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車速表示装置
説明

車速表示装置

【課題】車両が停止し、エンジンの回転数がアイドリング回転数である状態で、0より大きい車速がデジタル表示器に誤表示されることを防止できる、車速表示装置を提供する。
【解決手段】アクセラレータおよびブレーキが作動せず、無段変速機3のシフトポジションがPレンジまたはNレンジであって、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの車輪速が所定値Vmask1未満である場合には、デジタル表示器12に0が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを駆動源として搭載する車両の車速表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、前後左右の各車輪の回転速度を検出する車輪速センサが備えられている。そして、各車輪速センサによって検出される車輪速に基づいて、自動車の車速が求められ、インストルメントパネルに配置された車速表示器に車速が表示される。
【0003】
車輪速センサは、たとえば、車輪の回転に伴って回転するシャフトに取り付けられた磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。ロータが回転すると、その回転に伴って磁界が変化し、その磁界の変化に伴って、電磁ピックアップに備えられる磁気抵抗素子(MR素子)の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化がパルス信号に変換されて、パルス信号が車輪速信号として電磁ピックアップから出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−258645号公報
【特許文献2】特開2008−70193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジンで発生する振動がロータに伝わり、これに起因して、電磁ピックアップからパルス信号が出力されるために、実際の車速が0であるにもかかわらず、車速表示器に0より大きい車速が表示されることがある。
【0006】
たとえば、エンジンが空ぶかしされたときには、エンジンで比較的大きい振動が発生するので、そのような車速の誤表示がなされるおそれがある。そこで、エンジンが空ぶかしされたとき(変速機がニュートラル状態で、エンジンの回転数が所定値以上であるとき)には、車輪速センサの出力にかかわらず、車速表示器に0を表示させることが提案されている。
【0007】
しかしながら、本願発明者らは、エンジンの回転数がアイドリング回転数であるときにも、車速表示器に車速が誤表示されることがあることを新たに見出した。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、車両が停止し、エンジンの回転数がアイドリング回転数である状態で、0より大きい車速がデジタル表示器に誤表示されることを防止できる、車速表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係る車速表示装置は、エンジン、アクセラレータおよびブレーキが搭載され、車体の前部および後部にそれぞれ車輪が設けられて、エンジンから出力される駆動力が変速機を介して前記車輪に伝達される車両に適用される。そして、前記車速表示装置は、車両の車速を表示するデジタル表示器と、前記車輪ごとに設けられ、前記車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速センサと、少なくとも前記エンジンと相対的に近い位置に配置されている各前記車輪に対して設けられた前記車輪速センサによって検出される第1車輪速に基づいて、前記デジタル表示器に表示される車速を演算する車速演算手段と、前記変速機が非走行シフト状態であり、前記アクセラレータおよび前記ブレーキが作動せず、前記エンジンから相対的に遠い位置に配置されている各前記車輪に対して設けられた前記車輪速センサによって検出される第2車輪速が0であり、かつ、前記第1車輪速が所定値未満である場合に、前記車速演算手段の演算結果にかかわらず、前記デジタル表示器に0を表示させる零表示手段とを含む。
【0010】
車両には、エンジン、アクセラレータおよびブレーキが搭載されている。また、車体の前部および後部には、それぞれ車輪が設けられている。エンジンは、車体の前部、中央部または後部に配置される。エンジンがいずれの位置に配置されても、前部および後部の一方の車輪がエンジンに対して相対的に近い位置に配置され、他方の車輪がエンジンに対して相対的に遠い位置に配置される。エンジンから出力される駆動力は、変速機を介して、前部および後部の一方または両方の車輪に伝達される。
【0011】
車輪ごとに、車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速センサが設けられている。エンジンに対して相対的に近い位置に配置される車輪の車輪速を第1車輪速とし、エンジンに対して相対的に遠い位置に配置される車輪の車輪速を第2車輪速として、車輪速センサにより、第1車輪速および第2車輪速が検出される。そして、少なくとも車輪速センサによって検出される第1車輪速に基づいて、デジタル表示器に表示される車速が演算される。
【0012】
第1車輪速を検出する車輪速センサは、第2車輪速を検出する車輪速センサよりも、エンジンに近い位置に配置される。したがって、第1車輪速を検出する車輪速センサには、エンジンで発生する振動が伝わりやすい。そのため、エンジンの回転数がアイドリング回転数であっても、車両が停止し、ブレーキが作動していない状態においては、エンジンで発生する低周波の振動が第1車輪速を検出する車輪速センサに伝わり、0より大きい車速がデジタル表示器に誤表示されるおそれがある。
【0013】
そこで、変速機が非走行シフト状態であって、アクセラレータおよびブレーキが作動せず、第2車輪速が0であり、かつ、第1車輪速が所定値未満である場合には、デジタル表示器に0が表示される。
【0014】
これにより、車両が停止し、エンジンの回転数がアイドリング回転数である状態で、0より大きい車速がデジタル表示器に誤表示されることを防止できる。その結果、車両の運転者に、実際には車両が停止しているにもかかわらず、車両が動いているのではないかとの不安感を与えたり、車速表示装置が故障しているのではないかとの不安感を与えたりすることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両が停止し、エンジンの回転数がアイドリング回転数である状態で、0より大きい車速がデジタル表示器に誤表示されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る車速表示装置が備えられる車両の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ECUによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る車速表示装置が備えられる車両の構成を示すブロック図である。
【0019】
車両1は、エンジン2および無段変速機(CVT:Continuously
Variable Transmission)3を搭載している。車体4の前部には、エンジンルームが設けられており、エンジン2および無段変速機3は、エンジンルーム内に収容されている。
【0020】
車体4の前左部、前右部、後左部および後右部には、それぞれ前左車輪5FL、前右車輪5FR、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRが設けられている。
【0021】
前左車輪5FLおよび前右車輪5FRは、前輪シャフト6によって連結されている。前輪シャフト6には、ギヤ7が設けられており、エンジン2が発生する駆動力(エンジン出力)は、無段変速機3を介して、ギヤ7に伝達される。これにより、前輪シャフト6が回転し、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRが回転する。
【0022】
このように、車両1は、車体4の前部に配置されたエンジン2が発生する駆動力により、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRが回転される、いわゆるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の自動車である。
【0023】
前左車輪5FL、前右車輪5FR、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRに対応づけて、それぞれ車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが設けられている。
【0024】
車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRは、それぞれ前左車輪5FL、前右車輪5FR、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの回転に伴って回転する磁性ロータと、磁性ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。電磁ピックアップには、磁気抵抗素子(MR素子)が含まれる。ロータが回転すると、その回転に伴って磁界が変化し、その磁界の変化に伴って、電磁ピックアップの磁気抵抗素子(MR素子)の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化がパルス信号に変換されて、パルス信号が車速信号として、電磁ピックアップ(車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RR)から出力される。
【0025】
また、車両1には、マイクロコンピュータを含む構成のECU(電子制御ユニット)9が搭載されている。車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRから出力されるパルス信号は、ECU9に入力されるようになっている。また、ECU9には、無段変速機3からシフトポジションを表すシフト信号が入力される。さらに、ECU9には、車両1に搭載されたアクセラレータおよびブレーキ(図示せず)の操作量をそれぞれ検出するアクセルセンサ10およびブレーキセンサ11の検出信号が入力されるようになっている。
【0026】
また、車体4おけるエンジンルーム3の後方には、車室が設けられており、車室内の最前部には、インストルメントパネル(図示せず)が配置されている。インストルメントパネルには、メータユニット(図示せず)が装着されている。メータユニットには、車速を表示するデジタル表示器12が組み込まれている。デジタル表示器12は、たとえば、7セグメント表示器などからなり、車速を数字で表示する。
【0027】
ECU9は、車輪速センサ8FL,8FRから入力されるパルス信号に基づいて、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速を演算する。そして、ECU9は、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の平均値に基づいて、車速を演算し、その演算した車速をデジタル表示器12に表示させる。
【0028】
また、ECU9は、次に述べる処理を実行し、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRから入力されるパルス信号、無段変速機3から入力されるシフト信号ならびにアクセルセンサ10およびブレーキセンサ11から入力される検出信号に基づいて、車両が停止し、エンジンの回転数がアイドリング回転数である状態である場合に、デジタル表示器12に0を表示させる。
【0029】
図2は、ECUによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
アクセラレータおよびブレーキの両方が操作されていない状態では、ECU9により、図2に示される処理が繰り返し実行される。
【0031】
まず、無段変速機3からシフト信号を正常に受信しているか否かが判断される。シフト信号を正常に受信している場合には、シフト信号に基づいて、無段変速機3のシフトポジションがP(パーキング)レンジまたはN(ニュートラル)レンジであるか否かが判断される(ステップS1)。
【0032】
シフト信号がECU9に正常に受信されており、無段変速機3のシフトポジションがPレンジまたはNレンジである場合には(ステップS1のYES)、次に、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であるか否かが判断される。車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であれば、つづいて、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRから入力されるパルス信号に基づいて、それぞれ前左車輪5FL、前右車輪5FR、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの車輪速が演算される。そして、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速がともに所定値Vmask1以下であるか否かが判断される(ステップS2)。
【0033】
車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であり、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速がともに所定値Vmask1以下である場合には(ステップS2のYES)、デジタル表示器12に0が表示される(ステップS3)。また、オドメータの更新が禁止される。
【0034】
一方、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRのいずれかに異常が発生している場合、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速の少なくとも一方が0でない場合、または、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の少なくとも一方が所定値Vmask1よりも大きい場合には(ステップS2のNO)、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の平均値から演算される車速がデジタル表示器12に表示される。
【0035】
また、シフト信号がECU9に正常に受信されていない場合(無段変速機3に代えて、マニュアルトランスミッションが搭載される場合を含む。)、または、無段変速機3のシフトポジションがPレンジおよびNレンジ以外のレンジである場合には(ステップS1のNO)、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であるか否かが判断される。車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であれば、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRから入力されるパルス信号に基づいて、それぞれ前左車輪5FL、前右車輪5FR、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの車輪速が演算される。そして、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の一方が0であり、他方が所定値Vmask2以下であるか否かが判断される(ステップS4)。
【0036】
この判断は、無段変速機3に代えて、マニュアルトランスミッション(MT)が車両1に搭載される場合を想定したものである。マニュアルトランスミッションからは、シフトポジションを表すシフト信号が出力されないので、ECU9は、マニュアルトランスミッションのシフトポジションがPレンジまたはNレンジであるかそれら以外のポジションであるかを判断することができない。そこで、ステップS4の判断が行われ、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の一方が0であり、他方が所定値Vmask2以下である場合には、車両1が停止し、マニュアルトランスミッションが非走行シフト状態であると判断される。
【0037】
車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRが正常であり、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の一方が0であり、他方が所定値Vmask2以下である場合には(ステップS4のYES)、デジタル表示器12に0が表示される(ステップS3)。また、オドメータの更新が禁止される。
【0038】
一方、車輪速センサ8FL,8FR,8RL,8RRのいずれかに異常が発生している場合、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの各車輪速の少なくとも一方が0でない場合、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の両方が0でない場合、または、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の一方が0であるが、他方が所定値Vmask2よりも大きい場合には(ステップS4のNO)、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの各車輪速の平均値から演算される車速がデジタル表示器12に表示される。
【0039】
以上のように、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの車輪速(第1車輪速)をそれぞれ検出する車輪速センサ8FL,8FRは、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの車輪速(第2車輪速)をそれぞれ検出する車輪速センサ8RL,8RRよりも、エンジン2に近い位置に配置される。したがって、車輪速センサ8FL,8FRには、エンジン2で発生する振動が伝わりやすい。そのため、エンジン2の回転数がアイドリング回転数であっても、車両1が停止し、ブレーキが作動していない状態においては、エンジン2で発生する低周波の振動が車輪速センサ8FL,8FRに伝わり、車輪速センサ8FL,8FRからパルス信号が出力されるおそれがある。
【0040】
そこで、アクセラレータおよびブレーキが作動せず、無段変速機3のシフトポジションがPレンジまたはNレンジであって、後左車輪5RLおよび後右車輪5RRの車輪速がともに0であり、かつ、前左車輪5FLおよび前右車輪5FRの車輪速が所定値Vmask1未満である場合には、デジタル表示器12に0が表示される。
【0041】
これにより、車両1が停止し、エンジン2の回転数がアイドリング回転数である状態で、0より大きい車速がデジタル表示器12に誤表示されることを防止できる。その結果、車両1の運転者に、実際には車両1が停止しているにもかかわらず、車両1が動いているのではないかとの不安感を与えたり、車速をデジタル表示器12に表示させる装置が故障しているのではないかとの不安感を与えたりすることを防止できる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0043】
たとえば、デジタル表示器12は、車速を数字で表示するものに限らず、たとえば、縦方向に延びる多数本のバー(セグメント)が横方向に並べられ、そのバーの点灯本数によって車速を表示するタイプのものであってもよい。
【0044】
また、無段変速機3を搭載した車両1を取り上げたが、本発明は、無段変速機3以外の変速機、たとえば、自動変速機(AT:Automatic Transmission)、マニュアルトランスミッションを搭載した車両に適用することもできる。
【0045】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 車両
2 エンジン
3 無段変速機
5FL 前左車輪(車輪)
5FR 前右車輪(車輪)
5RL 後左車輪(車輪)
5RR 後右車輪(車輪)
12 デジタル表示器
8FL 車輪速センサ
8FR 車輪速センサ
8RL 車輪速センサ
8RR 車輪速センサ
9 ECU(車速演算手段、零表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン、アクセラレータおよびブレーキが搭載され、車体の前部および後部にそれぞれ車輪が設けられて、エンジンから出力される駆動力が変速機を介して前記車輪に伝達される車両に適用される車速表示装置であって、
車両の車速を表示するデジタル表示器と、
前記車輪ごとに設けられ、前記車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速センサと、
少なくとも前記エンジンと相対的に近い位置に配置されている各前記車輪に対して設けられた前記車輪速センサによって検出される第1車輪速に基づいて、前記デジタル表示器に表示される車速を演算する車速演算手段と、
前記変速機が非走行シフト状態であり、前記アクセラレータおよび前記ブレーキが作動せず、前記エンジンから相対的に遠い位置に配置されている各前記車輪に対して設けられた前記車輪速センサによって検出される第2車輪速が0であり、かつ、前記第1車輪速が所定値未満である場合に、前記車速演算手段の演算結果にかかわらず、前記デジタル表示器に0を表示させる零表示手段とを含む、車速表示装置。

【図1】
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【図2】
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