説明

転写装置及び画像形成装置

【課題】被転写媒体の搬送方向と交差する幅方向における中央部と両端部の画像濃度差を低減することができる転写装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】一次転写ユニット40は、感光体22と中間転写ベルト14との第1接触部PAよりも下流側に設けられ、中間転写ベルト14に接触して第2接触部PBを形成する一次転写ロール42と、一次転写ロール42の形状を調整する形状調整部44と、を有している。ここで、形状調整部44で形状が調整されることにより、第1接触部PAから第2接触部PBまでの離間距離について、軸方向の中央部における離間距離Δd1と両端部における離間距離Δd2、Δd3との差が低減される。これにより、一次転写ロール42の軸方向において、転写電流の差が低減されるため、中間転写ベルト14の搬送方向と交差する幅方向における中央部と両端部の画像濃度差を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の転写装置は、中間転写ベルトの内側に設けたバックアップロールの表面層を絶縁性ゴムで構成すると共に、バックアップロールは、軸方向のほぼ中央部の径が両端部の径よりも大きいクラウン形状となっている。
【0003】
特許文献2の画像形成装置は、感光体に接触する帯電ローラと、トナーで現像を行なう現像器とを有しており、帯電ローラは、長手方向における端部付近から中央部付近に向かって外径が大きくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平02−212869号公報
【特許文献2】特開平11−143178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、被転写媒体の搬送方向と交差する幅方向における中央部と両端部の画像濃度差を低減することができる転写装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る転写装置は、外周面に現像剤像が保持されている像保持部材と該現像剤像が転写される被転写媒体との第1接触部よりも該被転写媒体の搬送方向下流側又は上流側に回転可能に設けられ、前記被転写媒体の前記像保持部材とは反対側の面に接触して第2接触部を形成すると共に、前記像保持部材との電位差により前記被転写媒体へ前記現像剤像を転写する転写部材と、前記転写部材の軸方向の中央部における前記第1接触部から前記第2接触部までの離間距離と、前記軸方向の両端部における前記第1接触部から前記第2接触部までの離間距離との差が低減されるように前記転写部材の形状を調整する形状調整手段と、を有する。
【0007】
本発明の請求項2に係る転写装置は、前記形状調整手段は、回転可能に設けられ前記転写部材の外周面と接触する形状調整部材と、前記形状調整部材の一端、他端を前記転写部材へ向けて独立して押し付ける押付手段と、を有する。
【0008】
本発明の請求項3に係る転写装置は、前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材の一端、他端との軸間距離を独立して調整する。
【0009】
本発明の請求項4に係る転写装置は、前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材の一端、他端との接触による圧力を独立して調整する。
【0010】
本発明の請求項5に係る転写装置は、前記形状調整部材は、前記転写部材の回転中心位置よりも下方側で且つ前記押付手段で押されたときに前記第2接触部を前記第1接触部へ近づける位置に配置されている。
【0011】
本発明の請求項6に係る転写装置は、前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材とを一体で支持する支持部材を有する。
【0012】
本発明の請求項7に係る転写装置は、前記形状調整部材は、前記転写部材よりも電気抵抗が低く、前記形状調整部材には、前記像保持部材と前記転写部材との電位差を生じさせる電圧を該形状調整部材に印加する電圧印加手段が接続されている。
【0013】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、前記像保持部材と、現像剤像を前記像保持部材に形成する現像剤像形成手段と、前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を共通の前記被転写媒体に転写する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の転写装置と、が複数組設けられている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、転写部材を曲げ変形させずに被転写媒体に接触させる構成に比べて、被転写媒体の搬送方向と交差する幅方向における中央部と両端部の画像濃度差を低減することができる。
【0015】
請求項2の発明は、形状調整手段が固定された構成に比べて、転写部材の回転時に転写部材に作用する負荷を低減できる。
【0016】
請求項3の発明は、転写部材と形状調整部材との軸間距離を調整しない構成に比べて、形状調整手段の部品点数を低減することができる。
【0017】
請求項4の発明は、転写部材又は形状調整部材が偏芯しても転写部材に形状調整部材を接触させることができる。
【0018】
請求項5の発明は、被転写媒体の搬送方向における第2接触部の位置調整と、第2接触部の幅調整とを同時に行うことができる。
【0019】
請求項6の発明は、転写部材と形状調整部材を別々に支持する構成に比べて、被転写媒体と転写部材とが接触する基準位置が、形状調整部材の位置調整によってずれるのを抑制することができる。
【0020】
請求項7の発明は、転写部材に電圧を印加する構成に比べて、転写部材の電気抵抗の上昇を抑制することができる。
【0021】
請求項8の発明は、転写部材を曲げ変形させずに被転写媒体に接触させる構成に比べて、各組の組付状態に起因して生じる幅方向の画像濃度の差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成部及び一次転写ユニットの構成図である。
【図3】(A)本発明の第1実施形態に係る押付部の構成図である。(B)本発明の第1実施形態に係る一次転写ロールと形状調整ロールとの接触位置を示す模式図である。
【図4】(A)、(B)本発明の第1実施形態に係る一次転写ユニットを形状調整ロールの押し付け方向と直交する方向から見た平面図及び断面図である。
【図5】(A)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールをY方向とは反対方向に押し付けた状態を示す模式図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールをY方向とは反対方向に押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図6】(A)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールをZ方向に押し付けた状態を示す模式図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールをZ方向に押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図7】(A)本発明の第1実施形態に係る円柱状の一次転写ロールを示す説明図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールを押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図8】(A)本発明の第1実施形態に係る鼓状の一次転写ロールを示す説明図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールを押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図9】(A)本発明の第1実施形態に係る逆鼓状の一次転写ロールを示す説明図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールを押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図10】(A)本発明の第1実施形態に係る非対称形状の一次転写ロールを示す説明図である。(B)本発明の第1実施形態に係る形状調整ロールを押し付けたときの第1接触部と第2接触部の距離を示す模式図である。
【図11】(A)本発明の第1実施形態に係る第1接触部から第2接触部へ流れる電流を示す模式図である。(B)電流に対する転写効率の変化を示すグラフである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る押付部の構成図である。
【図13】本発明の第1、第2実施形態の変形例に係る押付部の構成図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る画像形成部及び一次転写ユニットの構成図である。
【図15】(A)、(B)本発明の第3実施形態に係る形状調整ロールに電圧を印加して一次転写を行っているときの転写電流が流れる状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の第1実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について説明する。
【0024】
図1には、第1実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、装置本体としての筐体12を有している。筐体12内には、矢印A方向(図示の反時計回り方向)に周回移動する円筒状の被転写媒体の一例としての中間転写ベルト14と、該中間転写ベルト14の回転方向に沿って配列された複数の画像形成部20Y、20M、20C、20Kと、各画像形成部20Y、20M、20C、20Kに対応して中間転写ベルト14の内側に設けられた後述する転写装置の一例としての一次転写ユニット40Y、40M、40C、40Kと、画像形成装置10の各部を制御する主制御部16と、を含んで構成されている。
【0025】
画像形成部20Yは、円筒状で矢印R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に外周面に現像剤像(トナー像)を保持している像保持部材の一例としての感光体22Yと、感光体22Yの外周面を帯電する帯電ロール24Yと、帯電された感光体22Yの外周面をY色(イエロー色)の画像情報に基づいて変調された露光光LYにより露光し、感光体22Y上に静電潜像を形成する露光装置26Yと、露光装置26Yの動作を制御する像形成制御部27Yと、Y色現像剤(トナー)を保持する現像ロール28Yを有し、感光体22Y上に形成された静電潜像をY色トナーで現像してトナー像(Y色)を形成する現像剤像形成手段の一例としての現像器32Yと、を含んで構成されている。なお、感光体22Yの外周面と対向する位置には、トナー画像の一次転写後において、感光体22Yの表面の残留電荷を除去する除電器が設けられているが、図示は省略している。
【0026】
ここで、画像形成部20M、20C、20Kは、画像形成部20Yとトナーの色が異なるだけで他の構成は同じであるため、各部材の符号の末尾にトナー色を表す添字M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)を付与して区別し、説明は省略する。なお、以後の説明では、トナー色(Y、M、C、K)毎の区別が不要のとき、添字Y、M、C、Kを省略した符号で説明する場合がある。
【0027】
主制御部16は、記録用紙Pに形成する画像の画像データを含む印刷データが、入出力部(図示省略)を介して入力されるようになっている。そして、この印刷データは、主制御部16において各色(Y、M、C、K)の画像情報に分解された後に、各色に対応する像形成制御部27Y、27M、27C、27Kに出力される。また、像形成制御部27の制御によって、各画像形成部20における露光装置26が制御され、露光光Lが変調されるようになっている。なお、画像形成装置10に設けられた装置各部は、主制御部16に電気的に接続されている。
【0028】
一方、中間転写ベルト14は、一例として、ポリイミド樹脂を主成分として形成された円筒状の部材であり、導電剤としてカーボンブラックを含むことにより、表面抵抗率が9〜12logΩ/□に調整されている。中間転写ベルト14の内側には、矢印A方向の上流側から下流側へ向けて順番に、駆動ロール34と、後述する一次転写ロール42Y、42M、42C、42Kと、中間転写ベルト14に張力を付与する張力付与ロール36と、中間転写ベルト14を内側から支持する支持ロール35と、二次転写位置に配置されるバックアップロール38と、が回転可能に設けられている。そして、中間転写ベルト14は、駆動ロール34、一次転写ロール42Y、42M、42C、42K、張力付与ロール36、支持ロール35、及びバックアップロール38に巻き掛けられて支持されており、駆動ロール34が駆動手段(図示省略)によって回転駆動されることで、矢印A方向に周回移動するようになっている。
【0029】
また、中間転写ベルト14の外側には、中間転写ベルト14と接触して表面をクリーニングするベルトクリーナ15が設けられている。さらに、中間転写ベルト14を挟んでバックアップロール38側とは反対側には、中間転写ベルト14上のトナー画像を記録用紙Pに転写する二次転写ロール41が設けられている。二次転写ロール41は、電圧印加手段(図示省略)が接続されており、トナーと逆極性の電圧が印加されると共にバックアップロール38との電位差によりトナー画像を記録用紙Pに転写させる。
【0030】
筐体12内の下部で中間転写ベルト14の下側には、記録用紙Pを収納する箱状の収納部17が設けられている。収納部17には、二次転写ロール41に近い側の上方に記録用紙Pを1枚ずつ送り出す送出ロール17Aが回転可能に設けられている。また、筐体12内には、送出ロール17Aから二次転写ロール41を経由して筐体12の上面に繋がる用紙搬送路19が設けられている。そして、用紙搬送路19の記録用紙Pの搬送方向における二次転写ロール41よりも下流側には、記録用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着部30が設けられている。
【0031】
定着部30は、記録用紙Pのトナー画像面側に配置され内部に熱源を有する定着ロール31Aと、定着ロール31Aに向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール31Bと、を有している。そして、記録用紙Pが定着ロール31Aと加圧ロール31Bとの接触部(ニップ部)に進入して加熱及び加圧されることで、トナー画像が記録用紙Pに定着される。
【0032】
次に、一次転写ユニット40について説明する。
【0033】
図2に示すように、一次転写ユニット40は、後述するベアリング54(図3(A)参照)により回転可能に支持され外周面が中間転写ベルト14の内周面と接触する転写部材の一例としての一次転写ロール42と、一次転写ロール42の形状を調整する形状調整手段の一例としての形状調整部44と、を含んで構成されている。
【0034】
なお、以後の説明では、一次転写ロール42の軸方向をX方向、該X方向と直交し且つ中間転写ベルト14の移動方向(矢印A方向)と平行な方向をY方向、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向として説明する。また、Y−Z面における感光体22と中間転写ベルト14との第1接触部をPA、中間転写ベルト14と一次転写ロール42との第2接触部をPBとする。さらに、Y方向における中間転写ベルト14と一次転写ロール42との接触幅をNとする。
【0035】
一次転写ロール42は、一例として、ステンレス鋼(SUS)製の芯金42Aの外周面にイオン導電剤を含む発泡ウレタン42Bが被覆されたロール部材である。また、一次転写ロール42は、第1接触部PAよりも中間転写ベルト14の搬送方向(矢印A方向)下流側に回転可能に設けられ、中間転写ベルト14の感光体22とは反対側の面に接触して第2接触部PBを形成している。
【0036】
さらに、一次転写ロール42は、芯金42Aが電圧印加手段の一例としての電圧印加部48を介して感光体22に電気的に接続されている。一例として、感光体22の内側は接地されており、芯金42Aには、電圧印加部48によりトナーの極性(一例としてマイナス極性)とは逆の極性であるプラス極性の電圧が印加されている。これにより、感光体22の電位と一次転写ロール42の電位との間には、電位差が生じている。そして、この電位差で形成される電界の作用によって、感光体22に保持されているトナー(トナー画像)が中間転写ベルト14に転写されるようになっている。
【0037】
一方、形状調整部44は、X方向を軸方向として回転可能に設けられ一次転写ロール42の外周面と接触する形状調整部材の一例としての形状調整ロール46と、形状調整ロール46のX方向の一端、他端を一次転写ロール42へ向けて独立して押し付ける押付手段の一例としての押付部50A、50B(図3(A)参照)と、を有している。
【0038】
形状調整ロール46は、Y−Z面の断面積がX方向で同じである円柱状のステンレス鋼(SUS)であり、X方向の長さが一次転写ロール42の芯金42Aと同程度の長さとなっている。また、形状調整ロール46は、X方向の一端(図示の手前側)、他端(図示の奥側)が、後述する一組のベアリング56(図3(A)参照)により回転可能に支持されている。
【0039】
図4(A)に示すように、押付部50Aは、一次転写ロール42及び形状調整ロール46の一端に設けられており、押付部50Bは、一次転写ロール42及び形状調整ロール46の他端に設けられている。なお、押付部50Aを構成する部材と押付部50Bを構成する部材は同様の構成であるため、以後の説明では、押付部50Aについて説明し、押付部50Bの説明を省略する。
【0040】
図3(A)に示すように、押付部50Aは、一次転写ロール42の一端と形状調整ロール46の一端とを一体で支持する支持部材の一例としてのホルダー52と、一次転写ロール42の一端が挿入された第1ベアリング54と、形状調整ロール46の一端が挿入された第2ベアリング56と、第2ベアリング56を第1ベアリング54に向けて付勢する位置調整ねじ58と、を含んで構成されている。
【0041】
ホルダー52は、X方向を厚さ方向とする板材であり、長手方向の一端でX方向に貫通した円形の貫通孔52Aと、長手方向の他端でX方向に貫通した矩形状の開口部52Bと、長手方向の他端側から開口部52B内へ向けて貫通したねじ孔52Cと、が形成されている。貫通孔52Aには、第1ベアリング54が嵌め込まれて固定されている。
【0042】
開口部52Bでは、矩形の長辺に相当する1組の内壁52Dに第2ベアリング56の外周面が接触している。また、X方向における内壁52Dの手前側と奥側には、形状調整ロール46を避けて板状のストッパー部材(図示省略)が設けられており、第2ベアリング56が開口部52Bから外れるのを防いでいる。
【0043】
さらに、ホルダー52のねじ孔52Cには、位置調整ねじ58がねじ込まれており、位置調整ねじ58の先端部は、第2ベアリング56の外周面と接触している。これにより、第2ベアリング56は、位置調整ねじ58が進む方向に回されると、内壁52Dに沿って矢印+G方向(第2ベアリング56が第1ベアリング54に近づく方向)にスライド移動する。また、第2ベアリング56は、位置調整ねじ58が退避する方向に回されると、内壁52Dに沿って矢印−G方向(第2ベアリング56が第1ベアリング54から離れる方向)にスライド移動する。ここで、押付部50A、50Bは独立しているため、一次転写ロール42と形状調整ロール46との軸間距離(図3(B)の線分OQの長さに相当)が独立して調整される構成となっている。
【0044】
図3(B)には、一次転写ロール42に対する形状調整ロール46の接触位置が模式図で示されている。図3(B)において、一次転写ロール42の回転中心位置を点O、形状調整ロール46の回転中心位置を点Qとする。また、点Oを通りZ方向と平行な直線をL1とし、点O及び点Qを通る直線をL2とする。直線L2の伸びる方向は、矢印+G方向及び矢印−G方向と一致している。
【0045】
直線L1に対する直線L2の角度θ(鋭角側)は、0°≦θ≦90°で設定され、本実施形態では一例として、θ=75°としている。即ち、形状調整ロール46は、一次転写ロール42の回転中心位置である点Oよりも下方側で、且つ押付部50A、50B(図3(A)参照)で押されたときに、第2接触部PBを第1接触部PA(図2参照)へ近づける位置に配置されている。
【0046】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0047】
画像形成装置10では、記録用紙Pに形成する画像の画像データを含む印刷データが主制御部16へ入力されると、この印刷データが、主制御部16において各色(Y、M、C、K)の画像情報に分解され、各色に対応する像形成制御部27に出力される。そして、像形成制御部27の制御によって、各画像形成部20における露光装置26が制御され、各色に対応した露光光Lが変調される。さらに、この変調された露光光Lは、帯電ロール24で帯電された感光体22の表面に照射される。このようにして、各感光体22表面に露光光Lが照射されることで、各感光体22上には、対応する色の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0048】
続いて、各現像器32によって、各感光体22上の静電潜像がトナーにより現像され、各感光体22上にトナー画像が形成される。そして、各感光体22上に形成されたトナー画像は、一次転写ユニット40によって、中間転写ベルト14の外周面に順次、一次転写される。なお、トナーの一次転写が終了した各感光体22は、表面に付着した残留トナーなどの付着物がクリーニング手段(図示省略)によって除去されると共に、一例として感光体22への光照射を行う除電器(図示省略)により残留電荷が除去される。
【0049】
続いて、中間転写ベルト14の外周面に順次、一次転写されて重ねられたトナー画像は、中間転写ベルト14の移動によって二次転写ロール41まで搬送される。そして、このトナー画像は、収納部17から搬送されてきた記録用紙Pに二次転写ロール41によって二次転写される。さらに、記録用紙Pに二次転写されたトナー画像は、定着部30により記録用紙P上に定着される。このようにしてトナー画像が定着された記録用紙Pは、筐体12の上面に排出される。
【0050】
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0051】
まず、押付部50A、50Bによって形状調整ロール46が一次転写ロール42に押し付けられたときの第1接触部PAから第2接触部PBまでの距離と、第2接触部PBの軸方向における中央部の幅と両端部の幅との違いについて説明する。
【0052】
形状調整ロール46の配置を表す角度θが90°のときは、図5(A)に示すように、形状調整ロール46が、一次転写ロール42をY方向とは反対方向(感光体22側に近づく方向)へ押し付けることになる。ここで、一次転写ロール42の芯金42A(図3(A)参照)は、軸方向(X方向)の両端部が支持されているが中央部は支持されていないので、一次転写ロール42の外周面に外力が作用したとき、中央部は両端部よりも外力の作用方向に変形する。
【0053】
このため、図5(B)に示すように、第2接触部は、中央部がY方向とは反対方向(第1接触部PA側)に移動する。そして、一次転写ロール42(図5(A)参照)の軸方向の中央部における第1接触部PAの端部(直線で表示)から第2接触部PBの端部PBa(曲線で表示)までの離間距離Δd1と、軸方向の両端部における第1接触部PAの端部から第2接触部PBの端部PBaまでの離間距離Δd2、Δd3との差が低減される。
【0054】
このように、形状調整ロール46は、角度θが90°のとき、第2接触部PBの軸方向中央部を第1接触部PAに近付け、第1接触部PAと第2接触部PBとの離間距離を軸方向で同程度とする。なお、図5(B)において、中間転写ベルト14における第2接触部PBの接触領域が鼓状となっているのは、前述したように、一次転写ロール42の中央部が支持されておらず、軸方向の中央部における中間転写ベルト14と一次転写ロール42との接触圧が、軸方向の端部における中間転写ベルト14と一次転写ロール42との接触圧よりも低下するためである。
【0055】
また、形状調整ロール46の配置を表す角度θが0°のときは、図6(A)に示すように、形状調整ロール46が、一次転写ロール42をZ方向(中間転写ベルト14に近づく方向)へ押し付けることになる。
【0056】
このため、図6(B)に示すように、第2接触部PBのY方向の幅Nは、軸方向における中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3とが、いずれも増加することになる。なお、形状調整ロール46によって一次転写ロール42に作用する外力はZ方向のみであり、Y方向とは反対方向の成分が無いため、前述の離間距離Δd1と、離間距離Δd2、Δd3との差はほとんど変わらない。このように、形状調整ロール46は、角度θが0°のとき、第2接触部PBのY方向の幅を軸方向中央部及び両端部で増加させる。
【0057】
一方、図3(B)に示すように、角度θ=75°のときは、形状調整ロール46から一次転写ロール42へ矢印+G方向の外力Fが作用するが、この外力Fは、Y方向とは反対方向の分力F1とZ方向の分力F2とに分解される。即ち、角度θが0°より大きく、90°より小さいときは、一次転写ロール42にY方向とは反対方向の分力F1とZ方向の分力F2とが作用するため、前述の離間距離Δd1と離間距離Δd2、Δd3との差が低減されると共に、第2接触部PBのY方向の幅が軸方向中央部及び両端部で増加する。
【0058】
図7(A)に示すように、外形がX方向で同じである一次転写ロール42の場合は、図7(B)に示すように、一次転写ロール42(図7(A)参照)の軸方向の中央部における第1接触部PAの端部から第2接触部PBの端部PBaまでの離間距離Δd1と、軸方向の両端部における第1接触部PAの端部から第2接触部PBの端部PBaまでの離間距離Δd2、Δd3とが同程度の距離となる。なお、図4(A)において、押付部50Aによる形状調整ロール46の一次転写ロール42への喰い込み量と、押付部50Bによる形状調整ロール46の一次転写ロール42への喰い込み量は、同量とする。
【0059】
そして、第2接触部PBのY方向の幅Nは、軸方向における中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3とが、同程度の幅となる。なお、破線は、形状調整ロール46(図3(A)参照)を用いていない場合の第2接触部PBの形状である。このように、形状調整ロール46を用いることで、形状調整ロール46を用いていない構成に比べて、離間距離Δd1とΔd2、Δd3との差が低減されると共に、第2接触部PBの中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3との差が低減される。
【0060】
図8(A)に示すように、外形が鼓状で両端部よりも中央部が細い一次転写ロール43の場合は、図8(B)に示すように、一次転写ロール43(図8(A)参照)の軸方向の中央部における離間距離Δd1が、軸方向の両端部における離間距離Δd2、Δd3よりも僅かに短くなる。そして、第2接触部PBのY方向の幅Nは、軸方向における中央部の幅N1が、両端部の幅N2、N3よりも僅かに短くなる。
【0061】
このように、一次転写ロール43が鼓形状であっても、形状調整ロール46を用いることで、形状調整ロール46を用いていない構成に比べて、離間距離Δd1とΔd2、Δd3との差が低減されると共に、第2接触部PBの中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3との差が低減される。なお、図8(B)において、破線は、形状調整ロール46(図3(A)参照)を用いていない場合の第2接触部PBの形状である。また、図8(A)において、一次転写ロール43は、芯金42Aの外周面にイオン導電剤を含む発泡ウレタン43Aが被覆されたロール部材である。さらに、押付部50A(図4(A)参照)による形状調整ロール46の一次転写ロール43への喰い込み量と、押付部50B(図4(A)参照)による形状調整ロール46の一次転写ロール43への喰い込み量は、同量とする。
【0062】
図9(A)に示すように、外形が逆鼓状で両端部よりも中央部が太い一次転写ロール45の場合は、図9(B)に示すように、一次転写ロール45(図8(A)参照)の軸方向の中央部における離間距離Δd1が、軸方向の両端部における離間距離Δd2、Δd3よりも僅かに長くなる。そして、第2接触部PBのY方向の幅Nは、軸方向における中央部の幅N1が、両端部の幅N2、N3よりも僅かに長くなる。
【0063】
このように、一次転写ロール45が逆鼓形状であっても、形状調整ロール46を用いることで、形状調整ロール46を用いていない構成に比べて、離間距離Δd1とΔd2、Δd3との差が低減されると共に、第2接触部PBの中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3との差が低減される。なお、図9(B)において、破線は、形状調整ロール46(図3(A)参照)を用いていない場合の第2接触部PBの形状である。また、図9(A)において、一次転写ロール45は、芯金42Aの外周面にイオン導電剤を含む発泡ウレタン45Aが被覆されたロール部材である。さらに、押付部50A(図4(A)参照)による形状調整ロール46の一次転写ロール45への喰い込み量と、押付部50B(図4(A)参照)による形状調整ロール46の一次転写ロール45への喰い込み量は、同量とする。
【0064】
一方、図10(A)に示すように、軸方向(X方向)における押付部50A側と押付部50B側とで外形が異なる一次転写ロール47の場合は、押付部50A又は押付部50Bを独立して調整して、いずれか一方側の形状調整ロール46の一次転写ロール47への喰い込み量を増加又は減少させる。これにより、図10(B)に示すように、一次転写ロール47(図10(A)参照)の軸方向の中央部における離間距離Δd1と、軸方向の両端部における離間距離Δd2、Δd3との差が低減される。そして、第2接触部PBのY方向の幅Nは、軸方向における中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3との差が低減される。なお、図10(A)において、一次転写ロール47は、芯金42Aの外周面にイオン導電剤を含む発泡ウレタン47Aが被覆されたロール部材である。
【0065】
次に、一次転写ロール42から中間転写ベルト14を介して感光体22に流れる転写電流について、形状調整ロール46の有無による違いを説明する。
【0066】
比較例として、形状調整ロール46を用いていない場合、図11(A)に破線で示すように、第2接触部PBの中央部におけるY方向の幅は、両端部におけるY方向の幅よりも短くなっている。即ち、第2接触部PBのY方向の端部PBaから第1接触部PAまでの距離は、中央部の方が両端部よりも長くなっている。
【0067】
中間転写ベルト14の電気抵抗は0ではないため、中間転写ベルト14を流れる電流(転写電流)の経路の長さが長いほど、感光体22(図2参照)まで到達する電流が減少することになる。これにより、比較例において、一次転写ロール42の芯金42A(図3(A)参照)に印加された電流Iは、第2接触部PBの中央部において電流i4、両端部において電流i5、i6で流れるとすると、i4<i5、i4<i6となる。
【0068】
図11(B)には、一例として、ベタ画像を形成する時に一次転写ロール42に印加される電流Iと、トナーの転写効率K(感光体22上のトナー量を100%として中間転写ベルト14へ転写されたトナー量の比率)との関係がグラフで示されている。図11(B)のグラフにおいて、過剰な電流Iは流れない(グラフの頂部を超えて電流を印加しない)ものとすると、電流I1のときの転写効率をK1、電流I2のときの転写効率をK2として、I1<I2、K1<K2となる。即ち、電流Iが少ないほど転写効率Kが下がることになる。
【0069】
なお、図11(B)について、ベタ画像ではなくハーフトーン画像の場合は、ハーフトーン画像のグラフの転写効率が最大となる電流の方が、ベタ画像のグラフの転写効率が最大となる電流よりも小さくなるが、図11(B)では、ハーフトーン画像にも適用可能な電流と転写効率の関係(ベタ画像の場合の関係)が示されている。
【0070】
ここで、図11(A)に示すように、比較例では、第2接触部PBの中央部の電流i4が両端部の電流i5、i6よりも少ないため、転写効率Kは、両端部よりも中央部の方が下がり、転写むら(画像濃度の差)が生じることになる。
【0071】
一方、本実施形態では、図11(A)に矩形状の実線で示すように、第2接触部PBの中央部におけるY方向の幅と、両端部におけるY方向の幅との差が低減されている。即ち、第2接触部PBのY方向の端部PBaから第1接触部PAまでの距離は、中央部と両端部とで同程度となっている。このため、第2接触部PBから第1接触部PAまで流れる電流は、中央部の電流i1と両端部の電流i2、i3とが同程度となり、転写むらが抑制される。そして、転写むらが抑制されることから、各組の組付状態に起因して生じる幅方向(X方向)の画像濃度の差が低減されることになる。
【0072】
次に、形状調整ロール46の有無による画像濃度の違いを測定した結果について説明する。
【0073】
なお、以下の測定では、一例として、図2に示す感光体22の直径を84mm、一次転写ロール42の外径を28mm、芯金42Aの外径を8mm、形状調整ロール46の外径を10mmとした。また、第1接触部PAと第2接触部PBの中央との離間距離を3mmに設定した。一次転写ユニット40は、一例として、シアン(C)とブラック(K)に対応する一次転写ユニット40C、40K(図1参照)を用いた。
【0074】
さらに、一次転写ロール42は、発泡ウレタン42BのX方向の端面から10mmの端部の外径と中央部の外径との差(クラウン量)がほとんど無いもの(0.00mmとする)、端部の外径よりも中央部の外径の方が0.05mm小さいもの(−0.05mmとする)、端部の外径よりも中央部の外径の方が0.05mm大きいもの(+0.05mmとする)の3水準を用いた。また、第1接触部PAにおける感光体22と中間転写ベルト14との接触圧力を280gf/300mmとした。
【0075】
画像濃度の評価については、予め、線画像、ソリッド画像、及びハーフトーン画像を含むテストパターンを出力して、各画像の出力が問題なく行える転写電流(一次転写ロール42に印加される電流)を求めた。そして、この転写電流の条件において、単色の20mm×20mmで、インプットカバレッジ(面積比率)30%(全体露光したものを100%とする)のハーフトーン画像が、記録用紙P(図1参照)のA4サイズ全面に配置されたパターンを出力(プリント)した。
【0076】
また、画像濃度の測定は、X−Rite社製のX−Rite938を用いて、記録用紙Pの中央部と、両端部からそれぞれ20mmの位置の合計3箇所で行った。そして、中央部の画像濃度を基準として、中央部と右端部との画像濃度差、中央部と左端部との画像濃度差をそれぞれ求め、○、△、×の3段階で評価した。表中の○は、画像濃度差が見られないもの(|濃度差Δ|≦0.01)、△は、画像濃度差がわずかに確認できるもの(0.01<|濃度差Δ|≦0.025)、×は、画像濃度差が確認できるもの(0.025<|濃度差Δ|)を示している。なお、画像濃度は無次元量である。
【0077】
はじめに、比較例として、形状調整ロール46が設けられていない構成について画像濃度の測定を行った結果を表1に示す。比較例では、3種類のクラウン量の一次転写ロール42について、シアン色、ブラック色のいずれにおいても画像濃度差が確認された。
【0078】
【表1】

【0079】
次に、図1に示す本実施形態の画像形成装置10において、画像濃度の測定を行った結果を表2に示す。なお、表2の結果は、事前に、画像濃度を測定しながら形状調整ロール46の一次転写ロール42への食い込み量を押付部50A、50B(図3(A)参照)により調整した後の結果である。また、一次転写ロール42に対する形状調整ロール46の接触位置は、図3(B)に示す角度θが75°の位置となっている。
【0080】
【表2】

【0081】
表2に示すように、本実施形態の画像形成装置10では、画像濃度差のない画像が得られた。これは、図2、図7(B)、図8(B)、及び図9(B)に示すように、形状調整ロール46を一次転写ロール42に押し付けて食い込ませることで、一次転写ロール42の自重や中間転写ベルト14との接触による撓みが補正され、第1接触部PAと第2接触部PBの端部PBaとの離間距離について、中央部(Δd1)と両端部(Δd2、Δd3)とで差が小さくなったこと、及び第2接触部PBの中央部の幅N1と、両端部の幅N2、N3との差が小さくなったことによると考える。
【0082】
なお、本実施形態の変形例として、一次転写ロール42に対する形状調整ロール46の接触位置を角度θが0°となる位置(図6(A)参照)にしたときの画像濃度の測定結果を表3に示す。
【0083】
【表3】

【0084】
表3及び図6(A)に示すように、一次転写ロール42の真下に形状調整ロール46を配置するだけでも中央部と両端部の画像濃度差が低減されることが分かった。
【0085】
以上説明したように、本実施形態の一次転写ユニット40は、形状調整部44により一次転写ロール42の形状が調整されることにより、第1接触部PA(又は第1接触部PAの端部)から第2接触部PBの端部PBaまでの離間距離について、一次転写ロール42の軸方向(X方向)の中央部における離間距離Δd1と両端部における離間距離Δd2、Δd3との差が低減される。
【0086】
これにより、一次転写ロール42の軸方向において、一次転写ロール42から中間転写ベルト14を介して感光体22へ流れる転写電流の差が低減されるため、一次転写ロール42を曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、中間転写ベルト14の搬送方向と交差する幅方向(X方向)における中央部と両端部の画像濃度差が低減される。
【0087】
また、一次転写ユニット40では、第2接触部PBのY方向の幅Nが増加すると共に、軸方向の中央部の幅N1と両端部の幅N2、N3との差が低減されるので、中間転写ベルト14と一次転写ロール42との接触圧が幅方向(軸方向)で均等となり、中間転写ベルト14の撓みが抑制される。
【0088】
さらに、一次転写ユニット40は、形状調整ロール46が回転可能に設けられているので、一次転写ロール42の回転に合わせて形状調整ロール46も回転する。これにより、形状調整ロールが固定された構成に比べて、一次転写ロール42の回転時に一次転写ロール42に作用する負荷が低減される。
【0089】
加えて、一次転写ユニット40は、位置調整ねじ58が、形状調整ロール46と一次転写ロール42との軸間距離を直接、調整可能となっているので、一次転写ロール42と形状調整ロール46との軸間距離を調整しない構成に比べて、形状調整部44の部品点数が低減される。
【0090】
また、一次転写ユニット40は、図3(B)に示すように、形状調整ロール46が、一次転写ロール42の回転中心位置(点O)よりも下方側で且つ押付部50A、50Bで押されたときに一次転写ロール42を感光体22へ近づける位置に配置されているので、一次転写ロール42にY方向とは反対方向の分力F1とZ方向の分力F2とが作用する。そして、中央部の離間距離Δd1と両端部の離間距離Δd2、Δd3との差が低減されると共に、第2接触部PBのY方向の幅が軸方向中央部及び両端部で増加する。これにより、中間転写ベルト14の搬送方向における第2接触部PBの位置調整と、第2接触部PBの幅Nの調整とが同時に行われる。
【0091】
さらに、一次転写ユニット40は、図3(A)に示すように、押付部50A(50B)が、一次転写ロール42と形状調整ロール46とを一体で支持するホルダー52を有しているので、位置調整ねじ58を回して形状調整ロール46を一次転写ロール42に押し付けても、中間転写ベルト14に対する一次転写ロール42の設置位置がずれることがない。これにより、一次転写ロール42と形状調整ロール46を別々に支持する構成に比べて、中間転写ベルト14と一次転写ロール42とが接触する基準位置(形状調整ロール46が一次転写ロール42の回転中心へ向けて押し付けられる位置)が、形状調整ロール46の位置調整によってずれることが抑制される。
【0092】
そして、画像形成装置10は、形状調整部44を有する各一次転写ユニット40によって、感光体22から中間転写ベルト14へのトナー画像の一次転写を行うので、一次転写ロール42を形状調整部44を用いて曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、各部材の組付状態に起因して生じる幅方向の画像濃度の差が低減される。
【0093】
次に、本発明の第2実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同じ部品には、前記第1実施形態と同じ符号を付与してその説明を省略する。
【0094】
図12には、第2実施形態の一次転写ユニット70が示されている。一次転写ユニット70は、第1実施形態の画像形成装置10の一次転写ユニット40(図3(A)参照)において、形状調整部44に換えて形状調整手段の一例としての形状調整部71が設けられた構成となっている。また、形状調整部71は、押付部50A、50Bに換えて形状調整ロール46を一次転写ロール42に押し付ける押付手段の一例としての押付部72A、72Bと、形状調整ロール46と、を有する構成となっている。そして、他の構成は、第1実施形態と同様の構成となっている。
【0095】
押付部72Aは、一次転写ロール42及び形状調整ロール46の一端に設けられており、押付部72Bは、一次転写ロール42及び形状調整ロール46の他端に設けられている。なお、押付部72Aを構成する部材と押付部72Bを構成する部材は同様の構成であるため、以後の説明では、押付部72Aについて説明し、押付部72Bの説明を省略する。
【0096】
押付部72Aは、一次転写ロール42の一端と形状調整ロール46の一端とを一体で支持する支持部材の一例としてのホルダー74と、第1ベアリング54と、第2ベアリング56と、第2ベアリング56が固定された板状のベアリングホルダー76と、ベアリングホルダー76を一次転写ロール42側に付勢する付勢ばね77と、付勢ばね77が取付けられた板材78と、板材78を付勢する圧力調整ねじ79と、を含んで構成されている。
【0097】
ホルダー74は、X方向を厚さ方向とする板材であるホルダー本体74Aを有している。ホルダー本体74Aの長手方向の一端には、X方向に貫通した円形の貫通孔74Bが形成されており、貫通孔74Bには、第1ベアリング54が嵌め込まれて固定されている。また、ホルダー本体74Aの中央部には、矢印+G方向及び−G方向と交差する方向に間隔をあけて配置されると共に、矢印+G方向及び−G方向を長手方向として矢印X方向に突出した板状のガイドレール74C、74Dが一体で形成されている。さらに、ホルダー本体74Aの他端には、矢印X方向に突出した板状の支持部74Eが一体で形成されている。
【0098】
ガイドレール74C、74Dは、平行に配置されており、ガイドレール74C、74Dの内側には、ベアリングホルダー76と板材78が矢印+G方向又は矢印−G方向にスライド移動可能に嵌め込まれている。そして、付勢ばね77の一端がベアリングホルダー76に固定され、他端が板材78に固定されている。
【0099】
一方、支持部74Eには、矢印+G方向に貫通したねじ孔74Fが形成されており、ねじ孔74Fには圧力調整ねじ79がねじ込まれている。そして、圧力調整ねじ79の先端は、板材78の他方(図示の下側)の面と接触している。
【0100】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0101】
図12に示すように、圧力調整ねじ79が、矢印+G方向へ進む方向に回されると、板材78がガイドレール74C、74Dに沿って矢印+G方向へスライド移動する。そして、板材78の移動により圧縮された付勢ばね77の弾性力によって、ベアリングホルダー76が矢印+G方向にスライド移動し、一次転写ロール42の外周面に形状調整ロール46が押し付けられる。
【0102】
一方、圧力調整ねじ79が、矢印−G方向へ退避する方向に回されると、板材78は、自重及び付勢ばね77の弾性力により、ガイドレール74C、74Dに沿って矢印−G方向へスライド移動する。そして、板材78の移動により引っ張られた付勢ばね77の弾性力によって、ベアリングホルダー76が矢印−G方向にスライド移動し、一次転写ロール42の外周面から形状調整ロール46が退避する。
【0103】
このように、一次転写ユニット70は、圧力調整ねじ79が、一次転写ロール42と形状調整ロール46との接触による圧力を調整可能となっている。このため、一次転写ロール42又は形状調整ロール46が偏芯した場合でも、付勢ばね77の弾性力によって、形状調整ロール46が一次転写ロール42に接触する。
【0104】
また、一次転写ユニット70は、形状調整部71により一次転写ロール42の形状が調整されることにより、図7(B)に示すように、第1接触部PA(又は第1接触部PAの端部)から第2接触部PBの端部PBaまでの離間距離について、一次転写ロール42の軸方向(X方向)の中央部における離間距離Δd1と両端部における離間距離Δd2、Δd3との差が低減される。
【0105】
これにより、一次転写ロール42の軸方向において、一次転写ロール42から中間転写ベルト14を介して感光体22へ流れる転写電流の差が低減されるため、一次転写ロール42を曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、中間転写ベルト14の搬送方向と交差する幅方向(X方向)における中央部と両端部の画像濃度差が低減される。
【0106】
さらに、一次転写ユニット70では、図7(B)に示すように、第2接触部PBのY方向の幅N(N1、N2、N3)が増加すると共に、軸方向の中央部の幅N1と両端部の幅N2、N3との差が低減されるので、中間転写ベルト14と一次転写ロール42との接触圧が幅方向(軸方向)で均等となり、中間転写ベルト14の撓みが抑制される。
【0107】
そして、画像形成装置10は、形状調整部71を有する各一次転写ユニット70によって、感光体22から中間転写ベルト14へのトナー画像の一次転写を行うので、一次転写ロール42を形状調整部71を用いて曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、各部材の組付状態に起因して生じる幅方向の画像濃度の差が低減される。
【0108】
ここで、図13には、第1実施形態の一次転写ユニット40(図2参照)及び第2実施形態の一次転写ユニット70(図12参照)の変形例として、一次転写ユニット80が示されている。
【0109】
一次転写ユニット80は、一次転写ロール42を+Z方向又は−Z方向にスライド移動させるスライド部90と、形状調整手段の一例としての形状調整部100とが設けられた構成となっている。形状調整部100は、形状調整ロール46を一次転写ロール42に押し付ける押付手段の一例としての押付部102A、102Bと、形状調整ロール46と、を有する構成となっている。そして、他の構成は、第1実施形態と同様の構成となっている。
【0110】
スライド部90は、画像形成装置10の筐体12(図1参照)内にブラケット(図示省略)を用いて固定されたホルダー92を有している。ホルダー92は、X方向を厚さ方向とする板材であり、ホルダー92の中央部には、X方向に貫通した矩形状の開口部92Aが形成されている。また、ホルダー92には、ホルダー92の長手方向の他端側から開口部92A内へ向けて貫通したねじ孔92Bが形成されている。
【0111】
開口部92Aでは、矩形の長辺に相当する1組の内壁92Cに第1ベアリング54の外周面が接触している。また、X方向における内壁92Cの手前側と奥側には、芯金42Aを避けて板状のストッパー部材(図示省略)が設けられており、第1ベアリング54が開口部92Aから外れるのを防いでいる。
【0112】
さらに、ホルダー92のねじ孔92Bには、位置調整ねじ94がねじ込まれており、位置調整ねじ94の先端部は、第1ベアリング54の外周面と接触している。そして、開口部92A内には、一端が開口部92Aの内壁(符号は省略する)に取付けられ、他端が第1ベアリング54を矢印−Z方向に付勢する付勢ばね96が設けられている。
【0113】
これにより、第1ベアリング54は、位置調整ねじ94が進む方向に回されると、開口部92Aの内壁92Cに沿って矢印+Z方向(一次転写ロール42が中間転写ベルト14に近づく方向)にスライド移動する。また、第1ベアリング54は、位置調整ねじ94が退避する方向に回されると、内壁92Cに沿って矢印−Z方向(一次転写ロール42が中間転写ベルト14から離れる方向)にスライド移動する。
【0114】
一方、押付部102A、102Bは、画像形成装置10の筐体12(図1参照)内にブラケット(図示省略)を用いて、Y−Z面内で矢印+r方向又は矢印−r方向に回転可能に支持されたホルダー104を有している。ホルダー104は、X方向を厚さ方向とする板材であり、ホルダー104の中央部には、X方向に貫通した矩形状の開口部104Aが形成されている。また、ホルダー104には、ホルダー104の長手方向の他端側から開口部104A内へ向けて貫通したねじ孔104Bが形成されている。
【0115】
開口部104Aでは、矩形の長辺に相当する1組の内壁104Cに第2ベアリング56の外周面が接触している。また、X方向における内壁104Cの手前側と奥側には、形状調整ロール46を避けて板状のストッパー部材(図示省略)が設けられており、第2ベアリング56が開口部104Aから外れるのを防いでいる。
【0116】
さらに、ホルダー104のねじ孔104Bには、位置調整ねじ106がねじ込まれており、位置調整ねじ106の先端部は、第2ベアリング56の外周面と接触している。そして、開口部104A内には、一端が開口部104Aの内壁(符号は省略する)に取付けられ、他端が第2ベアリング56を矢印−G方向に付勢する付勢ばね108が設けられている。
【0117】
これにより、第2ベアリング56は、位置調整ねじ106が進む方向に回されると、開口部104Aの内壁104Cに沿って矢印+G方向(形状調整ロール46が一次転写ロール42に近づく方向)にスライド移動する。また、第2ベアリング56は、位置調整ねじ106が退避する方向に回されると、内壁104Cに沿って矢印−G方向(形状調整ロール46が一次転写ロール42から離れる方向)にスライド移動する。
【0118】
ここで、一例として、位置調整ねじ94を回して一次転写ロール42の位置を矢印+Z方向に移動させた場合、位置調整ねじ106の回転軸線(図示省略)上に一次転写ロール42の回転中心が位置しなくなる。このため、ホルダー104を矢印−r方向に移動させ、位置調整ねじ106の回転軸線(図示省略)上に一次転写ロール42の回転中心が位置するように配置した後、位置調整ねじ106を回す。これにより、一次転写ロール42の矢印Z方向の位置が変化しても、一次転写ロール42の回転中心に向けて形状調整ロール46が押し付けられる。
【0119】
なお、表4に示すように、一次転写ロール42と形状調整ロール46をそれぞれ異なるホルダー92、104で独立して支持する構成としても、中央部と両端部の画像濃度差が低減されることが分かった。
【0120】
【表4】

【0121】
次に、本発明の第3実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同じ部品には、前記第1、第2実施形態と同じ符号を付与してその説明を省略する。
【0122】
図14には、第3実施形態の一次転写ユニット110が示されている。一次転写ユニット110は、第1実施形態の一次転写ユニット40(図3(A)参照)において、電圧印加部48の感光体22側とは反対側の接続先を、一次転写ロール42の芯金42Aに換えて形状調整ロール46とした構成となっている。そして、一次転写ロール42は、フローと状態となっている。また、他の構成は、第1実施形態と同様の構成となっている。
【0123】
形状調整ロール46は、一次転写ロール42よりも電気抵抗が低くなっている。そして、形状調整ロール46には、感光体22と一次転写ロール42との電位差を生じさせる電圧が電圧印加部48により印加されるようになっている。
【0124】
次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0125】
形状調整部44を用いることにより、前述のように、一次転写ロール42の軸方向において、一次転写ロール42から中間転写ベルト14を介して感光体22へ流れる転写電流の差が低減されるため、一次転写ロール42を曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、中間転写ベルト14の搬送方向と交差する幅方向(X方向)における中央部と両端部の画像濃度差が低減される。
【0126】
そして、画像形成装置10は、形状調整部44を有する各一次転写ユニット110によって、感光体22から中間転写ベルト14へのトナー画像の一次転写を行うので、一次転写ロール42を曲げ変形させずに中間転写ベルト14に接触させる構成に比べて、各部材の組付状態に起因して生じる幅方向の画像濃度の差が低減される。
【0127】
一方、図15(A)に示すように、一次転写ユニット110では、一次転写ロール42に形状調整ロール46が接触した状態で電圧印加部48により電圧を印加すると、形状調整ロール46と一次転写ロール42との接触部PC付近において、一次転写ロール42表面(外周面)から芯金42Aに向けた方向で電流Iaが流れる。そして、第2接触部PB付近では、芯金42Aから一次転写ロール42の表面へ電流Iaが流れる。このとき、イオン導電剤のイオンJ(図示の小丸)の一部は、外周側(第2接触部PB側)に偏在(分極)する。
【0128】
続いて、図15(B)に示すように、一次転写ロール42が回転すると、一次転写ロール42内でイオンJが偏在した部位は、形状調整ロール46との接触部PCに移動する。そして、イオンJは、再度、芯金42Aへ向けて移動する。このように、一次転写ロール42が回転する毎に電界の方向が反転し、プラスとマイナスの電圧を交互にかけた作用が得られると考えられるため、一次転写ロール42の分極が抑制されると考えられる。また、一次転写ロール42の分極が抑制されるため、一次転写ロール42の電気抵抗の上昇が抑制される。
【0129】
次に、第3実施形態の画像形成装置10において、画像濃度の測定を行った結果を表5に示す。なお、表5の結果は、事前に、画像濃度を測定しながら形状調整ロール46の一次転写ロール42への食い込み量を押付部50A、50B(図3(A)参照)により調整した後の結果である。また、一次転写ロール42に対する形状調整ロール46の接触位置は、図3(B)に示す角度θが75°の位置となっている。
【0130】
【表5】

【0131】
表5に示すように、第3実施形態の画像形成装置10においても、画像濃度差のない画像が得られた。
【0132】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0133】
一次転写ロール42は、第1接触部PAよりも中間転写ベルト14の搬送方向で上流側に設けられていてもよい。また、形状調整部44、71、100は、バックアップロール38と二次転写ロール41とが中間転写ベルト14の搬送方向でずらして配置してある構成において、二次転写ロール41に用いてもよい。この場合、中間転写ベルト14が像保持部材の一例となり、記録用紙Pが被転写媒体の一例となる。さらに、形状調整部44、71、100をバックアップロール38に用いてもよい。
【0134】
第3実施形態の画像形成装置10において、形状調整部44に換えて、形状調整部71を用いてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 画像形成装置
14 中間転写ベルト(被転写媒体の一例)
22 感光体(像保持部材の一例)
32 現像器(現像剤像形成手段の一例)
40 一次転写ユニット(転写装置の一例)
42 一次転写ロール(転写部材の一例)
44 形状調整部(形状調整手段の一例)
46 形状調整ロール(形状調整部材の一例)
48 電圧印加部(電圧印加手段の一例)
50A 押付部(押付手段の一例)
50B 押付部(押付手段の一例)
52 ホルダー(支持部材の一例)
70 一次転写ユニット(転写装置の一例)
71 形状調整部(形状調整手段の一例)
72A 押付部(押付手段の一例)
72B 押付部(押付手段の一例)
74 ホルダー(支持部材の一例)
100 形状調整部(形状調整手段の一例)
102A 押付部(押付手段の一例)
102B 押付部(押付手段の一例)
PA 第1接触部
PB 第2接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に現像剤像が保持されている像保持部材と該現像剤像が転写される被転写媒体との第1接触部よりも該被転写媒体の搬送方向下流側又は上流側に回転可能に設けられ、前記被転写媒体の前記像保持部材とは反対側の面に接触して第2接触部を形成すると共に、前記像保持部材との電位差により前記被転写媒体へ前記現像剤像を転写する転写部材と、
前記転写部材の軸方向の中央部における前記第1接触部から前記第2接触部までの離間距離と、前記軸方向の両端部における前記第1接触部から前記第2接触部までの離間距離との差が低減されるように前記転写部材の形状を調整する形状調整手段と、
を有する転写装置。
【請求項2】
前記形状調整手段は、
回転可能に設けられ前記転写部材の外周面と接触する形状調整部材と、
前記形状調整部材の一端、他端を前記転写部材へ向けて独立して押し付ける押付手段と、
を有する請求項1に記載の転写装置。
【請求項3】
前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材の一端、他端との軸間距離を独立して調整する請求項2に記載の転写装置。
【請求項4】
前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材の一端、他端との接触による圧力を独立して調整する請求項2に記載の転写装置。
【請求項5】
前記形状調整部材は、前記転写部材の回転中心位置よりも下方側で且つ前記押付手段で押されたときに前記第2接触部を前記第1接触部へ近づける位置に配置されている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の転写装置。
【請求項6】
前記押付手段は、前記転写部材と前記形状調整部材とを一体で支持する支持部材を有する請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の転写装置。
【請求項7】
前記形状調整部材は、前記転写部材よりも電気抵抗が低く、
前記形状調整部材には、前記像保持部材と前記転写部材との電位差を生じさせる電圧を該形状調整部材に印加する電圧印加手段が接続されている請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の転写装置。
【請求項8】
前記像保持部材と、
現像剤像を前記像保持部材に形成する現像剤像形成手段と、
前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を共通の前記被転写媒体に転写する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の転写装置と、
が複数組設けられている画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−54298(P2013−54298A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194029(P2011−194029)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】