説明

転がり軸受装置

【課題】ロールが撓んだとしても、内輪が損傷しにくい転がり軸受装置を提供すること。
【解決手段】杵型のロールの小径軸部に固定する周方向に分割可能な内輪2の内周面に略環状の凸面70を形成し、小径軸部11の外周面に環状の凹面68を形成する。軸方向の断面において、凸面70の曲率半径を、凹面68の曲率半径よりも小さくする。上記内輪2の凸面70が、小径軸部11の凹面68に当接するように、内輪2を小径軸部11に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールおよび転動体を有する転がり軸受装置に関し、特に、連続鋳造機のスラブ搬送用の駆動ロール装置や従動ロール装置に使用されると好適な転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、転がり軸受装置としては、実開昭63−171728号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この転がり軸受装置は、連続鋳造機のスラブ搬送用のロール装置で使用されている。この転がり軸受装置は、杵型ロールと、内輪と、外輪と、軸箱と、複数の円筒ころとを備える。上記杵型ロールは、小径軸部と、一方側大径軸部と、他方側大径軸部とを有し、一方側大径軸部は、小径軸部の一方側に位置する一方、他方側大径軸部は、小径軸部の他方側に位置している。上記一方側および他方側大径軸部の夫々の外径は、小径軸部の外径よりも大きくなっている。
【0003】
上記内輪は、小径軸部の外周面に固定されている。上記内輪は、所謂二分割内輪であって、径方向の断面形状が略円弧状である二つの円弧状部分からなる。上記二つの円弧状部分が、内輪を形成するように略環状に相俟った際に、上記内輪の外周面に軌道面が形成されるようになっている。
【0004】
上記外輪は、非環状部材であって、径方向の断面形状が略円弧状の円弧状部材である。また、上記軸箱は、互いに相俟って環状部材を形成する上側部分および下側部分からなる。上記上側部分は、転がり軸受装置が使用されている使用状態で、スラブに近い側に位置する一方、上記下側部分は、上記使用状態で、スラブから遠い側に位置している。
【0005】
上記外輪は、上記下側部分の径方向の内方側の凹部内に配置されるようになっている。上記凹部は、略球面の一部からなる表面を有している。この表面は、調心機能を可能にする球面座になっている。上記上側部分の上記下側部分側の面と、上記外輪の上記上側部分側の面とは、略環状の内周面を形成している。この略環状の内周面は、軌道面を有している。
【0006】
上記内輪を構成する二つの円弧状部分は、締結部材で締結されて一体化されている。また、上記上側部分と、上記下側部分とは、上記下側部分に外輪を配置した後、締結部材で締結され一体化されている。
【0007】
上記複数の円筒ころは、内輪の上記軌道面と、上記上側部分および外輪で構成される軌道面との間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭63−171728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の転がり軸受装置では、スラブからの荷重が、小径軸部よりも大径で、かつ、小径軸部の両側に位置する一方側および他方側大径軸部にかかる構成であるから、小径軸部の両側の大径軸部が荷重によって、下側部分側に撓んで、ロールが、小径軸部が凸になるように湾曲する。
【0010】
また、上記ロールが湾曲すると、内輪の内周面の軸方向の両端部と、上記ロールとの当たりが強くなって、それらの間の摩擦力が強くなって、上記内輪の上記両端部の夫々が、小径軸部に追随する力を受ける。
【0011】
ここで、上記内輪の上記両端部の夫々が、上記小径軸部に追随する力を受けることにより、内輪に股裂力等の多様な力が作用して、内輪が損傷することがある。そして、特に、内輪の軸方向の中央部付近で損傷が発生し易いという問題がある。
【0012】
そこで、本発明の課題は、ロールが撓んだとしても、内輪が損傷しにくい転がり軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、この発明の転がり軸受装置は、
小径軸部と、この小径軸部の軸方向の一方側に位置すると共に、上記小径軸部よりも大径の一方側大径軸部と、上記小径軸部の上記軸方向の他方側に位置すると共に、上記小径軸部よりも大径の他方側大径軸部とを有して、上記小径軸部の外周面が凹面であるロールと、
周方向に分割可能である略環状の部材であって、外径側に略環状の外周軌道面を有する一方、内径側に上記小径軸部の上記凹面に当接する略環状の凸面を有する内輪と、
上記外周軌道面に上記径方向に対向する内周軌道面を有する外側軌道部材と、
上記内輪の上記外周軌道面と、上記外側軌道部材の上記内周軌道面との間に配置された複数の転動体と
を備え、
上記軸方向の断面において、上記凸面の曲率半径は、上記凹面の曲率半径よりも小さいことを特徴としている。
【0014】
尚、上記凹面および上記凸面の夫々の曲率半径は、一定でなくて、軸方向の位置に依存して変動しても良い。また、上記凹面および上記凸面の夫々の曲率半径が、軸方向の位置に依存して変動する場合、「上記凸面の曲率半径は、上記凹面の曲率半径よりも小さい」という文言は、上記凸面の最大の曲率半径が、上記凹面の最小の曲率半径よりも小さいことを意味するものとする。
【0015】
本発明によれば、上記内輪の上記凸面と、上記小径軸部の上記凹面とが当接すると共に、上記凸面の曲率半径は、上記凹面の曲率半径よりも小さいから、上記内輪の軸方向の端部と、小径軸部との接触面圧が、内輪と小径軸部との接触面圧で最大になることがなく、従来の構成と比較して、上記内輪の軸方向の端部と、小径軸部との接触面圧の値を小さくすることができる。したがって、小径軸部の両側の大径軸部が荷重によって、下側部分側に撓んで、ロールが、小径軸部が凸になるように湾曲したとしても、内輪を損傷しにくくすることができて、転がり軸受装置の寿命を長くすることができる。
【0016】
また、一実施形態では、
上記ロールが略水平方向に延在している状態、かつ、物体が上記ロールの外周面に載置されていない水平非載置状態で、上記凸面の最小内径を有する部分は、上記凹面の最小外径を有する部分と当接し、
上記水平非載置状態で、上記凸部の最小内径を有する部分と、上記凹面の最小外径を有する部分との接触面圧は、上記内輪と上記小径軸部との接触面圧のうちで最大である。
【0017】
上記実施形態によれば、上記水平非載置状態で、凸部の最小内径を有する部分と、凹面の最小外径を有する部分との接触面圧が、内輪と小径軸部との接触面圧のうちで最大であるから、外側軌道部材に対して小径軸部を安定に支持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の転がり軸受装置によれば、内輪の凸面と、小径軸部の凹面とが当接すると共に、凸面の曲率半径が、凹面の曲率半径よりも小さいから、ロールが、小径軸部が凸になるように湾曲したとしても、内輪の軸方向の端部と、小径軸部との接触面圧が、過大になることがない。したがって、ロールの湾曲に基づく内輪の歪みを小さくできるから、内輪の損傷を抑制できて、転がり軸受装置の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の転がり軸受装置の軸方向の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態の転がり軸受装置の軸方向の模式断面図である。尚、図1は、転がり軸受装置の使用状態での模式図であり、図1において矢印A、Bで示された上側が、スラブに近い側を示している。
【0022】
図1に示すように、この転がり軸受装置は、ロール1と、内輪2と、軸箱3と、外輪4と、複数の転動体の一例としての複数の円筒ころ5とを備える。
【0023】
上記ロール1は、小径軸部11と、一方側大径軸部12と、他方側大径軸部13とを有し、一方側大径軸部は12、小径軸部11の軸方向の一方側に位置する一方、他方側大径軸部13は、小径軸部11の軸方向の他方側に位置している。上記ロール1は、杵型の形状を有している。詳しくは、上記一方側大径軸部12および他方側大径軸部13の夫々の外径は、小径軸部11の最大の外径よりも大きくなっている。上記小径軸部11の外周面は、環状の凹面68を構成している。この凹面68は、小径軸部11の軸方向の垂直二等分面に対して略面対称になっている。
【0024】
上記内輪2は、小径軸部11の外周面に固定されている。上記内輪2の外周面は、その外周面の略中央に円筒軌道面14を有している。
【0025】
上記内輪2は、二分割内輪であり、第1部材、第2部材および四本の締結ボルトを有する。上記第1部材および第2部材は、相俟って環状部材を構成する。上記内輪2は、上記円筒軌道面14、第1軌道肩部15および第2軌道肩部16を有する。上記第1軌道肩部15は、円筒軌道面14の軸方向の一方の側に位置する一方、第2軌道肩部16は、円筒軌道面14の軸方向の他方の側に位置している。
【0026】
上記第1部材は、第1軌道肩部15の周方向2箇所の端の部分に、内周に雌ねじのない第1締結ボルト挿入穴を有する一方、第2軌道肩部16の周方向2箇所の端の部分に、内周に雌ねじのない第2締結ボルト挿入穴を有する。
【0027】
上記第2部材は、第1軌道肩部15の周方向2箇所の端の部分に、内周に雌ねじの形成された第1締結ボルト挿入穴を有する一方、第2軌道肩部16の周方向2箇所の端の部分に、内周に雌ねじの形成された第2締結ボルト挿入穴を有する。
【0028】
上記内輪2は、図示しない環状部材を二つの部材に切断することにより形成されている。切断前の上記環状部材は、円筒外周面およびその円筒外周面の軸方向の両側に軌道肩部(図1の15,16に対応)を有し、一方の軌道肩部および他方の軌道肩部の夫々は、軸方向に略重なる位置に、第1締結ボルト挿入穴および第2締結ボルト挿入穴を有している。また、切断前の環状部材は、軸方向の段部に割りようのノッチを有している。
【0029】
切断前の上記環状部材の第1締結ボルト挿入穴と、第2締結ボルト挿入穴とは、切断後の第1部材全体と、切断面から切断後の第2部材の一部にかけて、内周に雌ねじのない穴となっている一方、切断後の第2部材の一部を除く部分に関しては内周に雌ねじが形成された穴となっている。内周に雌ねじのない穴の内径は、内周に雌ねじが形成された穴の雌ねじに螺合する雄ねじを螺合した際、雄ねじが干渉しない大きさに形成されている。
【0030】
この環状部材を、上記環状部材の上記中心軸および上記ノッチを通過する平面で、上記ボルト挿入穴を分断するように、自然割により周方向に二分割する。二分割により、第1部材と第2部材とは切断面が形成される。このようにして、上記内輪2を構成する第1および第2部材を形成するようになっている。
【0031】
図1に示すように、上記内輪2の内周面は、略環状の凸面70を構成している。上記凸面70は、内輪2の軸方向の垂直二等分面に対して略面対称の形状を有している。上記内輪2の凸面70を、小径軸部11の凹面68に当接させて、内輪2を、小径軸部11に固定するようになっている。
【0032】
尚、上記凹面68および凸面70の夫々は、ロール1の中心軸に対して、下に凸の放物線や双曲線等の二次曲線を、上記中心軸の回りに回転してなる形状にしても良いが、これに限らず、下に凸の曲線を、ロール1の中心軸の回りに回転させた際に、作成される形状であれば如何なる形状であっても良い。
【0033】
また、この転がり軸受装置の軸方向の断面図において、内輪2の凸面70の最大の曲率半径は、小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径よりも小さくなっている。尚、小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径の値に対する、内輪2の凸面70の最大の曲率半径の値の比が、90%以上98%以下になることが好ましく、特に、90%後半、具体的には、97%から98%になることが好ましい。しかしながら、小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径の値に対する、小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径の比は、これに限らず、スラブ等の物体が、ロール1に載置されていない状態で、内輪2の軸方向の両端部が、小径軸部11につまらず接触しなければ、如何なる比の値でも良い。上記小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径の値に対する、小径軸部11の凹面68の最小の曲率半径の比の値は、仕様、条件によって、適宜、適切に変動させて、内輪2の軸方向の両端部が、小径軸部11に接触しない程度になるように調整する。
【0034】
上記内輪2は、次のようにして、ロール1に固定されるようになっている。すなわち、上記第1部材および上記第2部材を、杵型のロール1の小径軸部11に配置する。その後、第1部材の上記第1締結ボルト挿入穴および上記第2締結ボルト挿入穴に、締結ボルトを、その締結ボルトの頭部とは反対側の先端部から挿入する。続いて、上記締結ボルトを第2部材の雌ねじに締め付けることにより、内輪2を、上記小径軸部11に取り付けるようになっている。
【0035】
上記軸箱3は、内輪2の径方向の外方に位置している。上記軸箱3は、互いに相俟って環状部材を形成する上側部分41および下側部分42からなる。上記上側部分41は、転がり軸受装置が使用されている使用状態で、スラブに近い側に位置する一方、上記下側部分42は、上記使用状態で、スラブから遠い側に位置している。上記下側部分42は、径方向の内方側に凹部80を有している。
【0036】
上記外輪4は、非環状部材であって、径方向の断面形状が略円弧状の円弧状部材である。上記外輪4は、下側部分42の径方向の内方側の凹部80内に配置されるようになっている。上記上側部分41の下側部分42側の面と、外輪4の上側部分41側の面とは、略環状の内周面を形成している。この略環状の内周面は、円筒軌道面31を有している。上記軸箱3および外輪4は、外側軌道部材を構成している。上記上側部分41と、下側部分42とは、下側部分42に外輪4を配置した後、締結部材で締結されて、一体化されている。また、上記複数の円筒ころ5は、内輪2の円筒軌道面14と、上側部分41および外輪4で構成される円筒軌道面31との間に配置されている。
【0037】
尚、図1において、20は、上側部分41のウォータージャケットを示し、21は、ウォータージャケットを密封する蓋部材を示している。上記軸箱3は、ウォータージャケットを通過する循環水路(図示せず)に冷却水を循環することにより、冷却されるようになっている。
【0038】
上記構成において、上記ロール1は、スラブがロール1上を通過する際に、次のように変位することがわかっている。すなわち、図1を参照して、スラブがロール1上を通過する際、スラブは、小径軸部11より、より外径が大きい一方側大径軸部12上および他方側大径軸部13上を通過することになる。すると、上記ロール1は、図1に矢印A、BおよびCに示す方向に荷重を受けて撓んで、一点鎖線Dで示すように、小径軸部11が凸になるように変位することがわかっている。尚、ここで、凸状の撓みを、解り易いように単純化して円弧で示している。
【0039】
上記実施形態の転がり軸受装置によれば、上記内輪2の凸面70と、小径軸部11の凹面68とが当接すると共に、凸面70の曲率半径は、凹面68の曲率半径よりも小さいから、内輪2の軸方向の一方側および他方側の端部と、小径軸部11との接触面圧が、内輪2と小径軸部11との接触面圧で最大になることがなく、従来の構成と比較して、内輪2の軸方向の端部と、小径軸部11との接触面圧の値を小さくすることができる。したがって、小径軸部11の両側の大径軸部12,13が荷重によって、下側部分側に撓んで、ロールが、小径軸部11が凸になるように湾曲したとしても、内輪2の軸方向の両端部が、小径軸部11に追随することを防止できて、内輪2に過度な歪みが生じることを防止できる。したがって、内輪2を損傷しにくくすることができて、転がり軸受装置の寿命を長くすることができる。
【0040】
また、上記実施形態の転がり軸受装置によれば、上記内輪2の凸面70が、内輪2の軸方向の垂直二等分面に対して略面対称であると共に、小径軸部11の凹面68が、小径軸部11の軸方向の垂直二等分面に対して略面対称であるから、ロール1が略水平方向に延在している状態、かつ、スラブ等の物体がロール1の外周面に載置されていない水平非載置状態で、内輪2と小径軸部11との当接は、内輪2の凸面70の最小内径を有する部分と、小径軸部11の凹面68の最小内径を有する部分とが最大の接触面圧を有する状態で、互いに接触しあう当接になる。したがって、上記内輪2と小径軸部11との当接が、安定な当接になるから、軸箱3に対して小径軸部11を安定に支持することができる。
【0041】
尚、上記実施形態の転がり軸受装置では、内輪2の周方向の分割を、ノッチを用いた自然割りを用いて行ったが、この発明では、内輪2の周方向の分割を、放電加工やワイヤーカットによる切断等で行っても良く、自然割り以外の方法で行っても良い。
【0042】
また、上記実施形態の転がり軸受装置では、軸箱3と、外輪4との間に球面座を設けて、軸箱3と外輪4との間で、調心するようにしたが、この発明では、外輪の外径と、軸箱3との間に略球面の調心座を設けなくても良い。また、この発明では、断面略円弧状の外輪を省略して、内周軌道面を軸箱のみで構成するようにしても良い。このような構成であっても、内輪2の凸面70と、小径軸部11の凹面68との間で、ロール1の歪みを吸収できるから、調心座をなくしても大きな問題が起こることがないからである。更に述べると、この構成であれば、内輪の損傷を抑制することができて、軸受装置の寿命を向上させることができることに加えて、外輪外径と軸箱内径面の球面をなくすことができるから、外輪の肉厚を薄くすることができて、ころPCDを大きくすることができ、負荷容量を大きくすることができる。また、球面部の加工を行う必要がないから、コストの削減を行うことができる。
【0043】
また、上記実施形態の転がり軸受装置では、複数の円筒ころ5が、軸方向に単列に配置されていたが、この発明では、転動体は、軸方向に2列以上に配置されても良い。
【0044】
また、上記実施形態の転がり軸受装置では、軌道面は、円筒ころ(図示せず)が転動する円筒軌道面14であったが、この発明では、軌道面は、玉が転動する軌道溝、円錐ころが転動する円錐軌道面または球面ころが転動する凹面状の軌道面等であっても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 ロール
2 内輪
3 軸箱
4 外輪
5 円筒ころ
11 小径軸部
12 一方側大径軸部
13 他方側大径軸部
14 円筒軌道面
31 円筒軌道面
68 小径軸部の環状の凹面
70 内輪の略環状の凸面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径軸部と、この小径軸部の軸方向の一方側に位置すると共に、上記小径軸部よりも大径の一方側大径軸部と、上記小径軸部の上記軸方向の他方側に位置すると共に、上記小径軸部よりも大径の他方側大径軸部とを有して、上記小径軸部の外周面が凹面であるロールと、
周方向に分割可能である略環状の部材であって、外径側に略環状の外周軌道面を有する一方、内径側に上記小径軸部の上記凹面に当接する略環状の凸面を有する内輪と、
上記外周軌道面に上記径方向に対向する内周軌道面を有する外側軌道部材と、
上記内輪の上記外周軌道面と、上記外側軌道部材の上記内周軌道面との間に配置された複数の転動体と
を備え、
上記軸方向の断面において、上記凸面の曲率半径は、上記凹面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする転がり軸受装置。
【請求項2】
請求項1に記載の転がり軸受装置において、
上記ロールが略水平方向に延在している状態、かつ、物体が上記ロールの外周面に載置されていない水平非載置状態で、上記凸面の最小内径を有する部分は、上記凹面の最小外径を有する部分と当接し、
上記水平非載置状態で、上記凸部の最小内径を有する部分と、上記凹面の最小外径を有する部分との接触面圧は、上記内輪と上記小径軸部との接触面圧のうちで最大であることを特徴とする転がり軸受装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−64303(P2011−64303A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217248(P2009−217248)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】