説明

転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体

【課題】セラミックス製転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能な転動体の検査方法、当該検査方法を採用した転動体の製造方法、およびその製造方法により製造された転動体を提供する。
【解決手段】転動体91の検査方法は、転動体91に光源12からX線99を照射する工程と、転動体91を透過したX線99を検出部13にて検出する工程と、検出されたX線99のデータを演算して画像を作成する工程と、画像に基づいて転動体91の欠陥を検出する工程とを備える。そして、X線99を照射する工程では、光源12に対向する転動体91の領域全体にX線99が照射されつつ、光源12が転動体91の周りを相対的に回転し、画像を作成する工程では、転動体91の周り1周分のX線99のデータが演算されて画像が作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体に関し、より特定的には、たとえば転がり軸受の転動体として用いられるセラミックス製の転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、工作機の主軸などの軸に対して、さらなる高速回転化および高精度化の要求がある。そして、このような軸を支持する転がり軸受の転動体として、軽量かつ高硬度なセラミックス製の転動体の需要が高まっている。また、セラミックス製の転動体は、高い絶縁性を有する。そのため、発電機やモーターに用いられる軸受の転動体としても期待されている。さらに、一般的な軸受の転動体である鋼球に比べて軽量であることから、航空機や自動車などの輸送機械における使用も期待される。
【0003】
転がり軸受には高い信頼性が求められることから、セラミックス製転動体の製造においては、素材欠陥や加工欠陥を検出するための全数検査が必要である。このとき、検出すべき欠陥の大きさは、材料強度などによっても異なるが、概ね20μm以上である。
【0004】
ここで、転動体表面のキズ、介在物等の欠陥は、目視による外観検査、光学系を用いた転動体表面の光の反射状態を調査する方法などにより検出することができる。また、これらの方法は、検査に要する時間も短いため、量産工程においても採用可能な検査方法である。
【0005】
しかし、セラミックス製転動体においては、表面だけでなく、内部に欠陥が存在した場合でも、その耐久性が低下する場合がある。そのため、欠陥の検査は、転動体の表面だけでなく、内部全体についても実施する必要がある。
【0006】
セラミック部品の内部に存在する欠陥を検出可能な方法としては、X線透過法で得られた画像を積分処理し、積分処理された画像を差分処理することで、セラミック部品の内部欠陥を検出する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、積分処理するための画像を撮影する必要があるため、撮像時間が長くなる。そのため、この方法を転動体の量産工程における検査方法に採用することは困難である。
【0007】
また、X線CT(Computed Tomography)を用いて窒化珪素焼結体の気孔分布を評価する方法が知られている(たとえば、特許文献2参照)。この方法では、10μm程度の気孔が検出される。しかし、この方法も、撮像に膨大な時間を要する。そのため、この方法も、転動体の量産工程における検査方法に採用することは困難である。
【0008】
一方、医療用X線CTを用いて、X線源と検出器とを螺旋状に走査させることにより、セラミック構造体の気孔率分布を測定する方法が知られている(たとえば、特許文献3参照)。この方法は、セラミック構造体を比較的短時間で検査することができる。しかしながら、上述のようにX線源と検出器とが螺旋状に走査するため、所定の間隔をおいた画像基づいて検査が実施される。そのため、検査対象物全体を漏れなく検査することはできない。したがって、高い信頼性が要求されるセラミックス製転動体の検査方法としては、このような方法は適切であるとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−146137号公報
【特許文献2】特開2001−201465号公報
【特許文献3】特開2005−283547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、セラミックス製の構造体の内部欠陥(たとえば介在物、空孔など)を検査する方法としては種々の方法が提案されているものの、検査に長時間を要する、構造体内部の全体を漏れなく検査することができない、などの問題があり、セラミックス製転動体の検査方法としては不十分であった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、セラミックス製転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能な転動体の検査方法、当該検査方法を採用した転動体の製造方法、およびその製造方法により製造された転動体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従った転動体の検査方法は、セラミックス製の転動体の検査方法である。この検査方法は、転動体に光源からX線を照射する工程と、転動体を透過した当該X線を検出する工程と、検出されたX線のデータを演算して画像を作成する工程と、当該画像に基づいて転動体の欠陥を検出する工程とを備えている。そして、X線を照射する工程では、光源に対向する転動体の領域全体にX線が照射されつつ、光源が転動体の周りを相対的に回転し、画像を作成する工程では、転動体の周り1周分の上記X線のデータが演算されて画像が作成される。
【0013】
本発明の転動体の検査方法においては、光源に対向する転動体の領域全体にX線が照射されつつ光源が転動体の周りを相対的に回転するとともに、転動体の周り1周分の上記X線のデータが演算されて画像が作成される。そのため、所定の間隔で撮影された撮像を積算する場合とは異なり、セラミックス製転動体の全体を漏れなく検査することができる。また、転動体の周り1周分の上記X線のデータに基づいて画像が作成されるため、積分処理するための画像を膨大な時間をかけて撮影する場合とは異なり、短時間での検査が可能となる。このように、本発明の転動体の検査方法によれば、セラミックス製転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することができる。
【0014】
上記転動体の検査方法においては、X線を照射する工程では、焦点サイズが10μm以下の光源からX線が照射されてもよい。
【0015】
これにより、転動体を光源の焦点に近づけてもボケが少なくなり、高い分解能を得ることができる。その結果、微小な欠陥、たとえば20μm程度の大きさを有する欠陥を容易に検出することが可能となる。
【0016】
上記転動体の検査方法においては、X線を照射する工程では、光源から円錐状に広がるX線が転動体に照射されてもよい。これにより、光源に対向する転動体の領域全体にX線を照射することが容易となる。特に、光源の焦点サイズを10μm以下にまで小さくした場合、X線が円錐状に広がるように転動体に照射されることで、光源に対向する転動体の領域全体にX線を照射することが容易となる。
【0017】
上記転動体の検査方法においては、上記セラミックスは窒化珪素またはサイアロンを主成分とするセラミックスであってもよい。
【0018】
窒化珪素やサイアロンなど、原子番号が小さく軽い原子から構成されるセラミックスを主成分とする転動体においては、X線を透過させることによる内部の検査が容易となる。そのため、本発明の転動体の検査方法は、窒化珪素またはサイアロンを主成分とするセラミックスからなる転動体の検査に好適である。
【0019】
上記転動体の検査方法においては、欠陥を検出する工程では内部欠陥が検出されてもよい。
【0020】
本発明の転動体の検査方法では、転動体を透過したX線が検出されて検査が実施される。そのため、本発明の転動体の検査方法は、上記目視による外観検査等では検出が困難な内部欠陥の検出に好適である。
【0021】
上記転動体の検査方法においては、欠陥を検出する工程では、少なくとも20μm以上の大きさの欠陥が検出されてもよい。これにより、セラミックス製転動体の検査方法として、十分な精度を確保することができる。
【0022】
上記転動体の検査方法においては、欠陥を検出する工程において検出される欠陥は金属介在物または空孔であってもよい。
【0023】
金属介在物または空孔は、セラミックス製転動体の耐久性等に重大な影響を与える可能性がある。そのため、これらが検出されることにより、転動体の信頼性をより高めることが可能な検査を実施することができる。
【0024】
本発明に従った転動体の製造方法は、セラミックス製の転動体を作製する工程と、当該転動体を検査する工程とを備えている。そして、転動体を検査する工程では、上記本発明の転動体の検査方法により上記転動体が検査される。
【0025】
転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能な上記本発明の転動体の検査方法が採用されることにより、本発明の転動体の製造方法によれば、信頼性が高いセラミックス製転動体を効率よく製造することができる。
【0026】
本発明に従った転動体は、上記本発明の転動体の製造方法により製造される。本発明の転動体によれば、信頼性が高く、かつ製造の効率化によって生産コストが抑制されたセラミックス製転動体を提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上の説明から明らかなように、本発明の転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体によれば、セラミックス製転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能な転動体の検査方法、当該検査方法を採用した転動体の製造方法、およびその製造方法により製造された転動体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】セラミックス製転動体の製造方法の概略を示すフローチャートである。
【図2】本発明の転動体の検査方法を実施するための装置の構成を示す概略図である。
【図3】光源および検出部の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0030】
図1を参照して、本実施の形態における転動体の製造方法では、まず、工程(S10)として原料粉末準備工程が実施される。この工程(S10)では、たとえば窒化珪素、サイアロンなどの原料粉末が準備される。
【0031】
次に、工程(S20)として混合工程が実施される。この工程(S20)では、たとえば工程(S10)において準備された原料粉末に、別途準備された焼結助剤を添加して混合される。また、複数種類の原料粉末を混合して転動体を製造する場合、この工程(S20)においてこれらの原料粉末を混合することができる。なお、焼結助剤を採用せず、かつ単一種類の原料粉末から転動体を製造する場合、この工程(S20)を省略することもできる。
【0032】
次に、工程(S30)として成形工程が実施される。この工程(S30)では、上記原料粉末、原料粉末同士の混合物または原料粉末と焼結助剤との混合物などの粉末が、転動体の概略形状に成形される。具体的には、上記粉末に、たとえばプレス成形、鋳込み成形、押し出し成形、転動造粒などの成形手法を適用することにより、玉、ころなどの転動体の概略形状に成形された成形体が作製される。
【0033】
次に、工程(S40)として焼結工程が実施される。この工程(S40)では、上記成形体が焼結されることにより焼結体が作製される。この工程(S40)は、ホットプレス焼結(Hot Press;HP)、熱間静水圧焼結(Hot Isostatic Press;HIP)などの加圧焼結法が採用されて実施されてもよいし、常圧焼結法により実施されてもよい。また上記焼結の加熱方法は、ヒータ加熱のほか、マイクロ波やミリ波による電磁波加熱を用いることもできる。
【0034】
次に、工程(S50)として仕上げ工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において作成された焼結体の表面が加工され、当該表面を含む領域が除去される仕上げ加工が実施される。これにより、セラミックス製転動体が完成する。
【0035】
次に、工程(S60)として検査工程が実施される。この工程(S60)では、以下に説明する本実施の形態における転動体の検査方法により、上記セラミックス製転動体が検査される。
【0036】
まず、本実施の形態における転動体の検査方法に使用される検査装置について図2および図3を参照して説明する。図2は、光源の回転軸を含む断面を示しており、図3は光源の回転軸に垂直な断面を示している。図2を参照して、本実施の形態における検査装置1は、X線CTであって、玉、ころなどの転動体91を保持するための保持部11と、保持部11において保持された転動体91にX線99を照射するための光源12と、保持部11に保持される転動体91から見て光源12とは反対側に配置され、転動体91を透過したX線を検出する検出部13とを備えている。検出部13としては、たとえば半導体フラットパネル検出器を採用することができる。光源12と検出部13とは、図3に示すように、互いの相対的位置関係を維持しつつ、保持部11に保持される転動体91を中心として回転することができる。
【0037】
検査装置1はさらに、検出部13に接続され、検出部13において検出されたX線のデータを演算する演算部14と、演算部14に接続され、演算部14における演算結果に基づいて画像を形成する画像形成部15と、画像形成部15に接続され、形成された画像に基づいて転動体91の欠陥を検出する欠陥検出部16とを備えている。
【0038】
次に、上記検査装置1を用いた本実施の形態における転動体91の検査方法について説明する。本実施の形態における検査方法では、図2および図3を参照して、まず保持部11に検査対象となる転動体91がセットされる。転動体91は、窒化珪素やサイアロンなど、原子番号が小さく軽い原子から構成されるセラミックスを主成分とするものを採用することができる。
【0039】
次に、保持部11に保持された転動体91に、光源12からX線99が照射される。このとき、図2および図3に示すように、光源12に対向する転動体91の領域全体にX線99が照射される。照射されたX線99は転動体91を透過し、検出部13にて検出される。この光源12からのX線99の照射および検出部13によるX線99の検出は、図3に示すように転動体91を中心として光源12が矢印αに沿って回転し、かつ検出部13が矢印βに沿って回転することにより、光源12と検出部13との相対的位置関係が維持されつつ実施される。
【0040】
図2を参照して、検出部13において検出されたX線99のデータは、演算部14において演算され、その演算結果に基づいて画像形成部15にて画像が形成される。この画像は、転動体91の周り1周分のX線99のデータが演算されて形成される。
【0041】
そして、形成された画像に基づいて、欠陥検出部16にて転動体91の欠陥、たとえば金属介在物や空孔などの内部欠陥が検出される。検出される欠陥の大きさは、より小さいことが好ましいが、少なくとも20μm以上の大きさを有する欠陥が検出されることが好ましい。このような高い検出感度を達成するためには、光源12にマイクロフォーカスX線源を採用して焦点サイズを10μm以下、具体的には5μm程度とし、光源12から円錐状に広がるX線99を用いてX線の照射および検出を行なう方法、いわゆるコーンビームスキャンによるボリューム測定を実施することが好ましい。
【0042】
上記本実施の形態における転動体91の検査方法においては、光源12に対向する転動体91の領域全体にX線99が照射されつつ光源12が転動体91の周りを相対的に回転するとともに、転動体91の周り1周分、すなわち転動体91の周り360°分の上記X線99のデータが演算されて画像が作成される。そのため、所定の間隔で撮影された撮像を積算する場合とは異なり、転動体91の全体を漏れなく検査することができる。また、転動体91の周り1周分の上記X線99のデータに基づいて画像が作成されるため、積分処理するための画像を膨大な時間をかけて撮影する場合とは異なり、短時間での検査が可能となる。このように、本実施の形態における転動体91の検査方法によれば、転動体91の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能となる。その結果、この検査方法を検査工程に組み込んだ本実施の形態における転動体91の製造方法においては、検査工程が効率よく、かつ精度よく実施されるため、信頼性の高い転動体91を安価に製造することができる。また、上記検査工程を経て得られる転動体91は、所定の大きさ以上の欠陥、たとえば20μm以上の大きさの欠陥が含まれないことが確認された転動体となるため、信頼性の高い転動体となる。
【実施例】
【0043】
本発明の転動体の検査方法により、セラミックス製転動体として用いられるセラミック球の内部欠陥を検査し、その感度、精度等を調査する実験を行なった。実験の手順は以下の通りである。
【0044】
検査装置としては、実験動物用マイクロX線CT(株式会社リガク製)を用いた。そして、上記実施の形態の場合と同様の方法により、内部欠陥(金属介在物、空孔)が存在する窒化珪素セラミック球およびサイアロンセラミック球(直径3/8インチ)を検査時間17秒にて検査し、得られた3D画像データから欠陥の位置を特定した。その後、特定されたその位置でセラミック球を切断し、断面を観察した。また、比較のため、同サイズの鋼球(JIS規格SUJ2製)についても同様の調査を行なった。実験結果を表1および表2に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
表1に示すように、窒化珪素セラミック球およびサイアロンセラミック球については、大きさ20μmおよび30μmの金属介在物および空孔が検査時間17秒にて検出された。一方、鋼球についてはX線が透過せず、欠陥の大きさに関わらず、内部欠陥の検出はできなかった。
【0048】
また、表2に示すように、X線CTにて検出された欠陥の位置および大きさの情報と、実際にセラミック球を切断し、実測された欠陥の位置および大きさの情報とを比較すると、位置、大きさともに、転動体の検査に十分適用可能な精度が得られていることが確認された。
【0049】
また、比較のため、工業用のステップ式X線CTによる検査、差分処理によるX線透過検査、非線形超音波による検査および医療用X線CTによる検査の各手法を用いて、窒化珪素セラミック球(直径3/8インチ)の欠陥の検出を試みた。実験結果を表3に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
表3を参照して、工業用のステップ式X線CTによる検査および差分処理によるX線透過検査によれば欠陥を検出できたものの、検査時間はそれぞれ80分および3時間であり、長時間を要した。一方、非線形超音波による検査の場合、音波の当て方等の検査条件の設定が困難であり、欠陥を検出することはできなかった。また、医療用X線CTによる検査は、検査時間は40秒であったものの、スライス間隔が0.5mmであったため、欠陥を検出することはできなかった。
【0052】
以上の実験結果より、本発明のセラミックス製転動体の検査方法によれば、従来の検査方法では実現が困難であった、セラミックス製転動体の全体を漏れなく、かつ短時間で検査することが可能であることが確認された。
【0053】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体は、転がり軸受の転動体として用いられるセラミックス製の転動体の検査方法、転動体の製造方法および転動体に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0055】
1 検査装置、11 保持部、12 光源、13 検出部、14 演算部、15 画像形成部、16 欠陥検出部、91 転動体、99 X線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス製の転動体の検査方法であって、
前記転動体に光源からX線を照射する工程と、
前記転動体を透過した前記X線を検出する工程と、
検出された前記X線のデータを演算して画像を作成する工程と、
前記画像に基づいて前記転動体の欠陥を検出する工程とを備え、
前記X線を照射する工程では、前記光源に対向する前記転動体の領域全体に前記X線が照射されつつ、前記光源が前記転動体の周りを相対的に回転し、
前記画像を作成する工程では、前記転動体の周り1周分の前記X線のデータが演算されて前記画像が作成される、転動体の検査方法。
【請求項2】
前記X線を照射する工程では、焦点サイズが10μm以下の前記光源から前記X線が照射される、請求項1に記載の転動体の検査方法。
【請求項3】
前記X線を照射する工程では、前記光源から円錐状に広がる前記X線が前記転動体に照射される、請求項1または2に記載の転動体の検査方法。
【請求項4】
前記セラミックスは窒化珪素またはサイアロンを主成分とするセラミックスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転動体の検査方法。
【請求項5】
前記欠陥を検出する工程では内部欠陥が検出される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転動体の検査方法。
【請求項6】
前記欠陥を検出する工程では、少なくとも20μm以上の大きさの欠陥が検出される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転動体の検査方法。
【請求項7】
前記欠陥を検出する工程において検出される欠陥は金属介在物または空孔である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の転動体の検査方法。
【請求項8】
セラミックス製の転動体を作製する工程と、
前記転動体を検査する工程とを備え、
前記転動体を検査する工程では、請求項1〜7のいずれか1項に記載の転動体の検査方法により前記転動体が検査される、転動体の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の転動体の製造方法により製造された、転動体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−44717(P2013−44717A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184878(P2011−184878)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】