説明

軟包装材、その製造方法及び包装体

【課題】安価な包装材であって、複数の紙おむつパックなど、大型の商品を収納して持ち運び易い包装材を提供する。
【解決手段】フレキシブルなフィルム1から構成され、平面視で十字形の包装材とする。この包装材は、中央領域1、左領域14、右領域13、下領域121、上領域14で構成され、中央領域、左領域、右領域及び下領域では2枚のフィルム1を重ね合わせており、2枚のフィルムは、左領域の端部、右領域の端部及び下領域の端部で接合されて収納部を構成しており、左領域のフィルムに貫通孔が設けられており、上領域に封止用接着層が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルなフィルムで構成された軟包装材とその製造方法及びこの軟包装材を使用した包装体に関する。
【0002】
この軟包装材は、大型の商品を購入した消費者が持ち帰る際に、この大型商品を収納するのに適している。例えば、多数の紙おむつを収容した紙おむつパックを、2つ以上購入して持ち帰る場合である。
【背景技術】
【0003】
紙おむつは消費財であり、その使用量も多いことから、多数を集積して紙おむつパックとして販売されていることが通常である。また、同じ理由から、この紙おむつパックを複数購入する消費者も多い。
【0004】
ところで、この紙おむつパックはその大きさが大きく、しかも重量のあるものであることから、複数の紙おむつパックを購入した消費者がそのまま持ち帰るのは容易ではない。そこで、これら複数の紙おむつパックを纏めて運ぶために、種々の工夫がなされている。
【0005】
例えば、これら複数の紙おむつパックを段ボール箱に詰めて、この段ボールごと持ち帰ることがある。しかし、段ボール箱には手を掛ける把手がないことが通常であるから、依然として持ち運びに不便があった。
【0006】
また、複数の紙おむつパックにスリーブ状の外装体を巻き付けたり、この外装体にさらに把手を取り付けて持ち運ぶことも行われているが、紙おむつパックがスリーブ状の外装体から抜け落ちたり、外装体自体が破れたりすることがあった。また、これに把手を取り付けた場合には、この把手の装着部位から外装体が裂けることもあった。
【0007】
また、専用のバッグを使用していることもあるが、このような専用バッグは製造コストが高く、このため、普及していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、安価な包装材であって、複数の紙おむつパックなど、大型の商品を収納して持ち運び易い包装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、1枚のフレキシブルなフィルムを折り曲げ線で折り曲げて構成した軟包装材に関するものである。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、1枚のフレキシブルなフィルムから構成された包装材であって、
このフレキシブルフィルムが、折り曲げ線で折り曲げられて、その一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成され、
折り曲げ線で折り曲げられた他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において前記一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部及び右領域の端部において、接合線により互いに固定されて収
納部を構成しており、
左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられており、
上領域に封止用接着層が設けられていることを特徴とする軟包装材である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、2枚のフレキシブルなフィルムで構成した軟包装材に関するものである。
【0012】
すなわち、請求項2に記載の発明は、2枚のフレキシブルなフィルムから構成された包装材であって、
これら2枚のフィルムのうち一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成され、
他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において前記一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部、右領域の端部及び下領域の端部において、接合線により互いに固定されて収納部を構成しており、
左領域において、2枚の前記フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられており、
上領域に封止用接着層が設けられていることを特徴とする軟包装材である。
【0013】
請求項1又は2に記載の軟包装材を使用して複数の紙おむつパックを持ち運ぶ際には、まず2枚のフィルムを開いて収納部を開き、収納部の開口部から収納部に複数の紙おむつパックを収納する。このとき、紙おむつパックは、開口部を除き、軟包装材の中央領域、下領域、左領域及び右領域に囲まれる。
【0014】
次に、その開口部に前記上領域を重ね、封止用接着層によって中央領域に接着することにより、複数の紙おむつパックをこの軟包装材の収納部に固定することができる。
【0015】
こうして収納部に複数の紙おむつパックを固定して構成された包装体は、これを縦に立てることにより、切れ目を把手として持ち運ぶことができる。このとき、中の複数の紙おむつパックは、中央領域、左領域、右領域、下領域及び上領域によって収納部に固定されているから、この軟包装材から抜け落ちる心配がない。なお、切れ目に代えて貫通孔が設けられている軟包装材にあっては、この貫通孔を利用して把手とすることができる。
【0016】
また、紙おむつパックに把手が設けられている場合には、この紙おむつパックの把手を前記切れ目や貫通孔から引き出して使用してもよい。
【0017】
次に、請求項3に記載の発明は、これら軟包装材の製造工程を考慮してなされたものである。すなわち、一方のフィルムの端部と、左領域及び右領域の上端とを精度良く位置合わせすることは困難であることから、これらを互いにずれた位置としたもので、すなわち、他方のフィルムの上端が、左領域及び右領域の上端に達しない位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟包装材である。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、収納された紙おむつパックを取り出す際の便宜を考慮したものである。すなわち、請求項4に記載の発明は、封止用接着層が、剥離容易で再接着可能な感圧接着剤から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軟包装材である。
【0019】
次に、請求項5〜6に記載の発明は、請求項1〜2に記載の軟包装材を製造する方法に
関するものである。
【0020】
すなたち、請求項5に記載の発明は、1枚のフレキシブルフィルムから軟包装材を製造する方法であり、
このフィルムに封止用接着層を設ける工程と、このフィルムを折り曲げ線で折り曲げて、封止用接着層が設けられた一方のフィルムの一部に、封止用接着層に重ならないように、他方のフィルムを重ね合わせる工程と、重ね合わされたフィルムを、両側端の接合線で互いに固定する工程と、互いに固定されたフィルムを打ち抜く工程とから成り、
その打ち抜き形状が次の(1)〜(4)を充足する形状であることを特徴とする軟包装材の製造方法である。
【0021】
(1)一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成されている。
【0022】
(2)折り曲げ線で折り曲げられた他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部及び右領域の端部において、前記接合線により互いに固定されて収納部を構成している。
【0023】
(3)左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられている。
【0024】
(4)上領域に封止用接着層が設けられている。
【0025】
また、請求項6に記載の発明は、2枚のフレキシブルフィルムから軟包装材を製造する方法であり、
この2枚のフレキシブルフィルムのうち、その一方のフィルムに封止用接着層を設ける工程と、この一方のフィルムの一部に、封止用接着層に重ならないように、他方のフィルムを重ね合わせる工程と、この重ね合わされたフィルムを、両側端及び下端の接合線で互いに固定する工程と、互いに固定されたフィルムを打ち抜く工程とから成り、
その打ち抜き形状が次の(1)〜(4)を充足する形状であることを特徴とする軟包装材の製造方法である。
【0026】
(1)一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成されている。
【0027】
(2)他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部、右領域の端部及び下領域の端部において、接合線により互いに固定されて収納部を構成している。
【0028】
(3)左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられている。
【0029】
(4)上領域に封止用接着層が設けられている。
【0030】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜4に記載の軟包装材を使用して内容物を包装した包装体に関するもので、請求項1〜4に記載の軟包装材の収納部に内容物が収納さ
れており、
一方のフィルムの上領域で開口部を覆い、かつ、前記封止用接着層により上領域を中央領域に接着して封止していることを特徴とする包装体である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の紙おむつパックなどの大型の商品を収納して、その周囲を包囲して固定するから、これら商品が抜け落ちることがない。また、把手を利用して持ち運ぶことができるから、持ち運びも容易である。そして、フレキシブルなフィルムから構成されているから、その製造コストも極めて安価である。
【0032】
なお、これに加えて、本発明の軟包装材は、フレキシブルなフィルムから構成されているから、小さくたたむことが可能であり、廃棄も容易であるなどの利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例に係る軟包装材の製造過程における中間製品を示す平面図
【図2】本発明の実施例に係る軟包装材の製造過程における中間製品を示す平面図
【図3】本発明の実施例に係る軟包装材を示す平面図
【図4】本発明に係る切込みを示す平面図
【図5】本発明の別の実施例に係る軟包装材を示す平面図
【図6】本発明の実施例に係る軟包装材の使用方法を説明するための説明用斜視図
【図7】本発明の実施例に係る軟包装材の使用方法を説明するための説明用斜視図
【図8】本発明の実施例に係る軟包装材の使用方法を説明するための説明用斜視図
【図9】本発明の実施例に係る軟包装材の使用方法を説明するための説明用斜視図
【図10】本発明の実施例に係る軟包装材の使用状態を説明するための説明用斜視図
【発明を実施するための形態】
【0034】
説明の便宜のため、本発明の実施例に係る軟包装材を、製造工程を追って説明する。この実施例は、1枚のフレキシブルフィルム1から構成された軟包装材である。
【0035】
すなわち、まず第1工程として、図1に示すように、ロール状のフレキシブルフィルム1を巻き出して走行させながら、その側端部近傍に接着剤を塗布して線状の封止用接着層2を形成する。この線状の封止用接着層2は、後述するように、内容物を収納した後、開口部を封止して内容物を固定する際に使用するものである。
【0036】
次に、第2工程として、図2に示すように、前記線状封止用接着層2と略平行の折り曲げ線bから折り曲げて、線状封止用接着層2が設けられた一方のフィルムの一部に他方のフィルムを重ね合わせ、折り曲げ線bに垂直な方向のシール線cでシールする。このとき、前記他方のフィルム1の端部aが前記接着層2に達しない位置に折り重なるように折り曲げ線bを選択する。
【0037】
そして、第3工程として、図3に示すように、このフィルムを所定の位置で打ち抜くことにより、本発明に係る軟包装材を製造することができる。
【0038】
打ち抜く位置の一部はフィルムの四隅である。四隅を打ち抜くことで、得られる軟包装材は、平面視十字形に加工できる。すなわち、この包装材のうち、封止用接着層2が設けられた前記一方のフィルムは、平面視十字形の形状を有しており、すなわち、中央領域10の左右に左領域13と右領域12とを有しており、中央領域10の下に下領域11、中央領域10の上に上領域14を有している。
【0039】
そして、他方のフィルムが、中央領域10、左領域13、右領域12及び下領域11に
おいて前記一方のフィルムに重ね合わされており、これら一方のフィルムと他方のフィルムとは、左領域13の端部及び右領域12の端部において、シール線cにより互いに固定されて、これら中央領域10、左領域13、右領域12及び下領域11で内容物の収納部を構成している。
【0040】
より詳しく説明すれば、中央領域10は一方のフィルムと他方のフィルムとが重ねられた領域であり、これら2枚のフィルムは中央領域10においては互いに接着されていない。左領域13においても、これら一方のフィルムと他方のフィルムとが重ねられている。そして、この左領域13においては、中央領域10の反対側の端部、すなわち、図示左側端部のシール線cで2枚のフィルムが互いに固定されている。また、右領域12においても、2枚のフィルムが重ねられている。この右領域12において、中央領域10の反対側の端部、すなわち、図示右側端部のシール線cで2枚のフィルムが互いに固定されている。
【0041】
また、下領域11でも一方のフィルムと他方のフィルムとが重ねられている。そして、この下領域11において、中央領域10の反対側の端部、すなわち、図示下側の端部は折り曲げ線bである。この下領域11の端部においては、この折り曲げ線bによってこれらのフィルムが互いに固定されている。
【0042】
次に、上領域14は前記一方のフィルムから構成されており、その端部近傍に線状の接着層2が設けられている。
【0043】
なお、四隅を打ち抜く際には、フィルム1の端部aと同一位置で打ち抜いてもよいが、位置精度のばらつきを考慮して、この端部aに達しない位置で打ち抜くことが望ましい。図3はこのような軟包装材を示している。すなわち、図示のdが打ち抜き線であり、この打ち抜き線dから打ち抜いた後にも、端部aが残存している。
【0044】
次に、打ち抜く位置の他の部分は、左領域13の内部である。この領域13の内部を打ち抜くことにより、フィルム1に切れ目3を形成することができる。左領域13には2枚のフィルムが重ねられているから、この2枚のフィルムの両方を打ち抜いて、互いに対応する位置に切れ目3を形成することができる。この切れ目3は、軟包装材の使用時に把手を構成するものである。また、収納する内容物が把手を備えている場合には、内容物の把手を切れ目3から引き出して使用することもできる。
【0045】
この切れ目3は、図3に示すように、コの字形状を有することが望ましい。また、U字形状であってもよい。図4(a)及び(b)はこのような切れ目の形状の例を示すものである。
【0046】
また、切れ目3に代えて、貫通孔3’とすることもできる。図5は、互いに重ねられた前記一方のフィルムと他方のフィルムの双方を打抜いて貫通孔3’を設けた軟包装材の例である。
【0047】
以上、1枚のフレキシブルフィルム1から構成された軟包装材の製造方法と、製造された軟包装材について説明したが、2枚のフレキシブルフィルムを使用して軟包装材を製造することも可能である。
【0048】
この場合には、まず第1工程として、これら2枚のフレキシブルフィルムのうち、その一方のフィルムの側端部近傍に接着剤を塗布して線状の封止用接着層2を形成する。次に、第2工程として、線状封止用接着層2が設けられた一方のフィルムの一部に他方のフィルムを重ね合わせ、シール線でシールする。このシール線の位置は、左領域13の端部及
び右領域12の端部に加えて、下領域の端部である。
【0049】
そして、第3工程として、このフィルムを所定の位置で打ち抜くことにより、本発明に係る軟包装材を製造することができる。打ち抜く位置は、1枚のフレキシブルフィルムから製造する場合と同様である。
【0050】
次に、図6〜10を参照してこの軟包装材の使用方法を説明する。
【0051】
すなわち、図6に示すように、互いに重ねられた2枚のフィルムを開くことにより、内容物の収納部Aを開くことができる。この収納部Aは矩形状を有しており、その底面は下領域11で構成される。また、その周囲は、中央領域10、左領域13、右領域12で包囲されている。前述のように、中央領域10は2枚のフィルム1が重ねられた領域であるから、図示の例では、この2枚のフィルムが収納部の前側と後側に位置している。また、収納部の左右には、左領域13と右領域12が位置している。なお、下領域11と左領域13との間、下領域11と右領域12との間は、打ち抜かれた四隅の一部であって、隙間が開いている。
【0052】
次に、図7は、上領域14を下側にした状態を示している。そして、この状態で、図8に示すように、おむつパックなどの内容物Bを開口部から収納部Aに挿入して収納する。おむつパックなどの内容物Bは複数個積み重ねた状態で収納することができる。また、この例では、おむつパックBは把手B1を備えており、収納したときにこの把手B1が切れ目3又は貫通孔3’に対向する向きで挿入する。なお、図8において、矢印xは挿入方向を示している。
【0053】
内容物を収納した後、上領域14で開口部を覆い、その接着層2を利用して中央領域10に接着することにより、内容物を収納部に固定することができる(図9)。前述のとおりこの収納部には隙間が設けられており、従って密封されているわけではないが、内容物はその全周囲を包装材の各領域で囲まれているから、抜け落ちることがない。なお、内容物としては、隙間から抜け落ちることのない大型の商品であれば任意のものであってよいが、その代表例として紙おむつパックを例示することができる。収納部の広さに応じて、2又はそれ以上の紙おむつパックを収納することが可能である。なお、内容物に把手B1が設けられているときには、図10に示すように、この把手B1を切れ目3又は貫通孔3’を通して外側に露出させて使用することができる。内容物に把手B1が設けられていない場合には、切れ目3又は貫通孔3’に手指を通すことにより、これらの間のフィルムを把手部とすることができる。また、切れ目3がコの字形状又はU字形状を有する場合には、この切れ目3からめくったフィルムを把手部や内容物の把手B1に巻き付けて使用することもできる。
【0054】
そして、内容物を収納して形成された包装体は、これを立てることにより、切れ目3又は貫通孔3’を把手として利用することができる(図10参照)。立てた状態においても、内容物は各領域によって固定されているから、抜け落ちることがない。
【0055】
次に、フィルム1としては、フレキシブルで、内容物の重量に耐える強度を有するフィルムであれば、任意のフィルムが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムである。また、これら合成樹脂フィルムを積層した積層体をフィルム1として利用することもできる。例えば、ポリエチレンフィルムの両側にポリプロピレンフィルムを積層したサンドイッチ構造の積層フィルムである。
【0056】
また、接着層2に使用できる接着剤としては、剥離容易で再接着可能な感圧接着剤が好
ましく使用できる。例えば、アクリル樹脂エマルジョンタイプの再接着可能な感圧接着剤である。なお、この接着層2として、両面接着テープをフィルム1に貼り付けて、その露出した接着層を利用することも可能である。
【0057】
また、再接着できない接着剤を利用することも可能である。例えば、中央領域10に接着した後、経時的に硬化する粘着剤である。この場合には、上領域14の一部に切り取り線を設けて、この切り取り線から開封可能とすることが望ましい。切り取り線としては、例えば、フィルム1を貫通するミシン目やカットテープが例示できる。
【符号の説明】
【0058】
1 フレキシブルフィルム
10;中央領域 11;下領域 12;右領域 13;左領域 14;上領域 2;接着層 3;切れ目 3’;貫通孔
a;フィルム1の端部 b;折り曲げ線 c;シール線 d;打ち抜き線
A;収納部
B;内容物 B1;内容物の把手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のフレキシブルなフィルムから構成された軟包装材であって、
このフレキシブルフィルムが、折り曲げ線で折り曲げられて、その一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成され、
折り曲げ線で折り曲げられた他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において前記一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部及び右領域の端部において、接合線により互いに固定されて収納部を構成しており、
左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられており、
上領域に封止用接着層が設けられていることを特徴とする軟包装材。
【請求項2】
2枚のフレキシブルなフィルムから構成された軟包装材であって、
これら2枚のフィルムのうち一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成され、
他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において前記一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部、右領域の端部及び下領域の端部において、接合線により互いに固定されて収納部を構成しており、
左領域において、2枚の前記フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられており、
上領域に封止用接着層が設けられていることを特徴とする軟包装材。
【請求項3】
前記他方のフィルムの上端が、左領域及び右領域の上端に達しない位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟包装材。
【請求項4】
封止用接着層が、剥離容易で再接着可能な感圧接着剤から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軟包装材。
【請求項5】
1枚のフレキシブルフィルムから軟包装材を製造する方法であり、
このフィルムに封止用接着層を設ける工程と、このフィルムを折り曲げ線で折り曲げて、封止用接着層が設けられた一方のフィルムの一部に、封止用接着層に重ならないように、他方のフィルムを重ね合わせる工程と、重ね合わされたフィルムを、両側端の接合線で互いに固定する工程と、互いに固定されたフィルムを打ち抜く工程とから成り、
その打ち抜き形状が次の(1)〜(4)を充足する形状であることを特徴とする軟包装材の製造方法。
(1)一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成されている。
(2)折り曲げ線で折り曲げられた他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部及び右領域の端部において、前記接合線により互いに固定されて収納部を構成している。
(3)左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられている。
(4)上領域に封止用接着層が設けられている。
【請求項6】
2枚のフレキシブルフィルムから軟包装材を製造する方法であり、
この2枚のフレキシブルフィルムのうち、その一方のフィルムに封止用接着層を設ける工程と、この一方のフィルムの一部に、封止用接着層に重ならないように、他方のフィルムを重ね合わせる工程と、この重ね合わされたフィルムを、両側端及び下端の接合線で互いに固定する工程と、互いに固定されたフィルムを打ち抜く工程とから成り、
その打ち抜き形状が次の(1)〜(4)を充足する形状であることを特徴とする軟包装材の製造方法。
(1)一方のフィルムが、平面視で十字形の形状を有しており、中央領域と、この中央領域の左右に設けられた左領域及び右領域と、中央領域の下側に設けられた下領域と、中央領域の上側に設けられた上領域とで構成されている。
(2)他方のフィルムが、中央領域、左領域、右領域及び下領域において一方のフィルムに重ね合わされていると共に、これら重ね合わされた2枚のフィルムが、左領域の端部、右領域の端部及び下領域の端部において、接合線により互いに固定されて収納部を構成している。
(3)左領域において、重ね合わされた両フィルムにコの字状若しくはU字状の切れ目又は貫通孔が設けられている。
(4)上領域に封止用接着層が設けられている。
【請求項7】
前記請求項1〜4に記載の軟包装材の収納部に内容物が収納されており、
前記一方のフィルムの上領域で開口部を覆い、かつ、前記封止用接着層により上領域を中央領域に接着して封止していることを特徴とする包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−230790(P2011−230790A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101890(P2010−101890)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】