0052】
また、カメラ2の撮像により車輌1の周辺に不審者を検出した場合に、プロジェクタ3による警告画像の投影と共に、無線通信部18による携帯型通信器40への無線通報を行う構成とすることにより、車輌1に対する犯罪をより早期に防止することができる。なお、車載防犯装置が行う無線通報は、ユーザが所持する携帯型通信器40に限るものではなく、例えば警察又は警備会社等へ通報を行うものであってもよい。また、携帯型通信器40への無線通報を行う際に、無線通信部18はカメラ2により撮像された車輌1の周辺の画像、即ち不審者が撮像された画像を送信する構成とすることにより、この画像を携帯型通信器40にて受信したオーナーなどは、車輌1及びその周辺の状況を画像から確認することができる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、カメラ2が画角の広いレンズを用いて車輌1の周辺を広範囲に亘って撮像する構成としたが、これに限るものではなく、プロジェクタ3と同様にカメラ2を回転機構により水平方向に回転させて車輌1の周辺を広範囲に亘って撮像する構成としてもよい。この場合に、カメラ2及びプロジェクタ3を共通の回転機構により一体的に回転させる構成としてもよい。またプロジェクタ3が画像の投影を広範囲に亘って行うことができるものであれば、回転機構21を備えない構成としてもよい。
【0054】
また、車輌1にカメラ2及びプロジェクタ3をそれぞれ1つ搭載する構成としたが、これに限るものではなく、カメラ2及びプロジェクタ3を複数搭載する構成としてもよい。例えば、車輌1の前後左右にそれぞれカメラ2及びプロジェクタ3を搭載し、車輌1の各方向についての不審者の検出及び警告画像の投影を行う構成としてもよい。またカメラ2及びプロジェクタ3の搭載数は同数でなくてもよい。また、カメラ2は赤外線を受光して撮像を行うカメラを用いてもよい。
【0055】
また、車輌1の全ての窓に透過型スクリーン4を貼設する構成としたが、これに限るものではない。例えば、車輌1の左右の窓にのみ透過型スクリーン4を貼設し、前後の窓には透過型スクリーン4を設けない構成としてもよい。また、プロジェクタ3が透過型スクリーン4へ投影する警告画像として、図3に示すような警告メッセージが描かれた画像を投影する構成としたが、この警告画像は一例であってこれに限るものではなく、その他の種々の画像を警告画像として投影する構成としてよい。また例えば、カメラ2が撮像した画像をプロジェクタ3が透過型スクリーン4へ投影する構成としてもよく、記憶部17の認証情報50に登録されたユーザの顔をプロジェクタ3が透過型スクリーン4へ投影する構成としてもよい。
【0056】
また、車載防犯装置は、車輌1の周辺に不審者を検出した場合に、プロジェクタ3による警告画像の投影、スピーカ5による警告音の出力及び無線通信部18による無線通報の3つの警告を行う構成としたが、これに限るものではなく、これらの3つの警告のうちの少なくとも1つを行う構成であればよい。また例えば、光センサなどを備えて昼間及び夜間の判定を行い、昼間にはスピーカ5による音声出力を行い、夜間にはプロジェクタ3による警告画像の投影を行う構成としてもよい。
【0057】
また、カメラ2にて撮像された画像に人の顔が含まれている場合、画像中の顔の大きさに基づいて車輌1から人までの距離を推定することができる。そこで、車載防犯装置は、撮像画像処理部12の顔検出処理において顔が検出された場合に、撮像画像における顔の大きさから人までの距離を推定し、この距離が所定距離より小さい場合にのみ警告を行う構成としてもよい。
【0058】
また、車輌1のバッテリ上がりを防止するために、カメラ2による撮像及び顔の検出処理等の車載防犯装置が行う処理は、例えば車輌1のエンジン停止から所定時間が経過するまでの間に行い、所定時間の経過後は処理を停止する構成としてもよい。また例えば、バッテリの残容量を検出する手段を設けて、バッテリの残容量が所定量より少なくなった場合に、車載防犯装置の処理を停止する構成としてもよい。
【0059】
(変形例)
上述の実施の形態に係る車載防犯装置は、カメラ2の撮像画像に含まれる人の顔と、認証情報50に予め登録された人の顔とが同一人物のものであるか否かを判定する顔認証処理を行う構成であるが、変形例に係る車載防犯装置は顔認証処理を行わない簡易構成である。変形例に係る車載防犯装置は、記憶部17に認証情報50を記憶していない。カメラ2にて撮像された画像は撮像画像処理部12へ与えられ、撮像画像処理部12は与えられた撮像画像から人の顔を検出する顔検出処理を行って、検出結果を制御部11へ与える。
【0060】
また、変形例の車輌1はユーザが所持する遠隔操作型のキー(所謂、スマートキー)によりドアの開閉及びエンジンの始動等を行うことができる構成とし、ECU10の制御部11は、車内通信部16の車内通信によって、ドアロックECU32からユーザが所持するスマートキーが車輌1から所定範囲内(電波の到達範囲内)に存在するか否かに関する情報を取得する。
【0061】
制御部11は、撮像画像処理部12にて撮像画像から顔が検出された場合に、プロジェクタ3から透過型スクリーン4への警告画像の表示及び無線通信部18による携帯型通信器40への無線通知の警告を行う。ただし、撮像画像から顔が検出された場合であっても、ドアロックECU32からの情報によりスマートキーが所定範囲内に存在するときには、カメラ2により撮像された人の顔がユーザのものであると判断できるため、制御部11は警告を行わない。
【0062】
図7は、変形例に係る車載防犯装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。変形例に係るECU10の制御部11は、まず、車内通信部16による車内通信にてドアロックECU32から得られる情報を基に、車輌1のドアのロックが解除されたか否かを判定する(ステップS21)。ドアのロックが解除されていない場合(S21:NO)、制御部11は、カメラ2による車外の撮像を行って(ステップS22)、撮像画像処理部12にて撮像画像を取得し、取得した撮像画像から人の顔を検出する顔検出処理を行う(ステップS23)。制御部11は、撮像画像処理部12の顔検出処理により人の顔が検出されたか否かに応じて、車輌1の周辺に人が存在するか否かを判定し(ステップS24)、人が存在しない場合には(S24:NO)、ステップS21へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。
【0063】
顔検出処理により顔が検出され、人が存在すると判定した場合(S24:YES)、制御部11は、車内通信部16による社内通信にてドアロックECU32からユーザが所持するスマートキーに係る情報を取得し(ステップS25)、ユーザが所持するスマートキーが車輌1から所定範囲内に存在するか否かを判定する(ステップS26)。スマートキーが所定範囲内に存在する場合(S26:YES)、制御部11は、警告を行うことなくステップS21へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。
【0064】
スマートキーが所定範囲内に存在しない場合(S26:NO)、制御部11は、カメラ2により撮像された人が不審者と判断し、カメラ2の撮像画像内における不審者の撮像位置に応じて、車輌1の周辺における不審者の位置を判断する位置判断処理を行う(ステップS27)。次いで、制御部11は、位置判断処理の結果に応じて回転制御部13に指示を与えることによって、不審者の位置に対応する車輌1の窓へ向けてプロジェクタ3を水平方向に回転させる処理を行い(ステップS28)、対応する窓に貼設された透過型スクリーン4に警告画像の投影を行う(ステップS29)。更に、制御部11は、カメラ2が撮像した画像を無線通信部18に与えて携帯型通信器40へ送信することにより、携帯型通信器40を所持するユーザへの無線通報を行う(ステップS30)。その後、制御部11は、ステップS21へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。また、ステップS21にて車輌1のドアのロックが解除されたと判定した場合(S21:YES)、制御部11は不審者の接近に対して警告を与える処理を終了する。
【0065】
以上の構成の変形例に係る車載防犯装置は、振動を検知するセンサなどを用いることなく、カメラ2の撮像画像を基に車輌1の周辺に人が存在することを検知して警告画像を表示することができ、車輌1に対して犯罪に係る振動が与えられる以前に不審者を検知して警告を与えることができるため、不審者に対する警告を確実に行うことができ、車輌1に対する犯罪をより確実に防止することができる。また、スマートキーが車輌1から所定範囲内に存在する場合には警告を行わない構成とすることにより、車載防犯装置が顔認証処理を行う機能を有していない場合であっても、スマートキーを所持するユーザを警告の対象外とすることができる。
【0066】
なお、本変形例においては、カメラ2の撮像画像から不審者を検出した場合に、プロジェクタ3による警告画像の表示及び無線通信部18による携帯型通信器40への無線通知を行う構成とし、スピーカ5による音声出力は行わない構成としたが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0067】
1 車輌
2 カメラ(撮像手段)
3 プロジェクタ(警告手段、画像投影手段)
4 透過型スクリーン(警告手段)
5 スピーカ(警告手段、音声出力手段)
10 ECU
11 制御部(認証手段)
12 撮像画像処理部(判定手段、顔検出手段)
13 回転制御部(変位手段)
14 投影画像処理部
15 音声信号出力部(音声出力手段)
16 車内通信部
17 記憶部(記憶手段)
18 無線通信部(警告手段、通信手段)
21 回転機構(変位手段)
31 IGスイッチ
32 ドアロックECU
40 携帯型通信器
50 認証情報(記憶手段)
100 人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌に搭載され、車外の撮像を行う撮像手段と、
該撮像手段が撮像した画像に人が含まれているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により人が含まれていると判定された場合に、警告を行う警告手段と
を備えること
を特徴とする車載防犯装置。
【請求項2】
前記車輌の窓に配設された透過型スクリーンと、
前記車輌内部に搭載され、前記透過型スクリーンへ画像を投影する画像投影手段と
を更に備え、
前記警告手段は、前記画像投影手段により前記透過型スクリーンへ警告画像を投影するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車載防犯装置。
【請求項3】
前記判定手段により画像に人が含まれていると判定された場合に、前記画像中の前記人の位置に応じて、前記画像投影手段による画像の投影位置を変位させる変位手段を更に備えること
を特徴とする請求項2に記載の車載防犯装置。
【請求項4】
前記撮像手段が撮像した画像から人の顔を検出する顔検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記顔検出手段の検出結果に応じて判定を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車載防犯装置。
【請求項5】
一又は複数の人の顔を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により検出された顔が、前記記憶手段に記憶された顔と同一人物の顔であるか否かを判定する認証手段と
を更に備え、
前記警告手段は、前記判定手段により人が含まれていると判定されたときであっても、前記人の顔が前記記憶手段に記憶された顔と同一人物の顔であると認証手段により判定された場合には、警告を行わないようにしてあること
を特徴とする請求項4に記載の車載防犯装置。
【請求項6】
音声を出力する音声出力手段を更に備え、
前記警告手段は、前記音声出力手段により警告音の出力を行うようにしてあること
を特徴とする請求項5に記載の車載防犯装置。
【請求項7】
車外の他の装置との間で無線通信を行う通信手段を更に備え、
前記警告手段は、前記通信手段により前記他の装置へ通報を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の車載防犯装置。
【請求項8】
前記警告手段は、前記通信手段により前記他の装置へ通報を行う場合に、前記撮像手段が撮像した画像を送信するようにしてあること
を特徴とする請求項7に記載の車載防犯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−257249(P2010−257249A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106830(P2009−106830)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】