軸受装置及びそれを用いたローラコンベヤ
【課題】 汎用品の軸受を用いながら十分に潤滑油等の流出(漏出)等を最小限に抑えることができる軸受装置を提供する。
【解決手段】 回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、軸受本体9をハウジング10内に収容保持し、且つ該ハウジング10の周縁部との間に2段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブ11を、軸4外周上に一体回転状に取り付けた。
【解決手段】 回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、軸受本体9をハウジング10内に収容保持し、且つ該ハウジング10の周縁部との間に2段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブ11を、軸4外周上に一体回転状に取り付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転軸を支持する軸受装置、及びその軸受装置を用いたローラコンベヤに関し、詳しくは軸受を収容保持するホルダーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、回転軸は回転抵抗を少なくする為にころがり軸受(玉軸受、コロ軸受等)を介して支持されている。そして、その軸受はホルダー等の支持部材に収容されている。
ところで、上記した軸受装置は使用される環境が埃や塵等を気にしなくてもよいところでは、前記軸受はホルダーに露出状態で装着されている。
【0003】
しかしながら、例えば、TFT(Thin Film Transistor)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)等の製造はクリーンルームで行われるため、その製造工程におけるガラス基板等の搬送システム、その他、製造ラインに装備される機器に組み込まれる回転軸を支持する軸受装置には、上記したような軸受をホルダーに対して露出した状態で装着することは避けなければならない。
【0004】
何故ならば、軸受には潤滑油やグリースが給油されており、その潤滑油やグリース等が外部に流出(漏出)してクリーン度を低下させる虞れがある。
その為、上記したようなクリーンルームやそれに準じた環境下で使用する機器類に使用する軸受として、上記した潤滑油、グリース等の流出(漏出)を防止する機構、例えば、ラビリンス機構を装備した特殊構造の軸受が別途開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載されている軸受のラビリンス機構は、ラビリンス機構を構成するシール片が弾性部材で構成され、しかも、そのラビリンスシールは回転部に接触する構成をなしている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−293563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示すようなラビリンスシールを備えた軸受は、ラビリンスシールを備えない機械一般に使用する汎用品の軸受に比べて高価である。従って、上記したような製造ラインに組み込まれる装置には多くの軸受が装備されるため、装置全体の価格が高騰するという問題を有する。
又、シールリップが接触し、摺動しているため、回転抵抗になると共に、やがてはその摺動部が劣化し、塵やゴミが発生する。
【0008】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、汎用品の軸受を用いながら潤滑油等の流出(漏出)等を最小限に抑えることができ、且つ、回転抵抗を増大させず、ラビリンスシールを形成する部材の劣化を防止できる軸受装置を提供することにある。
又、他の目的は特殊構造の軸受を使用することなく、汎用品の軸受を使用して潤滑油等の流出(漏出)を最小限に抑えることができるローラコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、軸受本体をハウジング内に収容保持し、且つ該ハウジングの周縁部との間に複数段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブを、軸外周上に一体回転状に取り付けたことを特徴とする(請求項1)。
上記軸受本体は、潤滑油、グリース等の流出(漏出)を防止する機構、例えばラビリンスシール等を備えていない汎用品の軸受を意味する。又、使用する軸受の形態は、ころがり軸受(玉軸受、コロ軸受)が有効である。
軸受本体を収容保持するハウジング及びフランジ付きスリーブは、合成樹脂の成形品が好適である。
又、ハウジングの周縁部とフランジ付きスリーブとで形成する非接触の複数段階のラビリンスは、少なくとも互い違いに交差する部材が2個以上で形成される2段階以上であればよい。
【0010】
上記手段によれば、汎用品の軸受本体をハウジングとフランジ付きスリーブで収容保持し、その軸受本体を収容するハウジングの周縁部とスリーブのフランジとで複数段階で非接触のラビリンスを形成する。それにより、軸受本体に給油されている潤滑油やグリースは該軸受本体から漏出しても、前記ラビリンスによりハウジング外に流出(漏出)するのを最小限に抑える。又、軸と一体回転するフランジ付きスリーブは、ハウジングの周縁部と非接触であるため、回転軸の回転に抵抗増とならず、且つフランジ部分の劣化、塵やゴミの発生を防止できる。
【0011】
上記ハウジングとフランジ付きスリーブの具体的構成としては、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、該スリーブの筒部は周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部の径方向の弾発力で軸に固定する(請求項2)。尚、フランジ付きスリーブの軸方向移動を規制する為に、該スリーブの端部が位置する軸周面にスナップリング等を取り付ける。
上記手段によれば、軸受本体の軸方向左右両側に配置したフランジ付きスリーブが、その筒部の弾発力で軸に対して緊締固着され、軸受を容易に固定することができる。
【0012】
更に、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、フランジ付きスリーブは、筒部に周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定する(請求項3)。尚、フランジ付きスリーブは軸受本体の左右両側に配置しても、或いは軸端部のように軸端外側を他物で閉鎖し、内側の片側だけに配置するなど何れでもよい。
【0013】
上記手段によれば、軸受の取付を左右二分割のハウジングと拡開筒の押し込みにより、工具等を使わずに容易に行うことができる。そして、ラビリンスを形成するフランジ付きスリーブは軸に溝加工等を施すことなく、該スリーブの筒部内面と軸部外周面との間に拡開筒を押し込むだけで簡単に固定できる。
【0014】
又、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、一方のフランジ付きスリーブは筒部を軸部外周面と軸受本体との間に軸方向一側より挿入し、他方側から前記筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定する(請求項4)。
上記手段によれば、軸の中間部位に軸受を容易に固定することができる。
【0015】
又、前記ハウジングは左右二分割に限らず、単一の筒体であってもよい。その具体的構成としては、前記ハウジングが筒体で、該ハウジングに収容した軸受本体の開口側を、軸方向に沿う圧着力で軸と一体化するフランジ付きスリーブと、そのスリーブのフランジを覆うように前記ハウジングの開口部に嵌着固定したリング形状のカバーとで構成してもよい。
これにより、左右二分割のハウジング同様、潤滑油等の流出を最小限に抑える軸受装置を容易に固定することができる。
【0016】
そして、上記した各軸受装置を、ローラコンベヤを構成する搬送ローラを取り付けたローラ軸、及び該ローラ軸に動力を伝達する駆動軸等の回転軸を支持する部分に、適宜選択して配置してローラコンベヤを構成する(請求項5)。
上記手段によれば、汎用品の軸受を使用して、該軸受に給油されている潤滑油やグリース等の流出(漏出)を最小限に抑えるローラコンベヤを提供することができる。よって、特殊な軸受を使用してコンベヤを構成した場合の費用に比べて大幅に費用を軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の軸受装置は請求項1記載の構成により、汎用品の軸受を用いながら該軸受を収容保持するハウジングとフランジ付きスリーブで、軸受に給油されている潤滑油やグリース等の流出、漏出を最小限に抑えることができる。従って、ラビリンスシール等の特殊構造を備えた軸受と同等の機能を、汎用品の軸受で発揮できる軸受装置を提供できる。
そして、軸と一体回転するフランジ付きスリーブは、ハウジングの周縁部と非接触であるため、回転軸の回転に抵抗増とならず、且つフランジ部分の劣化、塵やゴミの発生を防止できる。又、軸の中間部においては位置決めのためのスナップリングや既存技術のOリング等による固定方法で必要な溝が不要のため、軸に溝加工するコストや、溝加工によって生ずる軸の振れや変形等を抑制することができる。
又、請求項2乃至4記載の構成により、工具等を使用することなく軸の所定箇所(軸端部、中間部等)に容易に固定することができる。
又、請求項5記載の構成により、汎用品の軸受を使用して、軸受に給油されている潤滑油やグリースの流出(漏出)を防止できるローラコンベヤを提供することができる。即ち、汎用品の軸受を使用して、クリーンルームで使用可能なローラコンベヤを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る軸受装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、磁力を利用した非接触型の動力伝達機構を備えたクロスローラコンベヤを示し、直交する二方向への搬送を行う搬送ローラを取り付けたローラ軸、或いは該ローラ軸へ回転を伝達する駆動軸が、本発明に係る軸受装置で支持されている。
上記クロスローラコンベヤAは、ガラス基板等の平板状のワークWを機長方向(Y方向)に搬送するローラコンベヤA1と、機長方向(Y方向)と直角に交差するコンベヤ幅方向(X方向)に搬送するローラコンベヤA2とで構成され、ローラコンベヤA2はもう一方のローラコンベヤA1に対して下方位置に配置されると共に上下出没自在に構成され、ローラコンベヤA2の搬送ローラの上面がローラコンベヤA1の搬送ローラの上面より上方に突出することで、搬送方向が切り替わるように構成されている。
【0019】
ローラコンベヤA1は、所定間隔を置いて平行に配置された一対のフレーム1,1’、及びそのフレーム1,1’の略中間位置に配置した中間フレーム1”に、上面を開口した略U字形のホルダー2が、該フレーム1,1’,1”の長手方向に沿い所定間隔を置いて、且つ開口部を上方に向けて固着され、その各列のホルダー2に亘って、搬送ローラ3を取り付けたローラ軸4が平行に横架されており、そのローラ軸4の一方端部にマグネットリングからなる従動磁気車6が固着され、その従動磁気車6の直下に駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’が非接触状態で軸芯を直角に交差させて配置されている。尚、軸方向の中間位置に配置する中間フレーム1”は、被搬送物が大型で軸方向両端のみの支持では軸の中間部が下方に撓むような場合に、その撓みを抑えるために配置する。従って、中間フレームは被搬送物との関係で、必要に応じ適宜配置する。
【0020】
上記フレーム1,1’及び中間フレーム1”は、アルミニウムの型材で構成され、その型材の溝部にナット部材5を嵌着し、前記溝部の開口側に合成樹脂の成形品からなるホルダー2を接合し、そのホルダー2を貫通してボルト5’が前記ナット部材5に螺着されてホルダー2がフレーム1,1’,1”に固定されている。
そして、そのホルダー2に亘って横架支持されるローラ軸4には、前記ホルダー2と対応する位置に軸受装置B(B1,B2,B3)が取り付けられている。
【0021】
ホルダー2に横架支持されるローラ軸4は、軸方向に所定間隔をおいて搬送ローラ3が一体回転状に固着され、且つ従動磁気車6より内側の近傍位置に軸受装置B1が、従動磁気車6が取り付けられた軸端と反対側の軸端位置に軸受装置B2が、ローラ軸4の軸方向中間位置に軸受装置B3が取り付けられている。
ローラ軸4に対する搬送ローラ3の固着は、図2に示すように、ローラ軸4の外周面と搬送ローラの軸孔内周面との間に楔状のテーパ筒8,8’を互い違い状に嵌合して固定されている。この構成により搬送ローラ3はローラ軸4上の任意の位置に固定することができる。
【0022】
軸受装置B(B1,B2,B3)は、図2に示すように、軸受本体9、その軸受本体9を収容保持するハウジング10、ハウジングの周縁部とで非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブ11、前記フランジ付きスリーブ11をローラ軸4の外周面に一体回転状に取り付ける固定手段とで構成されている。以下、軸受装置B1,B2,B3について詳細に説明する。尚、各軸受装置B1,B2,B3において同一部材は同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
軸受装置B1は、図2及び図3に示すように、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体9を、左右二分割形態のハウジング10を軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体9の軸方向側面にはハウジング10の周縁部10aの内側に位置させてフランジ付きスリーブ11がローラ軸4に嵌合緊締されている。
【0024】
左右二分割のハウジング10は、図4乃至図7に示すように、前記ホルダー2に嵌着し得るようにその外形は軸芯を僅か越える位置まで下半部が円形に形成され、それより上側が平行な直線面で立ち上がり、軸受本体9を収容保持するハウジング10の外径よりやや狭く、上面は直線平坦面に形成されている。そして、上面を除く周面は該ハウジング10の幅中央で接合合着し、上面はL字形で合着するように構成されている。そして、ハウジング10は、前記ホルダー2に上方から差し込むことで該ホルダー2の周縁に突設された突片2aや突片2aが突設されているホルダー2の立ち上がり部分の弾性により挾着され、合着状態が保持される。尚、合着状態が保たれる構造であれば上記構造に限定されるものではない。
【0025】
フランジ付きスリーブ11は、図3及び図7に示すように、ローラ軸4に嵌着する筒部11aと、その筒部11aの軸方向一方端に径方向外側に向けて略直角に突設したフランジ11bとで構成され、前記筒部11aはフランジ11b側から反対側に向けて先細り状に形成されると共に、筒部周壁には開放端側からフランジ側に向かって所定深さのスリット12が周方向に沿って所定間隔を置いて形成されている。これにより、筒部11aにはスリット12で区画された各片に弾性が働き、ローラ軸4に対して緊締力が作用し、フランジ付きスリーブ11はローラ軸4と一体回転可能状態に定着される。尚、フランジ付きスリーブ11の筒部11aのフランジ側側面は、軸受本体9の内輪にのみ接触し、外輪とは離間して非接触状態を維持し、ローラ軸4及び軸受本体9の内輪と一緒に回転する。
【0026】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ11のフランジ11bは非接触状態で対向して2段階のラビリンスシールを形成し、左右のフランジ付きスリーブ11間に保持された軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。即ち、図3(b)の本願における代表的なラビリンス構造(片側部分)の拡大説明図に示すように、軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース、及び塵やゴミは同図に→で示すように、軸受本体9の側面とフランジ付きスリーブ11のフランジ11b及びハウジング10の周縁部10aとで形成される隙間(L)を通って外部に流れるが、前記隙間(L)は極小寸法で且つ迷路状であるため、潤滑油やグリース、及び塵やゴミは外部に流出(漏出)しにくくなっており、その結果、外部への流出(漏出)は最小限に抑えられる。
【0027】
軸受装置B2は、図2に示すように、ローラ軸4の軸端部(図2では右側端)が他物(本実施例ではフレーム1’)で被覆される状況に設置される軸受装置で、前記した軸受装置B1と同様、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体9を、左右二分割形態のハウジング10で軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体9のフレーム1’と対向しない側面にはハウジング10の周縁部10aの内側に位置させてフランジ付きスリーブ13がローラ軸4に嵌装され、更にそのフランジ付きスリーブ13の筒部内周面とローラ軸4の外周面との間に楔状筒14が前記フランジ付きスリーブ13の開放端部側から差し込まれて固定化されている。
【0028】
上記フランジ付きスリーブ13は、軸受装置B1におけるフランジ付きスリーブ11と同様、筒部13aの一側部にフランジ13bを径方向外側に向けて直角に突設しており、筒部13aの内周面は開放端側からフランジ13b側に向かって漸次小径となるテーパ面に形成され、そのテーパ面によって該筒部内側に差し込まれる楔状筒14が締着され、フランジ付きスリーブ13がローラ軸4と一体回転可能状態に定着される。
【0029】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ13のフランジ13bは非接触状態で対向してラビリンスシールを形成し、左右二分割のハウジング10間に保持された軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。
【0030】
軸受装置B3は、図2に示すように、ローラ軸4の軸方向中間部を支持する軸受装置で、前記軸受装置B1,B2と同様、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体15を、左右二分割形態のハウジング10で軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体15の内輪の内側に軸方向一側より他側方に向けてフランジ付きスリーブ16を嵌挿通すると共に、軸受本体15を貫通した該スリーブ16の筒部外周にフランジ付きスリーブ17を嵌着し、更に、前記フランジ付きスリーブ16とローラ軸4との間に楔状筒14が前記フランジ付きスリーブ16の開放端部側から差し込まれて固定化されている。
【0031】
上記軸受本体15は、前記軸受装置B1,B2における軸受本体9より内輪の内径が大径で、ローラ軸4の外周面との間に環状の空隙が生じるようにし、この空隙にフランジ付きスリーブ16と楔状筒14を互い違い状に差し込むことでローラ軸4と軸受本体15の内輪とが連結一体化されている。
【0032】
フランジ付きスリーブ16は、軸受本体15の内輪に嵌合する筒部16aと、筒部16aの軸方向一側部に径方向外側に向けて直角に突設したフランジ16bとで構成され、前記筒部16aの内周面は開放端側からフランジ16b側に向かって漸次小径となるテーパ面に形成され、更に、筒部周壁には開放端側からフランジ側に向かって所定深さのスリット18が周方向に沿って所定間隔を置いて形成されている(軸受装置B1におけるフランジ付きスリーブ11と略同様の形態)。
【0033】
フランジ付きスリーブ17は、前記フランジ付きスリーブ16の筒部16aの開放側側部外周面上に嵌合し得る短い筒部17aと、その筒部17aの一側部にフランジ付きスリーブ16のフランジ16bと同径のフランジ17bが径方向外側に向けて直角に突設されている。
【0034】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ16,17のフランジ16b,17bは非接触状態で対向してラビリンスシールを形成し、左右二分割のハウジング10間に保持された軸受本体15に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。
【0035】
上記はローラコンベヤA1を構成するローラ軸4を支持する軸受装置Bであるが、各軸受装置B1,B2,B3は図示した使用場所に限定されるものではなく、例えば、従動磁気車寄りの側部に配置した軸受装置B1をローラ軸4の中間部に配置したり、或いは軸受装置B3を従動磁気車と反対側の軸端に配置するなど任意である。
【0036】
又、上記ローラコンベヤA1における各ローラ軸3に非接触で動力を伝達する駆動機構部分にも軸受本体の潤滑油等の流出(漏出)、及び動力伝達を行う歯車列から生じる発塵等の流出を防止する防止手段が講じられている。以下、その構成を図8及び図9に基づいて説明する。
図8はローラ軸4に回転力を非接触で伝達する駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’の駆動機構を示し、モータ31の回転が歯車列32を介して駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’に伝達されるように構成され、前記歯車列32は歯車ケース33に収納されている。そして、駆動軸7’に固着された歯車列32の最終歯車32’の軸部が、該歯車ケース33の一側内部に配置した軸受本体34で支持され、最終歯車32’の反対側は駆動軸7’の外周面が、歯車ケース33の側面板33’の切欠部46に装着した上下のシールド35,36で最小の隙間に確保されている。また、前記軸受本体34は、ハウジング47と蓋板48で収容保持されている。
【0037】
上下のシールド35,36は、図9に示すように、合成樹脂の成形品で半円形の軸受部を備えており、歯車ケース33の一側面を形成する側面板33’に切り欠いた矩形状の切欠部46に下側のシールド36を装着し、駆動軸7’をシールド36に落とし込んだ後、上側のシールド35を切欠部46に装着して駆動軸7’の支持を完了する。
【0038】
次に、クロスローラコンベヤAを構成するもう一方のローラコンベヤA2の搬送ローラ
の軸受装置について説明する。
ローラコンベヤA2は、図1及び図11,図12に示すように、扁平長尺のケース19内に、該ケースの長手方向に沿ってマグネットリング(従動磁気車)20を取り付けた搬送ローラ21を回転可能に軸支し、そのマグネットリング(従動磁気車)20の直下に、前記マグネットリング(従動磁気車)20と対応してマグネットリング(駆動磁気車)22を取り付けた駆動軸23を非接触状態で回転可能に直交配置すると共に、該駆動軸23の所定箇所にはマグネットリング(伝達用磁気車)24が固着されている。そして、上記の如く搬送ローラ21を備えたケース19を支持桟25,25’上に所定の間隔(前記ローラコンベヤA1のローラ軸4相互間から出没し得る間隔)をおいて並設固定し、各ケース19のマグネットリング(伝達用磁気車)24の直下に、該マグネットリング(伝達用磁気車)24と対応させてマグネットリング(伝達用磁気車)26を取り付けた動力伝達軸27が直交配置され、その動力伝達軸27はモータ28の回転が歯車列29を介して伝達されるように構成されている。尚、動力伝達軸27へ回転力を伝達する駆動機構及び訴の支持構造は、ローラコンベヤA1の駆動機構(図8及び図9参照)と同じ構造であるため、説明は省略する。
【0039】
上記構成により、動力伝達軸27が回転すると該動力伝達軸27に取り付けられたマグネットリング(伝達用磁気車)26と各ケース19のマグネットリング(伝達用磁気車)24の作用で各ケース19に内蔵された駆動軸23が回転し、その駆動軸23に取り付けられたマグネットリング(駆動磁気車)22とマグネットリング(従動磁気車)20の作用で搬送ローラ21が回転される。
【0040】
そして、上記ローラコンベヤA2は上下昇降手段、例えば図10に示すように、エアーシリンダ30とリンク機構37,37’の組合せによってローラコンベヤA1に対して上下出没自在に構成されている。即ち、エアーシリンダ30のロッドが伸長している状態ではリンク機構37,37’を介してローラコンベヤA2は下方に位置され(図10(a)参照)、エアーシリンダ30のロッドが引込まれている状態ではリンク機構37,37’を介して上方に押し上げられ、搬送ローラ21の頂面はローラコンベヤA1の搬送ローラ3の頂面より上方に突出され(図10(b)参照)、ローラコンベヤA2による搬送が可能となる。
【0041】
以下、上記したローラコンベヤA2の搬送ローラ21の支持構造を図13に基づいて説明する。
ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体38,38’を、合成樹脂材からなる円筒形状をした軸方向二分割構造のハウジング39,39’の内部に嵌合装着する。そして、一方のハウジング39の外側にマグネットリング(従動磁気車)20を嵌着固定し、他方のハウジング39’の外側には搬送ローラ21を嵌着固定し、両ハウジング39,39’の凹凸端面同士を噛み合わせて合着一体化する。そして、その一体化したハウジング39,39’内の軸受本体38,38’に支軸40を挿通すると共に、支軸40の頭部40’と軸受本体38の間にウエーブワッシャ41とフランジ付きスリーブ42が挟入挿着され、更に前記フランジ付きスリーブ42のフランジ42aを覆うようにリング状のカバー43がハウジング39の側面開口部に嵌着固定され、このフランジ付きスリーブ42とカバー43とで非接触のラビリンスシールが形成されている。又、ハウジング39’の側面開口部には該開口部を閉鎖するキャップ44が嵌着固定されている。
上記支軸40はケース19内に挿入され、ケース19の外側から前記支軸40にボルト45を螺合締着して片持ち支持されている。
【0042】
上記構成により、軸受本体38,38’に給油されている潤滑油やグリース等は、ハウジングと一体回転するカバー43と、固定の支軸40と一体化するフランジ付きスリーブ42とで非接触のラビリンスシールが形成され、潤滑油等の流出(漏出)が最小限に抑えられ、回転抵抗を増大させず、且つ前記ラビリンスシールを形成する部材の劣化を防止でき、その結果、塵やゴミの発生を防止できる。
【0043】
以上の如く構成したクロスローラコンベヤAは、該コンベヤを構成するローラコンベヤA1,A2の回転部の支持を、汎用品の軸受本体を用いて、ラビリンスシールを組み込んだ特殊な軸受と同等の効果を期待することができる。従って、クリーンルーム等で使用するコンベヤを安価に製作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る軸受装置は、コンベヤに限らず、機械一般の回転部の軸受装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る軸受装置を備えたクロスローラコンベヤを示す平面図。
【図2】クロスローラコンベヤを構成するローラコンベヤA1のローラ軸の中間部分を支持した支持構造を示す拡大断面図。
【図3】ローラ軸の駆動側の支持構造を示し、(a)は拡大断面図、(b)は潤滑油や塵等の流れの経路を示す拡大説明図。
【図4】図3の軸受装置とホルダーとを分離した状態の分解斜視図。
【図5】同軸受装置をホルダーに嵌合セットした状態の一部切欠側面図。
【図6】軸受装置を構成するハウジングを示す、(a)は側面図、(b)は(a)図の(6)−(6)線に沿える縦断面図。
【図7】同軸受装置の組立状態を示す分解斜視図。
【図8】クロスローラコンベヤを構成するローラコンベヤA1の駆動部を示す一部切欠側面図。
【図9】同駆動部の歯車ケースにおける側面板の構造を示す斜視図。
【図10】図1の(10)−(10)線に沿える拡大断面図で、(a)はローラコンベヤA2がローラコンベヤA1より下側に降下している状態、(b)はローラコンベヤA2がローラコンベヤA1より上方に突出した状態を示す。
【図11】図1の(11)−(11)線に沿える拡大断面図。
【図12】ローラコンベヤA2の駆動部を示す拡大正面図。
【図13】図11の(13)−(13)線に沿える拡大断面図。
【符号の説明】
【0046】
A…クロスローラコンベヤ
A1,A2…ローラコンベヤ
B,B1,B2,B3…軸受装置
9,15,38,38’…軸受本体
10,39,39’…ハウジング
11,13,16,17,42…フランジ付きスリーブ
14…拡開筒
【技術分野】
【0001】
本発明は回転軸を支持する軸受装置、及びその軸受装置を用いたローラコンベヤに関し、詳しくは軸受を収容保持するホルダーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、回転軸は回転抵抗を少なくする為にころがり軸受(玉軸受、コロ軸受等)を介して支持されている。そして、その軸受はホルダー等の支持部材に収容されている。
ところで、上記した軸受装置は使用される環境が埃や塵等を気にしなくてもよいところでは、前記軸受はホルダーに露出状態で装着されている。
【0003】
しかしながら、例えば、TFT(Thin Film Transistor)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)等の製造はクリーンルームで行われるため、その製造工程におけるガラス基板等の搬送システム、その他、製造ラインに装備される機器に組み込まれる回転軸を支持する軸受装置には、上記したような軸受をホルダーに対して露出した状態で装着することは避けなければならない。
【0004】
何故ならば、軸受には潤滑油やグリースが給油されており、その潤滑油やグリース等が外部に流出(漏出)してクリーン度を低下させる虞れがある。
その為、上記したようなクリーンルームやそれに準じた環境下で使用する機器類に使用する軸受として、上記した潤滑油、グリース等の流出(漏出)を防止する機構、例えば、ラビリンス機構を装備した特殊構造の軸受が別途開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載されている軸受のラビリンス機構は、ラビリンス機構を構成するシール片が弾性部材で構成され、しかも、そのラビリンスシールは回転部に接触する構成をなしている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−293563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示すようなラビリンスシールを備えた軸受は、ラビリンスシールを備えない機械一般に使用する汎用品の軸受に比べて高価である。従って、上記したような製造ラインに組み込まれる装置には多くの軸受が装備されるため、装置全体の価格が高騰するという問題を有する。
又、シールリップが接触し、摺動しているため、回転抵抗になると共に、やがてはその摺動部が劣化し、塵やゴミが発生する。
【0008】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、汎用品の軸受を用いながら潤滑油等の流出(漏出)等を最小限に抑えることができ、且つ、回転抵抗を増大させず、ラビリンスシールを形成する部材の劣化を防止できる軸受装置を提供することにある。
又、他の目的は特殊構造の軸受を使用することなく、汎用品の軸受を使用して潤滑油等の流出(漏出)を最小限に抑えることができるローラコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、軸受本体をハウジング内に収容保持し、且つ該ハウジングの周縁部との間に複数段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブを、軸外周上に一体回転状に取り付けたことを特徴とする(請求項1)。
上記軸受本体は、潤滑油、グリース等の流出(漏出)を防止する機構、例えばラビリンスシール等を備えていない汎用品の軸受を意味する。又、使用する軸受の形態は、ころがり軸受(玉軸受、コロ軸受)が有効である。
軸受本体を収容保持するハウジング及びフランジ付きスリーブは、合成樹脂の成形品が好適である。
又、ハウジングの周縁部とフランジ付きスリーブとで形成する非接触の複数段階のラビリンスは、少なくとも互い違いに交差する部材が2個以上で形成される2段階以上であればよい。
【0010】
上記手段によれば、汎用品の軸受本体をハウジングとフランジ付きスリーブで収容保持し、その軸受本体を収容するハウジングの周縁部とスリーブのフランジとで複数段階で非接触のラビリンスを形成する。それにより、軸受本体に給油されている潤滑油やグリースは該軸受本体から漏出しても、前記ラビリンスによりハウジング外に流出(漏出)するのを最小限に抑える。又、軸と一体回転するフランジ付きスリーブは、ハウジングの周縁部と非接触であるため、回転軸の回転に抵抗増とならず、且つフランジ部分の劣化、塵やゴミの発生を防止できる。
【0011】
上記ハウジングとフランジ付きスリーブの具体的構成としては、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、該スリーブの筒部は周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部の径方向の弾発力で軸に固定する(請求項2)。尚、フランジ付きスリーブの軸方向移動を規制する為に、該スリーブの端部が位置する軸周面にスナップリング等を取り付ける。
上記手段によれば、軸受本体の軸方向左右両側に配置したフランジ付きスリーブが、その筒部の弾発力で軸に対して緊締固着され、軸受を容易に固定することができる。
【0012】
更に、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、フランジ付きスリーブは、筒部に周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定する(請求項3)。尚、フランジ付きスリーブは軸受本体の左右両側に配置しても、或いは軸端部のように軸端外側を他物で閉鎖し、内側の片側だけに配置するなど何れでもよい。
【0013】
上記手段によれば、軸受の取付を左右二分割のハウジングと拡開筒の押し込みにより、工具等を使わずに容易に行うことができる。そして、ラビリンスを形成するフランジ付きスリーブは軸に溝加工等を施すことなく、該スリーブの筒部内面と軸部外周面との間に拡開筒を押し込むだけで簡単に固定できる。
【0014】
又、前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、一方のフランジ付きスリーブは筒部を軸部外周面と軸受本体との間に軸方向一側より挿入し、他方側から前記筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定する(請求項4)。
上記手段によれば、軸の中間部位に軸受を容易に固定することができる。
【0015】
又、前記ハウジングは左右二分割に限らず、単一の筒体であってもよい。その具体的構成としては、前記ハウジングが筒体で、該ハウジングに収容した軸受本体の開口側を、軸方向に沿う圧着力で軸と一体化するフランジ付きスリーブと、そのスリーブのフランジを覆うように前記ハウジングの開口部に嵌着固定したリング形状のカバーとで構成してもよい。
これにより、左右二分割のハウジング同様、潤滑油等の流出を最小限に抑える軸受装置を容易に固定することができる。
【0016】
そして、上記した各軸受装置を、ローラコンベヤを構成する搬送ローラを取り付けたローラ軸、及び該ローラ軸に動力を伝達する駆動軸等の回転軸を支持する部分に、適宜選択して配置してローラコンベヤを構成する(請求項5)。
上記手段によれば、汎用品の軸受を使用して、該軸受に給油されている潤滑油やグリース等の流出(漏出)を最小限に抑えるローラコンベヤを提供することができる。よって、特殊な軸受を使用してコンベヤを構成した場合の費用に比べて大幅に費用を軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の軸受装置は請求項1記載の構成により、汎用品の軸受を用いながら該軸受を収容保持するハウジングとフランジ付きスリーブで、軸受に給油されている潤滑油やグリース等の流出、漏出を最小限に抑えることができる。従って、ラビリンスシール等の特殊構造を備えた軸受と同等の機能を、汎用品の軸受で発揮できる軸受装置を提供できる。
そして、軸と一体回転するフランジ付きスリーブは、ハウジングの周縁部と非接触であるため、回転軸の回転に抵抗増とならず、且つフランジ部分の劣化、塵やゴミの発生を防止できる。又、軸の中間部においては位置決めのためのスナップリングや既存技術のOリング等による固定方法で必要な溝が不要のため、軸に溝加工するコストや、溝加工によって生ずる軸の振れや変形等を抑制することができる。
又、請求項2乃至4記載の構成により、工具等を使用することなく軸の所定箇所(軸端部、中間部等)に容易に固定することができる。
又、請求項5記載の構成により、汎用品の軸受を使用して、軸受に給油されている潤滑油やグリースの流出(漏出)を防止できるローラコンベヤを提供することができる。即ち、汎用品の軸受を使用して、クリーンルームで使用可能なローラコンベヤを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る軸受装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、磁力を利用した非接触型の動力伝達機構を備えたクロスローラコンベヤを示し、直交する二方向への搬送を行う搬送ローラを取り付けたローラ軸、或いは該ローラ軸へ回転を伝達する駆動軸が、本発明に係る軸受装置で支持されている。
上記クロスローラコンベヤAは、ガラス基板等の平板状のワークWを機長方向(Y方向)に搬送するローラコンベヤA1と、機長方向(Y方向)と直角に交差するコンベヤ幅方向(X方向)に搬送するローラコンベヤA2とで構成され、ローラコンベヤA2はもう一方のローラコンベヤA1に対して下方位置に配置されると共に上下出没自在に構成され、ローラコンベヤA2の搬送ローラの上面がローラコンベヤA1の搬送ローラの上面より上方に突出することで、搬送方向が切り替わるように構成されている。
【0019】
ローラコンベヤA1は、所定間隔を置いて平行に配置された一対のフレーム1,1’、及びそのフレーム1,1’の略中間位置に配置した中間フレーム1”に、上面を開口した略U字形のホルダー2が、該フレーム1,1’,1”の長手方向に沿い所定間隔を置いて、且つ開口部を上方に向けて固着され、その各列のホルダー2に亘って、搬送ローラ3を取り付けたローラ軸4が平行に横架されており、そのローラ軸4の一方端部にマグネットリングからなる従動磁気車6が固着され、その従動磁気車6の直下に駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’が非接触状態で軸芯を直角に交差させて配置されている。尚、軸方向の中間位置に配置する中間フレーム1”は、被搬送物が大型で軸方向両端のみの支持では軸の中間部が下方に撓むような場合に、その撓みを抑えるために配置する。従って、中間フレームは被搬送物との関係で、必要に応じ適宜配置する。
【0020】
上記フレーム1,1’及び中間フレーム1”は、アルミニウムの型材で構成され、その型材の溝部にナット部材5を嵌着し、前記溝部の開口側に合成樹脂の成形品からなるホルダー2を接合し、そのホルダー2を貫通してボルト5’が前記ナット部材5に螺着されてホルダー2がフレーム1,1’,1”に固定されている。
そして、そのホルダー2に亘って横架支持されるローラ軸4には、前記ホルダー2と対応する位置に軸受装置B(B1,B2,B3)が取り付けられている。
【0021】
ホルダー2に横架支持されるローラ軸4は、軸方向に所定間隔をおいて搬送ローラ3が一体回転状に固着され、且つ従動磁気車6より内側の近傍位置に軸受装置B1が、従動磁気車6が取り付けられた軸端と反対側の軸端位置に軸受装置B2が、ローラ軸4の軸方向中間位置に軸受装置B3が取り付けられている。
ローラ軸4に対する搬送ローラ3の固着は、図2に示すように、ローラ軸4の外周面と搬送ローラの軸孔内周面との間に楔状のテーパ筒8,8’を互い違い状に嵌合して固定されている。この構成により搬送ローラ3はローラ軸4上の任意の位置に固定することができる。
【0022】
軸受装置B(B1,B2,B3)は、図2に示すように、軸受本体9、その軸受本体9を収容保持するハウジング10、ハウジングの周縁部とで非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブ11、前記フランジ付きスリーブ11をローラ軸4の外周面に一体回転状に取り付ける固定手段とで構成されている。以下、軸受装置B1,B2,B3について詳細に説明する。尚、各軸受装置B1,B2,B3において同一部材は同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
軸受装置B1は、図2及び図3に示すように、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体9を、左右二分割形態のハウジング10を軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体9の軸方向側面にはハウジング10の周縁部10aの内側に位置させてフランジ付きスリーブ11がローラ軸4に嵌合緊締されている。
【0024】
左右二分割のハウジング10は、図4乃至図7に示すように、前記ホルダー2に嵌着し得るようにその外形は軸芯を僅か越える位置まで下半部が円形に形成され、それより上側が平行な直線面で立ち上がり、軸受本体9を収容保持するハウジング10の外径よりやや狭く、上面は直線平坦面に形成されている。そして、上面を除く周面は該ハウジング10の幅中央で接合合着し、上面はL字形で合着するように構成されている。そして、ハウジング10は、前記ホルダー2に上方から差し込むことで該ホルダー2の周縁に突設された突片2aや突片2aが突設されているホルダー2の立ち上がり部分の弾性により挾着され、合着状態が保持される。尚、合着状態が保たれる構造であれば上記構造に限定されるものではない。
【0025】
フランジ付きスリーブ11は、図3及び図7に示すように、ローラ軸4に嵌着する筒部11aと、その筒部11aの軸方向一方端に径方向外側に向けて略直角に突設したフランジ11bとで構成され、前記筒部11aはフランジ11b側から反対側に向けて先細り状に形成されると共に、筒部周壁には開放端側からフランジ側に向かって所定深さのスリット12が周方向に沿って所定間隔を置いて形成されている。これにより、筒部11aにはスリット12で区画された各片に弾性が働き、ローラ軸4に対して緊締力が作用し、フランジ付きスリーブ11はローラ軸4と一体回転可能状態に定着される。尚、フランジ付きスリーブ11の筒部11aのフランジ側側面は、軸受本体9の内輪にのみ接触し、外輪とは離間して非接触状態を維持し、ローラ軸4及び軸受本体9の内輪と一緒に回転する。
【0026】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ11のフランジ11bは非接触状態で対向して2段階のラビリンスシールを形成し、左右のフランジ付きスリーブ11間に保持された軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。即ち、図3(b)の本願における代表的なラビリンス構造(片側部分)の拡大説明図に示すように、軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース、及び塵やゴミは同図に→で示すように、軸受本体9の側面とフランジ付きスリーブ11のフランジ11b及びハウジング10の周縁部10aとで形成される隙間(L)を通って外部に流れるが、前記隙間(L)は極小寸法で且つ迷路状であるため、潤滑油やグリース、及び塵やゴミは外部に流出(漏出)しにくくなっており、その結果、外部への流出(漏出)は最小限に抑えられる。
【0027】
軸受装置B2は、図2に示すように、ローラ軸4の軸端部(図2では右側端)が他物(本実施例ではフレーム1’)で被覆される状況に設置される軸受装置で、前記した軸受装置B1と同様、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体9を、左右二分割形態のハウジング10で軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体9のフレーム1’と対向しない側面にはハウジング10の周縁部10aの内側に位置させてフランジ付きスリーブ13がローラ軸4に嵌装され、更にそのフランジ付きスリーブ13の筒部内周面とローラ軸4の外周面との間に楔状筒14が前記フランジ付きスリーブ13の開放端部側から差し込まれて固定化されている。
【0028】
上記フランジ付きスリーブ13は、軸受装置B1におけるフランジ付きスリーブ11と同様、筒部13aの一側部にフランジ13bを径方向外側に向けて直角に突設しており、筒部13aの内周面は開放端側からフランジ13b側に向かって漸次小径となるテーパ面に形成され、そのテーパ面によって該筒部内側に差し込まれる楔状筒14が締着され、フランジ付きスリーブ13がローラ軸4と一体回転可能状態に定着される。
【0029】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ13のフランジ13bは非接触状態で対向してラビリンスシールを形成し、左右二分割のハウジング10間に保持された軸受本体9に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。
【0030】
軸受装置B3は、図2に示すように、ローラ軸4の軸方向中間部を支持する軸受装置で、前記軸受装置B1,B2と同様、ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体15を、左右二分割形態のハウジング10で軸芯方向左右より接合合着して内部に収容保持し、且つ前記軸受本体15の内輪の内側に軸方向一側より他側方に向けてフランジ付きスリーブ16を嵌挿通すると共に、軸受本体15を貫通した該スリーブ16の筒部外周にフランジ付きスリーブ17を嵌着し、更に、前記フランジ付きスリーブ16とローラ軸4との間に楔状筒14が前記フランジ付きスリーブ16の開放端部側から差し込まれて固定化されている。
【0031】
上記軸受本体15は、前記軸受装置B1,B2における軸受本体9より内輪の内径が大径で、ローラ軸4の外周面との間に環状の空隙が生じるようにし、この空隙にフランジ付きスリーブ16と楔状筒14を互い違い状に差し込むことでローラ軸4と軸受本体15の内輪とが連結一体化されている。
【0032】
フランジ付きスリーブ16は、軸受本体15の内輪に嵌合する筒部16aと、筒部16aの軸方向一側部に径方向外側に向けて直角に突設したフランジ16bとで構成され、前記筒部16aの内周面は開放端側からフランジ16b側に向かって漸次小径となるテーパ面に形成され、更に、筒部周壁には開放端側からフランジ側に向かって所定深さのスリット18が周方向に沿って所定間隔を置いて形成されている(軸受装置B1におけるフランジ付きスリーブ11と略同様の形態)。
【0033】
フランジ付きスリーブ17は、前記フランジ付きスリーブ16の筒部16aの開放側側部外周面上に嵌合し得る短い筒部17aと、その筒部17aの一側部にフランジ付きスリーブ16のフランジ16bと同径のフランジ17bが径方向外側に向けて直角に突設されている。
【0034】
上記構成により、ハウジング10の周縁部10aとフランジ付きスリーブ16,17のフランジ16b,17bは非接触状態で対向してラビリンスシールを形成し、左右二分割のハウジング10間に保持された軸受本体15に給油されている潤滑油やグリース等は前記ラビリンスシールによってハウジング10外部への流出(漏出)が最小限に抑えられる。
【0035】
上記はローラコンベヤA1を構成するローラ軸4を支持する軸受装置Bであるが、各軸受装置B1,B2,B3は図示した使用場所に限定されるものではなく、例えば、従動磁気車寄りの側部に配置した軸受装置B1をローラ軸4の中間部に配置したり、或いは軸受装置B3を従動磁気車と反対側の軸端に配置するなど任意である。
【0036】
又、上記ローラコンベヤA1における各ローラ軸3に非接触で動力を伝達する駆動機構部分にも軸受本体の潤滑油等の流出(漏出)、及び動力伝達を行う歯車列から生じる発塵等の流出を防止する防止手段が講じられている。以下、その構成を図8及び図9に基づいて説明する。
図8はローラ軸4に回転力を非接触で伝達する駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’の駆動機構を示し、モータ31の回転が歯車列32を介して駆動磁気車7を取り付けた駆動軸7’に伝達されるように構成され、前記歯車列32は歯車ケース33に収納されている。そして、駆動軸7’に固着された歯車列32の最終歯車32’の軸部が、該歯車ケース33の一側内部に配置した軸受本体34で支持され、最終歯車32’の反対側は駆動軸7’の外周面が、歯車ケース33の側面板33’の切欠部46に装着した上下のシールド35,36で最小の隙間に確保されている。また、前記軸受本体34は、ハウジング47と蓋板48で収容保持されている。
【0037】
上下のシールド35,36は、図9に示すように、合成樹脂の成形品で半円形の軸受部を備えており、歯車ケース33の一側面を形成する側面板33’に切り欠いた矩形状の切欠部46に下側のシールド36を装着し、駆動軸7’をシールド36に落とし込んだ後、上側のシールド35を切欠部46に装着して駆動軸7’の支持を完了する。
【0038】
次に、クロスローラコンベヤAを構成するもう一方のローラコンベヤA2の搬送ローラ
の軸受装置について説明する。
ローラコンベヤA2は、図1及び図11,図12に示すように、扁平長尺のケース19内に、該ケースの長手方向に沿ってマグネットリング(従動磁気車)20を取り付けた搬送ローラ21を回転可能に軸支し、そのマグネットリング(従動磁気車)20の直下に、前記マグネットリング(従動磁気車)20と対応してマグネットリング(駆動磁気車)22を取り付けた駆動軸23を非接触状態で回転可能に直交配置すると共に、該駆動軸23の所定箇所にはマグネットリング(伝達用磁気車)24が固着されている。そして、上記の如く搬送ローラ21を備えたケース19を支持桟25,25’上に所定の間隔(前記ローラコンベヤA1のローラ軸4相互間から出没し得る間隔)をおいて並設固定し、各ケース19のマグネットリング(伝達用磁気車)24の直下に、該マグネットリング(伝達用磁気車)24と対応させてマグネットリング(伝達用磁気車)26を取り付けた動力伝達軸27が直交配置され、その動力伝達軸27はモータ28の回転が歯車列29を介して伝達されるように構成されている。尚、動力伝達軸27へ回転力を伝達する駆動機構及び訴の支持構造は、ローラコンベヤA1の駆動機構(図8及び図9参照)と同じ構造であるため、説明は省略する。
【0039】
上記構成により、動力伝達軸27が回転すると該動力伝達軸27に取り付けられたマグネットリング(伝達用磁気車)26と各ケース19のマグネットリング(伝達用磁気車)24の作用で各ケース19に内蔵された駆動軸23が回転し、その駆動軸23に取り付けられたマグネットリング(駆動磁気車)22とマグネットリング(従動磁気車)20の作用で搬送ローラ21が回転される。
【0040】
そして、上記ローラコンベヤA2は上下昇降手段、例えば図10に示すように、エアーシリンダ30とリンク機構37,37’の組合せによってローラコンベヤA1に対して上下出没自在に構成されている。即ち、エアーシリンダ30のロッドが伸長している状態ではリンク機構37,37’を介してローラコンベヤA2は下方に位置され(図10(a)参照)、エアーシリンダ30のロッドが引込まれている状態ではリンク機構37,37’を介して上方に押し上げられ、搬送ローラ21の頂面はローラコンベヤA1の搬送ローラ3の頂面より上方に突出され(図10(b)参照)、ローラコンベヤA2による搬送が可能となる。
【0041】
以下、上記したローラコンベヤA2の搬送ローラ21の支持構造を図13に基づいて説明する。
ラビリンスシールを備えない一般的な汎用品の玉軸受からなる軸受本体38,38’を、合成樹脂材からなる円筒形状をした軸方向二分割構造のハウジング39,39’の内部に嵌合装着する。そして、一方のハウジング39の外側にマグネットリング(従動磁気車)20を嵌着固定し、他方のハウジング39’の外側には搬送ローラ21を嵌着固定し、両ハウジング39,39’の凹凸端面同士を噛み合わせて合着一体化する。そして、その一体化したハウジング39,39’内の軸受本体38,38’に支軸40を挿通すると共に、支軸40の頭部40’と軸受本体38の間にウエーブワッシャ41とフランジ付きスリーブ42が挟入挿着され、更に前記フランジ付きスリーブ42のフランジ42aを覆うようにリング状のカバー43がハウジング39の側面開口部に嵌着固定され、このフランジ付きスリーブ42とカバー43とで非接触のラビリンスシールが形成されている。又、ハウジング39’の側面開口部には該開口部を閉鎖するキャップ44が嵌着固定されている。
上記支軸40はケース19内に挿入され、ケース19の外側から前記支軸40にボルト45を螺合締着して片持ち支持されている。
【0042】
上記構成により、軸受本体38,38’に給油されている潤滑油やグリース等は、ハウジングと一体回転するカバー43と、固定の支軸40と一体化するフランジ付きスリーブ42とで非接触のラビリンスシールが形成され、潤滑油等の流出(漏出)が最小限に抑えられ、回転抵抗を増大させず、且つ前記ラビリンスシールを形成する部材の劣化を防止でき、その結果、塵やゴミの発生を防止できる。
【0043】
以上の如く構成したクロスローラコンベヤAは、該コンベヤを構成するローラコンベヤA1,A2の回転部の支持を、汎用品の軸受本体を用いて、ラビリンスシールを組み込んだ特殊な軸受と同等の効果を期待することができる。従って、クリーンルーム等で使用するコンベヤを安価に製作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る軸受装置は、コンベヤに限らず、機械一般の回転部の軸受装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る軸受装置を備えたクロスローラコンベヤを示す平面図。
【図2】クロスローラコンベヤを構成するローラコンベヤA1のローラ軸の中間部分を支持した支持構造を示す拡大断面図。
【図3】ローラ軸の駆動側の支持構造を示し、(a)は拡大断面図、(b)は潤滑油や塵等の流れの経路を示す拡大説明図。
【図4】図3の軸受装置とホルダーとを分離した状態の分解斜視図。
【図5】同軸受装置をホルダーに嵌合セットした状態の一部切欠側面図。
【図6】軸受装置を構成するハウジングを示す、(a)は側面図、(b)は(a)図の(6)−(6)線に沿える縦断面図。
【図7】同軸受装置の組立状態を示す分解斜視図。
【図8】クロスローラコンベヤを構成するローラコンベヤA1の駆動部を示す一部切欠側面図。
【図9】同駆動部の歯車ケースにおける側面板の構造を示す斜視図。
【図10】図1の(10)−(10)線に沿える拡大断面図で、(a)はローラコンベヤA2がローラコンベヤA1より下側に降下している状態、(b)はローラコンベヤA2がローラコンベヤA1より上方に突出した状態を示す。
【図11】図1の(11)−(11)線に沿える拡大断面図。
【図12】ローラコンベヤA2の駆動部を示す拡大正面図。
【図13】図11の(13)−(13)線に沿える拡大断面図。
【符号の説明】
【0046】
A…クロスローラコンベヤ
A1,A2…ローラコンベヤ
B,B1,B2,B3…軸受装置
9,15,38,38’…軸受本体
10,39,39’…ハウジング
11,13,16,17,42…フランジ付きスリーブ
14…拡開筒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、
軸受本体をハウジング内に収容保持し、且つ該ハウジングの周縁部との間に複数段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブを、軸外周上に一体回転状に取り付けたことを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、該スリーブの筒部は周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部の径方向の弾発力で軸に緊締することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、フランジ付きスリーブは、筒部に周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、一方のフランジ付きスリーブは筒部を軸部外周面と軸受本体との間に軸方向一側より挿入し、他方側から前記筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項5】
搬送ローラを取り付けたローラ軸及び該ローラ軸に動力を伝達する駆動軸等の回転軸を、前記請求項1乃至4記載の軸受装置で支持したことを特徴とするローラコンベヤ。
【請求項1】
回転軸を、軸方向の端部、或いは中間部で回転自在に支持する軸受装置であって、
軸受本体をハウジング内に収容保持し、且つ該ハウジングの周縁部との間に複数段階で非接触のラビリンスを形成するフランジ付きスリーブを、軸外周上に一体回転状に取り付けたことを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、該スリーブの筒部は周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部の径方向の弾発力で軸に緊締することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、フランジ付きスリーブは、筒部に周方向に沿ってスリットが形成され、その筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、軸方向左右方向より接合合着する左右二分割の形態を有し、軸受本体の軸方向左右両側にフランジ付きスリーブを配置すると共に、一方のフランジ付きスリーブは筒部を軸部外周面と軸受本体との間に軸方向一側より挿入し、他方側から前記筒部と軸部外周面との間に拡開筒を嵌合して固定することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
【請求項5】
搬送ローラを取り付けたローラ軸及び該ローラ軸に動力を伝達する駆動軸等の回転軸を、前記請求項1乃至4記載の軸受装置で支持したことを特徴とするローラコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−214461(P2006−214461A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25226(P2005−25226)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(391019289)マルヤス機械株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(391019289)マルヤス機械株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
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