説明

軟質ポリウレタンフォーム

【解決手段】本発明は、ポリオール及びイソシアネートを主原料とし、これに架橋剤及び発泡剤を配合し、発泡成形により製造された軟質ポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分としてスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールが配合されると共に、上記架橋剤としてジエチレングリコール、上記発泡剤としてメチレンクロライドがそれぞれ配合されてなることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【効果】本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低密度であり、膜強度が高く得られ、吸音性を高く得ることができる。この軟質ポリウレタンフォームは、吸音性が要求される自動車及び車両の内装材料として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車・車両部品、各種事務機器及び電気機器の吸音材料としてポリウレタンフォームに関するものであり、特に、シート,ドア,天井等の自動車・車両の内装材料として好適に使用される軟質ポリウレタンフォームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートとを主原料とし、これに発泡剤や触媒などの各種副成分を混合して液状配合物を調製し、この液状配合物を発泡させることにより、液状混合物中における高分子化反応を促進させ、発生する気体の体積膨張によりポリマー骨格と気泡膜を有したフォームを得ることができる。このポリウレタンフォームの気泡の形状は概ね五角形の面を12個集めた12面体であると考えられている。そして、最近では、ポリウレタンフォームの気泡構造やモルホルジー(集合構造)について様々な研究や開発が従来から盛んに行われている。
【0003】
多孔質高分子材料に音があたると、その空気振動が材料中の隙間や気泡部分の空気に伝わり、粘性摩擦を生じ、音によるエネルギーが熱エネルギーに変換され、吸音作用を生じることが知られており、特に、多孔質高分子材料は中・高周波音に効果的な吸音特性を有すること知られている。多孔質高分子材料の一つであるポリウレタンフォームを改良して吸音性を高めた技術が種々提案されており、高い吸音性を有するためにフォームの膜厚(骨格部分の周壁)やその三次元構造を最適化することが行われている。特に、自動車の分野では、多孔質高分子材料としてポリウレタンフォームが多く用いられており、その提案の一つとして特開平10−121597号公報に記載されたポリウレタンフォーム製吸音体がある。
【0004】
しかしながら、自動車用吸音材料として更なる吸音特性やその他の特性を向上させるべく、上記ポリウレタンフォーム製吸音体よりも一層優れた高吸音性及び低密度化を有するポリウレタンフォームを開発することが望まれる。
【0005】
【特許文献1】特開平10−121597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、吸音性をより一層高めた軟質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、軟質ポリウレタンフォーム用配合物を調製する際、主原料の一つであるポリオール成分にスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールを含有させ、ジエチレングリコール(架橋剤),メチレンクロライド(発泡剤)を配合し、発泡成形して軟質ポリウレタンフォームを製造したところ、そのポリウレタンフォームが高い吸音性を有し、特に、自動車のエンジン音などの中−高周波音の吸音材料として非常に有用であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
即ち、本発明において、ポリオール成分としてスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールを含有させることにより、ポリウレタン樹脂自体の強度を向上させ、かつ、ジエチレングリコールを添加することにより、架橋密度を向上させ、ポリウレタン樹脂自体の末端(表面)における膜強度を向上させることができる。さらには、メチレンクロライドを発泡剤として使用することにより、反応性,安全性を確保しながらポリウレタンフォームを低密度に仕上げることができる。本発明は、これらのウレタンフォーム構造と低密度化により、高い吸音性と、自動車の燃費向上につながる軽量化を実現可能したものである。
【0009】
従って、本発明は、下記の軟質ポリウレタンフォームを提供する。
〔1〕ポリオール及びイソシアネートを主原料とし、これに架橋剤及び発泡剤を配合し、発泡成形により製造された軟質ポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分としてスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールが配合されると共に、上記架橋剤としてジエチレングリコール、上記発泡剤としてメチレンクロライドがそれぞれ配合されてなることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
〔2〕上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールのポリオール成分全量に占める割合が5〜20質量%である〔1〕記載の軟質ポリウレタンフォーム。
〔3〕上記軟質ポリウレタンフォームの密度が0.020g/cm3以下である〔1〕又は〔2〕記載の軟質ポリウレタンフォーム。
〔4〕上記軟質ポリウレタンフォームの国際規格ISO 10534−2に準じて測定した垂直入射吸音率が、周波数1500Hzで30%以上、2000Hzで50%以上、3000Hzで60%以上、4000Hzで90%以上である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の軟質ポリウレタンフォーム。
〔5〕自動車又は車両の内装材として使用される〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低密度であり、膜強度が高く得られ、吸音性を高く得ることができる。この軟質ポリウレタンフォームは、吸音性が高く要求される自動車及び車両の内装材料として有用である。また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは優れた難燃性を有する。
【発明を実施するための最良の形態及び実施例】
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートとを主成分とするポリウレタンフォーム配合物を発泡成形して得られたものであり、本発明では、ポリオール成分としてスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールが含まれる。
【0012】
上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールを配合した理由は、ポリウレタン樹脂自身の強度を向上させる点からであり、本発明の効果付与に貢献する。
【0013】
上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールとして具体的には、市販の製品を用いることができ、例えば、ダウ・ケミカル日本(株)製の「ボラノール3943A」等が挙げられる。
【0014】
上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールは、後述する他のポリオールと混合して用いることが好適である。このようにスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールを他のポリオールと混合することにより、樹脂化反応を遅延化させることが可能であり、反応速度を調整する上で有用である。
【0015】
その配合割合は、特に制限はないが、ポリオール成分100質量部に対して5〜20質量部の範囲とすることが好適である。この数値を超えると、樹脂化反応が早まり、クラック等の現象が起きる場合がある。
【0016】
本発明では、上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールのほかに、他の種類のポリオールを併用することができ、例えば、数平均分子量が1000〜10000、好ましくは2000〜5000、OH価が20〜100、好ましくは20〜60であるポリオールを用いることができる。具体的には、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエステルポリエーテル系ポリオール等やこれらの変性ポリオールの1種を単独で又は2種以上を併用配合して使用することができる。併用配合する場合には、各重量比が1:1の割合で配合するように調製することが推奨される。本発明においては、特にポリエーテル系ポリオールを好適に使用することができる。
【0017】
また、上記各種ポリオールの市販品としては、「E−3030」(分子量3000、f=3、旭硝子(株)製ポリエーテル系ポリオール)、「ボラノール3943A」(ベースポリオール分子量3000、f=3、ダウ・ケミカル日本(株)製アクリロニトリル/スチレン43%グラフトコポリマーポリオール)、「3P56D」(分子量3000、f=3、三井化学ポリウレタン(株)製ポリエステルポリエーテル系ポリオール)、「N2200」(分子量約2200、日本ポリウレタン(株)製ポリエステル系ポリオール)等を挙げることができる。
【0018】
本発明に用いられるイソシアネートとしては、特に制限はなく、ポリウレタン発泡原料として用いられる通常のイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いても良い。上記TDIとMDIとを併用する場合、その配合比としては通常TDI/MDI=100/0〜50/50(重量比)の比であることが好ましい。このようなTDI、MDIとしては、市販品を用いることができ、TDIとして例えば、「コスモネートT−80」(三井化学ポリウレタン(株)製)等を挙げることができる。
【0019】
上記イソシアネートの配合量は特に制限されるものではないが、全ポリオール100質量部に対して、通常40〜80質量部であることが推奨され、40質量部より少ないとポリウレタンフォームの樹脂化反応が進まない場合があり、80質量部より多いと樹脂化反応が進みすぎ、独立気泡になる場合がある。
【0020】
また、本発明では、樹脂末端(表面)の増膜により膜強度を向上させる目的から、架橋剤を配合するものであり、この架橋剤としてジエチレングリコールが用いられる。このジエチレングリコールとしては、通常用いられる市販品を採用することができ、1種単独で又は2種以上併用して用いることができる。
【0021】
ジエチレングリコールのほかに他の架橋剤を配合することができるが、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。ジエチレングリコールの架橋剤全量に対する配合割合は、その架橋剤の種類によって多少異なるが、全ポリオール100質量部に対して0.1〜10質量部、特に1〜5質量部であることが好適である。
【0022】
本発明に用いられる発泡剤としてメチレンクロライドが採用される。発泡剤としてメチレンクロライドのみを使用することができるほか、本発明を損なわない範囲で他の発泡剤、例えば、水やモノフッ化トリ塩化メタンなどの低沸点の化合物を使用することもできる。特に、メチレンクロライドと水とを併用することが好ましい。水は、発泡剤のほか架橋剤としても作用し得るのでメチレンクロライドと水とを併用すると強度が向上する。なお、水単独で発泡剤として使用すると、二酸化炭素が多く発生し、反応速度が非常に速くなり、反応のバランスが取れなくなる。また、発熱反応が大きくなり、火災発生につながる危険性があり、安全性を確保することができなくなる。メチレンクロライドの配合量は適宜調製され、通常全ポリオール100質量部に対して5〜20質量部とすることができる。
【0023】
上記ポリウレタンフォーム配合物中には、通常のポリウレタンフォーム配合物と同様にして、必要に応じて触媒、整泡剤などを配合することができる。
【0024】
触媒としては、アミン系、錫系のいずれの触媒も好適に使用することができ、アミン系触媒としては、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等、錫系触媒としては、スタナスオクテート、ジブチルチンジラウレート等を挙げることができる。これらの触媒は、単独で又は2種以上併用してもよい。触媒の配合量は、全ポリオール100質量部に対して、例えば0〜5質量部、特に0.1〜1質量部とすることができる。
【0025】
整泡剤としては、例えば、オルガノポリシロキサン、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができる。整泡剤の配合量は、全ポリオール100質量部に対して0〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることができる。
【0026】
更に、本発明のポリウレタンフォーム配合物に対しては、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、顔料等の着色剤、炭酸カルシウム等の充填剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤などを配合することができる。
【0027】
本発明のポリウレタンフォームは、上記ポリウレタフォーム配合物を発泡することにより得られるものである。その発泡方法としては、例えば、ワンショット法、プレポリマー法などを採用できる。なお、発泡温度は0〜40℃、特に15〜25℃とすることができる。この場合、容器内の圧縮率は特に制限されるものではなく、圧縮しなくてもよいが、通常、圧縮率は1/1〜1/5にして製造することができる。
また、上記ポリウレタンフォームの成形方法としては、特に制限はないが、ポリオール,発泡剤,アミン系触媒及び架橋剤等をブレンドした原料とイソシアネートとを同時に吐出して成形する方法などを採用することができる。
【0028】
このようにして得られる軟質ポリウレタンフォームは、そのセル径(セル数)が20〜60個/25mm、特に、30〜50個/25mmであることが好ましい。20個/25mm未満であると、セル骨格,セル膜の占める割合が高くなり発泡ガスが抜け難くなりフォームが収縮してしまうおそれがある。また、60個/25mmを超えると、セル骨格,セル膜の占める割合が小さくなり、発泡ガスの圧力に耐えきれなくなり、フォームがつぶれてしまうおそれがある。
【0029】
本発明では、上記軟質ポリウレタンフォームの気泡構造により、セル膜が占める割合が増えるため、空気の流れ抵抗が多くなり、そのため、音による空気振動を大きく吸収することができ、音の減衰性を高めることができる。
【0030】
また、上記軟質ポリウレタンフォームの密度は、0.020g/cm3以下の低密度に設定されることが好ましい。その理由は、本発明を自動車用材料等に用いる場合、自動車の低燃費やコスト低減の要請に応えることができるからである。
【0031】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低通気性を有しかつ、膜強度を大きく向上させることができ、このようなポリマー骨格と気泡膜を有したフォーム構造により、音の減衰性を高めることができる。具体的な指標として、国際規格ISO 10534−2に準じて測定した垂直入射吸音率を用いると、試料厚10mmにおいて、その測定数値が、周波数1500Hzで30%以上、2000Hzで50%以上、3000Hzで60%以上、4000Hzで90%以上であることが好適である。ここで、垂直入射吸音率とは、インピーダンス管(音響管)と呼ばれる測定装置を用いてポリウレタンフォーム試料に対して垂直(入射角度が0度)に音が入射したときの吸音性を意味し、その測定の方法としては、伝達関数法と定在波比法がある。前者は、インピーダンス管内に設置した2つのマイクロフォン間の伝達関数により、ゲインと位相情報を取得し、垂直入射吸音率を算出するものであり、ランダムノイズによって迅速に全周波数帯域の計測を行うことができ、処理時間が非常に速く、またインピーダンス管を短く設定することができることで後者よりも利点がある。上記の国際規格ISO 10534−2は、伝達関数法による垂直入射吸音率の測定方法である。
【0032】
その他の軟質ポリウレタンフォームの物性として、膜強度を高める点から、フォーム自体の硬さ(N)が高く、かつ伸び(%)が低いことが好ましい。具体的には、フォームの硬さが、好ましくは200〜500N、より好ましくは250〜450Nと高く、かつ伸び(%)が、好ましくは10〜200%、より好ましくは50〜150%と低くすることにより膜強度を向上させることができる。
【0033】
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームでは、上述した配合物を選択することにより優れた難燃性を付与することができる。具体的には、MVSS難燃規格に合格した不燃性を得ることができる。
【0034】
本発明の軟質ポリウレタンフォームにおいては、吸音性が高く要求される各種用途に使用することができ、例えば、自動車又は車両の内装材、防音カバー材、二重壁内部充填材、コンピュータ,複写機等の事務機器、掃除機、エアコン,テレビ等の電気機器、そのほか、設備・建築用の材料として使用することができる。特に、自動車又は車両の内装材として好適に用いることができ、具体的には、自動車のエンジンルーム内のフードインシュレータ、ボンネット、フロアサイレンサー、エンジンアンダーカバー、カーペットなどに好適に使用することができる。
【0035】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0036】
[実施例,比較例]
下記表1に示すポリウレタン発泡成形体用材料(液温20℃)を調製し、これを温調した発泡コンベア上のモールド紙に注入し、ワンショット法により発泡成形してポリウレタンフォームを作成した。
【0037】
【表1】

【0038】
上記の各成分の内容を下記のとおりである。
スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオール混合物
スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールとポリエーテルポリオールとの混合
物、ダウ・ケミカル日本(株)製の「ボラノール3943A」
ポリエーテルポリオール
三井化学ポリウレタン(株)製の「アクトコール79−56」
トリレンジイソシアネート
三井化学ポリウレタン(株)製の「コスモネートT−80」
(2,4−異性体と2,6−異性体とを80:20(質量比)の割合で混合した混合物)
3級アミン
トリエチレンジアミン〔東ソー(株)製の「TEDA−L33」〕などの3級アミン
シリコーンポリマー
信越化学工業(株)製の「F−242T」
含ハロゲン縮合リン酸エステル
大八化学工業(株)製の「CR504L」
【0039】
得られたポリウレタンフォームの諸物性を下記の評価方法により評価した。結果を表2に示す。
〔密度〕
JIS K 6400に記載の方法により、全密度の測定を実施した。全密度は、JIS規格で規定している「見掛け密度」を指す。本発明では、表皮スキン有りの直方体フォームサンプルを用いて全密度の測定を行った。
〔硬さ〕
JIS K 6400−1(2004年度版)の規格に基づいて測定した。
〔通気性〕
JIS K 6400−7(2004年度版)B法の規格に基づいて測定した。
〔引張り強さ〕
JIS K 6400−5(2004年度版)の規格に基づいて測定した。
〔伸び(%)〕
JIS K 6400−5(2004年度版)の規格に基づいて測定した。
〔セル数〕
JIS K 6400−1(2004年度版)付属書1(参考)に基づいて測定した。

〔難燃性〕
FMVSS(米国連邦自動車安全基準)No.302に基づいて測定した。
【0040】
【表2】

【0041】
垂直入射吸音率の測定
実施例及び比較例のポリウレタンフォームについて試料厚10mmを用意し、伝達関数法(ISO 10534−2)により、その吸音率を測定した。Abs値×100を吸音率(%)として測定した。その結果を下記表3に示す。
【0042】
【表3】

【0043】
上記表に示された結果から、本実施例(本発明)のポリウレタンフォームは、試料厚が比較的薄いにもかかわらず、中高音域で高い吸音性を示すことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール及びイソシアネートを主原料とし、これに架橋剤及び発泡剤を配合し、発泡成形により製造された軟質ポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分としてスチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールが配合されると共に、上記架橋剤としてジエチレングリコール、上記発泡剤としてメチレンクロライドがそれぞれ配合されてなることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
上記スチレン/アクリロニトリルコポリマーポリオールのポリオール成分全量に占める割合が5〜20質量%である請求項1記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
上記軟質ポリウレタンフォームの密度が0.020g/cm3以下である請求項1又2記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
上記軟質ポリウレタンフォームの国際規格ISO 10534−2に準じて測定した垂直入射吸音率が、周波数1500Hzで30%以上、2000Hzで50%以上、3000Hzで60%以上、4000Hzで90%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
自動車又は車両の内装材として使用される請求項1〜4のいずれか1項記載の軟質ポリウレタンフォーム。

【公開番号】特開2008−24773(P2008−24773A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196793(P2006−196793)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】