説明

車輌用照明器具

【課題】電源回路部の交換作業が容易であるとともに、騒音の発生を抑制できる車輌用照明器具を提供する。
【解決手段】直管状光源部11と、直管状光源部11に給電する給電部12と、給電部12が取り付けられる取付部13と、給電部12を介して直管状光源部11に電力を供給する電源回路部14と、を有する車輌用照明器具1であって、取付部13は直管状光源部11に臨まない側に電源回路部14を収容する収容部15を有し、電源回路部14は収容部15内に収容され、収容部15に設けられたコネクタ16a,16bによって外部電源および給電部12と電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、図6および図7に示すように、直管状光源部51(蛍光灯やLED(Light Emitting Diode)等)と、直管状光源部51に給電する給電部(ソケット)52と、給電部52が取り付けられる取付部(反射板)53と、給電部52を介して直管状光源部51に電力を供給する電源回路部54と、を有する車輌用照明器具50が知られている。
【0003】
直管状光源部51、およびソケット52は、取付部53における下面(天井の反対側の面)に取り付けられている。電源回路部54は、取付部53の上面(天井に対向する面)に取り付けられている。また、電源回路部54は、配線コード(電線)55およびコネクタ56を介して両側のソケット52に接続されている。更に、電源回路部54は、電線コード55およびコネクタ56を介して外部電源に接続されている。これにより、電源回路部54は、コネクタ56によってソケット52、52および外部電源から切り離して、取り外すことができる(特許文献1〜特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−263703号公報
【特許文献2】特開平7−240114号公報
【特許文献3】特開2007−66798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の車輌用照明器具50は、電源回路部54を交換する場合、車輌用照明器具50全体を車輌天井から外してから交換作業を行うことになるため、作業が面倒であった。一方、図8に示すように、取付部53に開口57を設け、この開口57から電源回路部54を出し入れする技術も知られている。
しかし、この技術では、図9に示すように、電源回路部54を開口57から取付部53の下方に引き出すことができるようにするため、配線コード55の余長分55aを長めに設定しなければならない。このように余長分55aを長くした場合は、車輌運行時の振動に伴って、配線コード55の余長分55aで騒音が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電源回路部の交換作業が容易であるとともに、騒音の発生を抑制できる車輌用照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車輌用照明器具は、直管状光源部と、直管状光源部に給電する給電部と、給電部が取り付けられる取付部と、給電部を介して直管状光源部に電力を供給する電源回路部と、を有する車輌用照明器具であって、取付部は直管状光源部に臨まない側に電源回路部を収容する収容部を有し、電源回路部は収容部に設けられたコネクタによって給電部と電気的に接続される。
【0008】
また、本発明に係る車輌用照明器具は、収容部には開口が設けられ、開口には蓋部が備えられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車輌用照明器具によれば、取付部が直管状光源部に臨まない側に電源回路部を収容する収容部を有し、電源回路部は収容部内に設けられたコネクタによって給電部と電気的に接続されるので、車輌用照明器具全体を外すことなく電源回路部の交換を簡単に行うことができる。また、コネクタへの取り付けによって電気的に接続が完了するため、配線コードの余長を無くし、または短くでき配線コードの振動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施形態の車輌用照明器具を示す斜視図
【図2】本発明に係る実施形態の車輌用照明器具を示す正面図
【図3】本発明に係る実施形態の収容部を示す断面図
【図4】本発明に係る実施形態の直管状光源部を取り外した状態を示す斜視図
【図5】本発明に係る実施形態の収容部の蓋部を取り外した状態を示す斜視図
【図6】従来例に係る車輌用照明器具を示す斜視図
【図7】従来例に係る車輌用照明器具を示す正面図
【図8】従来例に係る電源回路部を取り外した状態を示す斜視図
【図9】従来例に係る電源回路部の配線コードの余長分を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る車輌用照明器具について、図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本発明に係る車輌用照明器具1は、直管状光源部11と、この直管状光源部11に給電する給電部(ソケット)12と、給電部12が取り付けられる取付部13と、給電部12を介して直管状光源部11に電力を供給する電源回路部14と、を有している。
【0012】
直管状光源部11は、蛍光灯やLED等の各種の光源手段を使用できる。給電部12は、一般的なソケット等を使用できる。取付部13は板状に形成されている。また、この取付部13には、直管状光源部11に臨まない側、本実施形態では、直管状光源部11が設けられている面13aの反対側の面13bに設けられた電源回路部14を収容する箱状の収容部15が設けられている。電源回路部14は、収容部15内に収容されている。そして、収容部15内の電源回路部14は、収容部15の側板15a,15aに設けられた電源側コネクタ16aおよび給電部側コネクタ16bを介して、配線コード17によって外部電源および給電部12と電気的に接続されている。
【0013】
図3に示すように、取付部13における収容部15に対応する部分には、開口18が設けられている。この開口18には、蓋部19が着脱自在に設けられている。電源回路部14は、収容部15の内側上面にビス20によって取り付けられている。
【0014】
次に、この車輌用照明器具1の作用について説明する。電源回路部14を交換する場合は、まず、図4に示すように、取付部13から直管状光源部11を取り外す。次に、取付部13から蓋部19を取り外して、開口18を開口させる。次に、収容部15内の電源回路部14(図3参照)を、収容部15のコネクタ16a,16bから外し、開口18から外に取り出す。
【0015】
車輌用照明器具1によれば、取付部13が直管状光源部11に臨まない側に電源回路部14を収容する収容部15を有し、電源回路部14は収容部15内に設けられたコネクタ16a,16bによって給電部12と電気的に接続されるので、車輌用照明器具1全体を車輌の天井等から外すことなく、電源回路部14の交換を簡単に行うことができる。
【0016】
また、電源回路部14は、収容部15内に収容した際に、配線コード17のコネクタ16a,16bへの取り付けによって電気的に接続が完了するため、配線コード17の余長を無くし、又は短くできる。これにより、車輌運行時の振動に伴って、収容部15内に収容された配線コード17の余長分で騒音が生じるのを抑制できる。
【0017】
また、収容部15には開口18が設けられ、この開口18には蓋部19が備えられているので、収容部15内が露呈せず、意匠性が向上する。また、直管状光源部11が放電灯等である場合には、蓋部19が反射板として機能するので、出力向上が期待できる。
【符号の説明】
【0018】
1 車輌用照明器具
11 直管状光源部
12 給電部
13 取付部
14 電源回路部
15 収容部
15a 側板
16a,16b コネクタ
17 配線コード(電線)
18 開口
19 蓋部
20 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管状光源部と、
前記直管状光源部に給電する給電部と、
前記給電部が取り付けられる取付部と、
前記給電部を介して前記直管状光源部に電力を供給する電源回路部と、を有する車輌用照明器具であって、
前記取付部は前記直管状光源部に臨まない側に前記電源回路部を収容する収容部を有し、
前記電源回路部は前記収容部内に収容され、前記収容部に設けられたコネクタによって前記給電部と電気的に接続される車輌用照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の車輌用照明器具であって、
前記収容部には開口が設けられ、前記開口には蓋部が備えられている車輌用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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