説明

転写装置及び画像形成装置

【課題】像担持体ベルトに担持されたトナー像を転写材に効率よく転写可能な転写装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る転写装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトと、転写材の第1面と接触する搬送部材を有し、転写材を搬送する搬送部と、転写材の第1面に接触して第1の電位を印加する第1電極部と、像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、液体現像剤のトナーと同極性の転写電位が印加されて第1電極部で第1の電位が印加された転写材の第1面に像担持体ベルトに担持された像を転写するローラーと、像が転写された転写材の第1面に接触するとともに、液体現像剤のトナーと同極性の第2の電位が印加される第2電極部と、を備えることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体ベルトに担持したトナー像を紙やフィルムなどの転写材に転写させて画像形成する転写装置、及び、現像装置を備えたファクシミリ、プリンタ、複写機などの各種画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する画像形成装置が種々提案されている。このような画像形成装置に用いられる液体現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が数μm前後と極めて微細であり、形成する画像の高画質化を図ることが可能となっている。
【0003】
特許文献1には、絶縁基材上に比抵抗103Ω・cm以下の導電層を有する対象物に対
し、レジストパターンとして利用されるトナー画像を形成する画像形成装置が記載されている。この画像形成装置において、画像形成対象となる対象物は、ロール状に巻き取られた対象物供給部203から対象物回収部205に対して連続的に搬送され、間に配置された感光ドラム31の外周上に形成されたトナー画像を対象物に転写している。
【0004】
感光ドラム31の周囲には第1電位付与部4が近接配置され、感光ドラム31外周の感光体312に第1電位を付与している。一方、トナー画像が転写される対象物の被転写面の前後には2つの接触子51を有する第2電位付与部5が当接し、接地電位である第2電位を付与している。これら第1電位付与部4、第2電位付与部5の電位付与により感光ドラム31と対象物の被転写面との間に所定の転写電圧が作用し、感光ドラム31の外周面状のトナー画像を対象物の被転写面に転写させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−270398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される画像形成装置において、上質紙のように中抵抗(例えば1.0×108程度)の枚葉紙を転写材に用いた場合を考えると、良好なトナー転写性を得るた
めには接触子からトナー転写部までの実質的な抵抗ができるだけ均一になるように、接触子が転写材の搬送方向に対して垂直な方向に広い範囲で接触することが望ましい。
【0007】
しかしながらトナー像が転写される転写ニップ部の転写材搬送方向後流側の接触子と、転写材上のトナー画像が接触した際に、接触子にトナー画像の一部が再転写することで、画像が乱れ、良好な転写画像が得られないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本発明に係る転写装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトと、転写材の第1面と接触する搬送部材を有し、前記転写材を搬送する搬送部と、前記転写材の前記第1面に接触して第1の電位を印加する第1電極部と、前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、液体現像剤のトナーと同極性の転写電位が印加されて前記第1電極部で前記第1の電位が印加された前
記転写材の前記第1面に前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写するローラーと、前記像が転写された前記転写材の前記第1面に接触するとともに、液体現像剤のトナーと同極性の第2の電位が印加される第2電極部と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
さらに本発明に係る転写装置において、前記第1の電位は、液体現像剤のトナーの極性と同極性であり、前記第1電極部で印加する前記第1の電位V1、前記第2電極部で印加する前記第2の電位V2は、以下の条件式(1)の関係を有することとしている。
|V1|<|V2| ・・・(1)
【0010】
また本発明に係る画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体に前記潜像を形成する露光部と、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で前記潜像を現像する現像部と、前記現像部で現像された像が転写される像担持体ベルトと、転写材の第1面と接触する搬送部材を有し、前記転写材を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送された前記転写材の前記第1面に接触して第1の電位を印加する第1電極部と、前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、液体現像剤のトナーと同極性の転写電位が印加されて、前記第1電極部で前記第1の電位が印加された前記転写材の前記第1面に前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写するローラーと、前記像が転写された前記転写材の前記第1面に接触するとともに、液体現像剤のトナーと同極性の第2の電位が印加される第2電極部と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明に係る画像形成装置において、前記第1の電位は、液体現像剤のトナーの極性と同極性としている。
【0012】
さらに本発明に係る画像形成装置において、前記第1電極部で印加する前記第1の電位V1、前記第2電極部で印加する前記第2の電位V2は、以下の条件式(1)の関係を有することとしている。
|V1|<|V2| ・・・(1)
【0013】
さらに本発明に係る画像形成装置は、前記転写材の種別を判別する転写材判別部と、前記転写材判別部で判別された前記転写材の種別に基づいて、前記第1電極部に印加する前記第1の電位を調整する制御部と、を備えることとしている。
【0014】
さらに本発明に係る画像形成装置において、前記転写材は、1×105[Ω/□]以上
、1×1011[Ω/□]未満の表面抵抗値の導電層を有することとしている。
【0015】
さらに本発明に係る画像形成装置は、前記像担持体ベルトに担持された前記トナー像が前記転写材に転写されるときには、前記第1電極部または前記第2電極部の少なくとも一方が、前記転写材に接触することとしている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成部、現像部、の主要構成を示す断面図。
【図3】転写部における枚葉紙通過時の様子を示す図。
【図4】転写部における枚葉紙通過時の様子を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る転写部の構成を示す側面図。
【図6】本発明の実施形態に係る転写部の構成を示す上面図。
【図7】各実施例についてバインダ樹脂の帯電特性を示す図。
【図8】本発明の実施形態に係る各電極部への付与電位を示す図。
【図9】各実施例の実験結果(転写効率、逆転写のOD値など)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図であり、図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置において、イエロー(Y)色における画像形成部、現像装置(現像部)の主要構成を示した図である。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置は、転写ベルト40と、感光体10Y、10M、10C、10Kを主要構成とする4つの画像形成部と、各感光体10Y、10M、10C、10K(本発明における「潜像担持体」)に対応して配設された4つの現像装置30Y、30M、30C、30Kと、図中、転写ベルト40の右側に配設されている2次転写部(本発明における「転写装置」)と、図中、転写ベルト40の左側に配設されているクリーニング部などによって構成されている。
【0019】
以下、画像形成部及び現像装置30Y、30M、30C、30Kについては、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるため、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0020】
現像部30Yは、液体現像剤により感光体10Y上に形成された潜像を現像する装置であって、現像ローラー20Yと、中間ローラー32Yと、アニロクスローラー33Yと、液体現像剤を貯蔵する液体現像剤容器31Y、現像ローラー20Y上のトナーを帯電させるトナー帯電器22Yを主な構成要素としている。
【0021】
現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間ローラー32Y、トナー帯電器22Yが配されている。中間ローラー32Yは、その表面を現像ローラー20Yとアニロクスローラー33Yに当接させており、その外周には中間ローラークリーニングブレード34Yが配設されている。
【0022】
アニロクスローラー33Yには、現像剤貯留部311Yから汲み上げた液体現像剤の量を調整する規制部材35Yが当接している。なお、本実施形態の現像装置のように中間ローラー32Yを用いた3ローラー方式では、中間ローラー32Yがアニロクスローラー33Yに当接することで液体現像剤の量を調整することが可能であるため、この規制部材35Yを配設しない構成とすることも可能である。
【0023】
現像剤貯留部311Yには、搬送経路723Yを介して図示しない現像剤供給部から液体現像剤が供給される。なお、本実施形態では、仕切板313Yの両端部が中央部よりも一段低い形状を有しており、この一段低い部分にて液体現像剤を現像剤貯留部311Yから回収液貯留部312Y側に溢れさせることで、現像剤貯留部311Yの液位を一定に保っている。
【0024】
回収液貯留部312Yでは、その内部に配設された回収オーガ37Yにより、現像剤貯留部311Yから溢れた液体現像剤と各種ブレードにて回収された液体現像剤を含む回収液が搬送され、移送経路721Yを介して図示しない現像剤供給部に回収される。回収された回収液は、この現像剤補給部にて濃度調整された後、再度、移送経路723Yを介して供給されることで再利用を図ることが可能となっている。
【0025】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径が数μmの固形子を、シリコーンオイル、
鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0026】
アニロクスローラー33Yは、中間ローラー32Yに対して液体現像剤を供給して塗布する塗布ローラーとして機能する。このアニロクスローラー33Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロクスローラー33Yにより、現像剤貯留部311Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図に示すようにアニロクスローラー33Yは時計回りに回転して、中間ローラー32Yに液体現像剤を塗布する。
【0027】
規制部材35Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロクスローラー33Yの表面に当設し、アニロクスローラー33Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0028】
中間ローラー32Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように、現像ローラー20Yと同様、反時計回りに回転し、現像ローラー20Yに対しカウンター当接する。中間ローラー32Yは現像ローラー20Yと同様に、金属製の内心の外周部に弾性層を設けて構成される。
【0029】
中間ローラー32Yと現像ローラー20Yとの当接位置下流には、中間ローラークリーニングブレード34Yが当接して配設され、現像ローラー20Yに供給されなかった液体現像剤を掻き取って現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに回収する。
【0030】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように反時計回りに回転する。現像ローラー20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。現像ローラー20Yには現像バイアスが印加されることとなるが、現像バイアスは、この金属製の内心に印加される。
【0031】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配設され、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下して再利用される。
【0032】
トナー帯電器22Yは、現像ローラー20Yの表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、コロトロン、スコロトロンなどで構成される。現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、このトナー帯電器22Yと近接する位置でコロナ放電による電界が印加され帯電される。
【0033】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って順に配設された、2基のコロナ帯電器11Y、11Y’、露光ユニット12Y、感光体スクイーズ装置、1次転写部50Y、感光体クリーニングブレード18Yなどによって構成される。この画像形成部は感光体10Yの外周上、露光ユニット12Yと第1スクイーズローラー13Yとの間において現像部30Yの現像ローラー20Yと当接する。
【0034】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒
状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0035】
2基のコロナ帯電器11Y、11Y’は、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Y(本発明における「露光部」)は、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Y、11Y’によって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0036】
1次転写部50Yの上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置されている。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材からなる第1スクイーズローラー13Y、第2スクイーズローラー13Y’、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’にて構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収(スクイーズ)し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、カブリトナーを感光体スクイーズローラー13Y、13Y’側に誘引するためバイアス(電圧)が印加されている。
【0037】
感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’は、各感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に当接して設けられ、回収されたキャリア液やカブリトナーを含んだ液体現像剤を掻き落として、現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下する。
【0038】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。この1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写バックアップローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部50Yにおいては、1次転写バックアップローラー51Yに印加される転写バイアスの作用によって、感光体10Y上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0039】
1次転写部50Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングする。
【0040】
転写ベルト40(本発明における「像担持体転写ベルト」)は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。この転写ベルト40は、バックアップローラー41、テンションローラー42にて張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。本実施形態では1次転写部50の下流側に位置するバックアップローラー41を回転駆動することで転写ベルト40を回転搬送しているが、上流側に位置するローラーを駆動することで行うこととしてもよい。
【0041】
感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置することで形成される1次転写部50Y、50M、50C、50Kでは、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、転写ベルト40上にフルカラーのトナー
像を形成する。
【0042】
2次転写部60(本発明でいう「転写装置」)は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでバックアップローラー41と対向配置され、両者によって2次転写部(ニップ部)を形成する。この2次転写部では、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像が転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写される。さらに、シート材搬送経路Lの下流には、図示しない定着ユニットが配設され、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像に熱や圧力を加えて定着させる。
【0043】
2次転写部60に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101’によって転写材を2次転写部まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像を転写材に転写する。なお、紙面の都合上、図1には、転写に使用するバックアップローラー41への電位印加、2次転写ニップ前後での転写材表面への電位印加の構成は省略して記載されている。これら構成については後ほど図を用いて詳細に説明する。
【0044】
テンションローラー42は、バックアップローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、中間転写体40のテンションローラー42に張架されている箇所にて、転写ベルト40をクリーニングするクリーニングブレード46が当接して配設される。
【0045】
このように本実施形態の現像装置30Yでは、アニロクスローラー33Yで汲み上げた液体現像剤を、ウィズ回転の中間ローラー32Yに転移させ、さらにカウンター回転の現像ローラー20Yで摺りきり界面をならすことで4〜10μmの均一な薄膜が形成される。さらに、現像ローラー20Yに対向して設けられたトナー帯電器22Yによって液体現像剤の帯電を補い、かつ、現像ローラー20Y側に圧縮することで、非画像部に余分なトナーが付着すること(カブリ)を抑制すると共に、画像部における均一性を向上させることが可能となる。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置は、感光体10上に形成された潜像を現像装置30で現像し、現像されたトナー像を1次転写部50にて転写ベルト40へ1次転写した後、2次転写部60にて転写材に転写することとしている。では、本実施形態の特徴となる2次転写部(本発明における「転写装置」)について詳細に説明する。
【0047】
図3、図4は、本発明の実施形態に係る2次転写部60において、転写材Sの2次転写ニップの上流側、下流側に配設した電極部64、65にて接地電位を付与した場合の課題を説明するための図である。なお、この転写部50の構成は、理解を容易にするため図1に示すレイアウトとは異なる模式図となっている。
【0048】
本実施形態にて使用する転写材は、連続的に搬送されるものではなく、適当な寸法に裁断されたもの(枚葉紙)であって、図3には、バックアップローラー41と2次転写ローラー612で形成される2次転写ニップに転写材Sが突入する際の様子が、また、図4には2次転写ニップから転写材Sが抜けつつあるときの様子が示されている。
【0049】
バックアップローラー41には、トナー像が転写材に転写されることを促進するため転写電位印加部41aにより転写電位V2tが印加される。また、このバックアップローラー41には各色感光体10Yにて1次転写されたトナー像を表面に担持した転写ベルト40が巻き掛けられている。転写ベルト40に担持されるトナー像は、バックアップローラ
ー41と2次転写ローラー61にて形成された2次転写ニップ位置にて、搬送されてくる転写材に転移(2次転写)される。
【0050】
また、本実施形態の転写材は、基材Sbの表面上に導電層Saが設けられたものを使用しており、転写ベルト40に担持されるトナー像は、この導電層Saに転写されることとなる。そして、2次転写ニップ位置の上流側には接地電位を付与する第1電極部64が、また、その下流側には接地電位を付与する第2電極部65が配設されている。本実施形態では、これら電極部64、65に、転写材Sを円滑に搬送するためローラーが使用されている。
【0051】
図3に示されるように、転写部60に転写材Sが突入し、2次転写ニップにてトナー像の転写が開始されると、転写材Sは2次転写ニップと第1電極部64との間で通電路を形成する。この通電路は2次転写ニップと第1電極部64間で抵抗値R1により、転写電流I1を流すこととなる。一方、図4に示されるように、転写部60から転写材Sが抜けつつあるときには、2次転写ニップと第2電極部65との間で形成される通電路により転写電流I2が流れる。このときの通電路の抵抗値R2は、転写材Sの表面に転写されたトナーTのため、前述の抵抗値R1よりも大きい値となり、結果として図4の状態で流れる転写電流I2は、図3の状態で流れる転写電流I1よりも小さくなり、転写効率を低下させることとなる。
【0052】
本発明は、このような転写効率の低下を抑制することを課題とするものであって、特に、バックアップローラー41に印加する転写電位、第1電極部64、第2電極部65に印加する電位に工夫を施したことを特徴としている。では、本実施形態の転写部60の詳細について説明を行う。
【0053】
図5は、本発明の実施形態に係る転写部60の構成を示す側面図であり、図6は、本発明の実施形態に係る転写部の構成を示す上面図であり、図7は、他の実施形態に係る転写部の構成を示す上面図となっている。
【0054】
本実施形態で使用する液体現像剤は、固形分(トナー)としてガラス転移温度Tgが45℃、平均粒子径5μmのエポキシ樹脂を使用している。また、この固形分の極性はゼータ電位が100mVであり正帯電の極性を有している(計測機器はマイクロテック・ニチオン社製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−2000を用いた。測定は、液体現像剤を希釈溶媒で希釈して、□10mmの透明セルに入れ、電極間9mmで300Vの電圧をかけると同時に顕微鏡でセル内の粒子の移動速度を観察することで、移動速度を算出して、その値からゼータ電位を求めることにより行った。)。なお、固形分としてはこの他に一般的に現像材に用いられる、ポリエステル、スチレン、アクリル、ポリエチレン等を使用することができる
【0055】
液体現像剤のキャリア液には、シリコーンオイルを使用している。キャリア液としてはこの他に鉱物油、植物油等を使用することができる。液体現像剤の固形分率(トナー濃度)は25%を保つように供給されている。
【0056】
また、本実施形態で使用する転写材Sは、絶縁性の基材Sbにバインダ樹脂材料を含む各種導電性付与材を塗付することで、基材Sb表面に導電層Saを形成することで作成されている。以下に使用した導電性付与材の成分例を記載しておく。
【0057】
<導電性付与材>
アンチモン複酸化物 ・・・ 3.1質量%
重合脂肪酸系ポリエステルアミドブロック共重合体 ・・・ 0.8質量%
イソプロパノール ・・・12.4質量%
1−ブタノール ・・・80.5質量%
炭酸ガス ・・・ 3.2質量%
【0058】
この導電性付与材を用い、厚さ6μm、表面抵抗1.26×108[Ω/□]の導電層Saを有する転写材Sを作成した。なお、導電層Saの表面抵抗値は、1×105[Ω/□
]以上、1×1011[Ω/□]未満の範囲内とすることで、トナー像の転写を好適に行うことが可能である。
【0059】
導電性付与材としては、この他にポリチオフェン、ポリビロール、ポリアニリン等の有機導電性ポリマーや、酸化スズ、インジウム-スズ酸化物等の無機導電材を含む塗工材料
を使用することができる。また、導電層Saの形成方法は、本実施形態で使用するスプレー塗付の他に、ナイフコーター、スクイズコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等各種公知の塗工方法を、使用する導電性付与材にあわせて選択することが可能である。
【0060】
図5に示されるように、本実施形態の転写部60の各種ローラー、第1電極部64、第2電極部65の配置構成は、課題を説明するために使用した図3、図4と同様である。ゲートローラー101、101’は、転写材Sを搬送する搬送部として機能する。本実施形態では、転写材Sは停止した状態のゲートローラー101、101’に突き当てられることで、転写材Sの先端が整列した状態で保持される。その後ゲートローラー101、101’が回転を開始し、転写ニップに搬送される。本実施形態で使用した搬送部材としてのゲートローラー101、101’には、外径φ20、ローラー材質シリコンゴム、芯金径φ12、芯金材料SUSの仕様のものを使用した。
【0061】
ゲートローラー101、101’にて搬送された転写材Sには、駆動ローラー41と2次転写ローラー61が形成する2次転写ニップにて、転写ベルト40に担持されたトナー像が転写される。図5では、転写材Sが2次転写ニップから抜けつつあるときの様子が示されている。
【0062】
2次転写ニップの前後には、第1電極部64、第2電極部65が配設されている。図6には、この第1電極部64、第2電極部65と転写材Sの位置関係を示す上面図が示されている。本実施形態の第1電極部64、第2電極部65は、転写材Sの搬送方向と直交する方向全域にて転写材Sと接触する導電性ローラーを使用している。このように各電極部にローラーを使用したことで転写材Sを円滑に搬送することが可能とされている。特に、転写材Sに転写された定着前のトナー像と接触する第2電極部65にローラーを使用することで、接触による像の乱れを抑制することが可能となっている。
【0063】
以下に使用した第1電極部64、第2電極部65は共に下記スペックのものを使用している。
・ローラー径:φ20mm
・材料:導電性ウレタンゴム(体積抵抗 1×106Ω・cm)
【0064】
また、転写ベルト40に担持されたトナー像が転写材Sに転写されるとき、すなわちトナー像を2次転写しているときは、第1電極部64または第2電極部65の少なくとも一方が転写材Sに接触することとしている。どちらか一方の電極部64、65が接触することで2次転写時に確実に転写材S表面に転写電流を印加することが可能となる。具体的には、図6に示されるように、転写材搬送方向における第1電極部64と2次転写ニップの間隔L1、2次転写ニップと第2電極部65との間隔L2のそれぞれが、転写材Sの転写材搬送方向での長さLよりも短いことで実現される。
【0065】
第1電極部64には第1電位印加部64aが、また、第2電極部65には第2印加部65aが接続され、両電極にそれぞれ第1電位、第2電位を印加している。具体的には、図6に示されるように、各電極を構成するローラーの回転軸にバネ電極64b、65bを接触させて電位が印加される。
【0066】
さらに本実施形態では、正負異なる帯電特性を有する5種類の絶縁性基材Sbに対応するように第1電位印加部64a、第2電位印加部65aの各付与電位を制御する制御部110が設けられている。この制御部110は入力される転写材種別を示す信号に基づいて、各電位を使用する転写材Sに応じた値に変更する。本実施形態では、2種類の転写材Sとしたが更に異なる転写材種別を設けてもよいし、もちろん転写材種別にかかわらず、第1電位、第2電位を固定して使用する形態であってもよい。
【0067】
トナー転写後に電位を付与する第2電極部65と二次転写ニップ部までの抵抗は均一になることが望ましい。そのため、第2電極部65から二次転写ニップ部までの距離が均一になるよう、第2電極部65は、図6のように転写材搬送方向に対して垂直方向に全面で接触することが望ましい。
【0068】
しかしながら一方で、トナー像が転写された転写材Sとはなるべく接触させない方がよいという見方も考えられる。そのため、図7の上面図に示すように第2電極部65において、接触する部分を搬送方向と垂直な方向に分割することとしてもよい。この場合、第2電極部65の接触位置から二次転写ニップ部までの距離を略一定とすることで抵抗を均一にするとともに、第2電極部65の接触面積を低減することでトナー像の乱れを抑制することが可能となる。
【0069】
以下に、各種転写材Sを用いた実施例1〜実施例3について、使用した伝導性付与材、そして、評価(実験)結果としての転写効率、画質性能について説明する。
【0070】
(実施例1)
上質紙(OKプリンス上質紙:王子製紙)を基材とし、その基材上に下記組成の導電性付与材1をワイヤーバーにより塗布し、乾燥膜厚2μmの導電層を形成し、転写材Sを作製した。表面抵抗率は、1.23×107Ω/□であった。
<導電性付与材1>
ポリアニリン ・・・ 1質量%
ポリエステル樹脂混合物 ・・・ 10質量%
水 ・・・ 89質量%
【0071】
(実施例2)
実施例2では、上質紙(OKプリンス上質紙:王子製紙)を基材とし、その基材上に下記組成の導電性付与材2をワイヤーバーにより塗布し、乾燥膜厚1μmの導電層を形成し、転写材Sを作製した。表面抵抗率は、2.65×105Ω/□であった。
<導電性付与材2>
3,4−ポリエチレン・ジオキシチオフェン ・・・ 3質量%
水 ・・・ 97質量%
【0072】
(実施例3)
実施例3では、上質紙(OKプリンス上質紙:王子製紙)を基材とし、その基材上に下記組成の導電性付与材3をスプレー塗布し、乾燥膜厚6μmの導電層を形成し、転写材Sを作製した。表面抵抗率は、1.26×108Ω/□であった。
<導電性付与材3>
アンチモン複酸化物(三菱マテリアル社製) ・・・ 3.1質量%
重合脂肪酸系ポリエステルアミドブロック共重合体 ・・・ 0.8質量%
イソプロパノール ・・・12.4質量%
1−ブタノール ・・・80.5質量%
炭酸ガス ・・・ 3.2質量%
【0073】
以上のように作成された転写材Sに対し、それぞれ転写バックアップローラー41の転写電位をV2t、第1電極部64に印加する第1の電位をV1、第2電極部65に印加する第2の電位をV2とし、図8に示される各電極部への付与電位を印加して転写試験を行った。
【0074】
各実施例において、トナーの帯電特性はプラスであることを理由として、第1電極部64に印加する第1の電位V1は、帯電特性と同極性であるプラスとした。このように、第1電極部64に印加する第1の電位V1をトナーと同極性の電位を与えることで、転写材先端が転写ニップに導入される際に、転写材Sと転写ベルト40上のトナーの間に微小な斥力を発生させることができる。この斥力により、転写材Sは2次転写ローラー61側に押し付けられ、転写材Sの先端が転写ニップに導入される前に転写ベルト40上のトナー像と接触しトナー像を乱すことが無い。
【0075】
また、第2の電位V2の極性についてもトナーの極性と同極性(本実施形態ではプラスの極性)とすることで、転写材Sの帯電を防ぎ、意図しない転写材Sの張り付き、放電によるトナー像の乱れといった転写材搬送時の各種トラブルを防ぐことが可能となっている。
【0076】
さらに、本実施形態では第1の電位V1の絶対値と、第2の電位V2の絶対値の関係を以下の条件式(1)を満たすようにしたことで、転写材Sが逆帯電することを防ぎ、転写材搬送時のトラブルが発生しないようにしている。
|V1|<|V2| ・・・(1)
【0077】
各試験において評価した転写効率、画質性能の評価方法は下記の通りであって、図9にはその結果が示されている。
【0078】
(転写効率)
転写材Sに現像剤を転写させた後、以下の計算方法で転写効率を得た。転写ベルト40上の転写前の現像剤のOD値をODblt、転写材Sに転写した後に転写ベルト40上に残
った現像剤のOD値をODrestとする。OD値は、転写ベルト40上の現像剤をメンティングテープにテープ転写したものを上質紙に張り付け、X−Lite濃度計により計測することにより得た。転写ベルト40上の現像剤が一回のテープ転写では取りきれない時には繰り返しテープ転写を行ない、下記計算式より求めた。
【0079】
ODblt(もしくはODrest)=OD1 +OD2 ・・・・+ODn
(ODn が0.1以下になるまでn回繰り返し)
転写効率=(ODblt−ODrest)÷(ODblt−0.08×n)×100
転写ベルト40上に現像剤膜厚0.2g/cm2とし、その条件範囲で得られる転写効
率のうち最大のものを結果とした。
【0080】
(画質性能)
画質性能は転写材S通過後の第2電極部65に付着したトナーをメンディングテープによりテープ転写したものを上質紙に貼付け、X−Lite濃度計により計測し、そこから上質紙のOD値0.08を引いた数値を逆転写のOD値として評価した。
【0081】
(通紙性能)
通紙性能は各転写材Sを2000枚通紙した際の紙詰まりの頻度を計数することにより評価した。
【0082】
(先端バラつき)
先端バラつきは転写材Sに対し500枚ベタ画像を印字した際の印字先端位置をスケールにて1/10mm単位で読み取り、その標準偏差を計算することにより求めた。
【0083】
図9に示されるように各実施例において、良好な転写効率と、画像乱れの無い良好なトナー画像が得られ、また、転写材Sを安定して搬送することができた。特に転写効率に関しては条件式(1)(|V2|>|V1|)を満足する実施例2、実施例3において良好な結果が得られている。
【0084】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0085】
10Y(以下、符号にYの付されているものは、M、C、K各色についても同様)…感光体(潜像担持体)、11Y…第1コロナ帯電器、11Y’…第2コロナ帯電器、12Y…露光ユニット、13Y…第1スクイーズローラー、13Y’…第2スクイーズローラー、14Y…第1スクイーズローラークリーニングブレード、14Y’…第2スクイーズローラークリーニングブレード、18Y…感光体クリーニングブレード、20Y…現像ローラー(現像剤担持体)、21Y…現像ローラークリーニングブレード、22Y…トナー帯電器、30Y…現像部(現像装置)、31Y…現像剤容器、311Y…現像剤貯留部、312Y…回収液貯留部、313Y…仕切板、32Y…中間ローラー、33Y…アニロクスローラー、34Y…中間ローラークリーニングブレード、35Y…規制部材、36Y…攪拌オーガ、37Y…回収オーガ、40…転写ベルト(像担持体ベルト)、41…バックアップローラー、41a…転写電位印加部、42…テンションローラー、50Y…1次転写部、51Y…1次転写バックアップローラー、60…2次転写部(転写装置)、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニングブレード、63…2次転写回収貯留部、64…第1電極部、64a…第1電位印加部、64b…回転軸、64c…バネ電極、65…第2電極部、65a…第2電位印加部、65b…回転軸、65c…バネ電極、101、101’…ゲートローラー、102…転写材ガイド、110…制御部、721Y、723Y…搬送経路、S…転写材、Sa…導電層、Sb…基材、T…トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトと、
転写材の第1面と接触する搬送部材を有し、前記転写材を搬送する搬送部と、
前記転写材の前記第1面に接触して第1の電位を印加する第1電極部と、
前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、液体現像剤のトナーと同極性の転写電位が印加されて前記第1電極部で前記第1の電位が印加された前記転写材の前記第1面に前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写するローラーと、
前記像が転写された前記転写材の前記第1面に接触するとともに、液体現像剤のトナーと同極性の第2の電位が印加される第2電極部と、を備えることを特徴とする転写装置。
【請求項2】
前記第1の電位は、液体現像剤のトナーの極性と同極性であり、
前記第1電極部で印加する前記第1の電位V1、前記第2電極部で印加する前記第2の電位V2は、以下の条件式(1)の関係を有する請求項1に記載の転写装置。
|V1|<|V2| ・・・(1)
【請求項3】
潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体に前記潜像を形成する露光部と、
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で前記潜像を現像する現像部と、
前記現像部で現像された像が転写される像担持体ベルトと、
転写材の第1面と接触する搬送部材を有し、前記転写材を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送された前記転写材の前記第1面に接触して第1の電位を印加する第1電極部と、
前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、液体現像剤のトナーと同極性の転写電位が印加されて、前記第1電極部で前記第1の電位が印加された前記転写材の前記第1面に前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写するローラーと、
前記像が転写された前記転写材の前記第1面に接触するとともに、液体現像剤のトナーと同極性の第2の電位が印加される第2電極部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の電位は、液体現像剤のトナーの極性と同極性である請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1電極部で印加する前記第1の電位V1、前記第2電極部で印加する前記第2の電位V2は、以下の条件式(1)の関係を有する請求項4に記載の画像形成装置。
|V1|<|V2| ・・・(1)
【請求項6】
前記転写材の種別を判別する転写材判別部と、
前記転写材判別部で判別された前記転写材の種別に基づいて、前記第1電極部に印加する前記第1の電位を調整する制御部と、を備える請求項3から請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写材は、1×105[Ω/□]以上、1×1011[Ω/□]未満の表面抵抗値の
導電層を有する請求項3から請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体ベルトに担持された前記トナー像が前記転写材に転写されるときには、前記第1電極部または前記第2電極部の少なくとも一方が、前記転写材に接触する請求項3から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−177833(P2012−177833A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41501(P2011−41501)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】