説明

転倒防止脚の出し入れ装置

【課題】転倒防止脚を自動で出し入れする転倒防止脚の出し入れ装置を提供する。
【解決手段】転倒防止脚20の出し入れ装置1は、筐体10の下部に配置される転倒防止脚20と、転倒防止脚20を上下方向に移動させるモータ25と、転倒防止脚20が最下部に到達したことを検知する第1センサ31と、転倒防止脚20が最上部に到達したことを検知する第2センサ34と、第1センサ31によって最下部に転倒防止脚20が到達していることを検知している場合に、第2センサ34によって最上部に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を上方向に移動させるようモータ25を制御し、第2センサ34によって最上部に転倒防止脚20が到達している場合に、第1センサ31によって最下部に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を下方向に移動させるようモータ25を制御する制御部44とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に設けられた転倒防止脚の出し入れ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としてのプリンタ等は、用紙が収容される給紙カセットをそのプリンタの筐体に備え、給紙カセットから搬送された用紙に対して画像を形成する。ところで、プリンタには、上述した給紙カセットとは別に、多数の用紙が収容される外付けのペーパーフィーダがプリンタの筐体の下部に配置される場合がある。ペーパーフィーダは、プリンタの下部に設置される場合には、転倒を防止するための転倒防止機構を用いて設置面に固定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−171489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された転倒防止機構では、ペーパーフィーダを固定するための操作をユーザの手作業で行わなければならない。このため、転倒防止機構の設置に手間がかかることや、ユーザの手が汚れる等の理由で、転倒防止機構を使用しないユーザが存在する可能性がある。
【0005】
本発明は、転倒防止脚を自動で出し入れする転倒防止脚の出し入れ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体と、前記筐体の下部に配置され、前記筐体の下部から突出して前記筐体を上昇させる第1状態及び前記筐体を上昇させない第2状態のうちいずれかの状態となるように上下方向に移動する転倒防止脚であって、転倒防止脚が上下方向に移動することが可能な移動可能範囲において最下部と最上部とが設定されている転倒防止脚と、前記転倒防止脚を上下方向に移動させる駆動部と、前記転倒防止脚を上方向又は下方向に移動させる旨の指示信号を受け付ける受付部と、前記転倒防止脚が前記最下部に到達したことを検知する第1センサと、前記転倒防止脚が前記最上部に到達したことを検知する第2センサと、前記受付部によって前記指示信号を受け付けた場合に、前記第1センサによって前記最下部に前記転倒防止脚が到達していること検知しているか、及び前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達していることを検知しているかを判断する判断部と、前記第1センサによって前記最下部に前記転倒防止脚が到達していることを検知していると前記判断部によって判断された場合に、前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達したことが検知されるまで前記転倒防止脚を上方向に移動させるよう前記駆動部を制御し、前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達していることを検知していると前記判断部によって判断された場合に、前記第1センサによって前記最下部に転倒防止脚が到達したことが検知されるまで前記転倒防止脚を下方向に移動させるよう前記駆動部を制御する制御部と、を備える転倒防止脚の出し入れ装置に関する。
【0007】
また、前記第1センサは、光を出射する第1発光部と、前記第1発光部から出射された光が前記転倒防止脚によって遮光されることが可能な位置に配置され且つ前記第1発光部から出射された光を受光する第1受光部とを備え、前記第1発光部から出射された光を前記第1受光部によって受光する場合に、前記転倒防止脚が前記最下部に到達したことを検知し、前記第2センサは、光を出射する第2発光部と、前記第2発光部から出射された光が前記転倒防止脚によって遮光されることが可能な位置に配置され且つ前記第2発光部から出射された光を受光する第2受光部とを備え、前記第2発光部から出射された光を前記第2受光部によって受光しない場合に、前記転倒防止脚が前記最上部に到達したことを検知することが好ましい。
【0008】
また、前記転倒防止脚の前記出し入れ装置は、前記筐体の下部に配置され、設置面上を移動可能とされた車輪を備え、前記転倒防止脚が下方向に移動することにより前記最下部に到達した場合に、前記転倒防止脚は、前記設置面を押圧し、前記車輪は、前記設置面から離れることが好ましい。
【0009】
また、前記転倒防止脚は、前記筐体の下部に少なくとも3つ配置され、前記転倒防止脚のそれぞれに対応して、前記第1センサ、前記第2センサ及び前記駆動部が配置されることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記転倒防止脚のそれぞれが同期して上方向又は下方向に移動するよう前記駆動部をそれぞれ制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、転倒防止脚を自動で出し入れする転倒防止脚の出し入れ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】転倒防止脚の出し入れ装置が設けられた筐体の概略を説明するための図である。図1(A)は、正面方向からの図である。また、図1(B)は、平面方向からの図である。
【図2】転倒防止脚の出し入れ装置について説明するための図である。
【図3】(A)及び(B)は、第1センサ及び第2センサについて説明するための図である。
【図4】転倒防止脚の出し入れ装置の動作について説明するためのフローである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の転倒防止脚の出し入れ装置の一実施形態について説明する。図1は、転倒防止脚20の出し入れ装置1が設けられた筐体10の概略を説明するための図である。ここで、図1(A)は、転倒防止脚20の出し入れ装置1が設けられた筐体10の概略を説明するための正面方向からの図である。また、図1(B)は、転倒防止脚20の配置位置を説明するための平面方向からの図である。図2は、転倒防止脚20の出し入れ装置1について説明するための図である。図3は、第1センサ31及び第2センサ34について説明するための図である。ここで、図3(A)は、転倒防止脚20が移動可能範囲Aの最下部A1に到達した場合の図である。また、図3(B)は、転倒防止脚20が移動可能範囲Aの最上部A2に到達した場合の図である。
【0014】
転倒防止脚20の出し入れ装置1は、例えば、画像形成装置としてのプリンタの下部等に配置され、多数の用紙(被画像形成媒体)が収容されるペーパーフィーダに設けられる。ペーパーフィーダは、多数の用紙が収容される給紙カセット(図示せず)、及び給紙カセットに収容される用紙を1枚ずつプリンタの搬送路に供給する送りローラ(図示せず)等を備える。
【0015】
図1から図3に示すように、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、筐体10と、転倒防止脚20と、駆動部としてのモータ25と、第1センサ31と、第2センサ34と、操作ボタン41と、受付部42と、判断部43と、制御部44とを備える。
【0016】
筐体10は、図1に示すように、上述した給紙カセットや送りローラが配置されるペーパーフィーダの筐体を構成する。筐体10は、設置面50上を移動可能にする複数の車輪12を下面に備える。
【0017】
転倒防止脚20は、図2に示すように、筐体10の下部10aに配置され、筐体10の下部10aから突出して筐体10を上昇させる第1状態(図2参照)及び筐体10を上昇させない第2状態(図1参照)のうちいずれかの状態となるように上下方向Yに移動する。転倒防止脚20には、上下方向Yに移動することが可能な移動可能範囲A(図3参照)において最下部A1と最上部A2とが設定されている。
【0018】
具体的には、転倒防止脚20は、ボールねじ21と、胴付部22と、第1歯車23とを備える。ボールねじ21は、筐体10の下部10aに設けられた孔部(図示せず)に挿入され、且つ、筐体10に固定されたナット24によって、上方向Y1及び下方向Y2に移動可能となるように筐体10に配置されている。すなわち、ボールねじ21は、ナット24に螺合することにより、上下方向Yに移動可能に配置されている。ナット24は、筐体10から突き出た爪部11によって筐体10に固定される。胴付部22は、ボールねじ21の下端に連結されている。胴付部22は、転倒防止脚20が移動可能範囲A内において設定された最下部A1に移動した場合に設置面50と接触する。第1歯車23は、ボールねじ21の上端に固定されている。第1歯車23は、後述するモータ25に設けられる第2歯車26と噛み合っている。
【0019】
このような転倒防止脚20は、筐体10の下部10aに少なくとも3つ配置される。本実施形態では、図1(B)に示すように、4つの転倒防止脚20が筐体10の下面における角部の近傍にそれぞれ配置されている。
【0020】
最下部A1は、転倒防止脚20が第1状態となるように、すなわち、転倒防止脚20の胴付部22が設置面50に接触して、車輪12を設置面50から離した状態となるように、転倒防止脚20の移動可能範囲A内において設定される。
【0021】
一方、最上部A2は、転倒防止脚20が第2状態となるように、すなわち、転倒防止脚20の胴付部22が設置面50から離れて、車輪12が設置面50に接触する状態となるように、転倒防止脚20の移動可能範囲A内において設定される。
【0022】
モータ25は、転倒防止脚20を上下方向Yに移動させる。モータ25は、後述する制御部44の制御に基づいて、回転軸を正回転又は逆回転するように駆動する。モータ25の回転軸には、第2歯車26が設けられている。モータ25は、駆動することにより回転軸に設けられた第2歯車26を回転させる。第2歯車26と第1歯車23とは噛み合っており、そのためモータ25によって第2歯車26が回転させられる場合には、第1歯車23が回転する。第1歯車23は、転倒防止脚20を構成するボールねじ21に固定されているために、第2歯車26の回転に伴って、ボールねじ21と共に回転する。ボールねじ21は、筐体10に固定されたナット24によって筐体10に配置されているために、第1歯車23の回転に伴って上下方向Yに移動する。したがって、モータ25は、制御部44の制御に基づいて駆動することにより、転倒防止脚20を上方向Y1又は下方向Y2に移動させることが可能になる。
【0023】
第1センサ31は、転倒防止脚20が最下部A1に到達したことを検知する。具体的には、第1センサ31は、第1発光部32と、第1受光部33とを備える。第1発光部32は、光を出射する。第1受光部33は、第1発光部32から出射された光が転倒防止脚20によって遮光されることが可能な位置に配置され、且つ、第1発光部32から出射された光を受光する。第1センサ31は、図3(A)に示すように、第1発光部32から出射された光を第1受光部33によって受光する場合に、転倒防止脚20が最下部A1に到達したことを検知する。なお、転倒防止脚20が最下部A1に到達する場合、後述する第2センサ34では、第2発光部35から出射された光を第2受光部36によって受光する。
【0024】
第2センサ34は、転倒防止脚20が最上部A2に到達したことを検知する。具体的には、第2センサ34は、第2発光部35と、第2受光部36とを備える。第2発光部35は、光を出射する。第2受光部36は、第2発光部35から出射された光が転倒防止脚20によって遮光されることが可能な位置に配置され、且つ、第2発光部35から出射された光を受光する。第2センサ34は、図3(B)に示すように、第2発光部35から出射された光を第2受光部36によって受光しない場合に、転倒防止脚20が最上部A2に到達したことを検知する。なお、転倒防止脚20が最上部A2に到達する場合、第1センサ31では、第1発光部32から出射された光を第1受光部33によって受光しない。
【0025】
ここで、上述したモータ25と、第1センサ31と、第2センサ34とは、複数の転倒防止脚20のそれぞれに対応して配置される。
【0026】
操作ボタン41は、転倒防止脚20を第1状態又は第2状態にするために、ユーザによって操作される。操作ボタン41は、ユーザによって操作された場合に、転倒防止脚20を上方向Y1又は下方向Y2に移動させる旨を示す指示信号を出力する。
【0027】
受付部42は、転倒防止脚20を上方向Y1又は下方向Y2に移動させる旨の指示信号を受け付ける。
【0028】
判断部43は、受付部42によって指示信号を受け付けた場合に、第1センサ31によって最下部A1に転倒防止脚20が到達していることを検知しているか、及び第2センサ34によって最上部A2に転倒防止脚20が到達していることを検知しているかを判断する。
【0029】
すなわち、判断部43は、第1センサ31から出力される信号に基づいて、第1受光部33により第1発光部32から出射された光を受光しているか否かを判断し、さらに、第2センサ34から出力される信号に基づいて、第2受光部36により第2発光部35から出射された光を受光しているか否かを判断する。判断部43は、第1受光部33により第1発光部32から出射された光を受光していると判断した場合には、転倒防止脚20が最下部A1に到達していると判断する。一方、判断部43は、第2受光部36により第2発光部35から出射された光を受光しないと判断した場合には、転倒防止脚20が最上部A2に到達していると判断する。
【0030】
制御部44は、第1センサ31によって最下部A1に転倒防止脚20が到達していることを検知していると判断部43によって判断された場合に、第2センサ34によって最上部A2に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を上方向Y1に移動させるようモータ25を制御する。一方、制御部44は、第2センサ34によって最上部A2に転倒防止脚20が到達していることを検知していると判断部43によって判断された場合に、第1センサ31によって最下部A1に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を下方向Y2に移動させるようモータ25を制御する。
【0031】
すなわち、制御部44は、転倒防止脚20が第1状態となる場合に、操作ボタン41が操作されたときには、転倒防止脚20が第2状態になるまでモータ25を駆動させる。一方、制御部44は、転倒防止脚20が第2状態となる場合に、操作ボタン41が操作されたときには、転倒防止脚20が第1状態になるまでモータ25を駆動させる。
【0032】
次に、転倒防止脚20の出し入れ装置1の動作について説明する。図4は、転倒防止脚20の出し入れ装置1の動作について説明するためのフローである。
【0033】
ステップST1において、出し入れ装置1は、操作ボタン41の操作を検知する。具体的には、判断部43は、受付部42によって操作ボタン41から出力された指示信号を受け付けた場合に、操作ボタン41の操作を検知する。
【0034】
ステップST2において、判断部43は、転倒防止脚20が第1状態となるために筐体10から突き出ているか、又は、転倒防止脚20が第2状態となるために筐体10に収容されている(筐体10から突き出ていない)かを判断する。すなわち、判断部43は、第1センサ31によって転倒防止脚20が最下部A1に到達していることを検知している、又は、第2センサ34によって転倒防止脚20が最上部A2に到達していることを検知しているかを判断する。転倒防止脚20が筐体10から突き出ている場合(Yes)には、処理は、ステップST3に進む。転倒防止脚20が筐体10から突き出ていない場合(No)には、処理は、ステップST6に進む。
【0035】
ステップST3において、制御部44は、転倒防止脚20を第2状態にするために、モータ25を逆回転させて転倒防止脚20を上方向Y1に移動させる。なお、筐体10に4つの転倒防止脚20が配置されているので、制御部44は、転倒防止脚20のそれぞれが同期して(同時に)上方向Y1に移動するように各モータ25を制御することが可能である。
【0036】
ステップST4において、判断部43は、第2センサ34によって転倒防止脚20が最上部A2に到達したことを検知しているか否かを判断する。転倒防止脚20が最上部A2に到達していない場合には、処理は、ステップST3に戻る。転倒防止脚20が最上部A2に到達している場合には、処理は、ステップST5に進む。
【0037】
ステップST5において、制御部44は、モータ25の回転を停止させる。これにより、転倒防止脚20は、第2状態となる。
【0038】
一方、ステップ2において転倒防止脚20が筐体10から突き出ていないと判断された場合には、ステップST6において、制御部44は、転倒防止脚20を第1状態にするために、モータ25を正回転させて転倒防止脚20を下方向Y2に移動させる。なお、筐体10に4つの転倒防止脚20が配置されているので、制御部44は、転倒防止脚20のそれぞれが同期して(同時に)下方向Y2に移動するように各モータ25を制御することが可能である。
【0039】
ステップST7において、判断部43は、第2センサ34によって転倒防止脚20が最下部A1に到達したことを検知しているか否かを判断する。転倒防止脚20が最下部A1に到達していない場合には、処理は、ステップST6に戻る。転倒防止脚20が最下部A1に到達している場合には、処理は、ステップST8に進む。
【0040】
ステップST8において、制御部44は、モータ25の回転を停止させる。これにより、転倒防止脚20は、第1状態となる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の転倒防止脚20の出し入れ装置1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、第1センサ31によって最下部A1に転倒防止脚20が到達していることを検知していると判断部43によって判断された場合に、第2センサ34によって最上部A2に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を上方向Y1に移動させるようモータ25を制御し、第2センサ34によって最上部A2に転倒防止脚20が到達していることを検知していると判断部43によって判断された場合に、第1センサ31によって最下部A1に転倒防止脚20が到達したことが検知されるまで転倒防止脚20を下方向Y2に移動させるようモータ25を制御する。これにより、出し入れ装置1は、転倒防止脚20の出し入れを自動で行うことができる。さらに、出し入れ装置1は、転倒防止脚20を第1状態にするのに手間がかかることを防止できる。
【0042】
また、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、第1発光部32から出射された光を第1受光部33によって受光する場合に、転倒防止脚20が最下部A1に到達したことを第1センサ31によって検知し、第2発光部35から出射された光を第2受光部36によって受光しない場合に、転倒防止脚20が最上部A2に到達したことを第2センサ34によって検知する。これにより、出し入れ装置1は、移動可能範囲Aにおける転倒防止脚20の現在の位置を検知することができる。
【0043】
また、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、転倒防止脚20が下方向Y2に移動することにより最下部A1に到達した場合に、車輪12が設置面50から離れる。これにより、出し入れ装置1は、筐体10の転倒を防止することができる。
【0044】
また、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、転倒防止脚20のそれぞれに対応して、第1センサ31、第2センサ34及びモータ25が配置される。これにより、複数の転倒防止脚20のそれぞれを第1状態又は第2状態にすることができる。
【0045】
また、転倒防止脚20の出し入れ装置1は、転倒防止脚20のそれぞれが同期して上方向Y1又は下方向Y2に移動するよう制御部44によってモータ25をそれぞれ制御する。これにより、出し入れ装置1は、車輪12を安定して設置面50から離すことができると共に、車輪12を安定して設置面50に付けることができる。
【0046】
なお、第1発光部32から出射された光を第1受光部33が受光しておらず、且つ、第2発光部35から出射された光を第2受光部36が受光している場合には、転倒防止脚20が最下部A1及び最上部A2の中間位置に存在する状態であるため、操作ボタン41が操作されたときに、モータ25を駆動させて転倒防止脚20を最上部A2まで移動させて脚の高さを一致させることにより誤動作を防止することができる。
また、ユーザが手動で転倒防止脚20の高さを変更する等、複数の転倒防止脚20の1つが最上部にあり、他の転倒防止脚20が最下部にある場合等、それぞれの転倒防止脚20の位置が異なる場合には、操作ボタン41が操作されたときに、モータ25を駆動させて転倒防止脚20の全てを最上部A2まで移動させて全脚の高さを一致させることにより誤動作を防止することができる。
【0047】
なお、上述した画像形成装置としてのプリンタは、例えば、パーソナルコンピュータから送信された画像データに基づいて画像形成部によりトナー画像を感光体ドラム又は中間転写ベルトに形成し、ペーパーフィーダから搬送路を介して搬送された用紙に対して転写部により感光体ドラム又は中間転写ベルトに形成されたトナー画像を転写し、定着部によりトナー画像を用紙に定着させる。
【0048】
また、上述した実施形態では、出し入れ装置1がペーパーフィーダに設けられる例について説明したが、これに限定されることはない。
【符号の説明】
【0049】
1…出し入れ装置、10…筐体、12…車輪、20…転倒防止脚、25…モータ(駆動部)、31…第1センサ、34…第2センサ、41…操作ボタン、42…受付部、43…判断部、44…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の下部に配置され、前記筐体の下部から突出して前記筐体を上昇させる第1状態及び前記筐体を上昇させない第2状態のうちいずれかの状態となるように上下方向に移動する転倒防止脚であって、転倒防止脚が上下方向に移動することが可能な移動可能範囲において最下部と最上部とが設定されている転倒防止脚と、
前記転倒防止脚を上下方向に移動させる駆動部と、
前記転倒防止脚を上方向又は下方向に移動させる旨の指示信号を受け付ける受付部と、
前記転倒防止脚が前記最下部に到達したことを検知する第1センサと、
前記転倒防止脚が前記最上部に到達したことを検知する第2センサと、
前記受付部によって前記指示信号を受け付けた場合に、前記第1センサによって前記最下部に前記転倒防止脚が到達していること検知しているか、及び前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達していることを検知しているかを判断する判断部と、
前記第1センサによって前記最下部に前記転倒防止脚が到達していることを検知していると前記判断部によって判断された場合に、前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達したことが検知されるまで前記転倒防止脚を上方向に移動させるよう前記駆動部を制御し、前記第2センサによって前記最上部に前記転倒防止脚が到達していることを検知していると前記判断部によって判断された場合に、前記第1センサによって前記最下部に転倒防止脚が到達したことが検知されるまで前記転倒防止脚を下方向に移動させるよう前記駆動部を制御する制御部と、
を備える転倒防止脚の出し入れ装置。
【請求項2】
前記第1センサは、光を出射する第1発光部と、前記第1発光部から出射された光が前記転倒防止脚によって遮光されることが可能な位置に配置され且つ前記第1発光部から出射された光を受光する第1受光部とを備え、前記第1発光部から出射された光を前記第1受光部によって受光する場合に、前記転倒防止脚が前記最下部に到達したことを検知し、
前記第2センサは、光を出射する第2発光部と、前記第2発光部から出射された光が前記転倒防止脚によって遮光されることが可能な位置に配置され且つ前記第2発光部から出射された光を受光する第2受光部とを備え、前記第2発光部から出射された光を前記第2受光部によって受光しない場合に、前記転倒防止脚が前記最上部に到達したことを検知する
請求項1に記載の転倒防止脚の出し入れ装置。
【請求項3】
前記筐体の下部に配置され、設置面上を移動可能とされた車輪を備え、
前記転倒防止脚が下方向に移動することにより前記最下部に到達した場合に、前記転倒防止脚は、前記設置面を押圧し、前記車輪は、前記設置面から離れる
請求項1又は2に記載の転倒防止脚の出し入れ装置。
【請求項4】
前記転倒防止脚は、前記筐体の下部に少なくとも3つ配置され、
前記転倒防止脚のそれぞれに対応して、前記第1センサ、前記第2センサ及び前記駆動部が配置される
請求項1から3のいずれか1項に記載の転倒防止脚の出し入れ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記転倒防止脚のそれぞれが同期して上方向又は下方向に移動するよう前記駆動部をそれぞれ制御する
請求項4に記載の転倒防止脚の出し入れ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−208430(P2012−208430A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75853(P2011−75853)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】