説明

転写印刷用の選択された繊維媒体

本発明は、転写印刷方法に関し、特に、インクジェットプリンタと1種類以上の分散染料インクジェットインクを使用して、選択された繊維転写媒体の上に転写画像を印刷し、続いてその転写画像を転写媒体から物体に転写することによって物体上に画像を形成する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写印刷用の選択された繊維媒体に関する。本発明は、さらに、画像を三次元物体に転写するための繊維媒体の使用に関する。使用される水性インクジェットインクは、選択された繊維媒体とともに最適に使用される分散染料インクである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷などのデジタル印刷方法は、繊維の印刷に関してますます重要となっており、スクリーン印刷などの従来の印刷方法に対して多数の潜在的な利点が得られる。デジタル印刷では、スクリーンの準備に関する設定の費用が不要となり、費用対効果が大きい短時間での製造が可能となる。さらに、インクジェット印刷では、スクリーン印刷方法では現実的には不可能な、色調の階調度および無限パターンの繰り返しサイズなどの視覚効果を得ることができる。
【0003】
デジタル印刷方法の用途の1つは、転写印刷に使用可能な印刷画像の作製である。この方法においては、中間転写シート上に画像を印刷し、次に、中間転写シートに熱を加えることによって別の表面にその画像を転写する。この目的を実現するためのインクは、感熱性の染料拡散または昇華インクとして特徴付けられることが多い。米国特許第5830263号明細書、米国特許第6840614号明細書、米国特許第6386696号明細書、米国特許第6357870号明細書、米国特許第6200668号明細書、米国特許第6402313号明細書、および米国特許第5488907号明細書(これらの開示は、完全に説明されているかのように、記載内容全体があらゆる目的で本明細書に援用される)には、転写印刷の種々の態様が記載されている。
【0004】
中間転写シートは、紙であってもよい基材として一般に分類されるが、転写温度を促進しこの温度に耐えることができ、さらにインク層の基材への接着も促進する他の材料であってもよい。主に使用される材料は、紙または処理紙であり、これらは、繊維などの二次元物体、より具体的にはTシャツへの画像の転写に適している。しかし、紙またはコート紙は、三次元物体への画像の転写には適していない。
【0005】
転写印刷用インク中に使用される着色剤の中には、ポリエステル、酢酸セルロースなどの疎水性繊維上の印刷に特に有用であることが分かっている分散染料が存在する。染料の初期の選択では、スクリーン印刷中に使用される分散染料が提案されることが多い。しかし、繊維のデジタル印刷用の特殊な分散染料系への必要性は、吐出性、安定性、貯蔵安定性、色特性などのインクの性質を最適化する複数のレベルが必要となる。繊維に対してこの印刷方法が十分取り入れられるようにするためには、デジタル印刷された繊維の色の強さが改善される必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当技術分野においては転写印刷に使用可能な選択された繊維中間基材がなお必要とされている。この転写印刷に最適のインクは、最終的に印刷される物体に繊維から転写することができるので、分散染料インクである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、物体上に画像を形成するための転写印刷方法であって:
(a)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンタを提供するステップと;
(b)印刷される転写媒体をインクジェットプリンタに装填するステップと;
(c)転写媒体上への印刷に好適な第1の分散染料インクジェットインクをインクジェットプリンタに装填するステップであって、第1の分散染料インクが第1の活性化温度を有する第1の分散染料を含有するステップと;
(d)第1の分散染料インクジェットインクを使用して、デジタルデータ信号に応答して、転写媒体上に印刷することによって、転写媒体上に、上記画像の、分散染料が印刷された転写画像を形成するステップと;
(e)第1の活性化温度以上の温度条件下で、分散染料が印刷された転写画像を転写媒体から物体に効率的に転写するのに十分な時間の間、印刷された転写媒体を物体上に適用することによって、物体上に画像を形成するステップとを含み、
上記転写媒体は、綿、リネン、ラミー、ビスコース、リヨセル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、アラミド、およびエラステンの繊維、ならびにそれらの2種類以上の混紡繊維からなる群より選択される繊維から本質的になる繊維を含む編物または織布である繊維転写媒体である、方法を提供する。
【0008】
好ましくは、転写媒体上への印刷に好適な少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットがプリンタに装填され、少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクの1つが第1の分散染料インクであり、少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが、第2の活性化温度を有する第2の分散染料を含有する第2の分散染料インクであり;温度条件は、第1および第2の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる。
【0009】
より好ましくは、転写媒体上への印刷に好適な少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットがプリンタに装填され、少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの1つが第1の分散染料インクであり、少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが第2の分散染料インクであり、少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが、第3の活性化温度を有する第3の分散染料を含有する第3の分散染料インクジェットインクであり;温度条件第1、第2、および第3の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる。3種類のインクが使用される場合、1つのインク色は好ましくはシアンとなり、別の1つの色はマゼンタとなり、別の1つの色はイエローとなるべきである。
【0010】
別の好ましい一実施形態においては、転写媒体上への印刷に好適な少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットがプリンタに装填され、少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの1つが第1の分散染料インクであり、少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが第2の分散染料インクであり、少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが第3の分散染料インクであり、少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが第4の活性化温度を有する第4の分散染料を含有する第4の分散染料インクジェットインクであり;温度条件は、第1、第2、第3、および第4の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる。この実施形態においては、1つのインクの色は好ましくはシアンとなり、別の1つの色はマゼンタとなり、別の1つの色はイエローとなり、別の1つの色はブラックとなるべきである。
【0011】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読めば、当業者によってより容易に理解できるであろう。本発明の特定の特徴は、明確にするために、別々の実施形態の状況において以上および以下に説明しているが、1つの実施形態の中で組み合わせて提供することもできることを理解されたい。逆に、簡略化のために1つの実施形態の状況において記載されている本発明の種々の特徴は、分離して提供することもできるし、あらゆるより小さな組み合わせで提供することもできる。さらに、文脈上で特に明記されない限り、単数での言及は、複数を含むこともできる(たとえば、「a」および「an」は1つ、または1つ以上を意味することができる)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
前述したように、転写印刷は、前述の多数の援用される文献によって例示されるように、当業者に周知の一般的な意味を有する。
【0013】
本発明は、デジタル印刷インクジェット産業の種々の新しい特徴を活用することが可能な特定の繊維転写媒体の使用に関し、さらに、二次元および三次元の両方の物体への転写に適用可能な転写媒体を提供する。転写印刷用に選択された繊維を使用するための好ましい用途は、三次元物体への画像の転写である。
【0014】
転写印刷用の転写媒体の開発の大部分は、紙と、最初に印刷された画像に対する受容性の高い紙にするためにその紙に加えられるコーティングとに集中していた(前述の援用される米国特許第6200668号明細書参照)。このような紙およびコート紙への集中の結果、三次元物体への転写印刷にはあまり適していない比較的不撓性の転写媒体が得られていた。紙に添加される製紙薬品によって、紙の繊維内または繊維上へのインクジェットインクの吸い上げが軽減されることで、より印刷に適した媒体が得られるが、これらの化学薬品は、紙の可撓性を低下させ、三次元物体の印刷には適さなくなる。
【0015】
したがって、転写印刷用の別の基材が必要とされている。有効な転写媒体に必要とされる基準の1つは、デジタル印刷される画像を保持する必要があることである。画像の解像度を低下させるので、インクを吸い上げたり、インクジェット印刷されたドットを他の形態で広がったりしてはならない。最初に印刷された画像の解像度が低下すると、最終的に印刷される製品に、熱の影響下で画像が転写されるときに、この解像度の低下を回復させることはできない。ポリエステルおよびセルローストリアセテートの繊維を主成分とするものなどの多くの繊維は、画像の保持には適していない、および/または後処理に曝露した場合に画像中の分散染料を適切に転写することができない。
【0016】
注意深く評価を行うと、特定の繊維、特に編地または織布、特に、綿、リネン、ラミー、ビスコース、リヨセル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、アラミド、およびエラステンの繊維、ならびにこれらの繊維の2種類以上の混紡繊維からなる群より選択される繊維を含有する編地または織布を最適に使用できることが分かった。アラミド繊維の例としては、Kevlar(登録商標)およびNomex(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware USA)が挙げられる。
【0017】
これらの選択された繊維のために選択される分散染料は、これらの繊維に対して低い直接性を有し、選択された繊維/分散染料の組み合わせは、この転写印刷によく適合している。
【0018】
転写媒体として使用される繊維の選択は、最も解像度の高い画像が得られ、同時にほとんどの色を有する画像も得られる繊維/インクの組み合わせなどの数種類の要因に依存する。また、繊維/インクの組み合わせは、最終的な画像転写の要件に適合するように選択される。
【0019】
転写印刷に好ましい繊維は、綿、あるいは綿と、リネン、ラミー、ビスコース、リヨセル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、アラミド、およびエラステンの繊維からなる群より選択される繊維との混紡繊維を含有する編地または織布である。
【0020】
これらの選択された繊維の紙に対する可撓性は、ドレーピングとして説明することができ、すなわち、選択された繊維は新しい形状に適合できる。これらの繊維は、最終的な画像転写の要件を基準として最適な選択を行うことができる。たとえば、綿織物は、織物が伸縮性を有するようにするために、綿とともに製織または編成される伸縮性のより高い別の繊維を有することができる。したがって、この綿混紡上に画像を印刷した後、印刷された繊維から、最終的に画像形成される物体への画像の最終的な転写において理想的に配置するために、三次元物体上で伸縮させることができる。
【0021】
選択された繊維上に画像を印刷するためには、あらゆるインクジェットプリンタを使用することができる。繊維が可撓性であるため、繊維を使用できる設計上の特徴を有するプリンタが好ましいプリンタである。このようなプリンタの例としては、DuPont(商標)Artistri(商標)2020デジタル繊維印刷システム(digital textile printing system)(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware USA)、および米国特許第6742869号明細書(この開示は、完全に説明されているかのように、記載内容全体があらゆる目的で本明細書に援用される)に記載されるプリンタシステムが挙げられる。
【0022】
これらの選択された繊維を使用した転写印刷に好ましいインクは、着色剤として分散染料を含有するインクである。これらによって、選択された繊維上への印刷において最適の性能が得られ、さらに、最終の画像転写ステップ中の画像の転写にも有効である。
【0023】
あらゆる分散染料を使用できるが、好ましいCMY染料としては以下のものが挙げられる:
シアン−Disperse Blue 60;
マゼンタ−Disperse Red 5、75、76、86、91、92、121、127、132、145、159、164、179、184、189、191、229、258、343、152、および167:1;ならびに
イエロー−Disperse Yellow 5、27、33、42、50、54、59、79、83、98、100、114、122、139、140、160、199、201、204、206、224、および231。
【0024】
黒色分散染料は、黒色を得るために数種類の分散染料の組み合わせであることが多い。
【0025】
CYMKインク以外に、インクセットは、オレンジ色インク、緑色インク、赤色インク、および/または青色インクなどの異なる色のインク、ならびに濃い色のインクと、ライトシアン、ライトマゼンタ、およびライトブラックなどの薄い色のインクとの組み合わせなどの1種類以上の「色域拡大」(gamut−expanding)インクをさらに含むことができる。これらの「色域拡大」インクは、前述の援用される米国特許出願公開第20030128246号明細書に開示されるようなアナログスクリーン印刷の色域を模倣した繊維印刷に特に有用である。
【0026】
DuPont(商標)Artistri(商標)2020デジタル印刷システムは、本発明における使用に好適な市販の分散染料インクおよびインクセットを有する。
【0027】
最終物体に画像が転写される温度は、分散染料インク野天者印刷において典型的な温度である。好適な転写温度および時間の範囲は、一般に、約150〜約275℃、約0.5分〜約5分である。より好ましい温度範囲は約180〜約220℃であり、より好ましい時間範囲は約0.75分〜約2分である。転写プロセス中に真空にすることによって、転写をさらに促進することができる。
【0028】
選択された繊維/分散染料の組み合わせによって、選択された繊維上に印刷画像が提供され、これを使用することによって、三次元表面上に像を形成することができる。たとえば、芸術家がデッサンまたは絵画を描いたり、あるいは写真家が写真を撮影し、それをデジタルスキャン方法によってスキャンし、次に得られた画像をデジタルファイルに変換し、それをデジタルプリンタによって印刷することができる。芸術家/写真家はソフトウェアを使用することによって、ポジ画像が最終三次元物体上に印刷されるよう画像を反転させることができる。次に、デジタルインクジェットプリンタによって、選択された転写媒体上に画像を形成し、次にこの印刷された媒体を最終三次元物体表面に適合させる。転写ステップを行い、選択された転写媒体を取り外すと、三次元物体上に画像が残る。
【0029】
画像の転写に必要な温度に耐えられるのであれば、三次元物体の材料は特に限定されない。
【実施例】
【0030】
すべての実施例は、DuPont(商標)Artistri(商標)2020デジタル繊維印刷システム、およびこのプリンタ用としてDuPontより市販される分散染料インクを使用して印刷した。使用したインクは、Dupont(商標)Artistri(商標)Ink,D700 Series −disperse Dye Inkからのインクセットであった。
【0031】
比較例1
Testfabrics Inc.(West Pittstown,PA)より供給されたジャージーニットポリエステル(Jersey Knit Polyester)と記載されているポリエステル布730H上にカラーの正方形を印刷した。印刷した正方形の色を測定し、次に、最初のポリエステル上のカラーの正方形画像を、200℃で2分間プレスすることによって、別のポリエステル布に転写した。D65光源、10°標準観察者を使用して、手持ち式X−Rite分光光度計で色を測定し、正反射成分を含めた。プレスは、温度および圧力を厳密に制御する目的で組み立てたプラテンプレスであった。このプラテンプレスは、所望のプラテン温度を維持するために設定可能な抵抗加熱素子が埋め込まれた2つの平行な6平方インチのプラテンで構成された。調整可能な空気圧によって所望の圧力でプラテンを互いに押し付けることができる空気プレスに、これらのプラテンを互いに平行な位置に固定した。融着させる工作物全体にわたって同じ圧力が加えられるように、プラテンの位置合わせに注意を払った。必要に応じて、より小さな工作物上で動作できるようにするため、適切な寸法のスペーサー(たとえばシリコーンゴム製)を挿入することによって、プラテンの有効領域を減少させることができる。
【0032】
表Iは測定したデータを示している。この画像転写ステップでは、プラテンに有意な圧力がかからないような設定でプレスを使用した。
【0033】
表I 比較例1 色の結果

【0034】
印刷された繊維と転写された繊維との間のK/Sの差から、画像が転写された場合にカラーの正方形の着色がかなり低下したことが分かる。たとえば、ブラックの場合、転写された値の4.2888は、印刷された転写媒体の16.619よりもはるかに小さい。K/Sは最大吸光度において計算される。
【0035】
異なる転写温度および時間を使用して、ポリエステル上で類似の印刷を行ったが、同様に不十分な結果が得られた。
【0036】
実施例1
比較例Iの方法で、綿に印刷し、次にポリエステル繊維に転写した。結果を表IIに示す。
【0037】
表II 実施例1 色の結果

【0038】
綿の項目は印刷された転写媒体に対するものであり、ポリ(エステル)の項目は200℃において2分間で画像を転写した後のポリエステル繊維に対するものである。ポリエステル上の画像は、綿からポリエステルに転写することによって劇的に改善された。
【0039】
実施例2
この実施例は、転写温度が200℃で4分間だったことを除けば実施例1と同じである。
【0040】
表3:実施例2 色の結果

【0041】
実施例2は、200℃で4分間における画像の転写が非常に良好であることを示している。
【0042】
実施例3
この実施例は、転写温度が215℃で2分間だったことを除けば実施例1と同じである。
【0043】
表4:実施例3 色の結果

【0044】
実施例3は、215℃で2分間における画像の転写が非常に良好であることを示している。
【0045】
実施例4
この実施例は、転写温度が215℃で4分だったことを除けば実施例1と同じである。
【0046】
表5:実施例4 色の結果

【0047】
実施例4は、215℃で4分間における画像の転写が非常に良好であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体上に画像を形成するための転写印刷方法であって:
(a)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンタを提供するステップと;
(b)印刷される転写媒体を前記インクジェットプリンタに装填するステップと;
(c)前記転写媒体上への印刷に好適な第1の分散染料インクジェットインクを前記インクジェットプリンタに装填するステップであって、前記第1の分散染料インクが第1の活性化温度を有する第1の分散染料を含有するステップと;
(d)前記第1の分散染料インクジェットインクを使用して、前記デジタルデータ信号に応答して、前記転写媒体上に印刷することによって、前記転写媒体上に、前記画像の、分散染料が印刷された転写画像を形成するステップと;
(e)前記第1の活性化温度以上の温度条件下で、前記分散染料が印刷された転写画像を前記転写媒体から前記物体に効率的に転写するのに十分な時間の間、前記印刷された転写媒体を前記物体上に適用することによって、前記物体上に前記画像を形成するステップとを含み、
前記転写媒体が、綿、リネン、ラミー、ビスコース、リヨセル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、アラミド、およびエラステンの繊維、ならびにそれらの2種類以上の混紡繊維からなる群より選択される繊維から本質的になる繊維を含む編地または織布である繊維転写媒体である、方法。
【請求項2】
前記プリンタに、前記転写媒体上への印刷に好適な少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットが装填され、前記少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクの1つが前記第1の分散染料インクであり、前記少なくとも2種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが、第2の活性化温度を有する第2の分散染料を含有する第2の分散染料インクであり;前記温度条件が、前記第1および第2の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリンタに、前記転写媒体上への印刷に好適な少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットが装填され、前記少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの1つが前記第1の分散染料インクであり、前記少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが前記第2の分散染料インクであり、前記少なくとも3種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが、第3の活性化温度を有する第3の分散染料を含有する第3の分散染料インクジェットインクであり;前記温度条件が、前記第1、第2、および第3の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1、第2、または第3の分散インクジェットインクの1つの色がシアンであり;前記第1、第2、または第3の分散インクジェットインクの別の1つの色がマゼンタであり;前記第1、第2、または第3の分散インクジェットインクの別の1つの色がイエローである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プリンタに、前記転写媒体上への印刷に好適な少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクを含む分散染料インクセットが装填され、前記少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの1つが前記第1の分散染料インクであり、前記少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが前記第2の分散染料インクであり、前記少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが前記第3の分散染料インクであり、前記少なくとも4種類の分散染料インクジェットインクの別の1つが第4の活性化温度を有する第4の分散染料を含有する第4の分散染料インクジェットインクであり;前記温度条件が、前記第1、第2、第3、および第4の活性化温度の高い方の温度以上の温度となる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、または第4の分散インクジェットインクの1つの色がシアンであり;前記第1、第2、第3、または第4の分散インクジェットインクの別の1つの色がマゼンタであり;前記第1、第2、第3、または第4の分散インクジェットインクの別の1つの色がイエローであり、前記第1、第2、第3、または第4の分散インクジェットインクの別の1つの色がブラックである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記温度条件が約150℃〜約275℃で約0.5〜約5分間である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記温度条件が約180℃〜約220℃で約0.75〜約2分間である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記物体が三次元物体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記物体がポリエステルの物体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維転写媒体が、綿の編地または織布、ならびに、リネン、ラミー、ビスコース、リヨセル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、アラミド、およびエラステンの繊維からなる群より選択される1種類以上の繊維との綿の混紡繊維の編地または織布からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−532794(P2008−532794A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557240(P2007−557240)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/006973
【国際公開番号】WO2006/091957
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】