説明

車載電子機器およびメニュー提供方法

【課題】運転席側と助手席側とに異なる映像を表示しているときでも、同乗者が自分の自由意志で走行中に運転席側の映像に対する操作を行うことが可能な「車載電子機器およびメニュー提供方法」を提供する。
【解決手段】第1階層において第1の操作項目21aまたは第2の操作項目21bの何れが操作されたかに応じて操作者を検出するとともに、第1階層から遷移した第2階層において第3の操作項目22aまたは第4の操作項目22bの何れが操作されたかに応じて操作対象の映像を検出し、検出された操作者用の表示画面に対して操作対象の映像に関する操作メニュー23を表示することにより、ナビゲーション映像に対する操作メニューとDVD映像に対する操作メニューとのどちらを表示させるかをタッチ操作によって選択し、選択した操作メニューを操作者自身の表示画面に表示させることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載電子機器およびメニュー提供方法に関し、特に、1つの表示画面において観察する方向により異なる映像を見ることができるように成された、いわゆるマルチビューディスプレイのメニュー操作に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの表示画面において観察する方向により異なる映像を見ることができるように成されたデュアルビューディスプレイが提供されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、デュアルビューディスプレイをカーナビゲーションシステムの車載用表示装置として用いた場合、運転席側にはナビゲーション映像を表示し、助手席側にはテレビ映像やDVD(Digital Versatile Disk)映像などを表示することが可能となる。
【特許文献1】特開2005−71286号公報
【0003】
デュアルビューディスプレイを実現する技術として、視差バリアを用いたものや、レンチキュラーレンズを用いたものが存在する。図7は、視差バリアを用いたデュアルビューディスプレイの原理を説明するための図である。図7に示すように、デュアルビューディスプレイは、スイッチ液晶101とTFT(Thin Film Transistor)液晶102との組み合わせにより構成されている。
【0004】
スイッチ液晶101には、光学的な視差バリア103が等しい間隔を空けて複数設けられている。視差バリア103は、光(液晶のバックライト)の進行方向を制御し、左右の観察位置106,107に異なる光が届くように光を分離している。また、TFT液晶102では、交互に配置された左用画素群104と右用画素群105とにそれぞれ左用画像と右用画像とを交互に表示している。
【0005】
視差バリア103を通過して左用画素群104を通った光は左の観察位置106に届き、視差バリア103を通過して右用画素群105を通った光は右の観察位置107に届く。これにより、1つのTFT液晶102の表示画面上において、観察する方向により異なる映像を見ることができるようになる。
【0006】
ところで、液晶表示パネルを用いた機器にあっては、リモートコントローラの操作に限らず、液晶表示パネルに表示される映像をタッチパネルの操作によって操作することができるものがある。タッチパネルは、液晶表示パネルの前面に重ね合わされるものであり、液晶表示パネルに表示される動作選択の指示に応じたバーやキースイッチ等にタッチすることで、タッチ操作コントロールを行うことができる。
【0007】
上述のデュアルビューディスプレイにもタッチパネルを適用することが可能である。ただし、この場合は、デュアルビューディスプレイの特徴である“左右独立表示”と合わせて、運転者と助手席の同乗者とがそれぞれ用に表示された映像に対する操作を独立して行えるようにする必要がある。また、タッチパネルにタッチした者が運転者であるか同乗者であるかを識別し、そのタッチパネルの操作を運転者または同乗者が視聴している映像に対応させる必要もある。
【0008】
上記特許文献1に記載の発明では、タッチ操作が何れの映像に対して有効であるかの判断を容易かつ確実に行うための工夫が成されている。すなわち、タッチパネルに視聴者Aタッチ専用エリアおよび視聴者Bタッチ専用エリアを設けておき、どちらのエリアがタッチされたのかを判断して、タッチされた側のエリアに対応する映像の操作メニューを表示するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ナビゲーション装置を利用する際には、タッチパネルなどを用いてナビゲーション装置に対して所望の指示を与えるための操作を行う必要がある。ところが、走行中に運転者が操作を行うことは安全面から望ましくなく、法令上禁止されている。そのため、従来のナビゲーション装置は、走行中であることが検出されている間は操作の受付を制限する(操作無効とする)ように成されている。
【0010】
しかしながら、助手席の同乗者であれば走行中の操作でも安全上問題がないにもかかわらず、従来のナビゲーション装置では、走行中はナビゲーション装置に対する操作が完全に禁止され、同乗者によっても操作が一切できなくなってしまう。つまり、例えばデュアルビューディスプレイで運転席側にナビゲーション映像を表示し、助手席側にテレビ映像やDVD映像などを表示しているときに、運転者も同乗者もナビゲーション装置に対する操作が一切できないという問題があった。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、マルチビューディスプレイにおいて運転席側と助手席側とに異なる映像を表示しているときでも、同乗者が自分の自由意志で走行中に運転席側の映像に対する操作を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明では、複数の異なる映像がマルチビュー表示されている表示部のタッチパネルに対してタッチ操作が行われたときに、その操作者が運転者であるか同乗者であるかを検出するとともに、タッチ操作に基づいて、操作対象が運転者用の映像であるか同乗者用の映像であるかを検出し、検出された操作者用の表示画面に対して操作対象の映像に関する操作メニューを表示するようにしている。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した本発明によれば、操作者のタッチ操作に基づき運転者用の映像に対する操作メニューと同乗者用の映像に対する操作メニューとの何れかが選択されるので、運転者または同乗者は、運転者用の映像に対する操作メニューと同乗者用の映像に対する操作メニューとのどちらを表示させるかをタッチ操作によって選択することができる。これとは別に、操作者が運転者であるか同乗者であるかも検出されているので、操作者が選択した操作メニューを操作者自身の表示画面に表示させることができる。これにより、マルチビューディスプレイにおいて運転者用と同乗者用とで異なる映像が表示されているときでも、同乗者が自分の自由意志で運転者用の映像に対する操作を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による車載電子機器の構成例を示すブロック図である。図1に示す車載電子機器は、例えばナビゲーション機能やAV(Audio Visual)再生機能を有するオーディオ一体型カーナビゲーション装置10を例として示したものである。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態によるオーディオ一体型カーナビゲーション装置10は、ナビゲーションコントロールユニット11、DVDコントロールユニット12、TVコントロールユニット13、映像選択部14、表示制御部15、表示装置(デュアルビューディスプレイ)16およびコントローラ17を備えて構成されている。
【0016】
ナビゲーションコントロールユニット11は、自立航法センサやGPS受信機などを用いて車両の現在位置を検出し、自車位置近傍の地図データを記録媒体から読み出して画面上に表示することによって走行案内を行うものである。このナビゲーションコントロールユニット11からは地図画像データが出力される。
【0017】
DVDコントロールユニット12は、DVDに記録されている画像データを再生して出力するものである。このDVDコントロールユニット12からはDVD画像データが出力される。TVコントロールユニット13は、テレビ放送の電波を受信して処理するものである。このTVコントロールユニット13からはテレビ画像データが出力される。
【0018】
映像選択部14は、ナビゲーションコントロールユニット11から出力される地図画像データ、DVDコントロールユニット12から出力されるDVD画像データ、TVコントロールユニット13から出力されるテレビ画像データを入力し、これらの中から何れか1つまたは2つを選択的に出力する。
【0019】
表示制御部15は、映像選択部14から出力された画像データに基づいて、デュアルビューディスプレイ16に対して表示に必要な画像データを出力することにより、デュアルビューディスプレイ16に映像を表示する。また、表示制御部15は、後述するようなメニュー表示に関する制御も行う。
【0020】
デュアルビューディスプレイ16は、表示パネル16a(本発明の表示部に相当)、タッチパネル16b(本発明のタッチ検出部に相当)およびタッチ位置検出部16cを備えている。表示パネル16aは、画像データに基づき映像を表示するものであり、例えば図7のように構成されていて、複数の異なる映像に基づくデュアルビュー表示を行うことが可能となっている。デュアルビュー表示では、映像選択部14で選択された2つの映像を左方向および右方向に分けて表示することにより、運転者および同乗者が異なる映像を視聴することが可能である。
【0021】
例えば、右座席が運転席の場合、映像選択部14にて地図画像データとDVD画像データとを選択し、左用画素群104にDVD画像データを出力するとともに、右用画素群105に地図画像データを出力することにより、運転席側にはナビゲーション映像(本発明の運転者用の映像に相当)を表示し、助手席側にはDVD映像(本発明の同乗者用の映像に相当)を表示することが可能となる。運転席側と助手席側でどの映像ソースを選択するかは、運転者および助手席の同乗者がそれぞれ図示しないソース選択スイッチを操作することによって決定することが可能である。
【0022】
なお、映像選択部14で何れか1つの画像データを選択し、それを左用画素群104にも右用画素群105にも出力することにより、運転席と助手席の両方から同じ映像を見ることができるようにすることも可能である。
【0023】
タッチパネル16bは、表示パネル16aの前面に重ね合わされ、ユーザ(運転者または助手席の同乗者)によるタッチ操作を検出する。ここで、タッチパネル16bをユーザが触れたか否かを検出するためには、例えば抵抗膜方式や赤外線方式等が使用される。また、タッチ位置検出部16cは、タッチパネル16bへのユーザのタッチ位置を検出してその座標データを出力する。
【0024】
表示制御部15は、デュアルビュー表示において運転席側と助手席側とで異なる映像ソースが選択されているとき(例えば、運転者用にナビゲーション映像を表示し、同乗者用にDVD映像を表示しているとき)に、これらの映像の表示に重ねて、またはこれらの映像とは別の領域に、所定のメニューを表示パネル1aに表示する。このとき表示制御部15は、同乗者用のメニューおよび運転者用のメニューを表示パネル16aの異なる画面位置に表示するように制御する。
【0025】
コントローラ17は、オーディオ一体型カーナビゲーション装置10の全体を制御する。このコントローラ17は、例えば、CPU、ROMおよびRAMから成るマイクロコンピュータにより構成されている。ROMには、オーディオ一体型カーナビゲーション装置10を制御するための各種プログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶されている各種プログラムに従って、RAMをワークメモリとして使用しながら各種の制御を実行する。
【0026】
コントローラ17は、マイクロコンピュータの動作により実現される機能構成として、操作者検出部17aと操作対象検出部17bとを備えている。操作者検出部17aは、タッチパネル16bによりタッチ操作が検出されたときに、タッチ位置検出部16cより出力されるタッチ位置の座標データに基づいて、その操作者が同乗者であるか運転者であるかを検出する。また、操作対象検出部17bは、タッチパネル16bによりタッチ操作が検出されたときに、タッチ位置検出部16cより出力されるタッチ位置の座標データに基づいて、操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを検出する。
【0027】
表示制御部15は、操作者検出部17aにより検出された操作者の表示画面に対して、操作対象検出部17bにより検出された操作対象の映像に関する操作メニューを表示するように制御する。操作者の表示画面とは、操作者が同乗者である場合には左用画素群104に出力される画像データによって表示パネル16aの全体に表示される左席用の表示画面のことをいう。また、操作者が運転者である場合には右用画素群105に出力される画像データによって表示パネル16aの全体に表示される右席用の表示画面のことをいう。
【0028】
図2は、第1の実施形態において表示パネル1aに表示される表示画面の例を示す図である。ここで、図2(a)は左席用(同乗者用)表示画面の第1階層から第3階層までの遷移状態を示し、図2(b)は右席用(運転者用)表示画面の第1階層から第3階層までの遷移状態を示している。第1階層は、ユーザがタッチパネル16bに対して何の操作も行っていないときに表示されている画面である。これに対して、第2階層および第3階層は、左席用表示画面または右席用表示画面の何れかにおいてメニューがタッチされたときに表示される画面である。
【0029】
図2(a)に示すように、左席用表示画面の第1階層では、同乗者用のメニューとして、操作者が同乗者であることを指定するための第1の操作項目21a(この表示領域は請求項2の第1の領域に相当する)が画面の左端付近に表示されている。また、図2(b)に示すように、右席用表示画面の第1階層では、運転者用のメニューとして、操作者が運転者であることを指定するための第2の操作項目21b(この表示領域は請求項2の第2の領域に相当する)が画面の右端付近に表示されている。
【0030】
このように、第1の操作項目21aと第2の操作項目21bとが表示画面の異なる位置に表示されているので、どちらの操作項目がタッチされたのかによって、操作者が同乗者であるか運転者であるかを判別することができる。すなわち、操作者検出部17aは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、第1の操作項目21aまたは第2の操作項目21bの何れの領域がタッチされたかに応じて、操作者が同乗者であるか運転者であるかを判断する。
【0031】
第1階層では、第1の操作項目21aおよび第2の操作項目21bの何れも有効であり、ユーザが希望する方の操作項目を任意にタッチして操作することができる(ただし、走行中は第2の操作項目21bに対する操作が無効化されている)。これに対して、第1階層で何れかの操作項目がタッチされると、そのタッチされた操作項目が第1の操作項目21aか第2の操作項目21bかに応じて、タッチされていない方の操作項目に対する操作が無効化される。
【0032】
無効化とは、タッチ操作を受け付けない状態のことを言う。画面上では、例えば、無効化したメニューをマスクして表示する。または、無効化したメニューを非表示としても良い。ここで、マスク表示とは、例えばメニューを通常よりも薄く表示するなど、操作が有効なときの表示とは異なる態様でメニューを表示することをいう(図2では点線で示している)。
【0033】
図2では、第1階層において同乗者用の第1の操作項目21aがタッチされた場合の例を示している(タッチされた操作項目にハッチングを付して示している)。この場合に操作者検出部17aは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、第1の操作項目21aがタッチされたことを検出し、操作者が同乗者であると判断する。このときコントローラ17は、左席用表示画面のメニュー操作は引き続き有効とし、右席用表示画面のメニュー操作を無効化する。そして、表示制御部15は、第2階層の表示に遷移させる。
【0034】
第2階層において、表示制御部15は、操作者検出部17aにより検出された操作者(図2の例では同乗者)の左席用表示画面に対して、同乗者用のDVD映像と運転者用のナビゲーション映像とを領域分割して表示する。ここでは、同乗者用のDVD映像を画面左半分の領域に表示するとともに、運転者用のナビゲーション映像を画面右半分の領域に表示している。一方、第2階層でも右席用表示画面は、第1階層と同じナビゲーション映像を表示したままである。
【0035】
左席用表示画面の左半分領域においては、操作対象が同乗者用のDVD映像であることを指定するための第3の操作項目22a(この表示領域は請求項3の第3の領域に相当する)が左半分領域の左端付近に表示されている。また、左席用表示画面の右半分領域においては、操作対象が運転者用のナビゲーション映像であることを指定するための第4の操作項目22b(この表示領域は請求項3の第4の領域に相当する)が右半分領域の右端付近に表示されている。
【0036】
このように、第3の操作項目22aと第4の操作項目22bとが表示画面の異なる位置に表示されているので、どちらの操作項目がタッチされたのかによって、操作対象が同乗者用のDVD映像であるか運転者用のナビゲーション映像であるかを判別することができる。すなわち、操作対象検出部17bは、タッチ位置検出部16cからの座標データに基づいて、第3の操作項目22aまたは第4の操作項目22bの何れの領域がタッチされたかに応じて、操作対象が同乗者用のDVD映像であるか運転者用のナビゲーション映像であるかを判断する。そして、表示制御部15は、その判断結果に応じた映像を表示するべく第3階層の表示に遷移させる。
【0037】
第3階層において、表示制御部15は、操作対象検出部17bにより検出された操作対象の映像に関する操作メニューを、操作者検出部17aにより検出された操作者の表示画面に表示する。ここでは、第2階層において第4の操作項目22bがタッチされた場合の例を示している。すなわち、表示制御部15は、操作対象として指定されたナビゲーション映像およびその操作メニュー23を左席用表示画面に表示している。なお、第2階層において第3の操作項目22aがタッチされた場合には、表示制御部15は、第3階層でDVD映像およびその操作メニューを左席用表示画面に表示する。一方、右席用表示画面は、第3階層でも第1階層と同じナビゲーション映像を表示したままである。
【0038】
このように、第1階層で第1の操作項目21aが操作された場合、左席用表示画面において最終的にナビゲーション映像の操作メニュー23がタッチされて操作が終了するまで、あるいは、所定時間タッチ位置検出部16cから座標データの供給がなかったことを検知するまでは、右席用表示画面の第2の操作項目21bは無効化され続けている。このように、第2階層および第3階層では右席用表示画面のメニューが無効化されているので、第2の操作項目21bが最初に表示されていた位置がタッチされても、コントローラ17はそのタッチ操作を左席用表示画面の操作とみなす。
【0039】
第3階層において表示する操作メニュー23は、下位または上位の階層に遷移するための遷移項目、制御対象であるナビゲーションコントロールユニット11の機能や動作を制御するための機能項目との何れでも良い。階層構造の最下層には必ず何らかの機能項目がある。また、階層構造の最上層または途中の階層には、遷移項目および機能項目の何れを配置することも可能である。
【0040】
このような階層構造の操作メニュー23に関する一連の操作が終了すると、ナビゲーションコントロールユニット11においてその操作に応じた処理が実行され、その処理結果が反映されたナビゲーション映像が右席用表示画面に表示される。このとき、左席用表示画面の映像は、元のDVD映像に復帰する。なお、左席用表示画面においてナビゲーション映像に対する一連の操作が行われている間、DVD映像の再生を一時的に停止しておくようにしても良い。
【0041】
図3は、上記のように構成した第1の実施形態によるオーディオ一体型カーナビゲーション装置10の動作例、つまり、第1の実施形態によるメニュー提供方法の処理手順を示すフローチャートである。図3において、表示制御部15は、図2の第1階層のように、同乗者用のDVD映像および第1の操作項目21aを含む左席用表示画面と、運転者用のナビゲーション映像および第2の操作項目21bを含む右席用表示画面とを表示パネル16aにデュアルビュー表示する(ステップS1)。
【0042】
次に、コントローラ17は、タッチ位置検出部16cからの座標データの入力の有無に応じて、タッチパネル16bに対するタッチ操作が行われたかどうかを判定する(ステップS2)。タッチ操作が行われるまで、この判定を繰り返す。そして、コントローラ17がタッチ位置検出部16cから座標データを入力することによってタッチ操作が行われたことを検知すると、操作者検出部17aは、そのタッチ位置の座標データに基づいて、第1の操作項目21aまたは第2の操作項目21bの何れがタッチされたかを判定する(ステップS3、S4)。
【0043】
ここで、第1の操作項目21aに対してタッチが行われたと判断した場合、操作者検出部17aは、操作者が同乗者であると判断する。これに応じてコントローラ17は、運転者用の右席用表示画面に対するメニュー操作を無効化する(ステップS5)。このとき、左席用表示画面に対するメニュー操作は有効のままである。また、表示制御部15は、左席用表示画面に対して、同乗者用のDVD映像と運転者用のナビゲーション映像とを左右2分割して表示する(ステップS6)。このとき、右席用表示画面の映像はナビゲーション映像のままである。
【0044】
一方、第2の操作項目21bに対してタッチが行われたと判断した場合、操作者検出部17aは、操作者が運転者であると判断する。これに応じてコントローラ17は、同乗者用の左席用表示画面に対するメニュー操作を無効化する(ステップS7)。このとき、右席用表示画面に対するメニュー操作は有効のままである。また、表示制御部15は、右席用表示画面に対して、同乗者用のDVD映像と運転者用のナビゲーション映像とを左右2分割して表示する(ステップS8)。このとき、左席用表示画面の映像はDVD映像のままである。
【0045】
なお、上記ステップS2で検出されたタッチパネル1bに対する操作が、第1の操作項目21aに対する操作でも第2の操作項目21bに対する操作でもない場合、つまり、タッチ位置検出部16cからコントローラ17に入力された座標データが、第1の操作項目21aの領域を表す座標でも第2の操作項目21bの領域を表す座標でもない場合は、そのタッチ操作自体が無効なものであるので、ステップS2の処理に戻る。
【0046】
上記ステップS6またはステップS8において左席用表示画面または右席用表示画面の何れかに対してDVD映像とナビゲーション映像とを2分割表示した後、コントローラ17は、タッチ位置検出部16cからの座標データの入力の有無に応じて、タッチパネル16bに対するタッチ操作が行われたかどうかを判定する(ステップS9)。タッチ操作が行われるまで、この判定を繰り返す。
【0047】
ここで、上記ステップS2でタッチパネル16bに対するタッチ操作が検出されてから、ステップS9におけるタッチ操作までの時間を計測し、所定時間内にステップS9におけるタッチ操作が検出されない場合(タイムアウト)、操作を継続する意思がないと判断してステップS1の処理に戻るようにしても良い。
【0048】
コントローラ17がタッチ位置検出部16cから座標データを入力することによってタッチ操作が行われたことを検知すると、操作対象検出部17bは、そのタッチ位置の座標データに基づいて、第3の操作項目22aまたは第4の操作項目22bの何れがタッチされたかを判定する(ステップS10、S11)。
【0049】
ここで、第3の操作項目22aに対してタッチが行われたと判断した場合、操作対象検出部17bは、操作対象が同乗者用のDVD映像であると判断する。これに応じて表示制御部15は、2分割表示されていた方の操作者の表示画面に対して、同乗者用のDVD映像とその操作メニュー23とを表示する(ステップS12)。
【0050】
一方、第4の操作項目22bに対してタッチが行われたと判断した場合、操作対象検出部17bは、操作対象が運転者用のナビゲーション映像であると判断する。これに応じて表示制御部15は、2分割表示されていた方の操作者の表示画面に対して、運転者用のナビゲーション映像とその操作メニュー23とを表示する(ステップS13)。
【0051】
なお、上記ステップS9で検出されたタッチパネル1bに対する操作が、第3の操作項目22aに対する操作でも第4の操作項目22bに対する操作でもない場合、つまり、タッチ位置検出部16cからコントローラ17に入力された座標データが、第3の操作項目22aの領域を表す座標でも第4の操作項目22bの領域を表す座標でもない場合は、そのタッチ操作自体が無効なものであるので、ステップS9の処理に戻る。
【0052】
その後、コントローラ17は、タッチ位置検出部16cからの座標データの入力の有無に応じて、タッチパネル16bに対するタッチ操作が行われたかどうかを判定する(ステップS14)。タッチ操作が行われるまで、この判定を繰り返す。ここで、上記ステップS9でタッチパネル16bに対するタッチ操作が検出されてから、ステップS14におけるタッチ操作までの時間を計測し、所定時間内にステップS14におけるタッチ操作が検出されない場合(タイムアウト)、操作を継続する意思がないと判断してステップS1の処理に戻るようにしても良い。
【0053】
コントローラ17が座標データを入力することによってタッチ操作が行われたことを検知すると、コントローラ17は、そのタッチ位置の座標データに基づいて操作メニュー23の中のどの操作項目が操作されたのかを判定し、タッチされた操作項目に該当する処理を実行するように制御する(ステップS15)。すなわち、タッチされた操作項目が遷移項目であった場合には、表示制御部15を制御して、遷移先の階層のメニューを表示する。また、タッチされた操作項目が機能項目であった場合には、制御対象ユニットを制御して、該当する機能または動作を実行させる。
【0054】
そして、コントローラ17は、一連の操作が終了したか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、何らかの機能項目がタッチされてそれに対応する処理が実行されたか否かを判定する。遷移項目がタッチされてステップS15の処理が行われた場合には、まだ続きの操作があるため、ステップS14に戻る。なお、遷移項目がタッチされた後、所定時間内に次のタッチ操作が検出されない場合は、上記と同様に操作を継続する意思がないと判断してステップS1の処理に戻すことも可能である。
【0055】
一方、機能項目がタッチされてステップS15の処理が行われた場合には、ステップS5またはステップS7で無効化したメニュー操作を有効な状態に戻すとともに、ステップS12またはステップS13で表示した映像をステップS1で表示されていた元の映像に戻して(ステップS17)、ステップS1の処理に戻る。
【0056】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、タッチ位置検出部16cから出力されるタッチ位置の座標データに基づいて、第1階層において第1の操作項目21aまたは第2の操作項目21bの何れが操作されたかに応じて操作者を検出するとともに、第2階層において第3の操作項目22aまたは第4の操作項目22bの何れが操作されたかに応じて操作対象の映像を検出し、検出された操作者の表示画面に対して操作対象の映像に関する操作メニューを表示するようにしている。
【0057】
このような構成により、運転者または同乗者は、運転者用の映像に対する操作メニューと同乗者用の映像に対する操作メニューとのどちらを表示させるかをタッチ操作によって選択し、選択した操作メニューを操作者自身の表示画面に表示させることができる。これにより、デュアルビューディスプレイにおいて運転者用表示画面と同乗者用表示画面とで異なる映像が表示されているときでも、同乗者が自分の自由意志で運転者用の映像に対する操作を行うことが可能となる。したがって、助手席側にて運転者用に表示されている映像の操作補助を行うことができるようになる。よって、走行の安全性を確保しつつ、運転者用の映像に対する操作を走行中に行うことができる。
【0058】
なお、上記第1の実施形態では、第1階層において第1の操作項目21aと第2の操作項目21bとを表示しているが、必ずしもこれを表示する必要はない。例えば、操作者が同乗者であることを指定するための領域を画面の左端付近(例えば、第1の操作項目21aの表示領域と同じ領域)に設定するとともに、操作者が運転者であることを指定するための領域を画面の右端付近(例えば、第2の操作項目21bの表示領域と同じ領域)に設定するようにしても良い。また、画面の左半分を操作者が同乗者であることを指定するための領域に設定し、右半分を操作者が運転者であることを指定するための領域に設定しても良い。
【0059】
同様に、第2階層における第3の操作項目22aおよび第4の操作項目22bについても、必ずしもこれを表示する必要はない。例えば、操作対象が同乗者用の映像であることを指定するための領域を画面の左端付近(例えば、第3の操作項目22aの表示領域と同じ領域)に設定するとともに、操作対象が運転者用の映像であることを指定するための領域を画面の右端付近(例えば、第4の操作項目22bの表示領域と同じ領域)に設定するようにしても良い。また、画面の左半分を操作対象が同乗者用の映像であることを指定するための領域に設定し、右半分を操作対象が運転者用の映像であることを指定するための領域に設定しても良い。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明による第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態において、オーディオ一体型カーナビゲーション装置10の構成は図1と同様であるが、表示制御部15およびコントローラ17の動作が第1の実施形態と異なっている。
【0061】
図4は、第2の実施形態において表示パネル1aに表示される表示画面の例を示す図である。ここで、図4(a)は左席用表示画面の第1階層から第2階層までの遷移状態を示し、図4(b)は右席用表示画面の第1階層から第2階層までの遷移状態を示している。第1階層は、ユーザがタッチパネル16bに対して何の操作も行っていないときに表示されている画面である。これに対して、第2階層は、左席用表示画面または右席用表示画面の何れかにおいて操作項目がタッチされたときに表示される画面である。
【0062】
図4(a)に示すように、左席用表示画面の第1階層では、同乗者用のメニューとして、2つの操作項目41a,42a(これらの表示領域は請求項4の第1の領域に相当する)が画面の左端付近に表示されている。一方の操作項目41aは操作対象として同乗者用の映像を指定するためのものであり、他方の操作項目42aは操作対象として運転者用の映像を指定するためのものである(一方の操作項目41aの表示領域は請求項4の第3の領域、他方の操作項目42aの表示領域は請求項4の第4の領域に相当する)。
【0063】
また、右席用表示画面の第1階層では、運転者用のメニューとして、2つの操作項目41b,42b(これらの表示領域は請求項4の第2の領域に相当する)が画面の右端付近に表示されている。一方の操作項目41bは操作対象として同乗者用の映像を指定するためのものであり、他方の操作項目42bは操作対象として運転者用の映像を指定するためのものである(一方の操作項目41bの表示領域は請求項4の第3の領域、他方の操作項目42bの表示領域は請求項4の第4の領域に相当する)。
【0064】
このように、4つの操作項目41a,41b,42a,42bが表示画面の異なる位置に表示されているので、どの操作項目がタッチされたのかによって、操作者が同乗者であるか運転者であるか、および操作対象が同乗者用のDVD映像であるか運転者用のナビゲーション映像であるかを判別することができる。
【0065】
すなわち、操作者検出部17aは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、第1の領域(操作項目41a,42a)または第2の領域(操作項目41b,42b)の何れがタッチされたかに応じて、操作者が運転者であるか同乗者であるかを判断する。また、操作対象検出部17bは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、操作項目41a,42aの何れがタッチされたか、または操作項目41b,42bの何れがタッチされたかに応じて、操作対象が同乗者用のDVD映像であるか運転者用のナビゲーション映像であるかを判別する。
【0066】
なお、図4では、第1階層において第1の領域の操作項目42aがタッチされた場合の例を示している。この場合に操作者検出部17aは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、第1の領域がタッチされたことを検出し、操作者が同乗者であると判断する。また、操作対象検出部17bは、操作項目42aがタッチされたことを検出して、操作対象が運転者用のナビゲーション映像であると判断する。これに応じて表示制御部15は、第2階層において、同乗者用の左席用表示画面に対して運転者用のナビゲーション映像に関する操作メニュー43を表示している。
【0067】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、操作者を指定するための操作項目と、操作対象の映像を指定するための操作項目とを第1階層にて一緒に表示しているので、操作者と操作対象の映像とを第1階層のタッチ操作のみで同時に指定することができる。これにより、操作メニュー43を表示するまでの操作数を第1の実施形態と比べて1ステップ少なくすることが可能となる。
【0068】
なお、上記第2の実施形態においても、4つの操作項目41a,41b,42a,42bを必ずしも表示する必要はない。すなわち、これらの操作項目41a,41b,42a,42bを表示することなく、操作者指定用の領域および操作対象映像指定用の領域をタッチパネル16bに設定しておくのみとしても良い。
【0069】
(第3の実施形態)
次に、本発明による第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第3の実施形態によるオーディオ一体型カーナビゲーション装置50の構成例を示すブロック図である。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0070】
図5に示すように、第3の実施形態によるオーディオ一体型カーナビゲーション装置50は、図1に示した構成に加えてモーションセンサ51を更に備えている。また、図1に示したコントローラ17の代わりに、これとは機能構成が異なるコントローラ52を備えている。コントローラ52は、その機能構成として、操作者検出部52aおよび操作対象検出部52bを備えている。
【0071】
また、図6は、第3の実施形態において表示パネル1aに表示される表示画面の例を示す図である。ここで、図6(a)は左席用表示画面の第1階層から第2階層までの遷移状態を示し、図6(b)は右席用表示画面の第1階層から第2階層までの遷移状態を示している。第1階層は、ユーザがタッチパネル16bに対して何の操作も行っていないときに表示されている画面である。これに対して、第2階層は、左席用表示画面または右席用表示画面の何れかにおいてメニューがタッチされたときに表示される画面である。
【0072】
第3の実施形態において、表示制御部15は、左席用表示画面および右席用表示画面の双方において、操作対象が同乗者用の映像であることを指定するための第1の操作項目61a(この表示領域は請求項5の第1の領域に相当する)と、操作対象が運転者用の映像であることを指定するための第2の操作項目61b(この表示領域は請求項5の第2の領域に相当する)とを異なる画面位置に表示する。操作対象検出部52bは、タッチ位置検出部16cから出力される座標データに基づいて、上述した操作項目61a,61bの何れがタッチされたかに応じて、操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを判別する。
【0073】
このように構成した場合、左席用表示画面および右席用表示画面には共に同じ位置に同じ操作項目61a,61bが表示されるので、タッチ位置の座標データに基づいて操作者を判別することはできない。操作者を判別するために、第3の実施形態ではモーションセンサ51を設けている。
【0074】
モーションセンサ51は、タッチパネル16bに対するタッチ操作の操作者の3次元的な動きを検出するものであり、様々な手段により実現することが可能である。例えば、タッチパネル16bの付近に赤外線を照射して、その赤外線照射エリア内で操作者の手が動く際に起こる赤外線の変化を検出することにより、運転席側と助手席側とのどちらの方から操作者の手が赤外線照射エリアに入ったかを検出することが可能である。
【0075】
なお、ここでは赤外線を用いる例について説明したが、可視光線や超音波などを用いても良い。また、カメラを設置してタッチパネル16bの付近を撮影し、撮影された画像データを認識処理することによって運転席側と助手席側とのどちらの方から操作者の手が赤外線照射エリアに入ったかを検出するようにすることも可能である。
【0076】
操作者検出部52aは、モーションセンサ51での検出結果、つまり、運転席側と助手席側とのどちらの方からタッチパネル16bに対する操作が行われたかに基づいて、操作者が運転者であるか同乗者であるかを検出する。表示制御部15は、操作者検出部52aおよび操作対象検出部52bによる検出結果に応じて、左席用表示画面および右席用表示画面の表示映像の遷移を制御する。
【0077】
図6では、第1階層において同乗者が第2の操作項目61bをタッチした場合の例を示している。この場合に操作者検出部52aは、モーションセンサ51での検出結果に基づいて、操作者が同乗者であると判断する。また、操作対象検出部52bは、第2の操作項目61bがタッチされたことを検出して、操作対象が運転者用のナビゲーション映像であると判断する。これに応じて表示制御部15は、第2階層において、同乗者用の左席用表示画面に対して運転者用のナビゲーション映像に関する操作メニュー62を表示している。
【0078】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、操作者の検出はモーションセンサ51を用いて行い、操作対象の映像の検出は第1階層でのタッチ操作に基づくタッチ位置の座標データに基づいて行っているので、操作対象の映像を第1階層のタッチ操作で指定し、これと同時に操作者も特定することができる。これにより、操作メニュー62を表示するまでの操作数を第1の実施形態と比べて1ステップ少なくすることが可能となる。
【0079】
なお、上記第3の実施形態においても、操作項目61a,61bを必ずしも表示する必要はない。すなわち、これらの操作項目61a,61bを表示することなく、操作対象映像指定用の領域をタッチパネル16bに設定しておくのみとしても良い。
【0080】
また、上記第1〜第3の実施形態では、1つの表示パネル16aにおいて観察する方向により異なる2つの映像を見ることができるように成されたデュアルビューディスプレイの例について説明したが、異なる3つ以上の映像を見ることができるように成されたマルチビューディスプレイにも適用が可能である。
【0081】
その他、上記第1〜第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、1つの表示画面において観察する方向により異なる映像を見ることができるように成されたマルチビューディスプレイを用いた車載電子機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施形態による車載電子機器の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態において表示パネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態による車載電子機器の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態において表示パネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】第3の実施形態による車載電子機器の構成例を示す図である。
【図6】第3の実施形態において表示パネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】デュアルビューディスプレイの原理を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10,50 車載電子機器(オーディオ一体型カーナビゲーション装置)
15 表示制御部
16 デュアルビューディスプレイ
16a 表示パネル
16b タッチパネル
16c タッチ位置検出部
17,52 コントローラ
17a,52a 操作者検出部
17b,52b 操作対象検出部
51 モーションセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる映像のマルチビュー表示が可能な表示部と、
上記表示部に対するタッチ操作の検出を行うタッチ検出部と、
上記タッチ検出部によりタッチ操作が検出されたときに、その操作者が同乗者であるか運転者であるかを検出する操作者検出部と、
上記タッチ検出部によりタッチ操作が検出されたときに、そのタッチ操作に基づいて、操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを検出する操作対象検出部と、
上記操作者検出部により検出された操作者の表示画面に対して、上記操作対象検出部により検出された映像の操作メニューを表示する表示制御部とを備えたことを特徴とする車載電子機器。
【請求項2】
上記タッチ検出部へのタッチ位置を検出してその座標データを出力するタッチ位置検出部を備え、
上記操作者検出部は、上記タッチ位置検出部からの座標データに基づいて、上記タッチ検出部上において上記同乗者の指定用に設定された第1の領域または上記運転者の指定用に設定された第2の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作者が同乗者であるか運転者であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の車載電子機器。
【請求項3】
上記表示制御部は、上記第1の領域または上記第2の領域のタッチに応じて上記操作者検出部により検出された操作者の表示画面に対して、上記同乗者用の映像と上記運転者用の映像とを領域分割して表示し、
上記操作対象検出部は、上記タッチ位置検出部からの座標データに基づいて、上記タッチ検出部上において上記同乗者用の映像指定用に設定された第3の領域または上記運転者用の映像指定用に設定された第4の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを判断することを特徴とする請求項2に記載の車載電子機器。
【請求項4】
上記タッチ検出部へのタッチ位置を検出してその座標データを出力するタッチ位置検出部を備え、
上記操作者検出部は、上記タッチ位置検出部からの座標データに基づいて、上記タッチ検出部上において上記同乗者の指定用に設定された第1の領域または上記運転者の指定用に設定された第2の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作者が同乗者であるか運転者であるかを判断し、
上記操作対象検出部は、上記タッチ位置検出部からの座標データに基づいて、上記第1の領域または上記第2の領域の中において上記同乗者用の映像指定用に設定された第3の領域または上記運転者用の映像指定用に設定された第4の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の車載電子機器。
【請求項5】
上記タッチ検出部へのタッチ位置を検出してその座標データを出力するタッチ位置検出部を備え、
上記操作者検出部は、上記タッチ検出部によりタッチ操作が検出されたときに、操作者の動きを捉えるセンサによって上記操作者が同乗者であるか運転者であるかを検出し、
上記操作対象検出部は、上記タッチ位置検出部からの座標データに基づいて、上記タッチ検出部上において上記同乗者用の映像指定用に設定された第1の領域または上記運転者用の映像指定用に設定された第2の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の車載電子機器。
【請求項6】
同乗者用の映像および運転者用の映像を表示部に対してマルチビュー表示する第1のステップと、
上記表示部に設けられたタッチパネルに対するタッチ操作の検出を行うとともに、タッチ位置を検出してその座標データを出力する第2のステップと、
上記第2のステップで出力された座標データに基づいて、上記タッチパネル上において上記同乗者の指定用に設定された第1の領域または上記運転者の指定用に設定された第2の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作者が同乗者であるか運転者であるかを検出する第3のステップと、
上記第3のステップで検出された操作者の表示画面に対して、上記同乗者用の映像と上記運転者用の映像とを領域分割して表示する第4のステップと、
上記同乗者用の映像と上記運転者用の映像とが上記表示部に分割表示されているときに、上記タッチパネルに対するタッチ操作の検出を行うとともに、タッチ位置を検出してその座標データを出力する第5のステップと、
上記第5のステップで出力された座標データに基づいて、上記タッチパネル上において上記同乗者用の映像指定用に設定された第3の領域または上記運転者用の映像指定用に設定された第4の領域の何れがタッチされたかに応じて、上記操作対象が同乗者用の映像であるか運転者用の映像であるかを検出する第6のステップと、
上記第3のステップで検出された操作者の表示画面に対して、上記第6のステップで検出された映像の操作メニューを表示する第7のステップとを有することを特徴とするメニュー提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−238002(P2007−238002A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65298(P2006−65298)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】