説明

軟体動物駆除剤および抗甲殻動物化合物

本発明は、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての1つ以上の化合物の使用に関し、ここで、1つ以上の化合物は、テルペンまたはその酸化された誘導体である。本発明はまた、本発明の1つ以上の化合物を含む軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤に関する。本発明はまた、抗甲殻動物剤としての1つ以上の化合物の使用に関し、ここで、1つ以上の化合物は、テルペンまたはその酸化された誘導体である。本発明はまた、1つ以上の化合物を含有する抗甲殻動物剤に関する。本発明はまた、抗-甲殻動物剤としての植物抽出物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての1種類以上の化合物の使用に関する。本発明はまた、1種類以上の本発明の化合物を含有する軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤に関する。本発明はまた、抗甲殻動物剤としての1種類以上の化合物の使用に関する。本発明はまた、1種類以上の化合物を含有する抗甲殻動物組成物に関する。本発明はまた、抗甲殻動物剤としての植物抽出物の使用に関する。
【0002】
軟体動物、特にナメクジおよびカタツムリは、作物および植物に相当なダメージを引き起こし、したがって、国内の植木屋および農場経営者とって害虫である。現行のナメクジおよびカタツムリの駆除(control)方法は、合成化学物質(例えば、メタアルデヒドおよびメチオカルブ)の広範な適用に依存する。かかる化学物質の使用には、いくつかの問題があり、化学物質が比較的高価なこと、かかる化学物質の保存および使用の毒性リスク、ならびに環境問題(生分解性および非標的生物体に対する該化合物の毒性効果が挙げられる。
【0003】
したがって、軟体動物によって引き起こされる作物および植物へのダメージを抑制する新規な方法の必要性が存在する。
【0004】
広範囲の植物が、水性軟体動物の駆除に有用であることが知られている。これらは、“Plant Molluscicides”, Mott K. E. 編集 (1987) UNDP/World Bank/WHO Special Programme for Research and Training in Tropical Disease. John Wiley and Sons Ltd.に概説および列挙されている。これらの植物は、そのほとんどが水によって分散され、表面活性効果を示すため、陸上軟体動物の駆除には使用されない。この書籍は、ヤマゴボウ(Endod)(Phytolacca dodecandra)(これは、サポニンを産生する)などの植物に注目している。これらのほとんどは、水性カタツムリのエラ(gill)の表面張力に影響を与え、毒性効果をもたらす殺水性軟体動物剤として作用するようである。証拠により、これらは、細胞膜の完全性(integrity)に影響することにより作用することが示唆されている(Henderson T.O., Farnsworth N.RおよびMyers T. C. (1987) Biochemistry of recognised molluscicidal compounds of plant origin, 第4章, In Plant Molluscicides K.E. Mott.編. pp. 109-130)。かかる植物またはその抽出物は陸上軟体動物の駆除に使用されておらず、陸上軟体動物は、通常、神経毒によって駆除される(Henderson I. および Triebskorn R. (2002) Chemical Control of terrestrial gastropods. 第12章. in Molluscs as Crop Pests, G. M. Baker編, CABI Publishing, pp. 1-31)。
【0005】
特に、ナイジェリア原産の3種類の植物、すなわち、Detarium microcarpum、Ximenia americanaおよびPolygonum limbatumは、水性カタツムリに対する軟体動物駆除剤活性を有することが知られている(Kelaら, Revue Elev. Med. vet. Pays trop. 1989,42 (2), 189-192;Kelaら, Pesticide Outlook, 1995,6(1), 22-27;Arthurら, Slug & Snail, Pests in Agriculture BCPC Symposium Proceedings, 66, 389-396, 1996を参照のこと)。JP-A-6216477には、Pittosporaceae、Polygonaceae、OleaceaeまたはGramineceaeに属する植物の抽出物は、水性軟体動物が船体に付着するのを抑制するための組成物に使用され得ることが開示されている。
【0006】
WO 00/04781およびUS-A-5,290,557は、Yucca shidegra、Quillaja saponariaおよびHedera helixから得られるサポニン含有植物抽出物に関する。
【0007】
同時係属中の国際PCT特許出願PCT/GB03/001936には、陸上軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としてのCaesalpiniaceae、Olaceae、PolygonaceaeまたはBursecaceae科植物の植物由来の植物材料の使用が記載されている。
【0008】
使用される植物材料には、植物抽出物(植物のアルコール抽出物など)が含まれるが、実際の活性化合物または軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有する化合物群は未知である。これは、使用される該植物材料が、存在する他の化合物を有すること、およびこれらの他の化合物が負の効果または有害な効果を有し得ることを意味する。例えば、他の化合物は、ある特定の植物または他の動物に有害であり得るか、または植物材料の軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を阻害し得る。さらにまた、特定の化合物または軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有する化合物を同定することにより、実際の植物材料から単離しなければならないのではなく、標準的な化学反応を用いて該化合物が合成され得る。活性化合物または化合物群の構造は、その機能を改善するために、例えば、溶解度を改良すること、軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を改良すること、安定性改良することなどにより改変し得る。
【0009】
植物がダメージを受けたり細菌に感染すると、これらは、副次的代謝産物、例えば、テルペン類を、病原体および侵入害虫に対する防御として産生する。これらの副次的代謝産物はまた、植物が草食動物に捕食されることに対する化学的防御としての挙動を行なう。したがって、植物は、農芸化学産業界における使用のための潜在性を有し得る殺虫剤の未開発の貯蔵庫を含む。
【0010】
本特許出願は、一般にテルペン類のカテゴリーに分類される特定の一群の化合物に関する。テルペンは、最初から最後まで規則的なパターンで互いに連結されたイソプレン単位(5炭素単位)から構成される天然化合物である。モノテルペン類は、イソプレノイドの最も単純なファミリーであり、2つのイソプレン単位(10炭素単位)を含む。セスキテルペン類は、より複雑なテルペン類であり、3つのイソプレン単位(15炭素単位)で連結されている。
【0011】
米国特許第5,196,200号にはいくつかの関連するセスキテルペン類が、イエバエおよび蚊に対する昆虫忌避剤としての挙動を行なうことが示されている。特に、ビサボレン(bisabolene)異性体の混合物は、Musca domestica L. (Diptera: Muscidae)およびAedes aegyptiに対して有効であることがわかった。
【0012】
PowellおよびBowen (Slug and Snail Pests in Agriculture, BCPC Symposium Proceedings, 66, 261-236, 1996)は、農地ナメクジであるD. reticulatumに対する試験の候補物質としてある特定のモノテルペン類を選び出し、チモール、メントールおよびα-テルピネオールが有効な軟体動物忌避剤であることがわかった。彼らはまた、メントール、メントン、およびカルボンが、強力な殺軟体動物剤であることも示した。
【0013】
また、Iglesias ら(Proceedings of OILB/IOBC Working Group on Integrated Control of Soil Pests, Subgroup on Integrated Control of Slugs and Snails meetings, Lyon, フランス 2001)は、カルボンが、D. reticulatumの卵に対して試験した場合に、非常に有効な殺軟体動物剤であることを見出した。4.6 kg/haの速度で適用したカルボンは、2日で死を誘導することが示された。
【0014】
Dodds (Slug and Snail Pests in Agriculture, BCPC Symposium Proceedings, No. 66, 335-340, 1996)は、電気生理学的手法を用いて植物チャービルカールド(curled chervil)(Anthriscus cerefolium) から単離した二環式モノテルペンである(+)フェンコン(fenchone)の摂食阻害性を確認した。
【0015】
Khalloukiら (Fitoterapia, 71, 544-546, 2000)には、Chrysanthenum viscidehirtumの精油の抗菌活性および軟体動物駆除活性が開示されているが、精油の個々の成分の活性は開示されていない。
【0016】
日本特許出願JP 01294601Aには、アロオシメン(alllo-ocimene)の種々の動物に対する忌避薬としての使用が記載されている。アロオシメンは、トランス−β−オシメンおよびシス−β−オシメンと比べると、異なる構造を有する。
【0017】
仏国特許出願FR 2697133Aは、いくつかのセスキテルペン類が軟体動物駆除剤として有用であることを示唆している。
【0018】
新規で、好ましくは、より有効な軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤の同定は、有効で環境に優しい薬剤が植物および作物に対するダメージを抑制するために使用できるため望ましい。
【0019】
本発明はまた、抗甲殻動物剤に関する。甲殻動物は、海洋汚損の主な原因である。これらは、通常、天然海洋環境内に提示されるあらゆる表面上に沈着し、ボートや船舶の船体の汚損の主な原因である(Callow および Callow, Biologist, 49, 1-5, 2002)。海洋生物、特に甲殻動物による船体の汚損は、船舶やボートを減速させる。これは、燃料使用と時間浪費に関する費用が増え、結果的に、船体表面の洗浄のための乾ドックにかかる停泊(time out)の費用の増大をもたらす。良好な抗汚損塗料は、これらの費用を大きく削減し得る。したがって、海運業(遠洋定期船を含む)のためだけでなく、沖合いでの工事、油田掘削機、製紙パルプ工場, 水処理プラントならびに養殖網のための新規な非毒性抗汚損剤の需要が大いにある。
【0020】
Kitanoら (Tennen Yuki Kagobustu Toronkai Koen Yoshihui (2001), 第43巻, 569-573)には、ビサボレン型テルペンの抗甲殻動物剤の使用が開示されている。
【0021】
日本特許出願JP 04295401Aには、ビサボレンの抗汚損剤としての使用が開示されている。
【0022】
英国特許1567819号には、いくつかのセスキ(sequi)テルペン化合物の抗汚損剤としての使用が開示されている。
【0023】
環境に優しい抗甲殻動物剤の発明に対する非常に強い起動力は、国際海洋機関(International Maritime Organisation)が、2003年から、現在使用されているほとんどのトリブチルスズ(TBT)含有抗甲殻動物塗料の使用を、その環境への毒性を理由に禁止したという事実である。すべてのTBT系抗甲殻動物塗料が2008年までに徐々に廃止されることになっている。これは、残留TBTが、世界中で、特に船舶活動近辺で、堆積物(この場合、甲殻類に特に毒性である)中に見られるため、急を要することである。
【0024】
いくつかの国、例えば、ニュージーランドや日本などでは、既にTBT塗料を廃止しており、オーストラリアでは、25メートルより大きい大型船のみ、暫定期間、これらの塗料が使用することが許容されている。現在、TBT塗料の主な短期的代用品は銅系のものである。しかしながら、これらは、あまり有効ではなく、また、海洋生物に対して毒性であることがわかっている。したがって、銅系塗料は、非毒性抗甲殻動物製品の開発までの「つなぎの解決策」にすぎないと考えられている。
【0025】
本発明の第1の局面によれば、単離された化合物を1種類以上の担体との組み合わせで含有する、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての使用のための組成物であって、該化合物が、
I)
【0026】
【化1】

【0027】
II) ビサボレン、ビサボロールまたはゲルマクレン型の単環式セスキテルペン類;ならびに
III) サンタレンまたはカリオフィレン(carophyllene)型の二環式セスキテルペン類
から選択されるテルペンまたはその酸化された誘導体である組成物が提供される。
【0028】
本発明の組成物に使用される化合物は、軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有していなければならない。前記の具体的なテルペン化合物はすべて、軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有することがわかっている。
【0029】
ビサボレン型の代表的なテルペン類としては、
【0030】
【化2】

【0031】
が挙げられる。
【0032】
ビサボロール型の好ましいテルペンは、
【0033】
【化3】

【0034】
である。
【0035】
ゲルマクレン型の代表的なテルペン類としては、
【0036】
【化4】

【0037】
が挙げられる。
【0038】
サンタレン型の代表的なテルペン類としては、
【0039】
【化5】

【0040】
が挙げられ、カリオフィレン型のものとしては、
【0041】
【化6】

【0042】
が挙げられ、サンタレン型の酸化された誘導体としては、
【0043】
【化7】

【0044】
が挙げられる。
【0045】
本発明の組成物に使用される化合物は、上記の代表的な化合物から選択されることが特に好ましい。本発明のテルペン類の一般式において若干の変更を行ない得るが、変更された化合物は軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有するものとする。若干の変更としては、側鎖基を、該化合物の活性を破壊しないと考えられる近縁の側鎖基で置換すること(例えば、-CH3の-CH2CH3での置換)が挙げられる(including)。当業者は、該化合物の活性を破壊することなく、前記一般式に包含されるテルペン化合物に対して行なわれ得る適切な変更を充分承知している。
【0046】
用語「単離された化合物」は、これが天然に見出される他の成分から該化合物が単離されていることを意味する。1種類以上の担体を、該化合物と混合して組成物を形成する。PCT/GB03/001936では、植物材料または植物粗抽出物を使用しているが、軟体動物駆除活性化合物は単離されていない。
【0047】
2種類以上の単離された化合物を、これらを同時、逐次または別々に使用することにより、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤として使用してもよい。組成物は、2種類以上のテルペン化合物を含有し得る。
【0048】
用語「軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤」は、本明細書で使用する場合、薬剤が陸上または水性軟体動物を死滅および/または忌避することを意味する。用語「陸上軟体動物」は、本明細書で使用する場合、一生のうちの大部分を陸上環境で生活する任意の軟体動物を意味する。陸上軟体動物の具体例としては、Arionidae属、Milacidae属、Boettgerillidae属および Limacidae属のナメクジ、ならびにHelix属、Cantareus属、Bradybaenea属、Candidula属、Carychium Cecilooides属、Cernuella属、Cochlicopa属、Cepea属、Eobania属、Discus属、Euomphalia属、Galba属、Helicella属、Helicigonia属、Helicodiscus属、Lacinaria属、Monacha属、Tymnaea属、Retinella属、Vertigo属、Vitrea Oxychilus属、Physa属、Succinea属、Trichia属、Vallonia属およびZonitoides属のカタツムリが挙げられる。特に好ましい陸上軟体動物は、ノハラナメクジDeroceras reticulatumである。用語「水性軟体動物」は、本明細書で使用する場合、一生のうちの大部分を水性環境で生活する任意の軟体動物を意味する。水性軟体動物は、淡水または塩水軟体動物であり得る。水性軟体動物の具体例としては、Biomphalaria属、例えば、B. glabrata、B. pfeifferi、B. havanensis、B. sudanica、B. cenagophilia;Bulinus属、Ceirithium属、Clarius属、Dreissena属、例えば、D. polymorpha;Heliosoma属、Lymnea属、例えば、L. stagnalis、L. natalensis;Marisa属、Oncomelania属、例えば、O. quadrasis;Phelidole属、Phernaea属、Physa属、例えば、P. occidentalis;Planorbis属、Pomacea属、例えば、P. Canaliculata、Tanebria および Sepedonの軟体動物が挙げられる。
【0049】
本発明の組成物において使用される化合物は、好ましくは、Detarium、Ximenia、Polygonum、Commiphora または Boswellia属の植物から得られ得る。特に、該化合物が、植物Detarium microcarpum、Ximenia americana、Polygonum limbatum、Commiphora molmol、Commiphora guidotti または Boswellia種から得られ得ることが好ましい。
【0050】
Detarium microcarpum、Ximenia americana および Polygonum limbatum は、ナイジェリア原産であり、前述のように、水性カタツムリに対して軟体動物駆除剤活性を有することが知られている。これらの3種類の植物を、本明細書では、アフリバーク(afribark)植物といい、陸上軟体動物に対して軟体動物駆除効果および軟体動物忌避効果の両方を有することがわかった。
【0051】
Commiphora molmol、Commiphora guidotti および Boswellia 種は、「アフリカの角」(ソマリアおよびエチオピア)原産である。さらにまた、Commiphora molmol および Commiphora guidottiからの浸出液は、固化すると、没薬および香りのする没薬として商業的に知られている。Commiphora molmol、Commiphora guidotti および Boswellia種は、一緒にして、本明細書において芳香性含油樹脂とよび、アフリカでは、昆虫および蛇を忌避することが知られている。このことはまた、実験的にも確認されている。Commiphora molmolは、蚊に対して殺幼虫性であることが示されており(Massoudら, Journal of the Egyptian Society of Paracitology, 30, 101-115, 2000)、一方、Commiphora guidottiは、ダニに対して忌避効果および毒性効果を有することがわかっている(Maradufu, Phytochemistry, 21, 677-680, 1982;Carrollら, Entomol. Exp. Appl., 53, 111-116, 1989)。PCT/GB03/001936には、芳香性含油樹脂が、陸上軟体動物に対して軟体動物駆除および/または軟体動物忌避活性を有することが示されている。
【0052】
本発明の組成物に使用される化合物は、前記の適切な植物から単離することにより得られ得る。特に、本発明の組成物に使用され得る化合物の大部分は、Commiphora molmol または Commiphora guidottiから単離され得る。該化合物は、任意の適当な調製方法を用いて単離され得る。かかる化合物の単離方法は当業者に知られており、クロマトグラフィー法(例えば、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび固相抽出カラム)が挙げられる。核磁気共鳴および質量分析法を用いて個々の化合物を同定することができる。
【0053】
本発明の組成物に使用される化合物は、植物から単離された場合、汚染性の植物材料が実質的に存在しない。汚染性の植物材料が実質的に存在しないとは、0.1%(w/w)未満の汚染性植物材料が存在することを意味する。
【0054】
本発明の組成物に使用される化合物は、市販の供給元、例えば、Sigma-Aldrich Ltd (シス-オシメン)、RC Treat Ltd (トランス−β-オシメン;γ−ビサボレン;ゲルマクレンDおよびカリオフィレン)、ならびにKIC Inc., New York, USA (α-ビサボロール)から得られ得る。本発明の化合物はまた、標準的な化学合成手順を用いて合成され得る。
【0055】
本発明の組成物は、該化合物および担体を含有する。担体は、異種担体である、すなわち、担体は該化合物と性質が関連しない。換言すると、担体は該化合物と、該化合物が得られ得る植物が関連しない。使用される担体の型は、組成物をどのように使用するかに依存し、例えば、組成物がスプレーとして使用される場合、担体は適当な水溶液、例えばアルコール性溶液、好ましくは、1〜10%のアルコールを含む水であることが好ましい。担体はまた、水性の非イオン系界面活性剤、例えばTween 80 および Tween 20(0.1〜5%)、または水性DMSO(約10%)であり得る。担体はまた、植物起源の不活性油、例えば、植物油、コーン(corn)油、およびトウモロコシ(maize)油であり得る。あるいはまた、該化合物は、固体物質との組合せで使用され得る。
【0056】
好ましい態様において、担体は固体材料である。任意の固体担体材料、例えば、粉末または微粒子が使用され得る。
【0057】
担体は微粒子であることが特に好ましい。
【0058】
本明細書中で使用する場合、用語「微粒子」は任意の物質を言い、それは粒子の形態であり、陸上の軟体動物の動きに対し刺激物として作用するのに十分な大きさである。特に、微粒子は砂、シャープサンド(sharp sand)、軽石粒、おがくず、木材チップまたはコーンパイプであることが好ましい。粒子、または少なくとも大多数の粒子(例えば、粒子の約90重量%)は、好ましくは直径が約0.5〜5ミリメートルの間である。
【0059】
特に、微粒子はおがくずかまたはシャープサンドであることが好ましい。
【0060】
化合物は、微粒子と化合物との混合または微粒子に化合物を吹き付けることによって、微粒子と組み合わされ得る。
【0061】
植物のより良い保護は、化合物を微粒子と組み合わせることによって得られることが発見されている。化合物および微粒子の組み合わせが、軟体動物に対するバリアを形成することは明らかである。したがって、保護される植物の周りに粒子を分布することにより、化合物を飽和するかまたはコーティングし、バリアが形成されて植物を軟体動物から保護する。
【0062】
微粒子の使用はまた、土壌の破砕性、排水性および耕作適正を改善する、さらなる利点を有する。さらに、いくつかの微粒子、例えばおがくずおよびトウモロコシの穂軸のチップは、生物分解性であり、マルチへと分解され、土壌を改善する。
【0063】
代わりとなる好ましい態様において、担体は液体である。組成物が液体形態で使用される場合、スプレーが好ましい。組成物をスプレーする利点は、容易に広い範囲へ送達し得ることである。さらに、軟体動物を殺すおよび/または追い払うために、組成物を土壌、植物または種子へスプレーし得る。好ましい態様において、組成物は、植物や種子へスプレー可能な製剤中にある。スプレー製剤はさらに、tween80等の乳化剤を含み得る。
【0064】
組成物の濃度は、好ましくは軟体動物駆除剤/軟体動物忌避剤であって、非軟体動物種に対して毒性は無いように選択される。より好ましくは、濃度は、組成物が軟体動物忌避剤であって、軟体動物駆除剤ではないように選択される。
【0065】
好ましくは、組成物は0.1〜5%の化合物、より好ましくは、0.1〜3%の化合物、最も好ましいのは0.25〜1%の化合物を含有する。
【0066】
担体は、好ましくは極性に対して選択される。本発明者は驚いたことに、増大する担体の極性は、組成物の軟体動物駆除剤および軟体動物忌避剤の特性を大きくすることを発見した。
【0067】
本発明のさらなる態様において、本発明の組成物は、好ましくはエフェクター(effector)剤と組み合わされるか、またはエフェクター剤と共に使用される。
【0068】
エフェクター剤は任意の薬剤であり得、軟体動物から保護される植物または農作物に対して有益な効果を提供する。適当なエフェクター剤としては、化学肥料(fertiliser)、殺菌剤および農薬が挙げられる。
【0069】
本発明の組成物およびエフェクター剤は、それらを同時に、連続的にまたは別々に使用することにより、共同で使用され得る。好ましくは、組成物およびエフェクター剤は共に組み合わされ、同時に使用される。
【0070】
組成物は、壁、道路等の表面に適用し得る。例えば、組成物はペンキ様調製物として製剤化し得、表面に塗装またはスプレーし得る。組成物は、例えば、それをボート艇体、ドック側または漁業ネットに適用することで、含水環境で使用され得る。化学的軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤を含むペンキ組成物は公知であり、当業者は、上記で規定したように組成物を取り込むことで、これらの公知のペンキ組成物を変更し得た。
【0071】
本発明の第二の局面にしたがって、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての本発明の第一の局面と関連する、単離された化合物の使用が提供される。
【0072】
好ましくは、単離された化合物は、本発明の第一の局面に関して記載されるような1つ以上の担体と組み合わされる。
【0073】
上記で示したように、使用される担体の型は薬剤次第であり、例えば調製物がスプレーである場合、担体は、含水メタノールもしくはエタノール溶液等の適当な水溶液、または植物油、トウモロコシ油およびメイズ油等の植物由来の不活性油であることが好ましい。
【0074】
あるいは薬剤が固体材料で構成される場合、担体は、本発明の第一の局面に関して上記のように規定された微粒子であることが好ましい。
【0075】
本発明の第一の局面にしたがって、単離された化合物は、エフェクター剤と共に使用され得る。エフェクター剤は、本発明の第一の局面に関して上記のように規定される。
【0076】
本発明の第一の局面にしたがって、単離された化合物は、水生および陸上軟体動物の両方に対する軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤として使用され得る。好ましくは、単離された化合物は、陸上軟体動物に対する軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤として使用される。
【0077】
本発明の第三の局面にしたがって、抗−甲殻動物剤としてのCaesalpiniaceae、Olaceae、Polygonaceae、またはBursecaceae植物科における植物由来の植物材料の使用が提供される。
【0078】
上記で言及した植物科の範囲内にある植物由来の植物材料の使用は、抗−甲殻動物剤として作用することが発見されている。植物は抗−甲殻動物活性を含有していると想定される。該活性は、単一化合物または化合物の群であり得る。
【0079】
植物材料は、以前軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤として使用されてきたが、軟体動物の生理機能は、甲殻動物の生理機能と実質的に異なるので、植物材料が抗−甲殻動物活性を有することは意外である。
【0080】
本明細書中で使用される場合、用語「抗−甲殻動物」は、薬剤が甲殻動物を殺すおよび/または追い払うことを意味する。本明細書中で使用される場合、用語「甲殻動物」は、それ自身ボート艇体、堤防等の固い表面に固着し得るCirripedia網の任意の海の甲殻類を意味する。甲殻動物の特定の例としては、Balanus amphitriteを含む。
【0081】
好ましくは、植物材料はDetarium、Ximenia、Polygonum、CommiphoraまたはBoswellia属の植物から得られる。特に、植物材料はDetarium microcarpum、Ximenia americana、Polygonum limbatum、Commiphora molmol、Commiphora guidotti、またはBoswellia 種植物から得られることが好ましい。最も好ましいのは、植物材料がCommiphora molmolまたはCommiphora guidottiから得られることである。
【0082】
本発明で使用される植物材料は、実質的にそのままの植物か、または抗−甲殻動物活性を有する植物の特定部分(例えば樹脂滲出物)を含み得る。好ましい部分としては、植物の樹皮、葉または若枝を含む。好ましくは、かかる植物材料は、使用前にすりつぶして粒子または粉末にする。粒子は、好ましくは直径が数ミリメートルである(例えば、0.5〜10mmの直径)。
【0083】
あるいは、植物材料は植物由来の抽出物であることが好ましく、ここで該抽出物は、抗−甲殻動物活性を有する。抽出物は、好ましくはアルコール抽出物であり、植物のアルコール抽出物を得るための標準的な手順を使用して得られえる。特に、かかるアルコール抽出物を得るための方法は、当業者にとって周知である。あるいは、植物材料は植物の精油のアルコール抽出物であることが好ましい。精油は、芳香性植物体の揮発性、有機成分である。製油は、一般的に2つの主要な方法、蒸留法(蒸気、水または乾燥蒸留)および冷却圧搾法によって植物から抽出される。主として油を含有する植物抽出物はまた、溶媒、二酸化炭素抽出物またはヒドロフルオロアルカンを使用して調製され得る。チンキ植物抽出物は、植物材料を柔らかくすること、および含水エタノール溶媒(水中の70%〜90%エタノール)を使用して抽出することによって生成され得、しばらくの間放置し得た後に、固体有機堆積物を濾過する。
【0084】
特定の好ましい態様において、植物材料は、抗−甲殻動物活性を有する実質的に単離された化合物、または化合物の混合物である。かかる化合物の単離方法は、当業者にとって公知であり、クロマトグラフィー法を含む。例えば、植物の精油は蒸気蒸留法によって抽出され得る。収集された油は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され得、かつ濾過され得る。次いで、油をヘキサンおよびジクロロメタン中で可溶性(solubilise)にし得、GC/MSおよびTLC装置を使用して分析し得る。さらに、全供給源からの抽出物の精製は、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーおよび固相抽出カラムを使用して実行され得る。核磁気共鳴および質量分光測定法が、個々の化合物を同定するために使用され得る。
【0085】
用語「実質的に単離された」は、軟体動物駆除剤および/もしくは軟体動物忌避剤の化合物または複数の化合物が、植物から実質的に単離されていることを意味する。好ましくは、軟体動物駆除剤および/もしくは軟体動物忌避剤の化合物または複数の化合物は、5% (w/w)未満、より好ましくは1% (w/w)未満の汚染した植物材料を含む。
【0086】
本発明の植物材料は、好ましくは担体と組み合わせて使用される。使用される担体の型は、どのように植物材料が使用されるかに依存しており、例えば、植物材料がスプレーとして使用される場合、担体は、好ましくは水中の1〜10%アルコールを含むアルコール溶液等の適当な水溶液であることが好ましい。担体はまた、植物油、トウモロコシ油およびメイズ油等の植物由来の不活性油であり得る。あるいは、植物材料がペンキとして使用される場合、任意のペンキ主成分が使用され得る。
【0087】
植物材料は、表面から軟体動物を追い払うために、好ましくは表面に適用される。植物材料は、表面上に塗装またはスプレーし得るペンキ様調製物等の、表面に適用される適当な調製物に生成され得る。
【0088】
本発明のさらなる態様において、植物材料は、好ましくはエフェクター剤と共に使用される。
【0089】
エフェクター剤は、有益な効果を提供する任意の薬剤であり得る。適当なエフェクター剤としては、相補的な抗−甲殻動物剤が挙げられる。
【0090】
好ましくは、植物材料およびエフェクター剤は共に組み合わされ、同時に使用される。
【0091】
植物材料は、表面上で塗装またはスプレーされ得るペンキ様調製物として使用されることが特に好ましい。調製物は、例えば、それをボート艇体、ドック側または漁業ネットに適用することで、含水環境で使用されることもまた好ましい。化学的抗−甲殻動物剤を含むペンキ組成物は公知であり、当業者は、上記で規定したように植物材料を取り込むことで、これらの公知のペンキ組成物を変更し得た。
【0092】
本発明の第四の局面にしたがって、抗−甲殻動物剤として使用するために、1つ以上の担体と共に単離した化合物を含む抗−甲殻動物組成物が提供され、ここで該化合物は、シス-β-オシメンもしくはトランス-β-オシメン、またはその酸化誘導体である。
【0093】
組成物は、好ましくは、甲殻動物と接触する表面に適用するのに向いている。
【0094】
使用される担体の型は、どのように組成物が使用されるかに依存しており、例えば、抗−甲殻動物組成物がスプレーとして使用される場合、担体は、好ましくは水中の70〜90%アルコールを含むアルコール溶液等の適当な水溶液であることが好ましい。あるいは、抗−甲殻動物組成物がペンキとして使用される場合、任意のペンキ主成分が使用され得る。
【0095】
抗−甲殻動物組成物は、表面から軟体動物を追い払うために、好ましくは表面に適用される。植物材料は、表面上に塗装またはスプレーし得るペンキ様調製物等の、表面に適用される適当な調製物に生成され得る。
【0096】
抗−甲殻動物組成物は、好ましくは0.1〜50% v/vの化合物、より好ましくは3〜25% v/v、最も好ましくは6〜25% v/vを含む。
【0097】
本発明のさらなる態様において、抗−甲殻動物組成物は、好ましくはエフェクター剤と共に使用される。
【0098】
エフェクター剤は、有益な効果を提供する任意の薬剤であり得る。適当なエフェクター剤としては、相補的な抗−甲殻動物剤が挙げられる。
【0099】
好ましくは、抗−甲殻動物組成物およびエフェクター剤は共に組み合わされ、同時に使用される。
【0100】
抗−甲殻動物組成物は、表面上で塗装またはスプレーされ得るペンキ様調製物として使用されることが特に好ましい。調製物は、例えば、それをボート艇体、ドック側または漁業ネットに適用することで、含水環境で使用されることもまた好ましい。化学的抗−甲殻動物剤を含むペンキ組成物は公知であり、当業者は、上記で規定したように抗−甲殻動物組成物を取り込むことで、これらの公知のペンキ組成物を変更し得た。抗−甲殻動物組成物が抗−甲殻動物剤として使用される場合、それは、甲殻動物の固着を減少するまたは防止する表面に適用し得る担体を含むのが好ましいことを、当業者によって理解されたい。ペンキ主成分等の担体は、特に適当である。
【0101】
本発明の第五の局面にしたがって、抗−甲殻動物剤としての本発明の第四の局面に関連のある単離した化合物の使用が提供される。
【0102】
好ましくは、単離された化合物は、本発明の第四の局面に関して記載されるような1つ以上の担体と組み合わされる。単離された化合物は、好ましくは、本発明の第四の局面に関して記載された濃度で使用される。
【0103】
本発明の第四の局面にしたがって、単離した化合物は、エフェクター剤と共に使用され得る。エフェクター剤は、本発明の第四の局面に関して上記のように規定されている。
【0104】
本発明はまた、精油、界面活性剤および水を含む安定したエマルジョン水の形成方法を提供し、ここで、精油および界面活性剤は、水を添加する前に共に混合される。
【0105】
安定したエマルジョン水は、混濁した外観を有する単一の均質混合相であり、ここで混濁した外観は一週間より長く保たれる。
【0106】
精油は上記のように、すなわち芳香性植物体の揮発性有機成分と規定される。
【0107】
界面活性剤は、アルコール、Tween20または80、DMSO等の、任意の適当な界面活性剤であり得る。
【0108】
水を添加する前に、精油および界面活性剤を共に混合することで、安定したエマルジョンが得られることが発見されている。
【0109】
本発明は、添付の図に関して実施例のみによって記載される。
【実施例】
【0110】
実施例-軟体動物駆除剤および軟体動物忌避剤組成物
材料および方法
試薬
無水エタノールおよびヘキサン(HPLCグレード)を、Fischer Scientific(UK)から入手した。
以下の試薬および化学薬品を、DorsetのSigma-Aldrich limitedから購入した:ジメチルスルホキシド(D.M.S.O)(純度99.5%)、Tween80およびTween20(ポリオキシエチレンソルビタン モノオレアート)、シス-オシメン(純度70%)、トランス,トランス-ファルネソール(純度96%)、シス,トランス-ファルネソール(純度95%)、ミルラ精油およびオポポナックス精油。
以下の化学薬品が、好意によりSuffolkのR C Treat limitedから提供された:トランス-β-オシメン(純度90%)、γ-ビサボレン(純度70%)、ゲルマクレンD(純度40%)、カリオフィレン(Carophyllene)(純度96%)、α-ファルネセン(純度70%)。
化合物α-ビサボロールを、アメリカ合衆国ニューヨークのKIC Inc.から入手し得る。
ティスランド・アロマセラピーの純正サンダルウッド精油(santalum album)を、CardiffのNeal Yards Remediesから購入した。
界面活性剤シンペロニック(synperonic)91/8を、Grotech Production Limited(Goole, Yorkshire)から入手した。
【0111】
動物実験
成体のD. reticulatumをフィールド付近で収集し、湿らせた、漂白していない吸取り紙で内側をおおったプラスチックトレー中で維持した。それらを10゜±1℃の一定温度にて、暗所で飼養した。軟体動物に、定期的にアイスバーグレタスおよびニンジンを混ぜたものを餌として与えた。体重が300〜600mgある軟体動物を、24時間前もって空腹にさせ、実験前に15゜±1℃の一定温度にて維持した。
【0112】
試験物質の調製
ビャクダンの油、トランス-β-オシメンおよびα-ビサボロールを、そこに様々な表面活性剤水溶液を添加することによって、水中油エマルジョンとして調製した。該油を秤量し、栓をしたガラスバイアル中に入れた。ここに、選択された表面活性剤を加え、WhirliTM混合機(Fisons)を使用して、およそ2分間渦混合した。該製剤を、脱イオン水によって容量(10ml)まで希釈した。この製剤は、再び2分間激しく渦混合した。
【0113】
油および表面活性剤が一緒に混和されるまで(およそ少なくとも2分間)、混合物に水を加えないことは重要である。この添加の順序に従わない場合、作製されたエマルジョンの安定性は、有害に作用されるであろう。安定なエマルジョンの本発明者の定義は、混濁する外観を含む、1つの均一な相混合物の構成である。該エマルジョンが24時間安定である場合、短期間安定なエマルジョンとして分類され、一方、1週間より長い期間を超えて外観の変化が起こらない場合、長期間安定なエマルジョンとして分類され得る。
【0114】
上記のテルペンを、以下に示されるような異なる媒体において調製した。
【0115】
i) エタノール
テルペンの既知の重量を秤量して、10ml容量のフラスコ中に入れ、無水エタノールによって、容量まで希釈した。
【0116】
ii) DMSO 抽出物(10%)
テルペン油の既知の重量を秤量して、1gのdmsoを含む10ml容量のフラスコ中に入れた。これを軽く混合して、水で容量まで希釈し、最終濃度が0、0.5、1および5%w/vの最終濃度の精油を生じた。これを渦混合し、エマルジョンを形成した。
【0117】
iii) Tween 80 抽出物(0.2%)
テルペン油の既知の重量を秤量して、0.02gのtween 80を含む10ml容量のフラスコ中に入れた。これを軽く混合して、水で容量まで希釈した。これを渦混合し、エマルジョンを形成した。
【0118】
iv) Tween 80 抽出物(0.5%)
テルペン油の既知の重量を秤量して、0.05gのtween 80を含む10ml容量のフラスコ中に入れた。これを軽く混合して、水で容量まで希釈した。これを渦混合し、エマルジョンを形成した。
【0119】
v) 水抽出物
テルペン油の既知の重量を秤量して、10ml容量のフラスコ中に入れて、水によって容量まで希釈した。これを渦混合し、エマルジョンを形成した。
【0120】
バイオアッセイ
本明細書に記載される技術は、レタスの葉から調製される円形のディスクを使用する、無選択摂食バイオアッセイである。選択されたテルペンを、D. reticulatum ナメクジに対して試験し、それらの忌避剤/摂食抑制物質 および軟体動物の特性に対して評価した。
【0121】
リーフディスクアッセイ方法
レタスのリーフディスク(1.4cm2)を、水飽和フィルター紙(直径9cm2)を並べたぺトリ皿に配置した。適切な媒体中で可溶化した、既知の濃度のテルペン油を調製して、固定された容量(50μl)をピペットで、個別のレタスのリーフディスク上に加えた。いずれかの残りの溶媒を放置して、最低30分間蒸発させた。
【0122】
24時間前もって空腹にさせたナメクジを、ペトリ皿に導入し、環境が調節されたチャンバー中に24時間(15℃:日中12時間、15℃:夜間12時間)配置した。
【0123】
写真用コンピューターソフトウェアを使用して、処理したリーフディスクのデジタル写真を未処理の(対照)リーフディスクと比較して、ダメージを受けた(食べられた)リーフディスクの量を定量した。該実験を、それぞれのテルペンに対して、20回反復した。
【0124】
異なる処置に対する摂食行動における変化を比べるために、葉のダメージデータを、以下の忌避指数等式を使用して、対照に対して補正した。
【0125】
【数1】

【0126】
様々な媒体の摂食抑制物質の影響を、未処理のリーフディスクに対する比較によって決定した。正のRI値は、摂食における縮小を示し(摂食抑制性/忌避性)、一方、負の値は、摂食行動における増加を示す(食刺激性(phagostimulant))。死亡率に対する補正を、Abbotts の式(Abbott, 1925)で算出した。
【0127】
【数2】

【0128】
バイオアッセイの結果:リーフディスクアッセイ
実施例1
【0129】
表1 異なる媒体で処理されたリーフディスクの処理後の、摂食行動およびナメクジ駆除活性における変化
【表1】

【0130】
テルペンを可溶化するために使用される異なる媒体は、D.reticulatumの摂食行動に向けての反対の忌避性または摂食抑制性の効果を有さなかった。
【0131】
実施例2
【0132】
表2.異なる媒体におけるβ-オシメン(0.45%)のトランス異性体によるリーフディスク処理後の摂食行動および死亡率における変化
【表2】

【0133】

【0134】
実施例2は、モノテルペントランス-β-オシメンの忌避およびナメクジ駆除の性質を確認する。水性のエマルジョンとして製剤する場合、非イオン表面活性剤(0.2および0.5% tween 80)によって、それは、73%から91%に、葉の消費を減少させる。媒体のdmso水溶液への変更(10%)は、ナメクジ駆除性挙動を増加させ、一方その忌避剤の特性を維持した。水のみをエマルジョン製剤として使用した場合、オシメンのナメクジ駆除性は再び増加した。リーフディスク消費は観察されず、100%忌避性を生じた。トランス-β-オシメンの忌避性と処理を系統立てるために使用される媒体の極性の間の明確な関係が存在する。従って、増加する媒体の極性は、トランス-β-オシメンの忌避性およびナメクジ駆除性を増加させる。
【0135】
表3.dmso水溶液(10%)におけるβ-オシメン(0〜3%)のトランス異性体によるリーフディスク処理後の摂食行動および死亡率における変化
【表3】

*10% dmso 水溶液が、対照として使用された。
【0136】
実施例3は、D. reticulatum に対する忌避性/ナメクジ駆除性の挙動におけるオシメン濃度の効果を示す。一般的に、オシメン濃度が増加するにつれて、死亡率における増加およびリーフディスクの消費における減少が存在する。
【0137】
表4.β-オシメンのシス異性体によるリーフディスク処理後の摂食行動および死亡率における変化
【表4】

【0138】
実施例2および4の両方は、β-オシメン(シスおよびトランス)の立体異性体に対する強力な忌避性/ナメクジ駆除性効果を示す。tween 80 水溶液(0.5%)におけるそれらの可溶化の比較は、消費されたレタスの葉の量が、トランス-β-オシメンでは73%、および対応するシス異性体では84%減少する。低い死亡率が、トランスおよびシスオシメン立体異性体の両方に対して得られた。
【0139】
実施例5
【0140】
表5.エタノール中で可溶化した、選択されたモノおよびセスキテルペンによるリーフディスク処理後の摂食行動における変化
【表5】

【0141】

【0142】
エタノール中で可溶化した、全てのテルペンは、レタスリーフディスクの消費において、それぞれ、5、35、および40%の減少を生じる低濃度のオシメン(0.1%および0.45%)ならびにカリオフィレン(carophyllene)を除いて、D. reticulatum の摂食行動に対して良好な忌避性の測定を示した。
【0143】
試験された全ての他のテルペンは、摂食ナメクジに対して70%を超える忌避性を与えた。高レベルのファルネセン(2.7%)をレタスリーフディスクに適用した場合、エタノール溶媒を使用する高ナメクジ死亡率(50%)が観察された。
【0144】
実施例6
Commiphora guidotti(opoponax)精油は、高レベルのセスキテルペンα-サンタレン(22〜26%)を含む。アルコール性のアナログ(αおよびβサンタロール)は、ビャクダン精油中で、高レベルで存在する。これらのアルコールは、共に、精油の化学的組成物の90%を占めた。
【0145】
αおよびβサンタロール混合物の摂食抑制物質特性を、以下の表において示す:
【0146】
表6 dmso水溶液(10%)中で可溶化されたサンタロール異性体(0.5%ビャクダン油)によってリーフディスクを処置した後の摂食行動およびナメクジ駆除剤活性の評価
【表6】

【0147】
dmso水溶液(10%)中で可溶化した場合、実施例6は、ビャクダン精油の効力のある忌避/ナメクジ駆除の性質を示す。摂食行動におけるこの変化は、ビャクダン精油中に存在する全化合物の90%を、占めるアルコール性のセスキテルペン、αおよびβサンタロールの存在によると考えられる。
【0148】
実施例7
スプレー試験
方法
ピート基質を使用するトランス-β-オシメンエマルジョンの効能を評価するために、レタスの葉に、12mlのオシメンエマルジョン水溶液(3%)をスプレーした。一度スプレーした葉を、固体ピートを含むプラスチックトレー中に置き、30分間放置して、過剰液滴を取り除いた。この期間の後、24時間あらかじめ空腹にさせた2匹の成虫ナメクジをそれぞれのプラスチックトレーに加え、24時間放置した。
【0149】
対照(水)を同様に処理した。それぞれの処理に対して、4連で調製した。
【0150】
忌避指数を、リーフディスクバイオアッセイに対して記載されたように計算した。
【0151】
結果
【0152】
表7 D. Reticulatumに対する忌避剤スプレーとしてのトランス-β-オシメンのエマルジョン水溶液の評価
【表7】

【0153】

【0154】
図1は、3%のトランス-β-オシメン水溶液をスプレーした後、ナメクジが引き起こしたレタスの葉のダメージの写真を示す。3%のトランス-β-オシメンのエマルジョン水溶液をレタスにスプレーする場合、実施例6および7は、観察された忌避性効果を示す。
【0155】
D. reticulatum 軟体動物の摂食行動に対する、有意な防御は、24時間を超えて観察された(77%)。
【0156】
ピート飽和容器のいずれにおいても、死亡率は観察されなかった。
【0157】
実施例8
実施例7を繰り返し、ここでレタスの葉に、Tween 20 中の5%トランス-β-オシメンをスプレーし、摂食抑制物質特性を、カタツムリ H.aspersaにおいて試験した。
【0158】
5および10%オシメンおよびビサボロール(Bisabolol)(H.aspersa)
【0159】
表8 オシメンおよびビサボロール製剤(5%および10%)の軟体動物忌避性特性
【表8】

n=試験条件あたりの20匹のナメクジ、水に関して計測したRI
*有意な差(p<0.05)、NS=有意な差ではない(p>0.05)
【0160】
実施例9
前記の実施例におけるのと同様のスプレー試験を繰り返し、葉ダメージを、7日間モニターした。該結果を以下に示す。
【0161】
7日間を超えて葉のダメージをモニタリングするスプレー試験(調節した温度単位)(D.reticulatum)
【0162】
表9 油エマルジョンによるスプレーの後の、D.reticulatum によって引き起こされたレタス葉ダメージの量のモニタリング
【表9】

【0163】
7日間を超えて葉ダメージをモニターするスプレー試験(調節した温度単位)(D.reticulatum)
【0164】
表10 7日間に渡るナメクジ死亡率のスプレー試験モニタリング
【表10】

【0165】
リーフディスクアッセイは、ミルラ、オポポナックス、ビャクダンおよびオシメン水溶液エマルジョンの油の摂食抑制の性質を確認した。レタスリーフディスクをこれらの油エマルジョン水溶液によって処置する場合、両方の陸生軟体動物(H. aspersa および D. reticulatum)の摂食行動は、明確に変化した。
【0166】
純粋なオシメン油は、効力のある忌避剤であるのに加えて、また接触するとすぐに100%のナメクジ死亡率を生じるナメクジ駆除性でもあった。
【0167】
ミルラ、オポポナックス、ビャクダンおよびオシメン油を非イオン性界面活性剤とのエマルジョン水溶液として製剤した場合、CTユニットまたは温室である実験室中で行われていようと、全てのスプレー試験は、レタスの葉の消費を減少させた。
【0168】
実施例-抗甲殻動物剤
調査は、Commiphora molmolから、および芳香 Myrrh Commiphora guidottiもしくは「Haddi」からのミルラ樹脂の抽出物が、海の甲殻動物 Balanus amphitrite のシプリド(cyprid)幼虫の鎮静の効力のある阻害剤、それゆえ効力のある抗甲殻動物剤であることを示す。同様の結果はまた、トランス-β-オシメン、芳香ミルラの特異的成分から得られた。これらの例を以下に示す:
【0169】
方法
甲殻動物 Balanus Amphitrite の鎮静(settlement)を、実験室中の複数のウェルプレートにおいて試験した。ミルラおよび芳香ミルラを、エタノール中で抽出し、濃縮物(50%v/v〜1.5%v/v)の範囲からの2mlのアリコットを、複数のウェルプレートのそれぞれのウェルにおいて乾燥状態まで蒸発した。芳香ミルラのエタノールのトランス-β-オシメン成分をまた、濃縮物(50%v/v〜1.5%v/v)の範囲に渡る方法において適用した。蒸発の後、活発なシプリド幼虫を含む塩水をそれぞれのウェルに導入し、それらの沈静および活発を、24時間後に測定した。
【0170】
図2は、Haddi(Commiphora guidotti)からの抽出物を使用する鎮静実験の結果を示す。Haddiからの抽出物 Hによって処置した後、幼虫の大多数は、24時間のインキュベーションの後に非活性であると分類された。これは、それらが死んでいる、またはかすかに内部の運動のみであって動かないことのいずれかを意味する。用量が減少するにつれて、非活性幼虫のレベルが減少し、一方、活性な遊泳動物のレベルが増加する。これは、用量依存効果を示す。最高点の1つの個体を除いて鎮静は存在しないが、これは、おそらく不良物(rogue)である。ウェルの表面上に油性のメニスカス(meniscus)が存在したが、おそらく抽出物からである。概して、試験された濃度におけるこの抽出物は、甲殻動物幼虫(B. Amphitrite)に対して有毒である。
【0171】
図3は、ミルラ(Commiphora molmol)由来の抽出物を使用する鎮静実験の結果を示す。ミルラからの抽出物Mの50〜12.5%v/v用量は、不活発になる全ての幼虫を生じた。死んでいるか、またはかすかに内部の運動を示すが、手足の運動はなかった。6.25および3.125%の用量では、活発な幼虫の増加が見られ、3.125%では、84%の活発な幼虫および16%の鎮静が見られた。これは、毒性に関する抽出物からの用量依存応答を示す。
【0172】
図4は、化合物トランス-β-オシメン(Commiphora guidottiからの)を使用して行った鎮静実験の結果を示す。化合物O(トランス-β-オシメン)は、成虫においていくつかの異常な効果を有した。これは、おそらく体が膨張して、寸法が増加し、表皮に対して大きすぎることによる浸透性の変化によって起こり得、異常な「突然変異」効果を生じた。最高点の2つの用量において、幼虫は全て表面上で浮遊するが、「突然変異」する。用量が減少するにつれ、非活発%(突然変異を含む)は減少し、活発のおよび鎮静する幼虫の量は減少し、再び用量依存応答を示した。
【0173】
エタノールおよび海水対照の両方(図5)は、少量の鎮静によって幼虫活発の大多数を示し、事実上死んでいない幼虫の少量は、幼虫の健康な一群が実験において使用されたことを示した。
【0174】
甲殻生物の鎮静実験を繰り返した;しかしながら、この時、10匹のBalanus amphitrite 3日目のシプリドを、暗闇の条件で28℃にて種々の濃度(10-5〜10-9M)において、インキュベートした。それぞれの濃度を、対照の実行によって4回反復した。鎮静し、なお活発であり、メニスカス表面上に浮遊している、または死んでいるシプリドの数を、24および48時間のインキュベーションの後に計上した。鎮静の不可能性(unable)が存在するので、結果を、それぞれのウェルにおける全シプリド数引く浮遊するシプリド数のa%として表わす。値を、平均±SEMとして表わす。それぞれの濃度における鎮静の量を、不対t-検定を使用する対照鎮静と比較した。
【0175】
結果
オシメンは、24時間後に逆用量依存様式における鎮静の阻害を引き起こし(図6および7)、最も低い濃度(10-9M)は、対照からは統計学的に異なる。
【0176】
結論
全ての試験された抽出物は、幼虫の鎮静において、阻害的用量依存効果を有した。溶液から取り除いた場合、これが有毒な効果によって起こり致死的であるか、または阻害的であり可逆であるかは、不明である。更に、低濃度における実験を行う必要がある。低用量でさえ鎮静が無かったので、抽出物H が最も良好な効果を有することが分かった。更に、この抽出物からの個別の化合物は、現在も試験中である。
【0177】
上記で引用された全ての文献を、参考として本明細書中に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図1は、トランス-β-オシメンの3%水溶液をスプレーする前後における、軟体動物が原因のレタスの葉のダメージを示す。
【図2】図2は、Commiphora guidotti(抽出物H)由来の抽出物を使用した場合の甲殻動物の鎮静結果を示す。
【図3】図3は、Commiphora molmol(抽出物M)由来の抽出物を使用した場合の甲殻動物の鎮静結果を示す。
【図4】図4は、トランス-β-オシメン(化合物O)を使用した場合の甲殻動物の鎮静結果を示す。
【図5】図5は、対照として、甲殻動物の鎮静実験におけるエタノールおよび海水の使用を示す。
【図6】図6は、可変濃度のトランス-β-オシメンでの24時間のインキュベーション後、鎮静した、活発であるまたは死亡した甲殻動物シプリドの割合を示す。
【図7】図7は、可変濃度のトランス-β-オシメンでの48時間のインキュベーション後、鎮静した、活発であるまたは死亡した甲殻動物シプリドの割合を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての使用のための、単離された化合物を1種類以上の担体との組み合わせで含有する組成物であって、該化合物が、
I)
【化1】

II) ビサボレン、ビサボロールまたはゲルマクレン型の単環式セスキテルペン類;ならびにIII) サンタレンまたはカリオフィレン型の二環式セスキテルペン類から選択されるテルペンまたはその酸化された誘導体である、軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての使用のための組成物。
【請求項2】
化合物が、
【化2】

【化3】

である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
化合物が、
【化4】

である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
化合物が、
【化5】

である、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
【化6】

である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
担体が異種担体である、前記請求項いずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
化合物が、Detarium、Ximenia、Polygonum、Commiphora または Boswellia属の植物から得られる、前記請求項いずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
植物が、Detarium microcarpum、Ximenia americana、Polygonum limbatum、Commiphora molmol、Commiphora guidotti または Boswellia種である、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
植物が、Commiphora molmolまたはCommiphora guidottiである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
担体が微粒子である、前記請求項いずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
微粒子が、砂、 シャープサンド、軽石粒、おがくず、木材チップまたはコーンパイプである、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
微粒子がおがくずである、請求項10記載の組成物。
【請求項13】
噴霧され得る製剤である、請求項1〜9いずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
担体が、水中に1〜10%アルコールを含有する水溶液である、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
エフェクター剤との組合せである、前記請求項いずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
エフェクター剤が肥料または除草剤である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
0.1〜5%v/vの化合物を含有する、前記請求項いずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
0.1〜3%v/vの化合物を含有する、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
0.25〜1%v/vの化合物を含有する、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての、前記請求項いずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項21】
軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての単離された化合物の使用であって、
該単離された化合物は、テルペンまたは酸化されたその誘導体であり、該テルペンが:
I)
【化7】

II)ビサボレン、ビサボロールもしくはゲルマクレン型の単環式セスキテルペン類;ならびに
III)サンタレンもしくはカリオフィレン型の二環式セスキテルペン類
から選択される、
軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤としての単離された化合物の使用。
【請求項22】
化合物が1つ以上の担体と組み合わされる、請求項21記載の使用。
【請求項23】
化合物が1つ以上のエフェクター剤と組み合わせて使用される、請求項21または22記載の使用。
【請求項24】
軟体動物駆除剤および/または軟体動物忌避剤が水性および陸上軟体動物の両方に対して効果的である、請求項20〜23いずれか記載の使用。
【請求項25】
抗甲殻動物剤としてのCaesalpiniaceae、Olaceae、Polygonaceae、またはBursecaceae植物科における植物由来の植物材料の使用。
【請求項26】
植物材料がDetarium、Ximenia、Polygonum、CommiphoraまたはBoswellia属の植物から得られる、請求項25記載の使用。
【請求項27】
植物がDetarium microcarpum、Ximenia americana、Polygonum limbatum、Commiphora molmol、Commiphora guidotti、またはBoswellia種である、請求項26記載の使用。
【請求項28】
植物がCommiphora molmolまたはCommiphora guidottiである、請求項27記載の使用。
【請求項29】
植物材料が粒子または粉末形態である、請求項25〜28いずれか記載の使用。
【請求項30】
植物材料が実質的にそのままの植物を含む、請求項25〜29いずれか記載の使用。
【請求項31】
植物材料が植物の樹皮、葉または若枝を含む、請求項25〜29いずれか記載の使用。
【請求項32】
植物材料が植物のアルコール抽出物である、請求項25〜28いずれか記載の使用。
【請求項33】
植物材料が、植物の精油のアルコール抽出物である、請求項32記載の使用。
【請求項34】
植物材料が、実質的に単離された化合物である、請求項25〜28いずれか記載の使用。
【請求項35】
実質的に単離された化合物が、担体と組み合わさって使用される、請求項34記載の使用。
【請求項36】
植物材料が、エフェクター剤と組み合わさって使用される、請求項25〜35いずれか記載の使用。
【請求項37】
植物材料が、ペンキ様調製物として使用される、請求項25〜36いずれか記載の使用。
【請求項38】
抗甲殻動物剤として使用するための単離された化合物および1つ以上の担体を含む抗甲殻動物組成物であって、該化合物がテルペンまたは酸素化されたその誘導体であり、該テルペンがシス-β-オシメンもしくはトランス-β-オシメン、またはその酸化された誘導体である、抗甲殻動物組成物。
【請求項39】
甲殻動物と接触する表面に適用するのに適する、請求項38記載の組成物。
【請求項40】
組成物が0.1〜50%v/vの化合物を含有する、請求項38または39記載の組成物。
【請求項41】
組成物が3〜25%v/vの化合物を含有する、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
組成物が6〜25%v/vの化合物を含有する、請求項41記載の組成物。
【請求項43】
エフェクター剤との組み合わせにおける使用のための、請求項38〜42のいずれか記載の組成物。
【請求項44】
抗甲殻動物剤としての、請求項38〜42いずれか記載の組成物の使用。
【請求項45】
抗甲殻動物剤としての、シス-β-オシメンもしくはトランス-β-オシメン、またはその酸化された誘導体の使用。
【請求項46】
化合物が1つ以上の担体と組み合わされる、請求項45記載の使用。
【請求項47】
化合物がエフェクター剤と組み合わされる、請求項45または46記載の使用。
【請求項48】
水の添加の前に、精油および表面活性剤が共に混合される、精油、表面活性剤および水を含有する安定な水エマルジョンを形成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−512247(P2007−512247A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538949(P2006−538949)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004765
【国際公開番号】WO2005/051083
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506159035)コンプトン ディベロップメンツ エルティーディー (2)
【Fターム(参考)】