説明

転倒防止つき衝立

【課題】 張り出し部を設けることで転倒することを防止でき、また、張り出し部を着脱自在とすることにより収納性も損なわれない衝立を提供する。
【解決手段】プラスチックダンボールからなる長方形の各パネル1は、折り曲げ可能に連結されて衝立100の主要部を構成している。そして、衝立100の中央に折曲線1aを設けると共に、折曲線1aと両端部1cとの中間に折曲線1aと反対折りとなる逆折曲線1bを設けている。
転倒防止用の張り出し部2は、パネル1の接地下端部の表裏両面に着脱可能に設けている。張り出し部2も、プラスチックダンボールからなる小型の長方形のパネルであって、中央に折曲線2aを設けると共に、両端付近に折曲線2aと反対折りとなる逆折曲線2bを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立型の衝立に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大きな部屋の一部を臨時に間仕切りして診察や事務・面談などのための小スペースを作り出す場合や軽量展示物などの展示に簡便な衝立が使用されている。
【0003】
以下、従来の衝立200について、図4を参照して説明する。図中11は長方形のダンボールからなる複数のパネルを連結した従来の衝立である。中央に折曲線11aを設けると共に、折曲線11aと両端との中間部に折曲線11aと反対折りとなる逆折曲線11bを設けている。12は装飾用の絵や印刷を設ける装飾欄であって、ダンボール11の表裏面に設けている。
【0004】
衝立200の使用に当たっては、装飾欄12に自分の好みの絵を直接画いたり或は貼り付けたり又は印刷したりして装飾をつけるほか、なにも設けず無地のままとしておくこともある。そして折曲線11aにてダンボール11を二つ折りとし、更に逆折曲線11bにて折曲線11aと反対方向に折り曲げて四つ折りにし、所定場所に垂直に立てて間仕切として使用する。間仕切として不用になれば、折曲線11aと逆折曲線11bにて伸ばして一枚板として或は、四つ折りに折り畳んで重ね合わせて収納する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平6−46567号公報 (第4頁、第2図)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の衝立200においてはダンボール11に人体の一部が触れるなどして折曲線11aと両端及び中間の逆折曲線11bが直線状に並ぶと、衝立200は容易に転倒するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、複数のパネルが折り曲げ可能に連結された衝立であって、パネルの接地下端部に着脱可能な張り出し部を有することを特徴とする転倒防止つき衝立である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の衝立は、パネルの接地下端部に張り出し部を設けることで転倒することを防止できる。また、張り出し部を着脱自在とすることにより収納性も損なわれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
衝立の転倒防止という目的を、張り出し部を設けることで収納性を損なうことなく実現した。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明の実施例1の衝立100について、図1、図2を参照して説明する。図2は、図1の張り出し部2を底面からみた拡大図である。張り出し部2とパネル1とは面状ファスナー3で結合されている。図1において、1はプラスチックダンボールからなる長方形のパネルであって、各パネル1が折り曲げ可能に連結されて衝立100の主要部を構成している。そして、衝立100の中央に折曲線1aを設けると共に、折曲線1aと両端部1cとの中間に折曲線1aと反対折りとなる逆折曲線1bを設けている。
【0010】
2は本発明の特徴である転倒防止用の張り出し部であって、パネル1の接地下端部の表裏両面に着脱可能に設けている。張り出し部2も、プラスチックダンボールからなる小型の長方形のパネルであって、中央に折曲線2aを設けると共に、両端付近に折曲線2aと反対折りとなる逆折曲線2bを設けている。
【0011】
使用時は、各張り出し部2を図1に示すようにパネル1の両面に広げるとともに衝立100をつづら折れ状態に広げ、臨時の間仕切りや絵画などの展示物の展示用パネルとして使用する。
【0012】
収納時は、各張り出し部2をパネル1と密着させるように収納してから、各パネル1を折り畳んで重ね合わせて収納する。張り出し部2を平面状に収納したときの幅寸法は、パネル1のそれよりも少し短くしている。図2に示す破線は、張り出し部2の収納状態を示している。また、張り出し部2をパネル1から取り外して衝立100を収納することもできる。
【0013】
そして図3(a)に示すように、折曲線1a、2a、逆折曲線1b、2bは、プラスチックダンボールの波型に成型した中芯シート6とライナシート7との接着稜線7aであることが望ましく、接着稜線7aと反対側のライナ7bを切断して折り曲げている。
【0014】
以上説明したように、張り出し部2を展開して使用することで、衝立100の接地面積が大きくなり、また、床面との摩擦も大きくなる。さらに、張り出し部2があるため衝立100の重心がより低くなる。よって、衝立100の使用状態の折り曲げ角度が変わりにくくなり、衝立100が転倒することを防止できる。また、張り出し部2を平面状にしてパネル1に密着させたり、張り出し部2をパネル1から取り外したりして衝立100を収納することにより、収納性も損なわれない。
【0015】
尚、図1に示すパネル1の端部1c を、図2に示すようにフレーム4で挟めば、端部1cの装飾や補強及び鋭利な加工端のカバーによる安全対策にもなる。また、衝立100の所望サイズによっては、折曲線1a、1bは、図3(b)に示すように、隣り合うパネル1どうしをプラスチック製のフレーム5で挟んで接続しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の衝立は、スペース確保のための間仕切りや移動診察時の衝立、また、軽量の著作物等の展示パネル等に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例の衝立100の全体図。
【図2】本発明の第1実施例の衝立100の部分拡大底面図。
【図3】本発明の第1実施例の衝立100の部分拡大図。
【図4】従来例の衝立200の全体図。
【符号の説明】
【0018】
1 パネル
2 張り出し部
3 面状ファスナー
4、5 フレーム
6 中芯シート
7 ライナシート
11 ダンボール
12 装飾欄
100、200 衝立

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルが折り曲げ可能に連結された衝立であって、前記パネルの接地下端部に着脱可能な張り出し部を有することを特徴とする転倒防止つき衝立。
【請求項2】
前記張り出し部は、少なくとも衝立両端に位置する前記パネルの両面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止つき衝立。
【請求項3】
前記張り出し部は、衝立収納時に前記パネルと略密着状態で収納されることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止つき衝立。
【請求項4】
前記張り出し部及び前記パネルは、プラスチックダンボールで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止つき衝立。
【請求項5】
前記張り出し部は、衝立組み立て時に前記パネルと面状ファスナーで接合されることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止つき衝立。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−204652(P2006−204652A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22380(P2005−22380)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000156950)関西日本電気株式会社 (26)