説明

転倒防止装置

【課題】下側フレームに対する上側フレームの傾倒を抑制し、載置物の転倒や、周辺機器との接触を防止できる転倒防止装置を提供する。
【解決手段】第1リンク機構42及び第2リンク機構は、トーションバー41に固定されたリンクプレート47と、リンクプレート47と上架台12との間に回動可能に支持されたリンクバー48と、をそれぞれ備え、リンクプレート47は、リンクバー48をY方向回りに回動可能に支持する回動軸51を備え、Y方向から見てトーションバー41と回動軸51とを結ぶ第1直線がZ方向に交差していることを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転倒防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、室外機等の載置物である設備機器を構造物(例えば、ビルの屋上の床)等の設置面に設置する際に、設備機器で発生した振動が構造物へ伝播するのを抑制するため、設置面と設備機器との間に防振架台が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、図6(a)に示すように、防振架台100は、設置面に取り付けられる下架台(下側フレーム)101と、下架台101の上方に間隔を空けた状態で配設され、設備機器Wが取り付けられる上架台(上側フレーム)102と、下架台101と上架台102との間に配置される図示しない防振部材と、下架台101と上架台102との間で両者を接近離間可能に連結する連結部材103と、を備えている。
この構成によれば、設備機器Wで発生した振動は、上架台102に伝播した後、防振部材で吸収されることで、下架台101及び構造物等へ振動が伝播するのを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−7232公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、地震等の大きな振動が発生した場合に、設備機器Wの水平方向への変位が大きくなると、設備機器Wが下端部を起点に大きく揺れる。その結果、設備機器Wが周辺の設備機器や配管、配線等に接触したり、設備機器W自体が転倒したりする虞がある。
【0006】
具体的には、図6(b)に示すように、設備機器Wが水平方向に沿って振動する際に、設備機器Wが水平方向に沿う一方側(矢印A側)に向けて傾動しようとすると、下架台101及び上架台102のうち、水平方向に沿う水平方向に沿う他方側(矢印Aと反対側)では、上架台102が下架台101に対して離間する方向(上方)に向けて変位する。
【0007】
そして、上架台102のうち他方側が、連結部材103の上端規制位置に当接することで、上架台102と下架台101との距離が規制される。この際、上架台102のうち他方側において、連結部材103の上端規制部との接触部分には、上方に向けて引張力Bが作用する。そして、このように上架台102の片側のみに引張力B作用すると、連結部材103が破損等して、設備機器Wが転倒する等の虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、下側フレームに対する上側フレームの傾倒を抑制し、載置物の転倒や、周辺機器との接触を防止できる転倒防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る転倒防止装置は、設置面側に取り付けられる下側フレームと、前記下側フレームに対して重力方向の上方に配置され、載置物が取り付けられる上側フレームと、前記下側フレームと前記上側フレームとの間に配設され、少なくとも前記下側フレームと前記上側フレームとを離間させる方向に付勢力が作用する弾性部材と、を有する制振装置に取り付けられ、前記下側フレームに対する前記上側フレームの傾倒を抑制する転倒防止装置であって、前記上側フレームと前記下側フレームとの間に、水平方向のうち一方向の両側に対向して配設された第1リンク機構、及び第2リンク機構と、前記一方向に沿って延在し、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構を連結するとともに、前記一方向回りに回動可能とされたトーションバーと、を有する転倒防止装置本体を備え、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、前記トーションバーに固定されたリンクプレートと、前記リンクプレートと前記上側フレームとの間に回動可能に支持されたリンクバーと、をそれぞれ備え、前記リンクプレートは、前記リンクバーを前記一方向回りに回動可能に支持する第1連結部を備え、前記一方向から見て前記トーションバーと前記第1連結部とを結ぶ第1直線が前記重力方向に交差していることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、地震発生時等において、載置物が例えば一方向に沿う他方側に向けて傾動しようとすると、この傾動動作に応じて上側フレームの一方側が例えば下側フレームに離間する方向(上方)に向けて変位する。これにより、例えば第1リンク機構のリンクバーが引き上げられる。
第1リンク機構のリンクバーが引き上げられると、リンクプレートはトーションバーの延在方向回りに、トーションバーと共回りする。
そして、トーションバーが回動すると、第2リンク機構のリンクプレートがトーションバーとともに、第1リンク機構側のリンクプレートと同一方向に回動する。
第2リンク機構側のリンクプレートが回動することで、第2リンク機構側のリンクバーが、上方に向けて押し上げられる。これにより、リンクバーによって上側フレームのうち、一方向に沿う一方側が上方に向けて変位することになる。
【0011】
このように、各リンク機構の回動動作を、トーションバーを介して連動させることができる。これにより、一方向に沿う一方側において、上側フレームが重力方向に変位した際に、一方向に沿う他方側においても一方側と同様に上側フレームを重力方向に変位させることができる。すなわち、一方向に沿う一方側での上側フレームの変位に追従して、上側フレーム全体を重力方向に変位させることができる。したがって、下側フレームに対する上側フレームの傾倒を抑制できるので、上側フレームのうち一方向の片側のみに上方への引張力が作用するのを抑制して、載置物の転倒や周辺との干渉を防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る転倒防止装置は、前記転倒防止装置本体は、水平方向のうち前記一方向に直交する他方向に沿って一対配設されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、転倒防止装置本体を他方向に沿って一対配設することで、載置物を安定して支持することができる。
【0014】
また、本発明に係る転倒防止装置は、一対の前記転倒防止装置本体は、これら前記転倒防止装置本体の間の中心を通り重力方向に沿う線を中心にして線対称に配設され、前記一対の転倒防止装置本体の前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士を連結して、前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士をそれぞれ連動させる一対の連動機構を備え、前記一対の連動機構は、前記第1リンク機構同士間、及び前記第2リンク機構同士間にそれぞれ配設され、前記一方向に沿って配置された回動軸回りに回動可能な回動プレートと、前記回動プレートと、前記一対の転倒防止装置本体のうち、一方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第1連結バーと、前記回動プレートと、他方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第2連結バーと、を備え、前記第1連結バー及び前記第2連結バーは、一端側が前記リンクプレートに配設された第2連結部に支持され、他端側が前記回動プレートのうち、前記回動軸を間に挟んで対向する位置でそれぞれ支持され、前記一方向から見て前記トーションバーと前記第2連結部とを結ぶ第2直線が前記第1直線に交差していることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、一方向に沿う片側に作用する荷重を各転倒防止装置本体の一方のリンク機構同士で支持できるので、載置物をより安定して支持できる。
さらに、地震発生時等において、載置物の他方側への傾動動作に応じて上側フレームの一方側が例えば下側フレームに離間する方向(上方)に向けて変位すると、一方側の転倒防止装置本体における各リンク機構のリンクバーが引き上げられる。すると、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートがトーションバーの延在方向回りに回動する。
そして、リンクプレートが回動すると、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートと回動プレートとを連結する第1連結バーが一方向に沿って変位することで、これに追従して回動プレートが回動軸回りに回動する。回動プレートが回動すると、回動プレートと他方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートとを連結する第2連結バーが、回動軸を中心にして第1連結バーと点対称に変位する。これにより、第2連結バーに追従して、他方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートがトーションバー回りに、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートと逆方向に回動することになる。そのため、他方側の転倒防止装置本体におけるリンクバーが上方に押し上げられるように変位することになる。
したがって、他方向に沿う一方側での上側フレームの重力方向への変位に追従して、載置物、及び上側フレームの全体が上方に向けて変位することになる。すなわち、他方向への振動発生時において、一方側の転倒防止装置本体と、他方側の転倒防止装置本体と、が連動機構を介して連動し、上側フレームを重力方向に変位させることができるので、下側フレームに対する上側フレームの傾動を抑制できる。
その結果、水平方向に沿う一方向のみに関わらず、一方向に直交する他方向に沿う変位も低減できるため、載置物の転倒や周辺との干渉を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る転倒防止装置によれば、下側フレームに対する上側フレームの傾倒を抑制し、載置物の転倒や、周辺機器との接触を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態における防振架台の斜視図である。
【図2】図1のE−E線に沿う図である。
【図3】図1のF矢視図であって、転倒防止装置の作用を説明するための説明図である。
【図4】第2実施形態における防振架台の斜視図である。
【図5】図4のH矢視図であって、転倒防止装置の作用を説明するための説明図である。
【図6】従来の防振架台を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(防振架台)
図1は防振架台の斜視図である。本実施形態では、本発明に係る転倒防止装置が制振装置に取り付けられてなる防振架台について説明する。
同図に示すように、本実施形態の防振架台1は、例えば室外機等のような設備機器(載置物)Wをビルの屋上等、構造物の設置面Gに設置する際に、設備機器Wと設置面Gとの間に配設されるものである。
具体的に、防振架台1は、設置面Gに取り付けられる下架台(下側フレーム)11と、下架台11の上方に間隔を空けた状態で下架台11に接近離間可能に連結されるとともに、設備機器Wが取り付けられる上架台(上側フレーム)12と、下架台11と上架台12との間に配置される防振部材(弾性部材)14と、を有する制振装置2、及びこの制振装置2に取り付けられ、下架台11に対する上架台12の傾倒を抑制する転倒防止装置13を有している。
【0019】
下架台11は、平面視で矩形枠状の部材であり、角部に配置されたコーナ部材21と、各コーナ部材21間を架け渡す枠構成材22と、を備えている。
まず枠構成材22は、鉄等の角パイプ等からなり、長尺体22a、及び長尺体22aよりも短い短尺体22bを一対ずつ備えている。これら長尺体22a同士、及び短尺体22b同士は、それぞれ平行に配置されるとともに、長尺体22a、及び短尺体22bがそれぞれ直交するように配置されている。したがって、下架台11は、長尺体22aの延在方向を長手方向、短尺体22bの延在方向を短手方向とする長方形状に形成されている。また、以下の説明では、設置面Gと平行な水平面内において、下架台11の長手方向をX方向、短手方向をY方向、X方向及びY方向に直交する上下方向をZ方向として説明する。
なお、各枠構成材22の上下面には、XY方向で重なる位置にZ方向に沿って貫通する図示しない複数の貫通孔が形成され、これら貫通孔に図示しない基礎ボルトが挿通されることで、下架台11が構造物の設置面Gに設置される。
【0020】
コーナ部材21は、互いに直交する2本の枠構成材22、すなわち長尺体22aと短尺体22bの端部同士を接合するためのものであり、X方向の外側、及びY方向の外側に向けて開放された箱型形状に形成されている。そして、コーナ部材21の側面のうち、X方向の内側を向く面に長尺体22aの端部が接合され、Y方向の内側を向く面に短尺体22bの端部が接合されている。
【0021】
上架台12は、上述した下架台11と同様の構成からなり、角部に配置されたコーナ部材23と、各コーナ部材23間を架け渡す枠構成材24と、を備えている。
まず、枠構成材24は、上述した下架台11の枠構成材22と同様に、鉄等の角パイプ等からなり、長尺体24a、及び長尺体24aよりも短い短尺体24bを一対ずつ備えている。そして、これら長尺体24a同士、及び短尺体24b同士は、それぞれ平行に配置されるとともに、長尺体24a、及び短尺体24bがそれぞれ直交するように配置されている。そして、これら長尺体24aと短尺体24bの端部同士が接合されている。したがって、上架台12は、長尺体24aの延在方向を長手方向、短尺体24bの延在方向を短手方向とする長方形状に形成されている。
【0022】
コーナ部材23は、互いに直交する2本の枠構成材24、すなわち長尺体24aと短尺体24bの端部同士を接合するためのものであり、X方向の外側、及びY方向の外側に向けて開放された箱型形状に形成されている。そして、コーナ部材23の側面のうち、X方向の内側を向く面に長尺体24aの端部が接合され、Y方向の内側を向く面に短尺体24bの端部が接合されている。
【0023】
防振部材14は、設備機器Wから上架台12に伝播される振動を吸収して下架台11への振動の伝播を軽減するものであり、下架台11、及び上架台12の周方向に沿って間隔を空けて複数配設されている。本実施形態の防振部材14は、例えばコイルばねとゴムを一体成形したものや、樹脂ケース内にコイルばねを内蔵したものが用いられている。そして、防振部材14は、その上端部が上架台12(枠構成材24)の下面に連結され、下端部が下架台11(枠構成材22)の上面に連結されることで、下架台11、及び上架台12間で両者11,12を互いに離間する方向に向けて付勢しつつ、上下方向(Z方向)及び水平方向(XY方向)への相対移動を吸収できるようになっている。
【0024】
図2は図1のE−E線に沿う断面図である。
図1,2に示すように、下架台11と上架台12との間には、両者11,12をZ方向に沿って接近離間可能に連結する連結部材25が設けられている。連結部材25は、下架台11と上架台12を連結する連結ボルト26を有している。連結ボルト26は、下架台11におけるコーナ部材21の上面に形成された下側連結孔27から、上架台12におけるコーナ部材23の下面に形成された上側連結孔28に向けて挿通されている。
【0025】
具体的に、連結ボルト26の基端側は、座金29及びナット30によってコーナ部材21の上面に固定されている。
一方、連結ボルト26のうち、コーナ部材23の下面を間に挟んで下側にはコーナ部材23との間に隙間をあけて減衰材付振れ止め金具31が、上側にはナット32が螺着されている。これにより、連結ボルト26の先端側は、減衰材付振れ止め金具31とナット32との間で、上側連結孔28内を上架台12に対して摺動可能に配置されている。すなわち、減衰材付振れ止め金具31とナット32とにより上架台12のZ方向への変位量が規制されている。また、ナット32と上架台12の下面との間、及び上側連結孔28内には、ダンパ33が介装されている。
【0026】
(転倒防止装置)
図3は、図1のF矢視図である。
図1,3(a)に示すように、転倒防止装置13は、下架台11及び上架台12におけるX方向(他方向)の両側に対をなして取り付けられた転倒防止装置本体15を備えている。なお、各転倒防止装置本体15は、それぞれ同一の構成からなるため、以下の説明では、一方の転倒防止装置本体15について説明し、他方の転倒防止装置本体15については説明を省略する。
【0027】
転倒防止装置本体15は、制振装置2をY方向に沿って跨ぐように取り付けられたものである。具体的に、転倒防止装置本体15は、下架台11及び上架台12の間で、Y方向(一方向)の両側にそれぞれ配設された第1リンク機構42、及び第2リンク機構43と、Y方向に沿って延在し、第1リンク機構42及び第2リンク機構43を連結するトーションバー41と、を備えている。
トーションバー41は、下架台11の長尺体22a間を架け渡す丸鋼からなり、その延在方向両端部が各長尺体22aに設けられた止め金具44により回動可能に支持されている。
【0028】
止め金具44は、プレート状の部材が折り曲げ形成されたものである。具体的に、止め金具44は、長尺体22aの上面との間でトーションバー41を取り囲むY方向から見てU字状の収容部45と、収容部45の延在方向両端部からそれぞれX方向に沿って延在する取付片46と、を備えている。
収容部45の内周面、及び長尺体22aの上面と、トーションバー41の外周面との間には、ゴム等からなる図示しない軸受が介装され、トーションバー41をY方向回りに回動可能に支持している。そして、止め金具44は、取付片46を介して長尺体22aの上面に固定されている。
【0029】
第1リンク機構42は、トーションバー41のY方向の端面に固定されたリンクプレート47と、リンクプレート47と上架台12との間で回動可能に支持されたリンクバー48と、を備えている。なお、第1リンク機構42と第2リンク機構43とは、同様の構成でY方向で対向しているため、以下の説明では第1リンク機構42の構成について説明をし、第2リンク機構43の構成については第1リンク機構42と同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
リンクプレート47は、Y方向から見て長円形状の板材であり、X方向に沿って延在している。そして、リンクプレート47におけるX方向の外側端部にはトーションバー41が固定されている。一方、リンクプレート47におけるX方向の内側端部には、Y方向に沿って延在する回動軸(第1連結部)51が設けられている。この回動軸51は、トーションバー41の延在方向(Y方向)と平行に配置され、Y方向から見てトーションバー41と回動軸51とを結ぶ第1直線がZ方向に交差している。本実施形態では、トーションバー41に対してX方向内側にオフセットした位置に、回動軸51が配置されている。
【0031】
各リンクバー48は、Z方向に沿って延在する板上の部材であり、その下端部が上述したように回動軸51を介してリンクプレート47に回動可能に支持されている。一方、リンクバー48の上端部は、上架台12に回動可能に支持されている。具体的に、上架台12のうち長尺体24aにおけるY方向外側の側面には、Y方向に沿って延在する回動軸52が設けられ、この回動軸52回りにリンクバー48の上端部が回動可能に支持されている。
【0032】
(作用)
次に、上述した転倒防止装置13の作用について説明する。なお、以下の説明では、設備機器Wが地震等の大きな振動によって、水平方向の振動のうち主にY方向へ往復振動する場合について説明する。
図1,3(a)に示すように、設備機器WがY方向(制振装置2の短手方向)に沿って往復振動する際に、例えば−Y方向側(例えば、第2リンク機構43側)に向けて変位すると、設備機器Wの−Y方向への傾動動作に応じて、上架台12の+Y方向側(例えば、第1リンク機構42側)は上方に向けて変位する。この場合、上架台12のうち、+Y方向側が連結部材25のナット32に当接して、上架台12における+Y方向側のそれ以上の変位が規制されるとともに、ナット32には上方への引張力が作用する。さらに、上架台12の変位に伴い、第1リンク機構42のリンクバー48が引き上げられる(図3(a)中矢印参照)。
【0033】
図1,3(b)に示すように、第1リンク機構42のリンクバー48が引き上げられると、リンクバー48が上架台12及びリンクプレート47に対して回動するとともに、リンクプレート47のうちX方向の内側端部が上方に向けて引き上げられる。これにより、リンクプレート47は、X方向の外側端部に固定されたトーションバー41を支点に、Y方向回りにトーションバー41と共回りする(図3(b)中矢印参照)。
【0034】
そして、トーションバー41が回動すると、第2リンク機構43のリンクプレート47がトーションバー41を支点として、トーションバー41と共回りする。このとき、第2リンク機構43は、第1リンク機構42に対向して配設されているため、第1リンク機構42側のリンクプレート47と同一方向(リンクプレート47のうちX方向の内側端部が上方に向けて引き上げられるように)に回動する。
【0035】
第2リンク機構43側のリンクプレート47が回動することで、第2リンク機構43側のリンクバー48が上架台12及びリンクプレート47に対して回動するとともに、リンクバー48が上方に向けて押し上げられる。これにより、リンクバー48によって上架台12の−Y方向側が押し上げられるように変位することになる。したがって、Y方向に沿う+Y方向側において、上架台12が上方に変位した際に、Y方向に沿う−Y方向側においても+Y方向側と同様に上架台12を上方に変位させることができる。
【0036】
すなわち、設備機器Wの+Y方向への変位に追従して、設備機器W、及び上架台12の全体が上方に向けて変位することになる。このように、Y方向への振動発生時において、トーションバー41を介して各リンク機構42,43が上架台12全体を上方に変位させることで、下架台11に対する上架台12の傾動を抑制できる。これにより、上架台12がナット32に当接する場合に、上架台12におけるY方向両側が連結部材25のナット32に当接することになるので、上架台12の片側のみがナット32に当接する場合に比べて、各ナット32に作用する上方への引張力を低減できる。
【0037】
その後、防振架台1は、重力によって上架台12が下方に向けて復元するように変位することで、各リンク機構42,43のリンクバー48及びリンクプレート47のX方向内側が上方に向けて押し下げられる。これにより、上述とは逆の動作で図3(a)に示す初期状態に復帰する。
【0038】
一方、設備機器Wが+Y方向側(例えば、第1リンク機構42側)に変位した場合には、上述した動作と逆の動作が行われる。具体的には、設備機器Wの+Y方向への傾動動作に応じて上架台12の−Y方向側が上方に向けて変位すると、第2リンク機構43のリンクバー48が引き上げられるとともに、リンクバー48によってリンクプレート47のうちX方向の内側端部が引き上げられる。これにより、リンクプレート47とともにトーションバー41が共回りすることで、第1リンク機構42のリンクプレート47がトーションバー41を支点にして回動する。その結果、第1リンク機構42のリンクバー48によって上架台12の+Y方向側が上方に向けて変位することになる。
以上の動作を繰り返すことで、結果的にY方向への変位をZ方向への変位へ変換しながら、防振部材14によりZ方向への振動が減衰される。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、例えばY方向への振動発生時において、各リンク機構42,43の回動動作を、トーションバー41を介して連動させることができる。これにより、Y方向に沿う一方側において、上架台12がZ方向に変位した際に、Y方向に沿う他方側においても一方側と同様に上架台12をZ方向に変位させることができる。すなわち、Y方向に沿う一方側での上架台12の変位に追従して、上架台12全体をZ方向に変位させることができる。したがって、下架台11に対する上架台12の傾倒を抑制できるので、上架台12のうちY方向の片側のみに上方への引張力B(図6参照)が作用するのを抑制して、設備機器Wの転倒や周辺との干渉を防止することができる。
【0040】
また、本実施形態では、X方向の両側に一対の転倒防止装置本体15を設けたため、設備機器Wを安定して支持することができる。
さらに、下架台11及び上架台12の短手方向(Y方向)に沿うように各転倒防止装置本体15を設けたため、長手方向(X方向)に比べて傾倒し易い短手方向への傾倒を抑制できる。これにより、設備機器Wの転倒や周辺との干渉を確実に防止することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態の防振架台の斜視図である。なお、本実施形態の転倒防止装置13は、下架台11及び上架台12のY方向(他方向)両側に転倒防止装置本体215を一対取り付け、これら転倒防止装置本体215の第1リンク機構242同士及び第2リンク機構243同士をそれぞれ連動機構201により連結した点で、上述した第1実施形態と相違している。以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図4に示すように、本実施形態の転倒防止装置本体215(第1転倒防止装置本体215a及び第2転倒防止装置本体215b)は、下架台11及び上架台12をX方向(一方向)に沿って跨ぐようにそれぞれ取り付けられている。具体的に、転倒防止装置本体215は、下架台11及び上架台12の間で、X方向の両側に対向して配設された第1リンク機構242、及び第2リンク機構243と、X方向に沿って延在し、第1リンク機構242及び第2リンク機構243を連結するトーションバー41と、を備えている。
また、各転倒防止装置本体215は、Y方向に沿う転倒防止装置13の中心を通りZ方向に沿う対称線を中心にして線対称に配設されている。なお、第1転倒防止装置本体215a及び第2転倒防止装置本体215bの各構成部品は、それぞれ同様であるため、以下の説明ではまとめて転倒防止装置本体215として説明する。
【0043】
図5は、図4のH矢視図である。
図4,5(a)に示すように、第1リンク機構242は、リンクプレート247と、リンクプレート247を支持するステー202(図4参照)と、リンクプレート247と上架台12との間で回動可能に連結されたリンクバー48と、を備えている。
ステー202は、Y方向から見てL字状に屈曲された板材であり、基端側が下架台11の上面に固定され、先端側が上方に向けて延在している。
【0044】
リンクプレート247は、X方向から見てL字状に形成され、トーションバー41が固定された中間部211と、中間部211からY方向の内側に向けて延在する横アーム212と、中間部211から下方に沿って延在する縦アーム213と、で構成されている。リンクプレート247は、中間部211がトーションバー41を介して上述したステー202に回動可能に支持されている。
なお、リンクプレート247のうち横アーム212におけるY方向の内側端部には、X方向に沿って延在する回動軸(第1連結部)216が設けられている。この回動軸216は、トーションバー41の延在方向(X方向)と平行に配置され、X方向から見て回動軸216とトーションバー41とを結ぶ第1直線がZ方向に交差している。本実施形態では、トーションバー41に対してY方向の内側にオフセットした位置に配置されている。そして、この回動軸216回りにリンクバー48の下端部が回動可能に支持されている。
【0045】
ここで、Y方向に沿う各転倒防止装置本体215の第1リンク機構242間、及び第2リンク機構243間には、各第1リンク機構242同士、及び第2リンク機構243同士をそれぞれ連結する一対の連動機構201(第1連動機構201a及び第2連動機構201b)が配設されている。なお、各連動機構201a,201bは、それぞれ同一の構成からなるため、以下の説明において各連動機構201a,201bを区別する必要がないときは、まとめて連動機構201として説明する。
連動機構201は、下架台11に固定されたステー221と、ステー221に回動軸222を介して回動可能に支持された回動プレート223と、回動プレート223と各転倒防止装置本体215とを連結する一対の連結バー224と、をそれぞれ有している。
【0046】
ステー221は、上述した転倒防止装置本体215のステー202と同様にY方向から見てL字状に屈曲された板材であり、基端側が下架台11の上面のうち、Y方向中の間部分に固定され、先端側が上方に向けて延在している。
回動プレート223は、Z方向に沿って延在する板材であり、その中央部がX方向に沿って延在する回動軸222に支持されている。
【0047】
各連結バー224は、回動プレート223と第1転倒防止装置本体215aにおける第1リンク機構242(または第2リンク機構243)とを連結する第1連結バー224aと、回動プレート223と第2転倒防止装置本体215bにおける第1リンク機構242(または第2リンク機構243)とを連結する第2連結バー224bと、を備えている。
【0048】
第1連動機構201aの第1連結バー224aは、その外側端部が上述した第1転倒防止装置本体215aにおける第1リンク機構242の縦アーム213に、回動軸(第2連結部)230を介してX方向回りに回動可能に支持されている。この回動軸230は、トーションバー41の延在方向と平行に配置され、X方向から見て回動軸230とトーションバー41とを結ぶ第2直線が、上述した回動軸216とトーションバー41とを結ぶ第1直線に交差している。本実施形態では、トーションバー41に対して下方にオフセットした位置に配置されている。一方、第1連結バー224aの内側端部は、回動プレート223において回動軸222に対して一端側(下端側)でX方向回りに回動可能に支持されている。
【0049】
また、第1連動機構201aの第2連結バー224bは、その外側端部が上述した第2転倒防止装置本体215における第1リンク機構242の縦アーム213に、回動軸(第2連結部)231を介してX方向回りに回動可能に支持されている。この回動軸231は、トーションバー41の延在方向と平行に配置され、X方向から見て回動軸231とトーションバー41とを結ぶ第2直線が、上述した回動軸216とトーションバー41とを結ぶ第1直線に交差している。本実施形態では、トーションバー41に対して下方にオフセットした位置に配置されている。一方、第2連結バー224bの内側端部は、回動プレート223において回動軸222に対して他端側(上端側)、すなわち回動軸222を間に挟んで第1連結バー224aと反対側でX方向回りに回動可能に支持されている。
【0050】
さらに、第2連動機構201bの第1連結バー224aは、上述した第1連動機構201aと同様に、その外側端部が上述した第1転倒防止装置本体215aにおける第2リンク機構243の縦アーム213に、回動軸230を介してX方向回りに回動可能に支持されている。一方、第1連結バー224aの内側端部は、回動プレート223において回動軸222に対して一端側(下端側)でX方向回りに回動可能に支持されている。
また、第2連動機構201bの第2連結バー224bは、その外側端部が上述した第2転倒防止装置本体215bにおける第2リンク機構243の縦アーム213に、回動軸231を介してX方向回りに回動可能に支持されている。一方、第2連結バー224bの内側端部は、回動プレート223において回動軸222に対して他端側(上端側)、すなわち回動軸222を間に挟んで第2連結バー224bと反対側でX方向回りに回動可能に支持されている。
【0051】
(作用)
次に、第2実施形態における転倒防止装置13の作用を説明する。
図4,5(a)に示すように、本実施形態の転倒防止装置13においては、上述した各転倒防止装置本体215がX方向に沿うように配設されているため、特にX方向への振動発生時において、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、X方向への振動発生時において、トーションバー41を介して各リンク機構242,243が連動することで、上架台12におけるX方向に沿う片側への変位に追従して、上架台12の全体を上方に変位させる。これにより、下架台11に対する上架台12のX方向への傾動を抑制できる。
【0052】
ここで、設備機器WがY方向に沿って往復振動する際に、設備機器Wの−Y方向(第2転倒防止装置本体215b側)への傾動動作に応じて、上架台12の+Y方向側は上方に向けて変位する。これにより、第1転倒防止装置本体215aにおける各リンク機構242,243のリンクバー48が引き上げられる(図5(a)中矢印参照)。すると、リンクプレート247のうち横アーム212が上方に向けて引き上げられることで、第1転倒防止装置本体215aのリンクプレート247は、中間部211のトーションバー41回りに例えば反時計回りに回動することになる。
【0053】
図4,5(b)に示すように、リンクプレート247が回動すると、縦アーム213がY方向に沿う内側に向けて変位することで、これに追従して第1連結バー224aがY方向に沿う内側に向けて変位する。すなわち、第1転倒防止装置本体215aの各リンク機構242,243が変位することで、リンクバー48を介して各リンク機構242,243に対して上方に向けて作用した荷重が、Y方向に沿う内側に向けて作用する。そして、縦アーム213の変位に応じて、回動プレート233が回動軸222回りに第1転倒防止装置本体215のリンクプレート247と同方向に回動することになる。
【0054】
回動プレート233が回動すると、第2連結バー224bがY方向に沿う内側に向かって変位する。この際、第2連結バー224bは回動軸222を中心にして、第1連結バー224aと点対称に変位する(図5(b)中矢印参照)。すなわち、本実施形態の連動機構201は、第1転倒防止装置本体215aのリンク機構242,243によりY方向に作用する荷重を、第2転倒防止装置本体215bのリンク機構242,243に対して回動軸222を中心にして互い逆向き作用させている。
その結果、第2連結バー224bに追従して、第2転倒防止装置本体215bのリンク機構242,243のリンクプレート247がトーションバー41回りに、第1転倒防止装置本体215のリンクプレート247と逆方向に回動することになる。具体的には、第2転倒防止装置本体215bのリンクプレート247のうち、縦アーム213がY方向の内側に向けて回動することで、横アーム212が上方に変位する。
【0055】
そのため、第2転倒防止装置本体215bのリンクバー48が上方に押し上げられるように変位することで、上架台12の−Y方向側が上方に向けて変位することになる。したがって、設備機器Wの+Y方向への変位に追従して、設備機器W、及び上架台12の全体が上方に向けて変位することになる。すなわち、Y方向への振動発生時において、一方の転倒防止装置本体(例えば、第1転倒防止装置本体215a)と、他方の転倒防止装置本体(例えば、第2転倒防止装置本体215b)と、が連動機構201を介して連動して上架台12全体を上方に変位させることで、下架台11に対する上架台12の傾動を抑制できる。
【0056】
このように、本実施形態では、一方の転倒防止装置本体215にZ方向への荷重が作用した際に、一方の転倒防止装置本体215が変位することにより、この荷重をY方向に沿って作用させることができる。さらに、各転倒防止装置本体215a,215bを連動させる連動機構201を設けることで、一方の転倒防止装置本体215によりY方向に沿って作用した荷重を、他方の転倒防止装置本体215に対して回動軸222を中心にして互い逆向き作用させることができる。このとき、他方の転倒防止装置本体215には、連動機構201を介してY方向への荷重が作用することになり、一方の転倒防止装置本体215の動作とは逆の動作により変位する。その結果、上架台12と一方の転倒防止装置本体215との間に作用したZ方向への荷重によって、一方の転倒防止装置本体215と他方の転倒防止装置本体215とを連動させることができる。
【0057】
したがって、本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、水平方向に沿う一方向(例えば、X方向)のみに関わらず、一方向に直交する他方向(例えば、Y方向)に沿う変位も低減できる。また、X方向に沿う片側に作用する荷重を各転倒防止装置本体215の一方のリンク機構同士で支持できるので、設備機器Wをより安定して支持できる。そのため、上架台12の片側のみに上方への引張力が作用するのを確実に抑制して、設備機器Wの転倒や周辺との干渉を防止できる。
【0058】
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、本発明の下側フレーム、及び上側フレームは、下架台11、及び上架台12のような矩形枠状に限らず、適宜設計変更が可能である。
また、上述した第2実施形態では、リンクプレート247を、L字状に一体に形成する場合について説明したが、これに限られない。すなわち、X方向から見てトーションバー41と回動軸216とを結ぶ第1直線がZ方向に交差し、かつトーションバー41と回動軸230とを結ぶ第2直線が、上述した第1直線に交差していれば、L字状に限らず、円形等適宜設計変更が可能である。また、上述した条件を満たせば、リンクプレート247は一体に形成することに限られない。
また、上述した実施形態では、設備機器Wの傾動動作に応じて上架台12の片側が上方に向けて移動する場合について説明したが、上架台12の片側が下方に向けて移動する場合には、上述した作用と逆の作用により下架台11に対する上架台12の傾動を抑制できる。
【0059】
また、上述した実施形態では、転倒防止装置本体15,215を一対設けた場合について説明したが、これに限られない。例えば、3箇所以上の複数設けたり、X方向またはY方向に沿う中央部に一つ設けたりすることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…防振架台 2…制振装置 11…下架台(下側フレーム) 12…上架台(上側フレーム) 13…転倒防止装置 14…防振部材(弾性部材) 15,215…転倒防止装置 41…トーションバー 42,242…第1リンク機構 43,243…第2リンク機構 47,247…リンクプレート 48…リンクバー 51,216…回動軸(第1連結部) 201…連動機構 224,224a,224b…連結バー 230,231…回動軸(第2連結部) G…設置面 W…設備機器(載置物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面側に取り付けられる下側フレームと、
前記下側フレームに対して重力方向の上方に配置され、載置物が取り付けられる上側フレームと、
前記下側フレームと前記上側フレームとの間に配設され、少なくとも前記下側フレームと前記上側フレームとを離間させる方向に付勢力が作用する弾性部材と、を有する制振装置に取り付けられ、
前記下側フレームに対する前記上側フレームの傾倒を抑制する転倒防止装置であって、
前記上側フレームと前記下側フレームとの間に、水平方向のうち一方向の両側に対向して配設された第1リンク機構、及び第2リンク機構と、
前記一方向に沿って延在し、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構を連結するとともに、前記一方向回りに回動可能とされたトーションバーと、を有する転倒防止装置本体を備え、
前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、
前記トーションバーに固定されたリンクプレートと、
前記リンクプレートと前記上側フレームとの間に回動可能に支持されたリンクバーと、をそれぞれ備え、
前記リンクプレートは、前記リンクバーを前記一方向回りに回動可能に支持する第1連結部を備え、
前記一方向から見て前記トーションバーと前記第1連結部とを結ぶ第1直線が前記重力方向に交差していることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
前記転倒防止装置本体は、水平方向のうち前記一方向に直交する他方向に沿って一対配設されていることを特徴とする請求項1記載の転倒防止装置。
【請求項3】
一対の前記転倒防止装置本体は、これら前記転倒防止装置本体の間の中心を通り重力方向に沿う線を中心にして線対称に配設され、
前記一対の転倒防止装置本体の前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士を連結して、前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士をそれぞれ連動させる一対の連動機構を備え、
前記一対の連動機構は、
前記第1リンク機構同士間、及び前記第2リンク機構同士間にそれぞれ配設され、前記一方向に沿って配置された回動軸回りに回動可能な回動プレートと、
前記回動プレートと、前記一対の転倒防止装置本体のうち、一方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第1連結バーと、
前記回動プレートと、他方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第2連結バーと、を備え、
前記第1連結バー及び前記第2連結バーは、一端側が前記リンクプレートに配設された第2連結部に支持され、他端側が前記回動プレートのうち、前記回動軸を間に挟んで対向する位置でそれぞれ支持され、
前記一方向から見て前記トーションバーと前記第2連結部とを結ぶ第2直線が前記第1直線に交差していることを特徴とする請求項2記載の転倒防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−92247(P2013−92247A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236166(P2011−236166)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000224994)特許機器株式会社 (59)
【Fターム(参考)】