説明

軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置

【課題】本発明は回転体を支持する軸受の異常を小型で安価かつ高精度に検出する軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】軸受異常検出装置1は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置10の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を予め基準停止時間記憶部3に記憶して、回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を停止時間測定部2で測定し、停止時間比較部4で、停止時間測定部2の測定した測定停止時間と基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する。したがって、簡単な構成で、回転装置10が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出し、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置に関し、詳細には、回転体を支持する軸受の異常を小型で安価かつ高精度に検出する軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の回転装置に用いられる軸受としては、ボールベアリング、油や空気を流体として使用する動圧軸受等が用いられ、いずれの軸受であっても、初期的な欠陥や長期使用による摩耗等により、異常音、回転不能等の軸受異常が発生することがある。
【0003】
ボールベアリングの場合には、初期的なボールの傷や長期使用によるグリースの劣化によって軸受異常が発生することがある。流体として油を用いた動圧軸受の場合には、長期使用、高温環境下での使用によって油が劣化し、軸受異常が発生することがある。また、流体として空気を用いた動圧軸受の場合には、起動停止時に軸とスリーブが接触するため、摩耗が発生して、回転不能等の軸受異常が発生することがある。
【0004】
これらの軸受異常は、回転装置が使用される画像形成装置等の本体装置の故障につながり、ユーザに大きな損失を与える結果となる。
【0005】
例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置には、回転してレーザビームを走査する光偏向器が用いられており、この光偏光器に軸受異常が発生すると、画像形成装置は、画像形成ができなくなり、記録紙への画像出力が行えなくなる。
【0006】
また、ハードディスク装置のディスクドライブモータに軸受異常が発生すると、データの読み取りが行えなくなり、ディスク上に記憶されているデータが失われてしまう結果となる。
【0007】
このようなユーザの損失を防止するためには、軸受異常を事前に検出し、回転装置が故障となる前に、部品交換やデータのバックアップを行って、ユーザの重大な損失を未然に防止することが重要となる。
【0008】
そして、従来、モータの軸受の状態を検出する状態検出手段と、この状態検出手段によって検出された軸受の状態に基づき、当該軸受が異常であるか否かを判別する異常判別手段と、この異常判別手段による判別結果を出力する出力手段と、を有するモータ軸受監視装置が提案されており、状態検出手段としては、軸受のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段、軸受が発生する音響を検出する音響センサ、軸受の温度を検出する温度センサが提案されている(特許文献1参照)。
【0009】
一方、デジタル複写機またはレーザプリンタ等のレーザ書込装置を用いた電子写真方式の記録装置は、近年、プリント速度の高速化及び画素密度の高密度化に伴って、光偏向器には、20000回転/分以上の高速回転が要求され、長寿命、高耐久及び低騒音という要求品質を満足するために、動圧軸受を用いた光偏向器が実用化されている。
【0010】
そして、動圧軸受を用いた光偏向器としては、例えば、本出願人が先に提案した動圧空気軸受型光偏向器等がある(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2002−131188号公報
【特許文献2】特開2002−169119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来技術にあっては、軸受けの初期異常と経時的な劣化による異常を安価にかつ高精度に検出する上で、改良の必要があった。
【0013】
すなわち、特許文献1記載の従来技術にあっては、モータの軸受の状態を、インピーダンス変化で検出する場合には、軸受面が電気的に導体である必要があり、セラミックス軸受や樹脂コーティング等のように軸受面が非導電性の材料で構成されている場合には、適用することができないだけでなく、インピーダンス検出のための電極、交流電源、検出回路等が必要になり、回転装置が複雑になるととともに、インピーダンス検出のために励振電極に加える電界が、電気的なノイズとなって、装置の誤動作を引き起こすおそれがあるという問題があった。また、モータの軸受の状態を、音あるいは振動等により検出する場合には、いずれの場合も、検出するための高価なセンサが必要であり、また、各センサが検出した信号を増幅するためのアンプも必要となり、軸受異常検出装置自体が大型化するとともに、高価なものになるという問題があった。さらに、モータの軸受の状態を、温度により検出する場合には、装置が使用される本体装置周辺の温度の影響を受け、検出精度が悪くなり、軸受異常の誤検出が発生するという問題があった。
【0014】
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、動圧軸受を用いた光偏向器では、起動停止による軸受面の摩耗により、軸受摩擦トルクが増加し、起動不良となることがあった。そして、接触回転数の大小により軸受異常を検出する方法は、動圧軸受の異常検出手段として一般に知られている方法であり、初期的な検査に対しては有効であるが、軸受摩耗等の経時的な劣化に対しては、接触回転数による検出は有効な方法ではなかった。
【0015】
そこで、本発明は、軸受摩耗等の経時的な劣化に対しても有効であり、かつ、出荷検査のように初期的な検査にも使用でき、安価にかつ高精度に軸受異常を検出する軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びハードディスクドライブ装置を提供する。
【0016】
そこで、請求項1記載の発明は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を予め基準停止時間記憶手段に記憶して、回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を停止時間測定手段で測定し、判定手段で、停止時間測定手段の測定した測定停止時間と基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定することにより、センサー等大掛かりで高価な装置を用いることなく、簡単な構成で、回転装置が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出し、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、回転装置が、回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御手段を備え、停止時間測定手段が、当該速度制御手段の速度検出信号に基づいて回転体の速度を検出して停止時間を測定することにより、安価かつ高精度に停止時間を測定し、より一層高精度に軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、停止時間測定手段を、回転装置の回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、当該回転速度検出手段の検出する回転体の速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定手段と、を備えたものとすることにより、回転装置または回転装置の用いられる本体装置に最初から装備あるいは容易に装備することのできる構成要素で停止時間測定手段を構成し、より一層簡単かつ安価に軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、回転速度検出手段を、回転装置の回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光手段と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光手段と、当該受光手段の出力する受光信号を回転速度に変換する信号変換手段と、を備えたものとすることにより、回転装置が光偏向器である場合に、当該光偏向器の軸受の異常を検出する軸受異常検出装置を本体装置側のみで構成し、簡単かつ安価に光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、軸受異常検出装置を、回転装置が、軸受として動圧軸受を備え、当該動圧軸受の異常の有無を検出するものとすることにより、長期使用で起動停止が繰り返し行われることで軸受が摩耗して軸受の摩擦トルクが大きくなって起動不良となる場合のある動圧軸受を用いた回転装置の異常の有無を簡単で安価かつ高精度に検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、特定回転速度を、回転装置の定格回転速度の2%以上であって20%以下とすることにより、停止時間の検出時間を短く限定して、停止時間の測定精度を向上させ、軸受の異常の有無をより一層高精度に検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、軸受異常検出装置を、回転装置の温度を検出する温度検出手段を備え、基準停止時間記憶手段が、回転装置の温度に応じた基準停止時間を記憶して、判定手段が、基準停止時間記憶手段の記憶する基準停止時間のうち温度検出手段の検出する回転装置の温度に応じた基準停止時間と停止時間測定手段の測定した測定停止時間とを比較して、軸受の異常の有無を判定するものとすることにより、温度による停止時間特性の変化の大きい軸受に対しても、安価かつ高精度に軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置を提供することを目的としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施することにより、センサー等の大掛かりで高価な装置を用いることなく、回転装置が回転不能となる前に簡単に軸受異常を非接触で検出して、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出方法を提供することを目的としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、軸受で回転可能に支持する回転多面鏡を回転駆動する光偏向器の当該回転多面鏡に、光源から出射されたビームを照射して感光体上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する当該光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載することにより、回転装置としての光偏向器の軸受の異常の有無を事前に検出し、光偏向器が回転不能となる前に部品交換が可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータの当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載することにより、回転装置としてのディスクドライブモータの軸受異常を事前に検出し、ディスクドライブモータが回転不能となる前に、データのバックアップ等の事前保守を行うことのできるディスクドライブモータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
請求項1記載の発明の軸受異常検出装置は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置であって、前記回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する停止時間測定手段と、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を記憶する基準停止時間記憶手段と、前記停止時間測定手段の測定した測定停止時間と前記基準停止時間とを比較して前記軸受の異常の有無を判定する判定手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0027】
上記構成によれば、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を予め基準停止時間記憶手段に記憶して、回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を停止時間測定手段で測定し、判定手段で、停止時間測定手段の測定した測定停止時間と基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定するので、センサー等大掛かりで高価な装置を用いることなく、簡単な構成で、回転装置が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出することができ、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0028】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記回転装置は、前記回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御手段を備え、前記停止時間測定手段は、当該速度制御手段の速度検出信号に基づいて前記回転体の速度を検出して前記停止時間を測定するものであってもよい。
【0029】
上記構成によれば、回転装置が、回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御手段を備え、停止時間測定手段が、当該速度制御手段の速度検出信号に基づいて回転体の速度を検出して停止時間を測定するので、安価かつ高精度に停止時間を測定することができ、より一層高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0030】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記停止時間測定手段は、前記回転装置の前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、当該回転速度検出手段の検出する前記回転体の速度が前記特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定手段と、を備えているものであってもよい。
【0031】
上記構成によれば、停止時間測定手段を、回転装置の回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、当該回転速度検出手段の検出する回転体の速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定手段と、を備えたものとしているので、回転装置または回転装置の用いられる本体装置に最初から装備あるいは容易に装備することのできる構成要素で停止時間測定手段を構成することができ、より一層簡単かつ安価に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0032】
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記回転速度検出手段は、前記回転装置の前記回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光手段と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光手段と、当該受光手段の出力する受光信号を回転速度に変換する信号変換手段と、を備えているものであってもよい。
【0033】
上記構成によれば、回転速度検出手段を、回転装置の回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光手段と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光手段と、当該受光手段の出力する受光信号を回転速度に変換する信号変換手段と、を備えたものとしているので、回転装置が光偏向器である場合に、当該光偏向器の軸受の異常を検出する軸受異常検出装置を本体装置側のみで構成することができ、簡単かつ安価に光偏向器の軸受の異常の有無を検出することができる。
【0034】
また、例えば、請求項5に記載するように、前記軸受異常検出装置は、前記回転装置が、前記軸受として動圧軸受を備え、当該動圧軸受の異常の有無を検出するものであってもよい。
【0035】
上記構成によれば、軸受異常検出装置を、回転装置が、軸受として動圧軸受を備え、当該動圧軸受の異常の有無を検出するものとしているので、長期使用で起動停止が繰り返し行われることで軸受が摩耗して軸受の摩擦トルクが大きくなって起動不良となる場合のある動圧軸受を用いた回転装置の異常の有無を簡単で安価かつ高精度に検出することができる。
【0036】
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記特定回転速度が、前記回転装置の定格回転速度の2%以上であって20%以下であってもよい。
【0037】
上記構成によれば、特定回転速度を、回転装置の定格回転速度の2%以上であって20%以下としているので、停止時間の検出時間を短く限定して、停止時間の測定精度を向上させることができ、軸受の異常の有無をより一層高精度に検出することができる。
【0038】
また、例えば、請求項7に記載するように、前記軸受異常検出装置は、前記回転装置の温度を検出する温度検出手段を備え、前記基準停止時間記憶手段は、前記回転装置の温度に応じた前記基準停止時間を記憶し、前記判定手段は、前記基準停止時間記憶手段の記憶する前記基準停止時間のうち前記温度検出手段の検出する前記回転装置の温度に応じた前記基準停止時間と前記停止時間測定手段の測定した測定停止時間とを比較して、前記軸受の異常の有無を判定するものであってもよい。
【0039】
上記構成によれば、軸受異常検出装置を、回転装置の温度を検出する温度検出手段を備え、基準停止時間記憶手段が、回転装置の温度に応じた基準停止時間を記憶して、判定手段が、基準停止時間記憶手段の記憶する基準停止時間のうち温度検出手段の検出する回転装置の温度に応じた基準停止時間と停止時間測定手段の測定した測定停止時間とを比較して、軸受の異常の有無を判定するものとしているので、温度による停止時間特性の変化の大きい軸受に対しても、安価かつ高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0040】
請求項8記載の発明の軸受異常検出方法は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出方法であって、前記回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施することにより、上記目的を達成している。
【0041】
上記構成によれば、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施するので、センサー等の大掛かりで高価な装置を用いることなく、回転装置が回転不能となる前に簡単に軸受異常を非接触で検出して、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0042】
請求項9記載の発明の画像形成装置は、軸受で回転可能に支持する回転多面鏡を回転駆動する光偏向器の当該回転多面鏡に、光源から出射されたビームを照射して感光体上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する画像形成装置において、前記光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載していることにより、上記目的を達成している。
【0043】
上記構成によれば、軸受で回転可能に支持する回転多面鏡を回転駆動する光偏向器の当該回転多面鏡に、光源から出射されたビームを照射して感光体上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する当該光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載するので、回転装置としての光偏向器の軸受の異常の有無を事前に検出することができ、光偏向器が回転不能となる前に部品交換することができる。
【0044】
請求項10記載の発明のディスクドライブモータは、軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータにおいて、前記軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載していることにより、上記目的を達成している。
【0045】
上記構成によれば、軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータの当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載しているので、回転装置としてのディスクドライブモータの軸受異常を事前に検出することができ、ディスクドライブモータが回転不能となる前に、データのバックアップ等の事前保守を行うことができる。
【発明の効果】
【0046】
請求項1記載の発明の軸受異常検出装置によれば、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を予め基準停止時間記憶手段に記憶して、回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を停止時間測定手段で測定し、判定手段で、停止時間測定手段の測定した測定停止時間と基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定するので、センサー等大掛かりで高価な装置を用いることなく、簡単な構成で、回転装置が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出することができ、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0047】
請求項2記載の発明の軸受異常検出装置によれば、回転装置が、回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御手段を備え、停止時間測定手段が、当該速度制御手段の速度検出信号に基づいて回転体の速度を検出して停止時間を測定するので、安価かつ高精度に停止時間を測定することができ、より一層高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0048】
請求項3記載の発明の軸受異常検出装置によれば、停止時間測定手段を、回転装置の回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、当該回転速度検出手段の検出する回転体の速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定手段と、を備えたものとしているので、回転装置または回転装置の用いられる本体装置に最初から装備あるいは容易に装備することのできる構成要素で停止時間測定手段を構成することができ、より一層簡単かつ安価に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0049】
請求項4記載の発明の軸受異常検出装置によれば、回転速度検出手段を、回転装置の回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光手段と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光手段と、当該受光手段の出力する受光信号を回転速度に変換する信号変換手段と、を備えたものとしているので、回転装置が光偏向器である場合に、当該光偏向器の軸受の異常を検出する軸受異常検出装置を本体装置側のみで構成することができ、簡単かつ安価に光偏向器の軸受の異常の有無を検出することができる。
【0050】
請求項5記載の発明の軸受異常検出装置によれば、軸受異常検出装置を、回転装置が、軸受として動圧軸受を備え、当該動圧軸受の異常の有無を検出するものとしているので、長期使用で起動停止が繰り返し行われることで軸受が摩耗して軸受の摩擦トルクが大きくなって起動不良となる場合のある動圧軸受を用いた回転装置の異常の有無を簡単で安価かつ高精度に検出することができる。
【0051】
請求項6記載の発明の軸受異常検出装置によれば、特定回転速度を、回転装置の定格回転速度の2%以上であって20%以下としているので、停止時間の検出時間を短く限定して、停止時間の測定精度を向上させることができ、軸受の異常の有無をより一層高精度に検出することができる。
【0052】
請求項7記載の発明の軸受異常検出装置によれば、軸受異常検出装置を、回転装置の温度を検出する温度検出手段を備え、基準停止時間記憶手段が、回転装置の温度に応じた基準停止時間を記憶して、判定手段が、基準停止時間記憶手段の記憶する基準停止時間のうち温度検出手段の検出する回転装置の温度に応じた基準停止時間と停止時間測定手段の測定した測定停止時間とを比較して、軸受の異常の有無を判定するものとしているので、温度による停止時間特性の変化の大きい軸受に対しても、安価かつ高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0053】
請求項8記載の発明の軸受異常検出方法によれば、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施するので、センサー等の大掛かりで高価な装置を用いることなく、回転装置が回転不能となる前に簡単に軸受異常を非接触で検出して、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0054】
請求項9記載の発明の画像形成装置によれば、軸受で回転可能に支持する回転多面鏡を回転駆動する光偏向器の当該回転多面鏡に、光源から出射されたビームを照射して感光体上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する当該光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載するので、回転装置としての光偏向器の軸受の異常の有無を事前に検出することができ、光偏向器が回転不能となる前に部品交換することができる。
【0055】
請求項10記載の発明のディスクドライブモータによれば、軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータの当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載しているので、回転装置としてのディスクドライブモータの軸受異常を事前に検出することができ、ディスクドライブモータが回転不能となる前に、データのバックアップ等の事前保守を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0057】
図1〜図5は、本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びハードディスクドライブ装置の第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びハードディスクドライブ装置の第1の実施の形態を適用した軸受異常検出装置装置1の要部ブロック構成図である。
【0058】
図1において、軸受異常検出装置1は、停止時間測定部2、基準停止時間記憶部3、停止時間比較部4及び停止時間比較結果出力部5等を備え、停止時間測定部2は、回転速度検出部6と時間測定部7等を備えている。軸受異常検出装置1は、回転装置10の軸受の回転異常を検出して出力する。
【0059】
回転装置10は、例えば、図2に示すような画像形成装置としてのタンデム型フルカラーレーザプリンタ100の光走査装置の回転多面鏡装置である。
【0060】
このタンデム型フルカラーレーザプリンタ100は、図2に示すように、水平方向に配設された搬送ベルト101に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像を形成する複数の画像形成部102Y、102M、102C、102Kが等間隔に配設されており、搬送ベルト101には、記録紙が、搬送ベルト101の下部に配設されている給紙部103からレジストローラ104でタイミング調整された後に給紙される。フルカラーレーザプリンタ100は、搬送ベルト101の周囲には、画像形成部102Y、102M、102C、102Kよりも上流側に、レジストローラ104とベルト帯電チャージャ105が配設され、画像形成部102Y、102M、102C、102Kよりも下流側に、ベルト分離チャージャ106、除電チャージャ107、クリーニング部108等が順に配設されている。また、フルカラーレーザプリンタ100は、ベルト分離チャージャ106よりも搬送方向下流側に定着部109が設けられており、定着部109で定着した記録紙を排紙ローラ110により排紙トレイ111上に排出する。
【0061】
上記各色の画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、それぞれ同一径で時計方向に回転駆動される感光体112Y、112M、112C、112Kを中心として、その周囲には、電子写真プロセスに従ってプロセス部材として、帯電チャージャ113Y、113M、113C、113K、光走査装置114Y、114M、114C、114K、現像部115Y、115M、115C、115K、転写チャージャ116Y、116M、116C、116K、クリーニング部117Y、117M、117C、117K等が順に配設されている。
【0062】
フルカラーレーザプリンタ100は、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時には、帯電チャージャ113Y、113M、113C、113Kで一様に帯電した各感光体112Y、112M、112C、112Kに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各色の画像信号に基づいて各々の光走査装置114Y、114M、114C、114Kによる光ビームの光走査で静電潜像を形成し、それぞれの現像部115Y、115M、115C、115Kで静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成して、転写チャージャ116Y、116M、116C、116Kで各色の感光体112Y、112M、112C、112K上のトナー像を搬送ベルト101上に静電的に吸着させて搬送される記録紙上に順次転写させることで重ね合わせ、フルカラー画像を記録紙上に転写する。フルカラーレーザプリンタ100は、転写の完了した記録紙を定着部109で加熱・加圧しつつ搬送して、フルカラートナー画像を記録紙に定着させ、フルカラートナー画像の定着の完了した記録紙を排紙ローラ110により、排紙トレイ111上に排出する。また、フルカラーレーザプリンタ100は、黒色モード(単色モード)時のときには、感光体112Y、112M、112C及びそのプロセス部材を非動作状態とし、感光体112Kに対してのみ、黒色用の画像信号に基づいて光走査装置114Kによる光ビームの光走査で静電潜像を形成する。フルカラーレーザプリンタ100は、この感光体112K上の静電潜像を現像部115Yにより黒色トナーで現像して、黒色のトナー像を形成し、搬送ベルト101上に静電的に吸着されて搬送される記録紙上に転写することにより、黒色のモノクロ画像として定着させた後、排紙する。
【0063】
そして、光走査装置114Y、114M、114C、114Kは、共通の回転多面鏡120を備えており、回転多面鏡120は、例えば、光走査装置114Yについて詳細に示すと、図3のように示される。
【0064】
すなわち、光走査装置114Yは、半導体レーザである光源131、カップリングレンズ132、アパーチャ133、シリンドリカルレンズ134、回転駆動される回転多面鏡135、レンズ136、137、折り曲げミラー138、ミラー139、レンズ140及び受光素子141等を備えており、他の光走査装置114M、114C、114Kも同様に構成されている。
【0065】
光走査装置114Yは、光源131から放射された発散性の光束のビームをカップリングレンズ132で以後の光学系にカップリングさせ、カップリングされたビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じて、弱い発散性の光束や弱い集束性の光束となることも、平行光束となることもできる。カップリングレンズ132を透過したビームは、アパーチャ133の開口部を通過する際、光束周辺部を遮断されてビーム整形され、潜像結像光学系であるシリンドリカルレンズ134に入射する。シリンドリカルレンズ134は、パワーのない方向を主走査方向に向け、副走査方向には正のパワーを持ち、入射してくるビームを副走査方向に集束させ、回転多面鏡135の偏向反射面近傍に集光させる。回転多面鏡135の偏向反射面により反射されたビームは、回転多面鏡135の等速回転に伴って等角速度的に偏向されつつ、走査光学系の2枚のレンズ136、137を透過し、折り曲げミラー138により光路を折り曲げられ、感光体112Y上に光スポットとして集光して、感光体112Y面上を走査する。なお、ビームは、走査に先立って、ミラー139に入射し、レンズ140により受光素子141に集光される。フルカラーレーザプリンタ100は、この受光素子141の出力に基づいて、書込開始タイミングを決定する。
【0066】
そして、上記回転多面鏡装置120は、図4に示すように構成されており、回転多面鏡装置120は、カバーケース151の下面に、光走査装置114Y、114M、114C、114Kの光学ハウジング152への取付基準面151aが形成されている。カバーケース151には、ハウジング152が固定されている。ハウジング152の上面中央には軸受取付部152aが形成されており、動圧空気軸受を構成する固定軸153が固定されている。
【0067】
固定軸153の円筒表面には、動圧空気軸受を構成する溝153aが形成されており、回転多面鏡135である回転体154が回転を開始すると、回転スリーブ155と固定軸153との間に形成された軸受すきまの空気圧力が高まって、非接触でラジアル方向(半径方向)に回転体154を支持する。
【0068】
固定軸153の内側には、吸引型磁気軸受の固定部156が固定されており、吸引型磁気軸受の固定部156は、キャップ157とストッパ158が固定軸153の内筒部に圧入固定されることで軸方向に挟まれて固定されている。キャップ157中央部には、空気が通過するときの粘性抵抗を利用して上下振動を減衰させるφ0.2〜φ0.5程度の微細穴が形成されている。キャップ157とストッパ158は、ともに非磁性材料のステンレス鋼板などが用いられる。
【0069】
吸引型磁気軸受の固定部156は、回転軸方向に2極に着磁されたリング状永久磁石159と、前記リング状永久磁石159の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第1の固定ヨーク板160と、同様に、上記リング状永久磁石159の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第2の固定ヨーク板161とからなる。第1の固定ヨーク板160と第2の固定ヨーク板161は、リング状永久磁石159を軸方向に挟んで、第1の固定ヨーク板160の中心円及び第2の固定ヨーク板161の中心円が回転中心軸に対して同軸になるように配置、固定されている。リング状永久磁石159の材質としては、主に希土類系の永久磁石が用いられ、固定ヨーク板160、161には、鉄鋼系の板材が用いられる。
【0070】
ハウジング152の上面には、中央部に穴が形成されたプリント基板162が配置されており、ハウジング152の軸受取付部152aの外径には、ステータ163が嵌合されて、固定されている。プリント基板162は、ハウジング152がアルミ合金等の導電材料が用いられているため、ロータマグネット164の回転による交番磁界の影響でハウジング152に渦電流が流れ、モータの損失が大きくなることがないように、鉄基板で構成されている。プリント基板162には、巻線コイルへの通電切換を行うための位置検出素子であるホール素子165が実装されている。
【0071】
モータ部は、回転体154に取り付けられたロータマグネット164とステータ163、巻線コイル163aが接続されるプリント基板162、プリント基板162に実装されたホール素子165等で構成される。
【0072】
ステータ163は、渦電流が流れて鉄損が大きくならないように、ケイ素鋼板を積層したものが用いられる。
【0073】
回転体154は、回転スリーブ155の外側に被回転部材166が結合され、軸方向に2段のミラー166a、166bが一体で形成されている。
【0074】
回転スリーブ155は、セラミックスで構成され、摩耗を抑えて長寿命化されている。
【0075】
被回転部材166は、純アルミニウムが使用されて、スリーブ166と一体化して結合された後、鏡面加工によりミラーが形成されている。
【0076】
被回転部材166の下側には、モータ用のロータマグネット164が接着または圧入固定されており、ロータマグネット164は、周方向に分割した永久磁石を用いることもできるが、接着または圧入が容易に行えるように、リング状に形成されている。この場合、ロータマグネット164を圧入とすることが、温度変化によるバランス、振動変化を小さくすることができ、より高速回転用モータとして好適である。
【0077】
被回転部材166の上端には、動圧空気軸受の内径より大きな貫通穴が形成されており、被回転部材166と線膨張係数の略等しい閉止部材167が圧入固定されている。閉止部材167は、円盤形状に形成されており、閉止部材167には、吸引型磁気軸受の回転部168が固定されている。
【0078】
吸引型磁気軸受の回転部168には、第1の固定ヨーク板160の中心円及び第2の固定ヨーク板161の中心円との間に磁気ギャップを構成する外筒面が形成されており、その外筒面が回転中心軸と同軸になるように配置されている。吸引型磁気軸受の回転部168には、永久磁石または鉄鋼系の強磁性材料が用いられる。
【0079】
回転体154は、高速で回転させるため、不釣り合い(アンバランス)振動が非常に小さいレベルになるように、回転体154の上下2ヶ所の修正面155a、164aでバランス修正が行われている。
【0080】
プリント基板162には、モータ巻線である巻線コイル163aやホール素子165とパターン配線され、駆動回路169により、ホール素子165の位置検出信号に従って、順次モータ巻線である巻線コイル163aへの通電を切り換えて回転体154を回転させて定速制御する。
【0081】
このように、図1の軸受異常検出装置1は、例えば、タンデム型フルカラーレーザプリンタ100の光走査装置114Y、114M、114C、114Kの回転多面鏡装置120を検出対象の回転装置10として適用される。
【0082】
そして、回転装置10は、PLL制御等で回転体の速度制御を行う速度制御部を備えており、速度制御を行うためには、回転体の速度検出を行う必要があり、速度検出部として、FG(Frequency Generator)パターンによる周波数発電機を構成するか、または、上述のように、回転体154の位置検出素子であるホール素子165の検出信号を使用して、当該速度検出部で、回転体の速度検出を行って、速度検出信号を出力する。この速度検出信号は、回転装置10の構成によって異なるが、1回転当たり、2パルス〜数10パルスのパルス信号に変換され、速度制御部は、このパルス信号の速度検出信号を基準クロック信号と位相比較して、PLL制御により回転体の速度制御を行う。
【0083】
そして、軸受異常検出装置1の停止時間測定部(停止時間測定手段)2は、この回転装置10の回転体の特定の回転速度から回転停止までの時間を測定し、停止時間測定部2の回転速度検出部(回転速度検出手段)6は、例えば、上記回転装置10の速度検出部の出力する速度検出信号を利用して、回転装置10の回転体の回転速度を検出する。すなわち、回転速度検出部6は、速度検出信号の測定パルス周期を周波数変換し、回転数、すなわち、回転速度として検出する。
【0084】
停止時間測定部2の時間測定部(時間測定手段)7は、回転装置10が搭載される図示しない本体装置の制御装置に搭載されているタイマー等を用いることができ、回転速度検出部6の検出する回転装置10の回転体が特定回転速度から停止するまでの時間を測定する。なお、時間測定部7は、回転体の特定回転速度から停止までの回転速度信号のパルス数をカウントするようにしてもよい。
【0085】
基準停止時間記憶部(基準停止時間記憶手段)3は、軸受異常の判定の基準としての基準停止時間を予め記憶し、停止時間比較部(判定手段)4は、停止時間測定部2の測定した回転装置10の回転体が特定回転速度から停止するまでの停止時間と基準停止時間記憶部3の基準停止時間を比較して、回転装置10の正常/異常を判定して、停止時間比較結果出力部5に判定結果を出力する。
【0086】
停止時間比較結果出力部5は、例えば、回転装置10の適用される本体装置の表示部や音声出力部等を用いることができ、停止時間比較b4の判定結果を表示出力または音声出力する。
【0087】
次に、本実施の形態の作用を説明する。軸受異常検出装置1は、回転装置10の回転体の回転速度を検出して、当該回転体が所定の特定回転速度から停止するまでの停止時間を測定し、当該測定した特定停止時間を予め設定されている基準停止時間と比較して、軸受の異常の有無を判定する。
【0088】
すなわち、軸受異常検出装置1は、回転装置10の回転体の回転速度を、停止時間測定部2の回転速度検出部6で検出し、この回転速度検出部6の検出する回転装置10の回転体の回転速度が、所定の特定回転速度から停止するまでの停止時間を停止時間測定部2の時間測定部7で測定して、停止時間比較部4に測定停止時間として出力する。
【0089】
停止時間比較部4は、停止時間測定部2から入力される測定停止時間を基準停止時間比較部3に格納されている基準停止時間と比較し、回転装置10の正常/異常を判定して、停止時間比較結果出力部5に判定結果を出力する。
【0090】
停止時間比較結果出力部5は、例えば、回転装置10の適用される本体装置の表示部や音声出力部等を用いることができ、停止時間比較部4の判定結果を表示出力または音声出力する。
【0091】
そして、回転装置10の回転体の測定停止時間は、図5に示すように測定され、特定回転数からの停止時間は、良品の回転装置10では長く、不良品の回転装置10では短く測定される。この良品と不良品の境界を、例えば、図5に示すような基準停止時間として設定し、停止時間測定部2の測定した測定停止時間がこの基準停止時間よりも長いか、短いかで軸受異常を検出することができる。基準停止時間は、回転装置10の動作試験が行われて、予め良品と不良品の境界を確認され、当該確認された基準停止時間が基準停止時間記憶部3に格納される。
【0092】
そして、停止時間比較部4は、停止時間測定部2の検出した回転装置10の回転体の特定回転速度から回転停止までの測定停止時間と、予め設定されて基準停止時間記憶部3に記憶されている基準停止時間とを比較し、停止時間の比較結果が、測定停止時間<基準停止時間であると、軸受異常と判定する。
【0093】
すなわち、初期的な異常、長期使用による軸受面の摩耗による軸受異常となっている回転装置10の回転体の停止時間は、短く測定され、軸受異常を事前に検出することができる。
【0094】
そして、軸受異常検出装置1は、回転装置10が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出することができ、センサー等大掛かりで高価な装置が必要なく、構成が簡単であり、広い範囲で適用することができる。
【0095】
また、軸受異常検出装置1は、光偏向器あるいはハードディスクドライブ装置等の回転装置10に適用され、このような回転装置10は、その定格回転数が、数千回転/分〜数万回転/分で使用される。
【0096】
そこで、軸受異常検出装置1は、回転装置10の定格回転数が数千回転の場合には、特定回転速度を定格回転速度として、そのまま、定格回転数〜回転停止までの時間を測定しても良いが、定格回転数が数万回転の場合には、測定開始回転数である特定回転速度を、定格回転数の2〜20%以下にした方が軸受異常の検出精度を上げられる場合がある。特に、回転装置10の軸受が動圧軸受の場合には、動圧効果が小さい低速回転域の方が、摩耗が起こりやすく、軸受異常となる変化が現れやすい。また、測定する回転速度が低速過ぎても精度が悪くなるため、特定回転速度である測定開始回転数を、定格回転数の2〜20%の範囲にすると、軸受の異常の検出精度を向上させることができる。
【0097】
そして、測定開始回転数を定格回転数よりも低い回転数とする場合には、回転装置10に速度制御部が設けられていると、一度、測定開始回転数で速度制御した状態から回転停止までの停止時間を測定することで、停止時間を高精度に測定して、軸受異常の検出を高精度に行うことができる。
【0098】
このように、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置10の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を予め基準停止時間記憶部3に記憶して、回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を停止時間測定部2で測定し、停止時間比較部4で、停止時間測定部2の測定した測定停止時間と基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定している。
【0099】
したがって、センサー等大掛かりで高価な装置を用いることなく、簡単な構成で、回転装置10が回転不能となる前に軸受異常を非接触で検出することができ、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0100】
また、本実施の形態の軸受異常検出装置1、回転装置10が、回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御部を備え、停止時間測定部2が、当該速度制御部の速度検出信号に基づいて回転体の速度を検出して停止時間を測定する。
【0101】
したがって、安価かつ高精度に停止時間を測定することができ、より一層高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0102】
さらに、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、停止時間測定部2を、回転装置10の回転体の回転速度を検出する回転速度検出部6と、当該回転速度検出部6の検出する回転体の速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定部7と、を備えたものとしている。
【0103】
したがって、回転装置10または回転装置10の用いられる本体装置であるフルカラーレーザプリンタ100に最初から装備あるいは容易に装備することのできる構成要素で停止時間測定手段を構成することができ、より一層簡単かつ安価に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0104】
また、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、回転装置10が、回転多面鏡装置120であって、軸受として動圧軸受を備えたものであり、当該動圧軸受の異常の有無を検出するものとしている。
【0105】
したがって、長期使用で起動停止が繰り返し行われることで軸受が摩耗して軸受の摩擦トルクが大きくなって起動不良となる場合のある動圧軸受を用いた回転装置10の異常の有無を簡単で安価かつ高精度に検出することができる。
【0106】
さらに、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、特定回転速度を、回転装置10の定格回転速度の2%以上であって20%以下としている。
【0107】
したがって、停止時間の検出時間を短く限定して、停止時間の測定精度を向上させることができ、軸受の異常の有無をより一層高精度に検出することができる。
【0108】
また、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置10の当該軸受の異常の有無を検出するに際して、回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施している。
【0109】
したがって、センサー等の大掛かりで高価な装置を用いることなく、回転装置10が回転不能となる前に簡単に軸受異常を非接触で検出して、小型で安価にかつ広い適用範囲で高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0110】
さらに、本実施の形態の軸受異常検出装置1は、軸受で回転可能に支持する回転多面鏡135を回転駆動する回転多面鏡装置120の当該回転多面鏡135に、光源131から出射されたビームを照射して感光体112Y、112M、112C、112K上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する当該回転多面鏡装置120の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、上記軸受異常検出装置1を搭載している。
【0111】
したがって、回転装置10としての回転多面鏡装置120の軸受の異常の有無を事前に検出することができ、回転多面鏡装置120が回転不能となる前に部品交換することができる。
【0112】
そして、上記軸受異常検出装置1を、軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータ、例えば、ハードディスクのディスクドライブモータの当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、適用すると、回転装置10としてのディスクドライブモータの軸受異常を事前に検出することができ、ディスクドライブモータが回転不能となる前に、データのバックアップ等の事前保守を行うことができる。
【実施例2】
【0113】
図6は、本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置の第2の実施の形態を適用した軸受異常検出装置20の要部ブロック構成図であり、本実施の形態は、請求項4に対応するものである。
【0114】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の軸受異常検出装置1と同様の軸受異常検出装置20に適用したものであり、上記第1の実施の形態の軸受異常検出装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0115】
図6において、軸受異常検出装置20は、上記第1の実施の形態の軸受異常検出装置1と同様の基準停止時間記憶部3、停止時間比較部4及び停止時間比較結果出力部5等を備えているとともに、回転装置10の回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する停止時間測定部21を備えている。
【0116】
停止時間測定部(停止時間測定手段)21は、回転体の回転速度を検出する回転速度検出部(回転速度検出手段)22と時間測定部(時間測定手段)23を備えており、回転速度検出部22は、発光部(発光手段)24、受光部(受光手段)25及び受光信号/回転速度変換部(信号変換手段)26等を備えている。
【0117】
回転装置10は、上記第1の実施の形態の回転装置10と同様の構成であるが、回転体に多面鏡を備えており、発光部25から当該多面鏡に光を照射して、当該多面鏡で反射された光を受光部25で受光して、受光信号を受光信号/回転速度変換部26に出力する。
【0118】
受光信号/回転速度変換部26は、受光部25から入力される受光信号を回転速度に変換する。
【0119】
そして、時間測定部23は、この受光信号/回転速度変換部26の出力する回転装置10の回転体の回転速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定し、測定停止時間として停止時間比較部4に出力する。
【0120】
そして、回転装置10が、画像形成装置に適用されているときには、回転装置10は、画像形成装置の光走査装置の回転多面鏡装置(光偏向器)であり、軸受異常検出装置20の発光部25と受光部26は、当該本体装置である画像形成装置の光走査装置の基本構成要素である半導体レーザ光源と書込開始タイミングを決定するためのタイミング信号の受光素子を利用することができる。
【0121】
そして、この光走査装置の半導体レーザ光源と受光素子を用いて、回転装置10の回転速度を検出する場合、1回転当り回転装置10としての回転多面鏡の面数分のパルス信号が受光部26から出力され、この測定パルス周期を、受光信号/回転速度変換部26で周波数変換することで、回転数(回転速度)に変換することができる。
【0122】
また、停止時間測定部21の時間測定部23は、上記第1の実施の形態の時間測定部7と同様に、回転装置10が搭載される図示しない本体装置の制御装置に搭載されているタイマー等を用いることができ、回転速度検出部22の検出する回転装置10の回転体が特定回転速度から停止するまでの時間を測定する。なお、時間測定部23は、回転体の特定回転速度から停止までの回転速度信号のパルス数をカウントするようにしてもよい。
【0123】
このように、本実施の形態の軸受異常検出装置20は、回転速度検出部22を、回転装置10の回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光部24と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光部25と、当該受光部の出力する受光信号を回転速度に変換する受信信号/回転速度変換部26と、を備えたものとしている。
【0124】
したがって、回転装置10が光偏向器である場合に、当該光偏向器の軸受の異常を検出する軸受異常検出装置20を本体装置側のみで構成、例えば、画像形成装置の光走査装置の半導体レーザ光源と受光素子等で構成することができ、簡単かつ安価に光偏向器の軸受の異常の有無を検出することができる。
【実施例3】
【0125】
図7は、本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置の第3の実施の形態を適用した軸受異常検出装置30の要部ブロック構成図であり、本実施の形態は、請求項7に対応するものである。
【0126】
なお、本実施の形態は、上記第2の実施の形態の軸受異常検出装置20と同様の軸受異常検出装置30に適用したものであり、上記第2の実施の形態の軸受異常検出装置20と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0127】
図7において、軸受異常検出装置30は、上記第2の実施の形態の軸受異常検出装置20と同様の停止時間測定部21、停止時間比較部4及び停止時間比較結果出力部5等を備えているとともに、回転装置10の温度を検出する温度測定部31及び基準停止時間記憶部32等を備えている。
【0128】
停止時間測定部21は、上述のように、回転体の回転速度を検出する回転速度検出部22と時間測定部23を備えており、回転速度検出部22は、発光部24、受光部25及び受光信号/回転速度変換部26等を備えている。
【0129】
回転装置10は、上記第1の実施の形態の回転装置10と同様の構成であるが、回転体に多面鏡を備えており、発光部25から当該多面鏡に光を照射して、当該多面鏡で反射された光を受光部25で受光して、受光信号を受光信号/回転速度変換部26に出力する。
【0130】
受光信号/回転速度変換部26は、受光部25から入力される受光信号を回転速度に変換する。
【0131】
そして、時間測定部23は、この受光信号/回転速度変換部26の出力する回転装置10の回転体の回転速度が特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定し、測定停止時間として停止時間比較部4に出力する。
【0132】
そして、回転装置10が、画像形成装置に適用されているときには、回転装置10は、画像形成装置の光走査装置の回転多面鏡装置であり、軸受異常検出装置20の発光部25と受光部26は、当該本体装置である画像形成装置の光走査装置の基本構成要素である半導体レーザ光源と書込開始タイミングを決定するためのタイミング信号受光素子を利用することができる。
【0133】
そして、この光走査装置の半導体レーザ光源と受光素子を用いて、回転装置10の回転速度を検出する場合、1回転当り回転装置10としての回転多面鏡の面数分のパルス信号が受光部26から出力され、この測定パルス周期を、受光信号/回転速度変換部26で周波数変換することで、回転数(回転速度)に変換することができる。
【0134】
また、停止時間測定部21の時間測定部23は、上記第1の実施の形態の時間測定部7と同様に、回転装置10が搭載される図示しない本体装置の制御装置に搭載されているタイマー等を用いることができ、回転速度検出部22の検出する回転装置10の回転体が特定回転速度から停止するまでの時間を測定する。なお、時間測定部23は、回転体の特定回転速度から停止までの回転速度信号のパルス数をカウントするようにしてもよい。
【0135】
そして、温度測定部(温度検出手段)31は、回転装置10またはその近傍に設けられており、回転装置10の温度を検出して、基準停止時間記憶部32に出力する。
【0136】
基準停止時間記憶部(基準停止時間記憶手段)32は、回転装置10の各温度毎に、軸受異常の判定の基準としての基準停止時間を予め記憶しており、温度測定部31から回転装置10の検出温度が入力されると、当該検出温度に対応する基準停止時間を停止時間比較部4に出力する。
【0137】
停止時間比較部4は、停止時間測定部21の検出した回転装置10の回転体の特定回転速度から回転停止までの測定停止時間と、基準停止時間記憶部32から入力される基準停止時間とを比較し、停止時間の比較結果が、測定停止時間<基準停止時間であると、軸受異常と判定する。
【0138】
このように、本実施の形態の軸受異常検出装置30は、回転装置10の温度を検出する温度測定部31を備え、基準停止時間記憶部32が、回転装置10の温度に応じた基準停止時間を記憶して、停止時間比較部4が、基準停止時間記憶部32の記憶する基準停止時間のうち温度測定部31の検出する回転装置10の温度に応じた基準停止時間と停止時間測定部22の測定した測定停止時間とを比較して、軸受の異常の有無を判定するものとしている。
【0139】
したがって、温度による停止時間特性の変化の大きい軸受に対しても、安価かつ高精度に軸受の異常の有無を検出することができる。
【0140】
すなわち、油を流体として使用する動圧軸受は温度により油の粘度が大きく変化することから、停止時間も温度により変化し、低温では油の粘度が高く停止時間は短いが、高温では油の粘度が低くなり停止時間は長くなる。そこで、測定温度に対応して基準停止時間を変更することで、正確に軸受異常を検出することができる。
【0141】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
軸受摩耗等の経時的な劣化だけでなく、製品出荷前の検査等の初期的な軸受検査にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置の第1の実施の形態を適用した軸受異常検出装置の要部ブロック構成図。
【図2】図1の軸受異常検出装置の適用されるフルカラーレーザプリンタの正面概略構成図。
【図3】図2の光走査装置の概略斜視図。
【図4】図3の回転多面鏡装置の正面断面図。
【図5】図1の回転装置の特定回転速度からの停止時間の各種例を示す図。
【図6】本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置の第2の実施の形態を適用した軸受異常検出装置の要部ブロック構成図。
【図7】本発明の軸受異常検出装置、軸受異常検出方法、画像形成装置及びディスクドライブ装置の第3の実施の形態を適用した軸受異常検出装置の要部ブロック構成図。
【符号の説明】
【0144】
1 軸受異常検出装置
2 停止時間測定部
3 基準停止時間記憶部
4 停止時間比較部
5 停止時間比較結果出力部
6 回転速度検出部
7 時間測定部
10 回転装置
20 軸受異常検出装置
21 停止時間測定部
22 回転速度検出部
23 時間測定部
24 発光部
25 受光部
26 受光信号/回転速度変換部
30 軸受異常検出装置
31 温度測定部
32 基準停止時間記憶部
100 フルカラーレーザプリンタ
101 搬送ベルト
102Y、102M、102C、102K 画像形成部
103 給紙部
104 レジストローラ
105 ベルト帯電チャージャ
106 ベルト分離チャージャ
107 除電チャージャ
108 クリーニング部
109 定着部
110 排紙ローラ
111 排紙トレイ
112Y、112M、112C、112K 感光体
113Y、113M、113C、113K 帯電チャージャ
114Y、114M、114C、114K 光走査装置
115Y、115M、115C、115K 現像部
116Y、116M、116C、116K 転写チャージャ
117Y、117M、117C、117K クリーニング部
120 回転多面鏡装置
131 光源
132 カップリングレンズ
133 アパーチャ
134 シリンドリカルレンズ
135 回転多面鏡
136、137 レンズ
138 折り曲げミラー
139 ミラー
140 レンズ
141 受光素子
151 カバーケース
152 ハウジング
152a 軸受取付部
153 固定軸
154 回転体
155 回転スリーブ
155a 修正面
156 固定部
157 キャップ
158 ストッパ
159 永久磁石
160 第1の固定ヨーク板
161 第2の固定ヨーク板
162 プリント基板
163 ステータ
163a 巻線コイル
164 ロータマグネット
164a 修正面
165 ホール素子
166 被回転部材
166a、166b ミラー
167 閉止部材
168 回転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置であって、前記回転体の特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する停止時間測定手段と、軸受異常の判定基準となる基準停止時間を記憶する基準停止時間記憶手段と、前記停止時間測定手段の測定した測定停止時間と前記基準停止時間とを比較して前記軸受の異常の有無を判定する判定手段と、を備えていることを特徴とする軸受異常検出装置。
【請求項2】
前記回転装置は、前記回転体の回転速度を速度検出信号を用いて制御する速度制御手段を備え、前記停止時間測定手段は、当該速度制御手段の速度検出信号に基づいて前記回転体の速度を検出して前記停止時間を測定することを特徴とする請求項1記載の軸受異常検出装置。
【請求項3】
前記停止時間測定手段は、前記回転装置の前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、当該回転速度検出手段の検出する前記回転体の速度が前記特定回転速度から回転停止までの停止時間を測定する時間測定手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の軸受異常検出装置。
【請求項4】
前記回転速度検出手段は、前記回転装置の前記回転体に形成された多面鏡に光を出射する発光手段と、当該回転体の多面鏡で反射された光を受光して受光信号を出力する受光手段と、当該受光手段の出力する受光信号を回転速度に変換する信号変換手段と、を備えていることを特徴とする請求項3記載の軸受異常検出装置。
【請求項5】
前記軸受異常検出装置は、前記回転装置が、前記軸受として動圧軸受を備え、当該動圧軸受の異常の有無を検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の軸受異常検出装置。
【請求項6】
前記特定回転速度が、前記回転装置の定格回転速度の2%以上であって20%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の軸受異常検出装置。
【請求項7】
前記軸受異常検出装置は、前記回転装置の温度を検出する温度検出手段を備え、前記基準停止時間記憶手段は、前記回転装置の温度に応じた前記基準停止時間を記憶し、前記判定手段は、前記基準停止時間記憶手段の記憶する前記基準停止時間のうち前記温度検出手段の検出する前記回転装置の温度に応じた前記基準停止時間と前記停止時間測定手段の測定した測定停止時間とを比較して、前記軸受の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の軸受異常検出装置。
【請求項8】
軸受に軸支されて回転体が回転する回転装置の当該軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出方法であって、前記回転体の特定回転速度から回転停止までの時間を測定する停止時間測定処理ステップと、停止時間測定ステップで測定した測定停止時間と軸受異常の判定基準となる基準停止時間とを比較して軸受の異常の有無を判定する判定処理ステップと、を実施することを特徴とする軸受異常検出方法。
【請求項9】
軸受で回転可能に支持する回転多面鏡を回転駆動する光偏向器の当該回転多面鏡に、光源から出射されたビームを照射して感光体上に走査させ、静電潜像を形成して、当該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を用紙に転写して画像形成する画像形成装置において、前記光偏向器の軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
軸受で回転可能に支持するディスクを回転駆動するディスクドライブモータにおいて、前記軸受の異常の有無を検出する軸受異常検出装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受異常検出装置を搭載していることを特徴とするディスクドライブモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−175821(P2008−175821A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10470(P2008−10470)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2003−286352(P2003−286352)の分割
【原出願日】平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】