説明

軟骨再生用医薬組成物

【課題】EP2アゴニストを疾患部位に長期的に作用させ、かつ副作用を回避できる特徴を有し、さらに、製剤基剤によって誘発される組織刺激性も回避できる、安全な軟骨再生用の医薬組成物を提供すること。
【解決手段】ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる医薬組成物は、EP2アゴニストを、疾患部位に長期的に作用させ、副作用を回避することを可能にするため、持続性が高く、安全な軟骨再生用の医薬組成物として利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる軟骨再生用の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関節軟骨は硝子軟骨からなり、無血管、無神経、および無リンパであるため、非常に再生力に乏しい組織であると考えられている。遺伝的要因、外傷等の様々な原因により、この関節軟骨からのプロテオグリカンの遊離が促進され、同時に硝子軟骨に特異的な線維性タンパク質である2型コラーゲンが分解される。これらの一連の反応により、関節軟骨組織の変性や破壊が不可逆的に進行し、その結果、関節が滑らかに動かなくなり、外部からの衝撃吸収ができなくなる等の障害が生じ、軟骨疾患に至る。重篤な場合には関節自体の機能が失われることもある。また、軟骨疾患の原因の一つとして加齢が考えられており、これからの高齢化社会に向けて患者数が増加すると予想される。
【0003】
これまで、軟骨疾患の治療法としては、軟骨変性や軟骨破壊に伴う痛みを除去する目的で、ステロイド薬、非ステロイド系消炎鎮痛薬が用いられており、また、関節液を補充し、関節の潤滑性を増加する目的で、ヒアルロン酸製剤等が用いられてきている。しかしながら、これらの薬物は対症療法的に用いられているにすぎず、軟骨再生促進、軟骨細胞増殖促進および軟骨細胞分化誘導促進を目的とした根治治療が求められている。
【0004】
軟骨疾患の根治治療を達成しうる物質としては、種々の生体由来物質や低分子化合物が報告されている。そのような物質としては、例えば、TGF−β(Transforming growth factor-β;トランスフォーミング増殖因子−β)等の成長因子、BMP−2(Bone Morphogenetic Protein 2;骨形成タンパク質2)、プロスタグランジン誘導体、ビタミンD誘導体、ビタミンA誘導体、ベンゾチエピン誘導体(特許文献1参照)、インドリン−2−オン誘導体(特許文献2参照)等が挙げられる。しかしながら、これらのうち、生体由来物質は生体内での代謝が早く、物理化学的および生物学的に不安定である。それに対して、低分子化合物はこれらの点を克服できる可能性があると考えられている。また、軟骨疾患の部位は、関節内等の局所に限定されることから、軟骨再生促進作用を有する薬物を持続的に疾患部位に作用させる医薬組成物が必要である。
【0005】
これらのことから、近年、軟骨再生促進作用を有する低分子化合物の有用性を高め、さらに副作用を回避するために、様々な製剤的工夫がなされた医薬組成物が提案されている。例えば、ベンゾチエピン誘導体等と生体内分解性高分子とを含む軟骨疾患治療用徐放性製剤(特許文献1参照)、ベンゾチエピン誘導体をリポソームに含有する関節疾患治療用リポソーム製剤(特許文献3参照)、およびインドリン−2−オン誘導体と、生物分解性および/または生物侵食性を有する重合体と多孔性マトリックスおよび/またはハイドロゲルとを含有する軟骨組織形成用製剤(特許文献4参照)が挙げられる。
【0006】
一方、プロスタグランジンE2のレセプターサブタイプの1つであるEP2に特異的に結合するアゴニスト、すなわち、EP2アゴニストは、軟骨細胞の分化誘導を担っており(オステオアースリティス カートリジ(Osteoarthritis Cartilage)、第11巻、第9号、644〜652ページ、2003年)、さらに軟骨生成促進作用等を有するため、軟骨関連疾患治療剤として用いることができる旨が開示されている(特許文献5参照)。また、EP2受容体選択的アゴニストの骨折等の局所投与による治療方法が開示されている(特許文献6参照)。
【0007】
しかしながら、これらの文献には、ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる軟骨再生用の医薬組成物について、具体的な記載も示唆もなされていない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−72678号公報
【特許文献2】国際公開第00/044722号パンフレット
【特許文献3】特開2001−302496号公報
【特許文献4】国際公開第03/043672号パンフレット
【特許文献5】国際公開第05/009468号パンフレット
【特許文献6】国際公開第03/045371号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
EP2アゴニストを軟骨疾患の治療を目的として、全身的に投与を行った際には、循環器等への副作用発現が懸念される。また、EP2アゴニストを疾患部位に直接投与しても、速やかに周辺組織から吸収されるため、長期にわたって患部に滞留させることができない。しかも、軟骨疾患の疾患部位として想定される関節組織に投与する際には、完全な無菌状態でEP2アゴニストの投与を行う必要があるため、できるだけ少ない投与回数で、かつ持続的に作用する医薬組成物が望ましいと考えられる。
【0010】
本発明の目的は、有効成分を疾患部位に長期的に作用させ、かつ副作用を回避できる特徴を有する安全な軟骨再生用の医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意検討した結果、ハイドロゲルを用いることによって、EP2アゴニストを疾患部位に長期的に作用させ、かつ副作用を回避できることを見出した。さらに、ハイドロゲルと、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストとを組み合わせることによって持続性が増し、上記した目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、
[1]ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる医薬組成物、
[2]生体内分解性重合体が、脂肪酸エステル共重合体である前記[1]記載の組成物、
[3]脂肪酸エステル共重合体が、乳酸−グリコール酸共重合体である前記[2]記載の組成物、
[4]さらに、プロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸を含んでいてもよい前記[1]記載の組成物、
[5]生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストが、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストである前記[1]記載の医薬組成物、
[6]EP2アゴニスト1重量部に対し乳酸−グリコール共重合体を1〜1000重量部含有してなる[5]記載の組成物。
[7]軟骨再生用である前記[1]記載の組成物、
[8]徐放性である前記[1]記載の組成物、
[9]徐放性が2週間〜6ヶ月の持続時間である前記[8]記載の組成物、
[10]生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストの形態が、マイクロカプセル、マイクロスフェアまたはナノスフェアである前記[6]記載の組成物、
[11]局所投与用である前記[1]記載の組成物、
[12]局所投与が関節腔内投与である前記[11]記載の組成物、
[13] EP2アゴニストが、一般式(I)
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
は、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
は、水素原子、水酸基、またはC1〜4アルコキシ基を表し、
は、水素原子、C1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基またはC2〜8アルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルコキシ基、(3)C3〜7シクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
nは、0〜4を表し、
【0015】
【化2】

【0016】
は、一重結合または二重結合を表し、
【0017】
【化3】

【0018】
は、二重結合または三重結合を表し、
【0019】
【化4】

【0020】
は、一重結合、二重結合または三重結合を表す。]、または一般式(IB)
【0021】
【化5】

【0022】
[式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
は、A1BまたはA2Bを表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
は、D1BまたはD2Bを表し、
1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
(13)
【0023】
【化6】

【0024】
を表し、
5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
mBは、1または2を表し、
1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含んでもよく、
環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
(1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
は、E1BまたはE2Bを表し、
1Bは、
【0025】
【化7】

【0026】
を表し、
11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。]
で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である前記[1]記載の組成物、
[14]EP2アゴニストが、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩である前記[13]記載の組成物、
[15]軟骨再生用が、軟骨関連疾患の予防および/または治療用である前記[7]記載の組成物、
[16]軟骨関連疾患が、肩関節周囲炎、顎関節症、関節リウマチまたは変形性関節症である前記[15]記載の組成物、
[17]前記1記載の医薬組成物とステロイド薬、非ステロイド系抗炎症薬、ヒアルロン酸製剤、プロスタグランジン類、成長因子類、ビタミンD誘導体、ビタミンA誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害薬、ホスホジエステラーゼ4阻害薬、エラスターゼ阻害薬および軟骨形成促進薬から選択される1以上とを組み合わせてなる軟骨再生用医薬、および
[18]ハイドロゲル、および乳酸−グリコール共重合体に含まれる(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩を含有してなる医薬組成物であり、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩の1重量部に対し乳酸−グリコール共重合体を1〜1000重量部含有し、さらにプロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸とを含んでいてもよい、2週間〜6ヶ月の徐放性である関節腔内投与用の軟骨再生用医薬組成物等に関する。
【0027】
本発明におけるEP2アゴニストとしては、現在までに知られているもの、または今後見出されるものが含まれる。現在までに知られているEP2アゴニストとしては、例えば、以下の(A)、(B)に記載された化合物等が挙げられる。
【0028】
(A)欧州特許出願公開第860430号明細書に記載の一般式(I)
【0029】
【化8】

【0030】
[式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
は、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
は、水素原子、水酸基、またはC1〜4アルコキシ基を表し、
は、水素原子、C1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基またはC2〜8アルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルコキシ基、(3)C3〜7シクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
nは、0〜4を表し、
【0031】
【化9】

【0032】
は一重結合または二重結合を表し、
【0033】
【化10】

【0034】
は二重結合または三重結合を表し、
【0035】
【化11】

【0036】
は一重結合、二重結合または三重結合を表す。
ただし、(1)5−6位が三重結合を表すとき、13−14位は三重結合を表さない。(2)13−14位が二重結合を表すとき、その二重結合はE体、Z体またはEZ体の混合物を表す。(3)Rがカルボキシル基を表し、かつRが水酸基を表し、かつRがエチル基を表し、かつnが1を表し、かつ
【0037】
【化12】

【0038】
が一重結合を表し、かつ
【0039】
【化13】

【0040】
が二重結合を表し、かつ
【0041】
【化14】

【0042】
が二重結合を表す時、Rは塩素原子を表さない。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物(各基の定義は、欧州特許出願公開第860430号明細書に記載されている通りである。)。
(B)国際公開第03/074483号パンフレットに記載の一般式(IB)
【0043】
【化15】

【0044】
[式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
は、A1BまたはA2Bを表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
は、D1BまたはD2Bを表し、
1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
(13)
【0045】
【化16】

【0046】
を表し、
5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
mBは、1または2を表し、
1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含んでもよく、
環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
(1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
は、E1BまたはE2Bを表し、
1Bは、
【0047】
【化17】

【0048】
を表し、
11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。]で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物(各基の定義は、国際公開第03/074483号パンフレットに記載されている通りである。)。
【0049】
本明細書中、C1〜4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0050】
本明細書中、C1〜8アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0051】
本明細書中、C1〜10アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0052】
本明細書中、C1〜15アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0053】
本明細書中、C2〜8アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルおよびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0054】
本明細書中、C2〜10アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0055】
本明細書中、C2〜15アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル基およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0056】
本明細書中、C2〜8アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニルおよびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0057】
本明細書中、C2〜10アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0058】
本明細書中、C2〜15アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0059】
本明細書中、直鎖のC1〜4アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレンおよびテトラメチレン基が挙げられる。
【0060】
本明細書中、直鎖のC2〜8アルキレン基としては、例えば、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレンおよびオクタメチレン基が挙げられる。
【0061】
本明細書中、C1〜4アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0062】
本明細書中、C1〜15アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0063】
本明細書中、直鎖のC2〜4アルケニレン基としては、例えば、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレン基が挙げられる。
【0064】
本明細書中、直鎖のC2〜8アルケニレン基としては、例えば、基中に1個または2個の二重結合を有している、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、オクテニレンおよびオクタジエニレン基等が挙げられる。
【0065】
本明細書中、C2〜4アルケニレン基としては、例えば、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0066】
本明細書中、C2〜15アルケニレン基としては、例えば、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン、ノネニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、トリデセニレン、テトラデセニレン、ペンタデセニレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0067】
本明細書中、直鎖のC2〜4アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレンおよびブチニレン基が挙げられる。
【0068】
本明細書中、直鎖のC2〜8アルキニレン基としては、例えば、基中に1個または2個の三重結合を有している、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ブタジイニレン、ペンチニレン、ペンタジイニレン、ヘキシニレン、ヘキサジイニレン、ヘプチニレン、ヘプタジイニレン、オクチニレンおよびオクタジイニレン基が挙げられる。
【0069】
本明細書中、C2〜4アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0070】
本明細書中、C2〜15アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、ノニニレン、デシニレン、ウンデシニレン、ドデシニレン、トリデシニレン、テトラデシニレン、ペンタデシニレン基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0071】
本明細書中、C1〜4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0072】
本明細書中、C1〜10アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0073】
本明細書中、C1〜10アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0074】
本明細書中、C3〜7シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基等が挙げられる。
【0075】
本明細書中、C3〜8シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0076】
本明細書中、C2〜10アシル基としては、例えば、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル基およびそれらの異性体基等が挙げられる。
【0077】
本明細書中、ビフェニル基としては、例えば、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、および4−フェニルフェニル基が挙げられる。
【0078】
本明細書中、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
【0079】
本明細書中、−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、および−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基中のアミノ酸とは、天然のアミノ酸または異常アミノ酸を意味し、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、β−アラニン、シスタチオニン、シスチン、ホモセリン、イソロイシン、ランチオニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、サルコシン、チロニン等が挙げられる。
【0080】
また、−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、および−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基には、アミノ基が保護基によって保護されたものも含まれる。
【0081】
本明細書中、炭素環とは、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環、または三環式炭素環アリールを表わし、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
【0082】
本明細書中、複素環とは、1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式ヘテロ環アリールを表わし、1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含む、3〜15員の単環、二環または三環式ヘテロ環アリールとしては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン環等が挙げられる。
【0083】
また、1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜15員の単環、二環または三環式ヘテロ環アリールとしては、例えば、アジリジン、アゼチジン、アゾカン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン環等が挙げられる。
【0084】
本明細書中、5〜7員の含窒素複素環とは、少なくとも一つの窒素原子を含み、さらに1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子を含んでいてもよい、一部または全部が飽和されていてもよい5〜7員の単環式ヘテロ環アリールを表わし、少なくとも一つの窒素原子を含み、さらに1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子を含んでいてもよい、5〜7員の単環式ヘテロ環アリールとしては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール環等が挙げられる。
【0085】
また、少なくとも一つの窒素原子を含み、さらに1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子を含んでいてもよい、一部または全部が飽和された5〜7員の単環式ヘテロ環アリールとしては、例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン環等が挙げられる。
【0086】
本発明において、上記した(A)、(B)以外のEP2アゴニストとしては、例えば、国際公開第99/033794号パンフレット、欧州特許出願公開第974580号明細書、国際公開第95/019964号パンフレット、米国特許出願公開第6376533号明細書、国際公開第04/078103号パンフレット、国際公開第05/012232号パンフレット、国際公開第98/028264号パンフレット、国際公開第99/19300号パンフレット、欧州特許出願公開第0911321号明細書および国際公開第98/058911号パンフレットに記載された化合物等が挙げられる。
【0087】
本発明のEP2アゴニストとして好ましくは、例えば、上記した(A)および(B)に示した化合物、より好ましくは、(A)に示した一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物等であり、特に好ましくは、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩等である。
【0088】
尚、化合物の命名は、IUPAC名を機械的に生成するコンピュータープログラム、ACD/NAMETM(Advanced Chemistry Development社)を用いて行ったものである。
【0089】
本発明のEP2アゴニストは、それ自体公知の方法、例えば、欧州特許出願公開第860430号明細書、国際公開第03/074483号パンフレット、国際公開第99/033794号パンフレット、欧州特許出願公開第974580号明細書、国際公開第95/019964号パンフレット、米国特許出願公開第6376533号明細書、国際公開第04/078103号パンフレット、国際公開第05/012232号パンフレット、国際公開第98/028264号パンフレット、国際公開第99/19300号パンフレット、欧州特許出願公開第0911321号明細書および国際公開第98/058911号パンフレットに記載の方法、コンプリヘンシヴ・オーガニック・トランスフォーメーションズ:ア・ガイド・トゥー・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ、セカンド・エディション(リチャードC.ラロック、ジョンワイリーアンドサンズInc.,1999)[Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition(Richard C.Larock,John Wiley & Sons Inc.,1999)]に記載された方法等を単独で、または組み合わせて改良し用いることによって製造することができる。また、製造された本発明化合物は、通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法によって精製することができる。
【0090】
本発明の医薬組成物は、ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる、軟骨再生を目的として用いられることを特徴とする医薬組成物である。また、本発明の医薬組成物は、生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを、ハイドロゲル中に分散させた医薬組成物であることが好ましい。本発明の医薬組成物は、さらにプロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸を含んでいてもよい。本発明の医薬組成物は、さらにまた、ゲル製剤、マイクロスフェア等の徐放性製剤に通常用いられる製剤基剤を含んでいてもよい。
【0091】
本発明において、ハイドロゲルとは、水を多量に含む親水性ポリマーを意味する。
【0092】
本発明において、生体内分解性とは、生物由来の酵素(例えば、プロテアーゼやエステラーゼ等)により、分子内および/または分子間の結合が分解されるか、生体内の食細胞(例えば、マクロファージや好中球等)による貪食作用により、物理的に物質が分解される性質をいう。
【0093】
生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを分散させたハイドロゲルは、有効成分としてのEP2アゴニストを疾患部位(軟骨欠損部位)に長期的に滞留させることを可能にする。しかし、ハイドロゲルが関節内で過度に長期間留まると、逆に軟骨再生作用を阻害することが考えられるため、生体内において適度に分解され、適切な期間で消失するものであることが好ましい。したがって、ハイドロゲルは、生体内分解性高分子化合物から構成されるものであることが好ましい。
【0094】
本発明において、ハイドロゲルを構成する生体内分解性高分子化合物としては、例えば、セルロース類(例:メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリアミド(例:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド等)、多糖類(例:キチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸、デンプン、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、アラビアゴム、デキストラン等)、タンパク質(例:ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、アルブミン等)、アミノ酸(例:ポリ−γ−グルタミン酸、ポリ−L−リジン、ポリアルギニン、ポリ−γ−L−アラニン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸等)およびそれらの誘導体等が挙げられる。本発明のハイドロゲルを構成する生体内分解性高分子化合物としては、タンパク質、アミノ酸等が好ましい。
【0095】
本発明におけるハイドロゲルの生体内における滞留時間は、それを構成する生体内分解性高分子の分子量、その種類、架橋度、粘度等によって変動する。
【0096】
本発明のハイドロゲルの形状は、特に限定されないが、例えば、円柱状、角柱状、シート状、ディスク状、球状、ペースト状、液状等が挙げられる。
【0097】
前記したハイドロゲルは、本発明の目的が達成され得る限り、EP2アゴニストの薬理活性の強さと、EP2アゴニストの放出速度および放出時間に応じてその使用量を変えることができ、例えば、EP2アゴニストに対して約1ないし約10,000倍(重量比)の量で用いられ、好ましくは約9ないし約1,000倍(重量比)の量で用いられる。
【0098】
本発明において、生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストとは、EP2アゴニスト、または生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストを意味し、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストが好ましい。
【0099】
本発明において、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストとは、EP2アゴニストが生体内分解性重合体に担持された担持物を意味する。該担持物の形態としては、例えば、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノスフェア、フィルム等が挙げられ、マイクロカプセル、マイクロスフェアが好ましい。
【0100】
本発明において、生体内分解性重合体とは、水に難溶または不溶で整形性を有し、有効成分であるEP2アゴニストを含有(担持)することのできる重合体であれば、特に限定されない。また、該重合体は、その生体内分解性により、生体内で徐々に分解されるため、これに伴ってEP2アゴニストを生体内に徐々に放出させることができる。このような重合体としては、例えば、脂肪酸エステル重合体またはその共重合体、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリオルソエステル、ポリアルキレンオキサレート、ポリカーボネート、ポリオルソカーボネート、ポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステル等が挙げられる。
【0101】
本発明において、脂肪酸エステル重合体としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシカプロン酸、ポリヒドロキシイソカプロン酸、ポリヒドロキシカプリル酸、ポリマレイン酸、カプロラクトン開環重合体、ブチロラクトン開環重合体、バレロラクトン開環重合体、ジオキサノン開環重合体等が挙げられる。
【0102】
本発明において、脂肪酸エステル共重合体としては、例えば、乳酸−グリコール酸共重合体、2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体、ヒドロキシ酪酸−ヒドロキシ吉草酸共重合体、ポリ乳酸とポリエチレングリコールとのブロック共重合体、ポリグリコール酸とポリエチレングリコールとのブロック共重合体、乳酸−グリコール酸共重合体とポリエチレングリコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0103】
本発明において、ポリ−α−シアノアクリル酸エステルとしては、例えば、ポリブチル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。
【0104】
本発明において、ポリオルソエステルとしては、例えば、3,9−ビス(エチリデン−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン系ポリマー等が挙げられる。
【0105】
本発明において、ポリアルキレンオキサレートとしては、例えば、ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレート等が挙げられる。
【0106】
本発明において、ポリカーボネートとしては、例えば、ポリエチレンカーボネート、ポリエチレンプロピレンカーボネート等が挙げられる。
【0107】
本発明において、ポリアミノ酸としては、例えば、ポリ−γ−L−アラニン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸等が挙げられる。
【0108】
本発明の生体内分解性重合体は、上記した重合体の1種または2種以上を用いることができ、2種以上の場合は共重合体、あるいは単なる混合物でもよい。重合の形式として、例えば、ランダム、ブロック、グラフト等が挙げられる。
【0109】
本発明の生体内分解性重合体として好ましくは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸または乳酸−グリコール酸共重合体等が挙げられ、より好ましくは、乳酸−グリコール酸共重合体等である。
【0110】
本発明に使用されるこれらの生体内分解性重合体の重量平均分子量は約500ないし約800,000のものが好ましく、より好ましくは約5,000ないし約200,000である。例えば、ポリ乳酸において、その重量平均分子量は約500から約100,000のものが好ましい。さらに好ましくは、約5,000から約50,000である。ポリ乳酸は、自体公知の製造方法に従って合成できる。乳酸−グリコール酸共重合体においては、その乳酸とグリコール酸との組成比は、約100/0(モル%)から約30/70(モル%)が好ましく、特に約90/10(モル%)から40/60(モル%)が好ましい。乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量は、約500から約100,000が好ましい。さらに好ましくは、約5,000から約50,000である。乳酸−グリコール酸共重合体は、自体公知の製造方法に従って合成できる。
【0111】
本発明において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を用いて測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
【0112】
前記した生体内分解性重合体は、本発明の目的が達成され得る限り、EP2アゴニストの薬理活性の強さと、EP2アゴニストの放出速度および放出時間に応じてその使用量を変えることができ、例えば、EP2アゴニストに対して約0.2ないし約10,000倍(重量比)の量で用いられ、好ましくは約1ないし約1,000倍(重量比)、さらに好ましくは約3ないし約100倍(重量比)の量で用いられる。
【0113】
本発明において、プロテオグリカンとは、グリコサミノグリカン(Glucosaminoglycan;GAG)と呼ばれる硫酸化多糖がコアタンパク質に共有結合した広義糖タンパク質を意味する。プロテオグリカンとしては、例えば、アグリカン(Aggrecan)、バーシカン(Versican)、ニューロカン(Neurocan)、ブレビカン(Brevican)、デコリン(Decorin)、ビグリカン(Biglycan)、テスティカン(Testican)、パールカン(Perlecan)、ディストログリカン(Dystroglycan)、アグリン(Agrin)、クローストリン(Claustrin)等が挙げられ、好ましくは、アグリカン、バーシカン等が挙げられる。グリコサミノグリカンとしては、例えば、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸等が挙げられ、好ましくはコンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等が挙げられる。
【0114】
本発明において、ヒアルロン酸としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0115】
本発明において、プロテオグリカンおよびヒアルロン酸は、本発明の医薬組成物の軟骨再生を補助する目的で、製剤基剤として使用することができる。
【0116】
本発明における軟骨再生とは、軟骨生成促進作用、軟骨細胞増殖促進作用、軟骨細胞分化促進作用、軟骨石灰化抑制作用、軟骨分解抑制作用、および/または軟骨基質産生促進作用に基づく作用である。その作用に基づいて、本発明の医薬組成物は、軟骨関連疾患、例えば、肩関節周囲炎、顎関節症、関節リウマチ、変形性関節症の予防および/または治療、または軟骨細胞の移植時に用いることができる。
【0117】
本発明の医薬組成物によって再生される軟骨は、例えば、硝子軟骨、繊維軟骨、弾性軟骨等が挙げられる。該軟骨の存在部位は特に限定されないが、例えば、関節、咽頭、気管、気管支、肋軟骨、恥骨結合、椎間円板、関節円板、半月板、耳介、外耳道、咽喉蓋等が挙げられる。本発明の医薬組成物によって再生される軟骨として好ましくは、関節に存在する硝子軟骨である。
【0118】
本発明における徐放性とは、ハイドロゲルおよび/または生体内分解性重合体が徐々に分解され、有効成分が徐々に放出されることをいう。この徐放性という性質によって、有効成分を疾患部位に長期的に滞留させることが可能となる。本発明の徐放性によってもたらされる有効成分の持続時間としては、通常1週間〜8ヶ月程度である。例えば、ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストを含有してなる医薬組成物の場合には、2週間〜6ヶ月の持続時間であることが好ましく、4週間〜6ヶ月の持続時間であることがより好ましい。
【0119】
本発明における徐放性の医薬組成物とは、ハイドロゲルによって徐放性を示すものであってもよいし、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニスト(例えば、マイクロスフェア、マイクロカプセル等)によって徐放性を示すものであってもよく、また、ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストとを組み合わせることによって相加的に徐放性を示すものであってもよい。該徐放性の医薬組成物の形態としては、疾患部位(特に、軟骨欠損部位)で、本発明の医薬組成物を持続的に供給できるものであれば、特に限定されない。そのような形態としては、例えば、埋め込み型製剤等が挙げられる。
【0120】
本発明の局所投与用の医薬組成物としては、例えば、筋肉内投与用、皮下投与用、経皮投与用、静脈内投与用、直腸投与用、腱鞘内投与用、滑液包内投与用、神経幹内投与用、関節(例えば、顎関節、肩関節、肘関節、股関節、膝関節等)腔内投与用および骨髄内投与用の医薬組成物等が挙げられ、好ましくは、関節腔内投与用の医薬組成物等である。
【0121】
本発明の医薬組成物の製造方法については、特に限定はされないが、ハイドロゲルと、生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストとを適宜混合等すればよい。例えば、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストの場合、EP2アゴニストと生体内分解性重合体とがマイクロスフェアを形成しているときは、該マイクロスフェアをハイドロゲルに分散させることにより製造できる。
【0122】
本発明におけるハイドロゲルは、自体公知の方法により製造することができる。例えば、生体内分解性高分子化合物溶液に電子線を照射することにより架橋する方法等が挙げられる。
【0123】
本発明のマイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノスフェアの製造方法は、例えば、水中乾燥法(例えば、O/W法、W/O/W法等)、相分離法、噴霧乾燥法、あるいはこれらに準ずる方法等が挙げられる。
【0124】
(1)水中乾燥法(O/W法)
生体内分解性重合体の有機溶媒溶液に、EP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬を加え、有機溶媒溶液を作製する。このとき、EP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬は、生体内分解性重合体の有機溶媒溶液に全部または一部が溶解せず、分散していてもよく、ホモジナイザー、あるいは超音波等の公知の方法でより微細に短時間に分散させることが好ましい。また、薬物の溶解度により、水を有機溶媒中に加えてもよい。
【0125】
上記した有機溶媒溶液には添加剤を加えてもよい。該添加剤としては、例えば、薬物の安定性、溶解性を保つための可溶化剤、安定化剤、保存剤等が挙げられる。このとき、生体内分解性重合体の有機溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性重合体の分子量、有機溶媒によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒として用いた場合、一般的には約0.5〜約70重量%、より好ましくは約1〜約60重量%、特に好ましくは約2〜約50重量%である。
【0126】
次いで、このようにして調製された有機溶媒溶をさらに水相中に加えて、攪拌機、乳化機等を用いてO(油相)/W(水相)エマルションを形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロスフェア等を調製する。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍〜約10,000倍である。さらに好ましくは、約5倍〜約5,000倍である。特に好ましくは、約10倍〜約2,000倍である。上記した外水相中に乳化剤を加えてもよい。外水相中の乳化剤の濃度は、好ましくは約0.01〜約10重量%であり、さらに好ましくは約0.05〜約5重量%である。
【0127】
上記の外水相中には浸透圧調節剤を加えてもよい。該浸透圧調節剤としては、水溶液とした場合に浸透圧を示すものであればよい。浸透圧調節剤は、外水相の浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約1/50〜約5倍、好ましくは約1/25〜約3倍となる濃度で用いられる。
【0128】
有機溶媒を除去する方法としては、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法が用いられる。例えば、攪拌機、あるいはマグネチックスターラー等で撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶媒を蒸発させる方法、ロータリーエバポレーター等を用いて、真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方法等が挙げられる。このようにして得られたマイクロスフェア等は、遠心分離法あるいはろ過して分取した後、マイクロスフェア等の表面に付着している遊離のEP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬、乳化剤等を、蒸留水または界面活性剤で数回繰り返し洗浄した後、再び、蒸留水等に分散して凍結乾燥する。製造工程中、洗浄中の粒子同士の凝集を防ぐために、凝集防止剤を加えてもよい。
【0129】
(2)水中乾燥法(W/O/W法)
本法においては、まず水にEP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬を溶解または分散し、これに必要であればタンパク質(例:ゼラチン等)、海藻類(例:寒天等)、多糖類(例:アルギン酸等)、合成高分子化合物(例:ポリビニルアルコール等)あるいは塩基性アミノ酸(例:アルギニン、リジン等)の薬物保持物質を加えて溶解もしくは懸濁し、内水相とする。これらの内水相中には、EP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬の安定性、溶解性を保つためのpH調節剤を添加してもよい。また、さらにEP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬の安定化剤および/または保存剤を添加してもよい。
【0130】
このようにして得られた内水相液を、生体内分解性重合体を含む溶液(油相)中に加え、次いで乳化操作を行い、W/Oエマルションを作製する。該乳化操作は、公知の分散方法、例えば、断続振盪法、プロペラ型攪拌機あるいはタービン型攪拌機等のミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法等が用いられる。前記した生体内分解性重合体を含む溶液(油相)は、生体内分解性重合体を有機溶媒中に溶解したものが用いられる。有機溶媒としては、沸点が約120℃以下で、かつ水と混和しない性質のものであればよい。洗浄中の粒子同士の凝集を防ぐために、凝集防止剤を加えてもよい。ついでこのようにして製造されたW/Oエマルションをさらに水相中に加えて、W/O/Wエマルションを製造し、油相溶媒を蒸発させマイクロスフェア等を製造する。具体的な操作は、前記(1)に準ずる。
【0131】
(3)相分離法
本法においては、前記したW/Oエマルションに撹拌下、コアセルベーション剤を徐々に加え、マイクロスフェア等を析出、固化させる。該コアセルベーション剤は油相体積の約0.01〜1000倍、好ましくは約0.1〜200倍から選ばれる。このようにして得られたマイクロスフェア等は、ろ過して分取した後、ヘプタン等により繰り返し洗浄し、コアセルベーション剤を除去する。さらに、水中乾燥法と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥による脱溶媒を行ってもよい。
【0132】
(4)噴霧乾燥法
本法により、マイクロスフェア等を製造する場合には、前記したW/Oエマルションを、ノズルを用いてスプレードライヤー装置(噴霧乾燥器)の乾燥室内へ噴霧し、きわめて短時間に微粒化液滴内の有機溶媒または水を揮発させ、マイクロスフェア等を調製する。ノズルとしては、二液体ノズル型、圧力ノズル型、回転ディスク型等がある。このとき、必要であれば、水中乾燥法と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥による脱溶媒を行ってもよい。
【0133】
本発明におけるマイクロスフェア等の製造方法としては、水中乾燥法(W/O/W法)が好ましい。
【0134】
上記したマイクロスフェア等の製造に用いられる有機溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例:ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、脂肪族エステル(例:酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例:エチルエーテル、イソプロピルエーテル等)、芳香族炭化水素(例:ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例:エタノール、メタノール等)、アセトニトリル、低級脂肪酸(例:酢酸、プロピオン酸等)等が挙げられる。これらは2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。有機溶媒として、好ましくはジクロロメタン、エタノール、メタノール、酢酸等である。
【0135】
本発明において、マイクロスフェアの粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
【0136】
本発明におけるフィルムとは、前記した生体内分解性重合体とEP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬を有機溶媒に溶解した後、蒸留乾固し、フィルム状としたもの、または生体内分解性重合体とEP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物の併用薬を適当な溶剤に溶かした後、増粒剤(例:セルロース類、ポリカーボネート類等)を加えて、ゲル化したもの等がある。
【0137】
本発明におけるマイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノスフェアはそのまま、あるいは球状、針状、ペレット状、フィルム状、クリーム状の医薬組成物を原料物質として、種々の剤型に製剤化することもできる。
【0138】
本発明の医薬組成物として特に好ましくは、ハイドロゲル、および乳酸−グリコール共重合体に含まれる(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩を含有してなる医薬組成物であり、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩の1重量部に対し乳酸−グリコール共重合体を1〜1000重量部含有し、さらにプロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸とを含んでいてもよい、2週間〜6ヶ月の徐放性である関節腔内投与用の軟骨再生用医薬組成物が挙げられる。
【0139】
本発明の医薬組成物の製造時に用いられる上記したその他の製剤基剤としては、薬事日報社2005年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)に記載されている製剤基剤を用いることができる。例えば、乳化剤、凝集防止剤、pH調節剤、安定化剤、保存剤、可溶化剤、浸透圧調節剤、ゲル化剤、界面活性剤、架橋剤、親水性基剤およびコアセルベーション剤からなる群より選ばれる基剤を、それぞれ1種類か、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの基剤は、本発明の医薬組成物を製造するときに用いることができるものであり、その医薬組成物の形態に制限されない。例えば、ハイドロゲルを製造するときに用いてもよいし、マイクロスフェア等の徐放性の医薬組成物を製造するときに用いてもよい。さらに、これらの基剤は、同じ用途のものであれば、その中から1種類か、または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0140】
本発明において、安定化剤としては、例えば、アジピン酸、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、アセチルトリプトファン、アセチルトリプトファンナトリウム、アセトアニリド、アプロチニン液、アミノエチルスルホン酸、DL−アラニン、L−アラニン、アリルグリシジルエーテル、L−アルギニン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルブミン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、イオウ、イソシアヌール酸、イソステアリン酸、4,4’−イソプロピリデンジフェノール・1−クロロ−2,3−エポキシプロパン重合物フタル酸ジブチル液、イノシトール、ウイキョウ末、液状エポキシ樹脂、エタノール、エチレンジアミン、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸四ナトリウム四水塩、エポキシ化ダイズ油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化亜鉛溶液、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化セチルピリジニウム、塩化第二鉄、塩化ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化マグネシウム、塩酸、塩酸アルギニン、塩酸システイン、L−塩酸ヒスチジン、塩酸リジン、オキシベンゾン、カカオ脂、カゼイン製ペプトン、果糖、カプリル酸ナトリウム、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥亜硫酸ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥炭酸ナトリウム、希塩酸、キサンタンガム、キシリトール、クエン酸、クエン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、グリシン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、グリチルリチン酸二ナトリウム、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、L−グルタミン酸カリウム、L−グルタミン酸L−リジン、クレアチニン、ケイガイ、軽質無水ケイ酸、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶リン酸二水素ナトリウム、硬化油、ゴマ油、コンドロイチン硫酸ナトリウム、酢酸、酢酸亜鉛、酢酸トコフェロール、酢酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸フェニル、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸性リン酸イソプロピルエステル、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン五酢酸、β−シクロデキストリン、L−シスチン、L−システイン、ジブチルヒドロキシトルエン、ジメチルポリシロキサン、臭化カルシウム、酒石酸、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製大豆レシチン、精製白糖、精製ラノリン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、石灰水、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、大豆油不けん化物、タルク、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、チオグリコール酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、デキストリン、デキストラン40、デキストラン70、天然ビタミンE、糖酸カルシウム、トコフェロール、d−δ−トコフェロール、トリエタノールアミン、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、ニコチン酸アミド、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム液、乳糖、尿素、濃グリセリン、濃縮混合トコフェロール、ノナン酸バニリルアミド、ノルマルブチルグリシジルエーテル、白糖、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、微結晶セルロース、人血清アルブミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム液、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキノン、氷酢酸、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、フェナセチン、フェロシアン化カリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブドウ糖、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ヘパリンナトリウム、ペルーバルサム、ベンジルアルコール、ベントナイト、ホウ砂、ホウ酸、没食子酸プロピル、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸部分中和物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル(7E.O.)、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルアルコール・ジブチルエーテル混合物、ホルマリン、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マレイン酸、マロン酸、D−マンニトール、無菌炭酸水素ナトリウム、無水クエン酸、無水クエン酸ナトリウム、無水酢酸ナトリウム、無水ピロリン酸ナトリウム、無水マレイン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタスルホ安息香酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、DL−メチオニン、L−メチオニン、メチルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、メチルヘスペリジン、メラミン、l−メントール、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、薬用炭、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ラウリルジメチルアミンオキシド液、ラウリル硫酸ナトリウム、卵白アルブミン、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸オキシキノリン、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リュウノウ末、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム等が挙げられる。
【0141】
本発明において、乳化剤としては、マイクロスフェア等の製造工程において、一般的に安定なエマルションを形成できるものであれば、特に限定されない。例えば、アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルション、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、アリルグリシジルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキルナフタレンスルホン酸塩混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキルナフタレンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩型乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルエーテル・脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル・ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル混合乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩・ポリオキシエチレンヒマシ油混合乳化剤、液体かせいカリ、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エポキシ化ダイズ油、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、カラギーナン、カリ石ケン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、還元ラノリン、グァーガム、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸塩型乳化剤、高級脂肪酸塩・硫酸化ヒマシ油混合乳化剤、高度精製卵黄レシチン、固形かせいカリ、サラシミツロウ、ジイソプロパノールアミン、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジブナートナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素添加大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール、スクワラン、スクワレン、ステアリルアルコール、ステアリルアルコール・ポリオキシエチレンステアリルエーテル混合物、ステアリン酸、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル45、ステアリン酸ポリオキシル55、精製大豆レシチン、精製ラノリン、精製卵黄レシチン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セタノール・ポリオキシエチレンセチルエーテル混合ワックス、セタノール・ポリソルベート60混合ワックス、セタノール・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン混合ワックス、セチル硫酸ナトリウム、セトステアリルアルコール、セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物、セトマクロゴール1000、セバシン酸ジエチル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、大豆レシチン、タルク、炭酸カリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中性無水硫酸ナトリウム、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリエタノールアミン、トリオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、トリステアリン酸ソルビタン、パラフィン、ヒドロキシプロピルセルロース、部分水素添加大豆リン脂質、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペクチン、ペンタエリスリチルクエン酸高級脂肪酸エステル・ミツロウ・ノニオン乳化剤混合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル・ジステアリン酸ポリエチレングリコール混合物、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム(5E.O.)、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール20000、ミリスチルアルコール、ミリスチル酸イソプロピル、ミリスチル酸オクチルドデシル、メチルセルロース、綿実油・ダイズ油混合物、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン・ジオレイン酸グリセリン・プロピレングリコール混合乳化剤、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6E.O.)、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6E.O.)、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、薬用石ケン、ヤシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル酸ジエタノールアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、卵黄油、卵黄リン脂質、硫酸化ヒマシ油カリウム塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩混合物、流動パラフィン、リン酸ジセチル、ワセリン・ラノリンアルコール混合物等が挙げられる。
【0142】
本発明において、凝集防止剤としては、マイクロスフェア等の製造工程において、粒子同士の凝集を防ぐことのできる物質を意味し、そのような凝集防止剤であれば、特に限定されない。例えば、マンニトール、ラクトース、グルコース、デンプン類(例:コーンスターチ等)等の水溶性多糖、グリシン等のアミノ酸、フィブリン、コラーゲン等のタンパク質等が挙げられる。
【0143】
本発明において、pH調節剤としては、溶液あるいはハイドロゲル中の薬物の安定性、溶解性を保つことのできる物質を意味し、そのようなpH調節剤であれば、特に限定されない。例えば、アジピン酸、アンモニア水、塩酸、乾燥炭酸ナトリウム、希塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二水素酸ナトリウム、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、結晶リン酸二水素ナトリウム、コハク酸、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、ジイソプロパノールアミン、酒石酸、D−酒石酸、L−酒石酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、二酸化炭素、乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム液、氷酢酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂、マレイン酸、無水クエン酸、無水酢酸ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メグルミン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、硫酸、硫酸アルミニウムカリウム、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
【0144】
本発明において、保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、アンソッコウ、イソプロパノール、液状フェノール、エタノール、エデト酸ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム液、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、カアトレジン、カプタン、乾燥亜硫酸ナトリウム、クエン酸、グリセリン、グルコン酸クロルヘキシジン液、L−グルタミン酸カリウム、クレゾール、m−クレゾール、クロロクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、D−ソルビトール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサール、チモール、デヒドロ酢酸ナトリウム、濃塩化ベンザルコニウム液50、ノルマルブチルグリシジルエーテル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、人血清アルブミン、フェニルエチルアルコール、フェノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、ホウ酸、ホウ砂、ホルマリン、2−メルカプトベンズイミダゾール、硫酸銅、リン酸等が挙げられる。
【0145】
本発明において、可溶化剤としては、例えば、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、アセトン、アルキルアリルスルホン酸カルシウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル混合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム液、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、イソプロパノール、エタノール、塩化ナトリウム、塩酸、希塩酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン、L−グルタミン酸L−リジン、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル40、精製大豆レシチン、セバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ダイズ油、大豆レシチン、炭酸水素ナトリウム、炭酸プロピレン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳酸、濃グリセリン、ヒドロキシプロピルセルロース、フェンプロバメート、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール300、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マレイン酸、D−マンニトール、無水エタノール、無水クエン酸、無水マレイン酸、メグルミン、N−メチル−2−ピロリドン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ラウリル酸ジエタノールアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、流動パラフィン等が挙げられる。
【0146】
本発明において、浸透圧調節剤としては、溶液とした場合に浸透圧を示す物質を意味し、そのような浸透圧調節剤であれば、特に限定されない。例えば、多価アルコール類(例:二価アルコール(例:グリセリン等)、五価アルコール(例:アラビトール、キシリトール、アドニトール等)、六価アルコール(例:マンニトール、ソルビトール、ズルシトール等)等)、一価アルコール類(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、単糖類(例:五炭糖類(例:アラビノース、キシロース、リボース、2−デオキシリボース等)、六炭糖類(例:グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、ラムノース、フコース等)等)、二糖類、オリゴ糖(例:三糖類(例:マルトトリオース、ラフィノース等)、四糖類(例:スタキオース等)等)、アミノ酸(例:グリシン、ロイシン、アルギニン等)等が挙げられる。
【0147】
本発明において、ゲル化剤としては、例えば、1,3−ブチレングリコール、D−ソルビトール液、α−シクロデキストリン、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、エチルセルロース、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、寒天、キサンタンガム、グリセリン、グルコノ−δ−ラクトン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、スクワラン、ステアリルアルコール、精製ラノリン、セタノール、ゼラチン、デキストラン70、デキストリン、トウモロコシ油、トラガント、トラガント末、尿素、濃グリセリン、白色ワセリン、パルミチン酸、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース2208、ヒドロキシプロピルセルロース2906、ヒドロキシプロピルセルロース2910、ヒマシ油、プロピレングリコール、ペクチン、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000、水アメ、ミツロウ、無水エタノール、メチルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、綿実油・ダイズ油混合物、流動パラフィン、ロジン等が挙げられる。
【0148】
本発明において、界面活性剤としては、例えば、アルキルアリルポリエーテルアルコール、高級アルコール硫酸化物、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステルDL−ピロリドンカルボン酸塩、N−ココイル−N−メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウム、コレステロール、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸ポリオキシル40、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セトマクロゴール1000、セバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリオレイン酸ソルビタン、ノニルフェノキシポリオキシエチレンエタン硫酸エステルアンモニウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール400、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル酸ジエタノールアミド、ラウロマクロゴール、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル(8MOL)等が挙げられる。
【0149】
本発明において、架橋剤としては、ハイドロゲルを構成する生体内分解性高分子化合物の分子間に化学架橋を形成させることのできる物質を意味し、そのような架橋剤であれば、特に限定されない。例えば、グルタルアルデヒド、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチングリコールジメタクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジイソシアネート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジンクモノメタクリレート、ジンクジメタクリレート等が挙げられる。
【0150】
本発明において、親水性基剤としては、ハイドロゲル内部に水を浸入させるための添加剤を意味し、そのような親水性基剤であれば、特に限定されない。例えば、水溶性高分子(例:ポリエチレングリコール(PEG)、ポビドン(ポリビニルピロリドン;PVP)等)、糖類(例:D−ソルビトール、キシリトール、白糖、無水マルトース、D−フルクトース、デキストラン、ブドウ糖等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、塩類(例:塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等)、有機酸(例:クエン酸、酒石酸等)、アミノ酸(例:グリシン、β−アラニン、塩酸リジン等)、アミノ糖類(例:メグルミン糖)等が挙げられる。
【0151】
本発明において、コアセルベーション剤としては、生体内分解性重合体の溶媒に混和する高分子系、鉱物油系、または植物油系の化合物で、EP2アゴニスト、またはEP2アゴニストと他の薬物との併用薬と生体内分解性重合体を溶解せず、相分離を生じさせるものであれば、特に限定されない。例えば、シリコン油、植物油脂(例:ゴマ油、大豆油、コーン油、綿実油、ココナツ油、アマニ油等)、鉱物油、炭化水素類(例:n−ヘキサン、n−ヘプタン等)等が挙げられる。
[毒性]
本発明の医薬組成物はEP2アゴニストを疾患部位に長期的に作用させるため、全身投与で懸念される副作用を回避することができる。したがって、医薬品として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明の医薬組成物は、疾患部位に長期的に滞留し、EP2アゴニストの軟骨再生作用を効果的に発現させることができることから、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物、例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)における、軟骨関連疾患(例えば、関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性関節症(例:変形性膝関節症、変形性股関節症等)、骨・軟骨欠損、肩関節周囲炎、軟骨損傷、関節円板損傷、半月板損傷、軟骨形成異常症、軟骨骨形成不全、軟骨無形成症、骨変形・変形脊椎症、軟骨発育不全、軟骨異栄養症、関節軟骨石灰化症、急性化膿性関節炎、結核性関節炎、梅毒性関節炎、全身性エリテマトーデス、椎間板ヘルニア、キーパンチャー病、骨肉腫、骨髄腫、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ベーチェット病、再発性多発性軟骨炎、顎関節症、軟骨欠損症、離断性骨軟骨炎、外傷による関節軟骨の損傷、無耳症、小耳症等)の予防および/または治療を目的に使用することができる。また、EP2アゴニストの軟骨生成促進作用は、骨折修復過程の仮骨形成促進に利用できると考えられる。したがって、本発明の医薬組成物は、例えば、骨折の修復を促進したり、骨折の治癒不全を改善したりすること等が期待できるので、骨折修復の促進、骨折の治癒不全の治療を目的として使用することもできる。さらにまた、本発明の医薬組成物は、移植用の軟骨細胞の培養あるいはその細胞の移植時にも使用することができる。また、本発明の医薬組成物は、移植用の軟骨細胞とともに投与することもできる。
【0152】
本発明の医薬組成物は、1)軟骨関連疾患の治療効果の補完および/または増強、2)該本発明の医薬組成物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該本発明の医薬組成物の副作用の軽減のために、他の薬物と組み合わせて、併用薬として投与してもよい。
【0153】
本発明の医薬組成物と他の薬物の併用薬は、1つの製剤中に両成分を配合した配合製剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の医薬組成物を先に投与し、他の薬物を後に投与してもよいし、他の薬物を先に投与し、本発明の医薬組成物を後に投与してもかまわない。併用する薬物の投与方法は特に限定されず、経口投与であってもよく、非経口投与であってもよい。
【0154】
該他の薬物は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA,遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の医薬組成物と他の薬物の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間等により適宜選択することができる。例えば、本発明の医薬組成物1重量部に対し、他の薬物を0.01乃至100重量部用いればよい。他の薬物は任意の2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。また、本発明の軟骨関連疾患の治療効果を補完および/または増強する他の薬物には、下記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
【0155】
該他の薬物としては、例えば、ステロイド薬、非ステロイド系抗炎症薬、ヒアルロン酸製剤、プロスタグランジン類、成長因子類、ビタミンD誘導体、ビタミンA誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害薬、軟骨形成促進薬、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬、エラスターゼ阻害薬、グリコサミノグリカン製剤、NFκBデコイオリゴ等と併用して使用してもよい。
【0156】
本明細書中、ステロイド薬としては、アムシノニド、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、ベタメタゾン、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸ベタメタゾン・リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸メチルプレドニゾロン、注射用コハク酸プレドニゾロンナトリウム、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン等が挙げられる。
【0157】
本明細書中、非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナプメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラク、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、グリチルレチン酸、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ−N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、シメトリド配合薬、非ピリン系感冒薬等が挙げられる。
【0158】
本明細書中、ヒアルロン酸製剤としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0159】
本明細書中、プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、例えば、PGE1製剤(例:アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル等)、PGI2製剤(例:ベラプロストナトリウム等)、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE2受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI2受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
【0160】
本明細書中、成長(増殖)因子としては、例えば、トランスフォーミング増殖因子−β(Transforming growth factor-β;TGF−β)、インスリン様増殖因子(Insulin-like growth factor;IGF−I)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast growth factor;bFGF)、上皮増殖因子(Epidermal growth factor;EGF)とインシュリンの組合せ、成長ホルモン(Growth hormone;GH)、血小板由来増殖因子(Platelet-derived growth factor;PDGF)、結合組織成長因子(Connective tissue growth factor;CTGF)等が挙げられる。
【0161】
本明細書中、ビタミンD誘導体としては、例えば、アルファカルシドール(alfacarcidol)、ファレカルシトリオール(falecalcitriol)、カルシトリオール(calcitriol)、1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(1α,25-dihydroxycholecalciferol)、ジヒドロタキステロール(dihydrotachysterol)、ST−630、KDR、ED−71、ロカルトール(Ro44−7190)、タカルシオール(tacalciol)、マキサカルシトール(maxacalcitol)等が挙げられる。
【0162】
本明細書中、ビタミンA誘導体としては、例えば、パルミチン酸レチノール、エトレチナート、トレチノイン等が挙げられる。
【0163】
本明細書中、メタロプロテイナーゼ阻害薬としては、例えば、ONO−4817等が挙げられる。
【0164】
本明細書中、軟骨形成促進薬としては、例えば、AG−041R、TAK−778等が挙げられる。
【0165】
本明細書中、PDE4阻害薬としては、例えば、シロミラスト(cilomilast)、ロフルミラスト(roflumilast)、アロフィリン(arofylline)、OPC−6535、ONO−6126、IC−485、AWD−12−281、CC−10004、CC−1088、KW−4490、Iirimilast、ZK−117137、YM−976、BY−61−9987、CC−7085、CDC−998,MEM−1414、ND−1251、Bay19−8004、D−4396、PD−168787、アチゾラム(atizoram)、シパムフィリン(cipamfylline)、ロリプラム(rolipram)、NIK−616、SCH−351591、V−11294A、OS−0217、GRC3886、NIK−639等が挙げられる。
【0166】
本明細書中、エラスターゼ阻害薬としては、例えば、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、DMP−777、L−659286、L−658758、L−680833、L−683845、AE−3763等が挙げられる。
【0167】
以上の併用薬剤は例示であって、これらに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0168】
本発明の医薬組成物によれば、EP2アゴニストを疾患部位(軟骨欠損部位)に長期的に作用させ、副作用を回避することができる。したがって、該医薬組成物は、EP2アゴニストの軟骨再生作用を効果的に発現させることができることから、軟骨関連疾患の治療等に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0169】
以下、実施例を挙げて、本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0170】
また、製剤基剤の割合および/または製剤基剤の組み合わせは、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
[製剤例]
製剤例1:W/O/W型PLGAマイクロスフェア
(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸のリジン塩(以下、化合物Aと略記する。)30mgを蒸留水75μLに溶解した。これに別に溶解した乳酸−グリコール酸共重合体(以下、PLGAと略記する。)を含むジクロロメタン溶液(キシダ化学株式会社)2mLを添加し、15秒間超音波照射で乳化した。PLGAとしては、PLGA−5020[(乳酸/グリコール酸=50/50(モル%)、重量平均分子量:約20000):和光純薬工業株式会社](製剤1A)、またはPLGA5−1[(乳酸/グリコール酸=50/50(モル%)、重量平均分子量:約50000):三井東圧化学株式会社](製剤1B)を用いた。これを0.1%ポリビニルアルコール(ナカライテスク株式会社、以下、PVAと略記する。)、2.0%塩化ナトリウム(シグマアルドリッチジャパン株式会社)および2.0%結晶マルトース(日本食品化工株式会社)の混合溶液300mLに加え、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社;5000rpm)で、乳化した。得られたW/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら約3時間脱溶媒した(水中乾燥法)。得られたマイクロスフェアをろ過または遠心分離し、沈殿物を0.2%ポリソルベート80(日本油脂株式会社)水溶液または蒸留水で洗浄し、遊離薬物およびPVAを除去した後、凍結乾燥し、篩過粉砕してPLGAマイクロスフェア末を得た。
【0171】
製剤例2:PLGAマイクロスフェア含有ハイドロゲル製剤
製剤例1で作製した化合物Aを含有するPLGAマイクロスフェア末に、1%ペプチドハイドロゲル(PuraMatrixTM、3DMatrix社製)を加え、静かに撹拌し、PLGAマイクロスフェア含有ハイドロゲル製剤を得た。
[生物学的実施例]
生物学的実施例1:in vitro薬物放出試験
製剤例1で作製した化合物Aを含有する製剤1Aまたは製剤1BのPLGAマイクロスフェア末30mgの、0.05%Tween80含有リン酸緩衝液(pH6.8)の30mL溶液を、37℃の恒温槽内で穏やかに撹拌した。撹拌開始時から経時的に(0、6、24、48、72、168、336時間後)、溶出液をサンプリングし、遠心分離(3000rpm、10分)により上清と沈殿物とに分け、沈殿物中の化合物Aの含量をHPLC(L−7000シリーズ、日立ハイテクノロジーズ株式会社)により測定し、残存率を算出した。結果を図1に示す。
【0172】
その結果、化合物AをPLGAマイクロスフェア化(製剤1Aおよび製剤1B)することにより、in vitroにおいて、化合物Aが72時間以上持続的に放出されることがわかった。
【0173】
生物学的実施例2:in vivo血中動態測定
化合物A、製剤例1で作製した化合物Aを含有する製剤1Aまたは製剤1BのPLGAマイクロスフェア末を生理食塩水にそれぞれ溶解し、化合物A溶液(0.6mg/mL)および化合物A含有PLGAマイクロスフェア懸濁液(20mg/mL)を調製した。雄性ウサギ(Kbl:NZW、北山ラベス株式会社、2.5〜3kg)の膝関節腔内に、調整した各被験物質を500μL/siteの用量で無麻酔下にて投与した。投与前および投与後2分、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間および72時間のポイントで、耳介静脈より無麻酔下にてヘパリン加採血を行った。得られた血液を氷冷し遠心分離を行い、血漿として上清を採取した。血漿中の化合物Aの濃度をLC/MS/MS(API4000、アプライドバイオシステムズ社)により測定した。結果を図2に示す。
【0174】
その結果、化合物A溶液は投与直後に血中から消失するのに対して、化合物A含有PLGAマイクロスフェア懸濁液(製剤1Aおよび製剤1B)では、化合物Aが48時間以上血中に存在した。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明の医薬組成物は、EP2アゴニストを疾患部位で長期的に作用させることを可能にし、かつ副作用がなく安全であるため、軟骨関連疾患の治療等に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】in vitro放出試験における沈殿物中の化合物Aの残存率を示すグラフである。
【図2】ウサギ膝関節腔内投与時における血漿中の化合物A濃度の時間的推移を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイドロゲル、および生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストを含有してなる医薬組成物。
【請求項2】
生体内分解性重合体が、脂肪酸エステル共重合体である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
脂肪酸エステル共重合体が、乳酸−グリコール酸共重合体である請求項2記載の組成物。
【請求項4】
さらに、プロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸を含んでいてもよい請求項1記載の組成物。
【請求項5】
生体内分解性重合体に含まれていてもよいEP2アゴニストが、生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストである請求項1記載の組成物。
【請求項6】
EP2アゴニスト1重量部に対し乳酸−グリコール共重合体を1〜1000重量部含有してなる請求項5記載の組成物。
【請求項7】
軟骨再生用である請求項1記載の組成物。
【請求項8】
徐放性である請求項1記載の組成物。
【請求項9】
徐放性が2週間〜6ヶ月の持続時間である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
生体内分解性重合体に含まれるEP2アゴニストの形態が、マイクロカプセル、マイクロスフェアまたはナノスフェアである請求項5記載の組成物。
【請求項11】
局所投与用である請求項1記載の組成物。
【請求項12】
局所投与が関節腔内投与である請求項11記載の組成物。
【請求項13】
EP2アゴニストが、一般式(I)
【化1】

[式中、Rは、カルボキシル基またはヒドロキシメチル基を表し、
1aは、酸素原子、メチレン基またはハロゲン原子を表し、
2aは、水素原子、水酸基、またはC1〜4アルコキシ基を表し、
3aは、水素原子、C1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基、または1〜3個の以下の(1)〜(5)の基で置換されているC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基またはC2〜8アルキニル基を表し:(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルコキシ基、(3)C3〜7シクロアルキル基、(4)フェニル基、または(5)1〜3個のハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基;
は、0〜4を表し、
【化2】

は、一重結合または二重結合を表し、
【化3】

は、二重結合または三重結合を表し、
【化4】

は、一重結合、二重結合または三重結合を表す。]、または一般式(IB)
【化5】

[式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表し、
は、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表し、
は、A1BまたはA2Bを表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜8アルキニレン基を表し、
2Bは、−G1B−G2B−G3B−基を表し、
1Bは、(1)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1〜4アルキレン−環1−基を表し、
は、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR1B−基を表し、
1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)単結合、(2)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1〜4アルキレン基、(3)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2〜4アルキニレン基を表し、
は、D1BまたはD2Bを表し、
1Bは、(1)−COOH基、(2)−COOR2B基、(3)テトラゾール−5−イル基、または(4)−CONR3BSO4B基を表し、
2Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)フェニル基、(3)フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(4)ビフェニル基を表し、
3Bは、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
4Bは、(1)C1〜10アルキル基、または(2)フェニル基を表し、
2Bは、(1)−CHOH基、(2)−CHOR5B基、(3)水酸基、(4)−OR5B基、(5)ホルミル基、(6)−CONR6B7B基、(7)−CONR6BSO8B基、(8)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)mB−OH基、(9)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)mB−H基、(10)−COOR9B基、(11)−OCO−R10B基、(12)−COO−Z1B−Z2B−Z3B基、または
(13)
【化6】

を表し、
5Bは、C1〜10アルキル基を表し、
6BおよびR7Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
8Bは、フェニル基で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
9Bは、(1)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいビフェニル基で置換されたC1〜10アルキル基、または(2)C1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたビフェニル基を表し、
10Bは、(1)フェニル基、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
mBは、1または2を表し、
1Bは、(1)C1〜15アルキレン基、(2)C2〜15アルケニレン基、または(3)C2〜15アルキニレン基を表し、
2Bは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1B−基、(5)−NRZ2BCO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2B−基、(10)−NRZ2BSO−基、(11)−NRZ3B−基、(12)−NRZ4BCONRZ5B−基、(13)−NRZ6BCOO−基、(14)−OCONRZ7B−基、または(15)−OCOO−基を表し、
3Bは、(1)水素原子、(2)C1〜15アルキル基、(3)C2〜15アルケニル基、(4)C2〜15アルキニル基、(5)環Z、または(6)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NRZ8B−基、または環Zで置換されたC1〜10アルキル基を表し、
環Zは、(1)炭素環または(2)複素環を表し、
Z1B、RZ2B、RZ3B、RZ4B、RZ5B、RZ6B、RZ7B、およびRZ8Bは、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、
Z1BとZ3B基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の含窒素複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含んでもよく、
環Z、およびRZ1BとZ3Bが結合している窒素原子と一緒になって表される5〜7員の含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;
(1)C1〜15アルキル基、(2)C2〜15アルケニル基、(3)C2〜15アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、またはC1〜10アルキル−NRZ9B−基で置換されたC1〜10アルキル基;
Z9Bは水素原子、またはC1〜10アルキル基を表し、
は、E1BまたはE2Bを表し、
1Bは、
【化7】

を表し、
11Bは、(1)C1〜10アルキル基、(2)C1〜10アルキルチオ基、(3)C3〜8シクロアルキル基で置換されたC1〜10アルキル基、(4)環2で置換されたC1〜10アルキル基、または(5)−W1B−W2B−環2で置換されたC1〜10アルキル基を表し、
1Bは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1B−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1BSO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表し、
11−1Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
2Bは、(1)単結合、または(2)C1〜4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表し、
2Bは、(1)U1B−U2B−U3B基、または(2)環4基を表し、
1Bは、(1)C1〜4アルキレン基、(2)C2〜4アルケニレン基、(3)C2〜4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1〜4アルキレン基−環3−基、(6)C2〜4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2〜4アルキニレン基−環3−基を表し、
2Bは、(1)単結合、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12B−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12BSO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表し、
12Bは、(1)水素原子、(2)C1〜10アルキル基、または(3)C2〜10アシル基を表し、
3Bは、(1)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、およびNR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1〜8アルキル基、(2)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、(3)C1〜10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、および−NR13B14B基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1〜8アルキル基、または(5)環4基を表し、
13BおよびR14Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環1、環2、環3、または環4は、1〜5個のRで置換されていてもよく、
は、(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR15B16B基、(10)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(13)−NR15B16B基で置換されたC1〜10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2〜10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2〜10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1〜10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1〜10アルキル基、(21)COOR17B基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、または(25)C2〜10アシル基を表し、
15B、R16B、およびR17Bは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜10アルキル基を表し、
環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
(1)C1〜10アルキル基、(2)C2〜10アルケニル基、(3)C2〜10アルキニル基、(4)C1〜10アルコキシ基、(5)C1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜10アルコキシ基で置換されたC1〜10アルキル基;
環1、環2、環3、環4、および環5は、それぞれ独立して、(1)炭素環、または(2)複素環を表す。]
で示される化合物、その塩、そのN−オキシドもしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらのシクロデキストリン包接化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項14】
EP2アゴニストが、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩である請求項13記載の組成物。
【請求項15】
軟骨再生用が、軟骨関連疾患の予防および/または治療用である請求項7記載の組成物。
【請求項16】
軟骨関連疾患が、肩関節周囲炎、顎関節症、関節リウマチまたは変形性関節症である請求項15記載の組成物。
【請求項17】
請求項1記載の医薬組成物とステロイド薬、非ステロイド系抗炎症薬、ヒアルロン酸製剤、プロスタグランジン類、成長因子類、ビタミンD誘導体、ビタミンA誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害薬、ホスホジエステラーゼ4阻害薬、エラスターゼ阻害薬および軟骨形成促進薬から選択される1以上とを組み合わせてなる軟骨再生用医薬。
【請求項18】
ハイドロゲル、および乳酸−グリコール共重合体に含まれる(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩を含有してなる医薬組成物であり、(5Z)−7−{(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−[(1E,4S)−4−(1−エチルシクロブチル)−4−ヒドロキシブタ−1−エン−1−イル]−3−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸またはそのリジン塩の1重量部に対し乳酸−グリコール共重合体を1〜1000重量部含有し、さらにプロテオグリカンおよび/またはヒアルロン酸とを含んでいてもよい、2週間〜6ヶ月の徐放性である関節腔内投与用の軟骨再生用医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−99760(P2007−99760A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240686(P2006−240686)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】