軸受装置
【課題】連結ピンの耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることのできる軸受装置を提供する。
【解決手段】連結ピン21を、鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを接続することにより構成する。ここで、鉄鋼製軸端側部材22は、高強度の鉄鋼材を用いて形成されたもので、連結ピン21の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される。また、樹脂製中間部材23は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成されたもので、連結ピン21の軸方向の中間部に配置される。これにより、連結ピン21の耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【解決手段】連結ピン21を、鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを接続することにより構成する。ここで、鉄鋼製軸端側部材22は、高強度の鉄鋼材を用いて形成されたもので、連結ピン21の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される。また、樹脂製中間部材23は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成されたもので、連結ピン21の軸方向の中間部に配置される。これにより、連結ピン21の耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に装備される作業装置のピン結合部等に好適に用いられる軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、例えば作業装置のブーム、アームおよびバケットをそれぞれ軸受装置により回動可能に連結している。そして、土砂等の掘削作業時には、ブームシリンダ、アームシリンダおよびバケットシリンダを伸縮させることにより、ブーム、アームおよびバケットを回動し、土砂の掘削を行う。
【0003】
また、この軸受装置は、例えば一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとにより大略構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−120693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来技術では、例えば連結ピン全体を高強度の鉄鋼材等を用いて形成する構成としている。このような鉄鋼材を用いて形成された連結ピンは、例えば各ブッシュと摺接する部分の耐摩耗性を確保することができるが、重量が嵩み易くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、連結ピンの耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることのできる軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとを備えてなる軸受装置に適用される。
【0008】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記連結ピンは、軸方向の両端側に位置して前記各ブッシュと前記各ブラケットの各ピン保持孔とに挿通され、少なくともその外周側が鉄鋼材を用いて形成された一対の鉄鋼製軸端側部材と、軸方向の中間部に配置され少なくともその外周側が繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材とにより構成したことにある。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材は中空状または中実状に形成し、前記樹脂製中間部材は中空状または中実状に形成してなる構成としたことにある。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち一方の部材の軸方向端面には他方の部材に向けて軸方向に突出する凸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち他方の部材の軸方向端面には前記凸部が嵌合する凹部を設け、前記凸部と凹部とを嵌合させた状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としたことにある。
【0011】
さらに、請求項4の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材は軸中心を通って形成される軸中心孔を有する中空状に形成し、前記樹脂製中間部材の軸方向両端部には前記各鉄鋼製軸端側部材に向けて張出した張出し軸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に前記張出し軸部を挿通した状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、連結ピンを鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とにより構成しているので、連結ピンの耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。すなわち、連結ピンのうち各ブッシュと各ブラケットのピン保持孔とに挿通される部分(軸方向両端部)は、少なくとも外周側が高強度の鉄鋼材を用いて形成された鉄鋼製軸端側部材により構成しているので、連結ピンのうち各ブッシュの内周面と摺動する部分の耐摩耗性を確保できると共に各ブラケットのピン保持孔に嵌合される部分の嵌合強度を確保できる。一方、連結ピンのうち各ブッシュの内周面と摺動せず、かつ、各ブラケットのピン保持孔にも嵌合されない部分(軸方向中間部)は、少なくとも外周側が軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材により構成しているので、連結ピンの軽量化を図ることができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、各鉄鋼製軸端側部材を中空状または中実状に形成し、樹脂製中間部材を中空状または中実状に形成してなる構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続することにより連結ピンを容易に形成できる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、凸部と凹部とを嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、請求項4の発明によれば、各鉄鋼製軸端側部材は軸中心孔を有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材の両端部に設けた張出し軸部を各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に挿通した状態で各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態による軸受装置が適用された油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】軸受装置を図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図2中の連結ピンを単体で示す正面図である。
【図4】連結ピンを図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による軸受装置を示す図2と同様な断面図である。
【図8】図7中の連結ピンを単体で示す正面図である。
【図9】連結ピンを図8中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図11】本発明の第1の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図12】本発明の第2の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図13】本発明の第3の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図14】本発明の第4の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図15】本発明の第5の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による軸受装置を油圧ショベルのアームとバケットとの連結部に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0018】
ここで、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は油圧ショベルの下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2は、旋回フレーム3を有し、該旋回フレーム3上には、建屋カバー4、キャブボックス5およびカウンタウェイト6等が設けられている。
【0019】
7は上部旋回体2の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置7は、上部旋回体2の旋回フレーム3の前部側にピン結合されたブーム7Aと、ブーム7Aの先端側にピン結合されたアーム7Bと、アーム7Bの先端側にピン結合されたバケット7Cとによって大略構成されている。
【0020】
そして、作業装置7は、ブーム7Aがブームシリンダ7Dによって上,下に俯仰動され、アーム7Bはアームシリンダ7Eによりブーム7Aに対して俯仰動される。また、バケット7Cはバケットシリンダ7Fによりリンク7G,7Hを介して回動されるものである。
【0021】
ここで、例えば作業装置7を構成するブーム7Aと旋回フレーム3の前部側との間、ブーム7Aとアーム7Bとの間、アーム7Bとバケット7Cとの間は、それぞれ軸受装置を用いてピン結合されている。以下、この作業装置7のうち、例えば一側部材となるアーム7Bと相手方部材となるバケット7Cとの間の軸受装置11を例に挙げ説明する。
【0022】
11はアーム7Bとバケット7Cとを回動可能に連結する軸受装置で、該軸受装置11は、図2に示すように、後述のアームボス12、ブッシュ13、ブラケット14、連結ピン21により大略構成されている。
【0023】
12はアーム7Bの先端側に設けられたボスとしてのアームボスで、該アームボス12は、軸方向に間隔をもって配置された左,右一対のボス部12Aと、該各ボス部12Aを連結するボスパイプ12Bとからなり、略円筒状をなして一体に形成されている。ここで、各ボス部12Aの内周側には、軸方向に延びるピン挿通孔12Cがそれぞれ設けられている。
【0024】
13は各ボス部12Aのピン挿通孔12C内にそれぞれ嵌着された左,右一対のブッシュで、該各ブッシュ13は、軸方向に離間して配設され、その内周側は後述の連結ピン21との摺動面となっている。
【0025】
14はバケット7Cに溶接等により固着して設けられた左,右一対のブラケットで、該各ブラケット14は、アームボス12の軸方向両端側に対向して配置されている。そして、各ブラケット14には、各ピン挿通孔12Cに対応する位置にそれぞれピン保持孔14Aが設けられている。
【0026】
21はアームボス12と各ブラケット14とを相対回転可能に連結する連結ピンで、該連結ピン21は、各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通されている。ここで、連結ピン21は、後述の鉄鋼製軸端側部材22、樹脂製中間部材23および固着部24により大略構成されている。
【0027】
22は連結ピン21の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通された左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材22は、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されたものである。
【0028】
23は連結ピン21の軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材23は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)、例えば炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂、アラミド繊維強化樹脂等を用いて中実の円柱状に形成されたものである。ここで、樹脂製中間部材23の外径寸法Aは、各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bと同一の寸法(A=B)に形成している。
【0029】
24は樹脂製中間部材23の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材22の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部24は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、樹脂製中間部材23の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材22の軸方向端面とを突合わせた状態で、これら各鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを固着部24によって接着することにより、1本の連結ピン21を構成している。
【0030】
25はブラケット14に対する連結ピン21の廻止めと抜止めとを行う廻止め装置、26は各ボス部12Aのうち各ブラケット14側の端部内周に装着されたダストシール、27は各ボス部12Aのうち各ブラケット14とは反対側の端部内周に装着されたオイルシールである。
【0031】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置11は上述の如き構成を有するもので、油圧ショベルの掘削作業時には、軸受装置11を介してアーム7Bの先端側にピン結合されたバケット7Cが、バケットシリンダ7Fの伸縮動作に応じて連結ピン21を中心として回動動作を行う。
【0032】
ここで、本実施の形態では、連結ピン21を、軸方向の両端側に配置された鉄鋼製軸端側部材22と、軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材23とにより構成しているので、連結ピン21の耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0033】
すなわち、連結ピン21のうち各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される部分(軸方向両端部)は、高強度の鉄鋼材を用いて形成された鉄鋼製軸端側部材22により構成している。このため、例えば連結ピン全体を鉄鋼材を用いて形成した場合と同様に、連結ピン21のうち各ブッシュ13の内周面と摺動する部分の耐摩耗性を確保できると共に、各ブラケット14のピン保持孔14Aに嵌合される部分の嵌合強度を確保できる。
【0034】
一方、連結ピン21のうち各ブッシュ13の内周面と摺動せず、かつ、各ブラケット14のピン保持孔14Aにも嵌合されない部分(軸方向中間部)は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材23により構成している。このため、例えば連結ピン全体を鉄鋼材を用いて形成した場合に比べ、連結ピン21の軽量化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、各鉄鋼製軸端側部材22を中実の円柱状に形成し、樹脂製中間部材23を中実の円柱状に形成してなる構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを接続することにより連結ピン21を容易に形成できる。
【0036】
しかも、樹脂製中間部材23の外径寸法Aと各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bとを同一寸法としたので、これら樹脂製中間部材23と各鉄鋼製軸端側部材22とを接続した状態で、連結ピン21の外径寸法を長さ方向にわたって同一な寸法にすることができ、連結ピン21を各ブラケット14のピン保持孔14Aとアームボス12の各ボス部12Aとに挿通する作業を容易に行える。
【0037】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを、凹部と凸部とによる凹凸嵌合により接続したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0038】
図中、31は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン31は、後述の鉄鋼製軸端側部材32、樹脂製中間部材33および固着部34により大略構成されている。
【0039】
32は連結ピン31の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材32は、上述した第1の実施の形態による鉄鋼製軸端側部材22と同様に、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されている。そして、各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面には、後述の樹脂製中間部材33に向けて軸方向に突出する凸部32Aを設けている。
【0040】
ここで、凸部32Aは、各鉄鋼製軸端側部材32の中心軸線C−Cに直交する方向の断面形状が各鉄鋼製軸端側部材32よりも一回り小さな円形となった円柱状に形成されたもので、その外径寸法Dは軸方向にわたって同一寸法に設定されている。
【0041】
33は連結ピン31の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材33は、上述した第1の実施の形態による樹脂製中間部材23と同様に、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材33の軸方向両端面には、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aが嵌合する凹部33Aをそれぞれ設けている。
【0042】
ここで、各凹部33Aは、樹脂製中間部材33の中心軸線C−Cに直交する方向の断面形状を、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aと同様に円形とし、その内径寸法Eは軸方向にわたって同一寸法に設定されている。また、各凹部33Aの内径寸法Eは、例えば凸部32Aの外径寸法Dよりも僅かに小さくすることにより、各凹部33Aと各凸部32Aとの嵌合が締り嵌めとなるようにしている。
【0043】
34は樹脂製中間部材33の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部34は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aを樹脂製中間部材33の各凹部33Aに圧入嵌合させると共に、これら各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とを固着部34によって接着することにより、1本の連結ピン31を構成している。
【0044】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は、上述の如き各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とにより連結ピン31を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0045】
然るに、本実施の形態によれば、各凸部32Aと各凹部33Aとを圧入嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33との接続強度(結合強度)の向上を図ることができ、連結ピン31の信頼性を高めることができる。
【0046】
次に、図6は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを、テーパ部を設けた凹部と凸部とによる凹凸嵌合により接続することにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】
図中、41は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン41は、後述の鉄鋼製軸端側部材42、樹脂製中間部材43および固着部44により大略構成されている。
【0048】
42は連結ピン41の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材42は、上述した第1の実施の形態による鉄鋼製軸端側部材22と同様に、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されている。そして、各鉄鋼製軸端側部材42の軸方向端面には、後述の樹脂製中間部材43に向けて軸方向に突出する凸部42Aを設けている。
【0049】
ここで、凸部42Aは、各鉄鋼製軸端側部材42の中心軸線F−Fを中心とする円錐台状に形成されている。すなわち、凸部42Aの外周面には、凸部42Aの基端部から先端部に向けて外径寸法Gが徐々に小さくなるように傾斜した円すい凸面状のテーパ部42Bが軸方向全体にわたって設けられている。
【0050】
43は連結ピン41の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材43は、上述した第1の実施の形態による樹脂製中間部材23と同様に、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材43の軸方向両端面には、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aが嵌合する凹部43Aをそれぞれ設けている。
【0051】
ここで、各凹部43Aは、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aと同様に、樹脂製中間部材43の中心軸線F−Fを中心とする有底な円錐台状に形成されている。すなわち、凹部43Aの内周面には、凹部43Aの底部から開口部に向けて内径寸法Hが徐々に大きくなるように傾斜した円すい凹面状のテーパ部43Bが軸方向全体にわたって設けられている。
【0052】
44は樹脂製中間部材43の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材42の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部44は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aを樹脂製中間部材43の各凹部43Aに嵌合させると共に、これら各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とを固着部44によって接着することにより、1本の連結ピン41を構成している。
【0053】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とにより連結ピン41を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0054】
然るに、本実施の形態によれば、各凸部42Aと各凹部43Aとを嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0055】
しかも、本実施の形態によれば、凸部42Aの外周面と凹部43Aの内周面とにそれぞれテーパ部42B,43Bを設ける構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43との接続部の断面強度を軸方向に関して徐々に(少しずつ)変化させることができる。このため、樹脂製中間部材43の応力集中を低減することができ、連結ピン41の信頼性を一層高めることができる。
【0056】
次に、図7ないし図9は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に樹脂製中間部材の張出し軸部を挿通することにより、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続することにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0057】
図中、51は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン51は、後述の鉄鋼製軸端側部材52、樹脂製中間部材53および固着部54より大略構成されている。
【0058】
52は連結ピン51の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通された左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材52は、高強度の鉄鋼材を用いて中空の円柱状(円筒状)に形成されている。すなわち、該各鉄鋼製軸端側部材52には、軸中心を通る軸中心孔52Aが設けられており、全体として中空状の円筒部材として形成されている。
【0059】
53は連結ピン51の軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材53は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材53の軸方向両端部には、各鉄鋼製軸端側部材52に向けて張出した円柱状の張出し軸部53Aが設けられている。ここで、張出し軸部53Aの外径寸法Iは、樹脂製中間部材53の中間部(張出し軸部53Aに挟まれた部分)の外径寸法Jと同一寸法(I=J)に設定されている。これにより、樹脂製中間部材53はその全長にわたって同一な外径寸法を有する円柱状の棒状部材として形成されている。
【0060】
また、張出し軸部53Aの外径寸法Iは、例えば該各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aの内径寸法Kよりも僅かに大きくすることにより、張出し軸部53Aと軸中心孔52Aとの嵌合が締り嵌めとなるように設定している。
【0061】
54は各張出し軸部53Aの外周面と軸中心孔52Aの内周面との間に位置してこれら両周面同士を接続する固着部で、該各固着部54は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aに樹脂製中間部材53の各張出し軸部53Aを挿通(圧入嵌合)すると共に、これら各軸中心孔52Aと各張出し軸部53Aとを固着部54によって接着することにより、1本の連結ピン51を構成している。
【0062】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53とにより連結ピン51を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0063】
然るに、本実施の形態によれば、各鉄鋼製軸端側部材52は軸中心孔52Aを有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材52を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材53の両端部に設けた各張出し軸部53Aを各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aに挿通(嵌合)した状態で各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0064】
次に、図10は本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に樹脂製中間部材の張出し軸部を挿通することにより、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続すると共に、連結ピンの外径寸法を長さ方向にわたって同一な寸法にしたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0065】
図中、61は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン61は、後述の鉄鋼製軸端側部材62、樹脂製中間部材63および固着部64により大略構成されている。
【0066】
62は連結ピン61の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材62は、高強度の鉄鋼材を用いて中空の円柱状(円筒状)に形成されている。すなわち、該各鉄鋼製軸端側部材62には、軸中心を通る軸中心孔62Aが設けられており、全体として中空状の円筒部材として形成されている。
【0067】
63は連結ピン61の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材63は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて形成されている。また、樹脂製中間部材63の軸方向両端部には、各鉄鋼製軸端側部材62に向けて張出した円柱状の張出し軸部63Aが設けられている。ここで、張出し軸部63Aの外径寸法Lは、樹脂製中間部材63の中間部(張出し軸部63Aに挟まれた部分)の外径寸法Mよりも小さくしている。また、樹脂製中間部材63の中間部の外径寸法Mは、各鉄鋼製軸端側部材62の外径寸法Nと同一(M=N)となるようにしている。
【0068】
また、張出し軸部63Aの外径寸法Lは、例えば該各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aの内径寸法Pよりも僅かに大きくすることにより、張出し軸部63Aと軸中心孔62Aとの嵌合が締り嵌めとなるようにしている。
【0069】
64は各張出し軸部63Aの外周面と軸中心孔62Aの内周面との間に位置してこれら両周面同士を接続する固着部で、該各固着部64は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに樹脂製中間部材63の各張出し軸部63Aを挿通(圧入嵌合)すると共に、これら各軸中心孔62Aと各張出し軸部63Aとを固着部64によって接着することにより、1本の連結ピン61を構成している。
【0070】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63とにより連結ピン61を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0071】
然るに、本実施の形態によれば、各鉄鋼製軸端側部材62は軸中心孔62Aを有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材62を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材63の両端部に設けた各張出し軸部63Aを各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに挿通した状態で各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0072】
しかも、本実施の形態によれば、樹脂製中間部材63の中間部の外径寸法Mと各鉄鋼製軸端側部材62の外径寸法Nとを同一寸法としたので、樹脂製中間部材63の張出し軸部63Aを各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに挿通した状態で、連結ピン61の外径寸法をその全長にわたって同一な外径寸法にすることができ、連結ピン61を各ブラケット14のピン保持孔14Aと各ボス部12A内とに挿通する作業を容易に行える。
【0073】
なお、上述した第1の実施の形態では、樹脂製中間部材23の外径寸法Aと各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bとを同一な寸法に設定した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す第1の変形例のように、樹脂製中間部材101の外径寸法Qを各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bよりも小さくしてもよい。この場合には、更なる軽量化を図れる。
【0074】
また、上述した第2の実施の形態では、樹脂製中間部材33を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図12に示す第2の変形例のように、樹脂製中間部材111を中空状に形成してもよい。すなわち、樹脂製中間部材111に軸中心を通る軸中心孔112を設けることにより、樹脂製中間部材111を中空状の円筒部材として形成してもよい。この場合には、各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面に設けた凸部32Aを樹脂製中間部材111の軸中心孔112に挿通(圧入嵌合)させることもできる。このことは、第3の実施の形態による樹脂製中間部材43についても同様である。
【0075】
また、上述した第2および第3の実施の形態では、各鉄鋼製軸端側部材32,42に凸部32A,42Aを設けると共に樹脂製中間部材33,43に凹部33A,43Aを設ける構成とした場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば各鉄鋼製軸端側部材に凹部を設けると共に樹脂製中間部材に凸部を設ける構成としてもよい。
【0076】
また、上述した第2および第3の実施の形態では、凸部32A,42Aおよび凹部33A,43Aの断面形状を円形に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば凸部および凹部の断面形状を楕円形、多角形等の非円形に形成してもよい。
【0077】
また、上述した第3の実施の形態では、凸部42Aの外周面の軸方向全体にわたってテーパ部42Bを設けると共に凹部43Aの内周面の軸方向全体にわたってテーパ部43Bを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば凸部の外周面および凹部の内周面の軸方向一部に、連結ピンの中心軸線に対し傾斜したテーパ部を設けてもよい。
【0078】
また、上述した第4の実施の形態では、樹脂製中間部材53を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す第3の変形例のように、樹脂製中間部材121を(張出し軸部121Aも含んで)中空状に形成してもよい。
【0079】
また、上述した第5の実施の形態では、樹脂製中間部材63を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図14に示す第4の変形例のように、樹脂製中間部材131を(張出し軸部131Aも含んで)中空状に形成してもよい。
【0080】
また、上述した第4および第5の実施の形態では、張出し軸部53A,63Aの断面形状を円形に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば張出し軸部の断面形状を楕円形、多角形等の非円形に形成してもよい。この場合には、張出し軸部が挿通される軸中心孔の断面形状を張出し軸部の断面形状に合わせる。
【0081】
また、上述した第1ないし第3の実施の形態では、左,右一対の鉄鋼製軸端側部材22,32,42を別体に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図15に示す第5の変形例のように、左,右一対の鉄鋼製軸端側部材141を鉄鋼製連結部材142により連結して一体形成してもよい。
【0082】
この場合には、鉄鋼製連結部材142の外周側に円筒状の樹脂製中間部材143を設けることができる。このように構成した場合には、樹脂製中間部材143の内側に心材となる鉄鋼製連結部材142が存在するため、連結ピン144全体の強度の向上を図ることができる。また、鉄鋼製連結部材142の周囲に繊維強化樹脂(FRP)を巻きつける工法により樹脂製中間部材143を形成することができるため、連結ピン144の製作の容易化を図ることができる。
【0083】
また、上述した各実施の形態では、軸受装置をアームとバケットとの間のピン結合部に適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば作業装置を構成するブームの先端とアームとの間のピン結合部、ブームのフート部と旋回フレームの前部側との間のピン結合部等に軸受装置を適用してもよい。
【0084】
さらに、上述した各実施の形態では、軸受装置を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0085】
11 軸受け装置
12 アームボス(ボス)
12C ピン挿通孔
13 ブッシュ
14 ブラケット
14A ピン保持孔
21,31,41,51,61,144 連結ピン
22,32,42,52,62,141 鉄鋼製軸端側部材
23,33,43,53,63,101,111,121,131,143 樹脂製中間部材
32A,42A 凸部
33A,43A 凹部
52A,62A,112 軸中心孔
53A,63A,121A,131A 張出し軸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に装備される作業装置のピン結合部等に好適に用いられる軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、例えば作業装置のブーム、アームおよびバケットをそれぞれ軸受装置により回動可能に連結している。そして、土砂等の掘削作業時には、ブームシリンダ、アームシリンダおよびバケットシリンダを伸縮させることにより、ブーム、アームおよびバケットを回動し、土砂の掘削を行う。
【0003】
また、この軸受装置は、例えば一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとにより大略構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−120693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来技術では、例えば連結ピン全体を高強度の鉄鋼材等を用いて形成する構成としている。このような鉄鋼材を用いて形成された連結ピンは、例えば各ブッシュと摺接する部分の耐摩耗性を確保することができるが、重量が嵩み易くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、連結ピンの耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることのできる軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとを備えてなる軸受装置に適用される。
【0008】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記連結ピンは、軸方向の両端側に位置して前記各ブッシュと前記各ブラケットの各ピン保持孔とに挿通され、少なくともその外周側が鉄鋼材を用いて形成された一対の鉄鋼製軸端側部材と、軸方向の中間部に配置され少なくともその外周側が繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材とにより構成したことにある。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材は中空状または中実状に形成し、前記樹脂製中間部材は中空状または中実状に形成してなる構成としたことにある。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち一方の部材の軸方向端面には他方の部材に向けて軸方向に突出する凸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち他方の部材の軸方向端面には前記凸部が嵌合する凹部を設け、前記凸部と凹部とを嵌合させた状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としたことにある。
【0011】
さらに、請求項4の発明は、前記各鉄鋼製軸端側部材は軸中心を通って形成される軸中心孔を有する中空状に形成し、前記樹脂製中間部材の軸方向両端部には前記各鉄鋼製軸端側部材に向けて張出した張出し軸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に前記張出し軸部を挿通した状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、連結ピンを鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とにより構成しているので、連結ピンの耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。すなわち、連結ピンのうち各ブッシュと各ブラケットのピン保持孔とに挿通される部分(軸方向両端部)は、少なくとも外周側が高強度の鉄鋼材を用いて形成された鉄鋼製軸端側部材により構成しているので、連結ピンのうち各ブッシュの内周面と摺動する部分の耐摩耗性を確保できると共に各ブラケットのピン保持孔に嵌合される部分の嵌合強度を確保できる。一方、連結ピンのうち各ブッシュの内周面と摺動せず、かつ、各ブラケットのピン保持孔にも嵌合されない部分(軸方向中間部)は、少なくとも外周側が軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材により構成しているので、連結ピンの軽量化を図ることができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、各鉄鋼製軸端側部材を中空状または中実状に形成し、樹脂製中間部材を中空状または中実状に形成してなる構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続することにより連結ピンを容易に形成できる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、凸部と凹部とを嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、請求項4の発明によれば、各鉄鋼製軸端側部材は軸中心孔を有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材の両端部に設けた張出し軸部を各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に挿通した状態で各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態による軸受装置が適用された油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】軸受装置を図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図2中の連結ピンを単体で示す正面図である。
【図4】連結ピンを図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による軸受装置を示す図2と同様な断面図である。
【図8】図7中の連結ピンを単体で示す正面図である。
【図9】連結ピンを図8中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図11】本発明の第1の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図12】本発明の第2の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図13】本発明の第3の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図14】本発明の第4の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【図15】本発明の第5の変形例による連結ピンを示す図4と同様な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による軸受装置を油圧ショベルのアームとバケットとの連結部に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0018】
ここで、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は油圧ショベルの下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2は、旋回フレーム3を有し、該旋回フレーム3上には、建屋カバー4、キャブボックス5およびカウンタウェイト6等が設けられている。
【0019】
7は上部旋回体2の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置7は、上部旋回体2の旋回フレーム3の前部側にピン結合されたブーム7Aと、ブーム7Aの先端側にピン結合されたアーム7Bと、アーム7Bの先端側にピン結合されたバケット7Cとによって大略構成されている。
【0020】
そして、作業装置7は、ブーム7Aがブームシリンダ7Dによって上,下に俯仰動され、アーム7Bはアームシリンダ7Eによりブーム7Aに対して俯仰動される。また、バケット7Cはバケットシリンダ7Fによりリンク7G,7Hを介して回動されるものである。
【0021】
ここで、例えば作業装置7を構成するブーム7Aと旋回フレーム3の前部側との間、ブーム7Aとアーム7Bとの間、アーム7Bとバケット7Cとの間は、それぞれ軸受装置を用いてピン結合されている。以下、この作業装置7のうち、例えば一側部材となるアーム7Bと相手方部材となるバケット7Cとの間の軸受装置11を例に挙げ説明する。
【0022】
11はアーム7Bとバケット7Cとを回動可能に連結する軸受装置で、該軸受装置11は、図2に示すように、後述のアームボス12、ブッシュ13、ブラケット14、連結ピン21により大略構成されている。
【0023】
12はアーム7Bの先端側に設けられたボスとしてのアームボスで、該アームボス12は、軸方向に間隔をもって配置された左,右一対のボス部12Aと、該各ボス部12Aを連結するボスパイプ12Bとからなり、略円筒状をなして一体に形成されている。ここで、各ボス部12Aの内周側には、軸方向に延びるピン挿通孔12Cがそれぞれ設けられている。
【0024】
13は各ボス部12Aのピン挿通孔12C内にそれぞれ嵌着された左,右一対のブッシュで、該各ブッシュ13は、軸方向に離間して配設され、その内周側は後述の連結ピン21との摺動面となっている。
【0025】
14はバケット7Cに溶接等により固着して設けられた左,右一対のブラケットで、該各ブラケット14は、アームボス12の軸方向両端側に対向して配置されている。そして、各ブラケット14には、各ピン挿通孔12Cに対応する位置にそれぞれピン保持孔14Aが設けられている。
【0026】
21はアームボス12と各ブラケット14とを相対回転可能に連結する連結ピンで、該連結ピン21は、各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通されている。ここで、連結ピン21は、後述の鉄鋼製軸端側部材22、樹脂製中間部材23および固着部24により大略構成されている。
【0027】
22は連結ピン21の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通された左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材22は、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されたものである。
【0028】
23は連結ピン21の軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材23は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)、例えば炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂、アラミド繊維強化樹脂等を用いて中実の円柱状に形成されたものである。ここで、樹脂製中間部材23の外径寸法Aは、各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bと同一の寸法(A=B)に形成している。
【0029】
24は樹脂製中間部材23の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材22の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部24は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、樹脂製中間部材23の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材22の軸方向端面とを突合わせた状態で、これら各鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを固着部24によって接着することにより、1本の連結ピン21を構成している。
【0030】
25はブラケット14に対する連結ピン21の廻止めと抜止めとを行う廻止め装置、26は各ボス部12Aのうち各ブラケット14側の端部内周に装着されたダストシール、27は各ボス部12Aのうち各ブラケット14とは反対側の端部内周に装着されたオイルシールである。
【0031】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置11は上述の如き構成を有するもので、油圧ショベルの掘削作業時には、軸受装置11を介してアーム7Bの先端側にピン結合されたバケット7Cが、バケットシリンダ7Fの伸縮動作に応じて連結ピン21を中心として回動動作を行う。
【0032】
ここで、本実施の形態では、連結ピン21を、軸方向の両端側に配置された鉄鋼製軸端側部材22と、軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材23とにより構成しているので、連結ピン21の耐摩耗性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0033】
すなわち、連結ピン21のうち各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される部分(軸方向両端部)は、高強度の鉄鋼材を用いて形成された鉄鋼製軸端側部材22により構成している。このため、例えば連結ピン全体を鉄鋼材を用いて形成した場合と同様に、連結ピン21のうち各ブッシュ13の内周面と摺動する部分の耐摩耗性を確保できると共に、各ブラケット14のピン保持孔14Aに嵌合される部分の嵌合強度を確保できる。
【0034】
一方、連結ピン21のうち各ブッシュ13の内周面と摺動せず、かつ、各ブラケット14のピン保持孔14Aにも嵌合されない部分(軸方向中間部)は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材23により構成している。このため、例えば連結ピン全体を鉄鋼材を用いて形成した場合に比べ、連結ピン21の軽量化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、各鉄鋼製軸端側部材22を中実の円柱状に形成し、樹脂製中間部材23を中実の円柱状に形成してなる構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材22と樹脂製中間部材23とを接続することにより連結ピン21を容易に形成できる。
【0036】
しかも、樹脂製中間部材23の外径寸法Aと各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bとを同一寸法としたので、これら樹脂製中間部材23と各鉄鋼製軸端側部材22とを接続した状態で、連結ピン21の外径寸法を長さ方向にわたって同一な寸法にすることができ、連結ピン21を各ブラケット14のピン保持孔14Aとアームボス12の各ボス部12Aとに挿通する作業を容易に行える。
【0037】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを、凹部と凸部とによる凹凸嵌合により接続したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0038】
図中、31は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン31は、後述の鉄鋼製軸端側部材32、樹脂製中間部材33および固着部34により大略構成されている。
【0039】
32は連結ピン31の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材32は、上述した第1の実施の形態による鉄鋼製軸端側部材22と同様に、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されている。そして、各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面には、後述の樹脂製中間部材33に向けて軸方向に突出する凸部32Aを設けている。
【0040】
ここで、凸部32Aは、各鉄鋼製軸端側部材32の中心軸線C−Cに直交する方向の断面形状が各鉄鋼製軸端側部材32よりも一回り小さな円形となった円柱状に形成されたもので、その外径寸法Dは軸方向にわたって同一寸法に設定されている。
【0041】
33は連結ピン31の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材33は、上述した第1の実施の形態による樹脂製中間部材23と同様に、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材33の軸方向両端面には、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aが嵌合する凹部33Aをそれぞれ設けている。
【0042】
ここで、各凹部33Aは、樹脂製中間部材33の中心軸線C−Cに直交する方向の断面形状を、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aと同様に円形とし、その内径寸法Eは軸方向にわたって同一寸法に設定されている。また、各凹部33Aの内径寸法Eは、例えば凸部32Aの外径寸法Dよりも僅かに小さくすることにより、各凹部33Aと各凸部32Aとの嵌合が締り嵌めとなるようにしている。
【0043】
34は樹脂製中間部材33の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部34は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材32の凸部32Aを樹脂製中間部材33の各凹部33Aに圧入嵌合させると共に、これら各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とを固着部34によって接着することにより、1本の連結ピン31を構成している。
【0044】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は、上述の如き各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とにより連結ピン31を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0045】
然るに、本実施の形態によれば、各凸部32Aと各凹部33Aとを圧入嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材32と樹脂製中間部材33との接続強度(結合強度)の向上を図ることができ、連結ピン31の信頼性を高めることができる。
【0046】
次に、図6は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを、テーパ部を設けた凹部と凸部とによる凹凸嵌合により接続することにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】
図中、41は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン41は、後述の鉄鋼製軸端側部材42、樹脂製中間部材43および固着部44により大略構成されている。
【0048】
42は連結ピン41の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材42は、上述した第1の実施の形態による鉄鋼製軸端側部材22と同様に、高強度の鉄鋼材を用いて中実の円柱状に形成されている。そして、各鉄鋼製軸端側部材42の軸方向端面には、後述の樹脂製中間部材43に向けて軸方向に突出する凸部42Aを設けている。
【0049】
ここで、凸部42Aは、各鉄鋼製軸端側部材42の中心軸線F−Fを中心とする円錐台状に形成されている。すなわち、凸部42Aの外周面には、凸部42Aの基端部から先端部に向けて外径寸法Gが徐々に小さくなるように傾斜した円すい凸面状のテーパ部42Bが軸方向全体にわたって設けられている。
【0050】
43は連結ピン41の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材43は、上述した第1の実施の形態による樹脂製中間部材23と同様に、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材43の軸方向両端面には、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aが嵌合する凹部43Aをそれぞれ設けている。
【0051】
ここで、各凹部43Aは、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aと同様に、樹脂製中間部材43の中心軸線F−Fを中心とする有底な円錐台状に形成されている。すなわち、凹部43Aの内周面には、凹部43Aの底部から開口部に向けて内径寸法Hが徐々に大きくなるように傾斜した円すい凹面状のテーパ部43Bが軸方向全体にわたって設けられている。
【0052】
44は樹脂製中間部材43の軸方向両端面と各鉄鋼製軸端側部材42の軸方向端面との間に位置してこれら両面同士を接続する固着部で、該各固着部44は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材42の凸部42Aを樹脂製中間部材43の各凹部43Aに嵌合させると共に、これら各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とを固着部44によって接着することにより、1本の連結ピン41を構成している。
【0053】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とにより連結ピン41を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0054】
然るに、本実施の形態によれば、各凸部42Aと各凹部43Aとを嵌合させた状態で各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0055】
しかも、本実施の形態によれば、凸部42Aの外周面と凹部43Aの内周面とにそれぞれテーパ部42B,43Bを設ける構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材42と樹脂製中間部材43との接続部の断面強度を軸方向に関して徐々に(少しずつ)変化させることができる。このため、樹脂製中間部材43の応力集中を低減することができ、連結ピン41の信頼性を一層高めることができる。
【0056】
次に、図7ないし図9は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に樹脂製中間部材の張出し軸部を挿通することにより、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続することにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0057】
図中、51は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン51は、後述の鉄鋼製軸端側部材52、樹脂製中間部材53および固着部54より大略構成されている。
【0058】
52は連結ピン51の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通された左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材52は、高強度の鉄鋼材を用いて中空の円柱状(円筒状)に形成されている。すなわち、該各鉄鋼製軸端側部材52には、軸中心を通る軸中心孔52Aが設けられており、全体として中空状の円筒部材として形成されている。
【0059】
53は連結ピン51の軸方向の中間部に配置された樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材53は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて円柱状に形成されている。また、樹脂製中間部材53の軸方向両端部には、各鉄鋼製軸端側部材52に向けて張出した円柱状の張出し軸部53Aが設けられている。ここで、張出し軸部53Aの外径寸法Iは、樹脂製中間部材53の中間部(張出し軸部53Aに挟まれた部分)の外径寸法Jと同一寸法(I=J)に設定されている。これにより、樹脂製中間部材53はその全長にわたって同一な外径寸法を有する円柱状の棒状部材として形成されている。
【0060】
また、張出し軸部53Aの外径寸法Iは、例えば該各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aの内径寸法Kよりも僅かに大きくすることにより、張出し軸部53Aと軸中心孔52Aとの嵌合が締り嵌めとなるように設定している。
【0061】
54は各張出し軸部53Aの外周面と軸中心孔52Aの内周面との間に位置してこれら両周面同士を接続する固着部で、該各固着部54は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aに樹脂製中間部材53の各張出し軸部53Aを挿通(圧入嵌合)すると共に、これら各軸中心孔52Aと各張出し軸部53Aとを固着部54によって接着することにより、1本の連結ピン51を構成している。
【0062】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53とにより連結ピン51を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0063】
然るに、本実施の形態によれば、各鉄鋼製軸端側部材52は軸中心孔52Aを有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材52を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材53の両端部に設けた各張出し軸部53Aを各鉄鋼製軸端側部材52の軸中心孔52Aに挿通(嵌合)した状態で各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材52と樹脂製中間部材53との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0064】
次に、図10は本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に樹脂製中間部材の張出し軸部を挿通することにより、これら各鉄鋼製軸端側部材と樹脂製中間部材とを接続すると共に、連結ピンの外径寸法を長さ方向にわたって同一な寸法にしたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0065】
図中、61は各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される連結ピンで、該連結ピン61は、後述の鉄鋼製軸端側部材62、樹脂製中間部材63および固着部64により大略構成されている。
【0066】
62は連結ピン61の軸方向の両端側に位置して各ブッシュ13と各ブラケット14のピン保持孔14Aとに挿通される左,右一対の鉄鋼製軸端側部材で、該各鉄鋼製軸端側部材62は、高強度の鉄鋼材を用いて中空の円柱状(円筒状)に形成されている。すなわち、該各鉄鋼製軸端側部材62には、軸中心を通る軸中心孔62Aが設けられており、全体として中空状の円筒部材として形成されている。
【0067】
63は連結ピン61の軸方向の中間部に配置される樹脂製中間部材で、該樹脂製中間部材63は、軽量で必要な強度を有する繊維強化樹脂(FRP)を用いて形成されている。また、樹脂製中間部材63の軸方向両端部には、各鉄鋼製軸端側部材62に向けて張出した円柱状の張出し軸部63Aが設けられている。ここで、張出し軸部63Aの外径寸法Lは、樹脂製中間部材63の中間部(張出し軸部63Aに挟まれた部分)の外径寸法Mよりも小さくしている。また、樹脂製中間部材63の中間部の外径寸法Mは、各鉄鋼製軸端側部材62の外径寸法Nと同一(M=N)となるようにしている。
【0068】
また、張出し軸部63Aの外径寸法Lは、例えば該各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aの内径寸法Pよりも僅かに大きくすることにより、張出し軸部63Aと軸中心孔62Aとの嵌合が締り嵌めとなるようにしている。
【0069】
64は各張出し軸部63Aの外周面と軸中心孔62Aの内周面との間に位置してこれら両周面同士を接続する固着部で、該各固着部64は、例えば鉄鋼材と繊維強化樹脂とを強固に接続することができる接着剤により構成している。そして、各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに樹脂製中間部材63の各張出し軸部63Aを挿通(圧入嵌合)すると共に、これら各軸中心孔62Aと各張出し軸部63Aとを固着部64によって接着することにより、1本の連結ピン61を構成している。
【0070】
本実施の形態による油圧ショベルの軸受装置は上述の如き各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63とにより連結ピン61を構成するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0071】
然るに、本実施の形態によれば、各鉄鋼製軸端側部材62は軸中心孔62Aを有する中空状に形成してなる構成としているので、各鉄鋼製軸端側部材62を中実に形成した場合に比べて更なる軽量化を図ることができる。また、樹脂製中間部材63の両端部に設けた各張出し軸部63Aを各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに挿通した状態で各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63とを接続する構成としているので、これら各鉄鋼製軸端側部材62と樹脂製中間部材63との接続強度(結合強度)の向上を図ることができる。
【0072】
しかも、本実施の形態によれば、樹脂製中間部材63の中間部の外径寸法Mと各鉄鋼製軸端側部材62の外径寸法Nとを同一寸法としたので、樹脂製中間部材63の張出し軸部63Aを各鉄鋼製軸端側部材62の軸中心孔62Aに挿通した状態で、連結ピン61の外径寸法をその全長にわたって同一な外径寸法にすることができ、連結ピン61を各ブラケット14のピン保持孔14Aと各ボス部12A内とに挿通する作業を容易に行える。
【0073】
なお、上述した第1の実施の形態では、樹脂製中間部材23の外径寸法Aと各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bとを同一な寸法に設定した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す第1の変形例のように、樹脂製中間部材101の外径寸法Qを各鉄鋼製軸端側部材22の外径寸法Bよりも小さくしてもよい。この場合には、更なる軽量化を図れる。
【0074】
また、上述した第2の実施の形態では、樹脂製中間部材33を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図12に示す第2の変形例のように、樹脂製中間部材111を中空状に形成してもよい。すなわち、樹脂製中間部材111に軸中心を通る軸中心孔112を設けることにより、樹脂製中間部材111を中空状の円筒部材として形成してもよい。この場合には、各鉄鋼製軸端側部材32の軸方向端面に設けた凸部32Aを樹脂製中間部材111の軸中心孔112に挿通(圧入嵌合)させることもできる。このことは、第3の実施の形態による樹脂製中間部材43についても同様である。
【0075】
また、上述した第2および第3の実施の形態では、各鉄鋼製軸端側部材32,42に凸部32A,42Aを設けると共に樹脂製中間部材33,43に凹部33A,43Aを設ける構成とした場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば各鉄鋼製軸端側部材に凹部を設けると共に樹脂製中間部材に凸部を設ける構成としてもよい。
【0076】
また、上述した第2および第3の実施の形態では、凸部32A,42Aおよび凹部33A,43Aの断面形状を円形に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば凸部および凹部の断面形状を楕円形、多角形等の非円形に形成してもよい。
【0077】
また、上述した第3の実施の形態では、凸部42Aの外周面の軸方向全体にわたってテーパ部42Bを設けると共に凹部43Aの内周面の軸方向全体にわたってテーパ部43Bを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば凸部の外周面および凹部の内周面の軸方向一部に、連結ピンの中心軸線に対し傾斜したテーパ部を設けてもよい。
【0078】
また、上述した第4の実施の形態では、樹脂製中間部材53を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す第3の変形例のように、樹脂製中間部材121を(張出し軸部121Aも含んで)中空状に形成してもよい。
【0079】
また、上述した第5の実施の形態では、樹脂製中間部材63を中実状に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図14に示す第4の変形例のように、樹脂製中間部材131を(張出し軸部131Aも含んで)中空状に形成してもよい。
【0080】
また、上述した第4および第5の実施の形態では、張出し軸部53A,63Aの断面形状を円形に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば張出し軸部の断面形状を楕円形、多角形等の非円形に形成してもよい。この場合には、張出し軸部が挿通される軸中心孔の断面形状を張出し軸部の断面形状に合わせる。
【0081】
また、上述した第1ないし第3の実施の形態では、左,右一対の鉄鋼製軸端側部材22,32,42を別体に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図15に示す第5の変形例のように、左,右一対の鉄鋼製軸端側部材141を鉄鋼製連結部材142により連結して一体形成してもよい。
【0082】
この場合には、鉄鋼製連結部材142の外周側に円筒状の樹脂製中間部材143を設けることができる。このように構成した場合には、樹脂製中間部材143の内側に心材となる鉄鋼製連結部材142が存在するため、連結ピン144全体の強度の向上を図ることができる。また、鉄鋼製連結部材142の周囲に繊維強化樹脂(FRP)を巻きつける工法により樹脂製中間部材143を形成することができるため、連結ピン144の製作の容易化を図ることができる。
【0083】
また、上述した各実施の形態では、軸受装置をアームとバケットとの間のピン結合部に適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば作業装置を構成するブームの先端とアームとの間のピン結合部、ブームのフート部と旋回フレームの前部側との間のピン結合部等に軸受装置を適用してもよい。
【0084】
さらに、上述した各実施の形態では、軸受装置を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0085】
11 軸受け装置
12 アームボス(ボス)
12C ピン挿通孔
13 ブッシュ
14 ブラケット
14A ピン保持孔
21,31,41,51,61,144 連結ピン
22,32,42,52,62,141 鉄鋼製軸端側部材
23,33,43,53,63,101,111,121,131,143 樹脂製中間部材
32A,42A 凸部
33A,43A 凹部
52A,62A,112 軸中心孔
53A,63A,121A,131A 張出し軸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとを備えてなる軸受装置において、
前記連結ピンは、軸方向の両端側に位置して前記各ブッシュと前記各ブラケットの各ピン保持孔とに挿通され、少なくともその外周側が鉄鋼材を用いて形成された一対の鉄鋼製軸端側部材と、軸方向の中間部に配置され少なくともその外周側が繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材とにより構成したことを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記各鉄鋼製軸端側部材は中空状または中実状に形成し、前記樹脂製中間部材は中空状または中実状に形成してなる構成としてなる請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち一方の部材の軸方向端面には他方の部材に向けて軸方向に突出する凸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち他方の部材の軸方向端面には前記凸部が嵌合する凹部を設け、前記凸部と凹部とを嵌合させた状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記各鉄鋼製軸端側部材は軸中心を通って形成される軸中心孔を有する中空状に形成し、前記樹脂製中間部材の軸方向両端部には前記各鉄鋼製軸端側部材に向けて張出した張出し軸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に前記張出し軸部を挿通した状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
【請求項1】
一側部材に設けられ軸方向に延びるピン挿通孔が形成された筒状のボスと、該ボスのピン挿通孔に軸方向に離間して設けられた一対のブッシュと、前記ボスと軸方向で対向して相手方部材に設けられ前記ピン挿通孔に対応する位置にそれぞれピン保持孔が形成された一対のブラケットと、前記各ブッシュと前記各ブラケットのピン保持孔とに挿通され前記ボスと各ブラケットとを相対回転可能に連結する連結ピンとを備えてなる軸受装置において、
前記連結ピンは、軸方向の両端側に位置して前記各ブッシュと前記各ブラケットの各ピン保持孔とに挿通され、少なくともその外周側が鉄鋼材を用いて形成された一対の鉄鋼製軸端側部材と、軸方向の中間部に配置され少なくともその外周側が繊維強化樹脂を用いて形成された樹脂製中間部材とにより構成したことを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記各鉄鋼製軸端側部材は中空状または中実状に形成し、前記樹脂製中間部材は中空状または中実状に形成してなる構成としてなる請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち一方の部材の軸方向端面には他方の部材に向けて軸方向に突出する凸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とのうち他方の部材の軸方向端面には前記凸部が嵌合する凹部を設け、前記凸部と凹部とを嵌合させた状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記各鉄鋼製軸端側部材は軸中心を通って形成される軸中心孔を有する中空状に形成し、前記樹脂製中間部材の軸方向両端部には前記各鉄鋼製軸端側部材に向けて張出した張出し軸部を設け、前記各鉄鋼製軸端側部材の軸中心孔に前記張出し軸部を挿通した状態で前記各鉄鋼製軸端側部材と前記樹脂製中間部材とを接続する構成としてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−236944(P2011−236944A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107310(P2010−107310)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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