軒先構造
【課題】多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができる軒先構造を提供する。
【解決手段】軒側端部に嵌合部4が形成されると共に棟側端部に被嵌合部5が形成された複数枚の金属屋根材Aが、嵌合部4と被嵌合部5との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造に関する。最も軒先に配設される前記金属屋根材Aは、その軒側の所定長が切断されて軒先部材Bとして形成される。
【解決手段】軒側端部に嵌合部4が形成されると共に棟側端部に被嵌合部5が形成された複数枚の金属屋根材Aが、嵌合部4と被嵌合部5との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造に関する。最も軒先に配設される前記金属屋根材Aは、その軒側の所定長が切断されて軒先部材Bとして形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の金属屋根材を敷設して形成される屋根の軒先構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、複数枚の金属屋根材を敷設して形成される屋根を提案している(例えば、特許文献1参照)。この金属屋根材は、図11(a)に示すように、略平板状の本体部1の両側部2に断面略波状の接続部31が形成されたものである。また、本体部1の前端部には裏面側に突出する断面倒U字状の嵌合部4が形成され、本体部1の後端部には表面側に突出する断面倒V字状の被嵌合部5が形成されたものである。
【0003】
このような金属屋根材を野地板等の屋根下地6に敷設するにあたって、屋根の傾斜方向(例えば、軒棟方向)と直交する方向に隣接する金属屋根材A、Aは、図11(b)に示すように、その側部2、2同士を上下に重ね合わせることによって接続される。また、屋根の傾斜方向と平行な方向に隣接する金属屋根材A,Aは、図12に示すように、水下側(例えば、軒側)の金属屋根材Aの被嵌合部5に、水上側(例えば、棟側)の金属屋根材Aの嵌合部4を嵌合させることによって接続される。
【0004】
このような金属屋根材Aの場合、屋根下地6の傾斜方向の寸法が、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法の略整数倍であれば、複数枚の金属屋根材Aを軒先から棟部まで順次接続して屋根を形成することができる。また、屋根下地6の傾斜方向の寸法が、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法の略整数倍から大きく外れる場合は、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法よりも短い寸法を有する軒先部材(例えば、軒先唐草)を別途用意し、この軒先部材を屋根下地の軒先側に取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−159597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のように軒先部材を別途用意する場合は、施工現場毎に必要な長さの軒先部材が異なるために、各施工現場に応じた多品種の軒先部材を用意しなければならず、軒先部材の管理が煩雑となったり多品種化によるコスト高を招いたりすることがあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができる軒先構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る軒先構造は、軒側端部に嵌合部が形成されると共に棟側端部に被嵌合部が形成された複数枚の金属屋根材が、嵌合部と被嵌合部との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造であって、最も軒先に配設される前記金属屋根材は、その軒側の所定長が切断されて軒先部材として形成されて成ることを特徴とするものである。
【0009】
前記軒先構造において、前記軒先部材の軒側端部に取付部が屈曲形成され、この取付部が屋根下地に取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、金属屋根材を利用して軒先部材を形成することができ、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の金属屋根材の一例を示す斜視図である。
【図3】同上の(a)(b)は横方向の断面を示す一部の断面図である。
【図4】同上の(a)(b)は縦方向の断面を示す断面図である。
【図5】同上の接続状態を示す斜視図である。
【図6】同上の接続状態を示す一部の断面図である。
【図7】同上の施工手順を示し、(a)〜(f)は一部の断面図である。
【図8】同上の軒先部材の作製の一例を示す斜視図である。
【図9】同上の軒先部材の一例を示す斜視図である。
【図10】同上の他の実施の形態を示す断面図である。
【図11】従来例の金属屋根材の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は一部の断面図である。
【図12】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
本発明で用いる金属屋根材Aは、金属板をロール成形加工などで加工して所望の形状に形成されている。金属板としては、厚み0.3〜0.5mmのものを好適に用いることができ、また、金属板の種類としては、塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などの各種のものを用いることができる。尚、製造については、従来ではロール成形機で対応するしかなかったが、本発明の金属屋根材AはR加工(曲面加工)がほとんどないためベンダー加工機でも対応でき、また、端部加工はヘミング曲げ加工及びプレス加工で対応できる。
【0014】
上記の金属屋根材Aは、図2に示すように、略平板状に形成される本体部1と、本体部1の両方の側部2の下方(下面側)に形成される補強部3と、補強部3に形成されるリブ部7と、本体部1の軒側端部(水下側端部)に形成される嵌合部4と、本体部1の棟側端部(水上側端部)に形成される被嵌合部5と、被嵌合部5の水上側端部に突設される固定片10とを備えて形成されている。
【0015】
本体部1は横方向(屋根の傾斜方向と直交する方向)に長く形成されており、横方向の長さ寸法L1は、例えば、2000mm程度の定尺とすることができ、また、本体部1の縦方向(屋根の傾斜方向と平行な方向)の働き幅L2は、例えば、200mm程度とすることができる。図3(a)に示すように、補強部3は、本体部1の側部2を補強するために、側部2の下面(裏面)に接触乃至近接して設けられている。補強部3は本体部1の側端部から側部2の下方に折り返し屈曲して形成することができる。また、補強部3は本体部1の縦方向の略全長にわたって形成されている。補強部3の幅寸法L3は、側部2を補強するために、本体部1の側端から20〜100mmとするのが好ましい。リブ部7は、補強部3の先端に形成されるものであって、補強部3の先端から下方に突出して断面略U字状に屈曲により形成されている。また、リブ部7の先端には支持部8が突設されている。リブ部7及び支持部8は補強部3に縦方向の略全長にわたって形成されている。また、リブ部7の幅寸法L4及び深さ寸法L5は、側部2を補強するために、L4は4〜20mm、L5は1〜5mmとするのが好ましい。また、支持部8のリブ部7からの突出寸法L6は、側部2を補強するために、5〜20mmとするのが好ましい。また、図3(b)に示すように、支持部8の先端にさらに上記と同様のリブ部7と支持部8とを二カ所以上設けることができ、これにより、補強効果を向上させることができる。
【0016】
本体部1の側端部は、本体部1の表面から斜め下方に下り傾斜するように屈曲された当接部9として形成されている。当接部9は側部2と補強部3の境界部付近を下向きに屈曲することにより形成することができる。当接部9は本体部1の縦方向の略全長にわたって形成されている。当接部9は金属屋根材Aの防錆・剛性を向上させるために本体部1のエッジを外部から見えにくくするものであり、その幅寸法L7は3〜10mmとするのが好ましい。上記の補強部3、リブ部7,支持部8及び当接部9は、本体部1の両方の側部2に各々設けられており、金属屋根材Aは左右対称に形成されている。
【0017】
図2及び図4(a)(b)に示すように、嵌合部4は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されており、縦方向の断面形状が略倒U字状に形成されており、その厚みTは、例えば、5mm程度とすることができる。被嵌合部5は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されており、上片5aと下片5bとを軒側端部で接続することにより縦方向の断面形状が略倒V字状に形成されている。また、図4(a)(b)に示すように、被嵌合部5は上片5aと下片5bとを上下方向で近接離間自在に形成することにより、被嵌合部5は上下に伸縮自在に形成されている。固定片10は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されていると共に縦方向の断面形状が略逆へ字状に形成されており、被嵌合部5の上片5aから後方に向かって突設されている。上記のように、本発明の金属屋根材Aは、嵌合部4の曲げR加工を極力なくし、重ねやすい直線形状の部位を組合せて形成している。また、嵌合部(前はぜ部)4は外観上見えるため及び耐久性(塗膜の割れによる錆発生防止)や水密性の向上のため、R曲げ仕上げをするが、被嵌合部(後ろはぜ部)5は倒V型形状とし、曲げR加工を極力少なくしている。
【0018】
そして、本発明の金属屋根材Aはその複数枚を野地板などの屋根下地6の上に縦横に敷設するものであり、これにより、金属屋根を形成することができる。この場合、隣接して敷設されて金属屋根材A、Aは取り付け強度の確保や防水性の向上のために接続されている。
【0019】
図5に示すように、横方向で隣接する金属屋根材A、Aは、一方の金属屋根材Aの本体部1の側部2と他方の金属屋根材Aの本体部1とを上下に重ね合わせることにより接続される。ここで、金属屋根材Aの縦方向の断面形状は横方向の全長にわたって略一定であるため、重ね合わせ寸法は任意に設定可能であり、横方向で隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させるために、本体部1の側端から100mm以上重ね合わせることが好ましいが、金属屋根の各部分の納めの寸法調整に応じて重ね合わせ寸法を変えることができる。尚、重ね合わせる寸法の上限は特に設定されないが、あまりに大きいと金属屋根材Aに無駄な部分が増加してしまうので、重ね合わせる寸法は本体部1の側端から横寸法の半分以下とするのが好ましく、より好ましくは200mm以下にするのがよい。また、横方向で隣接する金属屋根材A、Aは側部2,2同士を上下に重ね合わせる場合や、一方の金属屋根材Aの本体部1の側部2と他方の金属屋根材Aの本体部1の横方向の中央部付近とを上下に重ね合わせる場合などがある。また、金属屋根材Aは左右対称であるために、横方向で隣接する金属屋根材A、Aの左右のどちらも上に重ねることが可能であり、屋根下地6の横方向の左右何れの方向からでも順次敷設していくことができる。
【0020】
このようにして上下に重ね合わされた金属屋根材A、Aにおいて、図6に示すように、下側に位置する金属屋根材Aは、屋根下地6の上面に当接部9の先端が当接し、リブ部7が屋根下地6の上面に近接乃至接触している。従って、リブ部7と当接部9との間において補強部3と屋根下地6との間に隙間29が形成され、この隙間29が等圧空間となるために、雨水等が屋根下地6の上面と当接部9の先端との間から本体部1の下側へ浸入しにくくなって、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させることができる。また、上側に位置する金属屋根材Aは、下側の金属屋根材Aの本体部1の上面に当接部9の先端が当接し、上側の金属屋根材Aのリブ部7が下側の金属屋根材Aの本体部1の上面に近接乃至接触している。従って、上側の金属屋根材Aのリブ部7と当接部9との間において上側の金属屋根材Aの補強部3と下側の金属屋根材Aの本体部1との間に隙間28が形成され、この隙間28が等圧空間となるために、雨水等が下側の金属屋根材Aの本体部1の上面と上側の金属屋根材Aの当接部9の先端との間から上側の金属屋根材Aの本体部1の下側へ浸入しにくくなって、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させることができる。さらに、上記の隙間28,29に浸入した雨水等は隙間28、29内を屋根の勾配方向に沿って流下するものであり、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の排水性を向上させることができるものである。
【0021】
また、金属屋根材Aの側部2は補強部3により補強されており、さらに、リブ部7及び支持部8でも側部2は補強されている。従って、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分は剛性が向上しており、風荷重や施工時に歩行圧が加わっても、破損や変形及びこれらによる防水性の低下が起こりにくくなっている。しかも、補強部3やリブ部7及び支持部8は本体部1の側部2の下方に形成されているため、金属屋根材Aの上方から視認されにくいものであり、屋根の外観が低下しにくくなるものであり、また、フラットな本体部1の場合には建物全体として調和のとれた意匠を表現しやすくなる。
【0022】
次に、横方向及び縦方向の金属屋根材A、Aの接続について詳述する。まず、図7(a)に示すように、被嵌合部5を上方に伸長した状態で金属屋根材Aを屋根下地6に載置し、図7(b)に示すように、ビスなどの固定具11を固定片10及び屋根下地6に打ち込んで固定片10を固定する。このように固定片10を固定することにより、被嵌合部5を上下に収縮して上下寸法(厚み)を小さくした状態で形状を固定(確定)することができる。次に、固定した金属屋根材Aに別の金属屋根材Aを横方向に並べて載置する。このとき、上記のように、隣接する金属屋根材A、Aは側部2、2を上下に重ね合わせることにより接続する。また、図7(c)に示すように、固定した金属屋根材Aの被嵌合部5の軒側及び上側に、新たに配置する方の金属屋根材Aの被嵌合部5を被せるようにし、また、固定した金属屋根材Aの固定片10の上側に新たに配置する方の金属屋根材Aの固定片10を被せるようにする。次に、図7(d)に示すように、固定具11を新たに配置した金属屋根材Aの固定片10と、固定した金属屋根材Aの固定片10と、屋根下地6に打ち込んで新たに配置した金属屋根材Aの固定片10を固定する。このようにして横一列に複数枚の金属屋根材A、A…を敷設した後、これら敷設した金属屋根材Aの棟側に他の複数枚の金属屋根材A、A…を横一列に順次敷設していく。このとき、図7(e)に示すように、棟側の金属屋根材Aの嵌合部4を軒側の重なった被嵌合部5、5に嵌合し、この後、図7(f)に示すように、さらに他の棟側の金属屋根材Aの嵌合部4を上記の棟側の金属屋根材Aの嵌合部4と軒側の金属屋根材Aの被嵌合部5、5とに嵌合する。このように、最終的には、二つの嵌合部4、4と二つの被嵌合部5、5とが嵌合して重なった状態となるが、被嵌合部5は略倒V字状で重なり、面が総て斜め形状(三角形状)となるため、嵌合部4をスムーズに嵌合することができる。
【0023】
本発明では、上記の金属屋根材Aを働き幅L2の方向(軒棟方向)と直交する方向に切断して軒先部材Bを形成するものである。この場合、金属屋根材Aの軒側の所定長が切断されて除去される。軒先部材Bの軒棟方向の寸法は施工現場に応じて適宜設定することができ、被嵌合部5から軒側端部までの寸法L8は、例えば、50mm以上働き幅L2未満とすることができる。金属屋根材Aは、図8に示すように、本体部1、側部2、補強部3、リブ部7、支持部8、当接部9を横切る切断線Sに沿って切断される。また、切断後の本体部1の切断側端部は裏面側に屈曲され、軒先部材Bの軒側端部には断面略倒U字状の取付部40が形成される。尚、金属屋根材Aの切断及び取付部40の形成は、施工現場で行っても良いし、工場で行っても良い。
【0024】
このように形成される軒先部材Bは、図9に示すように金属屋根材Aよりも軒棟方向の長さが短くなる。また、軒先部材Bは屋根の軒先の略全長にわたって配設されるが、横方向に隣接する軒先部材B、Bの接続は、上記の横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続の場合と同様に行うことができる。すなわち、横方向で隣接する軒先部材B、Bは、一方の軒先部材Bの本体部1の側部2と他方の軒先部材Bの本体部1とを上下に重ね合わせることにより接続される。縦方向に隣接する軒先部材Bと金属屋根材Aとの接続は、上記の縦方向に隣接する金属屋根材A、Aの場合と同様に行うことができる。すなわち、図1に示すように、軒先部材Bの被嵌合部5に金属屋根材Aの嵌合部4を嵌合することにより軒先部材Bと金属屋根材Aとが軒棟方向で接続される。また、軒先部材Bの軒側端部は屋根下地6に固定される。この場合、屋根下地6の軒側端部には軒先下地6aが軒先の略全長にわたって設けられている。軒先下地6aは野地板等の屋根下地本体6bよりも軒先側に配置されており、木材等で形成される基板41と、基板41の先端面から斜め下方に向かって突設された水切り片42と、基板41の上面に突設された連結片43とを備えて形成されている。水切り片42及び連結片43は鋼板等の金属製であって、ビス等の固定具44により基板41に取り付けられている。そして、軒先部材Bの軒側端部は屋根下地本体6bの軒側端部よりも突出されて軒先下地6aの上に載置されると共に、軒先部材Bの取付部40を連結片43の先端部に係止して取り付けられる。このようにして軒先部材Bを屋根下地6に取り付けて屋根の軒先を形成することができる。
【0025】
本発明では、金属屋根材Aを利用して軒先部材Bを形成することができ、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、本発明は、金属屋根材Aを施工現場の軒先長さに応じて切断して軒先部材Bを形成することができ、屋根の傾斜方向において長さ調整機能を有する屋根を形成することができる。また、軒先部材Bを任意の形状に加工することができ、意匠のバリエーションに変化を付けることが可能となる。また、上記の金属屋根材Aは平坦な部分が多くてシンプルな形状であるので、容易に切断することができ、軒先部材Bを作製しやすいものである。また、屋根の軒側端部に近傍に嵌合部4と被嵌合部5を形成することができ、太陽電池パネル(PVパネル)などの屋根付帯設備の設置面積を増やすことができる。図1に示すように、屋根付帯設備50を屋根に取り付けるにあたっては、ベース金具51を軒先部材Bの被嵌合部5と金属屋根材Aの嵌合部4との嵌合部分や、金属屋根材A、A同士の嵌合部4と被嵌合部5との嵌合部分に取り付け、複数個のベース金具51に架設して縦桟52を設けると共に複数の縦桟52に架設して横桟53を架設し、縦桟52及び横桟53に屋根付帯設備50を取り付けることができる。図1中の符号54は屋根付帯設備50の外面を化粧するための軒先カバーである。また、図1中の符号58は嵌合部4と被嵌合部5の嵌合部分を補強するための補強吊子であり、ビス等の固定具59により屋根下地6に固定されている。
【0026】
図10に他の実施の形態を示す。この軒先構造では、軒先部材Bの取付部40が本体部1の裏面側に略垂直に屈曲して形成されている。また、軒先下地6aには連結片43が設けられておらず、取付部40はビス等の固定具55で基板41の軒側端面に固定されている。その他の構成は図1のものと同様である。このような軒先構造において、敷設された金属屋根材A及び軒先部材Bの上方には、さらに桟木を設けて瓦屋根材を敷設しても良い。瓦屋根材には太陽電池パネルが内蔵されていても良い。
【符号の説明】
【0027】
A 金属屋根材
B 軒先部材
4 嵌合部
5 被嵌合部
6 屋根下地
40 取付部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の金属屋根材を敷設して形成される屋根の軒先構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、複数枚の金属屋根材を敷設して形成される屋根を提案している(例えば、特許文献1参照)。この金属屋根材は、図11(a)に示すように、略平板状の本体部1の両側部2に断面略波状の接続部31が形成されたものである。また、本体部1の前端部には裏面側に突出する断面倒U字状の嵌合部4が形成され、本体部1の後端部には表面側に突出する断面倒V字状の被嵌合部5が形成されたものである。
【0003】
このような金属屋根材を野地板等の屋根下地6に敷設するにあたって、屋根の傾斜方向(例えば、軒棟方向)と直交する方向に隣接する金属屋根材A、Aは、図11(b)に示すように、その側部2、2同士を上下に重ね合わせることによって接続される。また、屋根の傾斜方向と平行な方向に隣接する金属屋根材A,Aは、図12に示すように、水下側(例えば、軒側)の金属屋根材Aの被嵌合部5に、水上側(例えば、棟側)の金属屋根材Aの嵌合部4を嵌合させることによって接続される。
【0004】
このような金属屋根材Aの場合、屋根下地6の傾斜方向の寸法が、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法の略整数倍であれば、複数枚の金属屋根材Aを軒先から棟部まで順次接続して屋根を形成することができる。また、屋根下地6の傾斜方向の寸法が、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法の略整数倍から大きく外れる場合は、金属屋根材Aの前後の働き幅L2の寸法よりも短い寸法を有する軒先部材(例えば、軒先唐草)を別途用意し、この軒先部材を屋根下地の軒先側に取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−159597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のように軒先部材を別途用意する場合は、施工現場毎に必要な長さの軒先部材が異なるために、各施工現場に応じた多品種の軒先部材を用意しなければならず、軒先部材の管理が煩雑となったり多品種化によるコスト高を招いたりすることがあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができる軒先構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る軒先構造は、軒側端部に嵌合部が形成されると共に棟側端部に被嵌合部が形成された複数枚の金属屋根材が、嵌合部と被嵌合部との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造であって、最も軒先に配設される前記金属屋根材は、その軒側の所定長が切断されて軒先部材として形成されて成ることを特徴とするものである。
【0009】
前記軒先構造において、前記軒先部材の軒側端部に取付部が屈曲形成され、この取付部が屋根下地に取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、金属屋根材を利用して軒先部材を形成することができ、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の金属屋根材の一例を示す斜視図である。
【図3】同上の(a)(b)は横方向の断面を示す一部の断面図である。
【図4】同上の(a)(b)は縦方向の断面を示す断面図である。
【図5】同上の接続状態を示す斜視図である。
【図6】同上の接続状態を示す一部の断面図である。
【図7】同上の施工手順を示し、(a)〜(f)は一部の断面図である。
【図8】同上の軒先部材の作製の一例を示す斜視図である。
【図9】同上の軒先部材の一例を示す斜視図である。
【図10】同上の他の実施の形態を示す断面図である。
【図11】従来例の金属屋根材の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は一部の断面図である。
【図12】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
本発明で用いる金属屋根材Aは、金属板をロール成形加工などで加工して所望の形状に形成されている。金属板としては、厚み0.3〜0.5mmのものを好適に用いることができ、また、金属板の種類としては、塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などの各種のものを用いることができる。尚、製造については、従来ではロール成形機で対応するしかなかったが、本発明の金属屋根材AはR加工(曲面加工)がほとんどないためベンダー加工機でも対応でき、また、端部加工はヘミング曲げ加工及びプレス加工で対応できる。
【0014】
上記の金属屋根材Aは、図2に示すように、略平板状に形成される本体部1と、本体部1の両方の側部2の下方(下面側)に形成される補強部3と、補強部3に形成されるリブ部7と、本体部1の軒側端部(水下側端部)に形成される嵌合部4と、本体部1の棟側端部(水上側端部)に形成される被嵌合部5と、被嵌合部5の水上側端部に突設される固定片10とを備えて形成されている。
【0015】
本体部1は横方向(屋根の傾斜方向と直交する方向)に長く形成されており、横方向の長さ寸法L1は、例えば、2000mm程度の定尺とすることができ、また、本体部1の縦方向(屋根の傾斜方向と平行な方向)の働き幅L2は、例えば、200mm程度とすることができる。図3(a)に示すように、補強部3は、本体部1の側部2を補強するために、側部2の下面(裏面)に接触乃至近接して設けられている。補強部3は本体部1の側端部から側部2の下方に折り返し屈曲して形成することができる。また、補強部3は本体部1の縦方向の略全長にわたって形成されている。補強部3の幅寸法L3は、側部2を補強するために、本体部1の側端から20〜100mmとするのが好ましい。リブ部7は、補強部3の先端に形成されるものであって、補強部3の先端から下方に突出して断面略U字状に屈曲により形成されている。また、リブ部7の先端には支持部8が突設されている。リブ部7及び支持部8は補強部3に縦方向の略全長にわたって形成されている。また、リブ部7の幅寸法L4及び深さ寸法L5は、側部2を補強するために、L4は4〜20mm、L5は1〜5mmとするのが好ましい。また、支持部8のリブ部7からの突出寸法L6は、側部2を補強するために、5〜20mmとするのが好ましい。また、図3(b)に示すように、支持部8の先端にさらに上記と同様のリブ部7と支持部8とを二カ所以上設けることができ、これにより、補強効果を向上させることができる。
【0016】
本体部1の側端部は、本体部1の表面から斜め下方に下り傾斜するように屈曲された当接部9として形成されている。当接部9は側部2と補強部3の境界部付近を下向きに屈曲することにより形成することができる。当接部9は本体部1の縦方向の略全長にわたって形成されている。当接部9は金属屋根材Aの防錆・剛性を向上させるために本体部1のエッジを外部から見えにくくするものであり、その幅寸法L7は3〜10mmとするのが好ましい。上記の補強部3、リブ部7,支持部8及び当接部9は、本体部1の両方の側部2に各々設けられており、金属屋根材Aは左右対称に形成されている。
【0017】
図2及び図4(a)(b)に示すように、嵌合部4は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されており、縦方向の断面形状が略倒U字状に形成されており、その厚みTは、例えば、5mm程度とすることができる。被嵌合部5は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されており、上片5aと下片5bとを軒側端部で接続することにより縦方向の断面形状が略倒V字状に形成されている。また、図4(a)(b)に示すように、被嵌合部5は上片5aと下片5bとを上下方向で近接離間自在に形成することにより、被嵌合部5は上下に伸縮自在に形成されている。固定片10は本体部1の横方向の略全長にわたって形成されていると共に縦方向の断面形状が略逆へ字状に形成されており、被嵌合部5の上片5aから後方に向かって突設されている。上記のように、本発明の金属屋根材Aは、嵌合部4の曲げR加工を極力なくし、重ねやすい直線形状の部位を組合せて形成している。また、嵌合部(前はぜ部)4は外観上見えるため及び耐久性(塗膜の割れによる錆発生防止)や水密性の向上のため、R曲げ仕上げをするが、被嵌合部(後ろはぜ部)5は倒V型形状とし、曲げR加工を極力少なくしている。
【0018】
そして、本発明の金属屋根材Aはその複数枚を野地板などの屋根下地6の上に縦横に敷設するものであり、これにより、金属屋根を形成することができる。この場合、隣接して敷設されて金属屋根材A、Aは取り付け強度の確保や防水性の向上のために接続されている。
【0019】
図5に示すように、横方向で隣接する金属屋根材A、Aは、一方の金属屋根材Aの本体部1の側部2と他方の金属屋根材Aの本体部1とを上下に重ね合わせることにより接続される。ここで、金属屋根材Aの縦方向の断面形状は横方向の全長にわたって略一定であるため、重ね合わせ寸法は任意に設定可能であり、横方向で隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させるために、本体部1の側端から100mm以上重ね合わせることが好ましいが、金属屋根の各部分の納めの寸法調整に応じて重ね合わせ寸法を変えることができる。尚、重ね合わせる寸法の上限は特に設定されないが、あまりに大きいと金属屋根材Aに無駄な部分が増加してしまうので、重ね合わせる寸法は本体部1の側端から横寸法の半分以下とするのが好ましく、より好ましくは200mm以下にするのがよい。また、横方向で隣接する金属屋根材A、Aは側部2,2同士を上下に重ね合わせる場合や、一方の金属屋根材Aの本体部1の側部2と他方の金属屋根材Aの本体部1の横方向の中央部付近とを上下に重ね合わせる場合などがある。また、金属屋根材Aは左右対称であるために、横方向で隣接する金属屋根材A、Aの左右のどちらも上に重ねることが可能であり、屋根下地6の横方向の左右何れの方向からでも順次敷設していくことができる。
【0020】
このようにして上下に重ね合わされた金属屋根材A、Aにおいて、図6に示すように、下側に位置する金属屋根材Aは、屋根下地6の上面に当接部9の先端が当接し、リブ部7が屋根下地6の上面に近接乃至接触している。従って、リブ部7と当接部9との間において補強部3と屋根下地6との間に隙間29が形成され、この隙間29が等圧空間となるために、雨水等が屋根下地6の上面と当接部9の先端との間から本体部1の下側へ浸入しにくくなって、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させることができる。また、上側に位置する金属屋根材Aは、下側の金属屋根材Aの本体部1の上面に当接部9の先端が当接し、上側の金属屋根材Aのリブ部7が下側の金属屋根材Aの本体部1の上面に近接乃至接触している。従って、上側の金属屋根材Aのリブ部7と当接部9との間において上側の金属屋根材Aの補強部3と下側の金属屋根材Aの本体部1との間に隙間28が形成され、この隙間28が等圧空間となるために、雨水等が下側の金属屋根材Aの本体部1の上面と上側の金属屋根材Aの当接部9の先端との間から上側の金属屋根材Aの本体部1の下側へ浸入しにくくなって、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の防水性を向上させることができる。さらに、上記の隙間28,29に浸入した雨水等は隙間28、29内を屋根の勾配方向に沿って流下するものであり、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分の排水性を向上させることができるものである。
【0021】
また、金属屋根材Aの側部2は補強部3により補強されており、さらに、リブ部7及び支持部8でも側部2は補強されている。従って、横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続部分は剛性が向上しており、風荷重や施工時に歩行圧が加わっても、破損や変形及びこれらによる防水性の低下が起こりにくくなっている。しかも、補強部3やリブ部7及び支持部8は本体部1の側部2の下方に形成されているため、金属屋根材Aの上方から視認されにくいものであり、屋根の外観が低下しにくくなるものであり、また、フラットな本体部1の場合には建物全体として調和のとれた意匠を表現しやすくなる。
【0022】
次に、横方向及び縦方向の金属屋根材A、Aの接続について詳述する。まず、図7(a)に示すように、被嵌合部5を上方に伸長した状態で金属屋根材Aを屋根下地6に載置し、図7(b)に示すように、ビスなどの固定具11を固定片10及び屋根下地6に打ち込んで固定片10を固定する。このように固定片10を固定することにより、被嵌合部5を上下に収縮して上下寸法(厚み)を小さくした状態で形状を固定(確定)することができる。次に、固定した金属屋根材Aに別の金属屋根材Aを横方向に並べて載置する。このとき、上記のように、隣接する金属屋根材A、Aは側部2、2を上下に重ね合わせることにより接続する。また、図7(c)に示すように、固定した金属屋根材Aの被嵌合部5の軒側及び上側に、新たに配置する方の金属屋根材Aの被嵌合部5を被せるようにし、また、固定した金属屋根材Aの固定片10の上側に新たに配置する方の金属屋根材Aの固定片10を被せるようにする。次に、図7(d)に示すように、固定具11を新たに配置した金属屋根材Aの固定片10と、固定した金属屋根材Aの固定片10と、屋根下地6に打ち込んで新たに配置した金属屋根材Aの固定片10を固定する。このようにして横一列に複数枚の金属屋根材A、A…を敷設した後、これら敷設した金属屋根材Aの棟側に他の複数枚の金属屋根材A、A…を横一列に順次敷設していく。このとき、図7(e)に示すように、棟側の金属屋根材Aの嵌合部4を軒側の重なった被嵌合部5、5に嵌合し、この後、図7(f)に示すように、さらに他の棟側の金属屋根材Aの嵌合部4を上記の棟側の金属屋根材Aの嵌合部4と軒側の金属屋根材Aの被嵌合部5、5とに嵌合する。このように、最終的には、二つの嵌合部4、4と二つの被嵌合部5、5とが嵌合して重なった状態となるが、被嵌合部5は略倒V字状で重なり、面が総て斜め形状(三角形状)となるため、嵌合部4をスムーズに嵌合することができる。
【0023】
本発明では、上記の金属屋根材Aを働き幅L2の方向(軒棟方向)と直交する方向に切断して軒先部材Bを形成するものである。この場合、金属屋根材Aの軒側の所定長が切断されて除去される。軒先部材Bの軒棟方向の寸法は施工現場に応じて適宜設定することができ、被嵌合部5から軒側端部までの寸法L8は、例えば、50mm以上働き幅L2未満とすることができる。金属屋根材Aは、図8に示すように、本体部1、側部2、補強部3、リブ部7、支持部8、当接部9を横切る切断線Sに沿って切断される。また、切断後の本体部1の切断側端部は裏面側に屈曲され、軒先部材Bの軒側端部には断面略倒U字状の取付部40が形成される。尚、金属屋根材Aの切断及び取付部40の形成は、施工現場で行っても良いし、工場で行っても良い。
【0024】
このように形成される軒先部材Bは、図9に示すように金属屋根材Aよりも軒棟方向の長さが短くなる。また、軒先部材Bは屋根の軒先の略全長にわたって配設されるが、横方向に隣接する軒先部材B、Bの接続は、上記の横方向に隣接する金属屋根材A、Aの接続の場合と同様に行うことができる。すなわち、横方向で隣接する軒先部材B、Bは、一方の軒先部材Bの本体部1の側部2と他方の軒先部材Bの本体部1とを上下に重ね合わせることにより接続される。縦方向に隣接する軒先部材Bと金属屋根材Aとの接続は、上記の縦方向に隣接する金属屋根材A、Aの場合と同様に行うことができる。すなわち、図1に示すように、軒先部材Bの被嵌合部5に金属屋根材Aの嵌合部4を嵌合することにより軒先部材Bと金属屋根材Aとが軒棟方向で接続される。また、軒先部材Bの軒側端部は屋根下地6に固定される。この場合、屋根下地6の軒側端部には軒先下地6aが軒先の略全長にわたって設けられている。軒先下地6aは野地板等の屋根下地本体6bよりも軒先側に配置されており、木材等で形成される基板41と、基板41の先端面から斜め下方に向かって突設された水切り片42と、基板41の上面に突設された連結片43とを備えて形成されている。水切り片42及び連結片43は鋼板等の金属製であって、ビス等の固定具44により基板41に取り付けられている。そして、軒先部材Bの軒側端部は屋根下地本体6bの軒側端部よりも突出されて軒先下地6aの上に載置されると共に、軒先部材Bの取付部40を連結片43の先端部に係止して取り付けられる。このようにして軒先部材Bを屋根下地6に取り付けて屋根の軒先を形成することができる。
【0025】
本発明では、金属屋根材Aを利用して軒先部材Bを形成することができ、多品種の軒先部材を管理する必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、本発明は、金属屋根材Aを施工現場の軒先長さに応じて切断して軒先部材Bを形成することができ、屋根の傾斜方向において長さ調整機能を有する屋根を形成することができる。また、軒先部材Bを任意の形状に加工することができ、意匠のバリエーションに変化を付けることが可能となる。また、上記の金属屋根材Aは平坦な部分が多くてシンプルな形状であるので、容易に切断することができ、軒先部材Bを作製しやすいものである。また、屋根の軒側端部に近傍に嵌合部4と被嵌合部5を形成することができ、太陽電池パネル(PVパネル)などの屋根付帯設備の設置面積を増やすことができる。図1に示すように、屋根付帯設備50を屋根に取り付けるにあたっては、ベース金具51を軒先部材Bの被嵌合部5と金属屋根材Aの嵌合部4との嵌合部分や、金属屋根材A、A同士の嵌合部4と被嵌合部5との嵌合部分に取り付け、複数個のベース金具51に架設して縦桟52を設けると共に複数の縦桟52に架設して横桟53を架設し、縦桟52及び横桟53に屋根付帯設備50を取り付けることができる。図1中の符号54は屋根付帯設備50の外面を化粧するための軒先カバーである。また、図1中の符号58は嵌合部4と被嵌合部5の嵌合部分を補強するための補強吊子であり、ビス等の固定具59により屋根下地6に固定されている。
【0026】
図10に他の実施の形態を示す。この軒先構造では、軒先部材Bの取付部40が本体部1の裏面側に略垂直に屈曲して形成されている。また、軒先下地6aには連結片43が設けられておらず、取付部40はビス等の固定具55で基板41の軒側端面に固定されている。その他の構成は図1のものと同様である。このような軒先構造において、敷設された金属屋根材A及び軒先部材Bの上方には、さらに桟木を設けて瓦屋根材を敷設しても良い。瓦屋根材には太陽電池パネルが内蔵されていても良い。
【符号の説明】
【0027】
A 金属屋根材
B 軒先部材
4 嵌合部
5 被嵌合部
6 屋根下地
40 取付部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒側端部に嵌合部が形成されると共に棟側端部に被嵌合部が形成された複数枚の金属屋根材が、嵌合部と被嵌合部との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造であって、最も軒先に配設される前記金属屋根材は、その軒側の所定長が切断されて軒先部材として形成されて成ることを特徴とする軒先構造。
【請求項2】
前記軒先部材の軒側端部に取付部が屈曲形成され、この取付部が屋根下地に取り付けられて成ることを特徴とする請求項1に記載の軒先構造。
【請求項1】
軒側端部に嵌合部が形成されると共に棟側端部に被嵌合部が形成された複数枚の金属屋根材が、嵌合部と被嵌合部との嵌合によって軒棟方向で隣接して接続されて形成される屋根の軒先構造であって、最も軒先に配設される前記金属屋根材は、その軒側の所定長が切断されて軒先部材として形成されて成ることを特徴とする軒先構造。
【請求項2】
前記軒先部材の軒側端部に取付部が屈曲形成され、この取付部が屋根下地に取り付けられて成ることを特徴とする請求項1に記載の軒先構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−225107(P2012−225107A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95678(P2011−95678)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
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