説明

転がり軸受用軌道輪および転がり軸受

【課題】高精度かつ高強度の軌道輪を低コストに量産可能とする。
【解決手段】金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体10を焼結することにより形成された金属焼結体10’からなる外輪1である。外輪1の内径面には転動体が転動する軌道面2が設けられており、この軌道面2を、凹凸のない円筒面に形成された金属焼結体10’の内径面に塑性加工を施すことで成形している。さらに、軌道面2の軸方向両側に設けられたシール溝3,3を、凹凸のない円筒面に形成された金属焼結体10’の内径面に加工を施すことで成形している。この外輪1は、相対密度が80%以上100%未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受用軌道輪および転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、転がり軸受の構成部材である軌道輪(例えば内輪や外輪)は、ボールやころ等の転動体が転動する軌道面を有している。この種の軌道輪は、中実の金属素材(溶製材)に切削等の機械加工あるいは鍛造等の塑性加工を施すことで略完成品形状の中間加工品を得る工程、中間加工品に焼入れ等の熱処理を施す熱処理工程、および特に高精度が要求される部位に研削,研磨等の仕上げ加工を施す仕上げ工程などを経て最終製品に仕上げられるのが一般的である。なお、熱処理は、中間加工品のうち、少なくとも軌道面の形成領域に対して施される。これにより、軌道面の機械的強度、特に繰り返し疲労強度の向上が図られ、転動体が転動する都度軌道面に作用する応力(繰り返し応力)によって軌道面が変形等する事態が可及的に防止される。
【0003】
上記した軌道輪の製造方法において、中間加工品を得るために機械加工を選択した場合、高精度の中間加工品を得ることができるという利点はあるが、加工量が多く材料ロスが大きいために歩留の向上を図る上で難がある。また、加工量が多く、加工工具を頻繁に交換する必要があるためにダウンタイムが長くなり易く、生産効率を有効に高め得ないという問題もある。これらの問題は、軌道輪が複雑形状を呈する場合ほどその傾向が大きくなる。一方、軌道輪の中間加工品を得るために塑性加工を選択すると、中間加工品の製作段階における材料ロスを少なくすることができるという利点はあるが、機械加工ほどの加工精度を確保することが難しいために入念かつ大幅な仕上げ加工が必要となる。そのため、仕上げ加工に手間とコストを要し、また、期待するほどの材料ロスの軽減効果を得られないのが実情である。
【0004】
このように、溶製材から軌道輪を得るようにした場合、上述した各理由から、軌道輪、ひいては転がり軸受の低コスト化に限界が生じる。そこで、例えば下記の特許文献1に記載されているように、軌道輪としての内輪又は外輪を焼結金属(金属焼結体)で形成する提案がなされている。このようにすれば、金属粉末を主体とする原料粉末を加圧することで所定形状の圧粉体を成形し、その後、この圧粉体を脱脂・焼結等するだけで略完成品形状の中間加工品を得ることができる。また、金属焼結体は多孔質組織を有する関係上、溶製材に比べて加工性に優れるため、仕上げ加工を容易に行い得る。従って、高精度の軌道輪を比較的低コストに量産することが可能となる。
【0005】
特許文献1の他、下記の特許文献2にも、軌道輪を金属焼結体で形成することが記載されている。具体的には、CIP法やHIP法で焼結金属性の棒鋼を形成し、この棒鋼を所定長さに切断した後、機械加工にて所定形状の軌道輪に仕上げることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−25938号公報
【特許文献2】特許第2876715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されている軌道輪にも種々の問題がある。まず、同文献中に記載の軌道輪は、軌道面の最深部を通るようなラジアル方向の境界線で分割された2つの圧粉体(同文献中、インナー側分割片およびアウター側分割片)を焼結結合させて構成されることから、軌道輪各部の精度を確保することが難しく、特に、軌道輪としての機能を果たすうえで重要部位である軌道面の平滑性や形状精度を確保するのが困難である。そのため、2つの圧粉体を焼結結合させた後、特に軌道面の形成領域に対して入念な仕上げ加工を施す必要があって、軌道輪を金属焼結体で形成することによるコストメリットを十分に享受することができないという問題がある。また、軌道輪の形成に際して少なくとも2種類の圧縮成形型を保有しておく必要がある点からもコスト上不利である。
【0008】
さらに、転がり軸受の構成部材である軌道輪は、全体として高い機械的強度を具備していなければならないのはもちろんのこと、転動体が転動する都度応力が作用する部位である軌道面は、特に高い機械的強度(特に耐疲労強度)を有することが実用上必要不可欠である。それにも関わらず、特許文献1に記載の軌道輪では、強度面について何ら検討されていない。
【0009】
一方、特許文献2には、金属焼結体で形成した軌道輪の空孔径や表面硬さについて規定されているが、これを実現するためにはCIP法やHIP法が必要である。これらの手法は、設備が大掛かりになり易いことから連続生産に適さず、従って量産部品である軌道輪を製造するための手法として実現性に欠ける。
【0010】
かかる実情に鑑み、本発明の課題は、必要とされる機能を備えた転がり軸受用軌道輪を加工性良く量産可能とすると共に、複雑な形状であっても材料の無駄なく軌道輪を製作可能とし、転がり軸受の低コスト化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を種々検討した結果、高密度の金属焼結体を活用するという着想と、軌道面を成形しつつ軌道面領域を高密度化(高強度化)するために塑性加工を施すという着想とにより、上記の課題を解決するに至った。
【0012】
すなわち、上記の課題を解決すべく創案された本発明は、転動体が転動する軌道面を有する転がり軸受用軌道輪であって、金属焼結体で形成され、軌道面が金属焼結体に塑性加工を施すことで成形され、相対密度が80%以上100%未満であることを特徴とする。ここでいう相対密度は、以下に示す計算式で示される。
相対密度=(軌道輪全体の密度/真密度)×100[%]
なお、上式における「真密度[g/cm3]」とは、溶製材のように素材内部に空孔が存在しない材料の理論密度を意味し、下記の計算式から求めることができる。
(1)単一組成からなる材料の場合

(2)複数組成からなる材料の場合(ここでは組成A〜Cの3種からなるものを例示)

例えば、Fe/Crの化学成分が、それぞれ87.0/13.0[wt%]のステンレス材の真密度は、上記各元素の密度がそれぞれ7.87/7.15[g/cm3]であることから、
真密度=100/((87.0/7.87)+(13.0/7.15))≒7.78
となる。
また、本発明でいう転がり軸受用軌道輪(以下、軌道輪という)には、外径面に軌道面を有する内輪や内径面に軌道面を有する外輪の他、スラスト軌道面を有するスラスト軌道輪が含まれる。
【0013】
本発明に係る軌道輪は、相対密度が80%以上100%未満という高密度の金属焼結体からなるものであるため、この種の軌道輪に必要とされる機械的強度を確保することができる。また、転造加工などの塑性加工を追加することにより、所定精度の軌道面を容易に所定精度に成形することができ、しかも塑性加工が施された部位は加工前に比べ表面(表層部)の多孔質組織が緻密化されるため、軌道面の機械的強度、特に繰り返し疲労強度を高めることができる。そのため、軌道輪の概略形状に対応したリング状の圧粉体を成形(粗成形)し、これを焼結(焼結温度以上で加熱)してリング状の金属焼結体を得た後、この金属焼結体に塑性加工を施して軌道面を成形することにより、所定の精度および機械的強度を有する軌道輪が得られる。従って、必要とされる機能を備えた軌道輪を加工性良く量産することができると共に、複雑形状の軌道輪であっても材料の無駄なく製作することができる。これにより、転がり軸受の低コスト化を図ることができる。
【0014】
上記の金属焼結体は、鉄系合金を主成分とし、これに少なくとも0.5〜20mass%のクロム(Cr)および3mass%以下のモリブデン(Mo)を含む合金化粉を主体とした原料粉末の圧粉体を焼結して得ることができる。具体的には、例えば、1.5mass%のクロムおよび0.2mass%のモリブデンを含み、残部を鉄系合金および不可避的不純物とした合金化粉の圧粉体を焼結することで成形することができる。なお、ここでいう合金化粉は、完全合金化粉と部分合金化粉の双方を含む概念である。
【0015】
上記構成において、金属焼結体は、鉄系合金を主成分とした原料粉末を造粒することで形成した造粒粉の圧粉体を焼結したものとすることもできる。
【0016】
上記構成において、少なくとも軌道面(軌道面の形成領域)には、熱処理による硬化層を形成することができる。熱処理としては、ずぶ焼き入れや浸炭焼入れなど公知の焼入れ法を採用することができ、選択した材料や製品の仕様により適宜選択することができる。これにより、軌道面の更なる強度向上が図られる。
【0017】
軌道面は、塑性加工により、他領域(塑性加工が施されていない領域)よりも多孔質組織が緻密化された緻密面に成形される。軌道面が緻密面に成形されれば、応力集中源となる空孔が少なくなり、それを起点としたクラックも発生し難くなることから、軌道輪の信頼性や耐久寿命が向上する。
【0018】
圧粉体の成形に用いる原料粉末としては、原料粉末同士の摩擦力や粉末と成形金型間の摩擦力を低減させるための潤滑剤を含むものを使用するのが望ましく、特に圧粉体成形時の加圧力を受けることによって(その一部又は全部が)液相化し、原料粉末間に拡散・浸透していくような固体潤滑剤を含むものが望ましい。すなわち、以上の構成において、金属焼結体は、固体潤滑剤を混合した原料粉末の圧粉体を焼結することで形成されたものとすることができる。これにより、圧粉体をスムーズに離型させて、離型時における圧粉体各部の崩れを可及的に防止することができるので、金属焼結体、ひいては軌道輪の高精度化を達成することができる。
【0019】
以上の構成において、塑性加工としては転造加工を採用することができる。塑性加工法は転造に限らず、バニシング加工(バニシ加工とも称される)を採用することもできる。また、塑性加工としては冷間ローリング加工を採用しても良い。冷間ローリング加工とは、常温下で素材(ここでは金属焼結体)を回転させながら圧延していく加工方法である。何れの塑性加工法を採用するにしても、塑性加工を冷間で実行するようにすれば、塑性加工を温間あるいは熱間で実行する場合に比べ、素材の被加工部(軌道面)の精度および密度(強度)を効率的に高めることができる。
【0020】
上記の金属焼結体は、例えば800MPa以上1100MPa以下の加圧力で原料粉末を加圧することにより成形された圧粉体を、1150℃以上1300℃以下で焼結することにより形成することができる。この場合、原料粉末(金属粉末)、ひいては金属焼結体が酸化するのを可及的に防止すべく、上記の金属焼結体は、圧粉体を、不活性ガス雰囲気下又は真空下で焼結することで形成するのが望ましい。
【0021】
上記の構成を具備する軌道輪は、シール部材の一端と接触もしくは近接するシール溝をさらに有するものとすることができ、この場合、シール溝は、軌道面と同様に、上記金属焼結体に塑性加工を施すことで成形することができる。これにより、高精度のシール溝を容易に成形することができる。なお、ここでいう「シール部材の一端と接触」には、シール部材の一端が固定される場合、および、他方の軌道輪に固定されたシール部材の一端が摺動接触する場合の双方を含む概念である。
【0022】
以上で示した本発明に係る軌道輪は、転動体を介して相対回転する一対の軌道輪を備えた転がり軸受用として好ましく採用することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上に示すように、本発明によれば、軌道輪を加工性良く量産することが可能となる。従って、所期の軸受性能や耐久寿命を有する転がり軸受の低コスト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)図は本発明の一実施形態に係る軌道輪としての外輪の断面図であり、(b)図は(a)図に示す外輪の完成前の状態を示す断面図である。
【図2】図1(a)に示す外輪の製造方法の概略を示すブロック図である。
【図3】図2に示す塑性加工工程の一例を模式的に示す図である。
【図4】図2に示す塑性加工工程の他例を模式的に示す図である。
【図5】(a)図は冷間ローリング加工前におけるサンプル体の断面写真であり、(b)図は冷間ローリング加工後におけるサンプル体の断面写真である。
【図6】(a)図は本発明の他の実施形態に係る軌道輪としての内輪の断面図であり、(b)図は(a)図に示す内輪の完成前の状態を示す断面図である。
【図7】造粒粉の試料表面の拡大図である。
【図8】図7に示す造粒粉の圧粉体を焼結してなる金属焼結体の表面拡大図である。
【図9】造粒粉を含まない圧粉体成形用粉末の試料表面の拡大図である。
【図10】図9に示す粉末の圧粉体を焼結してなる金属焼結体の表面拡大図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1(a)に、本発明の一実施形態に係る転がり軸受用軌道輪の断面図を示す。同図に示す軌道輪は玉軸受(単列の玉軸受)の構成部材である外輪1であって、内径面の軸方向略中央部に転動体としてのボールが転動する環状の軌道面2を有する。軌道面2の軸方向両側には、環状のシール溝3,3が形成されており、シール溝3,3には、相手側の軌道輪としての内輪(図示せず)との間にシール部を構成するためのシール部材(図示せず)の外径端部がそれぞれ固定されるようになっている。なお、シール部とは、転がり軸受の内部空間に充填されるグリース等の潤滑剤の外部漏洩、および内部空間への異物浸入を可及的に防止するために機能する部位であり、接触タイプと非接触タイプとに大別される。接触タイプのシール部とは、図11に示すように、シール部材の反固定側の径方向端部を軌道輪のシール溝に接触させて構成されるものであり、非接触タイプのシール部とは、シール部材の反固定側の径方向端部を軌道輪のシール溝に近接配置させて構成されるものである。
【0027】
この外輪1は、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を焼結温度以上で加熱することによって形成された金属焼結体からなり、少なくとも軌道面2およびシール溝3,3は、内外径面が平滑な円筒面状に形成されたリング状の焼結金属素材(金属焼結体)の内径面に塑性加工を施すことによって成形された塑性加工面である。また、この外輪1のうち、少なくとも軌道面2には、熱処理による硬化層が形成されている。このような構成を具備する外輪1は、主に、図2に示すような原料粉末準備工程S1、圧粉工程S2、脱脂工程S3、焼結工程S4、塑性加工工程S5、熱処理工程S6および仕上げ工程S7を順に経て製造される。
【0028】
原料粉末準備工程S1では、金属焼結体からなる外輪1の成形用材料としての原料粉末が準備・生成される。原料粉末は、例えば、鉄(Fe)粉末を主成分粉末とし、これに少なくとも0.5〜20mass%のクロム(Cr)および3mass%以下のモリブデン(Mo)を含む部分合金粉又は完全合金粉とすることができる。ここでは、1.5mass%のクロムおよび0.2mass%のモリブデンに加え、さらに0.3mass%の炭素(C)を含み、残部を鉄とした完全合金粉とされる。
【0029】
なお、上記原料粉末の主成分粉末として、JISに規定の軸受鋼SUJ2〜SUJ5からなる金属粉末や、SUS420などの焼入れ可能なステンレス鋼粉末など、軸受の素材として一般に使用される金属材料の粉末であれば使用することができる。
【0030】
この原料粉末には、必要に応じて、添加剤として、銅、二硫化モリブデン、黒鉛等の固体潤滑剤や、成形を容易にするために金属系潤滑剤であるステアリン酸亜鉛や非金属系潤滑剤であるエチレンビスステアルアミド等の潤滑剤を混合しても良く、ここでは後述する圧粉工程S2において原料粉末が圧縮されることにより、一部又は全部が液相化する一又は複数種の固体潤滑剤を適量混合する。
【0031】
圧粉工程S2では、成形金型のキャビティに上記の原料粉末を投入・充填し、これを圧縮することで圧粉体10を成形する。図1(b)に示すように、当該圧粉工程S2にて成形される圧粉体10は、図1(a)に示す外輪1と同様のリング状に成形されるが、その内外径面は、双方共に凹凸のない平滑な円筒面とされ、内径面に軌道面2やシール溝3等の凹凸形状は有さない。また、圧粉体10は、相対密度が80%以上100%未満、望ましくは90%以上100%未満の金属焼結体10’を得ることができるよう、高密度に圧縮成形される。本実施形態で用いる原料粉末が鉄を主成分とするものであり、鉄の密度は約7.8g/cm3である。従って、圧粉体10は、これが金属焼結体10’となったときの密度が7.3〜7.7g/cm3の範囲内となるように圧縮成形される、とも言える。
【0032】
具体的には、例えばサーボモータを駆動源としたCNCプレス機に圧粉体形状に倣ったキャビティを画成してなる成形金型をセットし、キャビティ内に充填された上記の原料粉末を800〜1100MPaの加圧力で加圧することにより圧粉体10を成形する。圧粉体10の成形時において、成形金型は70℃以上に加温してもよい。
【0033】
ところで、金属焼結体10’の相対密度が上記の範囲内となるような圧粉体10を得るために、原料粉末を高密度に圧縮すると、圧粉体10の表面がキャビティの内壁面に密着してしまい、圧粉体10をスムーズに離型することができなくなるおそれがある。この点、本実施形態では、固体潤滑剤を適量混合した原料粉末を使用したことから、圧粉体10の成形時には、上記の高い加圧力により固体潤滑剤を液相化し、この液相化された固体潤滑剤を原料粉末相互間に拡散・浸透させることができる。従って、脆性品である圧粉体10をスムーズに離型することができ、離型に伴う圧粉体10各部の形状の崩れを可及的に回避することができる。
【0034】
脱脂工程S3では、圧粉体10に含まれる潤滑剤等が除去される。脱脂は、一般的な焼結金属製品を製作する場合と同様の条件で行うことができる。
【0035】
焼結工程S4では、脱脂された圧粉体10を焼結温度以上で加熱し、隣接する原料粉末(主成分粉末)同士を焼結結合させることによって金属焼結体10’を形成する。圧粉体10が鉄粉末を主成分粉末とした原料粉末を圧縮成形したものであることから、焼結の過程で圧粉体10(原料粉末)が酸化するのを可及的に防止するために、例えば窒素ガスおよび水素ガスの混合ガス雰囲気下に圧粉体10を配置し、これを1150℃以上1300℃以下(例えば1250℃)で60分間加熱することにより金属焼結体10’を形成する。加熱温度の下限値を1150℃に設定したのは、これよりも低い温度(例えば、一般的な鉄系金属の焼結体を形成するための温度である1120℃)で圧粉体10を加熱した場合、粉末同士を十分な結合強度でもって結合させることができないからである。また、加熱温度の上限値を1300℃に設定したのは、強度向上効果が飽和するためである。なお、圧粉体10の焼結は、上記のような不活性ガス雰囲気下ではなく、真空下で行うようにしても構わない。
【0036】
塑性加工工程S5では、上記のようにして形成された金属焼結体10’に対して塑性加工を施すことにより、金属焼結体10’の内径面に軌道面2およびシール溝3,3を成形する。金属焼結体10’内径面への軌道面2およびシール溝3,3の成形は、例えば図3に示すような転造機(リング転造機)20を用いて同時に行うことができる。転造機20は、軌道面2およびシール溝3,3成形用の型部21を外周に有する軸状のマンドレル22と、金属焼結体10’外径面に接した状態で図示外の駆動源の出力を受けて回転するダイロール23と、マンドレル22の回転を支持するサポートロール24とを備えている。このような転造機20において、金属焼結体10’の内周に挿通したマンドレル22をサポートロールで支持しつつ、金属焼結体10’の内外径面をマンドレル22とダイロール23とで挟み込み、ダイロール23をサポートロール24側に押し付けつつ回転させる。これにより、金属焼結体10’の内径面に軌道面2とシール溝3,3とが成形される。
【0037】
軌道面2とシール溝3,3は、上記のように同時成形する他、個別に成形するようにしても構わない。また、軌道面2とシール溝3,3の成形は、金属焼結体10’の薄肉化および大径化を伴うように行っても良いし、金属焼結体10’の薄肉化および大径化を伴わないように行っても良い。
【0038】
以上の各工程を経ることにより、相対密度が80%以上100%未満、より好ましくは90%以上100%未満の金属焼結体10’が形成される。特に、軌道面2およびシール溝3,3が金属焼結体10’の内径面に転造成形されることにより、金属焼結体10’のうち少なくとも内径面の被加工部位は、その他の領域(転造加工時の加圧力が及ばない領域。例えば、金属焼結体10’の厚み方向の中央部)に比べて多孔質組織が一層緻密化(高密度化)され、機械的強度、特に繰り返し疲労強度の更なる向上が図られる。軌道面2が緻密面に成形されれば、応力集中源となる空孔が少なくなり、それを起点としたクラックも発生し難くなることから、外輪1の信頼性や耐久寿命が向上する。
【0039】
熱処理工程S6は、軌道面2およびシール溝3,3が成形された金属焼結体10’に焼入れ処理等の熱処理を施すことにより、金属焼結体10’の少なくとも内径面に表面硬化層(図示せず)を形成する工程である。これにより、金属焼結体10’からなる外輪1に一層高い表面硬度を付与することができ、転がり軸受用の軌道輪に必要とされるロックウェルCスケール硬さ(HRC)58以上を確実に得ることができる。焼入れの手法としては、ずぶ焼入れや浸炭焼入れを採用することができ、選択した材料や製品の仕様等により適宜選択することができる。
【0040】
仕上げ工程S7は、塑性加工工程S5および熱処理工程S6を経た金属焼結体10’の所定部位(例えば、軌道面2およびシール溝3,3を有する内径面)に対して研削加工、研磨加工、ラップ加工、超仕上げ加工等の仕上げ処理を一又は複数種施すことにより、金属焼結体10’の所定部位の精度を一層高める工程である。この仕上げ工程S7は、必要に応じて実行すれば足り、必ずしも実行する必要はない。なお、この仕上げ工程S7で仕上げ処理を実行するにしても、その加工量(加工時間)は極めて少なく、従って歩留や加工工数に及ぼす影響は極めて軽微である。
【0041】
以上で説明したように、本発明に係る軌道輪としての外輪1は、相対密度が80%以上100%未満という高密度の金属焼結体10’からなるものであるため、この種の軌道輪(外輪1)に必要とされる機械的強度を確保することができる。また、塑性加工によれば、所定形状の軌道面2およびシール溝3を容易に成形することができ、しかも塑性加工が施された部位は塑性加工前に比べて多孔質組織が緻密化されるため、高強度が必要とされる軌道面2の機械的強度、特に繰り返し疲労強度を高めることができる。そのため、内外径面が凹凸のない平滑な円筒面状をなすリング状の圧粉体10を成形し、これを焼結温度以上で加熱して金属焼結体10’を得た後、この金属焼結体10’に塑性加工を施してその内径面に軌道面2およびシール溝3を成形するだけで、所定の精度および機械的強度を有する外輪1が得られる。従って、必要とされる機能を備えた軌道輪としての外輪1を加工性良く量産することができると共に、複雑形状の外輪1であっても材料の無駄なく製作することができる。これにより、転がり軸受の低コスト化を図ることができる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明を行ったが、金属焼結体10’の内径面に軌道面2およびシール溝3,3を成形するための方法(塑性加工工程S5で実行する塑性加工法)として冷間ローリングを採用することもできる。冷間ローリングによる金属焼結体10’内径面への軌道面2およびシール溝3,3の成形は、例えば図4に示すようなローリング加工機30を用いて行うことができる。なお、以下に示すように、冷間ローリング加工は素材の薄肉化および大径化を伴う加工方法であることから、冷間ローリング加工で軌道面2やシール溝3,3を成形する場合、金属焼結体10’としては、完成品としての外輪1よりも厚肉でかつ小径に形成されたものを用いる(図示省略)。
【0043】
図4に示す加工機30は、軌道面2およびシール溝3,3成形用の型部31を外周に有し、図示外の駆動源の出力を受けて回転するマンドレル32と、金属焼結体10’の外径面に接した状態で図示外の駆動源の出力を受けて回転する(マンドレル32とは反対方向に回転する)ダイロール33と、マンドレル32の軸方向端部を支持するサポートロール34とを備えている。このような加工機30において、金属焼結体10’の内周に挿通させたマンドレル32をサポートロール34で支持しつつ、金属焼結体10’を互いに反対方向に回転するマンドレル32とダイロール33とで半径方向に挟み込むと、金属焼結体10’は徐々に薄肉化および大径化しながらその外径面および内径面がダイロール33の内径面およびマンドレル32の外径面(型部31)にそれぞれ倣って塑性変形する。これにより、金属焼結体10’は、薄肉化および大径化されると共に、その内径面および外径面が所定形状に成形される(内径面に軌道面2とシール溝3,3とが成形される)。
【0044】
上記のように、冷間ローリング加工では、金属焼結体10’の内径面に軌道面2およびシール溝3,3が成形されるのと同時に、当該金属焼結体10’の外径面も成形されることから、冷間ローリング加工後における金属焼結体10’の内外径面(内径側および外径側の表層部)は、金属焼結体10’の厚み方向の中央部に比べて多孔質組織が緻密化されることとなる。そのため、軌道面2およびシール溝3,3の成形領域(内径面)のみならず、外径面の強度向上も図られる。
【0045】
冷間ローリング加工により多孔質組織が緻密化される様子を、図5(a)(b)にそれぞれ示すサンプル体100,100’の断面写真を参照しながら説明する。図5(a)は、内径面(図中上側の面)および外径面(図中下側の面)が平滑な円筒面状に形成されたリング状をなし、密度7.4g/cm3の焼結金属製のサンプル体100の断面写真であり、図5(b)は、サンプル体100に冷間ローリング加工を施すことにより、内径面に軌道面2に対応する凹状の円周溝102’が成形されたサンプル体100’の断面写真である。図5(b)に示す加工後のサンプル体100’においては、図5(a)に示す加工前のサンプル体100に比べ、図5(a)(b)中に白点で示される空孔が全体として少なくなっており、加工後のサンプル体100’のうち、特に円周溝102’の近傍領域、さらに内外径面の表層部領域においては、白点でしめされる空孔がほぼ消失している様子が理解される。密度を実測すると、サンプル体100’のうち円周溝102’近傍領域の密度は溶製材に限りなく近似した7.8g/cm3となっており、サンプル体100’全体としての密度(平均密度)は7.6g/cm3となっている。
【0046】
以上では、転造加工あるいは冷間ローリング加工によって金属焼結体10’の内径面に軌道面2およびシール溝3,3を成形したが、金属焼結体10’の内径面に軌道面2およびシール溝3,3を成形するためのその他の塑性加工法として、例えばバニシング加工を採用することもできる。以上で述べた何れの塑性加工法を採用するにしても、塑性加工を冷間で実行するようにすれば、塑性加工を温間あるいは熱間で実行する場合に比べ、素材の被加工部(軌道面)の精度および密度(強度)を効率的に高めることができるという利点がある。
【0047】
また、(焼結後の)相対密度が80%以上100%未満とされた高密度の金属焼結体10’を得るための具体的手段は上記のものに限定されない。例えば、原料粉末を造粒することで形成した造粒粉を加圧して圧粉体を成形し(原料粉末準備工程S1および圧粉工程S2)、次いで、この圧粉体を脱脂・焼結して金属焼結体10’を形成する(脱脂工程S3および焼結工程S4を経る)ことで得ることもできる。具体的には、例えば次のような手順を踏む。
【0048】
まず、原料粉末準備工程S1では、鉄系合金を主成分とし、これに必要に応じて銅や二硫化モリブデン、黒鉛などの粒子を配合した原料粉末を生成する。このとき、原料粉末の粉末粒度(D50)を20μm以下、好ましくは10μm以下とする。粗い粉末粒度の原料粉末では、圧粉体を構成する原料粉末間に大きな空孔ができてしまい、この圧粉体を加熱して金属焼結体を形成しても空孔が埋まらず、高密度化を達成することが難しくなるからである。これに対し、粉末粒度(D50)20μm以下の原料粉末であれば、焼結時に空孔を埋めることができるので高密度化を達成することができる。
【0049】
次いで、上記の原料粉末を造粒して造粒粉を形成する。このように、原料粉末を造粒することにより、圧粉体成形用の成形金型内での原料粉末の流動性が向上し、成形性を確保することができる。造流粉は、例えば、上記の原料粉末に、成形時の摩擦損失を低減させるための金属系潤滑剤であるステアリン酸亜鉛や非金属系潤滑剤であるエチレンビスステアルアミドなどの潤滑剤、離型剤、および造粒粉に適度な強度を付与するための糊の作用をする有機物などの造粒剤を加えて凝集した集合体である。
【0050】
造粒粉の粉末粒度(D50)は500μm以下が好ましい。500μmを超えると、キャビティへの充填性が悪化するため、必要十分量の造粒粉を充填することができず、高密度の圧粉体、ひいては焼結体を得ることが難しくなる可能性があるからである。なお、造粒粉の形状は、流動性を考慮すると特に球形が好ましい。
【0051】
そして、成形金型のキャビティ内に上記の造粒粉を充填し、これを加圧することによって圧粉体を成形する圧粉工程S2を実行すると共に、圧粉体に含まれる潤滑剤や造粒剤などを脱脂する脱脂工程S3を実行した後、圧粉体を焼結温度以上で加熱する焼結工程S4を実行する。これにより、上記範囲内の相対密度を有する高密度の金属焼結体10’を得ることができる。
【0052】
なお、上記範囲内の相対密度を有する高密度の金属焼結体10’を得るための具体的な一例を挙げると、SUS316Lを主成分とし、粉末粒度(D50)が10μmとされた原料粉末を造粒して粉末粒度(D50)が120μmの造粒粉を形成する。この造粒粉の試料表面を図7に拡大して示す。そして、この造粒粉を800MPaで加圧することによって圧粉体を成形し、これを750℃で30分脱脂した後、脱脂された圧粉体を1200℃で60分加熱する。このようにして得られた金属焼結体の表面を図8に拡大して示す。比較例として、造粒粉を含まない粉末プレス成形用粉末の試料表面を図9に拡大して示し、その焼結体の表面を図10に拡大して示す。図8と図10とを対比すれば、図8に示す造粒粉の金属焼結体は、図10に示す造粒粉を含まない粉末プレス成形用粉末を圧粉・焼結して得られる金属焼結体よりも高密度であることが理解される。
【0053】
以上の手順を踏むことで高密度の金属焼結体10’を得ることができるのは次のような理由によるものと考えられる。まず、高密度の金属焼結体10’を得るための手段の一例として、微小な粒径の原料粉末(微粉末)を用いることが有効であると考えられるが、微粉末をそのまま加圧すると、摩擦損失によって成形性が悪化するため、このような手段を採用することができない。これに対し、上記したように原料粉末を適度な粒径に造粒した造粒粉を用いることにより、微粉末を用いているにもかかわらず摩擦損失が軽減され、かつ金型内での原料粉の流動性を向上することができるので、成形性を向上することができ、微粉末を用いることが可能となる。これにより、原料粉末の表面積を増大させて、密着した原料粉末との焼結性を向上することが、換言すると高密度の金属焼結体10’を得ることができる。
【0054】
また、原料粉末として、その粉末粒度(D50)が20μm以下、好ましくは10μm以下のものを用いることにより、焼結時に空孔が埋まり易くなった点、および造粒粉末として、その粉末粒度(D50)が500μm以下のものを用いることにより、圧粉体の成形金型への造粒粉末の充填性を向上した点、なども金属焼結体10’の高密度化に寄与するものと考えられる。
【0055】
以上では、単列の玉軸受を構成する二つの軌道輪のうち、一方の軌道輪である外輪1に本発明を適用した場合について説明を行ったが、本発明は、例えば図6(a)に示すような他方の軌道輪である内輪5に適用することも可能である。具体的には、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体15を焼結することにより、相対密度が80%以上100%未満で、かつ内外径面が凹凸のない平滑な円筒面に形成されたリング状の金属焼結体15’を形成し[図6(b)を参照]、この金属焼結体15’の外径面に塑性加工を施すことで軌道面6、さらにはその軸方向両側にシール溝7,7を成形してなるものである。
【0056】
また、以上では、転がり軸受の一種である単列の玉軸受用軌道輪に本発明を適用した場合について説明を行ったが、本発明は、円筒ころ、円すいころ、針状ころ等のころを転動体として備えた、いわゆるころ軸受用軌道輪にも好ましく適用することができる。もちろん、単列タイプの転がり軸受用軌道輪のみならず、複列タイプの転がり軸受用軌道輪にも本発明を好ましく適用することができる。さらに、図示は省略するが、スラスト軌道面を有するスラスト軌道輪にも本発明を好ましく適用することができる。
【0057】
図11は、転がり軸受としての玉軸受40の一例を示すものである。同図に示す玉軸受40は、内径面に環状の軌道面41aが設けられた外輪41と、外径面に環状の軌道面42aが設けられた内輪42と、両軌道面41a,42a間に配された複数のボール43と、ボール43を円周方向所定間隔で保持する保持器44と、ボール43の軸方向両側に配設されたシール部材45,45とを備えている。各シール部材45は、その内径端部を内輪軌道面42aの軸方向外側に設けられた環状のシール溝42bに接触させるようにして、その外径端部が外輪軌道面41aの軸方向外側に設けられた環状のシール溝41bに固定されている。
【0058】
この玉軸受40では、内輪42が溶製材から形成されたものである一方、外輪41が以上で示した本発明の構成を備えている。すなわち、外輪41は、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を焼結することによって形成された金属焼結体からなり、軌道面41a、さらにはシール溝41b,41bが上記金属焼結体に塑性加工を施すことで成形され、かつ相対密度が80%以上100%未満に形成されたものである。もちろん、この玉軸受40において、外輪41に替えて内輪42を本発明の構成を備えるものとしても良いし、外輪41に加えて内輪42を本発明の構成を備えるものとしても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 外輪(軌道輪)
2 軌道面
3 シール溝
5 内輪(軌道輪)
6 軌道面
7 シール溝
10 圧粉体
10’ 金属焼結体
15 圧粉体
15’ 金属焼結体
20 転造機(リング転造機)
30 冷間ローリング加工機
40 玉軸受(転がり軸受)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動体が転動する軌道面を有する転がり軸受用軌道輪であって、
金属焼結体で形成され、軌道面が前記金属焼結体に塑性加工を施すことで成形され、相対密度が80%以上100%未満であることを特徴とする転がり軸受用軌道輪。
【請求項2】
前記金属焼結体は、鉄系合金の金属粉末を主成分とし、これに少なくとも0.5〜20mass%のクロムおよび3mass%以下のモリブデンを含む合金化粉を主体とした原料粉末の圧粉体を焼結したものである請求項1に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項3】
前記金属焼結体は、鉄系合金を主成分とした原料粉末を造粒することで形成した造粒粉の圧粉体を焼結したものである請求項1又は2に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項4】
少なくとも軌道面に、熱処理による硬化層を形成した請求項1〜3の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項5】
軌道面は、前記塑性加工により、他領域よりも多孔質組織が緻密化されている請求項1〜4の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項6】
前記金属焼結体は、固体潤滑剤を混合した原料粉末の圧粉体を焼結することで形成されたものである請求項1〜5の何れか一項に記載に転がり軸受用軌道輪。
【請求項7】
前記塑性加工が転造加工である請求項1〜6の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項8】
前記塑性加工が冷間ローリング加工である請求項1〜6の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項9】
前記金属焼結体は、800MPa以上1100MPa以下の加圧力で原料粉末を加圧することにより成形された圧粉体を、1150℃以上1300℃以下で焼結することにより形成されたものである請求項1〜8の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項10】
前記金属焼結体は、前記圧粉体を、不活性ガス雰囲気下、又は真空下で焼結することにより形成されたものである請求項2又は3に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項11】
シール部材の一端と接触もしくは近接するシール溝をさらに有し、
シール溝が、前記金属焼結体に塑性加工を施すことで成形されてなる請求項1〜10の何れか一項に記載の転がり軸受用軌道輪。
【請求項12】
転動体を介して相対回転する一対の軌道輪のうち、少なくとも一方が、請求項1〜11の何れか一項に記載された転がり軸受用軌道輪からなる転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図11】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−127492(P2012−127492A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207123(P2011−207123)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】