説明

軒先構造

【課題】雨水の浸入を確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れ、さらに、軒の出をほとんどない状態にして都市部の狭小敷地に対応することが可能な軒先構造を提供することを目的とする。
【解決手段】屋根2は、建物本体1に取り付けられた外壁材10の厚み分と略同一寸法の軒の出を有し、かつ軒先2aには、軒先2aを覆う軒先部材3を備え、軒先部材3は、通気孔30aを備えることによって小屋裏空間2bと外部とを連通する通気部30を備え、通気孔30aは、軒先部材3と建物本体1との間に形成された隙間4に向かって開口しており、外壁材10は、この外壁材10の上下方向に沿って形成され、かつ隙間4に通じる複数の縦溝10aを備えた軒先構造。これによって、雨水の浸入を確実に防ぎ、小屋裏換気に優れ、さらに軒の出がほとんどない状態とし、都市部の狭小敷地に対応可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物本体上に設けられた屋根の軒先構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長い軒の出を有する建物の場合、小屋裏等の換気を行うために、例えば軒天井と外壁との境界部に換気孔を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように長い軒の出を有する建物の場合は、雨が降って、風による雨水の吹き上げがあっても、長い軒の出により雨水が外壁に達しにくいために、換気孔に雨水が入り込むことが少ない。
【特許文献1】特開2005−163490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで都市部等では、建物を建てるための敷地が狭小である場合が多い。このため、上記特許文献1のように長い軒の出を有する建物の場合、軒部が建物の外壁から外側に大きく突出しているので、その敷地内に建物を建てようとすると、軒部を敷地内に納めなくてはならない。その結果、居室が後退してしまうことになり、充分な建築面積を得られない場合があるため、近年では、より軒の出を小さくしたい、軒の出をほとんどない状態にしたいという要望が多い。
【0004】
しかしながら、ただ単に軒の出を短くした場合、特許文献1に記載のような換気孔の構造では、風による吹き上げがあると、雨水が換気孔から中に入り込む問題があった。一方、このような雨水の浸入を防ぐために換気孔を狭めたりしてしまうと、小屋裏の換気性能の低下を招く場合があった。
そこで、より軒の出を小さくした際にも、雨水の浸入を確実に防ぐことができるとともに、小屋裏の換気性能に優れる技術の開発が望まれていた。
【0005】
本発明の課題は、雨水の浸入を確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れ、さらに、軒の出をほとんどない状態にして都市部の狭小敷地に対応することが可能な軒先構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1および図2に示すように、建物本体1上に設けられた屋根2の軒先構造において、
前記屋根2は、前記建物本体1に取り付けられた外壁材10の厚み分と略同一寸法の軒の出を有し、かつ軒先2aには、この軒先2aに設けられ、前記外壁材10の上端部近傍まで垂下することによって軒先2aを覆う軒先部材3を備えており、
前記軒先部材3は、通気孔30aを備えることによって小屋裏空間2bと外部とを連通する通気部30を備え、前記通気孔30aは、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された隙間4に向かって開口しており、
前記外壁材10は、この外壁材10の上下方向に沿って形成され、かつ前記隙間4に通じる複数の縦溝10aを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記屋根2は、前記建物本体1に取り付けられた外壁材10の厚み分と略同一寸法の軒の出を有しているので、軒の出をほとんどない状態にすることができる。したがって、従来とは異なり、居室を後退させることなく充分な建築面積を得ることができ、都市部の狭小敷地に対応することが可能となる。
その上、このように軒の出がほとんどない状態であっても、前記軒先2aに取り付けられた軒先部材3は、通気孔30aを備えることによって小屋裏空間2bと外部とを連通する通気部30を備え、前記通気孔30aは、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された隙間4に向かって開口しているので、風の吹き上げが起きた際においても雨水が小屋裏空間2bへと浸入することを確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れる。特に、前記外壁材10は、この外壁材10の上下方向に沿って形成され、かつ前記隙間4に通じる複数の縦溝10aを備えているので、この縦溝10aを通じて前記隙間4へと空気が通り、隙間4に通った空気は前記通気孔30aを通じて小屋裏空間2bへと達する。これによって、小屋裏換気においてより優れる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の軒先構造において、
前記軒先部材3は、前記通気部30の下端部から下方に向かって垂下する水切り片31を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記軒先部材3が、前記通気部30の下端部から下方に向かって垂下する水切り片31を備えているので、この水切り片31を伝うようにして雨水等の水滴を積極的に下方に落とすことができ、小屋裏空間2bへの雨水の浸入をより確実に防ぐことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1または2に記載の軒先構造において、
前記軒先部材3は、前記屋根2と、この屋根2の上面に設けられた屋根葺材21との間に差し込まれ、かつ軒先2aに設けられる雨樋22に向かって伸長する屋根水切り部32を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記軒先部材3が、前記屋根2と、この屋根2の上面に設けられた屋根葺材21との間に差し込まれ、かつ軒先2aに設けられる雨樋22に向かって伸長する屋根水切り部32を備えているので、雨水を積極的に雨樋22へと誘導することができ、小屋裏空間2bへの雨水の浸入をさらに確実に防ぐことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図1および図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の軒先構造において、
前記建物本体1上には、前記屋根2を所定角度に支持するための屋根支持部材5が所定の間隔を空けて複数設置されており、隣り合う屋根支持部材5間が通気経路となっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記建物本体1上に屋根支持部材5が複数設置され、隣り合う屋根支持部材5間が通気経路となっているので、前記通気孔30aから流入した空気を、この通気経路を通じて小屋裏の隅々まで行き渡らせることができ、小屋裏換気においてさらに優れる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軒先構造において、
前記屋根2の先端に、この屋根2の先端に鉛直面6aを形成するための調整部材6が取り付けられており、この調整部材6の鉛直面6aに前記軒先部材3が当接固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記屋根2の先端に、この屋根2の先端に鉛直面6aを形成するための調整部材6が取り付けられており、この調整部材6の鉛直面6aに前記軒先部材3が当接固定されているので、この軒先部材3を垂直に設けることができる。
そして、このように軒先部材3を垂直に設けることによって、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された前記隙間4を確保することができるので、前記通気孔30aから確実に空気を流入させることができ、小屋裏換気においてより一層優れる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、屋根は、建物本体に取り付けられた外壁材の厚み分と略同一寸法の軒の出を有しているので、軒の出をほとんどない状態にすることができる。したがって、従来とは異なり、居室を後退させることなく充分な建築面積を得ることができ、都市部の狭小敷地に対応することが可能となる。
その上、このように軒の出がほとんどない状態であっても、軒先に取り付けられた軒先部材は、通気孔を備えることによって小屋裏空間と外部とを連通する通気部を備え、通気孔は、軒先部材と建物本体との間に形成された隙間に向かって開口しているので、風の吹き上げが起きた際においても雨水が小屋裏空間へと浸入することを確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れる。特に、外壁材は、この外壁材の上下方向に沿って形成され、かつ隙間に通じる複数の縦溝を備えているので、この縦溝を通じて隙間へと空気が通り、隙間に通った空気は通気孔を通じて小屋裏空間へと達する。これによって、小屋裏換気においてより優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る軒先構造の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態の軒先構造が採用される建物は、予め工場で生産された複数の建物ユニット1および屋根パネル2を現場で組み合わせて建てられるユニット式建物であるが、従来の軸組工法や壁式工法の建物にも適用することができる。
【0018】
本実施の形態の軒先構造は、図1および図2に示すように、建物本体1上に設けられた屋根2の軒先2aのものであり、
前記屋根2は、前記建物本体1に取り付けられた外壁材10の厚み分と略同一寸法の軒の出を有し、かつ軒先2aには、この軒先2aに設けられ、前記外壁材10の上端部近傍まで垂下することによって軒先2aを覆う軒先部材3を備えており、
前記軒先部材3は、通気孔30aを備えることによって小屋裏空間2bと外部とを連通する通気部30を備え、前記通気孔30aは、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された隙間4に向かって開口しており、
前記外壁材10は、この外壁材10の上下方向に沿って形成され、かつ前記隙間4に通じる複数の縦溝10aを備えている。
【0019】
ここで、本実施の形態の建物本体1は、前記建物ユニット1であり、この建物ユニット1は複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって骨組みが形成されている。
また、図1に示すように、前記上梁11の上面には、その上梁11と同一部材の、例えばチャンネル材で形成された小屋パネル12が載置されている。この小屋パネル12は、建物ユニット1の平面大きさと同じ大きさに形成されており、上面に、前記パネルフレーム20を介して屋根パネル2を支持する複数の屋根支持部材5が立設されるようになっている。
【0020】
さらに、前記小屋パネル12の外部側端面には、断面視矩形状の角材13が取付固定されており、この角材13を介して軒先部材3を建物本体1に固定することができるようになっている。つまり、前記軒先部材3は、この角材13に対して固定された状態となっている。
【0021】
前記パネルフレーム20は、例えば、角筒状部材を枠組みして形成されており、屋根2の傾斜に沿って前記屋根支持部材5に取り付けられている。前記角筒状部材としては、図3に示すように、屋根2を支えるために棟(図示せず)から軒先2aに渡す垂木部材23と、この垂木部材23と直交して軒先2aに設けられる軒桁部材24と、この軒桁部材24と平行に設けられ、前記垂木部材23と直交する母屋部材25等が挙げられる。
また、このパネルフレーム20上には、野地板26が貼り付けられているとともに、この野地板26上に屋根葺材21が設けられた状態となっている。
【0022】
そして、図1に示すように、このパネルフレーム20が、前記建物本体1に取り付けられた外壁材10の厚み分と略同一寸法の軒の出を有した状態となっている。これにより、軒の出をほとんどない状態にすることができるので、従来とは異なり、居室を後退させることなく充分な建築面積を得ることができ、都市部の狭小敷地に対応することが可能となる。
【0023】
また、前記屋根支持部材5は、図1に示すように、前記小屋パネル12上面に載地される載置部51と、この載置部51上に立設されるとともに、中間部において湾曲するようにして傾斜することによって前記パネルフレーム20に当接する当接部52と、この当接部52を支持し、前記載置部51上に立設される支持部53とを備えている。さらに、前記当接部52には、前記母屋部材25に形成される孔部(図示せず)に挿し込まれることによって屋根支持部材5と母屋部材25とを接続する接続ピン54を備えている。
なお、前記当接部52の湾曲傾斜角度を予め調節することによって、屋根2の角度を変更することができるようになっている。
【0024】
そして、この屋根支持部材5は、図3に示すように、前記小屋パネル12上において、所定の間隔を空けて複数設置されており、隣り合う屋根支持部材5間が通気経路となっている。これにより、前記通気孔30aから流入した空気を、この通気経路を通じて小屋裏の隅々まで行き渡らせることができるので、小屋裏換気において優れる。
【0025】
また、図1に示すように、前記屋根2の先端に、この屋根2の先端に鉛直面6aを形成するための調整部材6が取り付けられており、この調整部材6の鉛直面6aに前記軒先部材3が当接固定された状態となっている。さらに詳細に説明すると、この調整部材6は断面視略三角形状に形成されており、一面が鉛直面6aとなり、一面が前記軒桁部材24の端面に当接する面となり、一面が下方に向く面となる。
このように調整部材6の鉛直面6aに前記軒先部材3が当接固定されることで、この軒先部材3を垂直に設けることができ、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された前記隙間4を確保することができるので、前記通気孔30aから確実に空気を流入させることができ、小屋裏換気において優れる。
【0026】
なお、この調整部材6は、屋根2の角度に応じた形状となっている。すなわち、前記屋根支持部材5の当接部52の湾曲傾斜角度によって屋根2の角度を変更することができるので、屋根2の軒先2aにおいて鉛直面6aを形成する際は、三角形の形を適宜変更することによって対応できるようになっている。これによって、どのような屋根2の角度であっても、常に前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された前記隙間4を確保することが可能となる。
【0027】
続いて、前記軒先部材3は、上述したように、通気孔30aを備えることによって小屋裏空間2bと外部とを連通する通気部30を備え、前記通気孔30aは、前記軒先部材3と建物本体1との間に形成された隙間4に向かって開口している。これによって、軒の出がほとんどない状態であっても、風の吹き上げが起きた際においても雨水が小屋裏空間2bへと浸入することを確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れる。
【0028】
前記通気部30は、図1に示すように、小屋裏空間2bへと通じるように中空状に形成されており、小屋裏空間2bに向かって開放する第1中空部33と、この第1中空部33の下方において連続して中空状に形成され、前記通気孔30aを有する第2中空部34とを備えている。
そして、この第2中空部34は、その厚みが、前記第1中空部33よりも薄くなるように形成されており、これら第1中空部33の厚みと第2中空部34の厚みとの差を利用して、前記隙間4が形成されている。
なお、これら第1中空部33と第2中空部34とは、外部側の面が面一となるように一体的に形成されており、見映えが良い。
【0029】
また、この軒先部材3は、前記通気部30の下端部から下方に向かって垂下する水切り片31を備えている。なお、この水切り片31は、前記通気部30と一体的に形成されており、見映えが良い。
【0030】
そして、このように前記軒先部材3が、前記通気部30の下端部から下方に向かって垂下する水切り片31を備えているので、この水切り片31を伝うようにして雨水等の水滴を積極的に下方に落とすことができ、小屋裏空間2bへの雨水の浸入を確実に防ぐことができる。
【0031】
さらに、前記軒先部材3は、前記屋根2と、この屋根2の上面に設けられた屋根葺材21との間に差し込まれ、かつ軒先2aに設けられる雨樋22に向かって伸長する屋根水切り部32を備えている。
なお、前記雨樋22は、前記調整部材6の鉛直面6aにおいて前記軒先部材3とともに取付固定された状態となっており、前記屋根葺材21の延長線上に位置している。なお、この屋根水切り部32は、前記通気部30と一体的に形成されている。
【0032】
そして、このように前記軒先部材3が、前記屋根2と、この屋根2の上面に設けられた屋根葺材21との間に差し込まれ、かつ軒先2aに設けられる雨樋22に向かって伸長する屋根水切り部32を備えているので、雨水を積極的に雨樋22へと誘導することができ、小屋裏空間2bへの雨水の浸入を確実に防ぐことが可能となる。
【0033】
なお、本実施の形態の軒先部材3は、鋼製であり、図示はしないが、前記軒桁部材24に沿って長尺に形成されている。また、図示はしないが、隣り合う軒桁部材24間には所定の防水処理が施されており、雨水の浸入を確実に防ぐことができるようになっている。
また、軒先部材3によって屋根2の軒先2aの全周を囲む際において、外壁に、建物側に向かって凹むインナー部14がある場合は、外壁形状に合わせて複数の軒先部材3を設けても良く、図4に示すように、前記小屋パネル12に並んでインナー部14に設けられる軒天パネル12aの下部に、複数の換気孔(図示せず)を有する軒天井材27を設けて換気をとるようにしても良い。
この時、前記軒先部材3と連続して、小屋裏空間2bへの雨水の侵入を防ぐための補助軒先部材3aを設けるようにすることが好ましい。
【0034】
一方、前記外壁材10は、図1および図2に示すように、この外壁材10の上下方向に沿って形成され、かつ前記隙間4に通じる複数の縦溝10aを備えている。また、これら複数の縦溝10aと直交するようにして複数の横溝10bを形成することによって意匠性の向上を図ることができるので、見映えが良く好ましい。
【0035】
そして、このように複数の縦溝10aを備えることによって、この縦溝10aを通じて隙間4へと空気が通り、隙間4に通った空気は通気孔30aを通じて小屋裏空間2bへと達するので、小屋裏換気においてより優れる。
すなわち、この縦溝10aは、外壁材10の幅方向に沿って、等間隔で複数形成された状態となっているので、外壁に向かって吹き付ける空気をより多くとらえて、前記隙間4へと送り込むことができるようになっている。
【0036】
本実施の形態によれば、雨水の浸入を確実に防ぐことができるとともに、小屋裏換気において優れ、さらに、軒の出をほとんどない状態にして都市部の狭小敷地に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る軒先構造の実施形態を示す側断面図である。
【図2】外壁材を示す斜視図である。
【図3】パネルフレームおよび屋根支持部材を示す斜視図である。
【図4】インナー部の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 建物本体(建物ユニット)
2 屋根(屋根パネル)
2a 軒先
3 軒先部材
4 隙間
10 外壁材
10a 縦溝
30 通気部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物本体上に設けられた屋根の軒先構造において、
前記屋根は、前記建物本体に取り付けられた外壁材の厚み分と略同一寸法の軒の出を有し、かつ軒先には、この軒先に設けられ、前記外壁材の上端部近傍まで垂下することによって軒先を覆う軒先部材を備えており、
前記軒先部材は、通気孔を備えることによって小屋裏空間と外部とを連通する通気部を備え、前記通気孔は、前記軒先部材と建物本体との間に形成された隙間に向かって開口しており、
前記外壁材は、この外壁材の上下方向に沿って形成され、かつ前記隙間に通じる複数の縦溝を備えていることを特徴とする軒先構造。
【請求項2】
請求項1に記載の軒先構造において、
前記軒先部材は、前記通気部の下端部から下方に向かって垂下する水切り片を備えていることを特徴とする軒先構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の軒先構造において、
前記軒先部材は、前記屋根と、この屋根の上面に設けられた屋根葺材との間に差し込まれ、かつ軒先に設けられる雨樋に向かって伸長する屋根水切り部を備えていることを特徴とする軒先構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の軒先構造において、
前記建物本体上には、前記屋根を所定角度に支持するための屋根支持部材が所定の間隔を空けて複数設置されており、隣り合う屋根支持部材間が通気経路となっていることを特徴とする軒先構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の軒先構造において、
前記屋根の先端に、この屋根の先端に鉛直面を形成するための調整部材が取り付けられており、この調整部材の鉛直面に前記軒先部材が当接固定されていることを特徴とする軒先構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−2227(P2008−2227A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175137(P2006−175137)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000114086)ミサワホーム株式会社 (288)
【Fターム(参考)】