説明

軟骨再生、痛症の抑制及び浮腫抑制用生薬組成物

本発明は複合生薬抽出物を含有する軟骨再生、痛症の抑制及び浮腫抑制用生薬組成物に関するものであって、より詳細に木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する本発明の生薬組成物は、毒性等の副作用がないだけでなく関節軟骨細胞を再生させて痛症及び浮腫を抑制させるため、医薬品、健康増進食品、食品添加剤及び動物飼料添加剤として有用に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、軟骨再生、痛症抑制及び浮腫抑制用生薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関節炎は、大きく骨関節炎(退行性関節炎、Osteoarthritis)とリュウマチ関節炎(Rheumatoidarthritis)に区分される。
【0003】
骨関節炎は、退行性関節炎とも呼ばれる最もありふれて見られる関節炎であって、中年又は老年に主に発生し、膝関節及び臀部関節のように体重を多く受ける関節に痛症、硬直感及び漸進的な運動障害等を招来する疾患である。骨関節炎は主に関節軟骨(cartilage)の損傷を伴うが、軟骨の損傷に主に関与するものと知られているマトリックスメタロプロテアーゼ(matrixmetalloproteinases、MMPs)が作用して軟骨組織を破壊するようになり、その周囲の骨に退行性の変化を起こす。軟骨組織が破壊されて炎症反応が進行するようになると、患者は関節部位が腫れ、痛症を感じるようになる。
【0004】
これに対し、リュウマチ関節炎は、幾つかの関節に多発性で現れる炎症性自家免疫疾患である。関節炎に罹った患者の場合、関節の滑膜(synovial membrane)組織が過形成(hyperplasia)され、同時に大食細胞(macrophage)、樹状細胞(dendriticcell)及び活性化されたTリンパ球とBリンパ球が滑膜組織に移動して多形核細胞(polymorphonuclear cell)は、滑液(synovialfluid)内と軟骨(cartilage)表面に蓄積されて炎症を誘発するようになる。
【0005】
また、滑膜組織の過形成は、関節炎において血管のない軟骨部に発生する結合組織症であるパンヌス(pannus)を形成して疾患関節の軟骨と骨組織を非可逆的に破壊して痛症を誘発するようになるが、ここには軟骨組織破壊因子として知られたMMPs等が作用する。
【0006】
骨関節炎及びリュウマチ関節炎等、全ての関節炎治療の理想的な目標は、疾患関節の軟骨と骨組織を保護、維持させ、適切に痛症を抑制することである。
【0007】
痛症を引き起こす有害刺激は、機械的、熱的、化学的刺激に区分される。このような有害刺激は、痛症を伝達するAδ,C線維の自由神経終末(free nerve ending)である痛覚受容器により認識され、強くて持続的な刺激は組織の損傷と炎症を誘発する。
【0008】
病理的痛症(pathologicalpain)は、有害刺激による組織又は神経損傷、炎症、ウイルス感染等により発生し、痛症に対する感受性の増加(pain hypersensitivity)を特徴とする。
【0009】
炎症が誘発されると免疫細胞(immunecell)や損傷を受けた細胞(damaged cell)においてインターロイキン-1(IL-1α, IL-1β)、IL-6、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)等の炎症性サイトカイン(proinflammatorycytokines)と、それ以外のブラジキニン(bradykinin)、酸化窒素(NO)、プロスタグランジン(prostaglandin)等の痛症性物質(algesicmediators)を生産、分泌し、これらが痛症の感受性を高めるものと知られている。
【0010】
これに対し、炎症が誘発された組織(inflamedtissue)では、痛症を抑制するエンドルフィン(endorphin)、エンケファリン(enkephalin)、ダイノルフィン(dynorphin)等のオピオイドペプチド(opioidpeptides)や、IL-4、IL-10、IL-13のような抗炎症性サイトカイン(anti-inflammatory cytokine)をもまた分泌し、鎮痛効果(analgesiceffect)を示す。
【0011】
一方、関節保護において核心的な構成要素である膝の軟骨は、大腿骨と脛骨の表面を覆っており、摩擦力を減らすことによって強い力を受ける膝関節が磨耗するのを防止する。ところが、骨関節炎においては、軟骨気質の破壊により軟骨表面の線維化と亀裂が生じるようになり、結局、完全に侵食されて消えてしまう。
【0012】
このような軟骨気質の代謝には、MMP-1,MMP-3, MMP-13のようなMMPsが重要な作用をし、また、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)、IL-6、TNF-αとそれ以外のプロスタグランジン、酸化窒素(NO)等の炎症性物質(inflammatorymediators)が関与する。
【0013】
機械的な刺激等によって活性化された軟骨細胞(chondrocyte)において分泌されたMMPsは、軟骨の主な構成成分であるコラーゲンとプロテオグリカンを分解させ、炎症性サイトカインとそれ以外の炎症性物質は活性化された軟骨細胞において生成されるMMPsの分泌を促進させてMMPsの活性を高めるだけでなく、炎症細胞を刺激して炎症を弱化させる。
【0014】
MMPsの活性は特異的なメタロプロテイナーゼ組織阻害物質(Tissueinhibitor of metalloproteinase: TIMPs)により調節されることから、TIMPsの上方調節(up-regulation)はMMPsの活性を抑制して軟骨気質の保護効果をもたらし得る。それだけでなく、IL-4、IL-10、IL-13を含む抗炎症性サイトカインの増加もまた、炎症性サイトカインの生産を抑制し、TIMPsの生産を促進して軟骨気質を保護する作用をする。
【0015】
これまで多くの関節炎の治療剤は、単に炎症及び痛症の抑制に焦点を合わせて開発されてきたのであり、実質的に軟骨を再生させる効果を備えた薬品は現在まで開発されていない。また、今までに使用された薬品も効果が非常に制限的であって、一旦関節炎が発生すると、患者の深刻な苦痛はもちろん、経済的な損失をもたらしている。現在、骨関節炎及びリュウマチ関節炎の治療のために非ステロイド性消炎剤(non-steroidal anti-inflammatory drug; NSAID)、金を含む化合物薬物(gold drugs)、ペニシラミン(penicillamine)及び抗マラリア剤(anti-malarials)のような抗関節炎薬物(diseasemodifying anti-rheumatic drug; DMARD)等が使用されている。ところが、この薬物は深刻な副作用を伴う問題点がある。
【0016】
最近、生薬材を利用した関節炎治療剤の開発が活発に行われているが、これらは炎症反応の抑制を主な目標とし、治療効果が低いとの限界を有している。したがって、副作用が少なく関節炎による痛症及び浮腫を抑制させ、軟骨組織を再生する効果が優れた関節炎治療剤の開発が求められている。
【0017】
本発明の組成物に含まれる主成分である、木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風は、一般的に漢方薬材として広く知られているだけでなく、毒性等の副作用が少ない特徴を有している。
【0018】
これら、それぞれの生薬の特性と具体的な作用を調べてみると次のとおりである。
【0019】
木瓜は、バラ科(Rosaceae)のカリン(Chaenomelessinensis KOEHNE)又はボケ (Chaenmeles speciosa NAKAI)の成熟した実を乾燥させたものを指すのであって、昔から漢方では木瓜が脾臓を浄化させ、湿気を取り除く薬物として認識され急性胃腸病、脚気、筋肉痛、関節炎、神経痛に効能がある薬剤として処方されており、咳止め、去痰、肺炎、気管支炎等にも効果があるものと知られている(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0020】
牛膝は、ヒユ科(Amaranthaceae)の猪子槌(Achyranthesjaponica Miq. NAKAI)の地下部を指すものであって、懐牛膝(Achyranthes bidendata BLUME)及び川牛膝(Cyathulaofficinalis KUAN)の根の二種類が常用される。昔から牛膝は、体の冷気と湿気を除去することによって関節を通じるようにして活血、通経の作用があり、筋骨を丈夫にして肝臓を保護し腎臓を補益する効能があることで知られている(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0021】
五加皮は、ウコギ科(Araliaceae)のウコギ(Acanthopanaxgracilistylus W. W. SMITH)の根皮であり、一般的に南五加皮と称する。漢方では風湿を取り除き、筋骨を強くする効能がよく知られており、利水作用があって水腫等を治療するのに応用されて来た(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0022】
桂皮は、クスノキ科(Lauraceae)の桂樹(Cinnamomumcassia BLUME)の樹皮をそのまま使用するか、又は周皮を除去したものをいい、特異な香りと甘辛い味を備えていて漢方では風邪、鎮痛、鎮経等に多く配合されて使用して来た(現代生薬学、学窓社、1993)。
【0023】
ジンギョウは龍膽科(Gentianceae)の秦ぎょう(Gentiana macrophylla PALLAS)の根であり、漢方では風湿を取り除き、虚熱を清める等の効能が知られており、手足麻痺等の疾患に応用されて使用されて来た(常用薬用植物図鑑、パクジョンヒ・イジョンギュ共著、新日常社、pp391-393、2000; 重薬本草学、保健新聞社、pp311-313、1998)。
【0024】
威霊仙はキンポウゲ科(Ranunculaceae)のシナボタンツル(Clematismandshurica MAX.)の根であり、昔から痛風の要薬として使用されて来た(常用薬用植物図鑑、パクジョンヒ・イジョンギュ共著、 新日常社、pp303-305、2000;重薬本草学、保健新聞社、pp309-310、1998)。
【0025】
当帰はセリ科(Umbelliferae)の韓当帰(AngelicagigasNAKAI)の根を乾燥させたものを指すのであり、中国では当帰(Angelica sinensis DIELS)の根を乾燥させたものを使用し、日本ではホッカイトウキ(Angelicaacutiloba KITAGAWA)の根を乾燥させたものを使用して来た。当帰は補血、活血の効能と虚を補充する作用により血病の要薬として婦人の産後病、貧血、頭痛等の治療に効果的に処方されて来た(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0026】
センキュウはセリ科(Umbelliferae)属の植物であって、その種類としては韓国自生のセンキュウ(Cnidiumofficinale MAKINO)、野生品である土センキュウ(Ligusticumwallichii FRANCH var. officinale YOOK)、オオバセンキュウ(Angelicagenuflexa MUTT)及び中国産センキュウ(Ligusticumchuaxiong HORT)の根茎を指すものであって、昔から当帰と共に産婦人科の要薬として貧血、頭痛、滋養強壮等、各種の処方に配合されてきた(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0027】
天麻は蘭草科(Orchidaceae)の天麻(Gastrodiaelata BLUME)の根茎外皮を除去し、蒸して乾燥させたものを指す言葉であって昔から頭痛の要薬として分類され、頭痛、めまい等の治療に使用されて来た(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0028】
紅花はキク科(Compositae)のベニバナ(Carthamustinctorius L.)の冠状花を乾燥させたものを指す言葉であって、夏に花が咲いて花の色が黄色から真っ赤に変化するときに摘んで冷暗所で乾かして使用し、漢方では婦人病、冷え性、更年期障害等の血行障害の治療に使用することで知られている(常用薬用植物図鑑、パクジョンヒ・イジョンギュ共著、新日常社、pp343-345、2000; 重薬本草学、保健新聞社、pp501-502、1998)。
【0029】
続断はシソ科(Labiatae)の続断(Phlomisumbrosa TURCZ.)の根を称するものであり、血脈を通じさせる作用が強く、打撲、骨折等の症状を治療するのに使用し、また、組織再生を促進する作用が知られている(パクジョンヒ他、常用薬用植物図鑑、2000;重薬本草学、1998)。
【0030】
防風はセリ科(Umbelliferae)のボウフウ(Ledebouriellaseseloides WOLF.)の根を乾燥させたものを指す言葉であり、漢方では湿を治療し風病の主薬として知られている。解熱、鎮痛薬として風邪、頭痛、関節痛、四肢痙攣、破傷風等に有用に使用されて来た(常用薬用植物図鑑、パクジョンヒ・イジョンギュ共著、新日常社、pp160-161、2000; 重薬本草学、保健新聞社、pp169-171、1998)。
【0031】
以上のように、これらそれぞれの生薬は各種の傷や腫れ物、肺炎、気管支炎等、急・慢性炎症と貧血、頭痛、風邪及び神経痛等に一般的に使用される薬剤で構成されており、それぞれの生薬材は固有の薬理作用及び主効能を備えている。
【0032】
これら生薬材で構成された複合生薬剤であるPG201は、リュウマチ性関節炎ラットモデルと骨関節炎ウサギモデルにおいて軟骨の保護効果と抗炎症効果が確認された(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】S. S. Shin, et al., J Rheumatol, 42,pp.665-672, 2003; KC Park, et al., Biochem Bioph Res Co, 331, pp.1469-1477,2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかし、実際に関節炎モデルにおいて軟骨組織再生の効果は確認されておらず、関節炎の患者が患っている重要な症状のうち一つである痛症抑制力に対する効果も確認されなかった。
【0035】
よって、本発明者は動物実験を通じてPG201が軟骨組織の再生と痛症及び浮腫の抑制効果を示すことを確認することにより、本発明を完成させるようになった。
【0036】
本発明の目的は副作用がほとんどなく、軟骨再生効果だけでなく痛症及び浮腫の抑制作用を示す薬学組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
前記目的にしたがって、本発明は木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、軟骨再生、痛症の抑制及び浮腫抑制用の薬学組成物を提供する。
【0038】
また、本発明は木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能の向上及び痛症緩和のための健康増進食品を提供する。
【0039】
また、本発明は木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能の向上及び痛症緩和のための食品添加剤又は動物飼料の添加剤を提供する。
【0040】
木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する本発明の生薬組成物は、毒性等の副作用がほとんどないだけでなく関節軟骨細胞を再生させ、痛症および浮腫を抑制させるため、医薬品、健康増進食品、食品添加剤及び動物飼料の添加剤として有用に使用され得る。
【0041】
本発明の前記及び他の目的と特徴は、添付の図面と共に下記の本発明の説明から明確になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、コラゲナーゼ-誘導関節炎ウサギモデルを利用した軟骨再生効果の実験過程を示した模式図である。
【図2】図2は、コラゲナーゼ-誘導関節炎ウサギモデルを利用した軟骨再生効果の実験において各実験群の軟骨再生効果を示したグラフである。
【図3】図3は、PG201のアカントサイドDのHPLCクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の薬学組成物は、有効成分である前記生薬抽出物を全体組成物の0.01乃至95重量%、好ましくは1乃至80重量%の量で含む。
【0044】
また、本発明の薬学組成物は、木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.5〜1.5:1の重量比で含むか、又は前記比率で混合された生薬混合物から抽出された抽出物を含み得る。
【0045】
また、本発明の薬学組成物の有効成分である前記生薬抽出物は、アカントサイドD(Acanthoside D)を含有する。前記アカントサイドDは全体の生薬抽出物に対して0.01〜0.05重量%で含有され得る。
【0046】
また、本発明の薬学組成物は、本発明の組成物が示すものと同一又は類似した効果を示すものとして当業界に知られている他の生薬の抽出物をさらに含み得る。
【0047】
本発明の組成物に含有される生薬抽出物は、通常の乾燥方法により生薬自体をそのまま又は細切り或いは粉末の形態にして、通常の抽出方法、例えば熱水抽出又は有機溶媒で抽出して製造することができる。また、本発明の組成物は、生薬抽出物として前記抽出物を乾燥させて得られた乾燥粉末又は市販されている生薬抽出物粉末の混合物を含み得る。抽出物の製造時に生薬は乾燥したもの、乾燥していないもの又はこれらを互いに混合した状態のものを使用することができる。
【0048】
本発明の組成物に含まれる抽出物は、例えば乾燥させた生薬を細切りにした後、約1倍乃至20倍の重量の水、有機溶媒又はこれらの混合溶媒、好ましくは10乃至100%(v/v)エタノールで、10℃乃至100℃の抽出温度で約1時間乃至10日間、熱水抽出、冷浸抽出、超音波抽出又は還流冷却抽出等の抽出方法により1回乃至5回繰り返して抽出した後、抽出物を濾過、減圧濃縮又は凍結乾燥して製造され得る。前記有機溶媒としては、C1-4低級アルコール、エチルアセテート、クロロホルム、ヘキサン、ジクロロメタン等を例示することができる。
【0049】
本発明の薬学組成物は、本発明の試験例において確認されたように、関節炎ウサギモデルを利用した生体内実験において優れた軟骨再生効果(図2を参考)を示し、PBQ-誘導捻り実験(PBQ-induced writhing test)において優れた痛症抑制効果(表1を参考)を示す。また、カラギナン誘導-足浮腫実験(Carrageenan-inducedpaw edema test)において優れた浮腫抑制効果(表2を参考)を示す。
【0050】
本発明の関節炎治療及び痛症緩和用の薬学組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含み得る。
【0051】
このような担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油を挙げることができる。
【0052】
本発明による生薬組成物を含む組成物は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、内用液剤、エアロゾール等の経口形剤形、及びトラスト剤、パッチ剤のような外用剤、非水性溶剤、凍結乾燥製剤及び滅菌注射剤のような多様な非経口形剤形の形態で剤形化して使用することができる。
【0053】
製剤化する場合には、薬剤学の分野において通常的に使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、補助剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤等の添加剤を必要に応じて適切に選択して使用することができる。
【0054】
本発明の薬学組成物の投与量は患者の年齢、性別、体重に応じて異なり得るが、一般的に0.01乃至10gの量、好ましくは1乃至5gの量を一日1回乃至3回に分けて投与することができる。また、前記投与量は投与経路、疾病の程度、性別、体重、年齢等に応じて増減し得る。したがって、前記投与量はどのような面においてでも本発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
本発明はまた、木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能の向上、及び痛症緩和のための健康増進食品を提供する。
【0056】
本発明の健康増進食品は、前記生薬抽出物を全体組成物の0.01乃至95重量%、好ましくは1乃至80重量%の量で含む。
【0057】
また、本発明の健康増進食品に含まれる生薬の重量比及び製造方法は、上記のとおりである。
【0058】
本発明の健康増進食品は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル又は飲料の形態であり得、健康増進のためのその他の天然又は合成物質及び製品化のための添加物等をさらに含み得る。
【0059】
本発明の健康飲料は、100mlを基準として前記生薬抽出物を1乃至30g、好ましくは3乃至10gの比率で含有し得る。また、指示された比率で必須成分として前記抽出物を含有する以外には液体成分には特別な制限点はなく、通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭水化物等を追加成分として含有し得る。上述した天然炭水化物の例は、モノサッカライド、例えばブドウ糖、果糖等、ジサッカライド、例えばマルトース、スクロース等、及びポリサッカライド、例えばデキストリン、シクロデキストリン等のような通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトール等の糖アルコールである。上述したもの以外の香味剤として天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えばレバウジオシドA、グリシルヒジン等)及び合成甘味剤(サッカリン、アスパルテーム等)を有利に使用することができる。前記天然炭水化物の比率は、本発明の組成物100ml当り一般的に約1〜20g、好ましくは約5〜12gである。
【0060】
前記以外に本発明の組成物は様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤等の風味剤、着色剤及び充填剤(チーズ、チョコレート等)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤等を含有し得る。それ以外に本発明の組成物は、天然果実ジュース及び果実ジュース飲料並びに野菜飲料の製造のための果肉を含有し得る。このような成分は独立して、又は組み合わせて使用することができる。このような添加剤の比率は、本発明の組成物100重量部当り0乃至約20重量部の範囲において選ばれるのが一般的である。
【0061】
本発明の前記抽出物を添加することができる健康増進食品としては、例えば各種食品類、飲料類、ガム類、ビタミン複合剤、健康補助食品類等がある。
【0062】
本発明はまた、木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能の向上及び痛症緩和のための食品添加剤、又は動物飼料の添加剤を提供する。
【0063】
本発明の食品添加剤又は動物飼料の添加剤は、前記生薬抽出物を全体組成物の0.01乃至95重量%、好ましくは1乃至80重量%の量で含む。
【0064】
また、本発明の食品添加剤又は動物飼料の添加剤に含まれる生薬の重量比、及び製造方法は上記のとおりである。
【0065】
本発明の前記添加剤は、通常の方法により食品又は飼料を製造する際に原料に添加したり、最終的に製造された食品又は飼料に添加され得る。
【0066】
以下、下記実施例により本発明をさらに詳細に説明することにする。ただし、下記の実施例は本発明を例示するためのものであるだけであって本発明の範囲がこれらにのみ限定される訳ではない。
【実施例】
【0067】
実施例1:生薬の極性溶媒可溶抽出物(PG201)の製造(1)
京東市場にて購入し慶熙大学校の韓薬学室にて検証を受けた、乾燥状態の木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の以上12種類の生薬材を洗浄して材料の表面に存在する異物質等を取り除いた後、乾燥機にて乾燥させた。その後、木瓜62.3g、牛膝62.3g、五加皮62.3g、桂皮62.3g、ジンギョウ38.9g、威霊仙38.9g、当帰38.9g、センキュウ38.9g、天麻38.9g、紅花38.9g、続断31.1g及び防風31.1gを混合し、この混合生薬材544.8gに1.6lの25%エタノールを加えてよく撹拌しながら、常温にて3日間抽出した。生薬抽出物を濾過して得た濾液を55〜65℃で減圧、濃縮した後、凍結乾燥させて生薬組成物粉末エキス(PG201)を製造した。
【0068】
実施例2:生薬の極性溶媒可溶抽出物(PG201)の製造(2)
木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の以上12種類の生薬材を洗浄して、材料の表面に存在する異物質等を取り除いた後、乾燥機にて乾燥させた。その後、木瓜62.3g、牛膝62.3g、五加皮62.3g、桂皮62.3g、ジンギョウ38.9g、威霊仙38.9g、当帰38.9g、センキュウ38.9g、天麻38.9g、紅花38.9g、続断31.1g及び防風31.1gのそれぞれに1.0〜1.5lの25%エタノールを加えてよく撹拌しながら、常温にて3日間抽出した。生薬抽出物を濾過して得た濾液を55〜65℃で減圧、濃縮してから凍結乾燥させて各生薬組成物粉末を得た後、混合して粉末エキス(PG201)を製造した。
【0069】
試験例1:コラゲナーゼ-誘導関節炎ウサギモデルを利用したPG201の軟骨再生効果
関節炎の誘発時に、前記実施例1において製造されたPG201の軟骨再生効果を確認するためにコラゲナーゼ-誘導関節炎ウサギモデルの実験を実施した(T.Kikuchi, et al, Osteoarthritis and Cartilage 6, pp177-186, 1998)。
【0070】
ステップ1. コラゲナーゼ-誘導関節炎ウサギモデルの製造
コラゲナーゼ-誘導関節炎(collagenase-inducedarthritis、CNIA)のウサギモデルは、ヒトの関節炎と類似した特徴を備えた骨関節炎モデルであって、下記のように製造した。
【0071】
ニュージーランドホワイトラビット(オス、11週齢、オリエントバイオ、韓国)にケタミン(KETAMIN、柳韓、韓国)45mg/kg及びキシラジン(xylazine、バイエル、韓国)2mg/kgを筋肉注射して麻酔させた。コラゲナーゼ(Clostridiumhistolyticum、タイプII、酵素活性626 ユニット/mg、Sigma社、米国)2.91mgを生理食塩水(Phosphate bufferedsaline、 PBS)4 mlに混合してエマルジョン化(emusification)した後、このエマルジョン化されたコラゲナーゼ溶液をウサギの毛を剃った右足関節内に250μlを注射した。正常なウサギには同一量の生理食塩水を右足関節内に注射した。1次注射の後、4日目に上記と同一の方法でエマルジョン化されたコラゲナーゼ溶液を右足関節内に2次注射して骨関節炎を誘導した。正常なウサギには同一量の生理食塩水を右足関節内に注射した(図1参照)。
【0072】
ステップ2. 骨関節炎誘導後の軟骨再生効果の実験
(2-1)実験方法
1次コラゲナーゼ注射の後、当日より毎日、経口投与用の胃腸挿入管を利用して試験物質を経口投与した。治療グループは、実施例1において製造されたPG201を滅菌水を利用して400mg/mlの濃度にした後、これを200mg/kgで経口投与した。一方、陰性対照群には飲用水のみを経口投与し、正常群のウサギにもやはり飲用水を経口投与した。
【0073】
5週間経口投与した後、軟骨合成測定法(Cartilagesynthesis assay)を行った。右足の軟骨を薄く切って30mgを定量した後、血清を含まない培地(Dulbecco’s Modified Eagle’sMedium, Serum-free)1mlに溶かした。同位元素が表示された [35S]NaSO4(1mCi/ml、PerkinElmer社、米国) 20μlをチューブに入れて37℃の培養器で24時間培養した。培養液を採取して12000rpmにおいて5分間遠心分離した後、上澄液を除去し、0.5MNaOHを1ml添加して48時間、4℃でゆっくりと撹拌させた後、PD-10フィルターカラムを利用して精製してからシンチレーション計数器(Scintillationcounter)で放射能力を測定した。
【0074】
(2-2)実験結果
ウサギの右関節部位の軟骨合成の程度を調査した結果、PG201投与群が陰性対照群に比して軟骨再生の程度が顕著に高く表れた。即ち、軟骨合成の程度を基準として調査した場合、正常に比して陰性対照群は軟骨の損失が36%発生したのに対し、PG201投与群は軟骨の損失が19%に減少した。その結果、本発明のPG201が関節炎による軟骨の損失を顕著に減少させることにより軟骨の保護効果を有するということを確認した(図2参照)。
【0075】
試験例2:PBQ-誘導捻り実験(PBQ-induced writhing test)を通じたPG201の痛症抑制効果
PG201の痛症抑制力を測定するために、PBQ(para-benzoquinone)誘導捻り実験を実施した。6週齢のオスSDラットに滅菌水(陰性対照群)、PG201を400mg/kg(PG201群)、陽性対照群に非ステロイド性消炎鎮痛剤であるジクロフェナク(Diclofenacsodium、Sigma社、米国)を30mg/kg(ジクロフェナク群)と市販中である天然物由来の消炎鎮痛剤であるジョインス錠(JOINS C. TAB., SKケミカル社、韓国)400mg/kg(ジョインス錠群)をそれぞれ経口投与した。投与2時間経過後、PBQを1mg/kgの容量で腹腔に注射して痛症を誘発させた。PBQ注射10分後から30分間、総捻れ回数から痛症抑制力(%)を下記数学式1のように計算した(Thuy,T. C. et al., J. Pharmacol Exp Ther. 248(3): pp907-915、1989)。
【0076】
[数1]
痛症抑制力(%)=(陰性対照群の捻れ回数−薬物投与群の捻れ回数)/(陰性対照群の捻れ回数)×100
【0077】
実験の結果、下記表1に示されているとおり、陽性対照群として使用されたジクロフェナクは痛症を92%抑制しており、ジョインス錠は痛症抑制力を示さなかった。これに比してPG201は23%の痛症抑制力を示したところ、既存の天然物の関節炎治療剤に比して優れた痛症抑制効果を示すことを確認した。
【0078】
【表1】

【0079】
試験例3:カラギナン足浮腫実験(Carrageenan-induced paw edema test)を通じた浮腫抑制効果
PG201の浮腫抑制力を測定するためにカラギナン誘導足浮腫実験を実施した。6週齢のオスSDラットに滅菌水(陰性対照群)、PG201400mg/kg(PG201群)、陽性対照群にジクロフェナク30mg/kg(ジクロフェナク群)とジョインス錠400mg/kg(ジョインス錠群)をそれぞれ経口投与した。経口投与2時間後に1%水溶液状態のカラギナン50μlを右後足の裏に血を出し、接種した。接種直後と接種3時間後に後足の体積を水銀置換法(mercurydisplacement method)を利用して測定した。薬物投与群の浮腫平均を陰性対照群と比較して浮腫抑制力を計算した(P. F. Moore etal. Inflamm Res. (45) pp54-61、 1996)。
【0080】
実験の結果、下記表2に示されているとおり、陽性対照群に使用されたジクロフェナクは、38%の浮腫抑制力を示し、ジョインス錠は浮腫抑制力を示さなかった。これに比べて、PG201は12%の浮腫抑制効果を示したところ、既存の天然物関節炎の治療剤に比して優れた浮腫抑制効果を示すことを確認した。
【0081】
【表2】

【0082】
試験例4:PG201のアカントサイドDの含量分析
50mlのマスフラスコにPG2011.0gと50%のメタノール20mlを入れて超音波で30分間分解した後、30分間3,200rpmで室温にて遠心分離を行った。上澄液を採取して0.45μmのシリンジフィルター(Syringefilter)で濾過して検液とした。アカントサイドDの標準品10.0 mgをメタノールに溶かして100 mlになるようにし、0.45μmのシリンジフィルターで濾過して標準品とした。標準液20μlを利用して次の条件で液体クロマトグラフ法により試験してアカントサイドDのピーク面積(AS)を得た後、検液20μlを以って同一条件でアカントサイドDのピーク面積(AT)を測定し、次の計算式でアカントサイドDの含量を計算した。
【0083】
計算式:アカントサイドD(C35H60O6:742.73)の量(mg)
=アカントサイドDの標準品の量(mg)×(AT/AS)×標準品純度
操作条件 :
検出器:紫外部吸光光度計(測定波長210nm)
カラム:Capcell Pak C18 UG80 4.6*150(5μM)
温 度:40℃
移動相:A=10% アセトニトリル、B=60% アセトニトリル
注入量:20μl
流 速:1ml/分
【0084】
【表3】

【0085】
その結果、HPLC定量法で測定したPG201試料5倍値のアカントサイドDの含量は、下記表4のとおりである。
【0086】
【表4】

【0087】
試験例5:アカントサイドDのNO生成抑制効果の実験
Raw264.7細胞を10%のFBSが含まれているDMEN培地(Invitrogen,USA)に入れて37℃、5%CO2培養器で培養した。試料を処理する6時間前、細胞を24-ウェルプレートに2×105/ウェルになるように広げておいた。6時間が過ぎて次の細胞の付着を確認してから、炎症と関連した炎症性媒介因子であるNO発現を誘導するためにリポポリサッカライド(lipopolysaccharide;LPS)を100 ng/mlで処理すると共にPG201試料5種類をそれぞれ1mg/mlで処理した。24時間後、細胞の上澄液を取り除き、遠心分離を通じて余分の細胞を除去した後、細胞上澄液でNOの発現変化を測定するためのグリース分析(Griesstest)を実施した。
【0088】
その結果、下記の表5のようにPG201試料に含まれたアカントサイドDの含量は0.01〜0.05重量%の範囲において含量が高いほどPG201試料のNO生成抑制活性が増加することを確認しており、アカントサイドDが検出されないPG201試料の場合には、NO生成抑制活性がほとんど現れないものと示された。
【0089】
【表5】

【0090】
下記に前記薬学組成物の製剤例を説明するが、本発明はこれを限定しようとするのではなく、単に具体的に説明しようとするものである。
【0091】
製剤例1.濃縮液剤の製造
実施例1の生薬組成物600mg
オリゴ糖600mg
梨濃縮液500mg
混合ビタミン30mg
イチゴ香料 適量
精製水を加えて全体を30 mlとした。通常の液剤の製造方法に従って上記の成分を混合してからポリエチレン材質の包みに充填し、滅菌して濃縮液剤を製造した。
【0092】
製剤例2.錠剤の製造
実施例1の生薬組成物300mg
乳糖85mg
とうもろこし澱粉110mg
微結晶セルロース63mg
CMC-Ca 適量
澱粉グルコン酸ナトリウム 適量
シリコンジオキシド 適量
ステアリン酸マグネシウム 適量
又は、
実施例1の生薬組成物300mg
ポリアクリル酸カリウム 80mg
ヒドロキシプロピルセルロース 40mg
硬質無水ケイ酸 160mg
グリセリンベヘネート 適量
ステアリン酸マグネシウム 適量
通常の錠剤の製造方法により上記の成分を混合して打錠し、コーティングした後、錠剤を製造した。
【0093】
製剤例3.軟質カプセル剤の製造
実施例1の生薬組成物300mg
大豆油 480mg
パーム油90mg
黄鉛30mg
通常の軟質カプセル剤の製造方法により上記の成分を混合し、コハク酸ゼラチンカプセルに充填してカプセルを製造した。
【0094】
製剤例4.硬質カプセル剤の製造
実施例1の生薬組成物300mg
乳糖 85mg
とうもろこし澱粉110mg
微結晶セルロース63mg
CMC-Ca 10mg
通常の硬質カプセル剤の製造方法により上記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセルを製造した。
【0095】
製剤例5.パッチ剤の製造
実施例1の生薬組成物 150mg
サリシル酸グリコール 150mg
L−メントール 100mg
パラオキシ安息香酸メチル 28mg
グリシリジン酸 適量
サリシル酸ジフェンヒドラミン 適量
通常のパッチ剤製造方法により上記の成分を混合して、これを約1枚(14cm×10cm、14.0g)を製造した。
【0096】
製剤例6.健康増進食品の製造
実施例1の生薬組成物 150mg
乳糖 120mg
乳清カルシウム 30mg
ビタミンD3 30mg
ビタミンC 20mg
緑茶抽出物粉末 適量
パントテン酸カルシウム 適量
L-シスチン 適量
キシリトール 適量
ステアリン酸マグネシウム 適量
【0097】
製剤例7.健康増進飲料の製造
実施例1の生薬組成物 1000mg
クエン酸 1000mg
オリゴ糖 100g
梅実 濃縮液 2g
タウリン 1g
精製水を加えて全体で900ml
通常の健康飲料の製造方法により上記の成分を混合してから約1時間、87℃で撹拌、加熱した後、製造された溶液を濾過して滅菌された2mlの容器に取得し、密封、滅菌してから冷蔵保管した。
【0098】
製剤例8.食品添加剤の製造
実施例1の生薬組成物をそのまま食品添加剤として使用するか、又は実施例1の生薬組成物と乳糖又は微結晶セルロース、或いはトウモロコシ澱粉、或いはデキストランを1:1で混合して撹拌した後、40-70℃にて3〜9時間熱風乾燥するか、真空乾燥機を利用して40-60℃、760mmHgにて真空乾燥させるか、流動層乾燥機で乾燥させるか、或いはスプレー乾燥させて混合パウダー形態の食品添加剤を製造した。
【0099】
製剤例9.動物飼料添加剤の製造
製剤例8と同様に製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、軟骨再生、痛症抑制及び浮腫抑制用薬学組成物。
【請求項2】
前記抽出物が全体組成物の0.01乃至95重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1の薬学組成物。
【請求項3】
前記木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物の重量比が1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.5〜1.5:1であることを特徴とする請求項1の薬学組成物。
【請求項4】
前記抽出物がアカントサイドDを含有することを特徴とする請求項1の薬学組成物。
【請求項5】
前記アカントサイドDが全体の抽出物に対して0.01〜0.05重量%で含有されていることを特徴とする請求項4の薬学組成物。
【請求項6】
前記抽出物が生薬の溶媒抽出物又はその粉末であることを特徴とする請求項1の薬学組成物。
【請求項7】
散剤、顆粒剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、内用液剤、エアロゾール、トラスト剤、パッチ剤、非水性溶剤、凍結乾燥製剤及び滅菌注射剤からなる群より選ばれたいずれかの薬剤学的製剤に製剤化されることを特徴とする請求項1の薬学組成物。
【請求項8】
木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能向上及び痛症緩和のための健康増進食品。
【請求項9】
前記抽出物が全体組成物の0.01乃至95重量%の量で含まれることを特徴とする請求項8の健康増進食品。
【請求項10】
前記木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物の重量比が1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.5〜1.5:1であることを特徴とする請求項8の健康増進食品。
【請求項11】
前記抽出物がアカントサイドDを含有することを特徴とする請求項8の健康増進食品。
【請求項12】
前記アカントサイドDが全体の抽出物に対して0.01〜0.05重量%で含有されていることを特徴とする請求項11の健康増進食品。
【請求項13】
粉末、顆粒、錠剤、カプセル又は飲料の形態からなる群より選ばれることを特徴とする請求項8の健康増進食品。
【請求項14】
木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物を有効成分として含有する、関節機能向上及び痛症緩和のための食品添加剤又は動物飼料添加剤。
【請求項15】
前記抽出物が全体組成物の0.01乃至95重量%の量で含まれることを特徴とする請求項14の食品添加剤又は動物飼料添加剤。
【請求項16】
前記木瓜、牛膝、五加皮、桂皮、ジンギョウ、威霊仙、当帰、センキュウ、天麻、紅花、続断及び防風の抽出物の重量比が1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.5〜2.5:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.75〜1.75:0.5〜1.5:1であることを特徴とする請求項14の食品添加剤又は動物飼料添加剤。
【請求項17】
前記抽出物がアカントサイドDを含有することを特徴とする請求項14の食品添加剤又は動物飼料添加剤。
【請求項18】
前記アカントサイドDが全体の抽出物に対して0.01〜0.05重量%で含有されていることを特徴とする請求項17の食品添加剤又は動物飼料添加剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−525527(P2011−525527A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516125(P2011−516125)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003403
【国際公開番号】WO2009/157712
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(507348377)ビロメッド カンパニー, リミテッド (6)
【Fターム(参考)】