説明

軟質ポリウレタン発泡体の製造用プレポリマー組成物

【課題】軟質ポリウレタン発泡体を製造するための、ウレタン含有末端NCOプレポリマーまたはセミ−または準プレポリマー組成物を提供する。
【解決手段】遊離NCO含量8〜38重量%を有するプレポリマーまたはセミ−または準プレポリマー組成物であって、組成物100重量部当たり、トリレンジイソシアネート5〜20重量部;およびジフェニルメタンジイソシアネートおよびイソシアネート官能基3以上を有するその同族体80〜95重量部を含むポリイソシアネート組成物を含有し、該ポリイソシアネートの一部は下記(1)のポリオールとの付加体を含有するウレタンの形で存在する組成物。(1)平均表示ヒドロキシル官能価2〜6、平均当量1000〜4000を有し、オキシエチレン基5〜25重量%を含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオール。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
本発明は、軟質ポリウレタン発泡体を製造するための方法に関する。
有機ポリイソシアネートと高分子量イソシアネート反応性化合物とを発泡剤の存在で反応させることによって、軟質ポリウレタン発泡体を製造することは広く知られている。さらに詳しくは、EP−111121において、半−プレポリマーを含むポリイソシアネート組成物から軟質ポリウレタン発泡体を製造することが開示されている。ポリイソシアネート組成物は、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって製造され;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(高分子MDI)も同様に使用される。EP−392788においては、軟質発泡体は、半−プレポリマーまたはプレポリマーを多量の水を含有するイソシアネート反応性組成物と反応させることによって製造されている。EP−296449においては、軟質発泡体は、ポリイソシアネート類、ポリオール類および水をかなり低いNCO指数で反応させることによって製造されている。
同時継続出願PCT/EP95/02068は、高分子MDIの一部をポリオールと反応させ、その他の部分をかくして得られる反応生成物に付加することによって製造される半−プレポリマーを使用し、軟質発泡体を製造するための方法に係る。
MDIおよび高分子MDIならびに高分子MDIを基体とする有用な発泡体を得ることが可能であるが、改良の余地が存在する。特に、その発泡体が自動車シートのクッション材料として使用される密閉金型で製造される発泡体は、特に、発泡体の低密度での発泡体の強さ、レジリエンスに関して改良される余地がある。
過去において、これら改良の幾つかは、MDIの代わりに、トリレンジイソシアネート(TDI)を使用することによって達成されている。特に、そのような発泡体は、低密度での高レジリエンス、良好な発泡体強さを示す。しかし、その蒸気圧および毒性により、TDIを取り扱うためには、特殊な手段が必要とされる。さらに、TDI基体発泡体は、とりわけ、低密度で硬度が比較的乏しく、硬化が遅く、狭い加工領域(イソシアネート指数)を示す。
さらに最近では、MDIおよびTDIの組み合わせを使用することによって、MDI基体およびTDI基体の両発泡体の欠点を回避することが提案されている。
EP−439792においては、引張強さを改良するために、21−95重量%のTDIを含むポリイソシアネートの使用が提案されているが、使用されるTDIの量は、なお、かなり高い。
EP−679671においては、高い衝撃レジリエンス(impact resilience);改良された圧縮永久歪;および、6Hz振動伝達率を低減する優れた能力を有する低密度発泡体を製造するために、3−20重量%のTDIを含む高分子MDIとTDIとの混合物の使用が提案されている。使用される高分子MDIは、4個以上のベンゼン環化合物含量+活性のより低い成分と比較して、高い3個のベンゼン環化合物含量を有する。ポリマーポリオール類の使用は、非常に一般的な条件において提案されている。
EP−694570においては、MDI、高分子MDIおよび5−15重量%のTDIを含むポリイソシアネートプレポリマーの使用が提案されている。ポリイソシアネートプレポリマーは、流動性を改良され;それによって製造される発泡体は、ILD、圧縮永久歪および易燃性特性が改良されることが示されている。グラフトポリマーのポリオール分散液の使用も、また、同様に提案されている。
同時継続出願PCT/EP96/04392においては、レジリエンス、発泡安定性、快適性および機械的強さを改良するために、MDIプレポリマーおよびTDIを使用することが提案されている。TDIの量は、ポリイソシアネート組成物の2−25重量%であってもよく、これは、MDI+TDI官能価2.05−2.35を有する。スチレンおよび/またはアクリロニトリルの高分子ポリオール中でのin situ重合によるか、または、ポリイソシアネートとトリエタノールアミンとの高分子ポリオール(PIPAポリオール)中でのin situ反応によって製造されるポリマーポリオールの使用が一般的な条件において提案されている。高分子ポリオールは、分散ポリマー5−50重量%を含有することができる。
驚くべきことに、その組成物がイソシアネート官能価3以上を有するポリイソシアネートの制限された含量、制限された官能価およびTDI含量を、制限された量のPIPAポリオールを含むポリオール組成物とともに有するMDIおよびTDIのポリイソシアネート組成物を使用することによって、高レジリエンス、迅速な硬化、短い成形品の取り出し時間および良好な耐力特性、引裂強さ、伸び、快適性ならびに耐久性を示す低密度軟質成形発泡体を得ることができることが見いだされた。
したがって、本発明は、
(a) 組成物の100重量部当たり、トリレンジイソシアネート5〜20重量部;および、イソシアネート官能価3以上を有するジフェニルメタンジイソシアネートおよびその同族体80−95重量部を含み、ジフェニルメタンジイソシアネートの量がジフェニルメタンジイソシアネートおよび同族体の量の基づき計算して70−95重量%であり、ジフェニルメタンジイソシアネートが、このジフェニルメタンジイソシアネートの重量に基づき計算して、オルト位に少なくとも1個のNCO基を含有するジフェニルメタンジイソシアネート8−45重量%を含み、更に3個NCO基を有する同族体と4個又はそれ以上のNCO基を有する同族体+副生成物との比が1.0以下であるポリイソシアネート組成物と;
(b) (1) 平均表示ヒドロキシル官能価2−6、好ましくは、2−4、最も好ましくは、3、平均当量1000−4000を有し、かつ、ポリマー鎖の末端に好ましくは存在するオキシエチレン基を5−25重量%含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオール;
(2) 水2−7重量部;
(3) 平均表示ヒドロキシル官能価2−6、平均当量200−1500を有し、かつ、少なくとも60重量%のオキシエチレン基を含有するポリエーテルポリオール2−10重量部;
(4) ポリイソシアネートと、複数のヒドロキシル−、第1級アミン−および/または第2級アミン基を有し、当量400以下を有する化合物との反応生成物であり、前記ポリオール組成物に分散させた粒状物質1−15重量部であり、(b2)−(b4)の量は、(b1)の100重量部当たりで計算されており;および、
(5) 所望により、それ自体公知の助剤および添加剤;
を含むポリオール組成物と;
をNCO指数70−120で反応させることによって、軟質ポリウレタン発泡体を製造するための方法に係る。
さらに、本発明は、上記ポリイソシアネート組成物およびポリオール組成物を含む反応システムに係り、前記ポリイソシアネートおよびポリオール組成物に係る。
本出願のコンテキストにおいて、以下の用語は、以下の意味を有する:
(1) イソシアネート指数もしくはNCO指数または指数:
配合物中に存在するイソシアネート反応性活性水素原子に関してのNCO基の比は、パーセンテージとして:
[NCO]×100/[活性水素] (%)
で与えられる。換言すれば、NCO指数は、配合物中の使用されるイソシアネート反応性水素の量と反応するのに理論的に必要とされるイソシアネートの量に関しての配合物中で実際に使用されるイソシアネートのパーセンテージを表す。
本明細書で使用するイソシアネート指数は、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを含む実際の発泡プロセスの観点から考察されるものであることを認識する必要がある。半プレポリマーまたはその他の改質ポリイソシアネート類を製造するための予備工程で消費されるいずれのイソシアネート基または改質ポリオール類またはポリアミン類を製造するためにイソシアネートと反応させられるいずれの活性水素もイソシアネート指数の計算には考慮に入れない。実際の発泡工程に存在する遊離のイソシアネート基および遊離のイソシアネート反応性水素(水の水素を含む)のみを考慮に入れる。
(2) イソシアネート指数を計算するために本明細書で使用される“イソシアネート反応性水素原子”という表現は、ポリオール類、ポリアミン類および/または水の形態の反応性組成物中に存在するヒドロキシルおよびアミン水素原子の合計数をいい;これは、実際の発泡プロセスでイソシアネート指数を計算するために、1つのヒドロキシル基が1つの反応性水素を含むと考え、1つの水分子が2つの活性水素を含むと考えることを意味する。
(3) 反応システム:ポリイソシアネート成分がイソシアネート反応性成分とは別個の容器中に保たれる成分の組み合わせ。
(4) 本明細書で使用する“ポリウレタン発泡体”という表現は、発泡剤を使用して、ポリイソシアネート類をイソシアネート反応性水素含有化合物と反応させることによって得られる気泡生成物をいい、特に、反応性発泡剤として水で得られる気泡生成物を含む(尿素結合および二酸化炭素を生成し、ポリ尿素−ウレタン発泡体を生成する水のイソシアネート基との反応を含む。)。
(5) “平均表示ヒドロキシル官能価”という用語は、本明細書で、数平均の官能価がそれらの製造に使用される開始剤の数平均官能価(1分子当たりの活性水素原子の数)であると仮定して、ポリオール組成物の数平均の官能価(1分子当たりのヒドロキシル基数)を示すために使用するが、実際には、若干の末端不飽和により幾分少ないことが多いであろう。“当量”という用語は、分子中のイソシアネート反応性水素原子当たりの分子量をいう。
(6) “平均”という語は、数平均をいう。
使用されるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、4,4’−MDIおよび2,4’−MDI;ならびに10重量%未満の2,2’−MDI;および、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、ウレタン基、アロファネート基、尿素基またはビューレット基を含有するそれらの改質変性体の異性体混合物から選択することができる。好ましいのは、2,4’−MDI;少なくとも25重量%のNCO含量を有するウレトンイミンおよび/またはカルボジイミド改質MDI;ならびに、少なくとも1000の分子量と少なくとも25重量%のNCO含量とを有するポリオールと、過剰のMDIとを反応させることによって得られるウレタン改質MDIからなる異性体混合物である。5−45重量%の2,4’−MDIと5重量%未満の2,2’−MDIとを含み、残りが4,4’−MDIである異性体混合物が最も好ましい。
イソシアネート官能価3以上を有する同族体はいわゆる高分子または粗製のMDIに含まれる。
高分子または粗製のMDIは、イソシアネート官能価3以上を有するMDIおよび同族体を含み、当分野周知である。これらは、アニリンとホルムアルデヒドとの酸縮合によって得られるポリアミン類の混合物のホスゲン化によって製造される。ポリアミン混合物およびポリイソシアネート混合物の両方ともその製造は周知である。強酸、例えば、塩酸の存在でのアニリンのホルムアルデヒドとの縮合により、より高い官能価のポリメチレンポリフェニレンポリアミン類とともに、ジアミノジフェニルメタンを含有する反応生成物が与えられ、その正確な組成は、公知のように、とりわけ、アニリン/ホルムアルデヒドの比に依存する。ポリイソシアネート類は、ポリアミン混合物のホスゲン化によって製造され、種々の割合のジアミン類、トリアミン類およびより高級なポリアミン類により、それらの量に比例する量のジイソシアネート類、トリイソシアネート類およびより高級なポリイソシアネート類を生ずる。このような粗製または高分子MDI組成物におけるジイソシアネート、トリイソシアネートおよびより高級なポリイソシアネート類は、組成物の平均官能価、すなわち、1分子当たりのイソシアネートの平均数を決定する。出発物質の割合を変化させることによって、ポリイソシアネート組成物の平均官能価は、「2より少し大」〜「3またはそれより大」まで変化させることができる。しかし、実際には、平均イソシアネート官能価は、好ましくは、2.3−2.8の範囲である。これら高分子または粗製のMDIのNCO価は、少なくとも30重量%である。高分子または粗製のMDIは,ジフェニルメタンジイソシアネートを含有し、残りは、ホスゲン化によりこのようなポリイソシアネート類の製造において形成される副生物とともに、官能価2より大のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート類である。
高分子または粗製のMDIは、2,4’−MDIおよび2,2’−MDIを含有してもよく、ポリイソシアネート組成物(a)におけるジフェニルメタンジイソシアネート中のオルトNCO置換MDIの範囲は、MDI中および高分子または粗製のMDI中の2,2’−および2,4’−MDIの合計であることに留意すべきである。
3個のNCO基を有する同族体の4個以上のNCO基を有する同族体+副生物にかかる比は、好ましくは、1.0未満である。このような比を有する粗製または高分子のMDIは、市販入手可能であり;例えば、Imperial Chemical Industries PLCからのSuprasec DNRが挙げられる。
使用されるトリレンジイソシアネートは、そのもの自体公知であり、全ての異性体およびそれらの混合物から選択することができ、特に、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートおよびそれらの混合物から選択することができ、これら混合物は、TDI80/20およびTDI65/35として市販されている。
ポリイソシアネート組成物を製造するために使用される高分子または粗製のMDIの合計量は、ジフェニルメタンジイソシアネートの量およびオルト置換ジイソシアネートの量が上記範囲に止まるようにする必要がある。当業者であれば、実施例に照らして、選択されるMDIおよび高分子または粗製のMDIに依存するその量を容易に計算することができるであろう。
ポリイソシアネート組成物(a)は、MDI、TDIおよび粗製または高分子MDIをどのような順序でも、単に混合することによって製造される。
使用することのできるポリエーテルポリオール類(b1)としては、必要とされる場合には、多官能価開始剤の存在下において、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの重合によって得られる生成物が挙げられる。適切な開始剤化合物は複数の活性水素原子を含有するものであり、例えば、水、ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、シクロヘキサンジアミン、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパンおよび1,2,6−ヘキサントリオールを挙げることができる。開始剤および/または環状オキシド類の混合物を使用することができる。
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール類は、従来技術文献に十分に記載されているように、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの開始剤への同時または逐次添加によって得ることができる。示された量のオキシエチレン基、特に、ポリマー鎖(キャップ又はチップされた)の末端にオキシエチレン基の少なくとも一部、および、好ましくは、全部を有するランダムコポリマー類、ブロックコポリマー類およびそれらの組み合わせを使用することができる。前記ポリオール類の混合物は、特に有用である。
平均表示官能価2−4、最も好ましくは、3と、オキシエチレン含量5−25重量%を有し、好ましくは、ポリマー鎖の末端にオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類が最も好ましい。
過去数年の間に、低レベルの不飽和度を有するポリエーテルポリオール類を製造するための数種の方法が文献に記載された。これらの開発により、許容可能な低レベルの不飽和度を有するポリオールが多量に製造しうるようになったので、分子量範囲のより高級な末端にポリエーテルポリオールを使用することが可能となった。本発明に従えば、低レベルの不飽和度を有するポリオールが十分に使用される。特に、低レベルの不飽和度を有するこのような高分子量のポリオール類は、高い反発弾性(Ball Rebound)を有する軟質発泡体を製造するために使用することができる。 ポリオール組成物(b)に使用されるポリオール(b3)は、(b1)について挙げたポリエーテルポリオールから選択することができるが、ただし、その当量は、200−1500であり、そのオキシエチレン含量は、少なくとも60重量%である。最も好ましいポリオールは、(1)オキシエチレン基がポリマー鎖にランダムに分布したオキシエチレン含量60−95重量%、平均当量1000−1500および平均表示ヒドロキシル官能価2−4を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール類;および、(2)当量200−500を有するポリオキシエチレンポリオール類である。
複数のヒドロキシル−、第1級アミン−および/または第2級アミン基を有し、かつ、当量400以下、好ましくは、200以下を有する化合物(以下、共反応体と称する)とポリイソシアネートとの反応生成物であり、かつ、ポリオール中に分散された粒状物質(b4)は、一般的に、当分野で、例えば、PIPAポリオールのように公知である。このようなPIPAポリオールは、従来技術において、専ら記載されている:例えば、GB2072204、US4452923、EP−418039およびWO94/12533参照。このようなPIPAポリオールは、市販入手可能である:例えば、Imperial Chemical Industries PLCからのDaltocelTM XF417。ポリイソシアネートと共反応体との反応生成物である粒状物質は、上記従来技術文献に記載されているようにして製造することができる。
通常、粒状物質は、共反応体をポリオール(b1)に加え、続いて、ポリイソシアネートを添加することによって、ポリオール(b1)中で製造される。共反応体およびポリイソシアネートの量は、ポリオール中に分散された粒状物質の所望される量に依存する。所望とあらば、分散された物質の濃度が上記の愚弟例の場合よりも高い場合は、ポリオール(b1)で所望の濃度まで希釈することができる。所望される場合、EP−418039およびWO94/125333に記載されているような共反応体とポリイソシアネートとの特殊な添加のやり方を使用することができる。
共反応体とポリイソシアネートとの相対量は、一般的に、ポリイソシアネートと反応することの可能な共反応体中の水素原子の数がイソシアネート基の数を上回るように選択される。 粒状物質を製造するのに使用されるポリイソシアネートは、1分子当たり少なくとも2個、好ましくは、2−4個のイソシアネート基を有するいずれかの化合物である。ポリイソシアネートは、脂肪族、芳香族または脂環式であってもよいが、芳香族タイプが、それらの性質および反応性により好ましい。これらタイプの典型的なものは、例えば、m−またはp−フェニルジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート(および異性体)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチルフェニル−2,4−フェニルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートおよび3,3’−ジメチルジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネートのようなジイソシアネート類;トルエン−2,4,6−トリイソイアネートのようなトリイソイアネート類;および、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートのようなテトライソシアネート;ならびに、種々のポリメチレン−ポリフェニルポリイソシアネート(高分子または粗製のMDI)のようなその他のポリイソシアネート類である。
共反応体は、複数の−OH、>NHおよび/または−NH2基と、活性水素原子当たりの当量400以下、好ましくは、200以下とを有する物質である。共反応体は、ポリオール中in situでポリイソシアネートと反応するので、共反応体は、ポリイソシアネートに対して、ポリオールよりも反応性であることが好ましい。好ましい共反応体は、アルカノールアミン類、低当量アミン開始ポリエーテルポリオール類、アルキレンオキシド、アクリロニトリルまたはアクリルエステルのアミン付加体;アミン類、第1級アミン類、第2級アミン類、ヒドラジン類、ジヒドラジド類、尿素、アンモニア、マンニッヒ縮合体;低当量ヒドロキシル末端化合物、例えば、エチレングリコール、グリセリン、グリコールエーテル類、ペンタエリスリトール、アミノベンゼン類;または、これらの混合物である。これらのうち、アルカノールアミン類が最も好ましい。適切なアルカノールアミン類としては、モノ−、ジ−およびトリアルカノールアミン類、特に、アルカノール基が2−6個、好ましくは、2−3個の炭素原子を有するものが挙げられる。モノ−およびジアルカノールアミン類は、また、1個のN−アルキル置換基、好ましくは、1−6個の炭素原子を有する1個のN−アルキル置換基を有してもよい。
これらのうちで好ましいものは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミンおよびN−プロピルイソプロパノールアミンである。
適切な第1級および/または第2級アミン類としては、多価脂肪族アミン、芳香族脂肪族アミン、脂環式アミンおよび芳香族アミン類が挙げられ、例えば、エチレンジアミン、1,2−および1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリメチルジアミノヘキサン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミンの高級同族体、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびテトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミンの同族体、4−アミノベンジルアミン、4−アミノフェニルエチルアミン、ピペラジン、N,N’−ビスアミノエチルジプロピレントリアミンおよび1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサンが含まれる。
適切なヒドラジン類としては、ヒドラジンそれ自体;および、C1−C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基のような置換基を有するモノ置換またはN,N’−ジ置換ヒドラジン類が挙げられる。これらのうち、ヒドラジンそれ自体が好ましい。
適切なヒドラジド類としては、多官能価カルボン酸類、例えば、炭酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸のヒドラジド類;ヒドラジンモノカルボン酸の2価または多価アルコール類およびフェノール類とのエステル類が挙げられる。これらヒドラジド類は、好ましくは、分子量90−1000を有する。
反応体は、有益には、混合物が液体であり、かつ、反応体が分解しないいずれかの温度で混合されるが、好ましくは、0〜170℃、さらに好ましくは、15〜70℃で混合される。イソシアネートと共反応体とは、複数の小さな粒子の形成を促進するために、有益には、撹拌しつつ、混合される。粒子寸法を最適とし、生成する分散液の粘度を最小とするために、通常、速い撹拌が望ましい。この方法は、US特許No.4,374,209に記載されているように、バッチ式でも、連続式でも実施することができる。
ポリイソシアネートと共反応体との反応は、発熱的であることが多く、迅速に進行し、本質的には、大部分の場合、1分〜3時間で、好ましくは、1〜30分で完了するが、これは、ポリイソシアネートと共反応体との選択、バッチサイズおよび初期温度に幾分依存する。撹拌は、好ましくは、反応期間を通して行われる。
所望とあらば、反応を促進するために、ポリイソシアネートと共反応体との反応のための触媒を使用することができる。適切な触媒としては、ポリウレタン類を製造するためにこの分散液を使用することについて以下に記載したものが挙げられ、有機錫触媒が好ましい。触媒の量は、有益には、ポリオールに基づき、1重量%以下、好ましくは、0.1重量%以下、さらに好ましくは、0.05重量%以下である。しかし、触媒は、必ずしも必要ではなく、特に、より反応性の共反応体では必要ない。
分散粒状物質を含むポリオールが一度製造されると、ポリオール組成物(b)は、水とポリオール(b3)とを加え、混合することによって製造される。
このポリオール組成物(b)に、ウレタンおよび尿素結合の形成を促進する触媒(例えば、第3級アミンおよび有機錫触媒)、当量31〜200未満を有し、2−8個のイソシアネート反応性水素原子を有する鎖延長剤及び架橋剤(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュクロース、分子量400未満を有するポリエチレングリコール、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、シクロヘキサンジアミン、フェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、アルキル化されたジフェニルメタンジアミンおよびエチレンジアミン);界面活性剤;安定剤;難燃剤;充填剤;抗酸化剤;抗微生物剤;着色剤;および、水以外の発泡剤(例えば、加圧下、ポリイソシアネートまたはポリオール組成物を介して供給される気体または液体のCO2)のようなそれ自体公知の添加剤および助剤を添加できる。
発泡体は、ポリイソシアネート組成物(a)およびポリオール組成物(b)を合わせ、混合し、その混合物を反応させることによって製造される。その相対量は、70−120で変化させることができ、当業者であれば、選択されるポリイソシアネートおよびポリオール組成物より容易に計算することのできる所望される指数に依存する。ポリイソシアネート組成物(a)およびポリオール組成物(b)の使用のさらなる利点は、指数70−120で操作するために、組成物の相対量を過度に異ならせないことであり、これにより、組成物の計量および混合が容易となる。
本方法は、連続式または不連続式のスラブ材軟質発泡体を製造するために使用することができ、成形される軟質発泡体は、いわゆるフォームインファブリック(foam−in−fabric)およびポアインプレース(pour−in−place)用途を含む開放式金型または密閉式金型で製造される。
本発明に従い製造される軟質発泡体は、フリーライズ密度20−60kg/m(ISO845)を有することができ、マットレス、クッション、家具シートおよび自動車用シートに使用することができる。
本発明に従う方法は、ワンショットプロセス、プレポリマープロセスまたは半−もしくは準−プレポリマープロセスに従い実施することができる。プレポリマーおよび半−または準−プレポリマープロセスにおいて、ポリオール組成物に使用されるポリオール類の全部または一部は、ポリイソシアネートと水との反応、すなわち、発泡が生ずる前に、過剰量のポリイソシアネートと予備反応される。プレポリマーまたは半−もしくは準−プレポリマープロセスを使用する場合、好ましくは、ポリオール(b1)の全部または一部のみが予備反応させられる。ポリイソシアネート組成物中の成分の量を計算するにはいずれの予備反応されるポリオールも考慮せず、ポリオール組成物中の成分の量を計算するために考慮することに留意すべきである。
本発明は、また、このようなプレポリマーおよび半−プレポリマー組成物にも係る。好ましくは、このような組成物は、遊離のNCO含量8−38重量%、好ましくは、12−26重量%を有し、これらは、前記したポリイソシアネート組成物(a)を含有し、前記ポリイソシアネートの一部は、ポリオール(b1)との付加体を含有するウレタンの形で存在し、この付加体の量は、好ましくは、ポリイソシアネート組成物の30−60重量%である。
本発明に従うこのようなプレポリマーまたは半−プレポリマー組成物は、好ましくは、過剰量のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);および、所望により、高分子または粗製のMDI(MDIとイソシアネート官能価3以上を有するその同族体を含む)とポリオールとを反応させ、この反応生成物にトリレンジイソシアネート(TDI);および、所望により、MDIおよび/または高分子または粗製のMDIを付加することによって製造される。高分子または粗製のMDIは、ポリオールとの反応に使用さるべきMDIに付加することができ、高分子または粗製のMDIは、MDIとポリオールとの反応生成物に付加させることができ、高分子または粗製のMDIの一部は、ポリオールと反応させられるべきMDIに付加され、他方、他の一部は、かくして得られる反応生成物に付加される。
MDI;(および、所望により、高分子または粗製のMDI)とポリオールとの間のプレポリマーを製造するための反応は、公知のように、成分を混合し、それらを反応させることによって行われる。好ましくは、反応は、NCO価の変化がもはや観測されなくなるまで、60−100℃で行われる。通常、その反応は、1−4時間で完了する。ウレタン基の形成を高める触媒を、所望とあらば、使用することができるが、必ずしも必要ではない。場合によっては、使用されるポリオール類は、少量の触媒またはその残渣を含有している(これらは、このようなポリオールを製造するために使用され)、これら触媒または残渣の存在は、MDIとポリオールとの反応について有害作用を有し;これを克服するためには、酸または酸ハライド、例えば、ベンゾイルクロライド、トルエンスルホニルクロライドまたはチオニルクロライドをその成分に対して少量(一般的に、1000ppm未満)加えることができる。反応が完了した後、生成物は、TDI;および、所望により、さらなるMDI、高分子MDIおよび/または粗製のMDIと混合される。
実施例1及び実施例2
(1)78.6重量%の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと21.4重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを含有する43.0重量部のジフェニルメタンジイソシアネートおよび11.0重量部のNCO価30.7重量%および数平均官能価2.7(Suprasec 2185,Suprasecは、ICIの商標である。)を有するポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを混合し、(2)この混合物に、表示官能価3、数平均分子量6000およびオキシエチレン含量15重量%(全てチップ)を有する38.0重量部のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールを添加し、(3)続いて、この混合物を85℃で4時間混合および反応させることによって、プレポリマーを製造した。反応後、プレポリマーを8部の上記ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートと混合する。このプレポリマー混合物の90.1部をTDI9.9部と15分間混合することによって、イソシアネートAを製造する。このプレポリマー混合物86.6部をTDI13.4部と15分間混合することによって、イソシアネートBを製造する。
ポリオール類、水、触媒および界面活性剤を表に示した重量部の量混合することによって、イソシアネート反応性組成物を製造した。
金型内でイソシアネートAおよびBをイソシアネート反応性組成物と反応させることによって、成形軟質発泡体を製造した(金型温度65℃および寸法21.41,機械:Krauss Maffei Komet 40/20)。

これら混合物を検算すると:



ポリオールA:15%WのEO末端を含む6000MWのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレントリオール;OH価=28mg KOH/g
ポリオールB:PIPAポリオール;Daltocel XF 417 ex ICI;20%wの分散粒状物質を含有する。
ポリオールC:75%wのランダムに分布したEOを有する4000MWのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレントリオール;OH価=42mg KOH/g
ポリオールD:14.2%wの末端EOを有する4700MWのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレントリオール;OH価=36mg KOH/g
Dabco 33lv:Air Productsによって供給されているアミン触媒
Niax Al:Osi Specialitiesによって供給されているアミン触媒
B 4113:Th.Goldschmidt AGによって供給されているシリコーン界面活性剤
型から取り出した後(5分後)、以下の表に記載したような性質を有する発泡体が得られた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離NCO含量8−38重量%を有するプレポリマーまたはセミーまたは準プレポリマー組成物であって、組成物の100重量部当たり、トリレンジイソシアネート5〜20重量部;および、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびイソシアネート官能価3以上を有するその同族体80―95重量部を含み、ジフェニルメタンジイソシアネートの量がジフェニルメタンジイソシアネートおよび同族体の合計量に基づき計算して70―95重量であり、ジフェニルメタンジイソシアネートが、このジフェニルメタンジイシシアネートの重量に基づき計算して、オルト位に少なくとも1個のNCO基を含有するジフェニルメタンジイシシアネート8―45重量%を含むポリイソシアネート組成物を含有し、前記ポリイソシアネートの一部は、下記(b)(1)のポリオールとの付加体を含有するウレタンの形で存在する組成物。
(b)(1)平均表示ヒドロキシル官能価2−6、平均当量1000−4000を有し、オキシエチレン基5―25重量%を含有するポリオキシエチレンーポリオキシプロピレンーポリオール;
【請求項2】
遊離NCO含量が12−26重量%である請求項1に記載のプレポリマーまたはセミーまたは準プレポリマー組成物。
【請求項3】
付加体の量が、ポリイソシアネート組成物の30−60重量%である請求項1または2項に記載のプレポリマーまたはセミーまたは準プレポリマー組成物。
【請求項4】
3個のNCO基を有する同族体対4個以上のNCO基を有する同族体+副生物の重量割合が1.0未満である、請求項1−3のいずれか1項に記載のプレポリマーまたはセミーまたは準プレポリマー組成物。

【公開番号】特開2007−327068(P2007−327068A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211138(P2007−211138)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【分割の表示】特願平10−544787の分割
【原出願日】平成10年2月16日(1998.2.16)
【出願人】(500030150)ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】