説明

転写因子調節化合物およびその使用法

【課題】微生物の耐性、病原性、または増殖を低下させる抗感染剤として有用な化合物の同定法の提供。
【解決手段】1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、2)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で化合物と接触させ、該試験化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物細胞の抗生物質耐性を低下させる方法であって、
該細胞を該細胞の抗生物質耐性が低下するように転写因子調節化合物と接触させる段階を含む方法。
【請求項2】
転写因子調節化合物が式(I)の化合物:
A-E (I)
(式中
Aは極性部分であり;
Eは疎水性部分である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
転写を調節する方法であって転写が調節されるように、転写因子を転写因子調節化合物と接触させる段階を含み、該転写因子調節化合物が式(I)の化合物:
A-E (I)
(式中
Aは極性部分であり;かつ
Eは疎水性部分である)、およびその薬学的に許容される塩である方法。
【請求項4】
前記極性部分が少なくとも一つの複素環を含む、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
前記複素環が二環式である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記複素環が少なくとも一つの窒素原子を含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記複素環がベンゾイミダゾール、イミダゾピリジン、ピリジン、ピロリジン、キノリン、トリアゾール、ピリミジン、テトラゾール、およびポルフィリンからなる群より選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記複素環が少なくとも一つの酸素原子を含む、請求項4記載の方法。
【請求項9】
前記複素環がクロメノンである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記極性部分が縮合環部分である、請求項4記載の方法。
【請求項11】
前記複素環が置換されている、請求項4〜10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
置換基がニトロ、アルコキシ、アリール、アミジル、エステル、チオエステル、アルキル、アラルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、またはハロゲンである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記置換基がヒドロキシルである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記置換基がハロゲンである、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記疎水性部分が少なくとも一つのアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール部分を含む、請求項2〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
前記疎水性部分がアリールである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記疎水性部分が置換または無置換フェニルである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記フェニルがアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルコキシ、またはニトロで置換されている、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記フェニルがパラ置換されている、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記パラ置換基がアルキルである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記アルキル置換基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルからなる群より選択される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記パラ置換基がヒドロキシルである、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記パラ置換基がアミノである、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記パラ置換基がハロゲンである、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記アリール部分が複素環である、請求項16記載の方法。
【請求項26】
前記部分がイミダゾピリジン、キノリニル、またはピリジニルである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記転写因子調節化合物が式(VII)の化合物:
【化1】

(式中
WはNH、OまたはSであり;
Xは選択的にQに連結されたO、S、またはCであり;
A1はC-Z1、O、またはSであり;
A2はC-Z2、O、またはSであり;
A3はC-Z3、O、またはSであり;
A4はC-Z4、O、またはSであり;
A5はC-Z5、またはN-Z5であり;
Z1、Z2、Z3、およびZ4はそれぞれ独立に水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、およびアルキルからなる群より選択され;
Z5は水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、またはカルボニルであり;
Qは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アリールである)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項2〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
前記転写因子調節化合物が式(II)の化合物:
【化2】

(式中
WはOまたはSであり;
Xは選択的にQに連結されたO、S、またはCであり;
A1はC-Z4、O、またはSであり;
A2はC-Z5、またはN-Z5であり;
Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ独立に水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、またはシアノであり;
Z3は水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボニル、またはチオカルボニルであり;
Qは芳香族または複素環部分である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
WおよびXが酸素である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
A1がC-Z4であり、かつZ4が水素である、請求項28記載の方法。
【請求項31】
A2がC-Z5であり、かつZ5が水素またはヒドロキシである、請求項28記載の方法。
【請求項32】
Z1が水素またはヒドロキシである、請求項28記載の方法。
【請求項33】
Z2が水素またはハロゲンである、請求項28記載の方法。
【請求項34】
Z3が水素、アルコキシまたはヒドロキシである、請求項28記載の方法。
【請求項35】
Qが置換フェニルである、請求項28記載の方法。
【請求項36】
前記転写因子調節化合物が式(VIII)の化合物:
【化3】

(式中
Gは置換または無置換芳香族部分、アルキル、アルケニル、アルキニル、水素であり;
L1、L2、L3、およびL4はそれぞれ独立に酸素、窒素、硫黄およびまたは置換もしくは無置換炭素から選択され;かつ
R9、L5およびL6はそれぞれ独立に水素、置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、またはアリールであり、L5およびL6は選択的に原子1から6個の鎖に連結されて縮合環を形成してもよい)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項2または3記載の方法。
【請求項37】
前記転写因子調節化合物が式(III)の化合物:
【化4】

(式中
Gは置換または無置換芳香族部分、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボニル、または水素であり;かつ
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、およびL10はそれぞれ独立に酸素、置換もしくは無置換窒素、硫黄およびまたは置換もしくは無置換炭素である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
R9が水素である、請求項36または37記載の方法。
【請求項39】
Gが置換または無置換フェニルまたはシクロヘキセニルである、請求項36〜38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
Gがヘテロアリールである、請求項36〜38のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
L1、L2、L3、およびL4がそれぞれ置換または無置換炭素であり、かつL5、L6、およびL8がそれぞれ窒素である、請求項37記載の方法。
【請求項42】
L7が置換炭素である、請求項37または41記載の方法。
【請求項43】
前記置換炭素がチオエーテル部分で置換されている、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記転写因子調節化合物が式(X)の化合物:
【化5】

(式中
Y1およびY2はそれぞれ酸素、硫黄または置換もしくは無置換炭素であり;
J1、J2、J3、およびJ4はそれぞれ酸素、窒素、または選択的に置換された炭素である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項2または3記載の方法。
【請求項45】
前記転写因子調節化合物が式(IV)の化合物:
【化6】

(式中
Y1およびY2はそれぞれ酸素または硫黄であり;
Jは水素、置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ニトロ、アミノ、またはハロゲンであり;
Vは置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、またはアルキルチオであり;
PおよびKはそれぞれ独立に置換または無置換アリールである)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
Y1およびY3がそれぞれ酸素である、請求項45記載の方法。
【請求項47】
Vがアルコキシであり、Jが低級アルキルである、請求項45または46記載の方法。
【請求項48】
Pが置換または無置換フェニルである、請求項45〜47のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
Kが置換または無置換ヘテロアリールである、請求項45〜48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
前記転写因子調節化合物が式(V)の化合物:
【化7】

(式中
T1、T2、T3、T4、T5、およびT6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換炭素、酸素、置換もしくは無置換窒素、または硫黄であり;
Mは水素、アルキル、アルケニル、複素環、アルキニル、またはアリールである)、またはその薬学的に許容される塩である、請求項2または3記載の方法。
【請求項51】
Mが置換または無置換アリールである、請求項50記載の方法。
【請求項52】
T5が置換窒素である、請求項50または51記載の方法。
【請求項53】
T1、T2、T3、およびT4がそれぞれ置換または無置換炭素である、請求項50〜52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
T1、T2、T3、およびT4が窒素である、請求項50〜52のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
前記転写因子調節化合物が式(VI)の化合物:
【化8】

(式中
G1、G2、およびG3はそれぞれ独立にO、S、置換もしくは無置換窒素、または置換もしくは無置換炭素であり;
E1、E2、およびE3はそれぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、またはアシルであり;かつ
E4はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、またはアシルである)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項2または3記載の方法。
【請求項56】
G1、G2、およびG3がそれぞれ酸素である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
E1、E2、およびE3はそれぞれアルキルである、請求項55記載の方法。
【請求項58】
前記転写因子がヘリックス-ターン-ヘリックスタンパク質である、請求項1〜57のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
前記転写因子が転写活性化因子である、請求項1〜57のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
前記転写活性化因子がAraCファミリーポリペプチドである、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記転写活性化因子がMarAファミリーポリペプチドである、請求項59記載の方法。
【請求項62】
前記転写因子調節化合物が転写因子阻害化合物である、請求項1〜61のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
前記転写因子が原核生物性である、請求項1〜62のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
前記MarAファミリーポリペプチドがMarA、SoxS、またはRobである、請求項61記載の方法。
【請求項65】
前記微生物細胞が緑膿菌、蛍光菌、シュードモナス・アシドボランス、シュードモナス・アルカリゲネス、シュードモナス・プチダ、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、バークホルデリア・セパシア、アエロモナス・ヒドロフィラ、大腸菌、シトロバクター・フロインディ、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌、腸炎菌、志賀赤痢菌、フレクスナー赤痢菌、ソネ赤痢菌、汚物腸内菌、アエロゲネス腸内菌、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、霊菌、野兎病菌、モルガン菌、ミラビリス変形菌、尋常変形菌、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・スチュアルティイ、アシネトバクター・カルコアセチカス、アシネトバクター・ヘモリチカス、エルシニア・エンテロコリチカ、ペスト菌、偽結核エルシニア菌、エルシニア・インターメディア、百日咳菌、パラ百日咳菌、気管支敗血症菌、インフルエンザ菌、パラインフルエンザ菌、ヘモフィルス・ヘモリチカス、ヘモフィルス・パラヘモリチカス、ヘモフィルス・デュクレイ、パスツレラ・ムルトシダ、パスツレラ・ヘモリチカ、カタル球菌、ピロリ菌、カンピロバクター・フィタス、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、コレラ菌、イブリオ・パラヘモリティカス、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア菌、淋菌、髄膜炎菌、ガードネレラ・バジナリス、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス3452A相同群、バクテロイデス・ブルガタス、バクテロイデス・オバーラス、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・エガーシイ、バクテロイデス・スプランクニクス、クロストリジウム・ディフィシル、結核菌、鳥結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、ライ菌、ジフテリア菌、コリネバクテリウム・ウルセランス、肺炎連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクティエ、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、スタフィロコッカス・インタメジウス、スタフィロコッカス・ヒイカス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコッカス・ホミニス、およびスタフィロコッカス・サッカロリチカスからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項66】
転写因子調節化合物の同定法であって、
転写因子応答配列の直接制御下の選択マーカーと、転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で試験化合物と接触させる段階;および
該試験化合物が該微生物細胞に、転写因子調節化合物が同定されるように影響を与える能力を測定する段階を含む方法。
【請求項67】
応答配列が転写因子によって活性化される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
応答配列がmarO、fum、inaA、galT、およびmicFからなる群より選択される、請求項67記載の方法。
【請求項69】
応答配列が転写因子によって抑制される、請求項66記載の方法。
【請求項70】
応答配列がfecA、purA、およびguaBからなる群より選択される、請求項69記載の方法。
【請求項71】
選択マーカーがccdB、kan、cat、bla、purA、GuaB、およびURA3からなる群より選択される、請求項66記載の方法。
【請求項72】
前記試験化合物が転写因子の活性を調節する能力が、試験化合物が前記微生物細胞のインビトロまたはインビボでの増殖または生存を促進する能力によって示される、請求項66記載の方法。
【請求項73】
前記試験化合物が転写因子の活性を調節する能力が、化合物が感染の動物モデルにおいて前記細胞のインビトロまたはインビボでの増殖または生存を低下させる能力によって示される、請求項66記載の方法。
【請求項74】
転写因子アゴニストを同定するために用いられる、請求項66記載の方法。
【請求項75】
転写因子アンタゴニストを同定するために用いられる、請求項66記載の方法。
【請求項76】
前記転写因子がプラスミドから発現される、請求項66記載の方法。
【請求項77】
前記転写因子が誘導性プロモーターの制御下で発現される、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記誘導性プロモーターがtrp、tac、tet、およびGAL1からなる群より選択される、請求項77記載の方法。
【請求項79】
前記転写因子が構成性プロモーターの制御下で発現される、請求項76記載の方法。
【請求項80】
前記転写因子がMarAファミリーポリペプチドである、請求項66記載の方法。
【請求項81】
前記微生物細胞が転写因子をコードする少なくとも一つの遺伝子の染色体欠失を含む、請求項66記載の方法。
【請求項82】
前記転写因子応答配列がMarboxドメインを含む、請求項66記載の方法。
【請求項83】
前記転写因子が少なくとも一つのHTHドメインを含む、請求項66記載の方法。
【請求項84】
前記転写因子が原核生物性である、請求項66記載の方法。
【請求項85】
前記転写因子がMarAである、請求項80記載の方法。
【請求項86】
インビボまたはインビトロでの転写因子調節化合物の同定法であって、
1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、2)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で試験化合物と接触させる段階;および
試験化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、該試験化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する段階であって、転写因子の不活化が細胞生存の低下につながる段階を含む方法。
【請求項87】
インビボまたはインビトロでの転写因子調節化合物の同定法であって、
1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、2)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で試験化合物と接触させる段階;および
試験化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、該試験化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する段階であって、転写因子の活性化が細胞生存の低下につながる段階を含む方法。
【請求項88】
インビボまたはインビトロでの転写因子調節化合物の同定法であって、
1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、2)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で試験化合物と接触させる段階;および
該試験化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、該試験化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する段階であって、転写因子の不活化が細胞生存の増大につながる段階を含む方法。
【請求項89】
インビボまたはインビトロでの転写因子調節化合物の同定法であって、
1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、2)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で化合物と接触させる段階;および
化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する段階であって、転写因子の活性化が細胞生存の増大につながる段階を含む方法。
【請求項90】
インビボまたはインビトロでの転写因子調節化合物の同定法であって、
1)guaBまたはpurA遺伝子における染色体欠失と、2)その天然プロモーター制御下の異種guaBまたはpurA遺伝子と、3)転写因子とを含む微生物細胞を、化合物と微生物細胞との相互作用を可能にする条件下で試験化合物と接触させる段階;および
化合物が転写因子の活性を調節するかどうかの指標として、化合物が微生物細胞の増殖または生存に影響を与える能力を測定する段階であって、化合物が転写因子の活性を調節する能力が細胞増殖の増大につながる段階を含む方法。
【請求項91】
請求項66、86、87、88、89、または90のいずれか一項記載の方法によって同定された転写因子調節化合物。
【請求項92】
前記転写因子調節化合物がグラム陰性菌の増殖または発生に影響を与える、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
前記転写因子調節化合物が原核細菌の増殖または発生に影響を与える、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
前記転写因子が原核生物性である、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
前記転写因子調節化合物がグラム陽性菌の増殖または発生に影響を与える、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
前記グラム陽性菌が腸球菌、ブドウ球菌、クロストリジウムまたは連鎖球菌である、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前記転写因子調節化合物が腸内細菌科の細菌の増殖または発生に影響を与える、請求項95記載の方法。
【請求項98】
前記転写因子調節化合物が緑膿菌、蛍光菌、シュードモナス・アシドボランス、シュードモナス・アルカリゲネス、シュードモナス・プチダ、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、バークホルデリア・セパシア、アエロモナス・ヒドロフィラ、大腸菌、シトロバクター・フロインディ、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌、腸炎菌、志賀赤痢菌、フレクスナー赤痢菌、ソネ赤痢菌、汚物腸内菌、アエロゲネス腸内菌、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、霊菌、野兎病菌、モルガン菌、ミラビリス変形菌、尋常変形菌、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・スチュアルティイ、アシネトバクター・カルコアセチカス、アシネトバクター・ヘモリチカス、エルシニア・エンテロコリチカ、ペスト菌、偽結核エルシニア菌、エルシニア・インターメディア、百日咳菌、パラ百日咳菌、気管支敗血症菌、インフルエンザ菌、パラインフルエンザ菌、ヘモフィルス・ヘモリチカス、ヘモフィルス・パラヘモリチカス、ヘモフィルス・デュクレイ、パスツレラ・ムルトシダ、パスツレラ・ヘモリチカ、カタル球菌、ピロリ菌、カンピロバクター・フィタス、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、コレラ菌、イブリオ・パラヘモリティカス、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア菌、淋菌、髄膜炎菌、ガードネレラ・バジナリス、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス3452A相同群、バクテロイデス・ブルガタス、バクテロイデス・オバーラス、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・エガーシイ、バクテロイデス・スプランクニクス、クロストリジウム・ディフィシル、結核菌、鳥結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、ライ菌、ジフテリア菌、コリネバクテリウム・ウルセランス、肺炎連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクティエ、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、スタフィロコッカス・インタメジウス、スタフィロコッカス・ヒイカス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコッカス・ホミニス、およびスタフィロコッカス・サッカロリチカスの増殖または発生に影響を与える、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
前記転写因子調節化合物が核酸分子である、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項100】
前記転写因子調節化合物がアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドである、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項101】
前記転写因子調節化合物が小分子である、請求項86〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項102】
前記転写因子がMarAファミリーポリペプチドである、請求項86〜101のいずれか一項記載の方法。
【請求項103】
前記転写因子がAraCファミリーポリペプチドである、請求項86〜101のいずれか一項記載の方法。
【請求項104】
微生物細胞を構成する転写因子の活性を調節する転写因子調節化合物を同定するためのキットであって、
1)転写因子応答配列制御下の選択マーカーと、
2)転写因子とを含むキット。
【請求項105】
転写因子調節化合物の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物であって、該転写因子調節化合物が式(II)の化合物:
【化9】

(式中
WはOまたはSであり;
Xは選択的にQに連結されたO、S、またはCであり;
A1はC-Z4、O、またはSであり;
A2はC-Z5、またはN-Z5であり;
Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ独立に水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、またはシアノであり;
Z3は水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボニル、またはチオカルボニルであり;
Qは芳香族または複素環部分である)、およびその薬学的に許容される塩である組成物。
【請求項106】
転写因子調節化合物の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物であって、該転写因子調節化合物が式(III)の化合物:
【化10】

(式中
Gは置換または無置換芳香族部分、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボニル、または水素であり;かつ
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、およびL10はそれぞれ独立に酸素、置換もしくは無置換窒素、硫黄およびまたは置換もしくは無置換炭素である)、およびその薬学的に許容される塩である組成物。
【請求項107】
転写因子調節化合物の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物であって、該転写因子調節化合物が式(IV)の化合物:
【化11】

(式中
Y1およびY2はそれぞれ酸素または硫黄であり;
Jは水素、置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ニトロ、アミノ、またはハロゲンであり;
Vは置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、またはアルキルチオであり;
PおよびKはそれぞれ独立に置換または無置換アリールである)、およびその薬学的に許容される塩である組成物。
【請求項108】
抗生物質をさらに含む、請求項105〜107のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項109】
前記有効量が前記被検者のバイオフィルム関連状態を治療するのに有効である、請求項105〜107のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項110】
前記バイオフィルム関連状態が中耳感染症、嚢胞性線維症、骨髄炎、ざ瘡、歯の空洞、心内膜炎、および前立腺炎からなる群より選択される、請求項109記載の薬学的組成物。
【請求項111】
バイオフィルムの阻害法であって、転写因子調節化合物を含む組成物を、該バイオフィルムが阻害されるように投与する段階を含む方法。
【請求項112】
前記転写因子調節化合物が式(II)の化合物:
【化12】

(式中
WはOまたはSであり;
Xは選択的にQに連結されたO、S、またはCであり;
A1はC-Z4、O、またはSであり;
A2はC-Z5、またはN-Z5であり;
Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ独立に水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、またはシアノであり;
Z3は水素、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボニル、またはチオカルボニルであり;
Qは芳香族または複素環部分である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項111記載の方法。
【請求項113】
前記転写因子調節化合物が式(III)の化合物:
【化13】

(式中
Gは置換または無置換芳香族部分、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボニル、または水素であり;かつ
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、およびL10はそれぞれ独立に酸素、置換もしくは無置換窒素、硫黄およびまたは置換もしくは無置換炭素である)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項111記載の方法。
【請求項114】
前記転写因子調節化合物が式(IV)の化合物:
【化14】

(式中
Y1およびY2はそれぞれ酸素または硫黄であり;
Jは水素、置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ニトロ、アミノ、またはハロゲンであり;
Vは置換または無置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、またはアルキルチオであり;
PおよびKはそれぞれ独立に置換または無置換アリールである)、およびその薬学的に許容される塩である、請求項111記載の方法。
【請求項115】
前記転写因子調節化合物が表4または表5の化合物である、請求項111記載の方法。
【請求項116】
前記組成物が界面活性剤をさらに含む、請求項111〜115のいずれか一項記載の方法。
【請求項117】
前記界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム;四級アンモニウム化合物;ヨウ化アルキルピリジニウム;トゥイーン80、トゥイーン85、トリトンX-100;ブリジ56;生物界面活性剤;ラムノリピド、スルファクチン、ビスコンシン、またはスルホネートである、請求項116記載の方法。
【請求項118】
前記バイオフィルムの発生が前記組成物の投与によって低減される、請求項117記載の方法。
【請求項119】
バイオフィルム生成の阻害法であって、転写因子調節化合物を、該バイオフィルムの生成が阻害されるように投与する段階を含む方法。
【請求項120】
コンタクトレンズの洗浄および消毒法であって、許容される担体と転写因子調節化合物とを含む組成物を、該コンタクトレンズが洗浄および消毒されるように投与する段階を含む方法。
【請求項121】
医用留置器具の処理法であって、転写因子調節化合物を含む組成物を、該医用留置器具が処理されるように投与する段階を含む方法。
【請求項122】
前記器具がカテーテル、整形外科用器具、およびインプラントからなる群より選択される、請求項121記載の方法。
【請求項123】
被検者のバイオフィルム関連状態の治療または予防法であって、該被検者に転写因子調節化合物の有効量を、該被検者の該バイオフィルム関連状態が治療されるように投与する段階を含む方法。
【請求項124】
前記バイオフィルム関連状態が中耳感染症、嚢胞性線維症、骨髄炎、ざ瘡、歯の空洞、心内膜炎、および前立腺炎からなる群より選択される、請求項123記載の方法。
【請求項125】
薬学的に許容される担体を投与する段階をさらに含む、請求項123記載の方法。
【請求項126】
前記被検者が哺乳動物である、請求項123記載の方法。
【請求項127】
前記哺乳動物がヒトである、請求項126記載の方法。
【請求項128】
前記被検者が免疫無防備状態である、請求項123記載の方法。
【請求項129】
転写因子調節化合物の同定法であって、
該転写因子の構造を得る段階と;
転写因子調節化合物が同定されるように、該転写因子の一部との相互作用エネルギースコアが-20以下である骨格を同定するための適当なプログラムを使用する段階とを含む方法。
【請求項130】
前記転写因子がMarAファミリーポリペプチドである、請求項129記載の方法。
【請求項131】
前記骨格が-40以下の相互作用エネルギースコアを有する、請求項129記載の方法。
【請求項132】
前記骨格が-60以下の相互作用エネルギースコアを有する、請求項131記載の方法。
【請求項133】
前記転写因子がMarAである、請求項129記載の方法。
【請求項134】
前記MarAの一部が、配列番号:2の残基42付近から残基50付近、残基54付近から残基62付近、残基55付近から残基65付近、残基15付近から残基25付近、残基14付近から残基25付近、残基24付近から残基35付近、残基76付近から残基83付近、および残基106付近から残基112付近からなる群より選択される、請求項133記載の方法。
【請求項135】
前記転写因子がRobである、請求項129〜132記載の方法。
【請求項136】
前記Robの一部が、配列番号:4の残基37付近から残基45付近、残基43付近から残基54付近、残基51付近から残基60付近、残基10付近から残基20付近、残基9付近から残基20付近、残基21付近から残基29付近、残基66付近から残基77付近、および残基101付近から残基107付近からなる群より選択される、請求項135記載の方法。
【請求項137】
科学的に修飾された前記骨格をさらに含む、請求項129〜136のいずれか一項記載の方法。
【請求項138】
請求項129〜137の方法のいずれか一つによって同定された転写因子調節化合物。
【請求項139】
薬学的に許容される担体と転写因子調節化合物とを含む薬学的組成物であって、該化合物が式(V)の化合物:
【化15】

(式中
T1、T2、T3、T4、T5、およびT6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換炭素、酸素、置換もしくは無置換窒素、または硫黄であり;
Mは水素、アルキル、アルケニル、複素環、アルキニル、またはアリールである)、またはその薬学的に許容される塩である組成物。
【請求項140】
薬学的に許容される担体と転写因子調節化合物とを含む薬学的組成物であって、該化合物が式(VI)の化合物:
【化16】

(式中
G1、G2、およびG3はそれぞれ独立にO、S、置換もしくは無置換窒素、または置換もしくは無置換炭素であり;
E1、E2、およびE3はそれぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、またはアシルであり;かつ
E4はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、またはアシルである)、およびその薬学的に許容される塩である組成物。
【請求項141】
被検者の細菌関連状態の予防法であって、該被検者に転写因子調節化合物の有効量を、該被検者の細菌関連状態が予防されるように投与する段階を含む方法。
【請求項142】
前記被検者がヒトである、請求項141記載の方法。
【請求項143】
前記転写因子調節化合物がMarAファミリーポリペプチド阻害剤である、請求項141記載の方法。
【請求項144】
前記転写因子調節化合物がAraCファミリーポリペプチド阻害剤である、請求項141記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−144533(P2012−144533A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−283600(P2011−283600)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2004−515557(P2004−515557)の分割
【原出願日】平成14年5月6日(2002.5.6)
【出願人】(500127209)パラテック ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】